JPH09131842A - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH09131842A
JPH09131842A JP7294013A JP29401395A JPH09131842A JP H09131842 A JPH09131842 A JP H09131842A JP 7294013 A JP7294013 A JP 7294013A JP 29401395 A JP29401395 A JP 29401395A JP H09131842 A JPH09131842 A JP H09131842A
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JP
Japan
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group
film
carbon atoms
coating
formula
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JP7294013A
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English (en)
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Sadami Miura
定美 三浦
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型性塗膜の離型性、背面非転写性、シリコ
ーン樹脂層との接着性に優れた積層フイルムを提供す
る。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、シロキサン系化合物(A)と、錫化合物(B)とを
含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸してつくられた離型
性塗膜が設けられている積層フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フイルムに関
し、更に詳しくは、離型性塗膜の離型性、背面非転写
性、シリコーン樹脂層との接着性に優れた積層フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等からなるポリエステルフイルムは、
離型フイルム等の材料として広く使用されている。離型
フイルムは樹脂シートを製造する工程に用いられてお
り、例えば離型フイルムの表面にポリウレタンゾルの水
性液を塗布し、加熱乾燥により離型フイルム上にポリウ
レタンシートを形成させた後、剥離することによりポリ
ウレタンシートを製造することができる。また、離型フ
イルムは粘着テープ等の粘着剤保護用のフイルムとして
も用いられている。
【0003】かかる離型フイルムとしてポリエステルフ
イルムをそのまま用いることは、ポリエステルフイルム
が種々の樹脂や粘着剤に対する離型特性が十分ではない
ので難しい。このため、通常ポリエステルフイルムの表
面に離型性塗膜を塗設した積層フイルムが離型フイルム
として用いられている。また、高度の離型性を要求され
る用途にはポリエステルフイルムに高度の離型特性を有
するシリコーン樹脂層を積層した離型フイルムを用いる
が、かかるシリコーン樹脂層はポリエステルフイルムと
の接着性に乏しいため、シリコーン樹脂層との接着性に
優れた接着層をポリエステルフイルムに設ける必要があ
る。
【0004】ポリエステルフイルムへの離型性塗膜の塗
設は、通常ポリエステルフイルムの製造工程中で行われ
ており、環境保全或いは防災上の理由から通常は水性塗
布剤が用いられる。しかしながら、水性塗布剤を用いた
従来の離型性塗膜は、離型性が不十分である欠点、フイ
ルムをロール状に巻いて保管する間に塗膜を構成する成
分の一部が隣接するフイルムの表面に転写(いわいる背
面転写)する欠点があり、その解決が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
従来の欠点を解消し、離型性、背面非転写性、シリコー
ン樹脂層との接着性に優れた積層フイルムを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
下記式(I)、下記式(II)及び下記式(III)で示され
る化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合
物(A)と、錫化合物(B)とを含む水性塗液を塗布
し、乾燥、延伸してつくられた離型性塗膜が設けられて
いる積層フイルムによって達成される。
【0007】
【化4】
【0008】[上記式(I)において、R1 は互いに独
立して−H、一価の炭化水素基またはハロゲン化アルキ
ル基;R2 は−R6 Xまたは−X(但し、R6 は炭素原
子数1〜20の二価の炭化水素基、Xは反応性有機官能
基);R3 は縮合性シリルアルキル基または−R7 Si
(OR8 a (R9 3-a (但し、R7 は炭素原子数2
〜5のアルキレン基;R8 、R9 は互いに独立して−H
または炭素原子数1〜5のアルキル基、aは2または
3);R4 は炭素原子数1〜10の炭化水素基またはポ
リオキシアルキレン基;R5 は上記R1 、R2 、R3
よびR4 に示した基からなる群から選ばれた少なくとも
一種の基であり、pは0〜500の数、qは0〜200
の数、rは0〜200の数、sは0〜200の数であ
る。但し、qが0の場合R5 は上記R2 から選ばれる基
であり且つrおよびsは1〜200の数であり、rが0
の場合R5 は上記R3 から選ばれる基であり且つqおよ
びsは1〜200の数であり、sが0の場合R5 は上記
4 から選ばれる基であり且つqおよびrは1〜200
の数である。]
【0009】
【化5】
【0010】[上記式(II)において、R10は炭素原子
数1〜8のアルキル基;xは1〜8の数である。]
【0011】
【化6】
【0012】[上記式(III)において、yは0〜6の数
である。] 尚、前記式(I)における
【0013】
【化7】
【0014】はブロック結合を意味しているのではな
く、これらは単にそれぞれの単位の和がp,q,r,s
であることを示しているにすぎないと解すべきである。
従って、前記式(I)における各単位はランダム結合し
ていてもよく、またブロック結合していてもよい。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】[ベースフイルム]本発明においてベース
フイルムにはポリエステルフイルムを用いるが、ベース
フイルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分
とグリコール成分からなる線状ポリエステルである。
【0017】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−
ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン
酸、4,4´−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,
4´−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4´−ジフ
ェニルプロパンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等
を挙げることができる。このうち、芳香族ジカルボン酸
を例えば80モル%以上用いることが好ましく、特にテ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いる
ことが好ましい。
【0018】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール等を挙げることができ、特にエチレングリ
コールが好ましい。
【0019】かかるポリエステルのうち、ポリエチレン
テレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートの単独重合体が、高ヤング率である等の機械的特性
に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れた
フイルムが得られるため好ましい。
【0020】上述のポリエステルは、ポリエステルフイ
ルムと離型性塗膜との接着性をより良好なものとする等
のため、上記ジカルボン酸成分或いはグリコール成分等
を共重合したポリエステルであってもよく、更に三官能
以上の多価化合物をポリエステルが実質的に線状となる
範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエス
テルであってもよい。また上述のポリエステルは常法に
よりつくることができ、固有粘度が0.5以上であるこ
とがフイルムの剛性が大きい等の機械的特性が良好とな
るため好ましい。
【0021】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.005〜20重量%の配合割合で含有させることが
好ましい。かかる微粒子の具体例として、シリカ、アル
ミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウム、カーボンブラック、架橋アクリル樹脂粒子、架
橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリ
コーン樹脂粒子等を好ましく挙げることができる。
【0022】前記微粒子以外にも着色剤、帯電防止剤、
酸化防止剤、有機滑剤(滑り剤)、蛍光増白剤、架橋
剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて添加することができ
る。
【0023】本発明において水性塗液を塗布するフイル
ムには、水性塗液を塗布した後に延伸可能なフイルムを
用いるが、かかるフイルムとして未延伸フイルム、一軸
延伸フイルムまたは延伸可能な二軸延伸フイルムを用い
ることができる。かかるフイルムは従来から知られてい
る方法で得ることができる。例えば、前記ポリエステル
を押出機にて溶融しフイルム状に押出し、回転冷却ドラ
ムにて冷却することにより未延伸フイルムを得ることが
でき、該未延伸フイルムを縦方向あるいは横方向に一軸
延伸することにより一軸延伸フイルムを得ることができ
る。また、延伸可能な二軸延伸フイルムは、縦方向また
は横方向の一軸延伸フイルムを横方向または縦方向に逐
次二軸延伸する方法、或いは未延伸フイルムを縦方向と
横方向に同時二軸延伸する方法で得ることができる。
【0024】上記の延伸温度はポリエステルの二次転移
点(Tg)以上とすることが好ましい。また、延伸倍率
は一軸延伸フイルムの場合は一軸方向に2〜8倍、延伸
可能な二軸延伸フイルムの場合は夫々の方向に1.1〜
8倍、特に2〜6倍とすることが好ましい。
【0025】離型性塗膜を塗設したフイルムは、必要な
ら更に縦方向や横方向に再延伸することができ、或いは
120〜270℃で熱処理することができる。離型性塗
膜塗設後のポリエステルフイルムの厚さは、例えば2〜
300μmであることが好ましく、特に3〜260μm
であることが好ましい。
【0026】[化合物(A)]本発明においては、ポリ
エステルフイルムの少なくとも片面に、前記式(I)、
前記式(II)及び前記式(III)で示される化合物からな
る群から選ばれる少なくとも一種の化合物(A)(以下
『化合物(A)』と略記する。)と、錫化合物(B)と
を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸し、必要に応じて
熱処理することにより化合物(A)の−SiOH基どう
しの脱水縮合反応(シラノール縮合反応)を進行させ、
分子量の大きなポリシロキサンや架橋度の高いポリシロ
キサンとすることによりつくられた離型性塗膜を設け
る。尚、上記のシラノール縮合反応は錫化合物(B)に
より促進される。
【0027】前記式(I)で示される化合物の好ましい
例として、下記式(IV) で示される反応性オルガノポリ
シロキサン(以下『ポリシロキサン』と略記する。)を
挙げることができる。
【0028】
【化8】
【0029】上記式(IV) において、R11は炭素原子数
2〜6のアルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン
基またはブチレン基);R12は炭素原子数1〜4のアル
キル基(例えばメチル基またはエチル基);pは1〜2
00の数(例えば22)、qは1〜100の数(例えば
10)、rは1〜100の数(例えば5)、sは1〜1
00の数(例えば5)である。
【0030】尚、上記式(IV) において、R3 はオキシ
ラン基、カルボン酸(塩)基または水酸基を含む基であ
ることが好ましく、下記式(V)〜(VIII) で示される
基であることが特に好ましい。
【0031】
【化9】
【0032】また、前記式(IV) においてR4 はメチル
基、プロピル基または下記式(IX)〜(XI)で示される
基であることが特に好ましい。
【0033】
【化10】
【0034】前記式(II)で示される化合物(以下『シ
ロキサンモノマー』と略記する。)の好ましい例とし
て、R10が炭素原子数1〜4のアルキル基(特にメチル
基またはエチル基);xが3または4の化合物を挙げる
ことができる。
【0035】前記式(III)で示される化合物(以下『シ
ロキサンオリゴマー』と略記する。)の好ましい例とし
て、R10が炭素原子数1〜4のアルキル基(特にメチル
基またはエチル基);xが3または4の化合物;yが0
または1の化合物を挙げることができる。
【0036】[錫化合物(B)]本発明における錫化合
物(B)は、下記式(XII)の一般式で示される化合物で
ある。
【0037】
【化11】
【0038】上記式(XII)で、R13、R14はそれぞれ互
いに独立して、炭素数1〜30の飽和脂肪族炭化水素
基、炭素数6〜30の脂環族炭化水素基若しくは水素元
素の一部が飽和脂肪族炭化水素基で置換された脂環族炭
化水素基または炭素数6〜30の芳香族炭化水素基若し
くは水素元素の一部が飽和脂肪族炭化水素基で置換され
た芳香族炭化水素基であり、R15、R16はそれぞれ互い
に独立して、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基で
ある。
【0039】R13、R14の好ましい例として、C4 9
基、C1123基、C1633基、C1837基等の飽和脂肪
族炭化水素基;ベンジル基、p−トリイル基、水素元素
の一部が例えばC1633基で置換されたベンジル基等の
芳香族炭化水素基;シクロヘキシル基等の脂環族炭化水
素基を挙げることができる。また、R15、R16の好まし
い例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等の飽和脂肪族炭化水素基を挙げることができる。
【0040】かかる錫化合物(B)の具体例として、ジ
ブチル錫ラウレート、ジプロピル錫ラウレート、ジブチ
ル錫ステアレート、ジメチル錫ラウレート、錫ステアレ
ート、錫ラウレート、ジブチル錫ベンゾエート、ジブチ
ル錫トルエート等を好ましく挙げることができる。
【0041】[水性塗液]本発明においてはポリエステ
ルフイルムに離型性塗膜を塗設するため、前記の化合物
(A)と錫化合物(B)とを含む水性塗液(例えば水溶
液、エマルジョン、ディスパージョン)を用いる。水性
塗液中の化合物(A)と錫化合物(B)との量比は、化
合物(A)100重量部に対し錫化合物(B)を0.0
01〜10重量部、特に0.01〜5重量部とすること
が好ましい。化合物(A)と錫化合物(B)との量比が
上記の範囲であると、離型性塗膜の制電性及びシリコー
ン樹脂層との接着性が良好となる。
【0042】水性塗液にはポリエステルフイルムへの塗
液の濡れ性を向上させるため界面活性剤を配合すること
ができる。この界面活性剤としては、例えばポリアルキ
レンオキシド重合体、アルキレンオキシド共重合体、脂
肪族アルコールアルキレンオキシド付加物、長鎖脂肪族
置換フェノール・アルキレンオキシド付加重合物、多価
アルコール脂肪酸エステル、長鎖脂肪族アミドアルコー
ル、4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ス
ルホン酸塩等を挙げることができる。
【0043】水性塗液には前記成分以外に滑剤(無機や
有機の微粒子)、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔
料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、滑り剤(潤滑剤)、
紫外線吸収剤等を添加することができる。上記の滑剤と
しては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボ
ン等の無機微粒子、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリ
ル樹脂、メラミン樹脂、架橋シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂等の樹脂微粒子を挙げることがで
きる。これらの滑剤のうちコロイダルシリカが特に好ま
しい。
【0044】水性塗液中の全固形分濃度は1〜30重量
%、特に2〜20重量%とすることが好ましい。尚、水
性液には少量の有機溶剤が含まれていてもよい。
【0045】[離型性塗膜の塗設]本発明においては、
ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、前記水性塗
液を塗布し、加熱乾燥、延伸することにより離型性塗膜
を塗設するが、水性塗液の塗布方法としては、公知の任
意の塗工法が適用でき、例えばグラビアコート法、リバ
ースロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リ
バースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マ
イヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコ
ート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコー
ト法等を単独または組み合わせて適用することができ
る。水性液のWET塗布量は走行しているフイルム1m
2 当り1〜40g、特に2〜12gが好ましい。塗布量
がこの範囲にあると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が生
じ難いので好ましい。
【0046】本発明において、水性塗液を塗布するポリ
エステルフイルムには、前記の未延伸フイルム、一軸延
伸フイルムまたは延伸可能な二軸延伸フイルムを用いる
ことができるが、このうち一軸延伸フイルム、特に縦方
向の一軸延伸フイルムを用いると離型性塗膜の耐削れ性
が良好なものになり、かつ効率良く積層フイルムを製造
できるため好ましい。例えば、ポリエステルを押出機に
て熱溶融し、シート状に押出し冷却して未延伸フイルム
とし、この未延伸フイルムを縦方向に2〜8倍延伸して
一軸延伸フイルムとした後、水性塗液を塗布し、加熱乾
燥し、次いで横方向に2〜9倍延伸し、必要なら更に縦
方向や横方向に再延伸及び/又は熱処理して離型性塗膜
の耐削れ性が良好な積層フイルムをつくることができ
る。
【0047】塗設した離型性塗膜の厚さは0.005〜
0.2μm、特に0.01〜0.1μmが好ましい。離
型性塗膜の厚さが0.005μmよりも薄いと離型性が
不足することがあり、0.2μmを超えると背面非転写
性が不足することがあるため好ましくない。
【0048】[乾燥及び延伸温度]本発明で水性塗液を
塗布した後、乾燥させる温度は70〜120℃とするこ
とが塗液を迅速に乾燥させることができるため好まし
い。この乾燥のための加熱はポリエステルフイルムを延
伸する過程の加熱を兼ねことができる。また、ポリエス
テルフイルムの延伸温度は80〜170℃、熱処理温度
は120〜260℃とすることができる。
【0049】[シリコーン樹脂層]高度の離型性を要求
される用途には、本発明の積層フイルムの離型性塗膜の
少なくとも1面に高度の離型特性を有するシリコーン樹
脂層を積層した離型フイルムを用いることができる。
【0050】このシリコーン樹脂層は、例えば硬化性シ
リコーン樹脂を含む塗液を離型性塗膜の表面に塗布し、
乾燥、硬化させることにより形成できる。
【0051】硬化性シリコーン樹脂としては、例えば縮
合反応系のもの、付加反応系のもの、紫外線もしくは電
子線硬化系のものなどいずれの反応系のものも用いるこ
とができる。これらは一種以上用いることができる。
【0052】上記縮合反応系のシリコーン樹脂として
は、例えば、末端―OH基をもつポリジメチルシロキサ
ンと末端に―H基をもつポリジメチルシロキサン(ハイ
ドロジェンシラン)を有機錫触媒(例えば有機錫アシレ
ート触媒)を用いて縮合反応させ、3次元架橋構造をつ
くるものが挙げられる。
【0053】付加反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサン
とハイドロジエンシランを白金触媒を用いて反応させ、
3次元架橋構造をつくるものが挙げられる。
【0054】紫外線硬化系のシリコーン樹脂としては、
例えば最も基本的なタイプとして通常のシリコーンゴム
架橋と同じラジカル反応を利用するもの、アクリル基を
導入して光硬化させるもの、紫外線でオニウム塩を分解
して強酸を発生させ、これでエポキシ基を開裂させて架
橋させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反
応で架橋するもの等が挙げられる。電子線は紫外線より
もエネルギーが強く、紫外線硬化の場合のように開始剤
を用いずともラジカルによる架橋反応が起こる。
【0055】前記の硬化シリコーン樹脂層を離型性塗膜
の表面に塗設する場合、コーティングの方法としてはバ
ーコート法、ドクターブレード法、リバースロールコー
ト法またはグラビアロールコート法等の従来から知られ
ている方法が利用できる。
【0056】シリコーン樹脂層の乾燥および硬化(熱硬
化、紫外線硬化等)は、それぞれ個別または同時に行う
ことができる。同時に行うときには100℃以上で行う
ことが好ましい。乾燥および熱硬化の条件としては10
0℃以上で30秒程度が望ましい。乾燥温度が100℃
以下、及び硬化時間が30秒以下ではシリコーン樹脂の
硬化が不完全であり、シリコーン樹脂層の脱落等耐久性
に不安が残る。
【0057】硬化シリコーン樹脂層の厚みは、特に限定
されないが、0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。
あまり薄くなると、離型性能が低下し、満足すべき性能
が得られない。またあまり厚いと、キュアリングに時間
がかかり生産上不都合を生じる。
【0058】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。尚、平均分
子量は数平均分子量を示す。
【0059】1.離型性 フイルムサンプルの塗膜塗設面に塩化ビニルゾルを塗布
し、乾燥して厚さ6μmの塩化ビニル層を塗設した。次
いで、塩化ビニル層を補強するため塩化ビニル層表面に
粘着テープを貼り付け、サンプルを14mm幅に切断し
た後、引張り試験機にて塗膜表面と塩化ビニル層との剥
離強度(g/14mm)を測定した。尚、離型性は剥離
強度から下記のとおり評価できる。 A:剥離強度が70(g/14mm)未満 ……離型性良好 B:剥離強度が70(g/14mm)以上、100(g/14mm)未満……離型性やや良好 C:剥離強度が100(g/14mm)以上 ……離型性不良
【0060】2.背面非転写性 サンプルフイルムの塗膜塗設面と塗膜非塗設面とを重ね
合わせ、温度75℃、湿度84%RHの条件で12時間
保持した後、塗膜非塗設面の水接触角(Pa)を測定し
た。また、ポリエステルフイルムの塗膜非塗設面同志を
重ね合わせた場合について同様に剥離強度(P0 )を測
定した。次いで、P0 とPaの値から背面転写度(T)
を下記式により求め、背面非転写性を下記の基準により
評価した。
【0061】
【数1】T=[(P0 −Pa)/P0 ]×100 A: T≦4 ……背面非転写性良好 B:4<T<7 ……背面非転写性やや良好 C:7≦T ……背面非転写性不良
【0062】3.シリコーン樹脂層の接着性 塗膜塗設面に、4μmの厚さの付加重合型シリコーン樹
脂(平均分子量:3,440)の被膜を塗設し、乾燥後
シリコーン被膜面を指でこすり、接着性を下記の基準に
より評価した。 A:表面に損傷が無い ……シリコーン樹脂層の接着性良好 B:僅かな損傷がある ……シリコーン樹脂層の接着性やや良好 C:明確な強い損傷がある……シリコーン樹脂層の接着性不良
【0063】[実施例1]固有粘度0.63のポリエチ
レンテレフタレート(平均粒径0.1μmのアルミナ微
粒子を0.4重量%含有)を押出機にて溶融し、フイル
ム状の溶融ポリマーをダイスから回転冷却ドラム上に押
出し急冷して未延伸フイルムとし、次いで、該未延伸フ
イルムを縦方向に3.5倍延伸して一軸延伸フイルムと
した。この一軸延伸フイルムの片面に、前記式(IV) の
11がエチレン基;R12がメチル基;R3 が前記式
(V)で示される基;R4 が前記式(XI)で示される
基;pが18、qが10、rが5、sが5のランダム共
重合体であるポリシロキサン(S1)71重量部、ジブ
チル錫ラウレート(T1)0.7重量部およびエチレン
オキシド・プロピレンオキシド・ブロック共重合体(平
均分子量:3,190)9.3重量部からなる組成の3
重量%水性塗液をグラビアコーターで塗布した。次いで
この塗布フイルムを110℃で乾燥後、横方向に4.0
倍延伸し、191℃で熱処理して総厚さ35μm、塗膜
の厚さ0.03μmの積層フイルムをつくった。得られ
た積層フイルムの塗膜特性の評価結果を表1に示す。
【0064】[比較例1]塗膜を塗設しない以外は実施
例1と同様にしてポリエステルフイルムを得た。得られ
たフイルムの特性評価結果を表1に示す。
【0065】[実施例2〜8および比較例2]水性塗液
の成分および塗膜厚さを表1に記載のように変更した以
外は実施例1と同様にして積層フイルムを得た。得られ
た積層フイルムの塗膜特性の評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の積層フイルムの離型性塗膜は、離型性、背面非転
写性、シリコーン樹脂層との接着性に優れたものであっ
た。
【0068】尚、表1の塗液組成において[S2]、
[S3]、[S4]および[T2]は下記の化合物であ
ることを示す。
【0069】[S2]:前記[S1]55重量部と、前
記式(II) のxが3;R10がメチル基であるシロキサン
モノマー45重量部の混合物 [S3]:前記(II)のxが3;R10がメチル基である
シロキサンモノマー [S4]:前記(II)のxが3;R10がメチル基である
シロキサンモノマー45重量部と、前記(III)のxが
2;R10がエチル基、yが0であるシロキサンオリゴマ
ー55重量部の混合物 [T2]:ジブチル錫ステアレート
【0070】
【発明の効果】本発明における離型性塗膜は、特定のシ
ロキサン化合物と特定の錫化合物とを含む水性塗液を用
いて塗設されたものであるため、離型性、背面非転写
性、シリコーン塗膜との接着性に優れたものである。
【0071】特に、離型性塗膜成分として分子量の大き
なポリシロキサンや架橋度の高いポリシロキサンを用い
ることにより、溶剤や水が塗膜内部に浸透することを抑
制できるので塗膜の強度が高くなり、また耐久性が良好
となる。この分子量の大きなポリシロキサンや架橋度の
高いポリシロキサンは、ポリエステルフイルムに塗布し
たシロキサン化合物の−SiOH基どうしの脱水縮合反
応(シラノール縮合反応)を進行させることにより得る
ことができる。本発明に用いる錫化合物は、このシラノ
ール縮合反応を促進する効果が大きいため、ポリエステ
ルフイルムに塗布したシロキサン化合物を短時間加熱す
るだけで、分子量の大きなポリシロキサンや架橋度の高
いポリシロキサンとすることができる。かくして得られ
る本発明における離型性塗膜は離型性、背面非転写性、
シリコーン樹脂層との接着性のみならず、耐水性、耐溶
剤性に優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 55/02 7639−4F B29C 55/02 B32B 27/00 101 B32B 27/00 101 27/18 27/18 Z C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDM C08K 3/10 C08K 3/10 C08L 83/04 LRX C08L 83/04 LRX 83/06 83/06 C09D 5/00 PPT C09D 5/00 PPT 183/04 PMT 183/04 PMT 183/06 183/06 // C09J 7/02 JKV C09J 7/02 JKV B29K 67:00 83:00 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、下記式(I)、下記式(II)及び下記式(III)で示
    される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の
    化合物(A)と、錫化合物(B)とを含む水性塗液を塗
    布し、乾燥、延伸してつくられた離型性塗膜が設けられ
    ている積層フイルム。 【化1】 [上記式(I)において、R1 は互いに独立して−H、
    一価の炭化水素基またはハロゲン化アルキル基;R2
    −R6 Xまたは−X(但し、R6 は炭素原子数1〜20
    の二価の炭化水素基、Xは反応性有機官能基);R3
    縮合性シリルアルキル基または−R7 Si(OR8 a
    (R9 3-a (但し、R7 は炭素原子数2〜5のアルキ
    レン基;R8 、R9 は互いに独立して−Hまたは炭素原
    子数1〜5のアルキル基、aは2または3);R4 は炭
    素原子数1〜10の炭化水素基またはポリオキシアルキ
    レン基;R5 は上記R1 、R2 、R3 およびR4 に示し
    た基からなる群から選ばれた少なくとも一種の基であ
    り、pは0〜500の数、qは0〜200の数、rは0
    〜200の数、sは0〜200の数である。但し、qが
    0の場合R5 は上記R2 から選ばれる基であり且つrお
    よびsは1〜200の数であり、rが0の場合R5 は上
    記R3 から選ばれる基であり且つqおよびsは1〜20
    0の数であり、sが0の場合R5 は上記R4 から選ばれ
    る基であり且つqおよびrは1〜200の数である。] 【化2】 [上記式(II)において、R10は炭素原子数1〜8のア
    ルキル基;xは1〜8の数である。] 【化3】 [上記式(III)において、yは0〜6の数である。]
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