JPH09141000A - クリーニング用タグ基材及びクリーニング用タグ基材の製造方法 - Google Patents

クリーニング用タグ基材及びクリーニング用タグ基材の製造方法

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JPH09141000A
JPH09141000A JP30559995A JP30559995A JPH09141000A JP H09141000 A JPH09141000 A JP H09141000A JP 30559995 A JP30559995 A JP 30559995A JP 30559995 A JP30559995 A JP 30559995A JP H09141000 A JPH09141000 A JP H09141000A
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cleaning
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JP30559995A
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English (en)
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Shunichi Kawamura
俊一 川村
Akio Akahori
昭夫 赤堀
Hide Tsutsui
秀 筒井
Takuma Hirai
琢磨 平井
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TOKAI PULP KK
Original Assignee
TOKAI PULP KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性,耐溶剤性,筆記又は印刷適性,耐熱
性などに優れ、かつ安価なクリーニング用タグを与える
ことができ、しかも抄紙時,加工時,使用時などにおい
て、ホルマリンが発生しない耐洗紙からなるクリーニン
グ用タグ基材を提供すること。 【解決手段】 パルプ100重量部当たり、キチンやキ
トサンやこれらの誘導体、好ましくはキトサンからなる
湿潤紙力増強剤0.05〜5.0重量部と、場合により、ポ
リアミドエピクロヒドリン系樹脂やカチオン性ポリアク
リルアミド系樹脂などの他の湿潤紙力増強剤0.05〜5
重量部とを含有する耐洗紙からなるクリーニング用タグ
基材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリーニング用タグ
基材及びクリーニング用タグ基材の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明は、業務用クリーニングにおい
て、商品管理のために被洗物に取り付けるクリーニング
用タグに好適に用いられる耐洗紙からなる基材、及びク
リーニング用タグ基材を効率よく製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衣類のクリーニング業者において
は、多数の商品を管理すために、被洗物に管理用のタグ
を取り付けている。このタグは、紙やプラスチックから
なる基材シートに、管理番号を記入したり、あるいは顧
客名や取扱店などの情報をバーコード印刷により記入
し、被洗物にホッチキスや粘着剤により取り付けるもの
である。ホッチキスでタグを取り付ける場合は、例えば
衣類のボタン孔やバンド通しにタグを挿通し、両端部を
ホッチキスで止める方法が一般的に用いられている。し
かしながら、この方法では、ホッチキスの針で衣類を損
傷したり、タグの取り外し時に怪我をしたりすることが
あり、また針を付着したまま衣類を着用して、皮膚に針
が触れ、金属による炎症を起こすことがあるうえ、針の
付着部分の基材シートの強度が弱くなり、クリーニング
中にこの部分からちぎれ、衣類からタグが外れることが
あるなど、好ましくない事態を招来する。したがって、
最近では粘着剤による自着方式が多く採用されている。
業務用クリーニングには、ドライクリーニングとランド
リークリーニングがあり、ドライクリーニングにおいて
は特に耐溶剤性に優れるタグが要求され、一方ランドリ
ークリーニングにおいては、特に耐水性に優れるタグが
要求される。またタグには、管理用情報を記入するた
め、筆記又は印刷性に優れることが要求されるととも
に、記入または印刷した文字や画像がクリーニング中に
脱落しないことも要求される。一般に、プラスチック基
材は、紙基材に比べて、耐水性に優れるものの、筆記や
印刷適性に劣り、また耐溶剤性が悪いなどの欠点があ
る。一方、紙基材は、筆記や印刷適性、耐溶剤性に優れ
るものの、耐水性に劣るという欠点を有している。した
がって、上記の要求を満たすために、様々な工夫をこら
したクリーニング用タグが開発され、例えば(1)耐洗
紙や、ポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチック
シートからなる基材の片面に耐溶剤性に優れる感圧性接
着剤を設けたドライクリーニング用識別タグ(特開平2
−235976号公報)、(2)二種の特定のポリエス
テル層を積層してなるクリーニング用タグ(特開平3−
231849号公報)、(3)筆記または印刷適性を有
する紙やプラスチックシートからなる基材の片面に粘着
剤層を設けたものであって、基材及び粘着剤層が耐溶剤
性、耐薬品性、耐熱性、耐水性を有するクリーニング管
理用タグ(特開平4−9200号公報)、(4)好まし
くは紙系シートからなる基材の一方の側に2種の粘着剤
層を並列に設け、場合によりその反対側にインク受容層
を設けたドライクリーニング用及びランドリークリーニ
ング用タグ(特開平7−110656号公報)等が提案
されている。しかしながら、上記(1)のタグはドライ
クリーニング用であって、ランドリークリーニング用に
は適用できず、(2)のタグは、筆記や印刷適性に劣る
うえ、高価であるという欠点を有している。また、
(3)のタグにおいては、基材に耐溶剤性、耐薬品性、
耐熱性、耐水性、筆記又は印刷適性等をもたらすため
に、表面処理によりコート層が設けられており、製造コ
ストが高くつくのを免れないという欠点がある。更に、
(4)のタグにおいては、好ましい基材シートとして耐
洗紙が用いられるが、これまでの耐洗紙は、湿潤紙力増
強剤としてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホ
ルムアルデド樹脂などのアミノ樹脂を内添もしくは含浸
させたものであり、このアミノ樹脂は、ホルマリンを含
有しているため、抄紙時、加工時、使用時などにおいて
人体に対する安全性の問題を有している。ホルマリンを
用いない湿潤紙力増強剤として、例えばポリアミドエピ
クロルヒドリン系樹脂やカチオン性ポリアクリルアミド
系樹脂などが知られているが、これらの樹脂を内添もし
くは含浸させた耐洗紙は、耐水性が充分ではなく、ラン
ドリークリーニング用タグ基材としては不適当である。
そこで、基材として樹脂塗工紙を用い、その一方の側に
インク受容層を設けた耐高温湯クリーニング性及び耐ド
ライクリーニング性のクリーニング用タグが提案されて
いる(特開平7−89252号公報)。しかしながら、
このタグにおいては、基材の樹脂塗工紙は耐水性に優れ
ているものの、筆記又は印刷適性に劣るため、その片側
にインク受容層を設ける必要があり、紙の樹脂加工及び
インク受容層の設置と相俟って、製造コストが高くつく
のを免れないという欠点がある。他方、近年、カニやエ
ビの殻などに含まれる天然の機能性高分子であるキチン
は、未利用の資源として、その利用研究が積極的になさ
れており、すでにキチンやその脱アセチル化物のキトサ
ン、あるいはこれらの化学修飾物が、健康食品、医療、
繊維、化粧品、トイレタリーなどの分野において用いら
れ始めている。しかしながら、まだ用途分野は狭く、今
後の用途拡大が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、耐水性、耐溶剤性、筆記又は印刷適性、耐熱
性などに優れ、ドライクリーニング及びランドリークリ
ーニングのいずれにも適用しうる安価なクリーニング用
タグを与えることができ、しかも抄紙時、加工時、使用
時などにおいてホルマリンが発生することのない耐洗紙
からなる該タグ基材を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する耐洗紙からなるクリーニング用タグ
基材を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、湿潤紙力増強
剤として、キチンやキトサンやこれらの誘導体を特定の
割合で含有し、さらに場合により、他の湿潤紙力増強剤
を特定の割合で含有する耐洗紙がその目的に適合しうる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成
したものである。すなわち、本発明は、(1)パルプ1
00重量部当たり、キチン、キトサン及びこれらの誘導
体の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤紙力増強剤0.
05〜5重量部と、場合により、他の湿潤紙力増強剤0.
05〜5重量部を含有する耐洗紙からなるクリーニング
用タグ基材、及び(2)叩解処理されたパルプを含む水
性懸濁液に、固形分100重量部当たり、キチン、キト
サン及びこれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも一
種の湿潤紙力増強剤0.05〜5重量部と、場合により、
他の湿潤紙力増強剤0.05〜5重量部とを添加し、次い
でpH8以上に調整した後、抄紙するこを特徴とする耐
洗紙からなるクリーニング用タグ基材の製造方法、を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のクリーニング用タグ基材
は、湿潤紙力増強剤として、キチン、キトサン及びこれ
らの誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を含有する
ものである。ここで、キチンは、式(I)
【0006】
【化1】
【0007】で表される構造を有するN−アセチルグル
コサミンがβ−1,4結合した直鎖状の多糖類であっ
て、カニ,エビ,オキアミなどの甲殻類、カブトムシ,
コオロギなどの昆虫類の外殻成分として、あるいはシイ
タケ,カビなどの菌類の細胞壁成分として含まれてお
り、自然界に多量に分布しているものである。このキチ
ンは、構造中のアセトアミド基によって分子間に強い水
素結合が生じるため、一般の酸、塩基、有機溶媒にはほ
とんど溶けず、各種の薬品にも侵されにくいという性質
を有している。一方、キトサンは、上記キチンの脱アセ
チル体であって、式(II)
【0008】
【化2】
【0009】で表される構造を有するグルコサミンがβ
−1,4結合した多糖類である。このキトサンは、塩
酸、酢酸、ギ酸などにより塩を形成し、また、水に溶解
すると高粘度のカチオン性溶液となる。このキトサン
は、上記キチンを、例えば熱濃アルカリ中で処理し、脱
アセチル化することにより得られる。この際、完全に脱
アセチル化すればキチンを含まない高純度のキトサンが
得られるが、部分脱アセチル化すれば、キチンとキトサ
ンの混合物が得られる。また、キチンやキトサンの誘導
体としては、例えばN−アセチルグルコサミンがβ−
1,4結合で2〜6個結合したN−アセチルキトオリゴ
糖や、上記キチン又はキトサンを適当に化学修飾したも
のなどが挙げられる。この化学修飾したものの具体例と
しては、カルボキシメチルキチン、アルキル化キチン
(例えば、イソブチルキチン、t−ブチルキチン、n−
アミルキチン、t−アミルキチンなど)、N−サクシニ
ルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、サクシニル
化カルボキシメチルキトサンなどが挙げられる。
【0010】本発明においては、湿潤紙力増強剤とし
て、上記キチン、キトサン及びこれらの誘導体をそれぞ
れ単独で用いてもよく、また、二種以上組み合わせて用
いてもよいが、これらの中で、特に効果、取扱い性、経
済性などの点からキトサンが好適である。また、耐洗紙
中のその含有量は、パルプ100重量部当たり、0.05
〜5重量部の範囲で選ばれる。この含有量が0.05重量
部未満では、耐洗紙の耐水性が不充分で本発明の目的が
達成されない。また、5重量部を超えるとその量の割に
は効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利とな
る。耐水性及び経済性などの面から、この湿潤紙力増強
剤の好ましい含有量は、パルプ100重量部当たり、0.
1〜2重量部の範囲である。本発明においては、耐洗紙
の耐水性やその他の性質をさらに向上させるために、所
望により、上記キチンやキトサンやこれらの誘導体と共
に、他の湿潤紙力増強剤を含有させてもよい。この他の
湿潤紙力増強剤については特に制限はなく、従来公知の
もの、例えばポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂(エ
ポキシ化ポリアミド系樹脂),カチオン性ポリアクリル
アミド系樹脂,ポリエチレンイミン系樹脂,メチロール
化ポリアクリルアミド系樹脂などを用いることができる
が、これらの中で、効果の点から、特にポリアミドエピ
クロルヒドリン系樹脂及びカチオン性ポリアクリルアミ
ド系樹脂が好適であり、とりわけポリアミドエピクロル
ヒドリン系樹脂が最も好適である。
【0011】本発明においては、上記他の湿潤紙力増強
剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、耐洗紙中のその含有量は0.05〜5重量
部の範囲で選ばれる。この量が0.05重量部未満では耐
水性やその他の性質の向上効果が充分に発揮されず、ま
た5重量部を超えるとその量の割には効果の向上が認め
られず、むしろ経済的に不利となる。耐水性やその他の
性質の向上効果及び経済性などの面から、この湿潤紙力
増強剤の好ましい含有量は、パルプ100重量部当た
り、0.1〜2重量部の範囲である。本発明のタグ基材に
おいては、上記のキチン,キトサン及びこれらの誘導体
の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤紙力増強剤(以
下、キチン系湿潤紙力増強剤と称すこともある。)、及
び場合により用いられる他の湿潤紙力増強剤は、抄紙時
に添加(内添)してもよいし、抄紙後に抄紙機のサイズ
プレスやオフマシーンなどにより含浸(外添)させても
よく、あるいはその両方の組合せであってもよい。キチ
ン系湿潤紙力増強剤を添加して抄紙する場合には、pH
8以上で抄紙することが好ましく、pH8未満では所望
の性能を有する耐洗紙が得られにくい。
【0012】本発明のクリーニング用タグ基材として用
いられる耐洗紙には、本発明の目的が損なわれない範囲
で、所望により、従来耐洗紙に使用されている公知の他
の添加成分、例えばサイズ剤や填料などを含有していて
もよい。ここで、サイズ剤としては、例えば溶剤型やエ
マルション型のロジン系サイズ剤、C3 ,C4 留分のオ
リゴマーなどの合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、ア
ルキルケテンダイマー,アルキル無水コハク酸などの中
性サイズ剤などが挙げられる。填料としては、例えばタ
ルク,カオリン,炭酸カルシウム,酸化チタンなどが挙
げられる。
【0013】本発明の耐洗紙からなるクリーニング用タ
グ基材は、坪量が80〜200g/m2 の範囲にあるも
のが好ましい。この坪量が80g/m2 未満では、剛性
が不足し、例えばクリーニング用タグとした場合に衣類
のボタン孔やベルト止めなどに通す際に、折曲がりなど
でスムーズに通すことができないなど取扱い性や作業性
に劣る上、強度不足で洗濯中にタグがちぎれるおそれが
ある。一方、坪量が200g/m2 を超えると剛性が強
すぎ、例えばクリーニング用タグとし、粘着剤層を介し
てリング状(ループ状)に端部接合した際に、反発力で
剥がれて被洗物などの被着体より脱落するなど、不都合
を生じやすくなる。適度な剛性を有する点から、この基
材のより好ましい坪量は100〜160g/m2 の範囲
である。
【0014】次に、本発明のクリーニング用タグの基材
として用いられる耐洗紙の好適な製造方法について説明
する。該耐洗紙の原料として用いられるパルプの材料に
ついては特に制限はなく、従来耐洗紙に慣用されている
木材パルプ,非木材パルプ,合成パルプ等の材料の中か
ら任意のものを選択して用いることができる。またパル
プの種類としては、例えば原料を機械的に処理して得ら
れた砕木パルプなどのメカニカルパルプ、原料を薬品で
処理して得られた亜硫酸パルプ,ソーダパルプ,硫酸塩
パルプ(クラフトパルプ),硝酸パルプ,塩素パルプな
どのケミカルパルプ、薬品処理と機械処理を併用して得
られたセミケミカルパルプ、さらにはこれらのパルプを
漂白精製処理した晒パルプ、漂白精製処理を行わない未
晒パルプ、その中間の半晒パルプなど、いずれも用いる
ことができる。これらの中で、特に、針葉樹晒クラフト
パルプ(NBKP),広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)及びこれらの混合物が好適である。また、古紙再生
パルプも用いることができる。
【0015】本発明の方法においては、まず、上記パル
プを水中において叩解処理、すなわちパルプに製紙性を
付与するために機械的処理を施す。この叩解処理の方法
については特に制限はなく、従来公知の方法、例えば叩
解機を用いる方法や、叩解機を用いずにハイドラファイ
ナー,ストックメーカー、ジョルダンエンジンを組み合
わせて処理する方法などを採用することができる。本発
明においては、特に上記パルプを遊離状(フリーネス)
に叩解処理するのが好ましい。このようにして叩解処理
されたパルプを含む水性懸濁液に対し、湿潤紙力増強剤
として、固形分100重量部当たり、キチンやキトサン
やこれらの誘導体、好ましくはキトサンを0.05〜5重
量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で添加する。こ
の際、所望により、固形分100重量部当たり、ポリア
クリルエピクロルヒドリン系樹脂やカチオン性ポリアク
リルアミド系樹脂などの他の湿潤紙力増強剤を0.05〜
5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で添加して
もよく、さらにサイズ剤,填料,消泡剤,ろ水性向上剤
などの公知の抄紙用添加剤を適宜添加してもよい。
【0016】次いで、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどのアルカリ剤を
用いて、パルプ水性懸濁液のpHを8以上に調整する。
このpHが8未満では所望の性能を有する耐洗紙が得ら
れにくい。次に、通常使用されている抄紙機により、得
られる耐洗紙の坪量が80〜200g/m2 程度、好ま
しくは100〜160g/m2 の範囲になるように抄紙
したのち、通常使用されている乾燥機、例えばドラムド
ライヤーなどで乾燥処理することにより、所望の耐洗紙
が得られる。そのほか、本発明における耐洗紙は、キチ
ンやキトサンやこれらの誘導体等の湿潤紙力増強剤や他
の湿潤紙力増強剤を、抄紙機のサイズプレスもしくはオ
フマシーンによる含浸処理等で外添して調製してもよ
い。このようにして得られた耐洗紙は、紙本来の良好な
耐溶剤性,耐熱性,筆記又は印刷適性を有するととも
に、耐水性及び耐薬品性にも優れており、ドライクリー
ニング及びランドリークリーニング用タグの基材として
好適に用いられる。
【0017】本発明の耐洗紙からなる基材を用いて、ク
リーニング用タグとする場合、以下に示す様々な形態を
とることができる。例えば該基材に、各情報を筆記又は
バーコード印刷などにより記入し、適当な大きさに切断
し、クリーニング用タグとすることができる。タグ基材
の寸法は任意であるが、ボタン孔などへの取付け性など
の点から、一般に5〜25mmの幅で、かつ50〜20
0mm程度の長さが有利である。この場合は、粘着剤層
が設けられていないので、衣類のボタン孔やバンド通し
に挿通し、両端部をホッチキスで止める方式が用いられ
る。次に、図1に示すように、基材1の片側の面の端部
に粘着剤層2〔(a)〕、又は粘着剤層2と2'
〔(b)〕を形成し、その上に剥離紙3を設け、該基材
の粘着剤層と反対側に、各情報を筆記又はバーコード印
刷により記入し(図中符号4)、上記と同様に適当な大
きさに切断し、クリーニング用タグとすることができ
る。この場合は、粘着剤層が設けられているので、ホッ
チキスで止める必要はなく、自着方式で両端を接合すれ
ばよい。さらに、図2に示すように、基材1の片側の面
の端部に粘着剤層2〔(a)〕、又は粘着剤層2と2'
〔(b)〕を形成し、その上に剥離紙3を設け、該基材
の粘着剤層と反対側にインク受容層5を形成し、この上
に各情報を筆記又はバーコード印刷により記入し(図中
符号4)、上記と同様に適当な大きさに切断し、クリー
ニング用タグとすることができる。インク受容層5は、
筆記又は印刷適性及び画像保存性を良好なものとするた
めに設けられるものである。この場合も、粘着剤層が設
けられているので、ホッチキスで止める必要はなく、自
着方式で両端を接合すればよい。
【0018】上記タグにおいて設けられてる粘着剤層の
材料については、耐水性,耐溶剤性,耐薬品性,耐熱性
などに優れているものであればよく、特に制限されず、
従来公知の粘着剤や感圧接着剤などを用いることができ
る。また、インク受容層の材料については、良好な筆記
又は印刷適性及び画像保存性を付与しうるとともに、耐
水性,耐溶剤性,耐薬品性,耐熱性などに優れているも
のであればよく、特に制限されず、従来公知の材料を用
いることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80重量%と広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)20重量%とからなる
木材パルプ原料を、水中において叩解処理して、遊離状
叩解パルプスラリーを得た。次いで、このパルプスラリ
ーに、5重量%濃度のキトサン〔商品名:キトクリア
ー、焼津水産化学工業(株)製〕水溶液を、パルプスラ
リー固形分100重量部当たり、キトサンが1.0重量部
になるように添加したのち、水酸化ナトリウム水溶液を
用いてpH8.5に調整し、次いで短網ヤンキー抄紙機を
用いて抄紙したのち、乾燥処理し、坪量140g/m2
のシートを得た。このシートの耐水性を以下に示す要領
で評価した。すなわち、15mm幅のシートを20℃の
水中に10分間浸漬したのち、湿潤引張強度(JIS
P8135)を求めた。その結果、湿潤引張強度は7.1
2kgfであった。また、80℃、5重量%水酸化ナト
リウム水溶液中に10分間浸漬したのちの湿潤引張強度
は5.21kgfであった。
【0020】実施例2 実施例1と同様にして、遊離状叩解パルプスラリーを調
製した。このパルプスラリーに、その固形分100重量
部当たり、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂〔商品
名:スミレツレジン675、住友化学工業(株)製〕0.
5重量部及びアルキルケテンダイマー〔商品名:AS−
262,日本PMC社製〕0.5重量部を添加し、さら
に、5重量%濃度のキトサン〔商品名:キトクリアー、
焼津水産化学工業(株)製〕水溶液を、キトサンが0.5
重量部になるように添加したのち、水酸化ナトリウム水
溶液を用いてpH8.5に調整した。次に、実施例1と同
様にして抄紙及び乾燥処理を行い、坪量140g/m2
のシートを、作製し、その耐水性を評価した。その結
果、20℃の水中に10分間浸漬後の湿潤引張強度は8.
63kgfであり、80℃,5重量%水酸化ナトリウム
水溶液に10分間浸漬後の湿潤引張強度は4.36kgf
であった。
【0021】実施例3 実施例1と同様にして遊離状パルプスラリーを調製し、
抄紙及び乾燥処理を行い、坪量140g/m2 のシート
を作製した。次いで、このシートに、1.0重量%濃度の
キトサン〔商品名:キトクリアー、焼津水産化学工業
(株)製〕水溶液をオフマシーンにより含浸処理して、
シート100重量部当たり、キトサン1.0重量部を含浸
させ、キトサン外添シートを作製した。このキトサン外
添シートの耐水性を実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、20℃の水中に10分間浸漬後の湿潤引張強度
は5.54kgfであり、80℃,5重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液に10分間浸漬後の湿潤引張強度は2.57k
gfであった。
【0022】比較例 実施例1と同様にして遊離状叩解パルプスラリーを調製
した。このパルプスラリーに、固形分100重量部当た
り、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂〔商品名:ポリ
ストロン117、荒川化学(株)製〕1.0重量部、ポリ
アミドエピクロルヒドリン系樹脂〔商品名:スミレツレ
ジン675、住友化学工業(株)製〕0.5重量部及びア
ルキルケテンダイマー(商品名:AS−262,日本P
MC社製)0.5重量部を添加した。次に、実施例1と同
様にして抄紙及び乾燥処理を行い、坪量140g/m2
のシートを作製し、その耐水性を評価した。その結果、
20℃の水中に10分間浸漬後の湿潤引張強度は4.00
kgfであり、80℃,5重量%水酸化ナトリウム水溶
液に10分間浸漬後の湿潤引張強度は0.13kgfであ
った。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、紙本来の良好な耐溶剤
性,耐熱性,筆記又は印刷適性を有するとともに、耐水
性及び耐薬品性に優れ、しかも、抄紙時,加工時、使用
時などにおいてホルマリンが発生しない耐洗紙が効率よ
く得られる。この耐洗紙を基材とするクリーニング用タ
グは、安価であり、しかも基材が上記特性を有するの
で、ドライクリーニング及びランドリークリーニングの
両方に適用でき、クリーニング中にちぎれたり、被洗物
から脱落することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐洗紙からなる基材を用いたクリー
ニング用タグの一例の断面図である。
【図2】 本発明の耐洗紙からなる基材を用いたクリー
ニング用タグの上記とは異なる例の断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 粘着剤層 2' 粘着剤層 3 剥離紙 4 記入又は印刷された情報 5 インク受容層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ100重量部当たり、キチン、キ
    トサン及びこれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも
    一種の湿潤紙力増強剤0.05〜5重量部を含有する耐洗
    紙からなるクリーニング用タグ基材。
  2. 【請求項2】 パルプ100重量部当たり、キチン、キ
    トサン及びこれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも
    一種の湿潤紙力増強剤0.05〜5重量部と、他の湿潤紙
    力増強剤0.05〜5重量部を含有する耐洗紙からなるク
    リーニング用タグ基材。
  3. 【請求項3】 耐洗紙が、キチン、キトサン及びこれら
    の誘導体の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤紙力増
    強剤を抄紙時に添加して、pH8以上で抄紙して得られ
    たものである請求項1記載のクリーニング用タグ基材。
  4. 【請求項4】 耐洗紙が、キチン、キトサン及びこれら
    の誘導体の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤紙力増
    強剤と他の湿潤紙力増強剤を抄紙時に添加して、pH8
    以上で抄紙して得られたものである請求項2記載のクリ
    ーニング用タグ基材。
  5. 【請求項5】 他の湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピ
    クロルヒドリン系樹脂及び/又はカチオン性ポリアクリ
    ルアミド系樹脂である請求項2又は4記載のクリーニン
    グ用タグ基材。
  6. 【請求項6】 叩解処理されたパルプを含む水性懸濁液
    に、固形分100重量部当たり、キチン、キトサン及び
    これらの誘導体の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤
    紙力増強剤0.05〜5重量部を添加し、次いでpH8以
    上に調整した後、抄紙するこを特徴とする請求項3記載
    の耐洗紙からなるクリーニング用タグ基材の製造方法。
  7. 【請求項7】 叩解処理されたパルプを含む水性懸濁液
    に、固形分100重量部当たり、キチン、キトサン及び
    これらの誘導体の中から選ばれた少なくとも一種の湿潤
    紙力増強剤0.05〜5重量部と、他の湿潤紙力増強剤0.
    05〜5重量部とを添加し、次いでpH8以上に調整し
    た後、抄紙するこを特徴とする請求項4記載の耐洗紙か
    らなるクリーニング用タグ基材の製造方法。
  8. 【請求項8】 他の湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピ
    クロルヒドリン系樹脂及び/又はカチオン性ポリアクリ
    ルアミド系樹脂である請求項7記載の製造方法。
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