JPH0913341A - 水底溝状構築物 - Google Patents

水底溝状構築物

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JPH0913341A
JPH0913341A JP16103295A JP16103295A JPH0913341A JP H0913341 A JPH0913341 A JP H0913341A JP 16103295 A JP16103295 A JP 16103295A JP 16103295 A JP16103295 A JP 16103295A JP H0913341 A JPH0913341 A JP H0913341A
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JP
Japan
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water
groove
ditch
block
water bottom
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JP16103295A
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English (en)
Inventor
Yusaku Tanaka
裕作 田中
Takeshi Chikamoto
武 近本
Tetsuji Muramoto
哲二 村本
Toshiaki Nakamura
俊昭 中村
Masao Endo
正男 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟弱な地質の水底に溝を構築する際に、溝が
埋め戻されるのを防止するとともに、埋め戻された状態
となっても容易に復旧可能なものとする。 【構成】 ブロック構造物2を連接して水底Bに埋設す
ることで水底溝状構築物1を構築する。上記ブロック構
造物2の上面には、長い溝を短く分割した形状の凹部2
aが形成されている。従って、上記ブロック構造物2が
連接された水底溝状構築物1を上面が露出した状態に埋
設することで、水底Bに溝6が形成される。このように
構築された溝6は、溝6内面が水底溝状構築物1により
せき止められた状態であり、埋め戻されにくくなってい
る。また、溝6内に土砂が流入した場合にも、水中サン
ドポンプ等により容易に流入した土砂を取り除くことが
できる。このような溝6を閉鎖海域と外海との海水の交
換を促すミオ筋に用いれば、長期に渡って機能するミオ
筋を構築することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水底に溝を形成する際
に用いられる水底溝状構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】港、湾等のほぼ閉鎖された状態の海域
(以後、閉鎖海域と称する)においては、隣接する外海
との海水の交換速度が遅く、閉鎖海域内の海水の汚濁
は、長期に渡って閉鎖海域内に留まる可能性があり、閉
鎖海域内においては水質が悪化する傾向にある。
【0003】閉鎖海域において、上述のように水質が悪
化するのを防止するために、閉鎖海域と外海との海水の
交換を促す方法としては、海底にミオ筋を構成する溝を
形成する方法が知られている。水の流れがある水域にお
いて、水の流れ方向に直交する断面内の水深に高低があ
る場合には、水深の浅い部分よりも水深の深い部分の方
が流れが速くなるが、このことを閉鎖海域と外海との海
水の交換を促すのに用いたのが、上述のように海底にミ
オ筋を構成する溝を形成する方法である。
【0004】すなわち、比較的水深の浅い閉鎖海域にお
いて、例えば、潮の干満による流れがある場合に、この
流れに沿って、海底に溝を形成することにより、溝の部
分で海水の流れが速くなり、閉鎖海域と外海との海水の
交換を促すことができるので、閉鎖海域における水質の
悪化を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、港や湾など
の閉鎖海域の海底においては、ヘドロ状の底泥が堆積し
ているような底質条件を有する場合があり、また、ヘド
ロ状ではなくとも、堆積物により比較的軟弱な状態とな
っている可能性が高い。また、港や湾に流入する河川か
ら土砂が運ばれる可能性もある。
【0006】従って、閉鎖海域の海底にミオ筋となる溝
を形成しても、比較的短期間の間に溝が埋まってしまう
可能性が高い。すなわち、海底が軟弱なために、形成し
た溝の法面が徐々に崩されたり、潮の満ち引き等による
水流や河川からの水流等により土砂が溝内部に運ばれて
溝が徐々に埋められてしまったりして、溝の底部が浅く
なる可能性が高い。
【0007】従って、一度ミオ筋を形成しても、比較的
短期間で溝が埋められてしまうので、ミオ筋を維持する
ことが難しい。また、ミオ筋を維持するために定期的に
溝を掘り返すものとした場合には、ミオ筋の維持のため
に高い経費が必要となる。本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであり、水底に溝を形成した場合に、水底
が軟弱なために上記溝が埋め戻されるのを抑止するとと
もに、水流等により運ばれた土砂等が溝に流入した場合
に、容易に溝を復旧することが可能な水底溝状構築物を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
水底溝状構築物は、前後の両端面に開口する凹部が上面
に形成された複数のブロック構造物が、少なくとも該ブ
ロック構造物の上面が水中に露出した状態で水底に埋設
され、かつ、上記端面同士が互いに当接されることによ
り上記各ブロック構造物の凹部が連続する溝となるよう
に上記ブロック構造物が連接されてなることを上記課題
の解決手段とした。
【0009】また、本発明の請求項2記載の水底溝状構
築物は、ほぼ閉鎖された海域において、上記ブロック構
造物の凹部の底面における水深が上記ブロック構造物周
囲の海底の水深よりも深くなるように、上記凹部が形成
されるとともに上記ブロック構造物が海底に埋設され、
かつ、上記海域の水の流れに対応して上記ブロック構造
物が連接されてなることを上記課題の解決手段とした。
【0010】また、本発明の請求項3記載の水底溝状構
築物は、任意の水域の岸の近傍の水底で、かつ、上記水
域における水の流れにより浮泥等の固形物が流されて滞
留する部分に上記ブロック構造物が連接されてなること
を上記課題の解決手段とした。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、水底に溝を
形成する場合に上記水底溝状構築物を水底に設置するも
のとすれば、連接して埋設された上記ブロック構造物の
上面の凹部が溝となるので、溝の法面がせき止められた
状態であり、水底が軟弱であっても法面が崩れることが
なく、法面の崩れにより溝が埋まっていくのを完全に防
止することができる。
【0012】また、水流により流された土砂等により上
記水底溝状構築物を設置することにより形成された溝が
埋め戻された場合には、上記ブロック構造物の凹部内に
上記土砂等が緩く堆積した状態であり、上記土砂を例え
ば、水中サンドポンプ等で吸い上げることにより、上記
ブロック構造物の凹部内面を露出させて溝を元の形状に
容易に復旧することができる。
【0013】また、上記請求項2記載の構成によれば、
上記ブロック構造物の凹部の底面における水深が上記ブ
ロック構造物周囲の海底の水深よりも深くなるように、
上記凹部が形成されるとともに上記ブロック構造物が海
底に埋設され、かつ、上記海域の水の流れに対応して上
記構造物が連接されているので、この水底溝状構築物を
ミオ筋とすることができ、閉鎖海域と外海との海水の交
換を促して、閉鎖海域の水質が悪化するのを防止するこ
とができる。
【0014】そして、上記水底溝状構築物により形成さ
れたミオ筋は、上述のように埋め戻されにくいととも
に、埋め戻されても容易に復旧できるので、長期に渡っ
て、閉鎖海域の水質の悪化を防止することができる。ま
た、上記請求項3記載の構成によれば、上記水域におけ
る水の流れにより浮泥等の固形物が流されて滞留する部
分に上記ブロック構造物が連接されて水底溝状構築物が
構築されているので、水底溝状構築物内に浮泥等が滞留
して堆積することになる。
【0015】すなわち、港、湾等の水域には、特定の水
の流れが発生する場合が多く、このような場合には、上
記水の流れに流された浮泥等が水底の特定の部分に滞留
しやすくなり、その部分に土砂が堆積することが多い。
このような場所に上記水底溝状構築物を設置した場合に
は、上記水底溝状構築物の溝内に浮泥等が堆積すること
になるが、上記水底溝状構築物の溝内に堆積した浮泥等
は、上記溝に補足された状態となる。
【0016】そして、水底溝状構築物による溝内に堆積
した浮泥等は、水中サンドポンプ等により吸い上げるこ
とができるので、容易に浮泥を回収・除去できる。ま
た、上記水底溝状構築物の設置位置を岸の近傍とすれ
ば、岸側に、例えば、水中サンドポンプ用の設備を配置
して、さらに容易に浮泥を回収・除去することができ
る。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の第一実施例の水底溝状構築
物を図面を参照して説明する。この実施例の水底溝状構
築物は、本発明の水底溝状構築物を湾や港等の閉鎖海域
のミオ筋に応用したものである。図1に示すように、こ
の実施例の水底溝状構築物1は、上面に溝を分割した形
状の凹部2a…を有するプレキャストコンクリート製の
ブロック構造物2…を水底Bに埋設した状態で連接して
形成したものである。
【0018】上記ブロック構造物2…は、底板3と、該
底板3から斜めに立設された二つの側板4、4と、該側
板4、4を支持する複数の支持壁5(図1において一つ
だけ図示)とからなるものである。上記底板3は、ほぼ
水平に配置されて、その上面が上記凹部2aの底面を構
成するとともに、水底溝状構築物1により構築された溝
6の底面を構成するものである。
【0019】そして、上記底板3によりブロック構造物
2…を安定した状態で載置できるようになっている。そ
して、上記二枚の側板4、4は、その下側縁が、互いに
平行に底板3上面の中心線より左右外側に接合された状
態となっている。また、二枚の側板4、4は、それぞれ
外側に傾いた状態となっているので、その内側側面が凹
部2aの外側に向かうにつれて上方に向かう斜面となっ
ている。
【0020】そして、この斜面となった側板4、4の内
側側面が、水底溝状構築物1により構成される溝6の法
面となる。また、上記底板3上面の側板4、4より内側
部分と、側板4、4の内側側面とにより、ブロック構造
物2の上面に、その左右両端面に開口する凹部2aが形
成されている。
【0021】また、上記底板3及び側板4、4により構
成される凹部2aは、長い溝を短く分割した形状となっ
ている。上記支持壁5は、上記底板3の上記側板4、4
より外側の部分に立設されて、その上端が側板4、4の
外側側面に接合された状態となっており、支持壁5が側
板4、4を下側から支持して、側板4、4を補強した状
態となっている。
【0022】そして、上記水底溝状構築物1において
は、上記ブロック構造物2…の凹部2aが開口した端面
同士を互いに当接させた状態で連接することにより、上
記凹部2a…同士が連続することで、溝6を構成するよ
うになっている。また、上述のようにブロック構造物2
…を連接するとともに図1に示すように、上面が露出し
た状態でブロック構造物2…を埋設することにより、上
記水底溝状構築物1の上面に形成された溝6が水底Bの
溝となる。
【0023】なお、図1においては、ブロック構造物2
…の上面と水底Bの上面とが面一となるようにブロック
構造物2…が埋設されているが、必ずしもブロック構造
物2の上面と水底Bの上面とが面一となる必要はなく、
ブロック構造物2…の上面が水底Bの上面より高くなっ
ても良い。また、ブロック構造物2…同士は、単に隣接
して配置することにより連接するものとしても良いが、
ブロック構造物2…同士を接合部材を用いて接合するこ
とが好ましい。
【0024】また、上記ブロック構造物2…同士の接合
においては、例えば、継手金物(図示略)によりボルト
止めする構成とすることができる。また、上記ブロック
構造物2…の接合方法としては、接合すべき一方のブロ
ック構造物2の接合端部にターンバックル(図示略)の
一端を固定し、接合すべき他方のブロック構造物2の接
合端部に、ターンバックルの他端を接続可能な接続部を
設け、接合すべき二つのブロック構造物2、2の接合端
部同を隣接して配置し、一方のブロック構造物2のター
ンバックルの他端を、他方のブロック構造物2の接続部
に接続した後に、ターンバックルにより両者を引き付け
て接合するものとしても良い。
【0025】そして、第一実施例において、上述のよう
な構成を有する水底溝状構築物1は、図2に示すよう
に、港、湾等の閉鎖海域Kにおいて、葉脈のように複数
接続されて配置されて、ミオ筋として機能するようにな
っている。なお、上記水底溝状構築物1…をミオ筋とし
て用いる場合には、例えば、潮の満ち引きによって、閉
鎖海域K内で生じる水の流れに沿って上記水底溝状構築
物1…を配置する。
【0026】また、水底溝状構築物1…がミオ筋として
作用するためには、水底溝状構築物1…により構成され
た溝6…の部分の水深が、周囲の海底よりも充分深い必
要があり、上記ブロック構造物2…の底板3の上面から
側板4、4の上面までの高さが充分に高く、上記ブロッ
ク構造物2…が有る程度深く埋設されている必要があ
る。また、上記閉鎖海域Kの水深が浅いことが好まし
い。
【0027】次に、以上のようにミオ筋として構築され
た水底溝状構築物1…の作用について説明する。図1に
示すように、水底溝状構築物1により形成された溝6
は、その内面が上述のようにプレキャストコンクリート
製のブロック構造物2…の底板3の上面及び側板4、4
の内側側面により構成されているので、軟弱な水底Bを
単に掘削するようにして溝を形成した場合のように、溝
の法面が崩れて溝が埋まってしまうようなことがなく、
どのような地質の水底においても溝の法面が崩れない溝
を構築することができる。
【0028】また、海底を掘削して溝を形成する場合に
は、溝の法面の角度θが自然に土砂が崩れない角度以下
にしておく必要があり、砂地や軟弱な土質の海底に深い
溝を掘削する場合には、法面の角度θを小さなものとし
なければならないので、極めて幅の広い溝となるが、上
記水底溝状構築物1により溝6を形成する場合には、溝
6の断面形状をほぼ自由に設定することができる。
【0029】また、水の流れにより移動する浮泥や、土
砂や、その他の沈殿物により水底溝状構築物1による溝
6が埋め戻された状態となるような場合には、上記土砂
等がブロック構造物2上に緩く堆積した状態となってい
るので、例えば、水中サンドポンプ(図4に図示)9等
のポンプにより容易に吸い上げることができる。
【0030】なお、水底Bを掘削することにより形成さ
れた溝においても溝内に堆積した土砂をポンプにより吸
い上げることが可能である。しかし、水底Bの比較的軟
質な土砂を掘削することにより溝を形成した場合に、溝
の外側の水底Bの表面も土砂が堆積して形成されたもの
であり、溝の内外で区別つかない状態となり、溝内に堆
積した土砂をポンプで吸い上げるものとした場合に、溝
を形成する土砂まで吸い上げてしま可能性があり、土砂
を大量に吸い上げてしまい、土砂の後処理が問題となる
とともに、溝の形状も元の状態に戻らない可能性が高
い。
【0031】すなわち、水底Bを掘削することにより形
成された溝において、溝内に堆積した土砂を取り除くに
は、単純に溝内の土砂を吸い上げるのではなく、溝を構
築した場合と同様に、溝を形成しなおすように、土砂を
取り除く必要がある。また、第一実施例においては、側
板4、4が斜めに立設され、水底溝状構築物1により構
成される溝6の左右の内側面が斜面とされているので、
この溝6内に堆積する土砂が上記斜面に沿って流れ落
ち、溝6の中央部に集まるので、溝6内の土砂を吸い上
げる際に、溝6の中央部を主に吸い上げるようにするこ
とで、溝6内に堆積した土砂のほぼ全てを吸い上げるこ
とができ、溝6の復旧作業の効率を上げることができ
る。
【0032】従って、溝6が埋め戻されてしまった場合
に、溝6を掘削し直すような作業をしなくとも、堆積し
た土砂を単純に吸い上げる容易な操作により溝6を復旧
できるので、水底Bの溝6を低コストで維持することが
できる。そして、このような水底溝状構築物1によりミ
オ筋を形成することにより、僅かな維持管理コストによ
り、閉鎖海域Kと外海Oとの海水の交換を促す機能を長
期的に維持することができ、長期的に見た場合に、従来
のように単に海底を掘削して溝を形成してミオ筋を構築
した場合に比較して、低コストで閉鎖海域Kの水質の悪
化を防止することができる。
【0033】次に、本発明の第二実施例の水底溝状構築
物について説明する。図3は、第二実施例の水底溝状構
築物1aを示すものである。図3に示す第二実施例の水
底溝状構築物1aは、第一実施例の水底溝状構築物1と
同様に、ミオ筋として用いられるものであるとともに、
第一実施例のブロック構造物2と同様のブロック構造物
2により構築されるものであり、第一実施例の水底溝状
構築物1と同様の構成要素については同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0034】図3に示すように、第二実施例の水底溝状
構築物1aにおいては、水底溝状構築物1aを構成する
ブロック構造物2…の側板4の上部が水底Bより上に突
出した状態となっている。そして、水底B表面の土砂が
水の流れにより流された場合に、該土砂が直接、水底溝
状構築物1aの溝6内に流入するのを防止できるように
なっている。
【0035】従って、水底溝状構築物1aの溝6内に土
砂が堆積するのを抑制することができるので、溝6内に
土砂が堆積してミオ筋としての機能がなくなるまでの期
間を延長することができる。すなわち、ポンプにより溝
6内の土砂の吸い上げが必要となる期間を延長して、ミ
オ筋の維持管理費を低減することができる。
【0036】次に、本発明の第三実施例の水底溝状構築
物1bについて説明する。図4は、第三実施例の水底溝
状構築物1bを示すものである。図4に示す第三実施例
の水底溝状構築物1bは、第一実施例のブロック構造物
2と同様のブロック構造物2により構築されるものであ
り、第一実施例の水底溝状構築物1と同様の構成要素に
ついては同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】第三実施例の水底溝状構築物1bは、上述
のように上記ブロック構造物2を上記第一実施例と同様
に海底に設置することにより構成されるものであるが、
上記第一実施例のようにミオ筋として用いられるもので
はなく、任意の水域において、滞留して堆積した浮泥、
その他の土砂、沈殿ゴミ等を効率的に回収するためのも
のである。
【0038】従って、水底溝状構築物1bは、例えば、
湾や港等の閉鎖海域Kにおいて、該閉鎖海域K内の潮の
干満等による水の流れにより、上記浮泥や土砂等が滞留
して堆積しやすい場所に設置されることになる。さら
に、第三実施例の水底溝状構築物1bは、上記浮泥や土
砂等が滞留して堆積しやすい場所として、上記浮泥等が
上記水の流れにより吹き寄せられた状態となり浮泥や土
砂が堆積しやすい状態となった岸壁8に沿って設置され
るものである。
【0039】すなわち、第三実施例の水底溝状構築物1
bは、岸壁8の前面で、かつ、水の流れに流された上記
土砂等が滞留しやすい場所に設置されることになる。こ
のような場所に水底溝状構築物1bにより溝6を構築し
た場合には、閉鎖海域K内を水に流されて漂う土砂等が
溝6内に堆積するとともに、水底Bよりも低い溝6内に
堆積することにより、流出しずらい状態となり、効率的
に閉鎖海域K内の浮泥等を集めることができる。
【0040】そして、水底溝状構築物1bからなる溝6
内に堆積した浮泥等は、上記第一実施例で述べたよう
に、水中サンドポンプ9等により容易に回収することが
できる。例えば、図4に示すように岸壁8上に岸壁8に
沿って移動可能にクレーン10を配置し、該クレーン1
0から溝内に水中サンドポンプ9を吊り降ろして、溝6
内の浮泥等を吸い上げさせる。
【0041】また、クレーン10を岸壁8に沿って移動
させることにより、水中サンドポンプ9を溝に沿って移
動させ、溝6内の堆積物を容易に回収することができ
る。また、第三実施例においては、回収した浮泥等の堆
積物を運搬車(密閉式ダンプカー、バキュームカー等)
11などにより搬出するようになっている。従って、閉
鎖海域K内に堆積する可能性の高い浮泥等を効率的に回
収することができる。
【0042】なお、上記第一、第二及び第三実施例にお
いては、ブロック構造物2の底板3がブロック構造物2
を安定させるために、溝6の底面よりも広く、左右に延
出した状態となっているとともに、凹部2aの断面形状
が逆台形状となっているが、ブロック構造物2及び凹部
2aの形状は特にに限定されるものではなく、溝6を形
成可能な形状ならばどのような形状でもよく、例えば、
断面形状を図5(A)に示すU字状のブロック構造物1
3としたり、図5(B)に示すV字状のブロック構造物
14としたり、図5(C)に示す凹字状のブロック構造
物15としたり、図5(D)に示すお椀状のブロック構
造物16としたりしても良い。
【0043】また、上記第一、第二及び第三実施例にお
いては、水底溝状構築物1、1a、1bの溝6内に堆積
した堆積物を水中サンドポンプ9で吸い上げるものした
が、堆積物を吸い上げるのに用いられるポンプは水中サ
ンドポンプ9に限られるものではない。また、溝6内の
堆積物を回収する方法は、ポンプによる吸い上げに限ら
れるものではない。
【0044】
【発明の効果】上記請求項1記載の水底溝状構築物によ
れば、溝を構築すべき水底が軟弱な状態であっても法面
が崩れることがない溝を構築することができるととも
に、溝内に土砂が流入して堆積してもポンプにより吸い
上げる等の容易な処理により、溝を復旧することができ
る。
【0045】従って、上記水底溝状構築物を用いて水底
に溝を構築することにより、低い維持管理費で水底に形
成された溝を維持することができる。上記請求項2記載
の水底溝状構築物によれば、上記水底溝状構築物により
構築された溝を閉鎖海域と外海との海水の交換を促すミ
オ筋として用いることができる。
【0046】そして、上述のように水底溝状構築物によ
り構築された溝は、低い維持管理費で維持することがで
きるので、水底溝状構築物により構成されるミオ筋の維
持管理も低コストで行うことができる。従って、低いコ
ストで閉鎖海域と外海との海水の交換を促して、閉鎖海
域内の水質を維持することができる。
【0047】上記請求項2記載の水底溝状構築物によれ
ば、上記水底溝状構築物により構築された溝を水域内を
漂う浮泥等の回収に利用することができる。すなわち、
上記水底溝状構築物を水底の浮泥等が滞留しやすい部分
に設置することにより、浮泥等を水底溝状構築物による
溝内に堆積させて、他に流出しないようにさせることが
できるとともに、水底溝状構築物による溝内に堆積させ
た浮泥等の固形物をポンプ等により容易に回収できるの
で、上記水域内に漂う浮泥等の固形物を順次除去するこ
とができる。従って、浮泥等の固形物が順次上記水域内
に堆積していき、上記水域の水深が浅くなるのを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の水底溝状構築物を示す斜
視断面図である。
【図2】上記第一実施例の水底溝状構築物により構成さ
れるミオ筋を示す平面図である。
【図3】本発明の第二実施例の水底溝状構築物を示す斜
視断面図である。
【図4】本発明の第三実施例の水底溝状構築物を示す断
面図である。
【図5】上記各実施例とは異なる本発明の水底溝状構築
物を構成するブロック構造物を示す断面図である。
【符号の説明】 1 水底溝状構築物 1a 水底溝状構築物 1b 水底溝状構築物 2 ブロック構造物 2a 凹部 8 岸壁(岸) B 水底
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 俊昭 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 東洋建設株式会社内 (72)発明者 遠藤 正男 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 東洋建設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後の両端面に開口する凹部が上面に形
    成された複数のブロック構造物が、少なくとも該ブロッ
    ク構造物の上面が水中に露出した状態で水底に埋設さ
    れ、かつ、上記端面同士が互いに当接されることにより
    上記各ブロック構造物の凹部が連続する溝となるように
    上記ブロック構造物が連接されてなることを特徴とする
    水底溝状構築物。
  2. 【請求項2】 ほぼ閉鎖された海域において、上記ブロ
    ック構造物の凹部の底面における水深が上記ブロック構
    造物周囲の海底の水深よりも深くなるように、上記凹部
    が形成されるとともに上記ブロック構造物が海底に埋設
    され、かつ、上記海域の水の流れに対応して上記ブロッ
    ク構造物が連接されてなることを特徴とする請求項1記
    載の水底溝状構築物。
  3. 【請求項3】 任意の水域の岸の近傍の水底で、かつ、
    上記水域における水の流れにより浮泥等の固形物が流さ
    れて滞留する部分に上記ブロック構造物が連接されてな
    ることを特徴とする請求項1記載の水底溝状構築物。
JP16103295A 1995-06-27 1995-06-27 水底溝状構築物 Pending JPH0913341A (ja)

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JP16103295A JPH0913341A (ja) 1995-06-27 1995-06-27 水底溝状構築物

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