JPH09135451A - カラー陰極線管の自動消磁回路 - Google Patents

カラー陰極線管の自動消磁回路

Info

Publication number
JPH09135451A
JPH09135451A JP29146995A JP29146995A JPH09135451A JP H09135451 A JPH09135451 A JP H09135451A JP 29146995 A JP29146995 A JP 29146995A JP 29146995 A JP29146995 A JP 29146995A JP H09135451 A JPH09135451 A JP H09135451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
degaussing
magnetic shield
ray tube
cathode ray
internal magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29146995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Ikeda
英男 池田
Shinji Tanabe
信二 田邊
Yoshihiro Tani
良浩 谷
Hidenori Takita
英徳 滝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP29146995A priority Critical patent/JPH09135451A/ja
Publication of JPH09135451A publication Critical patent/JPH09135451A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー陰極線管において消磁コイルの形状を
最適化し、消磁電流の減衰割合を最適化することで内部
磁気シールドによる消磁を確実に行うことができ、内部
磁気シールドの磁気シールド性能を高くして色ずれの発
生を防ぐことができる自動消磁回路を提供する。 【課題手段】 本発明のカラー陰極線管1はフェイスプ
レートパネル、色選別電極、フレーム、電子銃から発射
される電子ビームを取り囲むようにして設置された内部
磁気シールドおよびファンネルからなり、ホルダ10内
に上部消磁コイル9a、下部消磁コイル9bが設けら
れ、前記内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密
度が1T以上1.5以下とされてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー陰極線管の自
動消磁回路に関し、さらに詳しくは地磁気などの外部磁
場による電子ビームの振れにともなって生じる色ずれな
どの不具合を防止するためのカラー陰極線管に装着され
る自動消磁回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラー陰極線管を図9に示す。図
9は従来の21インチの3電子ビーム形のカラー陰極線
管の側面断面説明図であり、同図において1はカラー陰
極線管、2は蛍光面を有するフェイスプレートパネル、
3はフェイスプレートパネル2の内側に設けられ、その
両端に張力がかけられるようにされた色選別電極、4は
色選別電極3を支持するフレーム、5は電子銃から発射
される電子ビームを取り囲むようにして設置された内部
磁気シールド、6はフレーム、内部磁気シールドおよび
電子銃を覆うファンネルを示す。かかる従来のカラー陰
極線管においては地磁気などの外部磁場の影響を受けて
電子ビームの軌道が振れ、このような電子ビームの軌道
の振れにともなって所望しない蛍光体が発光させられる
ことにより色ずれなどの好ましくない結果を招くことが
知られている。このような外部磁場の影響を排除するた
めに、色選別電極3の端からファンネルに沿うようにし
て内部磁気シールド5が装着されている。この内部磁気
シールドによるシールド性能を高めるために従来は、図
10に示すようにパネル面の外周部に消磁コイル7を巻
回したうえ、消磁するときの励磁アンペアターンを13
00アンペアターンとしていた。励磁アンペアターンは
印加する磁場の強度をあらわしている。また消磁コイル
7を設けるかわりに図11に示すように、ファンネルの
上下に消磁コイル8a、8bをそれぞれ巻回して消磁す
るときの励磁アンペアターンを1800アンペアターン
としたうえ、正温度特性サーミスタを用いた消磁回路に
より電源回路がスイッチオンされたときに消磁コイルに
減衰電流を流してカラー陰極線管の自動消磁回路を構成
していた。
【0003】かかる従来のカラー陰極線管の自動消磁回
路に関して、消磁するときの動作磁束密度の分布につい
ての解析結果を説明する。ここで動作磁束密度とは陰極
線管の動作中における内部磁気シールドの磁束密度をあ
らわす。内部磁気シールド5の動作磁束密度を、図12
に示す21インチのカラー陰極線管のモデルに対して、
有限要素法を用いた磁界解析手法により、図13に示す
内部磁気シールドの各ポイントについて求めた。その結
果を表1〜2に示す。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】表1に示す結果から明らかなように,図1
0に示すようにパネル面の外周部に消磁コイル7を巻回
したばあいには、内部磁気シールドの動作磁束密度は
0.1T〜1.3Tの範囲内であった。すなわち、局部
的に動作磁束密度が非常に低い部分ができ、その部分で
は消磁が不充分になるという不具合が生じる。また、表
2に示す結果から明らかなように,図11に示すように
ファンネル6の上下に消磁コイル8a、8bをそれぞれ
巻回したばあいには、内部磁気シールドの動作磁束密度
は0.5T〜1.4Tの範囲であった。ところが、この
ときの励磁アンペアターンは前述の如く1800アンペ
アターンにも達しており、励磁アンペアターンが非常に
高いという不具合が生じる。
【0007】ところで、消磁コイルのターン数を最適化
するためになされた特開昭51−37534号公報記載
の発明によると、消磁に必要なアンペアターン数をK、
電源電圧の振幅をEo、正温度特性サーミスタの初期抵
抗値Rxと正温度特性サーミスタおよび消磁コイルに直
列接続された抵抗の抵抗値Ryの和Rx+RyをR1とする
とき、消磁コイルのターン数Nは N=2R1K/Eo となるように選択されている。しかし、この従来の発明
では、消磁に必要なアンペア数が不明であるばかりか、
内部磁気シールドが本当に消磁できているかどうかは確
認されておらず、不明である。
【0008】さらに、従来の正温度特性サーミスタの温
度特性を利用した消磁回路では、温度の上昇に伴って抵
抗が急激に増加するため、消磁コイルに流れる消磁電流
が急激に減少し、消磁が不充分になるという不具合が生
じていた。
【0009】かかる不具合を解決するため、たとえば特
開平3−124189号公報記載の発明では、第1の正
温度特性サーミスタ素子と、第1の正温度特性サーミス
タ素子に接続された第1のダイオードと、第1の正温度
特性サーミスタ素子と並列に接続された第2の正温度特
性サーミスタ素子と、第1のダイオードと逆向きに第2
の正温度特性サーミスタ素子に接続された第2のダイオ
ードと、第1および第2の正温度特性サーミスタに流れ
る電流がともに供給される消磁コイルとで消磁回路が構
成されている。かかる消磁回路においては、第1と第2
の正温度特性サーミスタ素子には交流電流の半周期毎に
互いに逆向きの電流が交互に流れるので、消磁電流の収
束時間が長くできる。しかし、この発明においても、消
磁電流は指数関数的に減少するので、消磁の初期におい
ては消磁電流が急激に減少してしまうので、内部磁気シ
ールドの全体が一様かつ充分には消磁できないという不
具合が生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のカラー陰極線管の自動消磁回路は、磁気シールド
の消磁が不充分であり、消磁のためのアンペアターン数
も非常に大きいという欠点があった。
【0011】本発明は、叙上のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、消磁コイルの形状を最適化し、消磁電
流の減衰割合を最適化することで内部磁気シールドによ
る消磁を確実に行うことができ、内部磁気シールドの磁
気シールド性能を高くして色ずれの発生を防ぐことがで
きるカラー陰極線管の自動消磁回路を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー陰極線管
の自動消磁回路は(a)蛍光面を有するフェイスプレー
トパネル、(b)該フェイスプレートパネルの内側に設
けられ、かつ張力がその両端にかけられるようにされた
色選別電極、(c)該色選別電極を支持するフレーム、
(d)電子銃から発射される電子ビームを取り囲むよう
にして設置された内部磁気シールド、(e)前記フレー
ム、前記内部磁気シールドおよび前記電子銃を覆うファ
ンネルからなるカラー陰極線管の自動消磁回路であっ
て、前記内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密
度が1T以上1.5T以下とされてなることを特徴とす
る。
【0013】前記ファンネルの上下にそれぞれ設置され
る消磁コイルの横幅が、前記内部磁気シールドの横幅よ
り広くされてなることが好ましい。
【0014】前記ファンネルの上下にそれぞれ設置され
た前記消磁コイルの横幅と当該上下の前記消磁コイルの
間隔との比が1以上1.2以下にされてなることが好ま
しい。
【0015】前記ファンネルの上下にそれぞれ設置され
た前記消磁コイルの管軸方向の長さと前記内部磁気シー
ルドの管軸方向長さの比が1.1以上2.3以下にされ
てなることが好ましい。
【0016】また、本発明のカラー陰極線管の自動消磁
回路は、(a)蛍光面を有するフェイスプレートパネ
ル、(b)該フェイスプレートパネルの内側に設けら
れ、かつ張力がその両端にかけられるようにされた色選
別電極、(c)該色選別電極を支持するフレーム、
(d)電子銃から発射される電子ビームを取り囲むよう
にして設置された内部磁気シールド、(e)前記フレー
ム、前記内部磁気シールドおよび前記電子銃を覆うファ
ンネルからなるカラー陰極線管の自動消磁回路であっ
て、前記ファンネルの上下にそれぞれ設置された消磁コ
イルに流す消磁電流の減衰割合が0.6%以上3.0%
以下にされてなることを特徴とする。
【0017】前記消磁電流を減衰するために正温度特性
サーミスタと負温度特性サーミスタが組み合わされて使
用されてなることが好ましい。
【0018】前記消磁電流を減衰するために共振回路が
使用されてなることが好ましい。
【0019】本発明におけるカラー陰極線管の消磁回路
では、内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密度
が1Tを超えるので、消磁後の残留磁束密度を非常に低
くすることができ、ほぼ完全に消磁できるため、地磁気
に対する内部磁気シールドによる磁気シールド性能が高
く、色ずれの発生を防ぐことができる。また、消磁電流
による磁界の減衰が内部磁気シールドの保磁力の値の近
辺でも緩やかであるので、消磁後の残留磁束密度を非常
に低くすることができ、ほぼ完全に消磁できるため、地
磁気に対する内部磁気シールドの磁気シールド性能が高
く、色ずれを防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の自動消磁回路の実施例について詳細に説明する。
なお本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
[実施例1]図1は本発明の一実施例にかかわる21イ
ンチのカラー陰極線管1の消磁回路の要部の斜視説明
図、図2は内部磁気シールド5の要部を示す斜視説明図
である。図1において、9a、9bはファンネル6の上
下でホルダ10内にそれぞれ設置された消磁コイルであ
る。なお、その他の構成部材に関し、図9に示したもの
と同一の部分には同一の符号を用いており、以下の説明
においても図9で示した符号を使用する。
【0022】このようにして構成されたカラー陰極線管
の消磁回路に関して、図2に内部磁気シールド5の要部
の形状および寸法を示す。同図において内部磁気シール
ド5の横幅Wsは366mm、縦Hsは300mm、管
軸方向の長さLsは110mmである。また、図3は消
磁コイル9a、9bの要部の形状および寸法を示す説明
図であり、消磁コイル9a、9bの横幅Wcは370m
m、上下の間隔Hcを355mm、管軸方向の長さLc
は150mmとしている。したがって、消磁コイルの横
幅Wcは内部磁気シールドの横幅Wsよりやや広く、消
磁コイルの横幅Wcと上下の消磁コイルの間隔Hcとの
比Wc/Hcは370/355=1.04であり、消磁
コイルの管軸方向の長さLcと内部磁気シールドの管軸
方向の長さLsとの比Lc/Lsは150/110=
1.36である。また、消磁コイルの、消磁のための励
磁アンペアターンは1100アンペアターンとしてい
る。
【0023】つぎに、本発明におけるカラー陰極線管の
自動消磁回路に関して、内部磁気シールド5の動作磁束
密度を有限要素法を用いた磁界解析手法により求めた。
その結果を表3に示す。表3に示した結果から明らかな
ように、内部磁気シールド5の動作磁束密度は0.5T
〜1.3Tの範囲内にであり、極く一部を除いて1T以
上になっていることがわかる。
【0024】
【表3】
【0025】なお、図4は比較例の消磁コイル9a、9
bの要部を示す図であり、消磁コイル9a、9bの横幅
Wcは300mm、上下の間隔Hcは355mm、管軸
方向の長さLcは120mmとしている。消磁コイルの
消磁のための励磁アンペアターンは1100アンペアタ
ーンとしている。このばあい、内部磁気シールドは本発
明のものと同じものを使用している。したがって、消磁
コイルの横幅Wcは内部磁気シールドの横幅Wsより狭
く、消磁コイルWcの横幅と上下の消磁コイルの間隔H
cとの比Wc/Hcは300/355=0.85であ
り、消磁コイルの管軸方向の長さLcと内部磁気シール
ドの管軸方向の長さLsとの比Lc/Lsは110/1
20=1.09である。
【0026】つぎに、この比較例におけるカラー陰極線
管の自動消磁回路において、内部磁気シールド5の動作
磁束密度を有限要素法を用いた磁界解析手法により求め
た。その結果を、表4に示す。表4に示した結果から明
らかなように内部磁気シールド5の動作磁束密度は1T
以上になっている部分が少なく、とくにポイント10〜
15ではすべて1T以下である。
【0027】
【表4】
【0028】前記比較例においては消磁コイルの横幅W
cと上下の消磁コイルの間隔Hcとの比Wc/Hcが1
未満、消磁コイルの管軸方向の長さLcと磁気シールド
の管軸方向の長さLsとの比Lc/Lsが1.1未満の
ばあいに内部磁気シールド5の動作磁束密度が1T以下
のポイントが多くなることを示した。逆に、Wc/Hc
が1.2を超えるばあい、およびLc/Lsが2.3を
超えるばあいは消磁コイルの寸法がその横幅、管軸方向
の長さとも内部磁気シールドのそれらの寸法よりかなり
大きくされるばあいであるが、内部磁気シールドの動作
磁束密度が1T以上になるポイント数は実施例1のばあ
いより多くならない。すなわち、消磁コイルを大きくし
ても消磁効果は大きくならず、無駄となることがわかっ
た。
【0029】図5は、内部磁気シールド5の一部分を区
切って作製したリング試料について、消磁の様子を示し
たグラフである。横軸には消磁するときの動作磁束密度
を示し、縦軸には消磁後の残留磁束密度の大きさを示し
てある。図5に示したように、消磁するときの動作磁束
密度が0.5Tを超えるあたりから消磁後の残留磁束密
度が急激に減少し、1Tを超えると安定するようにな
り、1.5Tにおいて消磁後の磁束密度がほぼ一定にな
るという実験的事実がわかる。
【0030】本発明はかかる実験的事実に基づいてなさ
れたものであり、カラー陰極線管1の自動消磁回路にお
いて内部磁気シールド5を消磁するときの動作磁束密度
を1T以上にすることにより、内部磁気シールド5の消
磁をほぼ完全に行うことができる。
【0031】また、ファンネル6の上下にそれぞれ、内
部磁気シールド5の横幅Wsより広い横幅Wcの消磁コ
イル9a、9bを設置したので、カラー陰極線管の自動
消磁回路において内部磁気シールド5を消磁するときの
動作磁束密度を1T以上1.5T以下にすることができ
るので、内部磁気シールド5の消磁をほぼ完全に行うこ
とができるとともに、消磁のための励磁アンペアターン
を非常に少なくできるという効果もある。
【0032】また、ファンネル6の上下にそれぞれ設置
される消磁コイルの横幅Wcと上下の消磁コイルの間隔
Hcとの比Wc/Hcを1以上1.2以下にしたので、
カラー陰極線管の自動消磁回路において内部磁気シール
ド5を消磁するときの動作磁束密度を1T以上にするこ
とができるので、内部磁気シールド5の消磁をほぼ完全
に行うことができるとともに、消磁のための励磁アンペ
アターンを非常に少なくできるという効果もある。
【0033】また、ファンネル6の上下にそれぞれ設置
される消磁コイルの管軸方向の長さLcと内部磁気シー
ルド5の管軸方向長さLsとの比Lc/Lsを1.1以
上2.3以下にしたので、カラー陰極線管の自動消磁回
路に関して内部磁気シールド5を消磁するときの動作磁
束密度を1T以上にすることができ、内部磁気シールド
5を消をほぼ完全に行うとともに、消磁のための励磁ア
ンペアターンを非常に少なくできるという効果もある。
【0034】[実施例2]図6は本発明の第2の実施例
にかかわるカラー陰極線管の消磁回路の要部を示す回路
図である。同図において11は交流電源、12はスイッ
チ、13はカラー陰極線管1を消磁するための消磁コイ
ル、14は消磁コイル13に流れる電流を制御する正温
度特性サーミスタ、15は正温度特性サーミスタ14と
並列的に接続した負温度特性サーミスタ、16は負温度
特性サーミスタと直列に接続した負温度特性サーミスタ
15をカラー陰極線管の定常動作時に正温度特性サーミ
スタから接続を切り離すためのスイッチ素子である。な
お、その他の構成部材については図9に示したものと同
一であるため、以下の説明においても図9で示した符号
を使用する。
【0035】図7は、消磁電流の一つの正のピークをI
1とし、つぎに正のピークをI2としたとき、{(I1
2)/I1}×100で定義される減衰割合を変えたと
きの消磁後の残留磁束密度を示したグラフであり、消磁
電流の減衰割合が3.0%以下になると消磁後の残留磁
束密度が安定するようになり、減衰割合が0.6%にお
いて消磁後の残留磁束密度がほぼ一定になることがわか
る。
【0036】つぎに、図6に示した回路の動作について
説明する。図6においてスイッチ12をオンとすると、
回路が交流電源11に接続され、正温度特性サーミスタ
14を通って消磁コイル13に電流が流れる。このと
き、スイッチ素子16はオン状態になっているので、電
流は正温度特性サーミスタ14を通るとともに、該正温
度特性サーミスタ14に並列的に接続された負温度特性
サーミスタ15を通っても消磁コイル13に流れる。し
たがって、回路が正温度特性サーミスタ単独で構成され
るばあいは、電流が流れると正温度特性サーミスタが加
熱され、温度が上昇して電流が急激に減少し、消磁電流
の減衰割合が3.0%を超えるものとなっていた。本発
明では正温度特性サーミスタ14と負温度特性サーミス
タ15が並列に接続してあるので、消磁の初期において
も消磁コイル13に流れる消磁電流の減衰の割合が3.
0%以下になり、消磁が完全に行える。一定時間後にス
イッチ素子16をオフ状態にすれば、消磁電流は正温度
特性サーミスタ14の抵抗増加によって減少し、最終的
には消磁電流はほぼ零となるという実験的事実がわかっ
た。
【0037】本発明はかかる実験的事実に基づいてなさ
れたものであり、カラー陰極線管の自動消磁回路におい
て消磁電流の減衰割合を0.6%以上3.0%以下にす
ることにより、消磁電流による磁界の減衰が内部磁気シ
ールド5の保磁力値の近辺でも緩やかであるので内部磁
気シールド5の消磁をほぼ完全に行うことができる。
【0038】[実施例3]図8は本発明の第3の実施例
にかかわるカラー陰極線管の消磁回路の要部の回路図で
ある。同図において21は直流電源、22はスイッチ、
23はカラー陰極線管1を消磁するための消磁コイル、
24は直流電源からの電荷を蓄えるコンデンサ、25は
直列抵抗である。なお、その他の構成部材の説明に当た
っては図9に示したものと同一であるため、以下の説明
においても図9で示した符号を使用する。
【0039】つぎに、回路の動作について説明する。初
めにスイッチ22を直流電源側に倒しておきコンデンサ
24を充電する。そののち、スイッチ22を直列抵抗2
5側に倒すと、消磁コイル23を通って電荷が放電され
るために消磁コイル23には消磁電流が流れる。ここ
で、消磁コイル23のインダクタンスをL、コンデンサ
24の容量をC、直列抵抗r1と消磁コイルの巻線抵抗
2の和r1+r2をRとあらわしたとき、L、C、Rな
どの回路の定数を、関係式R2<4L/Cを満たすよう
に選ぶと回路の電流は減衰電流となり、消磁電流の周波
数は
【0040】
【外1】
【0041】であり、減衰の割合δはδ=R1/(2f
L)で示される。したがって前述の関係式を満たすよう
に回路の定数の条件を選ぶことにより、消磁電流の減衰
割合を3.0%以下とすることができる。たとえば、本
発明の実施例3では、消磁コイルは巻線抵抗r2が2
Ω、インダクタンスが66mHのものを使用したので、
直列抵抗をr1が2Ω、コンデンサの容量を0.4μF
の部品を使用した。実施例の回路において、周波数は、
【0042】
【外2】
【0043】となり、この周波数を使って減衰割合を求
めると、δ=R1/(2fL)=4/(2×1000×
0.066)=0.03となり、減衰割合は3%とな
る。
【0044】また、本発明において消磁電流の減衰割合
を3.0%以下にするために共振回路を用いたので、消
磁電流による磁界の減衰が内部磁気シールド5の保磁力
値の近辺でも緩やかであるので、内部磁気シールドの消
磁をほぼ完全に行うことができるとともに、負温度特性
サーミスタ15と直列に接続した負温度特性サーミスタ
15をカラー陰極線管の定常動作時に正温度特性サーミ
スタ14から接続を切り離すためのスイッチ素子16が
不要になり、回路構成が簡単にできるという効果もあ
る。
【0045】前記実施例1では、21インチのカラー陰
極線管の自動消磁回路の消磁コイルのばあいについて述
べたが、カラー陰極線管のインチサイズにかかわらず本
発明が有効なことはもちろんである。また、内部磁気シ
ールド5が四角錘台形形状のばあいについて述べたが、
他の形状、たとえばドーム形状の内部磁気シールドにお
いても同等の効果を奏する。また、消磁のための励磁ア
ンペアターンについても、1100アンペアターンのば
あいについて述べたが、この値に限定するものではなく
内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密度を1T
以上1.5T以下とすれば同等の効果がえられる。
【0046】さらに、第2の実施例では、正温度特性サ
ーミスタと負温度特性サーミスタを並列的に接続したば
あいについて述べたが、この回路に限定されるものでは
なく、消磁コイルに流す消磁電流の減衰割合を0.6%
以上3.0%以下にすれば同等の効果がえられる。
【0047】さらに、第3の実施例では、消磁コイル、
コンデンサと直列抵抗を直列に接続したばあいについて
述べたが、この回路に限定されるものではなく、消磁コ
イルに流す消磁電流の減衰割合を0.6%以上3.0%
以下にすれば同等の効果がえられる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】カラー陰極線管の自動消磁回路において、
内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密度が1T
以上になり、内部磁気シールドの消磁をほぼ完全に行う
ことができ、内部磁気シールドのシールド性能を高くし
て色ずれを防ぐことができる。
【0050】さらに、ファンネルの上下に設置され内部
磁気シールドの横幅より広い横幅の消磁コイルを用いた
ので、カラー陰極線管の自動消磁回路において内部磁気
シールドを消磁するときの動作磁束密度を1T以上1.
5T以下にでき、内部磁気シールドの消磁をほぼ完全に
行い、内部磁気シールドのシールド性能を高くして色ず
れを防ぐとともに、消磁のための励磁アンペアターンを
非常に少なくできる効果がえられる。
【0051】さらに、ファンネルの上下にそれぞれ設置
され、コイルの横幅と上下のコイルの間隔との比を1以
上1.2以下にしたので、カラー陰極線管の自動消磁回
路において内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束
密度を1T以上1.5T以下にでき、内部磁気シールド
の消磁をほぼ完全に行い内部磁気シールドのシールド性
能を高くして色ずれの発生を防ぐとともに、消磁のため
の励磁アンペアターンを非常に少なくできる効果がえら
れる。
【0052】さらに、ファンネルの上下にそれぞれ設置
され、コイルの管軸方向の長さと内部磁気シールドの管
軸方向長さとの比を1.1以上2.3以下にしたので、
カラー陰極線管の自動消磁回路において内部磁気シール
ドを消磁するときの動作磁束密度を1T以上にでき、内
部磁気シールドの消磁をほぼ完全に行い内部磁気シール
ド性能を高くして色ずれの発生を防ぐとともに、消磁の
ための励磁アンペアターンを非常に少なくできる効果が
えられる。
【0053】また、カラー陰極線管の自動消磁回路にお
いて消磁電流の減衰割合を0.6%以上3.0%以下に
することにより、消磁電流による磁界の減衰が内部磁気
シールドの保磁力値の近辺でも緩やかであるので内部磁
気シールドの消磁をほぼ完全に行うことができる効果が
えられる。
【0054】さらに、消磁電流の減衰割合が0.6%以
上3.0%以下にするために共振回路を用いたので、消
磁電流による磁界の減衰が内部磁気シールドの保磁力値
の近辺でも緩やかであるので内部磁気シールドの消磁を
ほぼ完全に行うことができるとともに、負温度特性サー
ミスタと直列に接続した負温度特性サーミスタをカラー
陰極線管の定常動作時に正温度特性サーミスタから接続
を切り離すためのスイッチ素子が不要になり、回路構成
が簡単にできるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1にかかわる21インチのカ
ラー陰極線管の消磁回路の要部の斜視説明図である。
【図2】 本発明の実施例1にかかわる内部磁気シール
ドの要部の形状と寸法を示す斜視説明図である。
【図3】 本発明の実施例1にかかわる消磁コイルの要
部の形状と寸法を示す斜視説明図である。
【図4】 本発明の比較例にかかわる消磁コイルの要部
の形状と寸法を示す斜視説明図である。
【図5】 内部磁気シールドの消磁の様子を示すグラフ
である。
【図6】 本発明の実施例2にかかわるカラー陰極線管
の消磁回路の要部の回路図である。
【図7】 消磁するときの消磁電流の減衰割合の影響を
示すグラフである。
【図8】 本発明の実施例3にかかわるカラー陰極線管
の消磁回路の要部の回路図である。
【図9】 従来技術の21インチのカラー陰極線管の要
部を示す斜視説明図である。
【図10】 従来技術の21インチのカラー陰極線管の
消磁回路の要部を示す斜視説明図である。
【図11】 従来技術の21インチのカラー陰極線管の
消磁回路の要部を示す斜視説明図である。
【図12】 磁界解析のための21インチのカラー陰極
線管のモデルを示す説明図である。
【図13】 磁界解析の磁束密度計算のポイントを示す
説明図である。
【符号の説明】
1 カラー陰極線管、2 フェイスプレートパネル、3
色選別電極、4 フレーム、5 内部磁気シールド、
6 ファンネル、7 消磁コイル、8 消磁コイル、8
a 上部消磁コイル、8b 下部消磁コイル、9 消磁
コイル、9a上部消磁コイル、9b 下部消磁コイル、
10 ホルダ、10a ホルダ前部、10b ホルダ後
部、11 交流電源、12 スイッチ、13 消磁コイ
ル、14 正温度特性サーミスタ、15 負温度特性サ
ーミスタ、16 スイッチ素子、21 直流電源、22
スイッチ、23 消磁コイル、24 コンデンサ、2
5 直流抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝田 英徳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)蛍光面を有するフェイスプレート
    パネル、(b)該フェイスプレートパネルの内側に設け
    られ、かつ張力がその両端にかけられるようにされた色
    選別電極、(c)該色選別電極を支持するフレーム、
    (d)電子銃から発射される電子ビームを取り囲むよう
    にして設置された内部磁気シールド、(e)前記フレー
    ム、前記内部磁気シールドおよび前記電子銃を覆うファ
    ンネルからなるカラー陰極線管の自動消磁回路であっ
    て、前記内部磁気シールドを消磁するときの動作磁束密
    度が1T以上1.5T以下とされてなることを特徴とす
    るカラー陰極線管の自動消磁回路。
  2. 【請求項2】 前記ファンネルの上下にそれぞれ設置さ
    れる消磁コイルの横幅が、前記内部磁気シールドの横幅
    より広くされてなる請求項1記載のカラー陰極線管の自
    動消磁回路。
  3. 【請求項3】 前記ファンネルの上下にそれぞれ設置さ
    れた前記消磁コイルの横幅と当該上下の前記消磁コイル
    の間隔との比が1以上1.2以下にされてなる請求項1
    記載のカラー陰極線管の自動消磁回路。
  4. 【請求項4】 前記ファンネルの上下にそれぞれ設置さ
    れた前記消磁コイルの管軸方向の長さと前記内部磁気シ
    ールドの管軸方向長さの比が1.1以上2.3以下にさ
    れてなる請求項1記載のカラー陰極線管の自動消磁回
    路。
  5. 【請求項5】 (a)蛍光面を有するフェイスプレート
    パネル、(b)該フェイスプレートパネルの内側に設け
    られ、かつ張力がその両端にかけられるようにされた色
    選別電極、(c)該色選別電極を支持するフレーム、
    (d)電子銃から発射される電子ビームを取り囲むよう
    にして設置された内部磁気シールド、(e)前記フレー
    ム、前記内部磁気シールドおよび前記電子銃を覆うファ
    ンネルからなるカラー陰極線管の自動消磁回路であっ
    て、前記ファンネルの上下にそれぞれ設置された消磁コ
    イルに流す消磁電流の減衰割合が0.6%以上3.0%
    以下にされてなることを特徴とするカラー陰極線管の自
    動消磁回路。
  6. 【請求項6】 前記消磁電流を減衰するために正温度特
    性サーミスタと負温度特性サーミスタが組み合わされて
    使用されてなる請求項5記載のカラー陰極線管の自動消
    磁回路。
  7. 【請求項7】 前記消磁電流を減衰するために共振回路
    が使用されてなる請求項5記載のカラー陰極線管の自動
    消磁回路。
JP29146995A 1995-11-09 1995-11-09 カラー陰極線管の自動消磁回路 Pending JPH09135451A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29146995A JPH09135451A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 カラー陰極線管の自動消磁回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29146995A JPH09135451A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 カラー陰極線管の自動消磁回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09135451A true JPH09135451A (ja) 1997-05-20

Family

ID=17769280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29146995A Pending JPH09135451A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 カラー陰極線管の自動消磁回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09135451A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6791249B2 (en) 2002-05-14 2004-09-14 Samsung Sdi Co., Ltd. Cathode ray tube
KR100766919B1 (ko) * 2001-10-16 2007-10-16 삼성에스디아이 주식회사 음극선관

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100766919B1 (ko) * 2001-10-16 2007-10-16 삼성에스디아이 주식회사 음극선관
US6791249B2 (en) 2002-05-14 2004-09-14 Samsung Sdi Co., Ltd. Cathode ray tube

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0484606B1 (en) Scan velocity modulation apparatus
KR960007266B1 (ko) 비선형 인덕터
JPH09135451A (ja) カラー陰極線管の自動消磁回路
US4999732A (en) Degaussing circuit for CRT
US5469122A (en) Deflection yoke
JPH1098736A (ja) 検出回路
JP2577949B2 (ja) 不要磁気の影響除去装置
JP2905204B2 (ja) カラー受像管の消磁方法
JPH08273557A (ja) 陰極線管
JP2000261819A (ja) 陰極線管の地磁気補正装置及び地磁気補正された陰極線管
JPH0865691A (ja) 偏向ヨーク及び陰極線管装置
JP2001359111A (ja) 陰極線管用消磁回路
JP3223608B2 (ja) コンバーゼンス補正装置及びこの補正装置を用いたカラー陰極線管
JPH1098737A (ja) 変色バンド修正装置
JP2004015508A (ja) 消磁回路
JPH09507017A (ja) カラー表示管と減磁装置とを有するカラー表示デバイス
KR950002697Y1 (ko) 편향요크의 스파크 방지용 구조체
JP3449337B2 (ja) 消磁装置および消磁方法
JP3211298B2 (ja) 偏向ヨーク
JP2001093443A (ja) 偏向ヨークおよびこれを用いたカラー陰極線管受像機
JP2621698B2 (ja) 電磁フォーカス装置
JPH1032833A (ja) 消磁回路
JPH10149784A (ja) コンバージェンス補正装置
KR20040031033A (ko) 링잉방지 코일을 구비한 음극선관
JP2002271807A (ja) 陰極線管装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040420