JPH09138209A - ガス検出方法及びガス検出装置 - Google Patents

ガス検出方法及びガス検出装置

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JPH09138209A
JPH09138209A JP32108095A JP32108095A JPH09138209A JP H09138209 A JPH09138209 A JP H09138209A JP 32108095 A JP32108095 A JP 32108095A JP 32108095 A JP32108095 A JP 32108095A JP H09138209 A JPH09138209 A JP H09138209A
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徹 野村
Daisuke Matsuda
大輔 松田
Hiroki Fujimori
裕樹 藤森
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真紀 木虎
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板上にヒータ膜と絶縁ガラスと金属酸化物
半導体膜を積層し、ヒータ膜にヒータパルスを加えて駆
動し、金属酸化物半導体膜を加熱する。金属酸化物半導
体膜にはヒータパルスに同期した検出電圧を加え、これ
以外の期間は検出電圧を加えない。 【効果】 ヒータパルスを加えない期間にガスセンサは
室温付近まで放冷し、絶縁ガラスからMgイオン等が吸
着水に溶出する。溶出したMgイオン等が検出電圧で陰
極に偏析するのを防止し、パルス駆動型ガスセンサの劣
化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は金属酸化物半導体ガスセ
ンサの使用方法に関し、特に金属酸化物半導体ガスセン
サをパルス的に加熱してガスを検出する方法に関する。
この明細書では、ガスはCO,H2,イソブタンやプロ
パン,CH4,NOx,O2,O3,H2S等の本来のガス
の他に,水蒸気をも含むものとする。
【0002】
【従来技術】出願人は、アルミナ等の基板上に断熱ガラ
ス膜とヒータ膜,絶縁膜,金属酸化物半導体膜を積層し
たガスセンサを提案した(特開平1−313751
号)。絶縁膜は例えば膜厚10μm程度とし、ガラスあ
るいはガラスとシリカやアルミナ等の非ガラス質セラミ
ック粒子との混合物とする。また基板がシリカ等の熱伝
導率の低いセラミックの場合、断熱ガラスを設ける必要
はない(特開平6−34732号)。
【0003】このガスセンサは、SnO2等の金属酸化
物半導体膜をパルス的に加熱するのに適している。即ち
ヒータ膜から基板への熱損失を断熱膜で減少させ、ヒー
タ膜と金属酸化物半導体膜を薄い絶縁膜を介して積層
し、両者間の熱伝導を容易にする。この条件でヒータ膜
をパルス的に加熱すると、金属酸化物半導体膜をパルス
的に加熱でき、ガスセンサの消費電力を例えば20〜1
mW程度に減少させることができる。
【0004】出願人は、このようなガスセンサの特性が
不安定で、ガス中での抵抗値が経時的に増加することを
見い出した。センサの劣化は高温・高湿の雰囲気で著し
く、極端な場合24時間以内に進行し、センサ抵抗が1
0倍以上に増加することが有った。
【0005】
【発明の課題】この発明の課題は、パルス駆動型ガスセ
ンサの経時変動を防止することにある(請求項1〜
5)。
【0006】
【発明の構成】この発明は、基板上にヒータ膜と金属酸
化物半導体膜とを配置したガスセンサを用い、前記ヒー
タ膜をパルス的に発熱させるようにしたガス検出方法に
おいて、前記金属酸化物半導体膜に負荷抵抗を直列に接
続し、かつ金属酸化物半導体膜と負荷抵抗の直列片に、
ヒータ膜の発熱と同期して検出電圧を加えるようにした
ことを特徴とする。
【0007】またこの発明は、基板上にヒータ膜と金属
酸化物半導体膜とを設けたガスセンサと、電源と、前記
ヒータ膜を電源に接続するためのヒータ側スイッチと、
前記金属酸化物半導体膜に接続した負荷抵抗と、前記ヒ
ータ側スイッチをパルス的にオンさせるための手段と、
前記金属酸化物半導体膜もしくは負荷抵抗への電圧をA
D変換するためのADコンバータと、ADコンバータの
出力からガスを検出するための手段とを設けたガス検出
装置において、前記金属酸化物半導体膜と負荷抵抗とを
電源に接続するためのセンサ側スイッチと、ヒータ側ス
イッチのオンに同期してセンサ側スイッチをオンさせる
ための手段とを設けたことを特徴とする。
【0008】この発明は基板上にヒータ膜とガラスを含
有する絶縁膜と金属酸化物半導体膜とを積層したガスセ
ンサの場合に特に有効で、特にガラスがMg元素を含有
する場合に特に有効である。またこの発明で、ヒータ膜
の発熱と同期して、あるいはヒータ側スイッチのオンに
同期してとは、検出電圧の波形がヒータ膜の発熱波形、
やヒータ膜へのヒータパルスの波形、あるいはヒータ側
スイッチのオンの波形と同じであることの他、検出電圧
の波形がこれらのヒータ側の波形と所定の時間的関係を
もっていることを意味する。例えば検出電圧のパルスは
センサ出力をサンプリングできるだけの幅が有れば良
く、高速ADコンバータを用いる場合、例えば1μ秒以
上の幅があれば良い。従って検出電圧のパルス幅はヒー
タパルスの幅(ヒータ側スイッチのオンのパルス)より
も狭くても良い。センサの劣化を防止するには検出電圧
のパルス幅を短くする必要があり、検出電圧のパルス幅
は好ましくは20m秒以下とし、そのデューテイ比は好
ましくは1/20以下、より好ましくは1/100以下
とする。
【0009】
【発明の作用と効果】発明者は、パルス駆動型ガスセン
サの経時劣化の機構を検討し、絶縁膜等から金属酸化物
半導体膜へのMgイオン等の混入により、劣化が生じる
ことを見い出した。劣化は乾燥期には小さく(図6)、
湿潤期には大きい(図7)。またセンサを高温・高湿の
雰囲気でエージングすると、24時間程度でセンサ抵抗
は急激に増加する(表4)。劣化したセンサの金属酸化
物半導体膜を元素分析すると、陰極に絶縁膜からのMg
イオンが偏析していることが見い出された。そこで劣化
の原因は絶縁膜から金属酸化物半導体膜へ拡散したMg
イオンであり、センサが室温付近まで冷却した期間にM
gイオンが絶縁ガラスから吸着水へ溶出し、検出電圧に
より陰極側に偏析してセンサ特性を劣化させたものと推
定できる。このことは、乾燥時にはセンサの劣化は小さ
いが湿潤期には大きいことと対応する。また高温高湿の
雰囲気でセンサの劣化が著しく進行することとも対応す
る。
【0010】そこで検出電圧をヒータ電圧と同期させ、
検出電圧を加えるデューテイ比を減少させることを発明
者は検討した。そして実験により(表4)、この手法で
センサの劣化を防止できることを確認した。
【0011】
【実施例】図1〜図9に、実施例と関連するデータとを
示す。ガスセンサ1の構造は図1〜図3に示し、図にお
いて、2はアルミナ,シリカ,ムライト等の絶縁基板で
ある。4は断熱ガラス膜で、シリカガラスや混成ハイブ
リッドIC,サーマルヘッド等へのオーバーコートガラ
ス等を用いる。基板2がシリカ等の熱伝導率の小さな材
質の場合、断熱ガラス4は不要である。6はヒータ膜
で、RuO2膜やPt膜等を用い、薄膜でも厚膜でも良
く、ここでは膜厚約10μmのRuO2膜を用いた。
8,10はAu膜からなるヒータ電極である。12は絶
縁膜で膜厚は例えば5〜20μm程度である。絶縁膜1
2は例えばMgを含有するガラスからなり、またガラス
とセラミックとの混合物でも良い。16はSnO2,I
n2O3,WO3,ZnO等の金属酸化物半導体の膜で、
薄膜でも厚膜でも良いが、実施例では厚さ10μmのS
nO2膜を用いた。18,20はAu膜を用いた検出電
極,22〜28は電極パッドである。
【0012】この発明は絶縁膜12からのMgイオンの
拡散による劣化の防止に有効であるが、基板2自体から
の不純物の侵入等の防止にも有効である。また金属酸化
物半導体膜16の汚染で問題になる元素にはMg以外に
Na等のアルカリ金属があり、これらは共に電界でマイ
グレーションし易い元素である。そこでこの発明はMg
含有の絶縁膜12が無い場合にも有効である。このよう
な例を図3に示す。図において、30は新たなガスセン
サで、基板2にはシリカ等の熱伝導率の小さな材質を用
い、ヒータ膜6が金属酸化物半導体膜16の周囲を囲ん
で、加熱するようにしている。このセンサ30では、基
板2等からの金属酸化物半導体膜16の汚染の防止を目
的にする。
【0013】
【駆動回路】図4,図5にガスセンサ1の駆動回路と動
作波形を示す。図4において、Rsは金属酸化物半導体
膜16の抵抗を,RHはヒータ膜6の抵抗を現す。RHは
室温で30Ω程度で最高加熱温度で20Ω程度で、金属
酸化物半導体膜16の温度は金属酸化物半導体膜16の
代わりに配置したサーミスタ膜の抵抗値から測定した。
32は例えば5Vの電源,34はマイクロコンピュータ
で、S1はヒータ側スイッチ,S2はセンサ側スイッ
チ,RLは負荷抵抗である。スイッチS2は金属酸化物
半導体膜16と電源32の間や、負荷抵抗RLとアース
の間等に配置しても良い。同様にヒータ側スイッチS1
はヒータ膜6と電源32の間に配置しても良い。さらに
ヒータ膜6と金属酸化物半導体膜16の電源を別にし
て、2つの電源を用いても良い。マイクロコンピュータ
34にはタイマ36を設けて、動作のタイミングをコン
トロールし、入出力制御38でスイッチS1,S2を制
御し、検出パルスの印加時にADコンバータ40でセン
サ出力VRLをAD変換する。AD変換した出力を用いて
ガス検出手段42でガスを検出し、図示しないブザーや
LED等で表示する。もちろんセンサ出力VRLは中間に
バッファー増幅器等を介し、間接的にADコンバータ4
0に入力しても良い。
【0014】図5に、ガスセンサ1の駆動波形を示す。
例えば1秒周期で8m秒〜16m秒程度ヒータ側スイッ
チS1をオンし、例えば5Vのヒータ電圧を加える。ヒ
ータ電圧は例えば図の鎖線のように徐々に変化させても
良く、あるいは1つのヒータパルスを複数のサブパルス
に分割して加えても良い。サブパルスを用いるのは、電
源電圧が必要なヒータ電圧よりも高い場合に有効であ
る。この結果、金属酸化物半導体膜16は最高加熱温度
が例えば300℃(ヒータ電圧のパルス幅8m秒)ある
いは450℃(ヒータ電圧のパルス幅16m秒)等にパ
ルス的に加熱される。ヒータパルスの幅が8m秒で、セ
ンサ1の平均消費電力は18mWとなり、このセンサを
400℃に常時保つのに必要な電力が約400mWで、
パルス駆動時の金属酸化物半導体膜16の平均温度は室
温+40℃程度で、パルス加熱とパルス加熱の間の金属
酸化物半導体膜16の最低温度は室温+10℃程度であ
った。
【0015】検出電圧(例えば5V)はヒータパルスに
同期して印加し、例えば図の実線のようにヒータパルス
と同じ波形で加える、あるいは点線のようにセンサ出力
VRLをサンプリングするのに必要な幅で加える。また1
回のヒータパルスに対して複数の点でセンサ出力をサン
プリングする場合、例えば図の鎖線のように複数の検出
電圧のパルスを加える。検出電圧のパルス(検出パル
ス)の幅はセンサ出力のAD変換が可能な幅であれば良
く、例えば1μ秒以上とし、センサの劣化を防止するた
め20m秒以下が好ましく、検出電圧のデューテイ比は
例えば1/20以下、より好ましくは1/100以下と
する。COの検出の場合、パルス加熱の開始から約2m
秒後にセンサ出力の最大値が生じ、この時点のセンサ出
力をサンプリングするようにした。
【0016】
【試験例】表1の組成のガラスを用いてガスセンサ1を
調製した。用いた絶縁膜12はMgO含有量が15wt
%のガラス膜である。このセンサ1を用い、検出電圧V
C(5V)を常時加え、毎秒1回8m秒のヒータパルス
(5V)を加えるとの条件で駆動を続け、ヒータパルス
の印加開始から約2m秒後のセンサ出力をAD変換し、
図6〜図9の特性を得た。
【0017】
【表1】 * 組成の単位は重量%,絶縁膜12は膜厚10μ
m.アルカリ金属の大部分はNaとK,ハロゲンの大部
分はClとBr,ハロゲン以外の成分は酸化物に換算し
て表示.絶縁膜12の焼成温度は750℃.各ガラスに付
いて、各種痕跡量不純物とMgO,アルカリ金属酸化
物,ハロゲン,PbOを、1wt%以上の成分に加える
と100%となる。. * SnO2膜(Pt1wt%添加)は10μm厚
に成膜後600℃焼成.
【0018】図6は1995年2月13日から7週間の
経時特性で、センサ数は13個、乾燥期における平均的
な経時特性である。図7は1995年6月12日から8
週間の経時特性で、センサ数は10個である。湿潤期
(図7)と乾燥期(図6)を比較すると、湿潤期の方が
経時変化は著しく、経時変化によりセンサは一般的に高
抵抗化する。図8,図9は1〜4週間程度でセンサ抵抗
が著しく増加した例で、高抵抗化の程度は3倍(図8,
センサ数6個)ないし10倍弱(図9,センサ数5個)
に達している。図8,図9の現象を発見したためセンサ
の通電装置を検査すると、制御用のマイクロコンピュー
タ34が図示の期間内で暴走していた形跡が見い出され
た。暴走の内容は、マイクロコンピュータの構造から、
ヒータパルスVHがオフし、検出電圧VCが常時加わり続
けるものであったと推定した。また暴走が生じた時期は
図8で95年7月頃,図9で95年4月頃であった。こ
れらのことから、センサの経時変化は湿潤期において著
しく、ヒータパルスを加えないと急激に進行することが
判明した。
【0019】異常高抵抗化したセンサ(不良品)としな
かったセンサ(良品)に対し、金属酸化物半導体膜16
をX線局所分析を用い、波長分散スペクトロスコピー
(WDS)により元素分析した。Sn,Pt等の当然に
存在すべき元素以外の不純物はMgとZnで、CaやB
aの混入は検出できず、MgやZnは何れも絶縁ガラス
12から混入したものであった。検出電極18,20の
間の領域での分析結果を表2に示すが、良品と不良品と
の間に有意差は見られなかった。次に検出電極18,2
0の周囲での金属酸化物半導体膜を元素分析した。Mg
イオンの分布について結果を表3に示す。なおZnイオ
ンは均一に分布し偏析が見られなかったので、表示を省
略する。
【0020】
【表2】 * 結果はカウント値を示す.
【0021】
【表3】 電極付近でのMg分布 センサ 陽極 陰極 新品 132 130 通電,ただし異常高抵抗化せず 98 181 異常高抵抗化 85 250 異常高抵抗化 188 246 * 結果はカウント値を示す,センサは比較例1.
【0022】表2,表3から明らかなように、製造直後
のセンサでもMgが金属酸化物半導体膜16に拡散して
おり、劣化に伴いMgが陰極側に偏析する。表2の結果
では、異常高抵抗化が生じても電極間領域ではMg濃度
の増加が見られず、異常高抵抗化と相関があるのは陰極
へのMgの偏析である。図8,図9はヒータパルスを加
えないとセンサの劣化が進行することを示し、図6,図
7は湿潤期に劣化が著しいことを示している。そこで検
出電圧をヒータパルスと同期させたものと、検出電圧V
Cを常時加えるものの条件を用意し、高温高湿中雰囲気
でエージングした。エージング後のCO100ppm中
でのセンサ抵抗の平均値(センサ数各7個)を表4に示
す。
【0023】
【表4】 VC,VHの影響 センサ抵抗(KΩ) 初期値 試験後 エージング条件 50℃×相対湿度100%24時間 パルス幅 9m秒 VC常時 27 290 VC同期1 19 17 VC同期2 25 27 パルス幅 16m秒 VC常時 42 1400 VC同期1 48 42 VC同期2 38 35エージング条件 60℃×相対湿度90%1時間 パルス幅 9m秒 VC常時 32 34 VC常時かつVHオフ 27 175 VC同期1 35 34 * センサ出力はパルス加熱の開始から約2m秒後にサンプリング. * VC常時は絶えず検出電圧を加える比較例, VC同期1は図5の実線のようにヒータパルスと検出パルスの波形を揃える 実施例, VC同期2は図5の破線のように、ヒータパルスの開始から1m秒後〜3m 秒後の2m秒の間、検出パルスを加える実施例.
【0024】検出電圧VCを常時加えると劣化が著し
く、特に検出電圧VCを常時加え、VHをオフすると劣化
が極端に進行する。このモードでは、エージング時間1
時間で抵抗値は約6倍に増加する。これらのことから予
想されるセンサ1の劣化機構は、絶縁ガラス12中のM
g成分が金属酸化物半導体膜16に拡散し、検出電圧に
より移動して陰極側に偏析するというものである。VH
がオフで劣化が著しいことから、劣化は冷間で進行し、
付着した吸着水等にMgイオンが溶出して、検出電圧で
移動することが推定される。50℃×相対湿度100%
で1時間のエージング(VCは連続,VHはオフ)でのM
gイオンの偏析状況を表5に示す。エージングによりM
g濃度は増加し、特に陰極側でのMg濃度の増加が著し
い。このことは上記の劣化機構と合致する。
【0025】次に表4に戻ると、ヒータパルスと検出パ
ルスの同期により、センサの劣化はほぼ防止されてお
り、表での抵抗値の変動は測定毎の偶発的なものであ
る。またVC同期の効果は極めて著しいため、VC1とV
C2の2つのモードの差は見られず、検出電圧をヒータ
パルスに同期させれば劣化を充分に防止できることが分
かった。そして図6〜図9や表1〜表3から明らかなよ
うにパルス駆動ガスセンサの劣化機構は、高湿雰囲気で
のMgの拡散と陰極への偏析であり、検出電圧VCをヒ
ータパルスに同期させれば、センサの劣化を防止でき
る。
【0026】この発明は、絶縁膜にMgOを含有するガ
ラスを用いる場合に特に有効であるが、図3のように絶
縁ガラスを用いないセンサでも有効である。その場合に
は、例えばアルカリ金属イオン等のMg以外のイオンの
検出電圧による偏析を防止し、同様にセンサの劣化を防
止できる。
【0027】
【表5】 Mgの分布 センサロット 試験前 試験後 陽極 陰極 陽極 陰極 1 136 135 182 227 2 90 87 150 228 3 85 90 113 162 * 結果はMgのカウント値を示し,1〜3は製造ロットが異なる. * 50℃×相対湿度100%×1時間,VC連続,VHオフ.
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガスセンサの断面図
【図2】 実施例のガスセンサの平面図
【図3】 実施例のガスセンサの要部拡大断面図
【図4】 実施例のガスセンサの駆動回路を示す図
【図5】 実施例のガスセンサの動作波形を示す特性
【図6】 乾燥期での従来例のガスセンサの抵抗値ド
リフトを示す特性図
【図7】 湿潤期での従来例のガスセンサの抵抗値ド
リフトを示す特性図
【図8】 制御回路暴走時の従来例のガスセンサの抵
抗値ドリフトを示す特性図
【図9】 制御回路暴走時の従来例のガスセンサの抵
抗値ドリフトを示す特性図
【符号の説明】 1,30 ガスセンサ 2 基板 4 断熱ガラス 6 ヒータ膜 8,10 ヒータ電極 12 絶縁膜 16 金属酸化物半導体膜 18,20 検出電極 22〜28 電極パッド 32 電源 34 マイクロコンピュータ 36 タイマ 38 入出力制御 40 ADコンバータ 42 ガス検出手段 S1,S2 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木虎 真紀 川西市寺畑1丁目12番9号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にヒータ膜と金属酸化物半導体膜
    とを配置したガスセンサを用い、前記ヒータ膜をパルス
    的に発熱させるようにしたガス検出方法において、 前記金属酸化物半導体膜に負荷抵抗を直列に接続し、か
    つ金属酸化物半導体膜と負荷抵抗の直列片に、ヒータ膜
    の発熱と同期した検出電圧を加えるようにしたことを特
    徴とするガス検出方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスセンサが、基板上にヒータ膜と
    絶縁膜と金属酸化物半導体膜を積層したものであること
    を特徴とする、請求項1のガス検出方法。
  3. 【請求項3】 前記検出電圧をパルス的に加え、かつ検
    出電圧のパルス幅が1μ秒以上で20m秒以下、検出電
    圧のオンのデューテイ比が1/20以下であることを特
    徴とする、請求項1または2のガス検出方法。
  4. 【請求項4】 基板上にヒータ膜と金属酸化物半導体膜
    とを設けたガスセンサと、電源と、前記ヒータ膜を電源
    に接続するためのヒータ側スイッチと、前記金属酸化物
    半導体膜に接続した負荷抵抗と、前記ヒータ側スイッチ
    をパルス的にオンさせるための手段と、前記金属酸化物
    半導体膜もしくは負荷抵抗への電圧をAD変換するため
    のADコンバータと、ADコンバータの出力からガスを
    検出するための手段とを設けたガス検出装置において、 前記金属酸化物半導体膜と負荷抵抗とを電源に接続する
    ためのセンサ側スイッチと、ヒータ側スイッチのオンに
    同期してセンサ側スイッチをオンさせるための手段とを
    設けたことを特徴とする、ガス検出装置。
  5. 【請求項5】 前記ガスセンサが、基板上にヒータ膜と
    絶縁膜と金属酸化物半導体膜とを積層したものであるこ
    とを特徴とする、請求項4のガス検出装置。
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