JPH09140170A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH09140170A
JPH09140170A JP7298746A JP29874695A JPH09140170A JP H09140170 A JPH09140170 A JP H09140170A JP 7298746 A JP7298746 A JP 7298746A JP 29874695 A JP29874695 A JP 29874695A JP H09140170 A JPH09140170 A JP H09140170A
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vibration
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electromechanical conversion
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Application number
JP7298746A
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English (en)
Inventor
Mina Kobayashi
三奈 小林
Tsutomu Narisawa
努 成澤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機械変換素子を良好に保護することがで
き、取扱い時に素子表面を傷付けたりすることがないよ
うにする。またリード線の半田付け作業を必要とせず、
半田付け時の発熱による電極の破壊を防止する。 【解決手段】 複数個の端子部28a,29a,33
a,34aとグランド用端子部36aが形成されたフレ
キシブルプリント基板21によって弾性体1および電気
機械変換素子2a,2b,2p,2p’の表面を覆う。
フレキシブルプリント基板21の端子部28a,29
a,33a,34aを各電気機械変換素子2a,2b,
2p,2p’の表面側電極部4a,5a,6a,7aに
それぞれ接続し、グランド用端子部36aを加圧手段2
4によって弾性体1に押し付けて接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性体に2種類の
振動を発生させて弾性体表面に楕円運動を生じさせ、こ
の楕円運動によって駆動力を得る振動アクチュエータに
関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体に縦振動と屈曲振動の2種類の振
動を発生させて弾性体表面に楕円運動を起こし、この楕
円運動により弾性体とこの弾性体に接触した相対運動部
材との間に相対運動を生じさせる振動アクチュエータが
種々提案されている。その一例として、「222 光ピック
アップ移動を目的とした圧電リニア・モータ」(富川義
郎他:第5回電磁力関連のダイナミックシンポジウム講
演論文集P393〜P398)の中に記載されている「異形縮退
縦L1−屈曲B4モード・平板モータ」が知られている。
【0003】図12(A)、(B)、(C)は、異形縮
退縦L1−屈曲B4 モード・平板モータの従来例を示す概
略図であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)
は平面図である。弾性体1は、矩形平板状の基礎部1c
と、その基礎部1cの一方の面に形成された突起部1
a、1bとから構成されている。これら突起部1a,1
bは、基礎部1cに発生する屈曲振動B4モードの腹の位
置に設けられており、ガイドレール等の相対運動部材3
に押し付けられている。圧電素子2a,2b,2p,2
gは、弾性体1の基礎部1cの他方の面に貼着されてい
る。弾性体1の長手方向の内側に位置する2つの圧電素
子2a,2bは、互いに位相が90°異なる交流電圧が印
加されると、弾性体1に縦振動L1モードと屈曲振動B4モ
ードとを発生させる。圧電素子2pは、弾性体1の振動
状態を検出する機械電気変換素子として機能するもの
で、モータの駆動回路に接続されている。圧電素子2g
はグランド用である。各圧電素子2a,2b,2p,2
gの表面および裏面には銀電極4a,4b、05a,5
b,6a,6b,7a,7bが、スクリーン印刷やスパ
ッタリング等によって形成されている。表面側の銀電極
4a,5a,6a,7aには、リード線8〜11の一端
が各々はんだ12によって接続されている。また、裏面
側の銀電極4b,5b,6b,6bは、それぞれ弾性体
1に接続されて共通の電位となっている。
【0004】弾性体1は一般的にグランド電位に設定さ
れるが、弾性体1自体に配線を施してグランドをとるの
が難しいことから、グランド用の圧電素子2gを設けて
その銀電極7aを利用している。銀電極7aは銀ペース
ト等の導電性塗料13によって弾性体1と導通してお
り、グランド電位に接続される。
【0005】このような構造の振動アクチュエータにお
いて、圧電素子2a,2bに互いに位相が90°異なる同
一周波数の交流電圧を印加すると、弾性体1には縦振動
と屈曲振動とが発生する。このとき、前記相対運動部材
に接触する弾性体1の突起部1a,1bの先端表面上の
一点Qに着目すると、この点Qは楕円運動15を行う。
これにより、相対運動部材が駆動される。弾性体1に発
生させる振動の振幅を変えると駆動速度が変化し、駆動
電圧の極性を変えると進行方向が逆になる。相対運動部
材を固定部とすると、弾性体1自身が駆動される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の平板モータのよ
うな振動アクチュエータにおいては、取扱いの際に、電
気機械変換素子(圧電素子)2a,2b,2p,2gの
表面を傷つけるおそれがあった。そして、この傷によ
り、電気機械変換素子の分極(ポーリング)状態が破壊
される場合があった。電気機械変換素子2a、2bは、
交流電圧を印加した時に所望の振動を起こすように、予
め決まった方向に分極処理してあるので、分極状態が破
壊されると振動状態が変化して初期の性能を満たさなく
なってしまう。そのため、振動アクチュエータの取扱い
には注意を要していた。本発明は、このような課題を解
決することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、弾性体と、この弾性体に接合された電気
機械変換素子とを備え、前記弾性体に相対運動部材を加
圧接触させた状態で前記電気機械変換素子に駆動信号を
印加し、前記弾性体に縦振動と屈曲振動とを発生させる
ことで前記相対運動部材との間で相対運動を行う振動ア
クチュエータにおいて、前記駆動信号を印加するための
駆動回路の一部をフレキシブルプリント基板によって構
成し、このフレキシブルプリント基板によって前記電気
機械変換素子の表面を覆う構成とした。また、本発明で
は、フレキシブルプリント基板にIC回路を搭載した。
【0008】電気機械変換素子は弾性体に縦振動と屈曲
振動を発生させる。フレキシブルプリント基板は、電気
機械変換素子および弾性体を覆い、全体を保護する。ま
た、フレキシブルプリント基板の端子部は、電気機械変
換素子の表面側電極部と電気的および機械的に接合して
いる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して本発明の
実施の形態を説明する。図1は本発明に係る振動アクチ
ュエータの一実施の形態を示す一部を破断した正面図、
図2は図1のII−II線断面図、図3は弾性体の平面図、
図4は弾性体の正面図、図5は図3のV−V線断面図、
図6はフレキシブルプリント基板の要部平面図である。
なお、図中、従来技術の欄で示した構成部材等と同一の
ものについては同一符号を付してその説明を適宜省略す
る。
【0010】これらの図において、振動アクチュエータ
20は、弾性体1と、弾性体1の上面に並んで設けられ
た4つの圧電素子2a,2b,2p,2p’と、弾性体
1の上面を覆うフレキシブルプリント基板(以下、FP
Cと略す)21と、弾性体1を移動自在に案内保持する
レール22と、フレーム23と、フレーム23と弾性体
1との間に配設され弾性体1をレール22に押し付ける
加圧手段24とにより主要部分が構成されている。そし
て、弾性体1が、フレーム23と加圧手段24と共にレ
ール22に沿って直線移動する移動体(相対運動部材)
を構成している。
【0011】弾性体1は、ステンレス、アルミ合金等の
金属、セラミックスもしくはプラスチックによって形成
されている。弾性体1の下面には左右一対の突起部1
a,1bが一体に突設され、出力取り出し部を形成して
いる。突起部1a,1bは、弾性体1の長手方向の中心
線(図3のI−I線)を挟んでその両側に対称的に突設
されており、下面がレール22の上面に接触している。
また、弾性体1の長辺側両側面の中央には、ねじ孔25
(図5参照)を有する加圧手段用のねじ取付部26A,
26Bが一体に突設されている。
【0012】図4において、4つの圧電素子のうち、内
側2つの圧電素子2a,2bは、弾性体1に縦振動(L1
モード)と屈曲振動(B4モード)を発生させるための素
子で、電気エネルギを機械エネルギ(機械的な変位)に
変換する機能を果たす。これら圧電素子2a,2bは、
弾性体1の長手方向中心線(I−I線)を挟んでその両
側にほぼ等距離をおいて並設されている。また、表裏両
面に電極4a,4b,5a,5bがそれぞれ焼き付けに
より形成されている。裏面側の電極4b,5bは、弾性
体1の表面に接合されている。一方、表面側の電極4
a,5aは、FPC21に形成された導電箔28,29
の一端に設けられた駆動用端子部28a,29aを介し
てA,B端子にそれぞれ接続されている。A端子には第
1の交流電圧が、B端子には第1の交流電圧と電気的な
位相が90°異なる第2の交流電圧が印加される。圧電素
子2aと2bの厚み方向の分極方向は互いに同方向に設
定してあるが、逆方向としてもよい。電極4a,5aと
端子部28a,29aとは、接着、溶着、圧着等によっ
て接合させることができる。
【0013】弾性体1の外側に配置された圧電素子2
p,2p’は、弾性体1に発生する振動の状態をモニタ
するための素子で、機械エネルギを電気エネルギ(電気
信号)に変換する機能を果たす。これら圧電素子2p,
2p’は、圧電素子2a,2bの外側に配設され、ま
た、互いに弾性体1の中央から等距離はなれた位置にあ
る。そして、FPC21に形成された導電箔33,34
の端子部33a,34bにそれぞれ接続されている。圧
電素子2p,2p’の両面には、電極6a,6b,7
a,7bが、それぞれ焼き付けにより形成されている。
表面側電極6a,7aは、導電箔33,34の端子部3
3a,34bに接着、溶着、圧着等によって接合させる
ことができる。表面側電極6a,7aは、導電箔33,
34の端子部33a,34bを介してP端子、P’端子
にそれぞれ接続されている。また、裏面側の電極6b,
7bは、弾性体1の表面に電気的に接合されている。
【0014】弾性体1の振動状態は、圧電素子2p,2
p’により電気信号に変換され、表面側電極6a,7a
を介してそれぞれP端子、P’端子に出力される。この
電気信号には、4次の屈曲振動(B4モード)の振動状態
と、1次の縦振動(L1モード)の振動状態との2つの異
なる振動モードが合成された形で含まれている。そし
て、弾性体1に生じている振動振幅に略応じた大きさの
信号が得られる。FPC21は、図5に示すように上下
2枚のフィルム21a、21bからなり、その間に互い
に電気的に独立した導電箔28、29、33、34、3
6が設けられている。これらの導電箔は、駆動回路の一
部を構成している。なお、FPC21は、一枚のフィル
ムにメッキやスクリーン印刷等により導電部を形成し、
この導電部に導電箔の機能を持たせたものを用いてもよ
い。導電箔28、29、33、34の各端子部28a、
29a、33a、34aは、FPC21の裏面側に露呈
され、前述の通り各圧電素子の電極4a、5a、6a、
7aに接合されている。また、導電箔36にはグランド
用の端子部36aが設けられており、図6に示すよう
に、FPC21の裏面側に露呈されている。
【0015】FPC21の長辺側両側面の中央には、帯
状の接続部37Aと、舌片状の固定部37B(図3、図
6参照)が、それぞれ一体に延設されている。接続部3
7Aには、各導電箔28,29,33,34,36が集
中して並列に形成され、先端が各端子A,B,P,
P’,G端子を介してモータの駆動回路(後述する)に
接続されている。また、FPC21の接続部37Aの基
部には、加圧手段用のねじ取付部26Aのねじ孔25
(図5参照)に対応して、ねじ取付孔39が形成されて
いる。このねじ取付孔39には、弾性体1とフレーム2
3を連結する連結部材である、一対の取り付けねじ38
の一方が挿通される。接続部37Aの基部裏面側には、
前述のグランド用導電箔36の端子部36aが、ねじ取
付孔39に近接して露呈されている。
【0016】舌片状の固定部37Bには、加圧手段用取
付部26Bの図示しないねじ孔に対応して形成されたね
じ取付孔(図示せず)が設けられており、弾性体1とフ
レーム23を連結する一対の取付けねじ38のうちの他
方が挿通されている。
【0017】図1および図2において、レール22はフ
レーム23を貫通するように支持し、両端が一対の支持
部材41a,41bに固定されている。フレーム23
は、箱型に形成されており、内部に弾性体1が前記一対
の取付けねじ38によって支持されている。また、フレ
ーム23の内部下方には、レール22の両側面にベアリ
ング43を介して接触するガイド44が配設されてお
り、弾性体1とガイド44とでレール22を挟み込むよ
うになっている。このような構成により、弾性体1の円
滑な移動を可能にするとともに、弾性体1の幅方向の移
動を規制している。
【0018】加圧手段24は、一対の取付けねじ38に
上下動自在に設けられた押圧板48と、各取付けねじ3
8に装着されて押圧板48を弾性体1に押し付ける一対
の圧縮コイルばね49と、各取付けねじ38の上部に螺
合され各圧縮コイルばね49のばね力を調整する一対の
調整板50と、各取付けねじ38の下端部に嵌挿されて
弾性体1と押圧板48との間に位置する一対のワッシャ
51等で構成されている。調整板50を回転させて上下
動させると、押圧板48に対する圧縮コイルばね49の
ばね力が変化し、加圧力が調整される。ワッシャ51
は、FPC21の接続部37Aの基部と固定部37B
を、弾性体1の取付部26A,26Bに押圧固定するた
めのもので、これによりFPC21の裏面側に露呈され
たグランド用端子36aと弾性体1との電気的接続を確
実にしている。弾性体1に生じる屈曲振動の腹の位置で
加圧すると、屈曲振動の振幅を小さくしてしまうので、
押圧板48によって弾性体1を加圧する位置は、屈曲振
動の腹の位置にかからないように設定するのが望まし
い。
【0019】ところで、本実施の形態においては、FP
C21の裏面側にグランド用端子部36aを設けて、こ
の端子部36aと弾性体1の表面とを直接接触させるこ
とで両者を電気的に接続したが、端子部36aを表面側
に露呈させてもよい。この場合は、取付けねじ38に導
電性を有する材料を用い、ねじの頭の部分と端子部36
aとを接触させることで、このねじを介してグランド用
端子部36aと弾性体1とを電気的に接続させてもよ
い。
【0020】なお、本実施の形態において、グランド用
電極を弾性体1長手方向のほぼ中心に配置し、圧電素子
2a,2b,2p,2p’を弾性体1の長手方向中心線
(I−I線)を挟んでその両側に対称的に配置したの
は、駆動時にこの中心線に対して対称的な振動を発生さ
せるためである。これにより、安定した駆動状態を達成
できる。そのために、端子部28aと29aおよび33
aと34aは、それぞれ同寸法としてあり、また左右対
称に形成されている。
【0021】このような構造からなる振動アクチュエー
タ20は、圧電素子2aに第1の交流電圧(高周波電
圧)Aを印加し、圧電素子2bに第1の交流電圧と周波
数が等しく位相が略90°異なる高周波電圧Bを印加する
ことにより、弾性体1に屈曲振動と縦振動とが発生す
る。これにより突起部1a,1bの先端面に楕円運動1
5が発生する。その結果、レール22との間の摩擦力に
より弾性体1がレール22に沿って直進する。
【0022】次に、振動アクチュエータの駆動原理を図
7に基づいてさらに詳述する。図7(A)は、振動アク
チュエータに入力される2相の高周波電圧A,Bの時間
的変化をt1〜t9で示している。図7(A)の横軸
は、高周波電圧の最大値を示している。図7(B)は、
弾性体1の断面の変形の様子を示し、弾性体に発生する
屈曲振動の時間的変化(t1〜t9)を示している。図
7(C)は、弾性体の形状の変形の様子を示し、弾性体
に発生する縦振動の時間的変化(t1〜t9)を示して
いる。図7(D)は、弾性体1の突1部1a,1bに発
生する楕円運動の時間的変化(t1〜t9)を示してい
る。
【0023】時間t1において、図7(A)に示すよう
に、圧電素子2aに印加される高周波電圧Aは正の電圧
を発生し、同様に圧電素子2bに印加される高周波電圧
Bは同一の正の電圧を発生する。図7(B)に示すよう
に、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消し
合い、質点Y1とZ1とが振幅零となる。また、図7
(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振動
は、伸張する方向に発生する。質点Y2とZ2とは矢印
で示すように、節Xを中心にして最大の伸張を示す。そ
の結果、図7(D)に示すように、上記両振動が複合さ
れ、質点Y1とY2との運動の合成が質点Yの運動とな
り、また、質点Z1とZ2との運動の合成が質点Zの運
動となる。
【0024】時間t2において、図7(A)に示すよう
に、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電圧
を発生する。図7(B)に示すように、高周波電圧Aに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1は正方向に振幅し、質
点Z1は負方向に振幅する。また、図7(C)に示すよ
うに、高周波電圧Aによる縦振動が発生し、質点Y2と
質点Z2とが時間t1の時よりも縮む。その結果、図7
(D)に示すように、上記両振動が複合され、質点Yと
Zとが時間t1の時よりも右回りに移動する。
【0025】時間t3において、図7(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図7(B)に示すよ
うに、高周波電圧AおよびBによる屈曲運動が合成され
て増幅され、質点Y1は時間t2の時よりも正方向に増
幅され、最大の正の振幅値を示す。質点Z1は時間t2
の時よりも負方向に増幅され、最大の負の振幅値を示
す。また、図7(C)に示すように、高周波電圧Aおよ
びBによる縦振動が互いに打ち消し合い、質点Y2とZ
2とが元の位置に戻る。その結果、図7(D)に示すよ
うに、上記両振動が複合され、質点YとZとが時間t2
の時よりも右回りに移動する。
【0026】時間t4において、図7(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電圧
を発生する。図7(B)に示すように、高周波電圧Bに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1は時間t3の時よりも
振幅が低下し、質点Z1は時間t3の時よりも振幅が低
下する。また、図7(C)に示すように、高周波電圧B
による縦振動が発生し、質点Y2とZ2が収縮する。そ
の結果、図7(D)に示すように、上記両振動が複合さ
れ、質点YとZとが時間t3の時よりも右回りに移動す
る。
【0027】時間t5において、図7(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは負の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図7(B)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消
し合い、質点Y1とZ1とが振幅零となる。また、図7
(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振動は
収縮する方向に発生する。質点Y2とZ2とは、矢印で
示されるように、節Xを中心にして最大の収縮を示す。
その結果、図7(D)に示すように、上記両振幅が複合
され、質点YとZとが時間t4の時よりも右回りに移動
する。
【0028】時間t6〜t9に変化するにしたがって、
上述の原理と同様に屈曲振動および縦振動が発生し、そ
の結果、図7(D)に示すように、質点Yおよび質点Z
が右回りに移動し、楕円運動をする。
【0029】以上のようにして、この振動アクチュエー
タの弾性体1は、その突起部1a、1bの先端に楕円運
動を発生させ、駆動力を発生させる構成となっている。
したがって、加圧手段24により弾性体1をレール22
に所定圧で押し付けておくと、弾性体1はレール22に
沿って移動する。
【0030】なお、弾性体1に設けられた突起部1a,
1bは必須のものではなく、突起部がなくても屈曲振動
( Bモード)の腹の位置が駆動力の取り出し部として機
能する。そして、突起部1a,1bを設ける代わりに前
記屈曲振動の腹の位置に摺動材としての樹脂部材を設け
てもよい。樹脂としては、例えば、フッ素樹脂等を用い
ることができる。摺動材の固定には接着剤等を用いれば
よい。
【0031】図8は、振動アクチュエータの駆動回路を
示すブロック図である。発振器60からは、弾性体1と
各圧電素子2a,2b,2p,2p’から構成される部
材の4次の屈曲振動(B4モード)および1次の縦振動
(L1モード)に対応する周波数を有する駆動信号が出力
される。この駆動信号は、分岐されて一方は移相器63
を介して増幅器61に入力する。他方は、直接増幅器6
2に入力する。増幅器61の出力は、A端子を経由して
圧電素子2aの電極4aに入力する。また、増幅器62
の出力は、B端子を経由して圧電素子2bの電極5aに
入力する。この場合、圧電素子2aに出力される駆動信
号の位相は、位相器63によって圧電素子2bに入力さ
れる駆動信号の位相に対して略90°シフトされている。
モニタ用の圧電素子2P,2P’の出力は、それぞれ比
較器65A,65Bに入力される。比較器65A,65
Bは、基準電圧発生装置64により予め設定されていた
電圧と、P,P’端子の出力とを比較する。そして、圧
電素子2p,2p’のいずれか一方の出力が設定された
電圧よりも小さいときは、周波数を低くするように発振
器60を制御する。また、圧電素子2p,2p’のいず
れか一方の出力が大きいときは、周波数を高くするよう
に発振器60を制御する。これにより、振動アクチュエ
ータの振動振幅がほぼ一定に保持される。
【0032】以上のように、本実施の形態の構成におい
ては、圧電素子2a,2b,2p,2p’の表面をFP
C21によって覆ってあるので、これら圧電素子を保護
することができる。そのため、取扱い時に圧電素子の表
面を傷付けるおそれがなくなる。また、圧電素子に塵埃
等が付着するのを防止することができる。さらに、FP
C21に設けた端子部28a,29a,33a,34
a,36を各圧電素子2a,2b,2p,2p’の表面
側電極4a,5a,6a,7aに接着、溶着、圧着等に
より固定してあるので、はんだ付けによるリード線の接
続作業が不要である。そのため、はんだ付け時の熱によ
って圧電素子の電極を破壊してしまうおそれもない。ま
た、はんだの盛り上がりが生じないので、加圧手段24
の押圧板48をFPC21に良好に密着させることがで
きる。そのため、弾性体1を均一な力で加圧することが
できる。
【0033】さらにまた、振動アクチュエータの加圧手
段24の一部である押圧板48によって、FPC21の
接続部37Aと固定部37Bを弾性体1に対して押圧し
て固定してあるので、FPC21を固定する固定手段を
別途設ける必要がない。しかも、接着剤を用いた場合よ
りも確実に固定することができる。
【0034】図9は、本発明の他の実施の形態を示す平
面図であり、図10は正面図である。本実施の形態は、
前述の実施の形態とほぼ同様の構成を有するものである
が、フレキシブルプリント基板として両面フレキシブル
プリント基板を用いた点で異なる。両面フレキシブルプ
リント基板の上面(すなわち、圧電素子2a,2b.2
p,2p’とは反対側の面)には、例えば、駆動回路の
ような一対のIC回路66が、弾性体1の長手方向の中
心線を挟んで対称的に配置されている。
【0035】両面フレキシブルプリント基板21は、前
述の実施の形態とは異なり、取付けねじ38ではなくエ
ポキシ系の接着剤によって圧電素子2a,2b,2p,
2p’の表面および弾性体1に接着されている。グラン
ド用の端子部36aは、弾性体1の長手方向の中心線
(I−I線)付近に設けてある。両面フレキシブルプリ
ント基板21の表面側には、端子部67が露呈されてお
り(図10参照)、IC回路66はこの端子部67に接
続されている。
【0036】本実施の形態においては、両面フレキシブ
ルプリント基板21上にIC回路66を配置するので、
振動アクチュエータの小型化が可能になる。なお、両面
フレキシブルプリント基板21上に配置するIC回路は
2個に限らず幾つでもよい。
【0037】図11は、本発明のさらに別の実施の形態
の構成を示す平面図である。本実施の形態では、加圧手
段24の取付けねじ38を4本とし、この4本のねじで
FPC21を押圧固定するように構成してある。弾性体
1の長辺側の両側面には、長手方向の中心線を挟んでそ
の両側の対称の位置に加圧手段用のねじ取付け部26
A,26B,26C,26Dが一体に形成されている。
FPC21の四隅の付近には、ねじ取付け部26A,2
6B,26C,26Dに対応して4つの固定部37が設
けられている。グランド用の端子部36aは、圧電素子
2p、2p’のそれぞれの外側に1箇所ずつ設けられて
おり、弾性体1の表面の両端部近傍に各々接合されてい
る。4つの固定部のうち一方の長辺側(図ではねじ取付
け部26C、26Dに対応する位置)に設けられた固定
部37は、長手方向中心線の左側と右側とで帯状に長く
伸びて設けられ、その一端が1つにまとめられることで
接続部70を形成している。そして、この接続部70を
介してアクチュエータの駆動回路に接続されている。F
PC21に形成されているグランド用の導電箔36は、
接続部70で2つに分けられ、2箇所のグランド用の端
子部36aに接続されている。なお、接続部70を1本
にまとめずに、個々に独立させて制御回路に接続させて
もよい。以上の構成によれば、加圧手段24の取付けね
じ38により4箇所でFPC21を固定することになる
ので、より確実な固定が可能となる。なお、前述のよう
に、弾性体1に生じる屈曲振動の腹の位置で加圧する
と、屈曲振動の振幅を小さくしてしまうので、押圧板4
8によって弾性体1を加圧する位置は、屈曲振動の腹に
位置にかからないように設定するのが望ましい。
【0038】なお、本発明は、以上の実施の形態に限定
されるものではなく、種々の変更、変形が可能である。
例えば、グランド用の端子部として圧電素子を用い、こ
れを図13のように導電性塗料によって弾性体1に接続
させてもよい。また、モニタ用の圧電素子2p,2p’
は本発明に必須のものではなく、設けなくてもよい。圧
電素子2p,2p’を設置しないときは、図8の駆動回
路において、基準電圧発生器64と比較器65も必要で
なく、発生器60からは所定の周波数の駆動信号を出力
すればよい。
【0039】また、各実施の形態では電気機械変換素子
として圧電素子を用いる場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、電気エネルギを機
械エネルギに変換するものものなら何でもよい。例え
ば、電歪素子や磁歪素子を用いてもよい。また、相対運
動部材の形態も実施の形態で説明した形態に限るもので
はない。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、電気機械変換素子の表
面をフレキシブルプリント基板によって覆ってあるの
で、この電気機械変換素子を保護することができる。そ
のため、取扱い時に電気機械変換素子を傷付けるおそれ
がなくなる。また、電気機械変換素子に塵埃等が付着す
るのを防止することができる。これにより、振動アクチ
ュエータの信頼度を向上させることができる。また、本
発明によれば、駆動回路等をIC回路で構成してフレキ
シブルプリント基板上に搭載したので、アクチュエータ
を小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す一部破断正面図
である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 弾性体の平面図である。
【図4】 弾性体の正面図である。
【図5】 図3のV−V線断面図である。
【図6】 フレキシブルプリント基板の要部を示す平面
図である。
【図7】 振動アクチュエータの駆動原理を説明するた
めの概略図である。
【図8】 振動アクチュエータの駆動回路を示すブロッ
ク図である。
【図9】 本発明の他の実施の形態の構成を示す平面図
である。
【図10】 図9の正面図である。
【図11】 本発明のさらに別の実施の形態の構成を示
す平面図である。
【図12】 従来の振動アクチュエータの構成を示す概
略図である。 1…弾性体、2…電気機械変換素子、20…振動アクチ
ュエータ、21…フレキシブルプリント基板(FP
C)、24…加圧手段、22…レール、23…フレー
ム、36a…グランド用端子、38…取付けねじ、52
…六角ナット、53…ねじ止め用部材、54…六角孔付
きボルト、55…ビス、66…IC回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体と、この弾性体に接合された電気
    機械変換素子とを備え、前記弾性体に相対運動部材を加
    圧接触させた状態で前記電気機械変換素子に駆動信号を
    印加し、前記弾性体に縦振動と屈曲振動とを発生させる
    ことで前記相対運動部材との間で相対運動を行う振動ア
    クチュエータにおいて、 前記駆動信号を印加するための駆動回路の一部をフレキ
    シブルプリント基板によって構成し、このフレキシブル
    プリント基板によって前記電気機械変換素子の表面を覆
    ったことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 フレキシブルプリント基板にIC回路を
    搭載したことを特徴とする請求項1記載の振動アクチュ
    エータ。
JP7298746A 1995-11-16 1995-11-16 振動アクチュエータ Pending JPH09140170A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013201887A (ja) * 2012-02-23 2013-10-03 Canon Inc 振動型駆動装置及び撮像装置
JP2021072759A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータ、雲台、および電子機器

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JP2013201887A (ja) * 2012-02-23 2013-10-03 Canon Inc 振動型駆動装置及び撮像装置
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