JPH0912952A - 平版印刷用インキ組成物 - Google Patents
平版印刷用インキ組成物Info
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- JPH0912952A JPH0912952A JP15915395A JP15915395A JPH0912952A JP H0912952 A JPH0912952 A JP H0912952A JP 15915395 A JP15915395 A JP 15915395A JP 15915395 A JP15915395 A JP 15915395A JP H0912952 A JPH0912952 A JP H0912952A
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Abstract
れの発生と、印刷機ローラー上のインキのローラースト
リッピング現象の防止を図る平版印刷用インキを得る。 【構成】 1分子中に2個以上のリン酸基を有する化合
物を含有することを特徴とする平版印刷用インキ組成
物。
Description
物に関するものであり、更に詳しくは印刷版面の非画線
部の汚れの発生が起こりにくく、しかも印刷機上でのイ
ンキのローラーストリッピングを防止することができる
平版印刷用インキ組成物に関するものである。
版の表面が水に湿潤され易い非画線部(親水性部)と油
に湿潤され易い画線部(親油性部)とから構成される。
即ちオフセット平版印刷は水を使用することを最大の特
徴としており、これは湿し水と呼ばれ、非画線部を湿潤
することにより画線部、非画線部との間の界面化学的性
質の差を拡大し、非画線部のインキの反発性、及び画線
部のインキの受理性を増大させる作用を有している。
てのPS版の普及にともない、その非画線部の不感脂化
処理技術により、平版印刷の欠点でもあった汚れに関係
した印刷上のトラブルは大幅に改善された。
大化にともない、版の摩耗等により版の活性金属面が露
出し、これに印刷インキ中の遊離脂肪酸等の親油性物質
が吸着され、その結果、版の非画線部に疎水性部分が形
成され、更に印刷インキが付着し、いわゆる汚れ現象の
発生をともなうことがある。これの対応として、これま
で湿し水の側からエッチ液と呼ばれるアラビアゴム、リ
ン酸等を含むPH4〜6の水溶液が湿し水として使用さ
れてきた。
リン酸、或いはメタリン酸等、版面を清浄化する、いわ
ゆる不感脂化する物質が添加され印刷に供されることも
あった。しかしこれらの技術は、汚れ防止を完全に防止
するには至らず、また印刷中にローラーストリッピング
と称する印刷機上のインキロールにインキの転移が著し
く疎外される現象をともなう場合があった。
セット平版印刷の際に発生する印刷上のトラブル、即ち
版面の非画線部の汚れの発生と、印刷機ローラー上のイ
ンキのローラーストリッピング現象等の防止を印刷イン
キの組成面より検討し、その問題解決を図ることを目的
としている。
れ、及びローラーストリッピング防止のこれら現象に焦
点を絞り鋭意研究を重ねた結果、インキ中にフリーの電
解質が存在すると、これら現象が発現されることを見い
だした。即ちこれらフリーの無機電解質が、印刷中に湿
し水の中に徐々に溶出し、これが湿し水中の不感脂化成
分である、例えばリン酸成分等と反応し、その不感脂化
能力を維持すべき濃度を低下せしめ、その結果、本来具
備している汚れ防止効果を著しく損なわしめ、汚れ発生
の原因につながることが判明した。一方リン酸成分など
不感脂化成分と反応したカルシウム等無機電解質はイン
キロール上に付着し、これがある一定以上堆積するとロ
ーラーストリッピングが発生することも確認した。
原因としてインキ中に存在するフリーの無機電解質イオ
ンを除去する手段をつきとめた。即ち、印刷インキ中に
添加されたフィチン酸、或いはフィチン酸塩等で代表さ
れる特定の化合物がその化学的性質上、金属イオンと反
応してキレート化合物をつくる能力を有しているため、
インキ組成中に存在するフリーの無機電解質をキレート
化合物の形で捕捉する。その結果、インキ組成物中のフ
リーの無機電解質の残存量は大幅に低下し、印刷中イン
キより無機電解質の溶出は抑えられ、この無機電解質に
起因する前述の汚れとローラーストリッピングのトラブ
ルの発生が防止されること見いだした。更に、印刷イン
キ中に添加された特定の化合物は、それ自体版面を清浄
化する、所謂整面効果を併せ持ち合わせているため、非
画線部の汚れ防止はこの面からも有効であることを見い
だし本発明を完成した。
に2個以上のリン酸基を有する化合物を含有せしめてな
る平版印刷用インキ組成物に関するものである。本発明
に使用される1分子中に2個以上のリン酸基を有する化
合物としては、−PO(0H)2 で示される1価のリン
酸基を2個以上有する化合物、−{PO(OH)O} n
−PO(OH)2 で示される1価のポリリン酸基を2個
以上有する化合物および前記1価のリン酸基を2個以上
側鎖に有する高分子化合物から選ばれる少なくとも1種
が用いられる。具体的には、フィチン酸、1、3(2、
3)−ジホスホグリセリン酸、アデノシン−5′−四リ
ン酸、ポリビニルリン酸、及びその誘導体があげられ
る。また前記化合物の塩としては、1価、又は2価の金
属の水溶性塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及
びカルシウム塩等から選ぶことができる。またこれら化
合物のインキ中への添加割合はインキ総重量に対して、
0.01〜2重量%であり、特に好ましくは0.1〜2
重量%である。
チン酸塩で代表される特定の化合物のインキ中への添加
の方法は、直接所定量インキ中に添加し練肉混合しても
よいし、またそれらを水、又はアルコール類に溶解し、
これを所定量インキ中に練肉混合する方法を用いてもよ
い。また別な方法として、フィチン酸、又はフィチン酸
塩で代表される特定の化合物の水溶液を、予め平版印刷
インキ用樹脂ワニス、例えばアルキッド樹脂ワニスなど
と混和エマルジョン化、或いはコンパウンド化し、これ
をインキ中に添加混入する方法があるが、いずれの方法
を用いてもよい。
るには、顔料(A)、及び樹脂、乾性油、石油系溶剤等
から構成するインキ用ワニス(B)、その他添加剤
(C)を予め練肉し顔料ペーストを準備し、その後3本
ロールミル攪拌機等を用いて、前述のフィチン酸、又は
フィチン酸塩で代表される特定の化合物の水溶液、もし
くはそれらのエマルジョン化、或いはコンパウンド化し
たものを混入すればよい。
るにあたり、使用される顔料(A)としては、任意の有
機顔料もしくは無機顔料が使用できる。インキ用ワニス
(B)としては、樹脂としてのロジン変性フェノール樹
脂もしくは石油樹脂、乾性油としてのアマニ油等の植物
油と、石油系溶剤等の原料で構成されたものを使用する
ことができる。また添加剤(C)としてはポリエチレン
系、又はフッ素系ワックス等を挙げることができる。
チン酸塩で代表される特定の化合物を含有する平版印刷
用インキ組成物は、インキ中のフリーの無機電解質に起
因する印刷上のトラブル、即ち版面の非画線部の汚れ発
生と印刷機ローラー上のインキのローラーストリッピン
グ現象に対し、効果的にその防止効果を示す。
するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定され
るものではない。
2に示す組成で、前述の常法によって本発明の平版印刷
用インキ組成物、及び比較例の組成物を得た。
の手順で調整される。 (*1):フィチン酸の50重量%水溶液の40重量部
とアルキッド樹脂ワニス60重量部とを、高速攪拌機に
て混合しフィチン酸のエマルジョンコンパウンドを得
る。 (*2):フィチン酸ナトリウムの50重量%水溶液の
40重量部とアルキッド樹脂ワニス60重量部とを、高
速攪拌機にて混合しフィチン酸ナトリウムのエマルジョ
ンコンパウンドを得る。
得られた平版印刷用インキ組成物を用いて、湿し水とし
て、水道水、及び水道水に0.1重量%のリン酸を加え
た2種類の湿し水を使用して、8000枚/時の印刷速
度にて印刷を行った。フィチン酸含有インキの耐汚れ性
と耐ローラーストリッピング性の関係について結果を表
3に示す。
のインキを使用した場合には、湿し水として水道水を使
用したときも、10、000枚の印刷で版面の汚れ及び
ローラーストリッピングの発生はなく、良好な印刷が行
うことができた。また湿し水として水道水にリン酸の
0.1重量%加えた場合には、20000枚の印刷で版
面の汚れ及びローラーストリッピングの発生はなく、良
好な印刷を行うことができた。
は、湿し水として水道水を使用した時、5000枚の印
刷で版面の汚れが発生した。また湿し水として水道水に
リン酸の0.1重量%を添加した場合、10000枚の
印刷でローラーストリッピングが発生した。以上、実施
例1〜6の各々のフィチン酸、又はフィチン酸塩を含有
したインキは、比較例1で示されたインキと比較し、版
面の汚れ及びローラーストリッピングの発生がなく、良
好な印刷効果を示すことが明らかである。
た問題点、即ち非画線部の汚れと印刷機のローラー上の
インキのローラーストリッピングの現象を、本発明によ
り得られたインキ組成物を用いることにより、ことごと
く解決することができ、印刷品質の向上と作業効率の改
善に寄与することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 1分子中に2個以上のリン酸基を有する
化合物を含有することを特徴とする平版印刷用インキ組
成物。 - 【請求項2】 1分子中に2個以上のリン酸基を有する
化合物が、−PO(0H)2 で示される1価のリン酸基
を2個以上有する化合物、−{PO(OH)O}n −P
O(OH)2 で示される1価のポリリン酸基を2個以上
有する化合物および前記1価のリン酸基を2個以上側鎖
に有する高分子化合物よりなる群の中から選ばれた、少
なくとも1種の化合物である請求項1記載の平版印刷用
インキ組成物。 - 【請求項3】 1分子中に2個以上のリン酸基を有する
化合物が、フィチン酸、又はフィチン酸塩である請求項
1または2に記載の平版印刷用インキ組成物。 - 【請求項4】 フィチン酸、又はフィチン酸塩の含有量
が、0.01〜2重量%である請求項3に記載の平版印
刷用インキ組成物。 - 【請求項5】 フィチン酸塩が、アルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩であ
る請求項3または4に記載の平版印刷用インキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15915395A JPH0912952A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 平版印刷用インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15915395A JPH0912952A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 平版印刷用インキ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912952A true JPH0912952A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15687432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15915395A Pending JPH0912952A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 平版印刷用インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0912952A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008274150A (ja) * | 2007-05-01 | 2008-11-13 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | ロジン変性フェノール樹脂およびオフセット印刷用ロジン変性フェノール樹脂 |
-
1995
- 1995-06-26 JP JP15915395A patent/JPH0912952A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008274150A (ja) * | 2007-05-01 | 2008-11-13 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | ロジン変性フェノール樹脂およびオフセット印刷用ロジン変性フェノール樹脂 |
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