JPH0913069A - エマルジョン型切削油 - Google Patents

エマルジョン型切削油

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JPH0913069A
JPH0913069A JP16230295A JP16230295A JPH0913069A JP H0913069 A JPH0913069 A JP H0913069A JP 16230295 A JP16230295 A JP 16230295A JP 16230295 A JP16230295 A JP 16230295A JP H0913069 A JPH0913069 A JP H0913069A
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cutting oil
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Yoshiaki Konishi
義昭 小西
Akira Ogura
彰 小椋
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉱油、油脂、合成油等の潤滑剤からなる基油
に、界面活性剤等を添加して水中に分散乳化させたエマ
ルジョン型切削油において、エマルジョンの安定性を高
めて、長期間に亘り安定した切削機能を保持することが
できるエマルジョン型切削油を提供する。 【構成】 鉱油、油脂、合成油等の潤滑剤からなる基油
に、界面活性剤等を添加して水中に分散乳化しO/W型
エマルジョンとしてなるエマルジョン型切削油におい
て、通気攪拌培養法により酢酸菌が糖原料を代謝して生
成するセルロース繊維を混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料を切削、研削
等の機械加工を行う際に使用する潤滑剤としての切削油
に係り、特に分散している水の硬度が上昇してもエマル
ジョン破壊を生じることなくエマルジョンを安定に保持
して切削機能を長く維持することができるエマルジョン
型切削油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属材料の機械加工としては、
切削(研削)、プレス、圧延等の切削加工および塑性加
工等が知られている。これらの加工に際して、加工材料
と工具とは、加工中に高圧で接触して大きな摩擦熱を発
生すると共に、摩擦面の温度が著しく上昇する。
【0003】このため、切削油は、前記加工材料と工具
との接触点に適用して、これら加工材料と工具との接触
部の潤滑を行うと共に、摩擦力を低減させて摩擦熱の発
生を防止し、同時に接触部の冷却を行って発生熱を除去
し、摩擦面の温度上昇を抑制して、焼付けに至ることな
く、良好な加工状態を維持することができる。
【0004】しかるに、現在この種の切削油として最も
好適に使用されているものとしては、不水溶性切削油と
水溶性切削油とに大別され、前者の不水溶性切削油は、
鉱油、油脂、合成油等の潤滑剤を基油として加えた油性
のものであって、主として潤滑性の向上を指向するもの
である。また、後者の水溶性切削油は、例えば前記の基
油に、必要に応じて極圧添加剤を加えると共に、界面活
性剤を加え、水中に分散乳化してO/W型エマルジョン
とし、特に冷却性の向上を指向するものである。そし
て、後者のエマルジョン型切削油は、使用時に油剤に対
して10〜50倍の水と混合してO/W型エマルジョン
を作成して、適宜使用されている。ここで、O/W型エ
マルジョンとは、分散媒としての水の中に、分散質とし
ての油が微粒子状に均一に分散し、時間が経過しても油
粒子同士が凝集、集合して水から分離することの無い状
態をいう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エマルジョン型切削油は、エマルジョンの水の部分にM
2+やCa2+が加わると、水の硬度が上がってエマルジ
ョンが破壊し、油と水が分離するために、それまで水中
に均一に分散していた油は水中から抜けてしまい、その
ためにO/W型エマルジョンの大部分を占める水中にお
ける切削油の濃度が低下し、切削機能を低下させる難点
がある。
【0006】例えば、高Mg2+含有のアルミニウム合金
を切削し続ける場合に使用すると、エマルジョンの水中
にAl3+よりもMg2+が優先的に溶出する傾向があり、
このためMg2+の濃度が上がり、エマルジョン破壊を生
じる惧れがある。すなわち、このようなエマルジョン破
壊を生じたエマルジョン型切削油は、潤滑性および冷却
性が著しく低下して、切削機能を低下させる結果とな
る。
【0007】そこで、本発明者等は、鋭意研究を重ねた
結果、通気攪拌培養法により酢酸菌から糖原料を代謝し
て得られるセルロース(このセルロースを、一般に酢酸
セルロースまたはバクテリアセルロースという)を、前
記従来のエマルジョン型切削油に混合することにより、
エマルジョンの安定性を高めることができ、長期間に亘
って切削機能を安定に保持することができることを突き
止めた。
【0008】そこで、本発明の目的は、鉱油、油脂、合
成油等の潤滑剤からなる基油に、界面活性剤等を添加し
て水中に分散乳化させたエマルジョン型切削油におい
て、エマルジョンの安定性を高めて、長期間に亘り安定
した切削機能を保持することができるエマルジョン型切
削油を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るエマルジョン型切削油は、鉱油、油
脂、合成油等の潤滑剤からなる基油に、界面活性剤等を
添加して水中に分散乳化しO/W型エマルジョンとして
なるエマルジョン型切削油において、通気攪拌培養法に
より酢酸菌が糖原料を代謝して生成するセルロース繊維
を混合することを特徴とする。
【0010】前記のエマルジョン型切削油において、セ
ルロース繊維は、直径が0.01〜0.1μmで、長さ
が100〜500μmからなるものを好適に使用するこ
とができる。
【0011】また、セルロース繊維は、エマルジョン型
切削油に対し0.01〜0.5%添加、混合すれば好適
である。
【0012】
【作用】本発明に係るエマルジョン型切削油において、
混合する通気攪拌培養法により酢酸菌から糖原料を代謝
させて生成されるセルロースすなわちバクテリアセルロ
ースは、セルロース繊維のミクロフィブリルが方向性を
持たずに集合してるため、植物セルロース繊維のように
方向性を持った集合体に比べて繊維径が細い特徴を有し
ている。ここで、水中の油滴分散粒子(ミセル)の直径
が1〜10μm程度であるのに対し、バクテリアセルロ
ースは繊維径が0.01〜0.1μm、長さが100〜
500μmであるために、ミセルを充分取り巻くことが
可能である。この時、バクテリアセルロースは親水性と
親油性を兼ね備えており、そのためミセルと周囲の水と
の境界面にバクテリアセルロースの一部が入り、立体構
造をつくることでエマルジョンを安定化するのに寄与し
ていると考えられる。
【0013】さらに、通気攪拌培養法により生成される
バクテリアセルロースは、保水状態にて保存されるた
め、切削油を、エマルジョン化するために加える水の中
へ予め入れておき、分散させておくことで、切削油と水
の混合によるエマルジョン化を効果的に達成することが
できる。
【0014】本発明において、基油としての鉱油には、
マシン油、タービン油等の精製鉱油を使用することがで
きる。
【0015】また、油脂としては、菜種油、大豆油、ラ
ード油、牛脂等の植物油、動物油、またはこれらの硬化
油等を使用することができる。
【0016】さらに、合成油としては、ポリ−アルファ
−オレフィン油、ポリペンタジェン油等の合成炭化水素
油、脂肪酸ペンタエリストリトールエステル、ジオクチ
ルセバケート等のエステル油、ポリエーテルポリオール
油、シリコーン油等を使用することができる。
【0017】その他、界面活性剤以外の添加剤として
は、切削油の添加剤として一般に使用される添加剤は全
て添加し得るものであり、例えば極圧添加剤、防錆剤、
酸化防止剤等である。
【0018】本発明において、酢酸セルロース(バクテ
リアセルロース)を混合することによる、エマルジョン
の安定化に寄与するメカニズムは、完全には解明されて
いないが、これは電気二重層によるものではなく、吸着
による立体的安定化によるものと考えられる。すなわ
ち、未乾燥の酢酸セルロースは、これを機械的にミクロ
フィブリル化すると、水分保持性能を高めることがで
き、しかもこのようなミクロフィブリル化した酢酸セル
ロースは、分散性に優れていると同時に人体に対する安
全性も高いことから、食品や化粧品、医薬品への適用が
知られている。従って、例えばエマルジョン型切削油に
おいて、エマルジョンがイオン化により安定している場
合に、Mg2+イオン等によりエマルジョンが破壊するよ
うな時でも、中性の酢酸セルロースによる立体的安定化
は有効に作用し、耐硬水性を良好とすることがてきるも
のと考えられる。
【0019】特に、本発明に適用する酢酸セルロースと
しては、繊維の直径が0.01〜0.1μmで、長さが
100〜500μmにミクロフィブリル化したものを使
用することが有効である。
【0020】また、添加、混合する酢酸セルロース繊維
は、エマルジョン型切削油に対し0.01〜0.5%の
範囲が有効である。
【0021】
【実施例】次に、本発明に係るエマルジョン型切削油の
実施例につき説明する。
【0022】実施例1 アニオン系界面活性剤20〜30%、塩素化パラフィン
5〜15%、脂肪酸1〜5%、残量を鉱油とした成分か
らなる「ハングスターファー S−500(三井石油株
式会社製造の石油系炭化水素油および添加剤)」を使用
し、これを15倍の水で希釈混合してエマルジョン型切
削油を作成した。なお、この石油系炭化水素油は、沸点
101℃、水溶解度100%、比重0.961、pH
(5%)9.1、動粘度(40℃)61.0mm2 /s
からなる物理的および化学的性質を有するものである。
【0023】このエマルジョン型切削油に、通気攪拌培
養法により酢酸菌が糖原料を代謝して生成する酢酸セル
ロース繊維であって、繊維の直径が0.01〜0.1μ
mで、長さが100〜500μmからなる湿潤した酢酸
セルロース繊維を、予め水中に添加分散させたセルロー
ス分散水をセルロース濃度にて0.07%添加、混合し
て本発明に係るエマルジョン型切削油を調製した。
【0024】次に、このようにして得られた本実施例に
おけるエマルジョン型切削油に、Mg2+イオンをMgC
2 水溶液の状態で添加して、エマルジョン破壊を生じ
させ、このエマルジョン破壊による油水分離するMgC
2 の限界濃度を測定した結果、その限界濃度は0.3
%であった。
【0025】比較例1 前記実施例1と同様にし、但し酢酸セルロース繊維を添
加しないエマルジョン型切削油を調製した。
【0026】このようにして得られたエマルジョン型切
削油に、Mg2+イオンをMgCl2水溶液の状態で添加
して、エマルジョン破壊を生じさせ、このエマルジョン
破壊による油水分離するMgCl2 の限界濃度を測定し
た結果、その限界濃度は0.15%であった。
【0027】以上の実施例1と比較例1におけるエマル
ジョン型切削油における、MgCl2 の限界濃度の測定
結果から、酢酸セルロース繊維を添加、混合した本発明
に係るエマルジョン型切削油のエマルジョン破壊に対す
る耐久性が高いことが確認された。
【0028】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
をすることができる。
【0029】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明に係るエマルジョン型切削油によれば、鉱油、油
脂、合成油等の潤滑剤からなる基油に、界面活性剤等を
添加して水中に分散乳化しO/W型エマルジョンとして
なるエマルジョン型切削油において、通気攪拌培養法に
より酢酸菌が糖原料を代謝して生成するセルロース繊維
を混合することにより、エマルジョンの破壊を防止して
その安定性を高め、長期間に亘り安定した切削機能を保
持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:06 30:00 40:22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油、油脂、合成油等の潤滑剤からなる
    基油に、界面活性剤を添加して水中に分散乳化しO/W
    型エマルジョンとしてなるエマルジョン型切削油におい
    て、通気攪拌培養法により酢酸菌が糖原料を代謝して生
    成するセルロース繊維を添加、混合することを特徴とす
    るエマルジョン型切削油。
  2. 【請求項2】 セルロース繊維は、直径が0.01〜
    0.1μmで、長さが100〜500μmからなるもの
    を使用してなる請求項1記載のエマルジョン型切削油。
  3. 【請求項3】 セルロース繊維は、エマルジョン型切削
    油に対し0.01〜0.5%添加、混合してなる請求項
    1または2記載のエマルジョン型切削油。
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