JPH0913273A - 形態安定性に優れた獣毛繊維製品およびその製造方法 - Google Patents

形態安定性に優れた獣毛繊維製品およびその製造方法

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JPH0913273A
JPH0913273A JP7162372A JP16237295A JPH0913273A JP H0913273 A JPH0913273 A JP H0913273A JP 7162372 A JP7162372 A JP 7162372A JP 16237295 A JP16237295 A JP 16237295A JP H0913273 A JPH0913273 A JP H0913273A
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JP
Japan
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animal hair
molecular weight
hair fiber
protein
weight
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Pending
Application number
JP7162372A
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English (en)
Inventor
Susumu Nishiguchi
進 西口
Haruo Asai
治夫 浅井
Hisashi Uhara
寿 鵜原
Joichi Koga
城一 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 形態安定性に優れた獣毛繊維製品及びその製
造方法を提供する。 【構成】 分子量が2万以下でシステイン含有率が2重
量%以上である低分子量蛋白質が獣毛繊維内部に獣毛繊
維重量に対して0.1〜200重量%付与せしめられた
形態安定性に優れた獣毛繊維製品及び前記低分子量蛋白
質を獣毛繊維内部に吸尽させる形態安定性に優れた獣毛
繊維製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、羊毛、モヘアなどの獣
毛繊維製品の防皺性やプリーツ保持性等を向上せしめた
形態安定性に優れた獣毛繊維製品およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】羊毛、モヘアなどの獣毛は古くから衣料
用繊維素材として広く用いられてきた。最近、蛋白繊維
にコラーゲン、フィブロイン、羊毛ケラチンの水溶化物
を吸着させることにより形態安定性を付与する加工方法
がいくつか提案されている(特公平1−16952号公
報、特開昭63−249780号公報、北野ら;テキス
タイル&ファッション, 9, 254 (1992) など)。また、
一般に高分子量の蛋白質は繊維内部に吸尽させることは
できず、通常1〜2万以下にまで加水分解したものが用
いられる。しかし、上記加工方法はいずれのものも形態
安定性は十分とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は防皺性
およびプリーツ保持性等を向上させた形態安定性に優れ
た獣毛繊維製品およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意研究した結果、分子量が2万以下
でシステイン含有率が2重量%以上である低分子量蛋白
質を獣毛繊維製品に吸尽結合させることにより上記問題
点が解決できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。即ち、分子量が2万以下でシステイン含有率が2
重量%以上である低分子量蛋白質が獣毛繊維内部に獣毛
繊維重量に対して0.1〜200重量%付与せしめられ
た形態安定性に優れた獣毛繊維製品および分子量が2万
以下でシステイン含有率が2重量%以上である低分子量
蛋白質の溶液に獣毛繊維製品を浸漬し、前記低分子量蛋
白質を繊維内部に吸尽させた後、獣毛繊維と結合させる
ことを特徴とする形態安定性に優れた獣毛繊維の製造方
法である。
【0005】本発明に用いられる獣毛繊維製品は特に限
定されないが、獣毛の種類は、例えば羊毛、モヘア、ア
ンゴラ、カシミア、アルパカなどが挙げられる。また、
この繊維製品の形態についても特に限定はされず、単繊
維状、ワタ状、糸状、織物、編物、不織布などの布帛状
などいずれの形態でもよい。
【0006】本発明に用いられる低分子量蛋白質は分子
量が2万以下でシステイン含有率が2重量%以上である
低分子量蛋白質であれば、特に制限はなく、通常システ
イン含有率が2重量%以上の蛋白質を動物組織、植物組
織あるいは微生物より抽出し、必要に応じて得られた蛋
白質を加水分解することにより得られる。低分子量蛋白
質の分子量の下限は好ましくは、1000であり、10
00未満では形態安定化効果が低下する傾向があり、2
万を越えると獣毛繊維にほとんど吸尽されなくなる。こ
のような低分子量蛋白質としては羽毛ケラチンが好適で
ある。以下、羽毛ケラチンを用いた場合を例に詳しく説
明する。
【0007】羽毛ケラチンは、鶏、水鳥などの羽毛から
ケラチン蛋白を抽出したものであれば何でもよく、羽毛
からのケラチンの抽出方法については例えば吉川らや河
野らの方法に従って抽出することができる(吉川ら;皮
革化学, 12, 117 (1966)、河野ら;農化, 48, 7 (197
4)、農化, 49, 513 (1975))。また、羽毛から抽出され
たケラチンは分子量が7000程度と小さく、システイ
ン含有率も約2〜4重量%と高い。コラーゲン、フィブ
ロイン、羊毛ケラチンなどと比較して、システイン含量
が極めて高く、獣毛繊維とより多くの架橋可能部位を有
しており、そのためにより優れた防皺性あるいはセット
性を付与できるものと考えられる。羽毛ケラチン溶液は
通常水溶液であるが、場合によりこれに酸、アルカリあ
るいはこれらの塩類を加えて、溶液のpHを調整しても
よい。溶液のpHは通常2〜10、好ましくは3〜8に
調整される。さらに、繊維への浸透性を向上させるため
に界面活性剤あるいは低級アルコールなどの有機溶媒を
羽毛ケラチン溶液に加えることもできる。羽毛ケラチン
の濃度は特に限定されないが、通常0.1〜200ow
f%、好ましくは1〜100owf%である。また、浴
比も特に限定されないが、通常1:1〜1:500、好
ましくは1:10〜1:300である。浸漬時間は特に
限定されないが、通常3分〜24時間、好ましくは10
分〜5時間である。浸漬温度は特に限定されないが、通
常0〜80℃、好ましくは20〜60℃である。
【0008】獣毛繊維内部に吸尽させた低分子量蛋白質
を獣毛繊維と結合させる方法は特に限定されないが、例
えば加熱乾燥させることにより水素結合を介して結合さ
せる方法、空気酸化あるいは適当な酸化剤で酸化するこ
とによりジスルフィド結合を介して結合させる方法など
を用いることができる。
【0009】本発明で得られた獣毛繊維製品をプリーツ
セットする方法は特に限定されないが、例えばホフマン
プレスなどのようなスチームプレス法などにより行うこ
とができる。
【0010】
【実施例】次に実施例を挙げて詳しく説明するが、ここ
に挙げた実施例は一例であって、本発明はこれに限定さ
れるものではない。 参考例1 脱脂羽毛の調製 粉砕された鶏の羽毛250gをフラスコにとり、これに
12倍量のn−ヘプタンを加え、85℃で4時間ゆっく
り撹拌し、さらに室温で18時間撹拌することにより脂
肪分を抽出除去した。脱脂した羽毛を濾別し、適当量の
アセトン、メタノールで洗浄した後、真空乾燥すること
により脱脂羽毛240gを得た。
【0011】参考例2 羽毛ケラチン溶液の調製 参考例1で得た脱脂羽毛100gをフラスコにとり、こ
れに1%ドデシル硫酸ナトリウム溶液2000ml、2
−メルカプトエタノール20mlを加え、50℃で2時
間撹拌し、濾過することにより、羽毛ケラチン溶液18
00mlを得た。得られた羽毛ケラチンの分子量をSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(Laemml
i法)で既存の分子量マーカーとの泳動距離との比較に
より測定したところ、7000〜3500であった。ま
た、蛋白質濃度を280nmにおける吸収で測定したと
ころ(A280 =1.0のとき1mg/mlで換算)、1
1mg/mlであった。また、得られた羽毛ケラチン中
のシステイン含有率は約3.4重量%であった。
【0012】参考例3 羊毛ケラチン溶液の調製 羽毛のかわりに羊毛を用いて、参考例1と同様に脱脂羊
毛を得、得られた脱脂羊毛を用いて参考例2と同様に羊
毛ケラチン溶液1800mlを得た。これにトヨチーム
NEP(東洋紡績社製)を1.8g加え、50℃で5時
間加水分解し、90℃で30分間処理することにより酵
素を失活させた。得られた溶液を透析チューブ(分画分
子量3500)を用いて透析することにより、獣毛繊維
加工用羊毛ケラチン溶液1850mlを得た。参考例2
と同様に分子量を測定したところ、13000〜350
0であり、蛋白質濃度は6mg/mlであった。また、
得られた羊毛ケラチン中のシステイン含有率は約0.9
重量%であった。
【0013】実施例1 1.羽毛ケラチン溶液による毛織物の加工 参考例2で得た羽毛ケラチン溶液を0.11%ドデシル
硫酸ナトリウム溶液で10倍希釈したもの500mlに
100%の羊毛繊維よりなる平織物(双糸2/62、経
密度59.2本/インチ、緯密度54.1本/インチ、
目付146g/m2 )を25℃で10分間浸漬した。浸
漬後、平織物をパディングし(絞り率60%)、80℃
で30分間熱風乾燥した。乾燥後流水で30分間洗浄
し、再度80℃で30分間熱風乾燥した。
【0014】2.羽毛ケラチン加工毛織物の防皺性評価
(モンサント型開角度試験) 前記の1で得た毛織物の防皺性の評価をIWS法に準じ
て行った。まず、毛織物の調湿を20℃、湿度90%R
Hの環境下で18時間以上で行ない、皺付けは同一環境
下で2つ折りにした上に470g/cm2 の荷重を90
分間かけた。その後20℃、湿度65%RHの環境下で
荷重をはずし、30分間後の開角度をモンサント型開角
度試験機を用いて測定した。また、加工前の毛織物につ
いても同様に評価した。結果は表1に示した。本発明の
加工毛織物は開角度が大きくなり、防皺性の向上が認め
られる。
【0015】3.羽毛ケラチン加工毛織物のプリーツ形
成およびプリーツ保持性 前記の1で得た毛織物を2つ折りにしてホフマンプレス
機で30秒間プリーツ形成を行った(加熱板温度115
℃、プレス圧0.28kg/cm2 )。得られたプリー
ツ形成毛織物についてJIS L1060 A−1法に
基づきプリーツ耐久性を評価した。加工前の毛織物につ
いても同様に評価した。結果は表1に示した。本発明の
加工毛織物はプリーツの開角度が小さく、プリーツ保持
性の向上が認められる。
【0016】比較例1 参考例3で得た羊毛ケラチン溶液を脱塩水で5倍希釈し
たものを用いて実施例1と同様に羊毛平織物を加工し、
実施例1と同様の方法で評価した。結果は表1に示し
た。
【0017】比較例2 1.毛織物のシロセット加工 シロセット加工液(MEAS加工剤)を2.0kg/c
2 の圧縮空気を利用してハンドスプレーガンにより、
実施例1で用いた羊毛平織物の両面に60%owfの付
着量になるように噴霧した。加工液が付着した毛織物を
ホフマンプレス機で実施例1と同様の方法でプリーツ形
成を行ない、シロセット加工を実施した。このシロセッ
ト加工毛織物を実施例1と同様の方法で評価した。結果
は表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明における低分子量蛋白質は分子量
が2万以下であるため獣毛繊維内部に吸尽され、かつシ
ステイン含有率が2重量%以上であるため、セット効果
が発揮され易く、形態安定性、例えば防皺性やプリーツ
保持性が向上した獣毛繊維製品を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が2万以下でシステイン含有率が
    2重量%以上である低分子量蛋白質が獣毛繊維内部に獣
    毛繊維重量に対して0.1〜200重量%付与せしめら
    れた形態安定性に優れた獣毛繊維製品。
  2. 【請求項2】 分子量が2万以下でシステイン含有率が
    2重量%以上である低分子量蛋白質の溶液に獣毛繊維製
    品を浸漬し、前記低分子量蛋白質を繊維内部に吸尽させ
    た後、獣毛繊維と結合させることを特徴とする形態安定
    性に優れた獣毛繊維の製造方法。
JP7162372A 1995-06-28 1995-06-28 形態安定性に優れた獣毛繊維製品およびその製造方法 Pending JPH0913273A (ja)

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JP (1) JPH0913273A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2286017A4 (en) * 2009-12-14 2013-09-04 Aditya Birla Nuvo Ltd COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING WRINKLE WOOL CLOTHES
JP2021161584A (ja) * 2020-04-03 2021-10-11 西川株式会社 獣毛製品製造方法

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