JPH09131855A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JPH09131855A
JPH09131855A JP7294457A JP29445795A JPH09131855A JP H09131855 A JPH09131855 A JP H09131855A JP 7294457 A JP7294457 A JP 7294457A JP 29445795 A JP29445795 A JP 29445795A JP H09131855 A JPH09131855 A JP H09131855A
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Takumi Yoshida
巧 吉田
Takashi Yagi
隆 八木
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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  • Supply, Installation And Extraction Of Printed Sheets Or Plates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1台のレーザー製版装置により製版が行え、製
版された印刷版を用いて印刷ができるデジタル印刷機を
提供すること。 【解決手段】印刷機構に加えて、製版機構を設ける。製
版機構は、製版胴50と、製版胴50の周囲に配置され
た版材カセット12、レーザー製版装置13、現像装置
14および定着装置15を備えた構成にする。製版時に
は、版材カセット12から版材を取り出し、製版胴50
の周面にセットする。そして版材にレーザー製版装置1
3で印刷色に対応した画像を記録し、画像を現像装置1
4で現像し、定着装置15で定着する。画像が記録され
た印刷版は、版渡し装置46により製版胴50から圧胴
11へ送り、さらにブランケット胴16を介して各版胴
17へ搬送する。 【効果】1つのレーザー製版装置により製版が行える。
また、印刷機構で印刷を行いつつ、製版胴50を含む製
版機構により、並行して製版を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製版機構および
印刷機構が一体化された印刷装置に関する。かかる印刷
装置は、一般に、デジタル印刷機と称されており、製版
と印刷とが同じ機械にて行えるものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル印刷機が登場する前の印刷技術
では、製版装置と印刷装置とはそれぞれ別の装置であっ
た。たとえば、旧来のものでは、製版は、画像の入った
フィルム(白黒2値)と印刷版とを密着させて露光する
方式が採用されていた。これにより、フィルムの透明部
分を透過した光が印刷版の感光層を化学変化させて画像
が記録される。この方式は密着露光方式と呼ばれてい
る。また、製版された上記の印刷版を人手で印刷機にセ
ットし、印刷が行なわれていた。
【0003】それが最近では、製版においては、レーザ
ー等で印刷版を走査露光して画像を形成するようになっ
た。つまり、デジタルデータによる印刷版の作成が可能
になった。この方式は、「コンピュータTOプレート」
方式と通常称されている。また、製版された印刷版を印
刷機に自動的にセットし、印刷を行えるようになった。
【0004】そして、最も新しい技術として、製版装置
と印刷装置とを統合した装置、すなわちデジタル印刷機
が実現され、製版と印刷とが同じ機械にて行われるよう
になった。デジタル印刷機では、一般に、DTP等で作
成された画像データ(デジタルデータ)をもとに、レー
ザー走査露光等を用いて印刷版が作成され、これをもと
にして印刷が行なわれる。したがって、前述のように、
製版(印刷版の作成)の機械と印刷の機械とが個別に別
れてはいない。なお、印刷版の種類や印刷方式(イン
キ、トナーの違い等)等には種々のものが考えられる。
【0005】デジタル印刷機の先行技術の1つに、ハイ
デルベルグPMT株式会社のクイックマスターDI46
−4がある。このデジタル印刷機は、ポリエステルベー
スの水なし平版印刷版を用い、インキを用いて印刷を行
う。図1に、先行技術にかかるデジタル印刷機の機構図
を示す。この装置には、圧胴1を中心にして、ブランケ
ット胴2と版胴3とインキ供給装置4とレーザー製版装
置5とが、サテライト状に、それぞれ4組ずつ備えられ
ている。4組は、それぞれ、黒,シアン,マゼンタおよ
びイエローの色の製版および印刷に使用される。この装
置の概略の動きは次のとおりである。
【0006】まず、各版胴3内にロール状に備えられた
版材(未露光の印刷版,図示せず)を版胴3の周面に巻
き出す。これに各レーザー製版装置5から出力されるレ
ーザー光で画像を形成し、印刷版を作成する。印刷版
は、上記4色の各色に対応したものが作成される(製版
工程)。次に、この各印刷版上に、各インキ供給装置4
からインキを供給する。供給されたインキは形成された
画像に対応して印刷版に載る。そして、印刷版上のイン
キはブランケット胴2に転写される。一方、給紙装置6
から供給される印刷用紙が圧胴1に保持される。そして
圧胴1上の印刷用紙は、圧胴1の周囲にサテライト状に
配置された各ブランケット胴2に接触して、各ブランケ
ット胴2のインキ、つまり4色のインキが順次重なるよ
うに転写される。これにより、カラー印刷が達成される
(印刷工程)。
【0007】なお、通常のオフセット印刷では、印刷版
上にはまず湿し水が供給され、次いでインキが供給され
るのであるが、この装置では、湿し水が不要な水なし平
版を用いているので、インキのみが供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のデジタ
ル印刷機は、版材が個々の版胴3上で製版される構造で
ある。それゆえ、各版胴3の近傍に、それぞれレーザー
製版装置5を配置しなければならない。また、各版胴3
内に版材を収容する版材カセットを設けなければならな
い。
【0009】このため、レーザー製版ユニット5および
版材カセットが、それぞれ4つ必要であり、部品点数が
多いという問題がある。特に、レーザー製版装置5は高
価であり、装置全体の価格が高くなる。そこでこの発明
の主たる目的は、構成部品が少なく、構造の簡単なデジ
タル印刷機を提供することである。
【0010】この発明の他の目的は、1台のレーザー製
版装置により実現されたデジタル印刷機を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、ある局面か
ら見ると、画像データに基づいて印刷版上に画像を形成
し、次にこの印刷版を用いて印刷用紙上に印刷を施す、
製版機構および印刷機構が一体化された印刷装置であっ
て、印刷時に印刷版を保持するための円筒状の版胴、前
記版胴に保持された印刷版に対して所定のインキを供給
するインキ供給手段、前記版胴に接して回転し、印刷版
からインキが転写される円筒状のブランケット胴、およ
び前記ブランケット胴に接して回転し、その周面を用い
て印刷用紙を搬送しつつ、ブランケット胴上のインキを
印刷用紙に転写させる円筒状の圧胴を有し、さらに、製
版時に画像の書込まれていない印刷版を支持するための
支持手段、前記支持手段によって支持された印刷版に対
して印刷色に対応した画像の記録を行う1つの製版手
段、および前記製版手段により画像が記録された印刷版
を、前記支持手段から版胴へと搬送する版搬送手段、を
含むことを特徴とするものである。
【0012】上述の構成によれば、印刷版に画像データ
に基づいた画像を形成する製版工程は、支持手段により
支持された印刷版に対して、1つの製版手段によって行
うことができる。製版手段としては、たとえば、レーザ
ー製版装置を用いることができるが、1つのレーザー製
版装置によって、複数の印刷版に対して画像の記録を行
うことができる。したがって製版機構を1つの製版手段
を用いるだけで構成することができ、装置全体の構成の
簡略化が図れる。
【0013】この発明は、他の局面から見ると、上述の
印刷装置において、前記支持手段は、周面に印刷版を保
持する円筒状の製版胴を含むことを特徴とするものであ
る。上述の構成によれば、支持手段を印刷機構から分離
した製版胴により構成できるので、印刷工程を実行しな
がら、印刷工程と並行して、製版胴上で製版処理を行う
ことができる。
【0014】この発明は、他の局面から見ると、上述の
印刷装置において、前記支持手段は、予め定める搬送路
に沿って印刷版を搬送するための搬送手段を含むことを
特徴とするものである。上述の構成によれば、支持手段
が搬送路を含む構成であるから、支持手段および製版手
段を1つのユニットとして構成することができ、製版機
構の製作や組み込みが容易になる。また、この構成によ
っても搬送路長を長くすることにより、搬送路上で複数
の印刷版を支持することができるから、印刷工程と並行
して製版工程を行えるようにできる。
【0015】この発明は、さらに他の局面から見ると、
上述の印刷装置において、前記支持手段は、同時に複数
枚の印刷版を支持可能であることを特徴とするものであ
る。上述のように構成することにより、カラー印刷に必
要な複数の印刷版を同時に作成することができる。この
発明は、さらに他の局面から見ると、上述の印刷装置に
おいて、前記版搬送手段は、支持手段から圧胴を介して
版胴へと印刷版を搬送することを特徴とするものであ
る。
【0016】この発明は、さらに他の局面から見ると、
上述の印刷装置において、前記版搬送手段は、支持手段
から直接版胴へと印刷版を搬送することを特徴とするも
のである。この発明は、さらに他の局面から見ると、上
述の印刷装置において、前記版搬送手段は、支持手段に
支持された印刷版の先端を吸引し、吸引した印刷版の先
端を受け渡し先へと導く吸引案内手段を含むことを特徴
とするものである。
【0017】上述の各構成によれば、必要に応じて版搬
送手段の構成を変えることができる。また、先端を吸引
して版を受け渡すことにより、版の受け渡しが確実に行
える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の実施形態について詳細に説明をする。平版印刷
(オフセット印刷)では、平らな版面上に、印刷すべき
画線部に対応した親油性部分と、非画線部に対応した親
水性部分とを形成する。そして親水性の非画線部を湿し
水で濡らし、画線部に対応した親油性部分にインキが盛
られる。このときインキと湿し水とは、水と油の反発作
用で混じることはなく、インキは非画線部分には付着し
ない。平版上に載せられたインキは、表面がゴム等で形
成されたブランケット胴に移され、ブランケット胴から
紙へと転移されて、印刷が行われる。
【0019】平版は、たとえば銀塩等の感光層に印刷す
る画線に対応した光を当てたのち、感光層を現像・定着
することにより作成する。かかる製版の工程と、製版さ
れた印刷版を用いて行う印刷の工程とが、この実施形態
にかかるデジタル印刷機によって行われる。図2は、こ
の発明の一実施形態にかかるデジタル印刷機10の概要
図である。デジタル印刷機10には、圧胴11が備えら
れている。圧胴11は、紙面に垂直方向に長手の円筒状
をしている。そしてその周面は、円周方向にたとえば4
つに区画されており、各周面領域においてそれぞれ印刷
用紙が保持され得る。そのために、圧胴11の4つの区
画された周面領域には、それぞれ、くわえ爪31(構成
については後に詳述する。)が備えられている。
【0020】圧胴11のほぼ上半分側の周囲には、ブラ
ンケット胴16、版胴17、湿し水供給装置18および
インキ供給装置19を有する4組の印刷用ユニットが配
置されている。4組の印刷用ユニットは、それぞれ、圧
胴11の回転方向(矢印20で示す方向)に沿って、黒
(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー
(Y)の色の印刷に使用される。
【0021】各ブランケット胴16および版胴17も、
紙面に垂直方向に長手の円筒状をしている。各ブランケ
ット胴16は、圧胴11の周面に接するように配置され
ている。各版胴17は、対応するブランケット胴16の
周面に接するように、かつ圧胴11の周面に近接する位
置に配置されている。湿し水供給装置18は、水容器2
1および水容器21の水を版胴17に供給する多数の水
ローラー22を備える。インキ供給装置19は、インキ
壺装置23およびインキ壺装置23のインキを版胴17
へ導く多数のインキローラー24を備える。水ローラー
22およびインキローラー24も、紙面に垂直方向に長
手の円筒状または円柱状である。インキ壺装置23のイ
ンキは、多数のインキローラー24によって、1つの経
路ではなく、複数の経路から版胴17へ供給される。こ
のように多数のインキローラー24によって複数の経路
からインキを供給することにより、連続印刷時に、版胴
17の軸方向(紙面に垂直方向)にむらなくかつ途切れ
ることなくインキを供給できる。
【0022】なお、版胴17の回転方向に対して、水ロ
ーラー22は相対的に上流側、インキローラー24は相
対的に下流側に接している。したがって、版胴17に保
持された版は、まず、湿し水で非画線部が湿らされ、そ
の後画線部にインキが供給される。圧胴11の下側に
は、圧胴11の下側周面に対向するように、製版胴50
が備えられている。圧胴11の周面と製版胴50の周面
とは、直接接しないように、間隔がわずかにあけられて
いる。製版胴50も、紙面に垂直方向に長手の円筒状を
している。そしてその周面は、円周方向にたとえば3つ
の領域に区画されており、各周面領域においてそれぞれ
印刷版が保持され得る。そのために、版胴50の3つの
区画された周面領域には、それぞれ、くわえ爪31(構
成については後に説明する。)が備えられている。
【0023】製版胴50の周囲には、製版胴50の周面
に対向するように、版材カセット12、レーザー製版装
置13、現像装置14および定着装置15が配置されて
いる。これら各装置の構成および動作については、後に
説明する。さらに、製版胴50と圧胴11とに関連し
て、版受け渡し装置46が備えられている。版受け渡し
装置46は、後述するように、製版胴50上で作成され
た印刷版を受け取り、圧胴11へ渡す装置である。圧胴
11へ渡された印刷版は、後述するように、版胴17へ
送られて、版胴17に装着される。
【0024】デジタル印刷機10には、さらに、印刷用
紙が収容される給紙部25、給紙部25から送り出され
る用紙を圧胴11へ搬送するためのロード装置26、圧
胴11により送られてくる印刷終了後の刷版または印刷
済用紙を搬送するためのアンロード装置27、アンロー
ド装置27から印刷版を受け取る排版部28およびアン
ロード装置27から用紙を受け取る排紙部29が備えら
れている。
【0025】図3は、圧胴11および製版胴50に備え
られているくわえ爪31の構成例を示す図解図である。
図3においては、圧胴11または製版胴50の直径に対
してくわえ爪31に関する構成が拡大して示されてい
る。また、圧胴11には、実際には区画された4つの領
域にそれぞれくわえ爪31が備えられ、製版胴50に
は、区画された3つの領域にそれぞれくわえ爪31が備
えられているが、図3では、くわえ爪31は、1つだけ
が示されている。
【0026】圧胴11(または製版胴50)の周面に
は、圧胴11(または製版胴50)の軸線方向に延びる
凹溝32が形成されている。凹溝32内には、支軸33
を中心に揺動自在にくわえ爪31が設けられている。く
わえ爪31は、図3(A)に示す閉状態と、図3(B)
に示す開状態とに変位する。そして開状態のとき、印刷
版等の先端が、開いたくわえ爪31と圧胴11(または
製版胴50)の周面との間に挿入される。そしてくわえ
爪31が閉状態では、くわえ爪31の爪先31aと圧胴
11(または製版胴50)の周面との間で、印刷版等が
挟持される。なお、圧胴11においては、くわえ爪31
は、圧胴11上の印刷版の挟持および印刷用紙の挟持に
兼用される。
【0027】くわえ爪31は、たとえば圧胴11(また
は製版胴50)内に備えられたソレノイド34によって
揺動される。たとえばソレノイド34がオフ状態では、
図示しないばねによりくわえ爪31は閉状態にされる。
そしてソレノイド34がオンすると、くわえ爪31は開
状態にされる。くわえ爪31を開閉する機構は、ソレノ
イド34に代えて、カム,モーター等の他の部材で行う
こともできる。
【0028】図3(C)は、圧胴11(または製版胴5
0)の軸長方向に直交方向から見たくわえ爪31の概要
図である。くわえ爪31は、(C)に示すように、長さ
方向に所定間隔で切欠35が形成されている。切欠35
の形成されていない部分がくわえ爪31の爪先31aと
なっている。切欠35は、くわえ爪31が挟持している
印刷版の先端を、製版胴50から版受け渡し装置46を
介して圧胴11へ渡す際、または、圧胴11から版胴1
7やアンロード装置27に受け渡す際に、受け渡し側に
設けられた爪等がぶつからないようにするためのもので
ある。
【0029】図4は、製版時における製版胴50、版材
カセット12、レーザー製版装置13、現像装置14お
よび定着装置15の動作および機能を説明するための図
である。版材カセット12内には、ロール状に巻かれた
版材(未記録印刷版)36が収容されている。この実施
形態では、版材36は、銀塩感光層を備えた樹脂シート
によって形成されている。版材カセット12に収容され
た版材36は、版材カセット12に備えられた複数個の
ローラー37により引き出される。そして版材36の先
端は製版胴50に設けられたくわえ爪31で挟持される
(図4(A)参照)。そしてそのまま製版胴50が矢印
76方向に回転されると、版材36は製版胴50の周面
に沿って巻かれる。版材36の繰り出し長さが所定の長
さになると、版材カセット12に備えられたカッター3
8が作動される。これにより、版材36が切断されて印
刷版30となる。印刷版30の後端側は製版胴50に備
えられた図示しない吸着機構により吸着保持される。
【0030】版材36が繰り出され、製版胴50の周面
に所定枚数(図4の装置では1ないし3枚)の印刷版3
0が保持された後、印刷版30に対してレーザー製版装
置13により画像が記録される(図4(B)参照)。そ
して画像が記録された印刷版30は、現像装置14によ
って現像され、また、定着装置15によって形成された
画像が定着される(図4(B)参照)。
【0031】なお、製版胴50の周面に所定枚数の印刷
版30が保持された後に、レーザー製版装置13により
画像が記録されるようにするのに代えて、製版胴50の
周面に版材36が保持される動作に連動して、保持され
る版材36または保持完了後の印刷版30に対して、直
ちにレーザー製版装置13により画像が記録されるよう
な構成としてもよい。
【0032】現像装置14では、図4(C)に示すよう
に、タンク39内の現像液がローラー40により汲み上
げられて印刷版30に塗布される。同様に、定着装置1
5では、図4(D)に示すように、タンク47内の定着
液がローラー48により汲み上げられて印刷版30に塗
布される。これにより定着が行われる。現像装置14お
よび定着装置15は、製版胴50の周面に対して、接触
状態と、非接触状態とに変位可能にされている。そして
現像および定着を行う場合に、現像および定着すべき印
刷版30が現像装置14および定着装置15に達する直
前に、現像装置14および定着装置15は、それぞれ、
製版胴50の周面に接触される。また、現像および定着
が終わった後は、現像装置14および定着装置15は、
製版胴50の周面から非接触状態に戻される。
【0033】なお、現像液または定着液の供給,排出,
補充,温度調整等については、この発明の特徴ではな
く、また公知技術であるから、その説明については省略
する。この実施形態では、前述したように、製版胴50
の周面領域は3つの領域に区画されており、各領域にお
いて印刷版30を保持することができる。それゆえこの
実施形態では、連続して3枚の印刷版30を作成するこ
とができる。
【0034】製版胴50上での画像の記録,現像および
定着が完了した印刷版30は、後述するように、製版胴
50から圧胴11へ受け渡される。印刷版30が圧胴1
1へ受け渡されると、製版胴50の周面領域に空き領域
ができるので、その領域を用いてさらに引き続き製版を
行うことができる。なお、カラー印刷には、通常、4
色、すなわち黒,シアン,マゼンタおよびイエローの印
刷のために、4枚の印刷版30が必要である。
【0035】図5は、製版時に印刷版30を露光するレ
ーザー製版装置13の構成例を示す図である。この実施
形態で用いられているレーザー製版装置13は、レーザ
ー光を主走査方向に走査することにより印刷版30に画
像を形成するものである。図5を参照して説明すると、
レーザー製版装置13には、半導体レーザー41と、半
導体レーザー41から照射される光を誘導し所定の状態
に集束させるためのレンズ群42と、レンズ群42を通
して与えられる光を主走査方向に1ラインずつ走査する
ためのポリゴンミラー43とが備えられている。ポリゴ
ンミラー43は、回転軸44を中心に一定速度で回転さ
れる正多面体で、その側面が鏡面となっている。そして
各側面で反射される光は、画像の1ラインを形成する走
査光となる。ポリゴンミラー43で反射される走査光は
レンズ群45を介して製版胴50周面に保持された印刷
版(図示せず)を露光する。
【0036】このようなレーザー製版装置13の構成
は、既に公知であり、詳細な説明については省略する。
図6は、製版胴50から圧胴11への印刷版30の受け
渡しの仕方を説明するための図である。図6に示すよう
に、製版胴50から圧胴11への印刷版30の受け渡し
は、版受け渡し装置46によって行われる。
【0037】版受け渡し装置46は、圧胴11と製版胴
50との対向位置近傍に配置されている。版受け渡し装
置46は、支軸66を中心に回動可能な枠体67を備え
ている。枠体67には吸引パイプ68が取り付けられて
いる。吸引パイプ68は、図6(A)に示すように、枠
体67に対して回動可能に取り付けられている。また、
吸引パイプ68は、その長さ(パイプ長)が伸縮可能に
されている。それゆえ、吸引パイプ68は、枠体67か
ら突出しない状態と、枠体67から突出して、その先端
の吸引口部69が製版胴50の周面または圧胴11の周
面に接し得る状態になることができる。吸引パイプ68
には、図示しないが、配管を通して真空ポンプ装置等が
接続されている。それゆえ吸引パイプ68は、先端の吸
引口部69から空気を吸い込むことができ、吸引口部6
9により印刷版30を吸着保持することができる(図6
(B)参照)。
【0038】製版胴50周面に保持された印刷版(画像
が記録されて現像および定着の終了した印刷版)30の
先端が、たとえば図6(A)の位置になったときに、製
版胴50の回転が一時停止される。製版胴50と圧胴1
1とが同期して回転されている場合には、製版胴50の
回転停止に伴い、圧胴11の回転も停止される。その状
態で、版受け渡し装置56が動作されて、図6(A)に
示すように、吸引パイプ68が回動されて延ばされ、そ
の吸引口部69により製版胴50周面上の印刷版30が
吸引される。これとほぼ同時に、印刷版30の先端を挟
んでいたくわえ爪31が閉状態から開状態に開かれる。
【0039】次に、版受け渡し装置46は、図6(B)
に矢印70で示すように、枠体67が支軸66を中心に
時計方向に回動される。このとき同時に、製版胴50お
よび圧胴11も矢印76および矢印20方向に回転され
る。製版胴50の回転は、版受け渡し装置46が矢印7
0方向に回動して印刷版30を搬送するのを助ける。版
受け渡し装置46が矢印70方向へ回動することによ
り、図6(B)に示すように、吸引パイプ68の吸引口
部69で吸引保持された印刷版30の先端が圧胴11に
備えられたくわえ爪31の下方に進入する。この状態
で、必要があれば圧胴11および製版胴50の回転が一
時停止される(なお、機構的には、一時停止を省略する
ことも可能である。)。そして圧胴11に備えられたく
わえ爪31が閉じて、印刷版30の先端は圧胴11のく
わえ爪31により保持される。圧胴11のくわえ爪31
により印刷版30の先端が保持された後、吸引パイプ6
8による吸引が解除される。そして吸引パイプ68は枠
体67内に引っ込められる。
【0040】その後、印刷版30の先端を保持した圧胴
11が矢印20方向に回転され、それに連動して製版胴
50が矢印76方向へ回転される。これにより、印刷版
30は製版胴50から圧胴11へと受け渡される。図7
は、製版胴50から圧胴11へ受け渡された印刷版30
を、さらに圧胴11から版胴17へ搬送する手順を示す
図解的な図である。
【0041】図7(A)に概略的に示すように、圧胴1
1上の印刷版30は、ブランケット胴16を経由して版
胴17へ搬送され、版胴17周面に巻き付けられて保持
される。ブランケット胴16の周囲長は、圧胴11の周
囲長のたとえば4分の1の長さに設定されている。そし
て圧胴11に備えられた1つのくわえ爪31が所定のブ
ランケット胴16に対向するとき、ブランケット胴16
の吸着部51がくわえ爪31に対向するように位置決め
されている。また、ブランケット胴16と版胴17と
は、その周囲長が等しくされており、ブランケット胴1
6が回転して、その吸着部51が版胴17に対向したと
き、版胴17に備えられた後述するくわえ装置52が吸
着部51に対向するように位置決めされている。
【0042】ブランケット胴16に備えられた吸着部5
1は、図7(B)に示すように、ブランケット胴16の
外形の切れ目の部分に設けられている。より具体的に
は、図7(B)および(C)に示すように、ブランケッ
ト胴16には、その軸長方向に延びる継ぎ目部54が備
えられている。継ぎ目部54は、ブランケット胴16の
周面から凹んだ、軸長に平行な窪み溝になっている。こ
の継ぎ目部54内に、軸長方向に、一定間隔をあけて、
複数個の吸着部51が配置されている。各吸着部51
は、その表面55がブランケット胴16の周面とほぼ面
一にされている。そして表面55には多数の吸引孔56
が形成されている。各吸引孔56には、ブランケット胴
16内に備えた配管を通して図示しない真空ポンプ等が
接続されている。よって、吸着部51の表面55に対向
したシート材は、吸引孔56で引きつけられ、表面55
に吸着される。
【0043】継ぎ目部54の吸着部51が配置されてい
ない部分は、凹部57になっている。そして各凹部57
には、圧胴11に備えられたくわえ爪31の爪先31a
が対向するようにされている。逆に、吸着部51はくわ
え爪31の切欠35に対向するようにされている。よっ
てくわえ爪31の爪先31aは継ぎ目部54の凹部57
へ進入可能であり、くわえ爪31が開状態にされると
き、その爪先31aが吸着部51等にぶつからずに開く
ことができる(図7(D)参照)。
【0044】そして、印刷版30の先端を挟持したくわ
え爪31が吸着部51に対向したとき、吸着部51によ
り吸着を行い、かつ、くわえ爪31を開状態にすること
により、印刷版30の先端は圧胴11からブランケット
胴16へ受け渡される(図7(D)参照)。そしてさら
に圧胴11およびブランケット胴16が回転されると、
印刷版30の先端はブランケット胴16に受け渡されて
いるので、印刷版30の後方部はブランケット胴16の
周面に沿って搬送される(図7(E)参照)。
【0045】図8は、圧胴11からブランケット胴16
への印刷版30の受け渡しの仕方およびブランケット胴
16から版胴17への印刷版30の受け渡しの仕方をよ
り具体的に示す図である。圧胴11に備えられたくわえ
爪31は、実線で示す閉状態と2点鎖線で示す開状態と
に開閉可能であり、閉状態では、圧胴11の周面から突
出しないように配置されている。
【0046】ブランケット胴16には、その円周方向の
所定の位置に窪み72が形成されている。窪み72は、
ブランケット胴16の軸方向に延びている。この窪み7
2内に、吸引パイプ73が備えられている。吸引パイプ
73の先端の吸引口74は、ブランケット胴16の周面
と面一にされている。また、吸引パイプ73には、ブラ
ンケット胴16内の配管を通して図示しない真空ポンプ
装置等が接続されている。
【0047】図8(A)に示すように、圧胴11に備え
られたくわえ爪31とブランケット胴16に形成された
窪み72とが対向した状態で、圧胴11およびブランケ
ット胴16の回転が一旦停止され、吸引パイプ73によ
る吸引が行われる。これにより圧胴11周面に保持され
た印刷版30は吸引口74で吸着される。その後(ある
いは吸引とほぼ同時に動作されてもよいが)、くわえ爪
31が実線の閉状態から2点鎖線の開状態にされる。こ
れにより、圧胴11で保持されていた印刷版30の先端
は、ブランケット胴16に受け渡される。
【0048】その状態でブランケット胴16が時計回り
に回転され、ブランケット胴16の窪み72が版胴17
に対向する。図8(B)に示すように、版胴17には、
くわえ装置52としてのクランプ75が備えられてい
る。クランプ75は開閉可能に設けられており、閉状態
では版胴17の周面から突出しないようにされている。
ブランケット胴16の窪み72が版胴17と対向したと
き、版胴17に備えられたクランプ75が窪み72に対
向するようにされている。そしてこのとき、クランプ7
5はまず、開状態にされている。よってブランケット胴
16の吸引口74で吸引されて搬送される印刷版30の
先端は、版胴17に備えられたクランプ75の下方へ進
入する。次いで、クランプ75が閉じられ、印刷版30
の先端はクランプ75で挟持される。その後、あるいは
それとほぼ同時に、吸引パイプ73による印刷版30の
吸引が解除される。そしてブランケット胴16は時計方
向に回転され、版胴17は反時計方向に回転される。そ
して版胴17が1回転することにより、版胴17の周面
に印刷版30が巻き付けられて版胴17に保持される。
【0049】なお、図示しないが、版胴17の周面に巻
き付けられた印刷版30の少なくとも後方部は、版胴1
7に備えられた図示しない吸引装置により吸引されて保
持される。図9は、圧胴11に保持された印刷版30を
版胴17に搬送するための他の搬送方法および機構を表
わす図である。図9に示す搬送方法および搬送機構は、
圧胴11から直接版胴17に印刷版30を搬送する方法
および機構となっている。すなわち、圧胴11に保持さ
れた印刷版30を、ブランケット胴16を経由せずに、
直接版胴17に搬送するようにしていることが、図9に
示す構成の特徴である。
【0050】図9(A)を参照して、印刷版30の先端
が圧胴11のくわえ爪31によって挟持される際、印刷
版30の先端は、たとえば180度反転されるように屈
曲されて挟持される。あるいは、その先端がくわえ爪3
1の根元部分まで十分に挿入されて挟持される。この理
由は、次に述べる吸引パイプ82が吸引する位置が印刷
版30の先端より少し内側になるようにするためであ
る。
【0051】圧胴11には、吸引パイプ82が備えられ
ている。吸引パイプ82は、くわえ爪31により挟持さ
れた状態の印刷版30に対し、その内表面と対向するよ
うに、圧胴11内に埋設した状態で配置されている。一
方、版胴17には、窪み83が形成され、その中には、
くわえ装置52としての開閉可能なクランプ75が備え
られている。圧胴11に備えられたくわえ爪31と版胴
17に備えられたクランプ75とが所定の位置関係に対
向したとき、圧胴11および版胴17の回転が一時停止
され、吸引パイプ82により印刷版30はその内表面側
が吸着される。次いで、くわえ爪31が開かれる。
【0052】次にその状態で、図9(B)に示すよう
に、吸引パイプ82が、圧胴11内から周面と交差方向
に外側へ延び出す。そして版胴17に形成された窪み8
3内に進入する。そして吸引パイプ82の先端に備えら
れた吸引口部85が突出方向と逆方向に屈曲される。こ
れにより、吸引口部85で吸引保持された印刷版30の
先端は、版胴17に備えられたクランプ75の下方へ挿
入される。そしてクランプ75が閉じられる。これによ
り、印刷版30の先端はクランプ75により挟持され
る。
【0053】次いで吸引口部85による印刷版30の吸
引が解除され、吸引パイプ82は図9(A)に示す状態
に収容される。また、くわえ爪31が閉じられる。そし
て、版胴17は反時計方向に回転され、これによって版
胴17周面に印刷版30が巻き付けられる。上述の構成
において、吸引パイプ82の先端の吸引口部85を突出
方向と逆方向に折り曲げ動作させるのは、版胴17に印
刷版30が巻き付けられたとき、画像形成面が外側に現
れるようにするためである。
【0054】以上のような構成を採用することにより、
圧胴11に保持された印刷版30を、ブランケット胴1
6を経由せず、直接版胴17に搬送することができる。
なお、圧胴11における上述のくわえ爪31は、印刷版
30の先端挟持だけでなく、後述する印刷工程時に、印
刷用紙の先端を挟持する際にも用いられる。上述の説明
においては、圧胴11からブランケット胴16への印刷
版30の受け渡し時、すなわち圧胴11のクランプ71
とブランケット胴16の窪み72とが対向した状態で、
両者の回転が一時停止されて、印刷版30の受け渡しが
行われる。
【0055】同様に、ブランケット胴16から版胴17
に印刷版30が受け渡される際にも、両者の回転が一時
停止されて受け渡しが行われ、その後両者が回転される
ものとした。このように、圧胴11からブランケット胴
16への印刷版30の受け渡し時、および、ブランケッ
ト胴16から版胴17への印刷版30の受け渡し時に、
各回転体の回転を一時停止させることにより、受け渡し
をより確実に行える。
【0056】しかし、受け渡し時における回転停止は必
ず必要というわけではなく、くわえ爪、クランプ、吸引
パイプ等の構成を工夫することにより、回転を停止させ
ることなく受け渡しを行わせるようにすることも可能で
ある。図10は、版胴17に備えられるくわえ装置52
の構成例を示す図解的な図である。くわえ装置52は、
図10(A)および(B)に示すように、版胴17にス
プリングボルト61で揺動自在に保持されたクランプ7
5と、クランプ75を操作するためのカム63とを含む
構成とすることができる。カム63が図10(A)に示
す状態では、クランプ75が開き、印刷版30の先端を
受け入れることができる。図10(B)に示すようにカ
ム63が回動すると、クランプ75が閉じて、印刷版3
0の先端は強固に挟持される。
【0057】さらに、くわえ装置52の配置位置近傍の
版胴17周面には、周面の曲率よりも曲率の小さな凸湾
曲部64が形成されている。凸湾曲部64を形成する
と、印刷版30をより安定して版胴17に挟持すること
ができる。くわえ装置52は、また、図10(C)に示
すような構成としてもよい。図10(C)に示すくわえ
装置52は、版胴17の周囲に比べて、クランプ75が
挟持する位置が段差がつけられて低くされている。この
ように段差65を形成することにより、クランプ75で
挟持された印刷版30の先端がより強固に保持されると
いう利点がある。
【0058】次に、この実施形態にかかるデジタル印刷
機10における印刷工程の動作について説明をする。図
11は、印刷工程の動作を説明するための概要図であ
る。印刷工程が始まる際には、4つの版胴17(図2参
照)には、それぞれ印刷版が巻かれて保持されている。
また、湿し水供給装置18およびインキ供給装置19か
ら、それぞれ湿し水および所定の色のインキが供給され
ている。具体的には、図2において、矢印20で示す圧
胴11の回転方向の順に配置された印刷用ユニットに対
して、黒、シアン、マゼンタおよびイエローのインキが
供給される。
【0059】次に、図11を参照して説明すると、給紙
部25に収容された印刷用紙Pは、繰り出しローラー9
1,捌きローラー92とを含む給紙機構により1枚ずつ
順次繰り出され、ロード装置26に送られる。ロード装
置26は印刷用紙Pを1枚ずつ圧胴11へ搬送する。ロ
ード装置26の搬送方向下流端には、圧胴11へ印刷用
紙Pを与えるタイミングを調整するためのタイミングロ
ーラー93が備えられている。圧胴11のくわえ爪31
が印刷用紙Pの先端を加えることのできる位置に来たと
き、タイミングローラー93により印刷用紙Pは圧胴1
1へ与えられ、用紙の先端はくわえ爪31によって挟持
される。
【0060】圧胴11は、印刷用紙Pの先端をくわえ爪
31で挟持し、印刷用紙Pを圧胴11の周面に沿って保
持した状態で回転する。これにより、圧胴11に保持さ
れた印刷用紙Pは、順に、4つのブランケット胴16と
接触する。一方、版胴17には、湿し水供給措置18か
ら湿し水が、インキ供給装置19からインキが供給さ
れ、版胴17の周面に保持された印刷版の画像に対応し
て、インキが載せられる。このインキは版胴17からブ
ランケット胴16に移される。そしてブランケット胴1
6周面に移されたインキは、圧胴11に保持された印刷
用紙Pに転写される。
【0061】そして圧胴11が回転し、印刷用紙Pが4
つのブランケット胴16に接することにより、黒、シア
ン、マゼンタおよびイエローのインキが印刷用紙P上に
重ねて転写されて、カラー印刷が行われる。圧胴11が
約3分の2回転することにより、圧胴11に保持された
印刷用紙Pには、4色のインキが転写されて、印刷が終
了する。印刷が終了された用紙Pは、アンロード装置2
7に対向する位置に来たとき、アンロード装置27に備
えられたグリッパー94で、その先端が挟持され、圧胴
11のくわえ爪31は開かれる。これにより印刷がされ
た用紙Pは圧胴11からアンロード装置27へと渡され
る。アンロード装置27のグリッパー94は、印刷用紙
Pの先端を保持したまま用紙Pを搬送する。そして用紙
Pが排紙部29に来たときに、グリッパー94は開き、
用紙Pは排紙部29に収容される。
【0062】図12は、アンロード装置27に備えられ
ているグリッパー94の開閉動作機構を説明するための
図である。図12(A)に示すように、アンロード装置
27には、回転軸95を中心に回転するチェーンギヤ9
6が備えられている。チェーンギヤ96にはチェーン9
7が掛け渡されている。チェーン97の所定の位置に
は、前述したグリッパー94が備えられている。具体的
には、グリッパー94は、チェーン97に固着されたグ
リッパー回転軸98に取り付けられている。グリッパー
94にはカムフォロアー99が結合されている。グリッ
パー94およびカムフォロアー99は、グリッパー回転
軸98を中心に回動可能にされている。
【0063】さらに、グリッパー94の近傍には、グリ
ッパーベース100が備えられている。グリッパーベー
ス100は、グリッパー94が反時計方向に回動すると
き、グリッパー94を受け止めて、グリッパー94を閉
状態にする。なお、グリッパー94には、グリッパー9
4が常時は閉状態になるように、図示しないばねで反時
計方向に付勢力が与えられている。
【0064】アンロード装置27には、さらに、カム板
101が備えられている。カム板101は、チェーン9
7が移動されてカムフォロアー99が回転軸95を中心
に回転されるときに、カムフォロアー99に接して、カ
ムフォロアー99を操作するためのものである。具体的
には、図12(B)に示すように、グリッパー94が圧
胴11の周面に近接した対向位置になった状態では、カ
ムフォロアー99を押し上げて、グリッパー94を時計
方向に回動させ、グリッパー94を開状態にする。そし
てその位置が通過すると、カムフォロアー99の押し下
げを解除する。これによりグリッパー94は前述したば
ねの付勢力により、閉状態に戻る(図12(C)参
照)。
【0065】このように、カムフォロアー99がカム板
101に沿って上下動し、これによりグリッパー94が
グリッパー回転軸98を中心に開閉する。図13は、圧
胴11のくわえ爪31により挟持された印刷用紙Pが、
アンロード装置27のグリッパー94へ受け渡される際
の、くわえ爪31とグリッパー94との位置関係および
動作関係を表わす図である。
【0066】図13(A)に示すように、圧胴11のく
わえ爪31がアンロード装置27に対向した位置になっ
たとき、アンロード装置27のチェーン97に備えられ
たグリッパー94が圧胴11に対向する位置、すなわち
くわえ爪31と交差する位置になるようにタイミングが
合わされている。そして圧胴11のくわえ爪31とアン
ロード装置27のグリッパー94とは、開閉動作が同期
するように駆動され、印刷用紙Pの先端を受け渡す。よ
り具体的には、くわえ爪31とグリッパー94が交差し
た状態において、くわえ爪31は閉じた状態、グリッパ
ー94は開いた状態である(図13(A)参照)。次い
で、くわえ爪31が開き、グリッパー94が閉じる(図
13(B)参照)。そして回転が進むと、圧胴11上の
印刷用紙Pは、アンロード装置27側へ受け渡される。
【0067】図13(C)は、圧胴11の軸線に直交方
向からくわえ爪31およびグリッパー94を見た図解図
である。図13(C)に示すように、くわえ爪31の切
欠35に対応してグリッパー94が配置されている。よ
ってくわえ爪31とグリッパー94とは、軸線方向に見
たときに交差関係にあっても、両者がぶつかり合うこと
はない。
【0068】なお、グリッパー94は、チェーン97に
より移動し、挟持している印刷用紙Pが前述したように
排紙部27(図2参照)に達したとき、図示しないカム
板によりカムフォロアー99が操作されて、グリッパー
94は開き、用紙Pは排紙部27へ収容される。図14
は、図2に示すデジタル印刷機の制御回路の構成例を示
すブロック図である。
【0069】このデジタル印刷機10には、制御中枢と
してのCPU110が備えられている。CPU110に
は予め設定されたデジタル印刷機10の制御に必要な動
作プログラムが格納されたROM111および制御時に
データ等が一時ストアされるRAM112が接続されて
いる。RAM112内には、後述する制御動作時に計数
動作をするのに必要なカウンタ113のための領域が含
まれている。
【0070】CPU110は、メインモーター駆動回路
114およびクラッチ切換回路115を制御する。メイ
ンモーター駆動回路114およびクラッチ切換回路11
5により、圧胴11、ブランケット胴16、版胴17お
よびアンロード装置27が動作される。また、版胴17
の動作に関連して、湿し水供給装置18およびインキ供
給装置19も動作される。さらに、メインモーター駆動
回路114およびクラッチ切換回路115により製版胴
50が動作される。
【0071】CPU110には、また、レーザー製版装
置13、版材カセット12から版材36を繰り出すため
のローラー37を駆動させるローラー駆動回路116、
カッター38を駆動させるカッター駆動回路117、圧
胴11および製版胴50にそれぞれ備えられた複数のく
わえ爪31を制御するための複数のソレノイド34が接
続されている。
【0072】CPU110には、また、版受け渡し装置
46を制御するための版受け渡し制御回路118が接続
されている。さらに、現像装置14および定着装置15
の製版胴50への接触,非接触を切換える制御機構10
9も接続されている。CPU110には、さらに、ブラ
ンケット胴16に備えられた吸着部51(具体的には吸
着部51を動作させる真空ポンプ用の駆動回路等)およ
び版胴17に備えられたくわえ装置52が接続されてい
る。さらに、CPU110には、給紙部25の給紙機構
115、ロード装置26、タイミングローラー93を切
替えるためのクラッチ切替回路120が接続されてい
る。
【0073】なお、図示しないが、CPU110には、
デジタル印刷機10に備えられたたとえば印刷用紙の搬
送検出センサ等の種々のセンサからの信号が与えられ
る。そしてCPU110は、これらセンサの信号を制御
に活用する。図14に示す制御回路ブロック図は、一例
であって、このブロック図以外の回路により制御回路を
構成することもできる。要は、CPU110により、デ
ジタル印刷機10における各動作部材が制御されるよう
にされていればよい。
【0074】図15は、図14に示すCPU110によ
り実行されるデジタル印刷機10における全体的な制御
動作を示すフローチャートである。図15の流れに従っ
て、デジタル印刷機10における全体動作についてまず
説明する。制御動作が開始されると、まず、初期設定等
がなされる(ステップS1)。初期設定とは、たとえば
製版胴50,圧胴11,ブランケット胴16,版胴17
等の回転角度位置を初期位置に設定したり、RAM11
2のワークレジスタ等を初期状態にクリアしたりする動
作である。
【0075】初期設定等が行われた後、まず、製版工程
が実行される(ステップS2)。この製版工程の内容に
ついては、後に示す詳細なフローチャートを参照して詳
しく説明する。製版工程終了後、製版胴50上に保持さ
れた印刷版が、圧胴11を経由して版胴17へセットさ
れる(ステップS3)。そしてその後印刷工程が行われ
る(ステップS4)。
【0076】印刷工程が終了すると、版胴17にセット
されている印刷版が圧胴11を介してアンロード装置2
7へ搬送され、排版部28(図2参照)へ排出される
(ステップS5)。印刷版の搬送の仕方は、前述した印
刷用紙の搬送の仕方と同じである。次いで、次の作業が
あるか否かの判別がされる(ステップS6)。すなわち
引き続いて製版および印刷を行うべきか否かの判別がさ
れる。その結果、次の作業がある場合には、ブランケッ
ト胴16の洗浄等が行われる(ステップS8)。ブラン
ケット胴16の洗浄とは、たとえばブランケット胴16
の周面にクリーニング液が塗布され、それがペーパー等
で拭き取られる作業である。この作業は、自動処理され
る場合には、ブランケット胴16の周面に関連して設け
られたクリーニング装置(図示せず)等により行われ
る。なお、自動処理でなければ、ブランケット胴16を
洗浄すべき旨をたとえば表示器に表示してもよい。この
表示に基づき、マニュアル操作によりブランケット胴が
洗浄される。
【0077】ステップS6において、次の作業がなけれ
ば、上述したブランケット胴16の洗浄に加えて、イン
キ洗浄も行われる(ステップS7)。インキ洗浄とは、
インキローラー24にクリーニング液をかけて、ブレー
ド等で掻き取る洗浄作業である。この洗浄作業は、専用
のクリーニング装置を設けておき、自動で行ってもよい
し、あるいは、インキ洗浄作業を行うべき旨を表示器等
で表示し、マニュアル操作により行われるようにしても
よい。
【0078】図16は、図15のステップS2に示した
製版工程における制御動作の内容を具体的に示すフロー
チャートである。図16に示すフローチャートでは、版
材36(図4参照)として、銀塩感光層が形成された樹
脂製のシート材を用いる場合の制御動作が示されてい
る。製版工程では、ローラー駆動回路116によりロー
ラー37が駆動されて(図4(A)参照)、版材36が
所定長引き出される(ステップS10)。この所定長
は、ローラー37の駆動時間により制御することもでき
るし、あるいは、ローラー37の回転に連動して回転さ
れるパルス板等を設けておき、該パルス板の出力により
版材36の引き出し長さを検出することもできる。
【0079】版材36が所定長さ引き出されたとき、カ
ッター駆動回路117によりカッター38が動作され
て、版材36が切断され、印刷版30が作成される(ス
テップS11)。また、版材カセット12から引き出さ
れる版材36の先端が、製版胴50のくわえ爪31に到
達したタイミングでソレノイド34が作動され、版材3
6の先端がくわえ爪31により挟持される。そしてその
状態で製版胴50が図4(A)の矢印76方向に回転さ
れ、製版胴50の周面に版材が装着される(ステップS
12)。
【0080】そして1枚の版材の装着が終わると、RA
M112のカウンタ113を+1する。そして該カウン
タ113の値が所定数、例えば「3」になったか否かの
判別がされる(ステップS13)。そしてカウンタ11
3の値が「3」になるまで、ステップS10〜S13の
処理が繰返される。
【0081】カウンタ113の値が「3」になると、製
版胴50には3枚の印刷版30が保持されている。次い
で、製版胴50が回転されて、レーザー製版装置13が
駆動される。その結果、製版胴50の周面に保持された
3枚の印刷版30にレーザー製版装置13でそれぞれた
とえばシアン,マゼンタおよびイエローに対応した画像
が書込まれ(画像に対応した光が当てられて印刷版30
の表面が露光され)る。また、画像が書込まれた印刷版
30が現像装置14の位置になる直前に、現像装置14
が製版胴50の周面に接触される。定着装置15も、同
様に、現像された印刷版30が来る前に、製版胴50の
周面に接触される。よって、各印刷版30は現像装置1
4および定着装置15でそれぞれ現像および露光がされ
て、印刷版30ができあがる(ステップS14)。
【0082】印刷版30の作成は、1枚ずつ順次行われ
るので、ステップS15において、3枚の処理が行われ
たか否かが判別される。製版胴50上に保持されている
3枚の印刷版30に対する画像記録,現像および定着処
理が終了すると、製版工程は一応終了する。ただし、製
版すべき印刷版30が、上述のように3枚ではなく、さ
らに黒に対応した画像が書込まれた印刷版30が必要な
場合には、製版胴50上の印刷版30が圧胴11を介し
て版胴17へ搬送された後、再び図16に示す製版工程
が行われる。
【0083】なお4色分の印刷版が必要な場合、2色分
ずつ印刷版を2回に分けて製版してもよい。本実施形態
では製版胴50が最大3色分の印刷版しか保持できない
ため、4色分の印刷版が必要な場合、2回に分けて製版
を行う必要があるが、製版胴50の径を大きくして同時
に4色分の製版を行えるようにしてもよい。上述の製版
工程においては、版材カセット12から版材36を引き
出し、製版胴50上に3枚の印刷版30が保持された後
に、レーザー製版装置13,現像装置14および定着装
置15による画像記録,現像および定着が行われる場合
を説明した。しかしながら、これに代えて、版材カセッ
ト12から版材36が引き出され、その先端がくわえ爪
31で保持されて、その先端部分がレーザー製版装置1
3に対応した時点で、画像記録が開始されるようにして
もよい。すなわち、印刷版30の後端部が未だ版材カセ
ット12から引き出されつつある状態で、レーザー製版
装置13による画像記録が開始されるような制御を行う
ことも可能である。
【0084】あるいは、レーザー製版装置13の配置位
置を考慮することにより、版材カセット12から引き出
されて製版胴50上に1枚目の印刷版30が保持され、
2枚目の印刷版30が版材カセットから引き出されるよ
うになった後に、1枚目の印刷版30に対して、レーザ
ー製版装置13により画像記録を行うようにすることも
できる。
【0085】上述の各変形例のような構成にすれば、版
材カセット12から版材36を引き出しながら、引き出
した版材に対して直ちに画像記録,現像および定着を行
うことができる。以上詳しく説明したように、この実施
形態にかかるデジタル印刷機10によれば、製版胴50
に印刷版30が巻き付けられて製版が行われる。そして
製版胴50上で作成された印刷版30は、圧胴11を経
由して圧胴11の周囲に配置された版胴17へ搬送され
る。このように、製版胴50上において製版を行うよう
にすると、製版に必要なレーザー製版装置13を、製版
胴50の周囲に関連して1台だけ設けることにより装置
を実現できる。同様に、版材カセット12も、製版胴5
0の周囲に関連して1台だけ設ければよいから、装置の
構成が簡単になる。
【0086】さらに、圧胴11ならびに印刷用ユニッ
ト、すなわちブランケット胴16、版胴17、湿し水供
給装置18およびインキ供給装置19ならびに給紙機構
等が動作されて印刷工程が行われている最中に、印刷工
程の動作と並行して、製版胴50ならびに版材カセット
12、レーザー製版装置13、現像装置14および定着
装置15により、次の印刷等に使用するための印刷版3
0の製版が行える。すなわち、印刷工程と製版工程とを
同時に並行して行うことができる。その結果、製版から
印刷までの時間の短縮が図れるという利点がある。
【0087】図17は、この発明の他の実施形態にかか
るデジタル印刷機121の構成の概要を示す図である。
図17に示すデジタル印刷機121の特徴は、図2に示
すデジタル印刷機10と比べると、製版のための機構
が、製版胴50を用いない構成とされていることであ
る。より具体的に説明すると、デジタル印刷機121に
は、圧胴11の下方に配置された製版ユニット122が
備えられている。製版ユニット122内には、版材カセ
ット12が配置されている。版材カセット12には、ロ
ール状に巻かれた版材(未記録印刷版)36が収容され
ている。版材カセット12内ならびに版材カセット12
の出口から所定の経路に沿って多数の搬送用ローラー1
23が配置されている。版材36は、これら多数の搬送
用ローラー123により版材カセット12から引き出さ
れ、所定の搬送用経路に沿って搬送される。多数の搬送
用ローラー123で構成される搬送経路は、製版ユニッ
ト122内で予め定める長さの搬送路になるようにされ
ており、搬送路の終端は圧胴11につながっている。
【0088】製版ユニット122内には、さらに、レー
ザー製版装置13が配置されている。レーザー製版装置
13は、予め定める搬送位置124を通る版材36に対
して光を照射できるようにされている。つまり、搬送用
ローラー123により版材が搬送中に、レーザー製版装
置13により画像が記録され得るように構成されてい
る。
【0089】さらに、製版ユニット122内には、搬送
路沿いの所定位置に、現像装置14および定着装置15
が配置されている。よって搬送用ローラー123により
搬送される版材は、搬送中に、現像装置14および定着
装置15に与えられ、現像および定着がされる。さら
に、版材カセット12の出口付近および搬送路中の所定
の位置にはカッター38が備えられており、引き出され
た版材36を所定の長さに切断できるようにされてい
る。
【0090】製版ユニット122を、上述の構成にする
と、製版胴50を用いることなく製版を行うことができ
る。そして画像が記録された印刷版を、搬送用ローラー
123により圧胴11へ送り出すことができ、圧胴11
を経由して各版胴17に印刷版をセットすることができ
る。また、製版ユニット122内にレーザー製版装置1
3,現像装置14および定着装置15を組み込めるの
で、製版ユニット122を、その内部に光が入らない構
成とすれば、デジタル印刷機121全体を遮光構造にす
る必要がなくなる。すなわち、レーザー製版装置13を
用いて製版を行う場合には、製版機構に外部からの光等
が入らないように、製版機構を遮光構造にする必要があ
る。この遮光構造を、製版ユニット122により比較的
簡単に行うことができるという利点がある。
【0091】また、製版ユニット122を耐ガス性およ
び耐薬品性に優れたハウジングユニットとすることによ
り、製版工程において発生する可能性のあるガスや現像
装置14,定着装置15で用いる薬液が、圧胴および印
刷のためのユニットに影響を及ぼすのを防止できる。さ
らに、搬送用ローラー123で構成する搬送路を長くす
れば、搬送路上で多数の印刷版を保持することができ、
印刷中であっても製版が行える。すなわち印刷工程と製
版工程とを並行して行うことができ、印刷中に、次の印
刷に必要な製版の準備ができる。
【0092】図17に示すデジタル印刷機121では、
印刷が終わった後の印刷版は、版胴17からブランケッ
ト胴16を介して圧胴11へ渡され、圧胴11から版ピ
ックアップ125およびローラー126を介して排版部
28へ排出される。デジタル印刷機121におけるその
他の構成については、図2で説明したデジタル印刷機と
同様であるから、同一または対応する部分には同一の番
号を付して、その説明については省略する。
【0093】図18は、この発明のさらに他の実施形態
にかかるデジタル印刷機131の構成の概要を示す図で
ある。図18に示すデジタル印刷機131の特徴は、次
の各点である。 製版胴50が備えられ、製版胴50の周囲に、1台の
版材カセット12、1台のレーザー製版装置13、現像
装置14および定着装置15が配置されており、これら
により、印刷工程と並行して製版工程ができるようにさ
れていること。
【0094】図2に示すデジタル印刷機10と比べる
と、版胴17の直径が2倍にされており、版胴17の数
は2にされていること。 製版胴50から各版胴17に対して、版受け渡し装置
46により直接印刷版を搬送できるようにされているこ
と。すなわち、圧胴11を介さずに製版胴50から版胴
17に印刷版の受け渡しができること。
【0095】圧胴11の直径が小さくされており、印
刷速度が図2に示すデジタル印刷機10に比べて1/2
倍になること。である。より具体的に説明すると、製版
工程では、版材カセット12から版材が引き出されて、
製版胴50上に保持される。そしてレーザー製版装置1
3により印刷版に画像が記録され、記録された画像は現
像装置14で現像され、定着装置15で定着される。こ
の製版工程は、図2を参照して説明したデジタル印刷機
10と全く同じように行われる。ただし、この実施形態
では、製版胴50は、矢印132で示すように時計方向
に回転される。
【0096】製版胴50に保持された画像が記録された
印刷版は、版受け渡し装置46により版胴17へ受け渡
される。版受け渡し装置46の具体的な構成は、図6を
参照して説明したものと同様である。すなちわ、版受け
渡し装置46により、印刷版の先端が吸引されて、製版
胴50から版胴17に受け渡される。そして版胴17で
は、印刷版の先端が挟持されて、印刷版は版胴17に巻
き付けられる。このデジタル印刷機131では、各版胴
17は、その周面に2枚の印刷版を保持できるようにさ
れている。各版胴17に保持された各印刷版には、それ
ぞれ、湿し水供給装置18およびインキ供給装置19に
よって湿し水および各代のインキが供給される。この場
合において、各版胴17に関連して湿し水供給装置18
は1台ずつ設ければよく、インキ供給装置19は、1つ
の版胴17に対して2色分のインキを供給できるように
2台設けられている。
【0097】したがって、たとえば右側の版胴17に保
持された印刷版は、黒およびシアンのための印刷版であ
り、左側の版胴17に保持された印刷版は、マゼンタお
よびイエローのための印刷版である。版胴17に保持さ
れた印刷版に盛られたインキは、それぞれ、ブランケッ
ト胴16に移される。そしてロード装置26から圧胴1
1へ送られてくる印刷用紙に対して、ブランケット胴1
6からインキが転写され、印刷が完了した用紙はアンロ
ード装置27から排紙部29へと送られる。
【0098】その他の構成は、図2で説明したデジタル
印刷機と同様であるから、同一または対応する部分には
同一の番号を付して、その説明については省略する。な
お、版胴17に保持された印刷版は、印刷終了後、版受
け渡し装置46によって製版胴50に受け渡され、製版
胴50から排版部28へ送られる。この発明は、以上説
明した各実施形態の内容に限定されるものではない。こ
の発明の範囲は、特許請求の範囲に記載の通りであり、
特許請求の範囲記載の構成要件を備えた種々の変形例
も、この発明の範囲に属するものであることを念の為に
申し添える。
【0099】例えば、上述した実施形態では、感材とし
て銀塩感材を用い、インキを使用して印刷を行っている
が、他の感材、例えば電子写真方式の感材やトナー等を
用いて印刷を行うようにしてもよい。また、上述した実
施形態では、4色印刷機について説明したが、本発明は
2色機や4色以上の多色機にも適用可能である。
【0100】
【発明の効果】この発明によれば、製版工程において作
成された印刷版を用いて印刷が行える印刷装置を提供す
ることができる。また、印刷工程と並行して製版工程を
行うことができるので、連続して多数の製版および印刷
を行う際に効率よく行える。
【0101】さらにまた、製版機構は、製版時に印刷版
を支持するための支持手段と、支持手段により支持され
た印刷版に対して印刷色に対応した画像の記録を行う1
つの製版手段により構成することができるから、製版手
段を複数設けず、1つの製版手段によって製版機構を実
現できる。それゆえ、製版手段として、たとえばレーザ
ー製版装置を用いた場合、高価なレーザー製版装置が1
つだけでよいから、構成が簡易でかつ安価な印刷装置を
作成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術にかかるデジタル印刷機の構成図であ
る。
【図2】この発明の一実施形態にかかるデジタル印刷機
の概要図である。
【図3】製版胴および圧胴に備えられているくわえ爪の
構成例を示す図解図である。
【図4】製版時における製版胴、版材カセット、レーザ
ー製版装置、現像装置および定着装置の動作および機能
を説明するための図である。
【図5】製版時に印刷版を露光するレーザー製版装置の
構成例を示す図である。
【図6】製版胴から圧胴への印刷版の受け渡しの仕方を
説明するための図である。
【図7】製版がされた印刷版を、圧胴から版胴へ搬送す
る手順を示す図解的な図である。
【図8】圧胴からブランケット胴への印刷版の受け渡し
の仕方およびブランケット胴から版胴への印刷版の受け
渡しの仕方を示す図である。
【図9】印刷版を圧胴から版胴に搬送するための他の搬
送方法および機構を表わす図である。
【図10】版胴に備えられているくわえ装置の構成例を
示す図解的な図である。
【図11】印刷工程の動作を説明するための概要図であ
る。
【図12】アンロード装置に備えられているグリッパー
の開閉動作機構を説明するための図である。
【図13】圧胴のくわえ爪により挟持された印刷用紙
が、アンロード装置のグリッパーへ受け渡される際の、
くわえ爪とグリッパーとの位置関係および動作関係を表
わす図である。
【図14】この実施形態にかかるデジタル印刷機の制御
回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】この実施形態にかかるデジタル印刷機におけ
る全体的な制御動作を示すフローチャートである。
【図16】製版工程における制御動作の内容を具体的に
示すフローチャートである。
【図17】この発明の他の実施形態にかかるデジタル印
刷機の構成の概要を示す図である。
【図18】この発明のさらに他の実施形態にかかるデジ
タル印刷機の構成の概要を示す図である。
【符号の説明】
10,121 デジタル印刷機 11 圧胴 12 版材カセット 13 レーザー製版装置 14 現像装置 15 定着装置 16 ブランケット胴 17 版胴 18 湿し水供給装置 19 インキ供給装置 30 印刷版 31 くわえ爪 46 版受け渡し装置 50 製版胴 51 吸着部 52 くわえ装置 75 クランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41L 13/04 B41L 13/04 D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データに基づいて印刷版上に画像を形
    成し、次にこの印刷版を用いて印刷用紙上に印刷を施
    す、製版機構および印刷機構が一体化された印刷装置で
    あって、 印刷時に印刷版を保持するための円筒状の版胴、 前記版胴に保持された印刷版に対して所定のインキを供
    給するインキ供給手段、 前記版胴に接して回転し、印刷版からインキが転写され
    る円筒状のブランケット胴、および前記ブランケット胴
    に接して回転し、その周面を用いて印刷用紙を搬送しつ
    つ、ブランケット胴上のインキを印刷用紙に転写させる
    円筒状の圧胴を有し、さらに、 製版時に画像の書込まれていない印刷版を支持するため
    の支持手段、 前記支持手段によって支持された印刷版に対して印刷色
    に対応した画像の記録を行う1つの製版手段、および前
    記製版手段により画像が記録された印刷版を、前記支持
    手段から版胴へと搬送する版搬送手段、を含むことを特
    徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、 前記支持手段は、周面に印刷版を保持する円筒状の製版
    胴を含むことを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の印刷装置において、 前記支持手段は、予め定める搬送路に沿って印刷版を搬
    送するための搬送手段を含むことを特徴とする印刷装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の印刷装置におい
    て、 前記支持手段は、同時に複数枚の印刷版を支持可能であ
    ることを特徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷
    装置において、 前記版搬送手段は、支持手段から圧胴を介して版胴へと
    印刷版を搬送することを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷
    装置において、 前記版搬送手段は、支持手段から直接版胴へと印刷版を
    搬送することを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の印刷装置におい
    て、 前記版搬送手段は、支持手段に支持された印刷版の先端
    を吸引し、吸引した印刷版の先端を受け渡し先へと導く
    吸引案内手段を含むことを特徴とする印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6138566A (en) * 1997-09-30 2000-10-31 Dainippon Screen Meg Co., Ltd Method and apparatus for developing printing plates in press

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