JPH0914008A - 自走車両のスリップ防止方法及びその装置 - Google Patents
自走車両のスリップ防止方法及びその装置Info
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- JPH0914008A JPH0914008A JP18361495A JP18361495A JPH0914008A JP H0914008 A JPH0914008 A JP H0914008A JP 18361495 A JP18361495 A JP 18361495A JP 18361495 A JP18361495 A JP 18361495A JP H0914008 A JPH0914008 A JP H0914008A
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- Japan
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- predetermined
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- slip
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- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スリップの発生を阻止でき、スリップが生じ
ても迅速かつ滑らかに収束できる自走車両のスリップ防
止方法及びその装置の提供 【構成】 車速に係わる車輪のスリップ指標Vd を検出
すると共に、駆動輪1の加速度αを検出し、これらスリ
ップ指標Vd と加速度αとを用いてエンジン3の燃料噴
射量を調整することにより自走車両のスリップを防止す
る自走車両のスリップ防止方法において、(1) Vd ≧V
S 又はVd >VS のとき、燃料噴射量を所定量qだけ減
らし、その後、(2) α≧α+ (又はα>α+ )の場合、
燃料噴射量を所定量qだけ減らし、(3) α+ >α>α-
(α+ ≧α>α- 、α+ >α≧α-又はα+ ≧α≧
α- )の場合、現行燃料噴射量を保持し、(4) α≦α-
(又はα<α- )の場合、燃料噴射量を所定量qだけ増
やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合に合わせ、ス
リップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <VS )となる
までを条件として、所定時間Ts 毎に順次実施する。
ても迅速かつ滑らかに収束できる自走車両のスリップ防
止方法及びその装置の提供 【構成】 車速に係わる車輪のスリップ指標Vd を検出
すると共に、駆動輪1の加速度αを検出し、これらスリ
ップ指標Vd と加速度αとを用いてエンジン3の燃料噴
射量を調整することにより自走車両のスリップを防止す
る自走車両のスリップ防止方法において、(1) Vd ≧V
S 又はVd >VS のとき、燃料噴射量を所定量qだけ減
らし、その後、(2) α≧α+ (又はα>α+ )の場合、
燃料噴射量を所定量qだけ減らし、(3) α+ >α>α-
(α+ ≧α>α- 、α+ >α≧α-又はα+ ≧α≧
α- )の場合、現行燃料噴射量を保持し、(4) α≦α-
(又はα<α- )の場合、燃料噴射量を所定量qだけ増
やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合に合わせ、ス
リップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <VS )となる
までを条件として、所定時間Ts 毎に順次実施する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、路面や軌条を自走する
車両の車輪(鉄輪を含む)のスリップを防止するに好適
な自走車両のスリップ防止方法及びその装置に関する。
車両の車輪(鉄輪を含む)のスリップを防止するに好適
な自走車両のスリップ防止方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自走車両は、急発進時、急加速時、また
通常走行中であっても路面の変化によってスリップを生
じる。スリップの程度は、路面状態(即ち、路面の粘着
係数)によって異なる。粘着係数は、車輪の材質(鉄、
ゴム等)や形状と、路面の材質(軌条、コンクリート、
アスファルト、岩、土、砂、粘着土等)との組み合わせ
等で異なる他、例えば同じ路面であっても降雪、降雨、
霧等の気象条件によっても大きく変化する。例えば軌条
では、落ち葉等によっても大きく変化する。このような
スリップが大きく生ずると、車輪や路面の磨耗、燃費損
失等は勿論のこと、操舵不能や制動不能等の不都合が生
ずる。
通常走行中であっても路面の変化によってスリップを生
じる。スリップの程度は、路面状態(即ち、路面の粘着
係数)によって異なる。粘着係数は、車輪の材質(鉄、
ゴム等)や形状と、路面の材質(軌条、コンクリート、
アスファルト、岩、土、砂、粘着土等)との組み合わせ
等で異なる他、例えば同じ路面であっても降雪、降雨、
霧等の気象条件によっても大きく変化する。例えば軌条
では、落ち葉等によっても大きく変化する。このような
スリップが大きく生ずると、車輪や路面の磨耗、燃費損
失等は勿論のこと、操舵不能や制動不能等の不都合が生
ずる。
【0003】上記問題を無くすため、従来、運転者自身
がスリップ状態を感知してアクセル操作してスリップを
防止したり、また例えば次に示すように、スリップが生
じないように、エンジン出力や変速機の変速段を自動制
御する等の技術が知られる。
がスリップ状態を感知してアクセル操作してスリップを
防止したり、また例えば次に示すように、スリップが生
じないように、エンジン出力や変速機の変速段を自動制
御する等の技術が知られる。
【0004】(1)特開昭58−38347号公報に
は、前後輪の速度差を検出し、速度差が所定値を越えた
とき、燃料噴射を停止し、またこの結果、速度差が所定
値以下となったとき、燃料噴射を元に戻す技術が示され
ている。
は、前後輪の速度差を検出し、速度差が所定値を越えた
とき、燃料噴射を停止し、またこの結果、速度差が所定
値以下となったとき、燃料噴射を元に戻す技術が示され
ている。
【0005】(2)特開昭62−99517号公報に
は、駆動輪と従動輪との回転を検出し、駆動輪の加速度
とスリップ率とを演算し、加速初期は、加速度に基づき
エンジン出力を制御することでスリップの収束を迅速に
行わせ、他方加速後期は、スリップ率に基づきエンジン
出力を制御することでスリップの収束を精密に行わせる
技術が示されている。具体的には次の記載となってい
る。
は、駆動輪と従動輪との回転を検出し、駆動輪の加速度
とスリップ率とを演算し、加速初期は、加速度に基づき
エンジン出力を制御することでスリップの収束を迅速に
行わせ、他方加速後期は、スリップ率に基づきエンジン
出力を制御することでスリップの収束を精密に行わせる
技術が示されている。具体的には次の記載となってい
る。
【0006】加速度に対しては所定加速値a1と所定減
速値b1との閾値が予め設定されている(尚、a1、b
1は特開昭62−99517号公報記載の符号である、
以下同じ)。そこで加速初期は、加速度が所定加速値a
1以上であるときは、燃料を漸減させる。この結果、加
速度が減速へ移行し、所定加速値a1から所定減速値b
1までの値であるときは、燃料を一定に保つが、加速度
がさらに所定減速値b1以下となったときは、その後、
加速度が所定加速値a1に戻るまでの間、燃料を漸増し
続ける。この結果、加速度が再び所定加速値a1を越え
ると、燃料を再度漸減させる。以上の繰り返しにより、
スリップの収束が迅速に行われるとしている。他方加速
後期は、加速度が所定加速値a1から所定減速値b1ま
での間において、所定のスリップが発生している場合が
考慮されている。即ち大小2つの閾値なるスリップ率を
予め設けて、検出されたスリップ率が大きい方の閾値の
スリップ率以上であるときは、燃料を漸減し、2つの閾
値のスリップ率の間にあるときは、燃料を漸増する。こ
れらを繰り返えすことにより、スリップの収束が精密に
行われるとしている。
速値b1との閾値が予め設定されている(尚、a1、b
1は特開昭62−99517号公報記載の符号である、
以下同じ)。そこで加速初期は、加速度が所定加速値a
1以上であるときは、燃料を漸減させる。この結果、加
速度が減速へ移行し、所定加速値a1から所定減速値b
1までの値であるときは、燃料を一定に保つが、加速度
がさらに所定減速値b1以下となったときは、その後、
加速度が所定加速値a1に戻るまでの間、燃料を漸増し
続ける。この結果、加速度が再び所定加速値a1を越え
ると、燃料を再度漸減させる。以上の繰り返しにより、
スリップの収束が迅速に行われるとしている。他方加速
後期は、加速度が所定加速値a1から所定減速値b1ま
での間において、所定のスリップが発生している場合が
考慮されている。即ち大小2つの閾値なるスリップ率を
予め設けて、検出されたスリップ率が大きい方の閾値の
スリップ率以上であるときは、燃料を漸減し、2つの閾
値のスリップ率の間にあるときは、燃料を漸増する。こ
れらを繰り返えすことにより、スリップの収束が精密に
行われるとしている。
【0007】(3)特開平3−200469号公報に
は、駆動輪の加速度検出手段と、燃料噴射量の修正手段
とを備え、加速度が減速度を出力したことを条件とし
て、噴射量回復制御を行う技術が開示されている。具体
的には次の記載となっている。
は、駆動輪の加速度検出手段と、燃料噴射量の修正手段
とを備え、加速度が減速度を出力したことを条件とし
て、噴射量回復制御を行う技術が開示されている。具体
的には次の記載となっている。
【0008】加速度が所定値B以上となると、このとき
既にスリップが始まっていると見做し、燃料を漸減させ
る(尚、Bは特開平3−200469号公報記載の符号
である、以下同じ)。この漸減は加速度が零となるまで
行い、零となると直ちに(又はその後、減速度から零に
戻ったのち直ちに)、燃料を漸増させる。この燃料の漸
増は、加速度が通常値に戻るまで行うものとされてい
る。
既にスリップが始まっていると見做し、燃料を漸減させ
る(尚、Bは特開平3−200469号公報記載の符号
である、以下同じ)。この漸減は加速度が零となるまで
行い、零となると直ちに(又はその後、減速度から零に
戻ったのち直ちに)、燃料を漸増させる。この燃料の漸
増は、加速度が通常値に戻るまで行うものとされてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来技術
は、実用上、次の問題がある。
は、実用上、次の問題がある。
【0010】(1)特開昭58−38347号公報の技
術は、燃料噴射をON・OFF制御させるため、エンジ
ンブレーキを頻発させ、もって動力伝達系に衝撃を頻発
させ、また乗り心地低下の誘因となる等、実用上の問題
が多い。
術は、燃料噴射をON・OFF制御させるため、エンジ
ンブレーキを頻発させ、もって動力伝達系に衝撃を頻発
させ、また乗り心地低下の誘因となる等、実用上の問題
が多い。
【0011】(2)特開昭62−99517号公報の技
術は、燃料を漸減し、また漸増するため、上記特開昭5
8−38347号公報の技術の燃料のON・OFF制御
に基づく問題は解消できる。ところが加速度が所定減速
値b1以下となったときから所定加速値a1に戻るまで
の間、ずっと燃料を漸増させるため、過加速が生じてし
まい、その分、スリップの減衰が遅れるという問題があ
る。
術は、燃料を漸減し、また漸増するため、上記特開昭5
8−38347号公報の技術の燃料のON・OFF制御
に基づく問題は解消できる。ところが加速度が所定減速
値b1以下となったときから所定加速値a1に戻るまで
の間、ずっと燃料を漸増させるため、過加速が生じてし
まい、その分、スリップの減衰が遅れるという問題があ
る。
【0012】(3)特開平3−200469号公報の技
術は、加速度が零から通常値となるまでの間、ずっと燃
料を漸増させるため、上記特開昭62−99517号公
報の技術の同じ問題、即ち「過加速が生じてしまい、そ
の分、スリップの減衰が遅れる」という問題がある。
術は、加速度が零から通常値となるまでの間、ずっと燃
料を漸増させるため、上記特開昭62−99517号公
報の技術の同じ問題、即ち「過加速が生じてしまい、そ
の分、スリップの減衰が遅れる」という問題がある。
【0013】(4)尚、特開昭62−99517号公報
の技術では、加速後期に相当するスリップが生じた場合
(即ち、「加速度が所定加速値a1から所定減速値b1
までの間」だけに相当するスリップが生じた場合)、加
速度初期の制御が実施されない手順であるため、必然的
に加速度後期の制御も実施されない。即ち、このような
スリップに対しては収束できないという問題がある。
の技術では、加速後期に相当するスリップが生じた場合
(即ち、「加速度が所定加速値a1から所定減速値b1
までの間」だけに相当するスリップが生じた場合)、加
速度初期の制御が実施されない手順であるため、必然的
に加速度後期の制御も実施されない。即ち、このような
スリップに対しては収束できないという問題がある。
【0014】(5)他方、特開平3−200469号公
報の技術は、加速度のみを検出して燃料制御しているた
め、例えば木の葉などが軌条に落ち、装輪が瞬間的、か
つ急激にスリップしても(即ち、放置すれば自ずと収束
するようなスリップに対しても)、本技術の制御が発動
されて燃料が増減されてしまうため、本来的には発生し
ないようなスリップを誘発してしまうという不都合があ
る。尚、この不都合は、前記特開昭58−38347号
公報や特開昭62−99517号公報の技術においても
同様に生じる。
報の技術は、加速度のみを検出して燃料制御しているた
め、例えば木の葉などが軌条に落ち、装輪が瞬間的、か
つ急激にスリップしても(即ち、放置すれば自ずと収束
するようなスリップに対しても)、本技術の制御が発動
されて燃料が増減されてしまうため、本来的には発生し
ないようなスリップを誘発してしまうという不都合があ
る。尚、この不都合は、前記特開昭58−38347号
公報や特開昭62−99517号公報の技術においても
同様に生じる。
【0015】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
スリップの発生を阻止でき、スリップが生じても迅速か
つ滑らかに収束できる自走車両のスリップ防止方法及び
その装置を提供することを目的とする。
スリップの発生を阻止でき、スリップが生じても迅速か
つ滑らかに収束できる自走車両のスリップ防止方法及び
その装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わる自走車両のスリップ防止方法は、例
えば図1及び図4に示すように、車速に係わる車輪のス
リップ指標Vd (同図でのスリップ指標Vd は、駆動輪
1と従動輪2との速度差Vd である)を検出すると共
に、駆動輪1の加速度αを検出し、これらスリップ指標
Vd と加速度αとを用いてエンジン3の燃料噴射量を調
整することにより自走車両のスリップを防止する自走車
両のスリップ防止方法において、(1) 前記スリップ指標
Vd が所定値VS 以上となったとき(Vd ≧VS )、燃
料噴射量を所定量qだけ減らし、その後、(2) 加速度α
が所定加速値α+ 以上の場合(α≧α+ )、燃料噴射量
を所定量qだけ減らし、(3) 加速度αが所定加速値α+
未満、かつ所定減速値α- を越えている場合(α+ >α
>α- )、現行燃料噴射量を保持し、(4) 加速度αが所
定減速値α- 以下の場合(α≦α- )、燃料噴射量を所
定量qだけ増やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合
に合わせ、スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <
VS )となるまでを条件として、所定時間Ts 毎に順次
実施することを特徴としている。
め、本発明に係わる自走車両のスリップ防止方法は、例
えば図1及び図4に示すように、車速に係わる車輪のス
リップ指標Vd (同図でのスリップ指標Vd は、駆動輪
1と従動輪2との速度差Vd である)を検出すると共
に、駆動輪1の加速度αを検出し、これらスリップ指標
Vd と加速度αとを用いてエンジン3の燃料噴射量を調
整することにより自走車両のスリップを防止する自走車
両のスリップ防止方法において、(1) 前記スリップ指標
Vd が所定値VS 以上となったとき(Vd ≧VS )、燃
料噴射量を所定量qだけ減らし、その後、(2) 加速度α
が所定加速値α+ 以上の場合(α≧α+ )、燃料噴射量
を所定量qだけ減らし、(3) 加速度αが所定加速値α+
未満、かつ所定減速値α- を越えている場合(α+ >α
>α- )、現行燃料噴射量を保持し、(4) 加速度αが所
定減速値α- 以下の場合(α≦α- )、燃料噴射量を所
定量qだけ増やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合
に合わせ、スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <
VS )となるまでを条件として、所定時間Ts 毎に順次
実施することを特徴としている。
【0017】また、上記構成において、所定量qは、燃
料噴射系がノッチ制御式であるエンジンに対しては、ノ
ッチに相当させてもよい。
料噴射系がノッチ制御式であるエンジンに対しては、ノ
ッチに相当させてもよい。
【0018】また、スリップ指標Vd を所定値VS と比
較してエンジン3の燃料噴射量を調整することにより自
走車両のスリップを防止する自走車両のスリップ防止方
法においては(即ち、上記各構成に限定されない在来又
は新規の各種自走車両のスリップ防止方法において
は)、例えば図4に示すように、(1) VL >VS なる所
定値VL と、所定時間TL とを別途設け、前記スリップ
指標Vd を所定値VS と比較してエンジン3の燃料噴射
量を調整することに先立ち、(2) 最初のスリップ指標V
d を検知したとき、このスリップ指標Vd と所定値VL
とを比較してVd ≧VL であるときは、所定時間TL 経
過時に、(3) Vd ≧VS であるときのみ、前記スリップ
指標Vd を所定値VS と比較してエンジン3の燃料噴射
量を調整することとした。
較してエンジン3の燃料噴射量を調整することにより自
走車両のスリップを防止する自走車両のスリップ防止方
法においては(即ち、上記各構成に限定されない在来又
は新規の各種自走車両のスリップ防止方法において
は)、例えば図4に示すように、(1) VL >VS なる所
定値VL と、所定時間TL とを別途設け、前記スリップ
指標Vd を所定値VS と比較してエンジン3の燃料噴射
量を調整することに先立ち、(2) 最初のスリップ指標V
d を検知したとき、このスリップ指標Vd と所定値VL
とを比較してVd ≧VL であるときは、所定時間TL 経
過時に、(3) Vd ≧VS であるときのみ、前記スリップ
指標Vd を所定値VS と比較してエンジン3の燃料噴射
量を調整することとした。
【0019】他方、自走車両のスリップ防止装置は、例
えば図1及び図4に示すように、車速に係わる車輪のス
リップ指標Vd (同図でのスリップ指標Vd は、駆動輪
1と従動輪2との速度差Vd である)を検出すると共に
駆動輪1の加速度αを検出する検出手段と、前記検出手
段からのスリップ指標Vd と加速度αとを受けてエンジ
ン3の燃料噴射系に対し燃料噴射量を適宜変更させる制
御手段7とを備えて自走車両のスリップを防止する自走
車両のスリップ防止装置において、前記制御手段7は、
前記燃料噴射系に対し、(1) 前記スリップ指標Vd が所
定値VS 以上となったとき(Vd ≧VS )、燃料噴射量
を所定量qだけ減らし、その後、(2) 加速度αが所定加
速値α+ 以上の場合(α≧α+ )、燃料噴射量を所定量
qだけ減らし、(3) 加速度αが所定加速値α+ 未満、か
つ所定減速値α- を越えている場合(α+ >α>
α- )、現行燃料噴射量を保持し、(4) 加速度αが所定
減速値α- 以下の場合(α≦α- )、燃料噴射量を所定
量qだけ増やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合に
合わせ、スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <V
S )となるまでを条件として、所定時間Ts 毎に順次実
施する制御手段であることを特徴としている。
えば図1及び図4に示すように、車速に係わる車輪のス
リップ指標Vd (同図でのスリップ指標Vd は、駆動輪
1と従動輪2との速度差Vd である)を検出すると共に
駆動輪1の加速度αを検出する検出手段と、前記検出手
段からのスリップ指標Vd と加速度αとを受けてエンジ
ン3の燃料噴射系に対し燃料噴射量を適宜変更させる制
御手段7とを備えて自走車両のスリップを防止する自走
車両のスリップ防止装置において、前記制御手段7は、
前記燃料噴射系に対し、(1) 前記スリップ指標Vd が所
定値VS 以上となったとき(Vd ≧VS )、燃料噴射量
を所定量qだけ減らし、その後、(2) 加速度αが所定加
速値α+ 以上の場合(α≧α+ )、燃料噴射量を所定量
qだけ減らし、(3) 加速度αが所定加速値α+ 未満、か
つ所定減速値α- を越えている場合(α+ >α>
α- )、現行燃料噴射量を保持し、(4) 加速度αが所定
減速値α- 以下の場合(α≦α- )、燃料噴射量を所定
量qだけ増やし、以上の(2),(3),(4) を発生する場合に
合わせ、スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <V
S )となるまでを条件として、所定時間Ts 毎に順次実
施する制御手段であることを特徴としている。
【0020】尚、上記各構成(及び前記特許請求の範
囲)では、Vd 、VS 、α、α+ 、α- 、VL の比較関
係を「Vd ≧VS 、α≧α+ 、α+ >α>α- 、α≦α
- 、Vd <VS 、Vd ≧VL 、Vd ≧VS 」と表記した
が、等号「=」の存在は現実的には意味がない。即ち、
等号「=」の位置は、所定値VS 、α+ 、α- 、VL の
値次第でどの様にもなる他、そもそも動的値である検出
値Vd 、αを所定値VS、α+ 、α- 、VL に一致(等
号「=」に相当)させること自体が不能だからである。
但し、表記上、等号「=」を外すこともできず、また現
使用可能な用語「以上、以下、未満、〜を越えて」の意
味的制限に従って上記表記となったに過ぎない。従っ
て、上記各構成(及び前記特許請求の範囲)におけるこ
れら表記は、本来的に次の趣旨を含んだものものとす
る。即ち、上記各構成(及び前記特許請求の範囲)は、
その「以上、以下、未満、〜を越えて」をこの順で「よ
りも上、未満、以下、以上、」と読み変え、かつこの読
み変えに合わせて各等号「=」の位置を変えてVd >V
S 、α>α+ 、α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 、α+
≧α>α- 、α<α- 、Vd ≦VS 、Vd >VL 、Vd
>VS とし、これらを矛盾しないように組合わせた構成
を含んだものとする。
囲)では、Vd 、VS 、α、α+ 、α- 、VL の比較関
係を「Vd ≧VS 、α≧α+ 、α+ >α>α- 、α≦α
- 、Vd <VS 、Vd ≧VL 、Vd ≧VS 」と表記した
が、等号「=」の存在は現実的には意味がない。即ち、
等号「=」の位置は、所定値VS 、α+ 、α- 、VL の
値次第でどの様にもなる他、そもそも動的値である検出
値Vd 、αを所定値VS、α+ 、α- 、VL に一致(等
号「=」に相当)させること自体が不能だからである。
但し、表記上、等号「=」を外すこともできず、また現
使用可能な用語「以上、以下、未満、〜を越えて」の意
味的制限に従って上記表記となったに過ぎない。従っ
て、上記各構成(及び前記特許請求の範囲)におけるこ
れら表記は、本来的に次の趣旨を含んだものものとす
る。即ち、上記各構成(及び前記特許請求の範囲)は、
その「以上、以下、未満、〜を越えて」をこの順で「よ
りも上、未満、以下、以上、」と読み変え、かつこの読
み変えに合わせて各等号「=」の位置を変えてVd >V
S 、α>α+ 、α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 、α+
≧α>α- 、α<α- 、Vd ≦VS 、Vd >VL 、Vd
>VS とし、これらを矛盾しないように組合わせた構成
を含んだものとする。
【0021】
【作用】即ち、上記第1構成によれば、(1) Vd ≧VS
(Vd >VS )となったとき、燃料噴射量を所定量qだ
け減らす。これにより、(2) α≧α+ (又はα>α+ )
である場合、燃料噴射量を所定量qだけ減らす。また、
(3) α+ >α>α- (α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α-
又はα+ ≧α>α- )である場合、現行燃料噴射量を保
持する。また、(4) α≦α- (又はα<α+ )である場
合、燃料噴射量を所定量qだけ増やす。そしてVd <V
S (又はVd ≦VS )となるまでを条件として、以上の
(2),(3),(4) を発生する場合に合わせ、所定時間Ts 毎
に順次実施する。詳しくは次の通りである。
(Vd >VS )となったとき、燃料噴射量を所定量qだ
け減らす。これにより、(2) α≧α+ (又はα>α+ )
である場合、燃料噴射量を所定量qだけ減らす。また、
(3) α+ >α>α- (α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α-
又はα+ ≧α>α- )である場合、現行燃料噴射量を保
持する。また、(4) α≦α- (又はα<α+ )である場
合、燃料噴射量を所定量qだけ増やす。そしてVd <V
S (又はVd ≦VS )となるまでを条件として、以上の
(2),(3),(4) を発生する場合に合わせ、所定時間Ts 毎
に順次実施する。詳しくは次の通りである。
【0022】上記構成では、(3) のα+ >α>α- (α
+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の
事象は、加速から減速までの間と、減速から加速までの
間とで生ずる。そしてこの2者間で現行の燃料噴射量は
保持される。即ち、前述したように、前記従来の特開昭
62−99517号公報の技術では、加速度が所定減速
値b1以下となったときから所定加速値a1に戻るまで
の間、ずっと燃料を漸増させたため、一方前記従来の特
開平3−200469号公報の技術では、加速度が零か
ら通常値となるまでの間、ずっと燃料を漸増させたた
め、共に「過加速が生じてしまい、その分、スリップの
減衰が遅れる」という問題があったが、上記構成によれ
ば、加速度αが減速から加速までの間で、かつα+ >α
>α- (α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α
>α- )の間でも現行の燃料噴射量を保持するため、上
記「過加速が生じてしまい、その分、スリップの減衰が
遅れる」なる不都合が生じなくなる。即ち、発生したス
リップは、従来技術と比較し、より迅速かつ滑らかに収
束するようになる。また燃料の増減は、所定量qを単位
として行うため、過減速や過加速の発生をより確実に阻
止する。
+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の
事象は、加速から減速までの間と、減速から加速までの
間とで生ずる。そしてこの2者間で現行の燃料噴射量は
保持される。即ち、前述したように、前記従来の特開昭
62−99517号公報の技術では、加速度が所定減速
値b1以下となったときから所定加速値a1に戻るまで
の間、ずっと燃料を漸増させたため、一方前記従来の特
開平3−200469号公報の技術では、加速度が零か
ら通常値となるまでの間、ずっと燃料を漸増させたた
め、共に「過加速が生じてしまい、その分、スリップの
減衰が遅れる」という問題があったが、上記構成によれ
ば、加速度αが減速から加速までの間で、かつα+ >α
>α- (α+ ≧α≧α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α
>α- )の間でも現行の燃料噴射量を保持するため、上
記「過加速が生じてしまい、その分、スリップの減衰が
遅れる」なる不都合が生じなくなる。即ち、発生したス
リップは、従来技術と比較し、より迅速かつ滑らかに収
束するようになる。また燃料の増減は、所定量qを単位
として行うため、過減速や過加速の発生をより確実に阻
止する。
【0023】第2構成は、ノッチ制御式燃料噴射システ
ムのエンジンを搭載した車両を対象としている。例えば
軌条走行車(いわゆるディーゼル車)の殆どは、このノ
ッチ制御式を採用している。このようなディーゼル車に
おいて、上記第1構成を適用するときは、所定量qはノ
ッチに相当させることになる。尚この場合、所定量qは
1ノッチ分でも2ノッチ分でもよく、ディーゼル車の仕
様毎に適宜設定すればよい。
ムのエンジンを搭載した車両を対象としている。例えば
軌条走行車(いわゆるディーゼル車)の殆どは、このノ
ッチ制御式を採用している。このようなディーゼル車に
おいて、上記第1構成を適用するときは、所定量qはノ
ッチに相当させることになる。尚この場合、所定量qは
1ノッチ分でも2ノッチ分でもよく、ディーゼル車の仕
様毎に適宜設定すればよい。
【0024】第3構成によれば、最初のスリップ指標V
d を検知したとき、Vd ≧VL (又はVd >VL )であ
っても、所定時間TL 経過後、Vd ≧VS (又はVd >
VS)であるときのみ、自走車両のスリップ防止方法を
実施するようにしてある。即ち、第3構成によれば、所
定時間TL 放置すれば、自ずと収束するような、例えば
軌条での木の葉などによる一時的かつ急激なスリップに
対し、本来的に不要であるスリップ防止制御の発動を禁
止することができる。
d を検知したとき、Vd ≧VL (又はVd >VL )であ
っても、所定時間TL 経過後、Vd ≧VS (又はVd >
VS)であるときのみ、自走車両のスリップ防止方法を
実施するようにしてある。即ち、第3構成によれば、所
定時間TL 放置すれば、自ずと収束するような、例えば
軌条での木の葉などによる一時的かつ急激なスリップに
対し、本来的に不要であるスリップ防止制御の発動を禁
止することができる。
【0025】第4構成は、第1構成の方法を装置化した
ものであり、作用は上記第1構成の作用の説明に準ず
る。
ものであり、作用は上記第1構成の作用の説明に準ず
る。
【0026】
【実施例】実施例を図1〜図7を参照し説明する。図1
は、実施例を搭載したディーゼル車(以下、例機とす
る)の動力伝達系を示す。例機はディーゼルエンジン3
を搭載しており、エンジン3は、図2に示すミニマム・
マキシマムスピードガバナ6や図3に示すオールスピー
ドガバナ等で制御される。このガバナ6は、詳細は後述
する制御器7からノッチ指令S3を受け、図2や図3に
示すように、燃料を段階的に噴射するいわゆるノッチ制
御式となっている。即ち、エンジン3の出力は、変速機
4と、ドライブシャフト5とをこの順で経て駆動輪1を
回転させる。これにより、例機は軌条を走行する。尚、
車輪は、上記駆動輪1の他、従動輪2も備えている。こ
の例機において、実施例は次の如く構成されている。
は、実施例を搭載したディーゼル車(以下、例機とす
る)の動力伝達系を示す。例機はディーゼルエンジン3
を搭載しており、エンジン3は、図2に示すミニマム・
マキシマムスピードガバナ6や図3に示すオールスピー
ドガバナ等で制御される。このガバナ6は、詳細は後述
する制御器7からノッチ指令S3を受け、図2や図3に
示すように、燃料を段階的に噴射するいわゆるノッチ制
御式となっている。即ち、エンジン3の出力は、変速機
4と、ドライブシャフト5とをこの順で経て駆動輪1を
回転させる。これにより、例機は軌条を走行する。尚、
車輪は、上記駆動輪1の他、従動輪2も備えている。こ
の例機において、実施例は次の如く構成されている。
【0027】駆動輪1は回転検出器8aを備えている。
他方、従動輪2も回転検出器8bを備えている。各回転
検出器8a、8bからの検出信号S1 、S2 は、制御手
段なる例えばマイコン等でなる制御器7に出力される。
制御器7は、前述したように、ガバナ6に対してノッチ
指令S3を出力する。ノッチ指令S3は、基本的にはオ
ペレータからのノッチ指令S4に対応するが、前記各検
出信号S1 、S2 に基づき補正される。この補正は制御
器7で行われ、例機のスリップ防止が図られる。即ち制
御器7は、図4に示すフローを実施する。
他方、従動輪2も回転検出器8bを備えている。各回転
検出器8a、8bからの検出信号S1 、S2 は、制御手
段なる例えばマイコン等でなる制御器7に出力される。
制御器7は、前述したように、ガバナ6に対してノッチ
指令S3を出力する。ノッチ指令S3は、基本的にはオ
ペレータからのノッチ指令S4に対応するが、前記各検
出信号S1 、S2 に基づき補正される。この補正は制御
器7で行われ、例機のスリップ防止が図られる。即ち制
御器7は、図4に示すフローを実施する。
【0028】図4を参照しつつ説明する。制御器7は、
別途設定した所定値(閾値)なる速度差VL 、VS 、時
間TL 、TS 及び加速度α- (減速値α- )、α+ (加
速値α+ )を予め記憶しており、時間TS 内に少なくと
も1回は、前記検出信号S1から得られる駆動輪回転速
度VF と、前記検出信号S2から得られる従動輪回転速
度VR とから、車速に係わる車輪のスリップ指標なる速
度差Vd (=VF −VR )を演算すると共に、前記検出
信号S1から得られる駆動輪回転速度VF から駆動輪加
速度α(=d(VF)/dt )を演算し(手順(1))、これに基
づき、ノッチの増減(上記補正に相当する)によるスリ
ップ収束処理制御(手順(7) 〜(24)、詳細は後述する)
を実行する。
別途設定した所定値(閾値)なる速度差VL 、VS 、時
間TL 、TS 及び加速度α- (減速値α- )、α+ (加
速値α+ )を予め記憶しており、時間TS 内に少なくと
も1回は、前記検出信号S1から得られる駆動輪回転速
度VF と、前記検出信号S2から得られる従動輪回転速
度VR とから、車速に係わる車輪のスリップ指標なる速
度差Vd (=VF −VR )を演算すると共に、前記検出
信号S1から得られる駆動輪回転速度VF から駆動輪加
速度α(=d(VF)/dt )を演算し(手順(1))、これに基
づき、ノッチの増減(上記補正に相当する)によるスリ
ップ収束処理制御(手順(7) 〜(24)、詳細は後述する)
を実行する。
【0029】尚、例機での各所定値は、例えば図4に示
すように、VL =5 km/h 、VS =1 km/h 、TL =2
sec、TS =0.5 sec、α- =−3 km/h/0.1sec、α
+ =2 km/h/0.1secとしてある。但し、これらは、VL
>VS を唯一条件として、車両の仕様や用途等に応じて
適宜設定されるべき値である。
すように、VL =5 km/h 、VS =1 km/h 、TL =2
sec、TS =0.5 sec、α- =−3 km/h/0.1sec、α
+ =2 km/h/0.1secとしてある。但し、これらは、VL
>VS を唯一条件として、車両の仕様や用途等に応じて
適宜設定されるべき値である。
【0030】即ち、制御器7は、オペレータからのノッ
チ指令S4に基づく指定ノッチで自走中(手順(2))、変
速中でないときに(手順(3))、速度差Vd が速度差VL
(=5 km/h )を越えた(Vd ≧VL )とき(手順
(4))、そしてその後、オペレータが指定ノッチを変更す
ることなく(手順(5))、所定時間TL (=2 sec)経過
後(手順(6))、速度差Vd が速度差Vs(=1 km/h )
以上(Vd ≧Vs)であるときは(手順(7))、スリップ
発生と見做す(手順(8))。
チ指令S4に基づく指定ノッチで自走中(手順(2))、変
速中でないときに(手順(3))、速度差Vd が速度差VL
(=5 km/h )を越えた(Vd ≧VL )とき(手順
(4))、そしてその後、オペレータが指定ノッチを変更す
ることなく(手順(5))、所定時間TL (=2 sec)経過
後(手順(6))、速度差Vd が速度差Vs(=1 km/h )
以上(Vd ≧Vs)であるときは(手順(7))、スリップ
発生と見做す(手順(8))。
【0031】上記手順(3) 〜(6) によれば、次の作用効
果を生ずる。本実施例では、前述したように、時間TS
(=0.5sec )毎にノッチの増減によるスリップ収束
処理制御(手順(7) 〜(24))を実行する。ところが例え
ば例機が枯れ葉等によって急スリップした場合のよう
に、例えば2 sec程度(この2 secが前記所定時間TL
に相当する)経過すれば、自ずと収束するようなスリッ
プに対しても、上記手順(3) 〜(6) を経ないものとする
と、スリップ収束処理制御(手順(7) 〜(24))が自動的
に発動されてしまい、燃料が増減し、本来的には発生し
ないはずのスリップまでも誘発させるという不都合が生
ずる。即ち、手順(3) 〜(6) は、このような事態の発生
を予め阻止するためのスリップ収束処理制御(手順(7)
〜(24))の不感帯となっている。
果を生ずる。本実施例では、前述したように、時間TS
(=0.5sec )毎にノッチの増減によるスリップ収束
処理制御(手順(7) 〜(24))を実行する。ところが例え
ば例機が枯れ葉等によって急スリップした場合のよう
に、例えば2 sec程度(この2 secが前記所定時間TL
に相当する)経過すれば、自ずと収束するようなスリッ
プに対しても、上記手順(3) 〜(6) を経ないものとする
と、スリップ収束処理制御(手順(7) 〜(24))が自動的
に発動されてしまい、燃料が増減し、本来的には発生し
ないはずのスリップまでも誘発させるという不都合が生
ずる。即ち、手順(3) 〜(6) は、このような事態の発生
を予め阻止するためのスリップ収束処理制御(手順(7)
〜(24))の不感帯となっている。
【0032】尚、上記説明から明らかなように、上記手
順(3) 〜(6) における手順(3),(5)での背反事象は、総
てスリップ発生とは見做されず(手順(81))、この場合
は、オペレータからの指定ノッチに対応して例機は自走
することになる。
順(3) 〜(6) における手順(3),(5)での背反事象は、総
てスリップ発生とは見做されず(手順(81))、この場合
は、オペレータからの指定ノッチに対応して例機は自走
することになる。
【0033】説明を元に戻す。次にスリップ収束処理制
御(手順(7) 〜(24))を詳述する。制御器7は、スリッ
プ発生を判断すると(手順(8))、1ノッチ下げる(手順
(9))。これにより燃料は1ノッチ分(例機の仕様によっ
ては複数ノッチとなる)だけ噴射量qが減り、この結
果、加速度αは加速から減速へ転じようとする。但し、
燃料噴射の応答性、エンジンの回転慣性や初期加速度α
の大小等の違いによって、所定時間TS (0.5 sec)
経過後(手順(10))では、α≦α- (手順(11))と、α
+ >α>α- (手順(11),(13))と、α≧α+ (手順(1
3))とのいずれかの場合が生ずる。以下、各場合の制御
器7での制御を作用効果と共に述べる。
御(手順(7) 〜(24))を詳述する。制御器7は、スリッ
プ発生を判断すると(手順(8))、1ノッチ下げる(手順
(9))。これにより燃料は1ノッチ分(例機の仕様によっ
ては複数ノッチとなる)だけ噴射量qが減り、この結
果、加速度αは加速から減速へ転じようとする。但し、
燃料噴射の応答性、エンジンの回転慣性や初期加速度α
の大小等の違いによって、所定時間TS (0.5 sec)
経過後(手順(10))では、α≦α- (手順(11))と、α
+ >α>α- (手順(11),(13))と、α≧α+ (手順(1
3))とのいずれかの場合が生ずる。以下、各場合の制御
器7での制御を作用効果と共に述べる。
【0034】(1)α≦α- の場合は(手順(11))、減
速し過ぎと見做し、1ノッチ上げる(手順(16))。その
後の所定時間TS (=0.5 sec)経過後(手順(1
7))、α+ >α>α- であり(手順(18),(20))、かつV
d <Vsであれば(手順(19))、このときノッチは既に
指定ノッチに戻っているので(手順(23))、スリップは
収束したことになる(手順(24))。他方、所定時間TS
(=0.5 sec)経過後(手順(17))、再びα≧α+ に
戻れば(手順(20))、再び1ノッチ下げることになる
(手順(9))。
速し過ぎと見做し、1ノッチ上げる(手順(16))。その
後の所定時間TS (=0.5 sec)経過後(手順(1
7))、α+ >α>α- であり(手順(18),(20))、かつV
d <Vsであれば(手順(19))、このときノッチは既に
指定ノッチに戻っているので(手順(23))、スリップは
収束したことになる(手順(24))。他方、所定時間TS
(=0.5 sec)経過後(手順(17))、再びα≧α+ に
戻れば(手順(20))、再び1ノッチ下げることになる
(手順(9))。
【0035】(2)α+ >α>α- の場合は(手順(1
1),(13))、先に手順(9) で下げたノッチをそのまま所定
時間TS (=0.5 sec)だけ保持すること(手順(1
0))により例機自体によるスリップの収束を促す。即
ち、さらに所定時間TS (=0.5sec)経過後(手順
(10))にVd <Vsとなれば、既にノッチは下げられて
いるので、指定ノッチに戻すべく(手順(23))、ノッチ
を上げる(手順(16))。そして再度所定時間TS (=
0.5 sec)経過後(手順(17))、再びα+ >α>α-
であり(手順(18)、(20))、かつVd <Vsであれば
(手順(19))、ノッチは既に指定ノッチに戻っているの
で(手順(23))、スリップは収束したことになる(手順
(24))。即ち、α+ >α>α- (手順(11),(13) また手
順(18),(20))は、それぞれ不感帯となり、上記手順(3)
〜(6) が不感帯であるのと同じように、例機自体による
スリップの収束を促すものである。
1),(13))、先に手順(9) で下げたノッチをそのまま所定
時間TS (=0.5 sec)だけ保持すること(手順(1
0))により例機自体によるスリップの収束を促す。即
ち、さらに所定時間TS (=0.5sec)経過後(手順
(10))にVd <Vsとなれば、既にノッチは下げられて
いるので、指定ノッチに戻すべく(手順(23))、ノッチ
を上げる(手順(16))。そして再度所定時間TS (=
0.5 sec)経過後(手順(17))、再びα+ >α>α-
であり(手順(18)、(20))、かつVd <Vsであれば
(手順(19))、ノッチは既に指定ノッチに戻っているの
で(手順(23))、スリップは収束したことになる(手順
(24))。即ち、α+ >α>α- (手順(11),(13) また手
順(18),(20))は、それぞれ不感帯となり、上記手順(3)
〜(6) が不感帯であるのと同じように、例機自体による
スリップの収束を促すものである。
【0036】(3)α≧α+ の場合は(手順(13))、さ
らに1ノッチ下げる(手順(9))。そして所定時間TS
(=0.5 sec)経過後(手順(10))、それでもα≧α
+ であれば(手順(13))、さらに1ノッチ下げ(手順
(9) )、さらに所定時間TS (=0.5 sec)の経過
(手順(10))を待つ。それでもα≧α+ の場合は(手順
(13))、例機では、そのままずっと待ち続けることにな
る(手順(15),(10),(13),(14)・・・・ のルーチン)。尚、
例機では、手順(15)に示すように、下げることのできる
ノッチ数は3ノッチ迄としてある。尚、このように複数
ノッチ下げた場合でも、上記手順(9) 〜(23)内に示され
るルーチンの実行により、最終的には、α+ >α>α-
(手順(11),(13) 又は手順(18),(20))となり、Vd <V
s(手順(12)又は(19))となり、かつ指定ノッチに戻っ
た状態(手順(23))を経てスリップは収束するようにな
る(手順(24))ことは、図4より明らかである。
らに1ノッチ下げる(手順(9))。そして所定時間TS
(=0.5 sec)経過後(手順(10))、それでもα≧α
+ であれば(手順(13))、さらに1ノッチ下げ(手順
(9) )、さらに所定時間TS (=0.5 sec)の経過
(手順(10))を待つ。それでもα≧α+ の場合は(手順
(13))、例機では、そのままずっと待ち続けることにな
る(手順(15),(10),(13),(14)・・・・ のルーチン)。尚、
例機では、手順(15)に示すように、下げることのできる
ノッチ数は3ノッチ迄としてある。尚、このように複数
ノッチ下げた場合でも、上記手順(9) 〜(23)内に示され
るルーチンの実行により、最終的には、α+ >α>α-
(手順(11),(13) 又は手順(18),(20))となり、Vd <V
s(手順(12)又は(19))となり、かつ指定ノッチに戻っ
た状態(手順(23))を経てスリップは収束するようにな
る(手順(24))ことは、図4より明らかである。
【0037】上記図4の制御フローの具体的事例を、図
5〜図7を参照して説明する。図5は、駆動輪1及び従
動輪2の各回転速度線図、図6は駆動輪1の加速度線
図、図7はノッチ増減変更線図である。尚、各図の横軸
は進行時刻Tを示し、図相互間の縦線は対応時刻を示
す。以下、前記図4の手順(1) 〜(23)等を付記しつつ、
事例を説明する。
5〜図7を参照して説明する。図5は、駆動輪1及び従
動輪2の各回転速度線図、図6は駆動輪1の加速度線
図、図7はノッチ増減変更線図である。尚、各図の横軸
は進行時刻Tを示し、図相互間の縦線は対応時刻を示
す。以下、前記図4の手順(1) 〜(23)等を付記しつつ、
事例を説明する。
【0038】図7に示すように、オペレータから急加速
のためのノッチ指令S4(n0 から+n6 )が出たとす
ると、制御器7は、このノッチ指令S4を受けて指定ノ
ッチ(+n6 )をノッチ指令S3としてガバナ6を作動
させる。この結果、指定ノッチ(+n6 )相当の噴射燃
料の増加が生じ、図6に示すように、加速度αは急増す
る。このとき、図5に示すように、従動輪2の回転速度
VR は、駆動輪1の回転速度VF の急増に追従すること
ができず、大きな速度差Vd (=VF −VR )が生じて
いる。そしてこの速度差Vd が点aで所定値VL (=5
km/h )となり(Vd =VL =5 km/h )、その後、こ
れを越えた時点bでこれが検出されると(Vd >5 km/
h )(手順(4))、その後、所定時間TL (=2 sec)経
過を待っている。所定時間TL (=2 sec)経過時点c
では、Vd >VS (即ち、Vd >1 km/h )であるた
め、スリップ発生と見做されて(手順(6) 〜(8))、以下
に示すスリップ収束処理制御が実行されている。
のためのノッチ指令S4(n0 から+n6 )が出たとす
ると、制御器7は、このノッチ指令S4を受けて指定ノ
ッチ(+n6 )をノッチ指令S3としてガバナ6を作動
させる。この結果、指定ノッチ(+n6 )相当の噴射燃
料の増加が生じ、図6に示すように、加速度αは急増す
る。このとき、図5に示すように、従動輪2の回転速度
VR は、駆動輪1の回転速度VF の急増に追従すること
ができず、大きな速度差Vd (=VF −VR )が生じて
いる。そしてこの速度差Vd が点aで所定値VL (=5
km/h )となり(Vd =VL =5 km/h )、その後、こ
れを越えた時点bでこれが検出されると(Vd >5 km/
h )(手順(4))、その後、所定時間TL (=2 sec)経
過を待っている。所定時間TL (=2 sec)経過時点c
では、Vd >VS (即ち、Vd >1 km/h )であるた
め、スリップ発生と見做されて(手順(6) 〜(8))、以下
に示すスリップ収束処理制御が実行されている。
【0039】スリップ発生と見做されたことにより(手
順(8))、図7に示すように、1ノッチだけ下げられ(−
1n)燃料噴射が減らされている(手順(9))。これによ
り、図6に示すように、加速度αは漸減するが、その後
の1 secまでの各所定時間TS 経過時の各点d、eで
は、図5に示すように、Vd >1 km/h のままであり
(手順(12),(12))、かつα>α+ であるため(手順(1
3),(13))、図7に示すように、さらに、1ノッチずつ2
回、ノッチ下げられ(−2n)、噴射燃焼はさらに減ら
されている(手順(9),(9))。その後の所定時間TS (=
0.5 sec)の点e〜点gでは、速度差Vd は、図5に
示すように、Vd >1 km/h のままであるが(手順(1
2))、加速度αが、図6に示すように、点f(α=0)
を境として、加速から減速に移行し、当該所定時間TS
(=0.5 sec)経過時点gではα+ >α>α- である
ため、現行ノッチ(−3n)が保持されている(手順(1
4))。その後の所定時間TS (=0.5 sec)経過時点
hでは、図5に示すように、Vd >1 km/h のままであ
るが(手順(12))、α<α- であるため(手順(11))、
1ノッチだけ上げられ(−2n、手順(16))燃料が増や
されている。その後の所定時間TS (=0.5 sec)経
過時点iは、速度差Vd は、図5に示すように、Vd>
1 km/h のままであるが(手順(19))、加速度αは、図
6に示すように、α+>α>α- であるため(手順(18),
(20) )、現行ノッチ(−2n)が保持されている(手
順(21))。その後、従動輪2が駆動輪1に追従し出した
模様であり(即ち、駆動輪1に粘着力が強く作用し出し
た模様であるため)、駆動輪1の加速度αが再び減速し
始め、所定時間TS (=0.5 sec)経過時点jでは、
速度差Vd は、図5に示すように、Vd >1 km/h のま
まであるが(手順(19))、加速度αは、図6に示すよう
に、再びα<α- となっている(手順(18))。そこでさ
らに1ノッチだけ上げられ(−1n、手順(16)) 燃料噴
射が増えている。この燃料増加によって加速度αは再び
零側へ向かおうとするが、それでも所定時間TS (=
0.5 sec)経過時点kでは、速度差Vd は、図5に示
すように、Vd >1 km/h のままであるが(手順(1
9))、加速度αは、図6に示すように、α<α- のまま
であるため(手順(18))、1ノッチだけさらに上がり
(元の+6n、手順(16))燃料噴射が増えている。この
後は、本事例では加速度αは総てα+ >α>α- である
ため(手順(18),(20))、ノッチの増減は行われていな
い。そしてその後の3〜3.5 secの間の点Xで、図5
に示すように、Vd =Vs (=1 km/h )となり、次の
3.5 sec後の時点YでVd <1 km/h が検出されてス
リップ防止制御は終了する。即ち、本事例では、スリッ
プ発生の有無判定に2sec (=所定時間TL )、スリッ
プ発生と見做されてからスリップ収束までに6.5 sec
を要している。
順(8))、図7に示すように、1ノッチだけ下げられ(−
1n)燃料噴射が減らされている(手順(9))。これによ
り、図6に示すように、加速度αは漸減するが、その後
の1 secまでの各所定時間TS 経過時の各点d、eで
は、図5に示すように、Vd >1 km/h のままであり
(手順(12),(12))、かつα>α+ であるため(手順(1
3),(13))、図7に示すように、さらに、1ノッチずつ2
回、ノッチ下げられ(−2n)、噴射燃焼はさらに減ら
されている(手順(9),(9))。その後の所定時間TS (=
0.5 sec)の点e〜点gでは、速度差Vd は、図5に
示すように、Vd >1 km/h のままであるが(手順(1
2))、加速度αが、図6に示すように、点f(α=0)
を境として、加速から減速に移行し、当該所定時間TS
(=0.5 sec)経過時点gではα+ >α>α- である
ため、現行ノッチ(−3n)が保持されている(手順(1
4))。その後の所定時間TS (=0.5 sec)経過時点
hでは、図5に示すように、Vd >1 km/h のままであ
るが(手順(12))、α<α- であるため(手順(11))、
1ノッチだけ上げられ(−2n、手順(16))燃料が増や
されている。その後の所定時間TS (=0.5 sec)経
過時点iは、速度差Vd は、図5に示すように、Vd>
1 km/h のままであるが(手順(19))、加速度αは、図
6に示すように、α+>α>α- であるため(手順(18),
(20) )、現行ノッチ(−2n)が保持されている(手
順(21))。その後、従動輪2が駆動輪1に追従し出した
模様であり(即ち、駆動輪1に粘着力が強く作用し出し
た模様であるため)、駆動輪1の加速度αが再び減速し
始め、所定時間TS (=0.5 sec)経過時点jでは、
速度差Vd は、図5に示すように、Vd >1 km/h のま
まであるが(手順(19))、加速度αは、図6に示すよう
に、再びα<α- となっている(手順(18))。そこでさ
らに1ノッチだけ上げられ(−1n、手順(16)) 燃料噴
射が増えている。この燃料増加によって加速度αは再び
零側へ向かおうとするが、それでも所定時間TS (=
0.5 sec)経過時点kでは、速度差Vd は、図5に示
すように、Vd >1 km/h のままであるが(手順(1
9))、加速度αは、図6に示すように、α<α- のまま
であるため(手順(18))、1ノッチだけさらに上がり
(元の+6n、手順(16))燃料噴射が増えている。この
後は、本事例では加速度αは総てα+ >α>α- である
ため(手順(18),(20))、ノッチの増減は行われていな
い。そしてその後の3〜3.5 secの間の点Xで、図5
に示すように、Vd =Vs (=1 km/h )となり、次の
3.5 sec後の時点YでVd <1 km/h が検出されてス
リップ防止制御は終了する。即ち、本事例では、スリッ
プ発生の有無判定に2sec (=所定時間TL )、スリッ
プ発生と見做されてからスリップ収束までに6.5 sec
を要している。
【0040】以下、上記実施例の効果を項目列記する。 (1)スリップ収束処理制御(手順(7) 〜(24))では、
スリップ発生期間(Vd ≧VS )において、加速度αを
元に燃料制御している。即ち、加速と減速とに所定値
(閾値)α+ 、α- を設け、α≧α+ であれば、燃料を
所定量q減らし、α≦α- であれば、燃料を所定量q増
やす。加えて、α+ >α>α- の時は(即ち、加速から
減速へ移行するときと、減速から加速へ移行するときと
のいずれであれ、とにかくα+ >α>α- である時は、
絶対的に)、スリップの収束力を例機自らに委ねること
により、スリップの収束効率が高まっている。尚、上記
実施例での演算及び駆動サイクルは0.5 sec(=Ts
)としたが、このサイクルを短くすれば、スリップを
より小さく抑制でき、かつより素早く収束できることは
明らかである。
スリップ発生期間(Vd ≧VS )において、加速度αを
元に燃料制御している。即ち、加速と減速とに所定値
(閾値)α+ 、α- を設け、α≧α+ であれば、燃料を
所定量q減らし、α≦α- であれば、燃料を所定量q増
やす。加えて、α+ >α>α- の時は(即ち、加速から
減速へ移行するときと、減速から加速へ移行するときと
のいずれであれ、とにかくα+ >α>α- である時は、
絶対的に)、スリップの収束力を例機自らに委ねること
により、スリップの収束効率が高まっている。尚、上記
実施例での演算及び駆動サイクルは0.5 sec(=Ts
)としたが、このサイクルを短くすれば、スリップを
より小さく抑制でき、かつより素早く収束できることは
明らかである。
【0041】(2)スリップ収束処理制御(手順(7) 〜
(24))に先立ち、不感帯制御(比較条件Vd ≧VL 、時
間TL )なる手順(3) 〜(6) を設けた。このため、極め
て一時的、かつ自走に伴って時間TL 以内に自ずと収束
可能なスリップに対しては、スリップ収束処理制御が発
動されない。従って、本来的には発生しないスリップを
誘発させるという不都合を阻止できる。
(24))に先立ち、不感帯制御(比較条件Vd ≧VL 、時
間TL )なる手順(3) 〜(6) を設けた。このため、極め
て一時的、かつ自走に伴って時間TL 以内に自ずと収束
可能なスリップに対しては、スリップ収束処理制御が発
動されない。従って、本来的には発生しないスリップを
誘発させるという不都合を阻止できる。
【0042】他の実施例を項目列記する (1)上記実施例における不感帯制御(手順(3) 〜(6))
は、例機の仕様などに鑑み、削除しても構わない。一方
この不感帯制御(手順(3) 〜(6))は、上記実施例だけに
限らず、在来又は新規の自走車両のスリップ防止方法や
その装置にも対して適用してもよい。
は、例機の仕様などに鑑み、削除しても構わない。一方
この不感帯制御(手順(3) 〜(6))は、上記実施例だけに
限らず、在来又は新規の自走車両のスリップ防止方法や
その装置にも対して適用してもよい。
【0043】(2)上記実施例では、車速に係わる車輪
のスリップ指標Vd を、駆動輪1と従動輪2との速度差
としたが、例えば次のように多種準備できる。 (a) 駆動輪1の回転速度から得られた理論車速と、車両
に別途備えた速度計から得た実際車速との速度差でもよ
い。 (b) 駆動輪1の回転速度から得られた理論車速と、車両
に別途備えた加速度計からの値を微分して得た実際車速
との速度差でもよい。 (c) 上記(a),(b) の速度差を演算して得たスリップ率
(=(VF −VR)/VF )でもよい。
のスリップ指標Vd を、駆動輪1と従動輪2との速度差
としたが、例えば次のように多種準備できる。 (a) 駆動輪1の回転速度から得られた理論車速と、車両
に別途備えた速度計から得た実際車速との速度差でもよ
い。 (b) 駆動輪1の回転速度から得られた理論車速と、車両
に別途備えた加速度計からの値を微分して得た実際車速
との速度差でもよい。 (c) 上記(a),(b) の速度差を演算して得たスリップ率
(=(VF −VR)/VF )でもよい。
【0044】(3)上記実施例において、「Vd ≧VS
」は「Vd >VS 」と、「α≧α+」は「α>α+ 」
と、「α+ >α>α- 」は「α+ ≧α≧α- 」、「α+
≧α>α- 」又は「α+ >α≧α- 」と、「α≦α- 」
は「α<α- 」と、「Vd <VS 」は「Vd ≦VS 」
と、「Vd ≧VL 」は「Vd >VL 」と、「Vd ≧VS
」は「Vd >VS 」と読み替えると共に、等号の位置
によって矛盾が生じないように組み合わせて構成しても
よい。尚この際、「以上、以下、未満、〜を越えた」等
の用語も適宜変更することになる。
」は「Vd >VS 」と、「α≧α+」は「α>α+ 」
と、「α+ >α>α- 」は「α+ ≧α≧α- 」、「α+
≧α>α- 」又は「α+ >α≧α- 」と、「α≦α- 」
は「α<α- 」と、「Vd <VS 」は「Vd ≦VS 」
と、「Vd ≧VL 」は「Vd >VL 」と、「Vd ≧VS
」は「Vd >VS 」と読み替えると共に、等号の位置
によって矛盾が生じないように組み合わせて構成しても
よい。尚この際、「以上、以下、未満、〜を越えた」等
の用語も適宜変更することになる。
【0045】(4)上記実施例では、下げるノッチ数は
3ノッチまでとし、かつ上げるノッチはオペレータによ
る指定ノッチまでとすることにより、スリップの減衰を
時間制御(即ち、3ノッチ以上の燃料漸減に対しては、
漸減することなく、これを保持して例機自体のスリップ
収束力に依存する待つ時間制御)としたが、これに限定
される必要はない。勿論、このような制限を設けなくて
もよく、全くの燃料の所定時間Ts 毎の所定量の増減制
御としてもよい。
3ノッチまでとし、かつ上げるノッチはオペレータによ
る指定ノッチまでとすることにより、スリップの減衰を
時間制御(即ち、3ノッチ以上の燃料漸減に対しては、
漸減することなく、これを保持して例機自体のスリップ
収束力に依存する待つ時間制御)としたが、これに限定
される必要はない。勿論、このような制限を設けなくて
もよく、全くの燃料の所定時間Ts 毎の所定量の増減制
御としてもよい。
【0046】(5)一回当たりの燃料の増減量qは、上
記実施例では、1ノッチ毎としたが、複数ノッチ毎とし
てもよい。また、加速度所定値を上記α+ 、α- の他、
例えばα++(α++≫α+ )及びα--(≪α- )を別途設
け、α>α++ならば、2ノッチ下げ、他方α<α--なら
ば、2ノッチ上げる等とすれば、スリップ収束をより早
めることもできる。尚、一回当たりの燃料の増減量q
は、上記実施例では、ノッチ制御としたが、図7の点線
で示すように線形制御としてもよい。
記実施例では、1ノッチ毎としたが、複数ノッチ毎とし
てもよい。また、加速度所定値を上記α+ 、α- の他、
例えばα++(α++≫α+ )及びα--(≪α- )を別途設
け、α>α++ならば、2ノッチ下げ、他方α<α--なら
ば、2ノッチ上げる等とすれば、スリップ収束をより早
めることもできる。尚、一回当たりの燃料の増減量q
は、上記実施例では、ノッチ制御としたが、図7の点線
で示すように線形制御としてもよい。
【0047】
【発明の効果】上記実施例の説明から明らかなように、
本発明は、要すれば、特許請求の範囲記載の手段を講じ
たものであり、上記実施例の説明から分かるように、ス
リップの発生を阻止でき、スリップが生じても迅速かつ
滑らかに収束できる。詳しくは、次のような効果を奏す
る。
本発明は、要すれば、特許請求の範囲記載の手段を講じ
たものであり、上記実施例の説明から分かるように、ス
リップの発生を阻止でき、スリップが生じても迅速かつ
滑らかに収束できる。詳しくは、次のような効果を奏す
る。
【0048】(1)燃料を漸増また漸減させるため、従
来の特開昭62−99517号公報の技術における「過
加速が生じてしまい、その分、スリップの減衰が遅れ
る」という問題が生じない。
来の特開昭62−99517号公報の技術における「過
加速が生じてしまい、その分、スリップの減衰が遅れ
る」という問題が生じない。
【0049】(2)従来の特開昭62−99517号公
報の技術のように、特定のスリップに対して対応できな
いというようなことが生じない。
報の技術のように、特定のスリップに対して対応できな
いというようなことが生じない。
【0050】(3)従来の特開昭62−99517号公
報の技術では、加速度が所定減速値b1以下となったと
きから所定加速値a1に戻るまでの間、ずっと燃料を漸
増させたため、一方、従来の特開平3−200469号
公報の技術では、加速度が零から通常値となるまでの
間、ずっと燃料を漸増させたため、共に「過加速が生じ
てしまい、その分、スリップの減衰が遅れる」という問
題がある。これに対し、上記構成では、加速度αが加速
から減速までの間で、かつα+ >α>α- (α+≧α≧
α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の間で現行
の燃料噴射量を保持する他、加速度αが減速から加速ま
での間で、かつα+ >α>α- (α+ ≧α≧α- 、α+
>α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の間でも現行の燃料噴
射量を保持するため、上記「過加速が生じてしまい、そ
の分、スリップの減衰が遅れる」なる不都合が生じな
い。即ち、発生したスリップを、従来技術と比較し、よ
り迅速かつ滑らかに収束できる。また燃料の増減は、所
定量qを単位として行うため、過減速や過加速の発生を
より確実に阻止できる。
報の技術では、加速度が所定減速値b1以下となったと
きから所定加速値a1に戻るまでの間、ずっと燃料を漸
増させたため、一方、従来の特開平3−200469号
公報の技術では、加速度が零から通常値となるまでの
間、ずっと燃料を漸増させたため、共に「過加速が生じ
てしまい、その分、スリップの減衰が遅れる」という問
題がある。これに対し、上記構成では、加速度αが加速
から減速までの間で、かつα+ >α>α- (α+≧α≧
α- 、α+ >α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の間で現行
の燃料噴射量を保持する他、加速度αが減速から加速ま
での間で、かつα+ >α>α- (α+ ≧α≧α- 、α+
>α≧α- 又はα+ ≧α>α- )の間でも現行の燃料噴
射量を保持するため、上記「過加速が生じてしまい、そ
の分、スリップの減衰が遅れる」なる不都合が生じな
い。即ち、発生したスリップを、従来技術と比較し、よ
り迅速かつ滑らかに収束できる。また燃料の増減は、所
定量qを単位として行うため、過減速や過加速の発生を
より確実に阻止できる。
【0051】(4)所定時間TL 放置すれば、自ずと収
束するような、例えば木の葉などによる一時的かつ急激
なスリップに対するスリップ防止制御の発動を禁止でき
る。
束するような、例えば木の葉などによる一時的かつ急激
なスリップに対するスリップ防止制御の発動を禁止でき
る。
【図1】実施例装置のブロック図である。
【図2】ノッチ式のミニマム・マキシマムスピードガバ
ナによるエンジン出力線図である。
ナによるエンジン出力線図である。
【図3】ノッチ式のオールスピードガバナによるエンジ
ン出力線図である。
ン出力線図である。
【図4】実施例のフローチャートである。
【図5】実施例に基づく事例の駆動輪及び従動輪の各回
転速度線図である。
転速度線図である。
【図6】実施例に基づく事例の駆動輪の加速度線図であ
る。
る。
【図7】実施例に基づく事例のノッチ増減変更線図であ
る。
る。
1…駆動輪、2…従動輪、3…エンジン、7…制御手
段、q…燃料噴射所定量、Vd …駆動輪と従動輪との速
度差(スリップ指標)、VS …速度差所定値(スリップ
指標の所定値)、VL …速度差所定値(スリップ指標の
所定値)、α…駆動輪加速度、α+ …所定加速値、α-
…所定減速値、Ts …所定時間、TL …所定時間。
段、q…燃料噴射所定量、Vd …駆動輪と従動輪との速
度差(スリップ指標)、VS …速度差所定値(スリップ
指標の所定値)、VL …速度差所定値(スリップ指標の
所定値)、α…駆動輪加速度、α+ …所定加速値、α-
…所定減速値、Ts …所定時間、TL …所定時間。
Claims (4)
- 【請求項1】 車速に係わる車輪のスリップ指標Vd を
検出すると共に、駆動輪1の加速度αを検出し、これら
スリップ指標Vd と加速度αとを用いてエンジン3の燃
料噴射量を調整することにより自走車両のスリップを防
止する自走車両のスリップ防止方法において、(1) 前記
スリップ指標Vd が所定値VS 以上となったとき(Vd
≧VS )、燃料噴射量を所定量qだけ減らし、その後、
(2) 加速度αが所定加速値α+ 以上の場合(α≧
α+ )、燃料噴射量を所定量qだけ減らし、(3) 加速度
αが所定加速値α+ 未満、かつ所定減速値α- を越えて
いる場合(α+ >α>α- )、現行燃料噴射量を保持
し、(4) 加速度αが所定減速値α- 以下の場合(α≦α
- )、燃料噴射量を所定量qだけ増やし、以上の(2),
(3),(4) を、スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd
<VS )となるまでを条件として、所定時間Ts 毎に順
次実施することを特徴とする自走車両のスリップ防止方
法。 - 【請求項2】 前記所定量qは、燃料噴射系がノッチ制
御式であるエンジンに対しては、ノッチに相当させたこ
とを特徴とする請求項1記載の自走車両のスリップ防止
方法。 - 【請求項3】 スリップ指標Vd を所定値VS と比較し
てエンジン3の燃料噴射量を調整することにより自走車
両のスリップを防止する自走車両のスリップ防止方法に
おいて、(1) VL >VS なる所定値VL と、所定時間T
L とを別途設け、前記スリップ指標Vd を所定値VS と
比較してエンジン3の燃料噴射量を調整することに先立
ち、(2) 最初のスリップ指標Vd を検知したとき、この
スリップ指標Vd と所定値VL とを比較してVd ≧VL
であるときは、所定時間TL 経過時に、(3) Vd ≧VS
であるときのみ、前記スリップ指標Vd を所定値VS と
比較してエンジン3の燃料噴射量を調整することを特徴
とする自走車両のスリップ防止方法。 - 【請求項4】 車速に係わる車輪のスリップ指標Vd を
検出すると共に駆動輪1の加速度αを検出する検出手段
と、前記検出手段からのスリップ指標Vd と加速度αと
を受けてエンジン3の燃料噴射系に対し燃料噴射量を適
宜変更させる制御手段7とを備えて自走車両のスリップ
を防止する自走車両のスリップ防止装置において、前記
制御手段7は、前記燃料噴射系に対し、(1) 前記スリッ
プ指標Vd が所定値VS 以上となったとき(Vd ≧VS
)、燃料噴射量を所定量qだけ減らし、その後、(2)
加速度αが所定加速値α+ 以上の場合(α≧α+ )、燃
料噴射量を所定量qだけ減らし、(3) 加速度αが所定加
速値α+ 未満、かつ所定減速値α- を越えている場合
(α+ >α>α- )、現行燃料噴射量を保持し、(4) 加
速度αが所定減速値α- 以下の場合(α≦α- )、燃料
噴射量を所定量qだけ増やし、以上の(2),(3),(4) を、
スリップ指標Vd が所定値VS 未満(Vd <VS )とな
るまでを条件として、所定時間Ts 毎に順次実施する制
御手段であることを特徴とする自走車両のスリップ防止
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18361495A JPH0914008A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 自走車両のスリップ防止方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18361495A JPH0914008A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 自走車両のスリップ防止方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0914008A true JPH0914008A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=16138876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18361495A Pending JPH0914008A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 自走車両のスリップ防止方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0914008A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000043721A (ja) * | 1998-07-29 | 2000-02-15 | Toshiba Corp | 機関車の空気バネ装置 |
JP2010111241A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Central Japan Railway Co | レール運搬車両および連結運搬車両 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP18361495A patent/JPH0914008A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000043721A (ja) * | 1998-07-29 | 2000-02-15 | Toshiba Corp | 機関車の空気バネ装置 |
JP2010111241A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Central Japan Railway Co | レール運搬車両および連結運搬車両 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040326 |