JPH09131807A - タイヤ成型用ドラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はタイヤの成型用ドラムに関し、タイヤ
の品質と生産性向上及び成型の自動化に供するもので、
更に省スペ−ス、設備費の低減を目的とする。 【解決手段】有端のインナ−ライナ−及び有端のカ−カ
スプライ等のタイヤボディ基材を巻き付け、夫々の端部
をジョイントして無端状としてグリ−ンタイヤを成型す
るタイヤ成型用ドラムであって、前記ドラムの中央部を
その径を一定とする固定ドラムとし、この固定ドラムの
左右に固定ドラムと同一径の外側ドラムを配置し、外側
ドラムの夫々左右方向に移動手段を備えたタイヤ成型用
ドラム。 １０‥円筒状ドラム、１１‥固定ドラム、１２‥外側ド
ラム、１５‥シリンダ−、１６‥軸心、１７‥外側ドラ
ムのエンド部、１８‥外周リング、２０‥ビ−ドセッタ
−、３０‥折り返しブラダ−、４０‥タイヤボディ基
材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はタイヤの成型用ドラ
ムに関し、タイヤの品質と生産性向上及び成型の自動化
に供するものであり、更には省スペ−ス、設備費の低減
を目的としたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりラジアルタイヤの成型において
はインナ−ライナ−、ボデイプライ等のタイヤボディ基
材をドラムの上に巻き付けて成型に供されており、更に
詳しく言えば、センタ−ブラダ−レス方式においてはセ
ンタ−にセンタ−デッキがありビ−ドリングとの間は空
間であり、又、ビ−ドリングの両外側には折り返しブラ
ダ−、折り返し羽根等、表面が均一でない形状の部材が
設置されており、このような多数の部材からなる表面に
凹凸のあるドラム上にタイヤボディ基材が巻き付けられ
ることになっている。

【０００３】又、他の方法にあっては、インナ−ライナ
−、カ−カスプライ等のタイヤボディ基材を別工程で巻
き付け、いわゆるバンド状のグリ−ンケ−スを後工程へ
移送する２ステップ成型法が採用されている。

【０００４】しかるに、近年タイヤの自動化が要請され
るようになり、特に成型時における自動化の最大のネッ
クは、タイヤボデイ基材のドラムへの自動巻き付け及び
無端状にするための端部のジョイント部の正確性が確保
されない点にある。そして、自動成型化にあっては巻き
付けまでは可能であっても、ジョイント部の構造は正確
性に欠けるものが多かった。即ち、前記したように成型
ドラムの表面の凹凸がさけられないため、タイヤボデイ
プライ等の巻き付け周も不安定であり、一方、別工程に
てバンド状に成型し、これを後工程へ移送する方法では
移送に非常に困難をきたしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はタイヤの成型
に当り、インナ−ライナ−やカ−カスプライ等のタイヤ
ボディ基材を巻き付けるドラムの改良に関するものであ
り、センタ−ドラムに対して一対の外周ドラムを設置す
ることにより自動巻き付け、自動ジョイント等を可能と
すると共に、得られたタイヤの品質の改良、成型設備の
省スペ−スを可能としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するためになされたものであって、その要旨は、有端
のインナ−ライナ−及び有端のカ−カスプライ等のタイ
ヤボディ基材を巻き付け、夫々の端部をジョイントして
無端状としてグリ−ンタイヤを成型するタイヤ成型用ド
ラムであって、前記ドラムの中央部をその径を一定とす
る固定ドラムとし、この固定ドラムの左右に固定ドラム
と同一径の外側ドラムを配置し、この外側ドラムは夫々
左右方向に移動手段を備えたことを特徴とするタイヤ成
型用ドラムに係るものである。

【０００７】そして、外側ドラムの移動手段としては設
備上からみて夫々にシリンダ−が接続されて左右方向に
移動可能とするのがよく、ドラム中央の固定ドラムに対
向して拡縮可能な外周リングを備えることによって、ド
ラム上に巻き付けられたタイヤボディ基材を挟着支持す
ることができ、好ましくは、固定ドラムにエア−吹き出
し口を設けておき、外側ドラムとタイヤボディ基材との
剥離に供されるのがよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明におけるタイヤ成型用ドラ
ムは、タイヤボデイ基材を巻き付け、かつこれを無端状
にジョイントする際に用いられるもので、このドラムは
３分割され、中央のドラムを固定ドラムとし、この左右
の外側ドラムを夫々左右外方に移動可能としたものであ
る。そして、この外側ドラムの内周内には拡縮機構を備
えたビ−ドセッタ−と折り返しブラダ−とが備えられて
いる。又、中央の固定ドラムの外周に拡縮機構を有する
外周リングも備えてある。

【０００９】しかるに、インナ−ライナ−、カ−カスプ
ライ等の有端のタイヤボデイ基材がこのドラム上にて巻
き付けられ、その端部をジョイントして無端状としてか
ら、外周リングを縮径して固定ドラムとの間でタイヤボ
デイ基材をはさみ込み、次いで左右の外側ドラムを左右
の外方へ移動させるものである。勿論、ビ−ドセッタ−
によってビ−ドが装着され、かつビ−ドセッタ−を拡径
してビ−ド部を密閉し、一方、外周リングを拡径してタ
イヤボデイ基材の固定を解除し、次いでビ−ド部をビ−
ドセッタ−と共に固定ドラム側に移動し、ドラム内にエ
ア−を充填して内圧をかけてタイヤボディ基材を拡径す
るものであり、更に折り返しブラダ−を膨張させてビ−
ド・ビ−ドフイラ−等をタイヤボディ基材にて巻き込む
ものである。そして、この拡径されたタイヤボディ基材
上にベルト材と共にドレッドゴムを巻き付けることとな
る。

【００１０】この一連のタイヤ成型工程にあって、特に
インナ−ライナ−やカ−カスプライ等のタイヤボディ基
材が巻き付けられるドラムの径は一定となっており、し
かもその表面には凹凸がなくかつ鋼材にて形成されてい
るため、巻き付けられたタイヤボディ基材は常に均質に
巻き付けられることとなり、その長さ（周長）も異なる
ことはない。

【００１１】従って、成型時にドラム上に巻き付けられ
る基材（有端）の端部を重ね合せることなくつき合せジ
ョイントすることも容易となる。このことはとりもなお
さずドラムの表面に凹凸がなくしかも一定の径を保って
いるからに他ならない。従って、巻き付けに供されるタ
イヤボディ基材は成型時に所定の長さに切断しておけば
よく、これを用いることによってタイヤの成型が極めて
生産性が向上したものとなる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を図面をもって更に詳細に説明
する。図１は本発明のタイヤ成型用ドラムを含むタイヤ
成型機の概略断面図であり、図２はその主要部の拡大断
面図である。先ず成型機全体の概略を説明すると、１０
は円筒状ドラムであり、この外周表面にタイヤの基材と
なる有端のインナ−ライナ−やカ−カスプライ等のタイ
ヤボディ基材が巻き付けられ、これらが無端状にジョイ
ントされる。そして、２０はビ−ドセッタ−であり、図
示しないビ−ドリングの取り付けに供される。そして、
このビ−ドセッタ−２０はドラム１０の左右に一対備え
られ、拡縮径機構を備えると共に左右へ移動する機構を
も備えられている。又、このビ−ドセッタ−２０の外側
にはエア−にて膨張する折り返しブラダ−３０が備えら
れている。

【００１３】さて、この成型機のドラム１０は中央に固
定された固定ドラム１１とその左右に備えられた外側ド
ラム１２とからなっており、夫々の外周表面が同一表面
をもつ円筒形である。そして、この外側ドラム１２は夫
々、左右の外方に移動可能とされており、この例では本
体フレ−ム１３、サポ−ト１４にて支持されたシリンダ
−１５がこの外側ドラム１２に備えられたものであっ
て、このシリンダ−１５の作動により外側ドラム１２が
左右に移動することとなる。図中、１６はドラム１１を
支持し、かつ外側ドラム１２の移動に供される軸心であ
り、外側ドラム１２のエンド部１７がこの軸心１６に嵌
め合されて摺動する。

【００１４】尚、図中、点線で示すものはこのドラム上
に巻き付けられたインナ−ライナ−、カ−カスプライ等
のタイヤボディ基材４０である。図からも分るように、
このタイヤボディ基材４０は凹凸のないドラム１０（１
１、１２）の外表面に巻き付けられ、これによって夫々
の巻き付け及びその端部のジョイントが確実となるもの
である。

【００１５】図３は外側ドラム１２をシリンダ−１５を
もって夫々左右に移動させた図であり、ここでビ−ド２
１（やビ−ドフイラ−）がセットされ、ビ−ドセッタ−
２０を拡径することにより内側よりビ−ド２１を押え込
む。尚この際、ドラム１０上のタイヤボディ基材４０を
支持するため、固定ドラム１１の外周に配置されている
外周リング１８を縮径してタイヤ基材４０をはさんむ。

【００１６】次いで図４に示すようにビ−ドセッタ−２
０を固定ドラム１１に向けて移動させると共に、ドラム
１０内にエア−を充填してタイヤ基材４０をセ−ピング
させる。このタイヤ基材４０にベルト及びトレッド材２
２を巻き付け、更にエア−にて折り返しブラダ−３０を
膨張させることによってビ−ド２１を巻き込んでグリ−
ンタイヤの成型が完了する。

【００１７】

【発明の効果】以上の通り、本発明のタイヤ成型用ドラ
ムは中央の固定ドラムと左右のしかも外方に移動可能と
なった外側ドラムとで構成されているため、ドラムに巻
き付けられるタイヤ基材の周長が均一となり、しかも端
部のジョイントも均一で正確にできることとなる。又、
図示したように、このドラムを採用すれば、一般にセ−
ピングと称されている工程への移送も必要でなくなると
いう利点もあり、このためタイヤのユニホ−ミテイの向
上に大いに効果を発揮することになる。そして別工程へ
の移送も要さずスペ−ス的にも省略化できることとな
る。

【００１８】更に本発明のドラムを採用することによっ
て、タイヤボディ基材のドラムへの自動巻き付けが容易
となり、ジョイント部も正確でしかもジョイント部を強
く圧着することができるため圧着部の強度が上がり、次
工程における自動化及び製品としての品質向上に効果を
発揮することとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の成型ドラムを採用したタイヤ成
型機の概略断面図である。

【図２】図２は図１の成型ドラムの主要部の拡大断面図
である。

【図３】図３は外側ドラムを左右外方に移動させた際の
概略断面図である。

【図４】図４はグリ−ンタイヤを得る際の最終工程を示
す概略断面図である。

【符号の説明】

１０‥‥円筒状ドラム、 １１‥‥固定ドラム、 １２‥‥外側ドラム、 １３‥‥本体フレ−ム、 １４‥‥サポ−ト、 １５‥‥シリンダ−、 １６‥‥軸心、 １７‥‥外側ドラムのエンド部、 １８‥‥外周リング、 ２０‥‥ビ−ドセッタ−、 ２１‥‥ビ−ド、 ２２‥‥ベルト及びトレッド材、 ３０‥‥折り返しブラダ−、 ４０‥‥タイヤボディ基材。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有端のインナ−ライナ−及び有端のカ−
   カスプライ等のタイヤボディ基材を巻き付け、夫々の端
   部をジョイントして無端状としてグリ−ンタイヤを成型
   するタイヤ成型用ドラムであって、前記ドラムの中央部
   をその径を一定とする固定ドラムとし、この固定ドラム
   の左右に固定ドラムと同一径の外側ドラムを配置し、こ
   の外側ドラムは夫々左右方向に移動手段を備えたことを
   特徴とするタイヤ成型用ドラム。
2. 【請求項２】 外側ドラムは夫々にシリンダ−が接続さ
   れて左右方向に移動可能とした請求項第１項記載のタイ
   ヤの成型ドラム。
3. 【請求項３】 固定ドラムに対向して拡縮可能な外周リ
   ングを備えた請求項第１項記載のタイヤの成型用ドラ
   ム。
4. 【請求項４】 固定ドラムにエア−吹き出し口を設けた
   請求項第１項記載のタイヤの成型用ドラム。