JPH0914315A - 摩擦材の予備成形方法 - Google Patents

摩擦材の予備成形方法

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JPH0914315A
JPH0914315A JP7158106A JP15810695A JPH0914315A JP H0914315 A JPH0914315 A JP H0914315A JP 7158106 A JP7158106 A JP 7158106A JP 15810695 A JP15810695 A JP 15810695A JP H0914315 A JPH0914315 A JP H0914315A
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friction
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rod
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Takeo Yumoto
健雄 湯本
Nobuyuki Iwatate
伸之 岩立
Naozumi Kawanishi
直純 川西
Yuji Watanabe
祐二 渡辺
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予備成形後の熱成形時に成形品に割れやふく
れが生じることがなく、しかも摩擦作用や機械的強度に
優れた摩擦材を提供する。 【構成】 繊維基材、結合材及び各種充填材を混合して
なる摩擦材母材2を成形金型3に投入し、棒状部材5を
成形金型3の上方から提供する。そして、棒状部材5を
そのストロークを徐々に小さくしながら上下動させるこ
とで、摩擦材母材2を投入時の50〜60体積%になる
まで突き固める。次いで、底板4を押し上げて摩擦材母
材2を圧縮して予備成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のディス
クブレーキ用パッド等に使用される摩擦材の予備成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のディスクブレーキ用パッ
ドは、金属繊維や無機繊維、有機繊維等からなる繊維基
材、熱硬化性樹脂粉末からなる結合材、更には摩擦調整
材や潤滑材等の各種充填材を混合してなる摩擦材母材を
成形金型に投入し、常温で圧縮して予備成形を行った
後、前記予備成形品を裏板がセットされた熱成形金型に
移し、加熱加圧(以下、熱成形と呼ぶ)ことにより製造
される。上記の製造工程において、予備成形前に成形金
型に投入した摩擦材母材を平坦にならすことが行われ
る。例えば、特公平2−51719号公報には、セミメ
タリック材からなる摩擦材層と、裏板の蟻穴部に接合さ
れるためのボスを突出状に備え、断熱性に富む材料から
なる断熱材層とからなる2層構造のディスクブレーキ用
パッドの成形方法において、金型中に断熱材層の材料を
投入し、ボス突きロッドを上方から下降させて断熱材層
を突き固めることでボスを形成した後、断熱材層の上面
を平坦にならし、その上にセミメタリック材の粉粒物を
投入し、更にセミメタリック材の上面を平坦にならした
後、プレス用ラムを金型内部に下降させてセミメタリッ
ク材と断熱材層とを圧縮する予備成形方法が記載されて
いる。また、特公平3−6878号公報には、上記のな
らし処理に好適に使用されるならし装置が記載されてい
る。このならし処理により摩擦材母材の表面を平坦化す
ることで、成形金型中の摩擦材母材の厚さが均一とな
り、プレス用ラムの圧力分布が均一化されて成形性が向
上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、摩擦材母材
は繊維基材、結合材、各種充填材からなる混合物であ
り、しかもこれらの材料は固体であるから、成形金型内
に投入された状態では、摩擦材母材に多量の空気が混入
している。このような状態において、摩擦材母材を予備
成形すると、圧縮に伴い一部の空気が成形金型内壁と摩
擦材母材との隙間から外部に排出されるものの、多くは
予備成形品の内部に残留したままである。そして、空気
が残留したまま熱成形に供されると、残留空気が膨張し
て内部に空孔を形成し、成形品であるディスクブレーキ
用パッドに割れやふくれを生起する。しかしながら、上
記ならし処理では、単に摩擦材母材上面を平坦化してい
るだけであるために、上記特公平2−51719号公報
に記載されているような2層構造のディスクブレーキ用
パッドにおける2つの材料間の密着性や、摩擦材母材と
プレス用ラムとの接合面の密着性は改善されるものの、
摩擦材母材内部に残留する空気を排除することはできな
い。
【0004】また、ディスクブレーキ用パッドの摩擦作
用や機械的強度を考慮した場合、繊維基材や結合材、各
種充填材が成形品内で均一に分布していることに加え
て、前記各材料が相互に結び付いていること、具体的に
は繊維同士が密に絡み合い、更に各種充填材が繊維基材
の間に入り込んだ状態で一体的に結合されていることが
好ましい。しかし、摩擦材母材は繊維基材や結合材、各
種充填材の固体状材料を所定量ずつ配合し、攪拌等によ
り単に混ぜ合わせただけのものであるため、局所的に前
記各材料の不均一な部分があったり、更には各材料間の
結び付きが少ない。しかしながら、上記ならし処理で
は、摩擦材母材の更なる均質化や前記各材料間の結び付
きが得られない。
【0005】そこで本発明の目的は、熱成形における成
形品の割れやふくれがなく、しかも摩擦作用や機械的強
度に優れた摩擦材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の、
繊維基材、結合材及び各種充填材を混合してなる摩擦材
母材を成形金型に投入し、棒状部材により前記摩擦材母
材を突き押した後、前記摩擦材母材を圧縮成形すること
を特徴とする摩擦材の予備成形方法により達成される。
【0007】
【作用】予備成形において、棒状部材により摩擦材母材
を突き押すことにより、摩擦材母材中に混在する空気が
排除され、熱成形時に成形品に割れやふくれが生起する
ことが解消される。また、前記突き押しにより、摩擦材
母材を構成する繊維基材や結合材、各種充填材が材料調
製時よりも均質化されるとともに、これら各材料が絡み
合うことで、材料相互の結び付きが生起して熱成形によ
る成形品の摩擦作用や機械的強度が改善される。これら
の作用は、特に、前記摩擦材母材をその前記成形金型底
部側から上方に順次突き固めていくこと、また前記摩擦
材母材を投入時の50〜60体積%になるまで突き固め
ることでより効果的となる。
【0008】以下、本発明に係る摩擦材の予備成形方法
に関して図面を参照して詳細に説明する。図1乃至図4
は、本発明に係る摩擦材の予備成形方法をその工程順に
説明するための概略図である。
【0009】図1に示されるように、先ず材料投入装置
1から所定量の摩擦材母材2が成形金型3内に投入され
る。摩擦材母材2は特に制限されるものではなく、従来
と同様に繊維基材、結合材及び各種充填材を所定量ずつ
配合し、攪拌して均質に混合したものである。また、こ
れら各材料も以下に例示されるような、従来より摩擦材
母材として広く使用されている物質を使用できる。
【0010】繊維基材としては、例えばスチールや銅、
真鍮等からなる金属繊維類、炭素繊維やガラス繊維、チ
タン酸カリウム等のセラミック繊維等の無機繊維類、ア
ラミド繊維や耐炎化アクリル繊維等の有機繊維類が挙げ
られる。これらは単独で、もしくは2種以上混合して使
用される。結合材は熱硬化性樹脂からなる粉末であり、
例えばフェノール樹脂やエポキシ樹脂、メラミン樹脂等
の樹脂粉末である。充填材としては、例えば、アルミナ
やシリカ、ジルコニア等の金属酸化物粒子からなる無機
系摩擦調整材、カシューダストやゴムダスト等からなる
有機系摩擦調整材、黒鉛や二硫化モリブデン等からなる
潤滑材、銅、真鍮等の金属粉末、硫酸バリウムや炭酸カ
ルシウム等主に製品の機械的強度を向上させるための材
料、バーミキュライト、マイカ等主にノイズ低減のため
の材料、三酸化アンチモン等の難燃材等を挙げることが
できる。一方、成形金型3は底部が開口しており、成形
金型3とは別体の底板4で閉塞されている。
【0011】摩擦材母材2の投入後、図2及び図3に示
されるように、成形金型3の上方から棒状部材5を提供
して摩擦材母材2の突き押しを行う。棒状部材5は、例
えば直径3〜4mmでその先端が半球状に加工された金
属棒であり、図示されるように、棒状部材5を上下動さ
せるロボット6に所定間隔、例えば15mm間隔で複数
本配設される。
【0012】突き押しは、摩擦材母材2の深部から表面
に、即ち成形金型3の底板4側から上方に向かって順次
行われる。そのためには、先ず棒状部材5をその先端が
成形金型3の底板4の極く近傍まで接近するように降下
させ、同じストロークで上下動させながらロボット6を
底板4と平行に、かつ底板4全面に亘り移動する。次い
で、棒状部材5を最初のストロークよりも小さくして上
下動させながらロボット6を底板4と平行に、かつ底板
4全面に亘り移動する。このように、ストロークを徐々
に小さくしながら棒状部材5を底板4全面に亘り水平移
動することで、摩擦材母材2をその深部から表面に向か
って突き固めていくことができる。尚、各ストロークに
おける突き押し回数は特に制限されるものではないが、
5〜7回程度行われる。上述した棒状部材5の動作は、
ロボット6に連結する制御装置(図示省略)により制御
される。ロボット6は、摩擦材母材2や成形製品の種類
に応じて、棒状部材5の上下動の速度(突き押し圧力)
や回数、ストロークの大きさ、水平方向の移動速度等を
変えることで突き押しパターンを多様に設定でき、多品
種対応を可能にする。
【0013】この突き押しにより、摩擦材母材2に混在
する空気が外部に排出されるとともに、摩擦材母材2を
構成する上記各材料がより均質化され、更に前記材料同
士が緊密に絡み合う。また、突き押しは、摩擦材母材2
の投入当初の体積が50〜60%に減じるまで行うこと
が好ましい。これよりも減量が少ないと、摩擦材母材2
に混在する空気の排出並びに材料の絡み合いが十分でな
く、本発明の効果が得られない。一方、前記以上に突き
固めても、それに伴う効果の増加が見られず、コスト増
を招くだけである。尚、突き押しにより摩擦材母材2の
表面はある程度平坦化されるが(図3参照)、必要に応
じて従来と同様のならし処理を施してもよい。
【0014】上記の突き押し終了後、図4に示されるよ
うに、棒状部材5を成形金型3から退去させた後、成形
金型3にストッパプレート7を載置した状態で、シリン
ダ8により底板4をストッパプレート7方向に押し上げ
て摩擦材母材2を圧縮して予備成形が完了する。ここ
で、突き押しにより摩擦材母材2に混在する空気の大部
分が排出されるものの、残留分もかなりあるため、この
シリンダ8による圧縮を複数回行って残留空気をできる
限り排出することが好ましい。以上の一連の予備成形は
常温で行われる。
【0015】そして、予備成形された摩擦材母材2は、
成形金型3から取り出され、常法に従い熱成形され、最
終製品となる。この最終製品は、予備成形時の棒状部材
による突き押しにより、摩擦材母材中に混在する空気が
排除されるために、熱成形時に空気の膨張に起因する割
れやふくれが生起することはない。また、摩擦材母材を
構成する繊維基材、結合材、各種充填材の固体状材料が
材料調製時よりも均質化されるとともに、これら各材料
が絡み合って材料間の結び付きが強くなり、摩擦作用や
機械的強度に優れる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予備成形時に棒状部材により摩擦材母材を突き押すこと
により、摩擦材母材中に混在する空気が排除され、熱成
形時に成形品に割れやふくれが生起することが解消され
るため、製品歩留りが向上する。また、前記突き押しに
より、摩擦材母材を構成する繊維基材や結合材、各種充
填材が材料調製時よりも均質化されるとともに、これら
各材料が絡み合うことで、材料相互の結び付きが生起し
て熱成形による成形品の摩擦作用や機械的強度が改善さ
れ、高品質の製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦材の予備成形方法を説明する
ための図であって、摩擦材母材の投入状態を示す概略図
である。
【図2】本発明に係る摩擦材の予備成形方法を説明する
ための図であって、摩擦材母材の突き押し状態(開始
時)を示す概略図である。
【図3】本発明に係る摩擦材の予備成形方法を説明する
ための図であって、摩擦材母材の突き押し状態(終了
時)を示す概略図である。
【図4】本発明に係る摩擦材の予備成形方法を説明する
ための図であって、摩擦材母材の突き押し後の圧縮状態
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 材料投入装置 2 摩擦材母材 3 成形金型 4 底板 5 棒状部材 6 ロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B30B 11/00 B30B 11/00 M F16D 65/092 F16D 65/092 B // B29L 31:16 (72)発明者 渡辺 祐二 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、結合材及び各種充填材を混合
    してなる摩擦材母材を成形金型に投入し、棒状部材によ
    り前記摩擦材母材を突き押した後、前記摩擦材母材を圧
    縮成形することを特徴とする摩擦材の予備成形方法。
  2. 【請求項2】 前記棒状部材により、前記摩擦材母材を
    その前記成形金型底部側から上方に順次突き固めていく
    ことを特徴とする請求項1記載の摩擦材の予備成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記棒状部材により、前記摩擦材母材を
    投入時の50〜60体積%になるまで突き固めることを
    特徴とする請求項1または2記載の摩擦材の予備成形方
    法。
JP7158106A 1995-06-23 1995-06-23 摩擦材の予備成形方法 Pending JPH0914315A (ja)

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