JPH09137816A - ねじのためのねじ固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接困難な、または溶接不能なねじと基本材
料とをねじ固定装置によって簡単かつ低廉に解離不能に
固定可能にする。 【解決手段】 穿孔された底部５ｂを備えた円筒部５ａ
によって形成されたブシュが、第１の構築部分２ａの第
１の孔３ａ内に配置されており、第１の孔３ａが第１の
構築部分２ａのより小さな第２の孔３ｂ内に開口してお
り、第２の孔３ｂが左ねじ山８を備えており、左ねじ山
には管付設部５ｃが螺合しており、管付設部が、ブシュ
の底部５ｂの孔に対して同心的に底部５ｂの外面に配置
されており、ブシュ５ａ，５ｂにはねじ１のねじヘッド
が配置されており、ねじが管付設部５ｃを通って、ねじ
の右ねじ山で第２の構築部分２ｂに螺合しており、ブシ
ュ５ａ，５ｂには溶接ビード４によってカバー６ａが固
定されており、カバーが、嵌合部がねじヘッドに形状結
合された嵌合部６ｂを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ねじのためのねじ
固定装置であって、ねじによって第１の構築部分と第２
の構築部分とが緊定されている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ねじが固く締められた場合、ねじ山は片
面で当て付けられている。ねじはセルフロッキング作用
を有しているので、ねじ山当接面に生じる摩擦が緩みを
阻止する。予張力が滑りに基づきゼロに等しくなると、
ねじ山における圧着は中止され、このねじは緩むおそれ
がある。衝撃時および振動時には、このような緩みの限
界に達してしまうおそれがある。この場合には、ねじ結
合時に固定エレメントを使用する。このような固定エレ
メントは、ねじの曲げ抵抗を超えたとき（スリップ）に
生じる限界変位点を、この限界変位点が実地の条件下で
はもはや超えられることがないように高める。

【０００３】緩み回動を防止する手段は、いずれの独立
の(selbstaendig)緩みをも回避し、予張力の８０％を超
える力を維持する。使用場所の異なる要件に応じて、種
々の緩み回動防止手段が使用される。これらの要件には
動力学的および熱的な負荷も含まれているし、このよう
な負荷から生ぜしめられる、緊定しようとする構築部分
およびねじ結合部のための材料選択のための条件も含ま
れている。

【０００４】例えば戻り止めねじおよび戻り止めナット
は、大きな予張力を加えられたねじ結合部が専らねじ軸
線に対して直角に負荷され、かつ、緊定しようとする構
築部分には硬化された表面が設けられていないような場
所でしか使用することはできない。

【０００５】これに対してマイクロカプセル化された接
着剤は、表面が硬化されていても使用可能である。しか
しながら、使用される接着剤の温度限界が使用領域を制
限してしまい、しかも、組み付け時に接着面にグリース
がないように注意しなければならない。

【０００６】さらに、緩み回動防止手段として、ラグま
たは外方突起を備えた、形状結合的な一緒に緊定された
板が使用される。これらの板の使用領域は強度クラスの
低いねじに限られる。

【０００７】溶接点または溶接ビードの形の解離不能な
緩み回動防止手段も使用される。この場合、予張力を加
えられたねじのヘッドが、緊定された構築部分に直接的
に溶接される。このような緩み回動防止手段を使用する
ための前提は、使用されたねじ材料および構築材料が溶
接可能であることである。通常、高強度でない合金だけ
が、空間条件下で溶接可能である。これに対して高強度
の合金は大抵の場合、特殊な溶接条件や予加熱・冷却動
作のためにコストや時間を多く費やすことを考慮する
と、溶接困難である。このような手間は特に、動力学的
および熱的な運転状態に基づき、緊定しようとする構築
部分もねじ結合部も、溶接困難な高強度な材料から成っ
ている場合に必要である。

【０００８】比較的簡単なのは、運転状態が溶接可能な
ねじの使用を許す場合に、溶接困難な構築部分に、この
ような溶接可能なねじを固定することである。このよう
な場合、構築部分に、形状結合的な溶接可能な板が一緒
に緊定されて次いでねじヘッドが溶接される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式のねじ固定装置を改良して、溶接困難な、
または溶接不能なねじと基本材料とがねじ固定装置によ
って簡単かつ低廉に解離不能に固定可能であるような、
ねじ固定装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、（イ）ブシュが、穿孔された底部
を備えた円筒部によって形成されており、このブシュ
が、第１の構築部分の第１の孔内に配置されており、
（ロ）第１の孔が第１の構築部分に設けられたより小さ
な第２の孔内に開口しており、該第２の孔が左ねじ山を
備えており、該左ねじ山には管付設部が螺合しており、
該管付設部が、ブシュの底部に設けられた孔に対して同
心的に、底部の外面に配置されており、（ハ）ブシュに
はねじのねじヘッドが配置されており、該ねじが管付設
部を通って、ねじの右ねじ山で第２の構築部分に螺合し
ており、（ニ）ブシュには溶接ビードによってカバーが
固定されており、該カバーが嵌合部を有しており、該嵌
合部がねじヘッドに形状結合されているようにした。

【００１１】

【発明の効果】本発明の利点は特に、ねじ固定装置を取
り外すことができることである。この場合、ねじ結合部
も緊定された構築部分も損傷を受けることはない。この
ような利点は特に、高強度の、ひいては比較的高価な合
金を使用する場合に有意義である。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に本発明を図面に示した実施の
形態について説明する。

【００１３】図１には、６角穴６ｃを有するねじ１が示
されている。このねじは第１の構築部分２ａを第２の構
築部分２ｂに緊定していて、ねじ固定装置９によって緩
み不能に固定されている。

【００１４】第１の構築部分２ａは第１の孔３ａと、第
２の孔３ｂとを有している。この第２の孔は第１の孔３
ａに対して同心的に配置されている。この第２の孔３ｂ
は第１の孔３ａよりも小さな直径を有しており、左ねじ
山８を備えている。第２の孔３ｂのこのような左ねじ山
８には管付設部５ｃが螺合している。この管付設部は、
ブシュの、穿孔された底部５ｂに結合されている。この
底部５ｂの孔は、管付設部５ｃの内径に等しい大きさを
有しており、管付設部の外径は底部５ｂの外径よりも小
さい。ブシュは底部５ｂの他にさらに円筒部５ａを有し
ている。この円筒部は、第１の構築部分２ａの第１の孔
３ａに底部５ｂで支持されている。

【００１５】ブシュの円筒部５ａおよび底部５ｂと、管
付設部５ｃとを通って、ねじの右ねじ山７が構築部分２
ｂに固く螺合している。ねじ１の６角穴６ｃには嵌合部
６ｂが形状結合的に挿入されている。この嵌合部はブシ
ュ（５ａ，５ｂ）を閉鎖するカバー６ａに結合されてい
る。このようなカバー６ａは溶接ビード４によって解離
不能にブシュに結合されている。

【００１６】こうして得られたねじ固定装置９は、摩擦
力結合的な固定形式と形状結合的な固定形式と解離不能
な固定形式との組み合わせを形成する。両ねじ山、つま
りねじ１の右ねじ山と管付設部５ｃの左ねじ山５ｄとは
両構築部分２ａ，２ｂの摩擦力結合を形成してしてい
る。カバー６ａを備えた嵌合部６ｂはねじ１の６角穴６
ｃ内に形状結合的に設けられていて、円筒部５ａに解離
不能に溶接されている。嵌合部６ｂを備えたこのような
カバー６ａを使用することにより、右ねじ山７が左ねじ
山８と相互にロックして固定される。

【００１７】このようなねじ固定装置９は、運転条件
が、緊定しようとする構築部分２ａ，２ｂおよびねじ１
のために特別な材料選択を必要とするようなあらゆる場
所に使用される。例えば、高い温度や、ねじ結合部に対
するねじり・剪断負荷を伴うような機械的な振動が生じ
るとともに、状態変数の変動が生じるような場所では、
緊定しようとする構築部分２ａ，２ｂにもねじ１にも高
強度の金属合金を使用しなければならない。このような
高強度の金属合金は通常の場合、周辺条件下で比較的高
いコストで大きな手間をかけなければ溶接することはで
きない。本発明によるねじ固定装置９には、簡単ひいて
は低廉に空間条件下で溶接可能であるような金属合金が
使用される。

【００１８】従って、種々異なる金属合金を前記のよう
に組み合わせることにより、経済面で見て、構築部分２
ａ，２ｂおよびねじ１の所要の高強度が、解離不能なね
じ固定装置９の有利な特性に結びつけられる。

【００１９】別の利点は、溶接ビード４においてねじ固
定装置９が開かれたときに、構築部分２ａ，２ｂもねじ
も損傷されないことである。

【００２０】勿論、本発明は上に説明した実施例に限定
されるものではない。つまり、解離不能なねじ固定装置
９は例えば、緊定しようとする全ての構築部分２ａ，２
ｂおよびねじ１が溶接不能な材料から製造されている場
合にも使用可能である。さらに、本発明では、ねじヘッ
ドが６角体を有しており、対応する形状結合的な部材
（嵌合部６ｂに相当する）がカバー６ａに設けられてい
るような構成も考えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】解離不能なねじ固定装置を備えたねじ結合部を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ ねじ、 ２ａ，２ｂ 構築部分、 ３ａ，３ｂ
孔、 ４ 溶接ビード、５ａ 円筒部、 ５ｂ 底部、
５ｃ 管付設部、 ５ｄ 左ねじ山、 ６ａカバー、
６ｂ 嵌合部、 ６ｃ ６角穴、 ７ 右ねじ山、
８ 左ねじ山、 ９ ねじ固定装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ねじ（１）のためのねじ固定装置であっ
   て、ねじによって第１の構築部分（２ａ）と第２の構築
   部分（２ｂ）とが緊定されている形式のものにおいて、 （イ）ブシュが、穿孔された底部（５ｂ）を備えた円筒
   部（５ａ）によって形成されており、このブシュが、第
   １の構築部分（２ａ）の第１の孔（３ａ）内に配置され
   ており、 （ロ）第１の孔（３ａ）が第１の構築部分（２ａ）に設
   けられたより小さな第２の孔（３ｂ）内に開口してお
   り、該第２の孔（３ｂ）が左ねじ山（８）を備えてお
   り、該左ねじ山には管付設部（５ｃ）が螺合しており、
   該管付設部が、ブシュの底部（５ｂ）に設けられた孔に
   対して同心的に、底部（５ｂ）の外面に配置されてお
   り、 （ハ）ブシュ（５ａ，５ｂ）にはねじ（１）のねじヘッ
   ドが配置されており、該ねじが管付設部（５ｃ）を通っ
   て、ねじの右ねじ山で第２の構築部分（２ｂ）に螺合し
   ており、 （ニ）ブシュ（５ａ，５ｂ）には溶接ビード（４）によ
   ってカバー（６ａ）が固定されており、該カバーが嵌合
   部（６ｂ）を有しており、該嵌合部がねじヘッドに形状
   結合されていることを特徴とする、ねじのためのねじ固
   定装置。