JPH09142054A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とか
らなる感熱孔版印刷用原紙において、該原紙のタテ方向
のＭＩＴ屈曲試験機による耐折強さが、幅１ｃｍ当たり
の張力０．５ｋｇｆ／ｃｍの時、１０００回以上である
ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。 【効果】耐刷性に優れ、大量枚数印刷しても画像が歪む
ことのない感熱孔版印刷用原紙を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、感熱孔版印刷用原
紙に関する。さらに詳しくは、ハロゲンランプ、キセノ
ンランプ、フラッシュバルブなどによる閃光照射や赤外
線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるいはサー
マルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷用原
紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より感熱孔版印刷に用いられる原紙
としては、アクリロニトリル系フィルム、ポリエステル
系フィルムあるいは塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑
性樹脂フィルムと、マニラ麻などの天然繊維からなる薄
葉紙や天然繊維と合成繊維とを混抄してなる薄葉紙等に
よって構成された多孔性支持体とを接着剤で貼り合わせ
た構造のものが知られている（例えば特開昭５７−１８
２４９５号公報、特開昭５８−１４７３９６号公報、特
開昭５９−１１５８９８号公報など）。

【０００３】しかしながら、これら従来の感熱孔版用原
紙は耐刷性の点で、必ずしも満足のいくものではなかっ
た。すなわち、印刷枚数が大量（１０００枚以上）にな
ると、印刷画像に歪みが生じたり、原紙にシワが発生し
たり、原紙が破れたりするなどの欠点があった。耐刷性
が十分でない理由としては種々考えられるが、その一つ
は原紙を構成する支持体に起因するものである。すなわ
ち、従来から最も多く使用されている天然繊維からなる
薄葉紙は印刷インキに含まれる水分などによって繊維同
士を接着しているバインダーが変質したり、繊維自体が
膨潤したりして支持体としての剛性（弾性率）が低下
し、原紙が変形しやすくなるという欠点があった。ま
た、合成繊維を主体とする薄葉紙は繊維自体の膨潤は減
少するものの、印刷インキに含まれる水分などによっ
て、繊維同士の接着力が低下したり、フィルムと支持体
との接着力が低下したりして支持体の剛性が損なわれ、
原紙が変形してしまうという欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決し、耐刷性に優れた感熱孔版印刷用原紙を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは感熱孔版用原紙の印刷機内における走
行メカニズムと印刷メカニズムに着目して鋭意研究した
結果、従来原紙の欠点を改良できることを見い出し、本
発明を完成したものである。

【０００６】すなわち本発明の感熱孔版印刷用原紙は、
熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とからなる感熱孔
版印刷用原紙において、該原紙のタテ方向のＭＩＴ屈曲
試験機による耐折強さが、幅１ｃｍ当たりの張力が０．
５ｋｇｆのとき、１０００回以上であることを特徴とす
るものからなる。また、本発明の原紙は上記耐折強さが
好ましくは１５００回以上、さらに好ましくは２０００
回以上である。耐折強さが１０００回未満であると、耐
刷性が劣り、大量枚数の印刷において、画像に歪みが生
じたり、原紙にシワが発生したりする。なお、本発明で
いう原紙のタテ方向とは印刷機内の原紙の走行方向をい
う。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性樹脂フィ
ルムは、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デンまたはその共重合体など従来公知のものが用いられ
るが、穿孔感度の点からポリエステルフィルムが特に好
ましく用いられる。

【０００８】ポリエステルフィルムに用いられるポリエ
ステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を挙
げることができる。穿孔感度を向上するために特に好ま
しくは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等
を挙げることができる。

【０００９】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
通常延伸された方が好ましく、従来公知のＴダイ法、イ
ンフレーション法等によって製造することができる。例
えば、Ｔダイ法ではポリマーをキャストドラム上に押し
出すことによって未延伸フィルムを作製し、次いで加熱
ロール群により縦延伸し、また必要に応じてテンター等
に供給して横延伸することができる。口金のスリット
幅、ポリマーの吐出量、キャストドラムの回転数を調整
することによって、未延伸フィルムの厚さを調整するこ
とができ、また、加熱ロール群の回転速度を調整した
り、テンターの設定幅を変更することによって所望の延
伸倍率で延伸することができる。

【００１０】本発明における熱可塑性樹脂フィルムには
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックス等の有機滑剤、あるいはポリシロキサン等の消泡
剤等を配合することができる。

【００１１】さらには必要に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性付与方法としては特に制限はない
が、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなど
の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とす
る有機粒子等を配合する方法、内部粒子による方法、界
面活性剤を塗布する方法等がある。

【００１２】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚
さは、通常好ましくは０．１〜１０μｍであり、より好
ましくは０．１〜５μｍ、特に好ましくは０．１〜３μ
ｍである。厚さが１０μｍを超えると穿孔性が低下する
場合があり、０．１μｍ未満であると製膜安定性が悪化
する場合がある。

【００１３】本発明における多孔性支持体は、従来公知
の織物、薄葉紙、抄造紙、スクリーン紗、不織布などイ
ンキの透過性を有するものであれば、特に限定されな
い。これら多孔性支持体は単体で用いてもよいし、２種
以上を組み合わせて用いてもよいが、インキの透過性と
保持性のバランスの点で、不織布が好ましく用いられ
る。

【００１４】不織布はフラッシュ紡糸法、メルトブロー
紡糸法、スパンボンド紡糸法など従来公知の直接溶融紡
糸法よって作製することができる。例えば、メルトブロ
ー紡糸法では、溶融したポリマーを口金から吐出するに
際して、口金周辺部から熱風を吹き付け、該熱風によっ
て吐出したポリマーを細繊度化せしめ、ついで、しかる
べき位置に配置したネットコンベア上に吹き付けて捕集
し、ウエブを形成して製造される。同様にスパンボンド
法では、口金から吐出したポリマーをエアエジェクター
によって牽引し、得られたフィラメントを衝突板に衝突
させて繊維を開繊し、コンベア状に捕集してウエブを形
成して製造される。ポリマー吐出量、コンベア速度を適
宜設定することにより、ウエブの目付を任意に設定でき
る。

【００１５】本発明における多孔性支持体は、インキと
の親和性を付与するために必要に応じて構成する繊維の
表面に酸、アルカリ等の化学処理、コロナ処理、低温プ
ラズマ処理等を施してもよい。

【００１６】本発明において不織布からなる多孔性支持
体は、好ましくは繊維同士がその交絡点において、互い
に不規則に融着した網状体を形成してなる。特に好まし
くは融着部の一部に薄い膜を形成してなる。つまり、支
持体の繊維同士が、薄膜を形成してなる融着部を持った
網状体とすることにより、支持体の強度が安定するとと
もに、均一な開孔形態を形成することができ、印刷イン
キの保持性と透過性のバランスのとれた、耐刷性に優れ
た原紙とすることができるものである。

【００１７】本発明に好ましく用いられる支持体繊維の
平均直径は通常１〜５０μｍであり、好ましくは２〜３
０μｍ、より好ましくは３〜２０μｍである。平均直径
が１μｍ未満であると、支持体強度が不足し、耐刷性が
劣る恐れがあり、平均直径が５０μｍを超えると、原紙
とした時にフィルム表面の平滑性が低下して印字鮮明性
が悪くなる恐れがある。

【００１８】本発明における支持体繊維の目付量は、通
常好ましくは１〜２０ｇ／ｍ² 、より好ましくは２〜１
５ｇ／ｍ² である。目付量が２０ｇ／ｍ² を超えると、
インキの透過性が低下して画像鮮明性が低下する。また
目付量が１ｇ／ｍ² 未満であると耐刷性が低下する。

【００１９】これら多孔性支持体を構成する繊維として
は、湿潤に対する抵抗性の点で、合成繊維を主体として
なるものが好ましい。

【００２０】合成繊維としては、例えばポリエステル、
ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリ
ロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその
共重合体など従来公知のものが用いられる。これらの合
成繊維は単体で用いてもよいし、２種以上を併用しても
よく、また、天然繊維や再生繊維を含んでもよい。本発
明においては穿孔時の熱安定性の点からポリエステル繊
維が特に好ましく用いられ、少なくとも５０％以上がポ
リエステル繊維であるのがより好ましい。

【００２１】ポリエステルとして好ましくは、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、エチレンテ
レフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体等
を挙げることができる。穿孔時の熱寸法安定性の点から
特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート等を挙げることができる。これらの
ポリマーには必要に応じて難燃剤、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エ
ステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン
等の消泡剤等を配合することができる。

【００２２】本発明における原紙は、上記の熱可塑性樹
脂フィルムと多孔性支持体とを積層一体化して作られ
る。積層はフィルムの穿孔感度を低下させない条件で接
着剤を用いて接着してもよく、接着剤を用いることなく
フィルムと支持体とを直接熱接着してもよい。

【００２３】本発明における原紙は、未延伸の熱可塑性
樹脂フィルムと低配向度の合成繊維からなる多孔性支持
体とを熱圧着した状態で共延伸して得られるものが特に
好ましい。熱圧着の方法は特に限定されないが、加熱ロ
ールとニップロールの間で、熱可塑性樹脂フィルムと多
孔性支持体とを加熱しつつ加圧して行うのが好ましい。
熱圧着時の加熱温度は、熱可塑性樹脂フィルムのガラス
転移点（Ｔｇ）−２０℃〜Ｔｇ＋５０℃であるのが好ま
しく、より好ましくはＴｇ〜Ｔｇ＋３０℃である。加熱
温度がＴｇ−２０℃未満であると耐刷性が劣り、Ｔｇ＋
５０℃を超えると印字鮮明性が劣る。

【００２４】熱圧着時のニップ圧力はロール線圧で０．
１ｋｇｆ／ｃｍ〜１００ｋｇｆ／ｃｍが好ましく、より
好ましくは１ｋｇｆ／ｃｍ〜８０ｋｇｆ／ｃｍである。
ニップ圧力が０．１ｋｇｆ／ｃｍ未満であると耐刷性が
劣り、１００ｋｇｆ／ｃｍを超えると印字鮮明性が劣
る。なお、本発明でいうロール線圧とはロールの１ｃｍ
幅あたりに負荷される荷重である。

【００２５】熱圧着時のニップ回数はロール温度と圧力
およびライン速度にもよるが、通常１〜１０回が好まし
く、より好ましくは１〜５回である。ニップ回数が０回
では耐刷性が劣り、１０回を超えると印字鮮明性が悪く
なる傾向にある。

【００２６】本発明において熱圧着条件は、上記の範囲
に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂フィルムの厚
さや多孔性支持体の目付あるいは熱圧着後の延伸条件等
に応じて、適宜選択しうる。

【００２７】また、熱圧着に用いる加熱ロールの材質と
しては、ハードクロムロール、セラミックロール、フッ
素樹脂コートロールなどが挙げられ、ニップロールとし
てはシリコンゴムロール、アクリルゴムロール、ペーパ
ーロールなどが挙げられる。本発明においては、熱圧着
条件に応じてこれらのロールを適宜組み合わせて用いる
ことができる。

【００２８】本発明の原紙は、上記のように熱圧着した
熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを共延伸するこ
とにより、フィルムと多孔性支持体とが剥離することな
く好適に一体化されるので、耐刷性に優れ、かつ印字鮮
明性の良好な原紙とすることができる。またこの時、支
持体の繊維はその交絡点で互いに融着した状態で延伸さ
れ、支持体として好適な網状体が形成される。つまり、
支持体の繊維が融着した網状体を形成することにより、
インキの透過性と保持性に優れるとともに、支持体強度
の安定した耐刷性に優れた原紙とすることができるので
ある。

【００２９】共延伸の方法は特に限定されないが、通
常、二軸延伸が好ましい。二軸延伸は逐次二軸延伸、同
時二軸延伸のいずれの方法であってもよい。逐次二軸延
伸の場合、縦方向、横方向の順に延伸するのが一般的で
あるが、逆に延伸してもよい。延伸倍率は特に限定され
るものではなく、用いる熱可塑性樹脂の種類や原紙に要
求される穿孔感度等によって適宜決定されるが、通常は
縦、横それぞれ２〜８倍程度が適当である。また、二軸
延伸後、縦または横、あるいは縦横同時に再延伸しても
かまわない。

【００３０】さらに、二軸延伸後の本発明原紙を熱処理
するのが好ましい。熱処理温度は特に限定されるもので
はなく、用いる熱可塑性樹脂の種類によって適宜決定さ
れる。

【００３１】本発明の原紙は、タテ方向の引張弾性率が
０．１ｋｇｆ／ｃｍ以上、好ましくは０．１４ｋｇｆ／
ｃｍ以上、より好ましくは０．１８ｋｇｆ／ｃｍ以上で
ある。引張弾性率が０．１ｋｇｆ／ｃｍ未満では耐刷性
が低下するおそれがある。

【００３２】本発明の原紙は、タテ方向の湿潤引張弾性
率の湿潤前引張弾性率に対する保持率が５０％以上であ
り、好ましくは６０％以上、より好ましくは７０％以上
である。保持率が５０％未満では、耐刷性が低下する傾
向にある。

【００３３】ここで、原紙の引張弾性率は、幅２ｃｍ、
長さ１５ｃｍのサンプルを引張試験機（東洋測器製“テ
ンシロン”）を用いて、チャック間距離５ｃｍ、引張速
度５ｃｍ／分で、荷重−伸び線図（Ｓ−Ｓカーブ）を記
録計（記録計速度５０ｃｍ／分）に記録し、Ｓ−Ｓカー
ブの初期の立ち上がり勾配から、伸度１％（伸び量で
０．５ｍｍ）における引張荷重をサンプル幅で除して求
めた。また、サンプルを室温水中に１時間浸漬した後、
上記と同様の方法で湿潤引張弾性率を測定し、湿潤前後
の弾性率から、保持率を計算した。

【００３４】本発明の原紙を構成する熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体の剥離強度は好ましくは１ｇ／２５
ｍｍ以上、より好ましくは３ｇ／２５ｍｍ以上、特に好
ましくは５ｇ／２５ｍｍ以上である。剥離強度が１ｇ／
２５ｍｍ未満であると、印刷途中で熱可塑性樹脂フィル
ムと多孔性支持体とが剥離し、耐刷性が低下する。

【００３５】本発明の原紙を構成するフィルム面には穿
孔時のスティック防止のため離型剤を塗布するのが好ま
しい。離型剤としては、シリコーンオイル、シリコーン
系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等からなる従来公知
のものを用いることができる。

【００３６】また、離型剤中には、帯電防止剤、耐熱
剤、耐酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料など各種
添加剤を混合して併用することができる。

【００３７】

【特性の測定方法】

（１）ＭＩＴ屈曲試験機による耐折強さ 耐折強さはＪＩＳ−Ｐ８１１５に準拠して試験した。原
紙をタテ方向に片刃かみそりでカットして、幅１ｃｍ、
長さ１６ｃｍのサンプルを１０枚採取した。該サンプル
を（株）東洋精機製作所製ＭＩＴ屈曲試験機に試長１１
ｃｍで保持して、張力０．５ｋｇｆで屈曲試験を行い、
破断までの繰り返し数をカウンターにより計測した。サ
ンプル１０枚について試験を行い、その平均破断回数を
耐折強さとして求めた。

【００３８】（２）耐刷性、印字鮮明性の評価 作製した原紙を理想科学工業（株）製“リソグラフ”Ｇ
Ｒ２７５に供給してサーマルヘッド式製版方式により、
サイズ６ポ〜１６ポの文字、太さ０．１ｍｍ〜０．５ｍ
ｍの罫線および直径０．５〜１５ｍｍの●（丸で中が黒
く塗りつぶされたもの）を原稿として製版した。次い
で、製版した原紙により印刷枚数１０００枚を印刷し、
印刷したものを目視判定により次のように評価した。

【００３９】耐刷性：文字および罫線の歪み 文字や罫線に全く歪みのないものを◎、わずかに歪みの
認められたものを○、歪みが目立つものを△、歪みの著
しいものを×とした。

【００４０】印字鮮明性：黒ベタ部の白抜け 黒ベタ部に白抜けの全くないものを◎、わずかに白抜け
のあるものを○、白抜けの目立つものを△、白抜けの著
しいものを×とした。

【００４１】

【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

【００４２】実施例１〜５ 孔径０．３０ｍｍ、孔数１００個の矩形口金を用いて、
口金温度２８０℃でポリエチレンテレフタレート原料
（［η］＝０．６２、Ｔｍ＝２５７℃）をメルトブロー
法にて紡出し、コンベア上に繊維を分散捕集して目付１
４０ｇ／ｍ² の不織布を作製した。

【００４３】次いで、ポリエチレンテレフテレート８７
モル％、ポリエチレンイソフタレート１３モル％からな
る共重合ポリエステル樹脂原料（［η］＝０．６３、Ｔ
ｍ＝２１３℃）を押出機を用いて、Ｔダイ口金温度２７
５℃で押出し、冷却ドラム上にキャストして未延伸フィ
ルムを作製した。

【００４４】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロール（材質：セラミックロール、直径：３０
ｃｍ）とニップロール（材質：シリコンゴムロール、直
径：３０ｃｍ）の間に供給して、ロール温度８０℃で、
ニップ圧力を０．１ｋｇｆ／ｃｍ、１ｋｇｆ／ｃｍ、１
０ｋｇｆ／ｃｍ、５０ｋｇｆ／ｃｍ、１００ｋｇｆ／ｃ
ｍに変更して、積層シートを作製した。

【００４５】該積層シートを９０℃の加熱ロール間で、
長さ方向に３．５倍延伸した後、テンター式延伸機に送
り込み、９０℃で幅方向に４倍延伸し、さらにテンター
内部で１４０℃で熱処理して、本発明の原紙を作製し
た。原紙のフィルム面にはシリコン樹脂を塗布した。

【００４６】得られた原紙の支持体繊維の目付は１０ｇ
／ｍ² 、また、フィルムの厚さは１．７μｍであった。

【００４７】比較例１、２ 実施例１において、ニップ圧力を０ｋｇｆ／ｃｍおよび
１２０ｋｇｆ／ｃｍとした以外は実施例１と同じ条件
で、原紙を作製した。

【００４８】実施例６〜９ 実施例１で、ニップ圧力を５ｋｇｆ／ｃｍとし、ロール
温度を５０℃、７０℃、９０℃、１１０℃に変更し、そ
の他は実施例１と同様の条件で本発明の原紙を作製し
た。

【００４９】比較例３、４ 実施例６で、ロール温度を４０℃および１２０℃として
原紙を作製した。

【００５０】実施例１０〜１２ 実施例１で、ロール温度７５℃、ロール圧力１ｋｇｆ／
ｃｍとし、ニップ回数を１回、５回、１０回と変更して
本発明の原紙を作製した。

【００５１】比較例５、６ 実施例１０で、ニップなし、ニップ回数１５回として原
紙を作製した。

【００５２】評価結果を表１〜表３に示した。

【００５３】

【表１】

【表２】

【表３】 表１〜表３の結果からわかるように、原紙のタテ方向の
ＭＩＴ屈曲試験機による幅１ｃｍ当たりの張力０．５ｋ
ｇｆでの耐折強さが１０００回以上である本発明の感熱
孔版印刷用原紙は、耐刷性に優れるので、画像に歪みが
生成したりすることがない。

【００５４】

【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、タテ方
向のＭＩＴ屈曲試験機による幅１ｃｍ当たりの張力０．
５ｋｇｆでの耐折強さを特定したもので構成したので、
印刷ドラムと印圧ローラーとの間での原紙の屈曲変形に
対する抵抗性が増大する。したがって大量枚数を印刷し
ても印刷画像が歪んだり、印刷中に原紙にシワが発生し
たり、また、原紙が破れたりすることがなく、耐刷性に
優れたものとすることができる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体と
   からなる感熱孔版印刷原紙において、該原紙のタテ方向
   のＭＩＴ屈曲試験機による耐折強さが、幅１ｃｍ当たり
   の張力が０．５ｋｇｆのとき、１０００回以上であるこ
   とを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
2. 【請求項２】 熱可塑性樹脂フィルムがポリエステル系
   樹脂フィルムであることを特徴とする請求項１に記載の
   感熱孔版印刷用原紙。
3. 【請求項３】 多孔性支持体が主としてポリエステル系
   樹脂繊維からなることを特徴とする請求項１または請求
   項２のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。