JPH09129425A - 樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合型磁石用組成物 - Google Patents
樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合型磁石用組成物Info
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- JPH09129425A JPH09129425A JP7301984A JP30198495A JPH09129425A JP H09129425 A JPH09129425 A JP H09129425A JP 7301984 A JP7301984 A JP 7301984A JP 30198495 A JP30198495 A JP 30198495A JP H09129425 A JPH09129425 A JP H09129425A
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- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 バインダー樹脂の配合比率を低く抑えても、
耐食性及び機械的強度に優れた樹脂結合型磁石の提供。 【解決手段】 磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上で
あり、該粉末の粒子表面を下記防錆剤で処理した後、さ
らにアクリル樹脂で防錆処理したものであることを特徴
とする樹脂結合型磁石。 防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なくとも2つの炭
素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族炭化水素系キ
レート剤及び該水酸基が酸化したキノン構造を有する芳
香族炭化水素系キレート剤からなる群より選ばれた少な
くとも1種、並びに(B)界面活性剤を含有する防錆
剤。
耐食性及び機械的強度に優れた樹脂結合型磁石の提供。 【解決手段】 磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上で
あり、該粉末の粒子表面を下記防錆剤で処理した後、さ
らにアクリル樹脂で防錆処理したものであることを特徴
とする樹脂結合型磁石。 防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なくとも2つの炭
素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族炭化水素系キ
レート剤及び該水酸基が酸化したキノン構造を有する芳
香族炭化水素系キレート剤からなる群より選ばれた少な
くとも1種、並びに(B)界面活性剤を含有する防錆
剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性及び機械的
強度に優れた樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合
型磁石用組成物に関する。
強度に優れた樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合
型磁石用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石は、その製造法の相違に
より樹脂結合型磁石と焼結型磁石とに分けられる。樹脂
結合型磁石は一般に、磁性粉末にバインダー樹脂を配合
した組成物をプレス成形し、或いは射出成形して得られ
る。この樹脂結合型磁石は、焼結型磁石と比較して寸法
精度が高いものが得られるので複雑な形状の製品を製造
しやすい。また、樹脂結合型磁石は、品質が安定してお
り、製造時の歩留まりも良好であるという利点がある。
しかし、樹脂結合型磁石は、磁気特性を高めるためにバ
インダー樹脂の配合比率を低減すると、成形性や機械的
強度が低下すると共に耐食性が低下するという欠点があ
る。そこで、従来、このような成形性や機械的強度の低
下を防止することを目的に、バインダー樹脂として射出
成形ではポリアミド樹脂を、プレス成形ではエポキシ樹
脂を主成分とし、これに滑剤、カップリング剤及び必要
により他の樹脂成分を添加したものが用いられている。
しかし、これらのバインダー樹脂では磁石に十分な耐食
性を付与することはできない。即ち、磁性粉末をカップ
リング剤で表面処理しただけでは防錆効果が極めて悪い
という欠点がある。従って、これらのバインダー樹脂を
用いた樹脂結合型磁石では、磁石に耐食性を付与するた
めに表面に金属メッキや樹脂コーティングを施さなけれ
ばならないという問題点がある。また、機械的強度の低
下防止効果についても未だ不十分であり、得られた磁石
を加工したり、該磁石を部品として製品に組み込む際に
割れ欠けが生じるという問題もある。
より樹脂結合型磁石と焼結型磁石とに分けられる。樹脂
結合型磁石は一般に、磁性粉末にバインダー樹脂を配合
した組成物をプレス成形し、或いは射出成形して得られ
る。この樹脂結合型磁石は、焼結型磁石と比較して寸法
精度が高いものが得られるので複雑な形状の製品を製造
しやすい。また、樹脂結合型磁石は、品質が安定してお
り、製造時の歩留まりも良好であるという利点がある。
しかし、樹脂結合型磁石は、磁気特性を高めるためにバ
インダー樹脂の配合比率を低減すると、成形性や機械的
強度が低下すると共に耐食性が低下するという欠点があ
る。そこで、従来、このような成形性や機械的強度の低
下を防止することを目的に、バインダー樹脂として射出
成形ではポリアミド樹脂を、プレス成形ではエポキシ樹
脂を主成分とし、これに滑剤、カップリング剤及び必要
により他の樹脂成分を添加したものが用いられている。
しかし、これらのバインダー樹脂では磁石に十分な耐食
性を付与することはできない。即ち、磁性粉末をカップ
リング剤で表面処理しただけでは防錆効果が極めて悪い
という欠点がある。従って、これらのバインダー樹脂を
用いた樹脂結合型磁石では、磁石に耐食性を付与するた
めに表面に金属メッキや樹脂コーティングを施さなけれ
ばならないという問題点がある。また、機械的強度の低
下防止効果についても未だ不十分であり、得られた磁石
を加工したり、該磁石を部品として製品に組み込む際に
割れ欠けが生じるという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バイ
ンダー樹脂の配合比率が低いにもかかわらず、耐食性及
び機械的強度に優れた樹脂結合型磁石及びそれに用いる
樹脂結合型磁石用組成物を提供することにある。
ンダー樹脂の配合比率が低いにもかかわらず、耐食性及
び機械的強度に優れた樹脂結合型磁石及びそれに用いる
樹脂結合型磁石用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一(以下、第
一発明という)は、磁性粉末及びバインダー樹脂として
熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレ
ス成形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形して
得られる樹脂結合型磁石において、前記の磁性粉末が、
異方性磁場が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を下
記防錆剤で処理した後、さらにアクリル樹脂で防錆処理
したものであることを特徴とする樹脂結合型磁石であ
る。
一発明という)は、磁性粉末及びバインダー樹脂として
熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレ
ス成形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形して
得られる樹脂結合型磁石において、前記の磁性粉末が、
異方性磁場が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を下
記防錆剤で処理した後、さらにアクリル樹脂で防錆処理
したものであることを特徴とする樹脂結合型磁石であ
る。
【0005】防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なく
とも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族
炭化水素系キレート剤及び該水酸基が酸化したキノン構
造を有する芳香族炭化水素系キレート剤からなる群より
選ばれた少なくとも1種、並びに(B)界面活性剤を含
有する防錆剤。
とも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族
炭化水素系キレート剤及び該水酸基が酸化したキノン構
造を有する芳香族炭化水素系キレート剤からなる群より
選ばれた少なくとも1種、並びに(B)界面活性剤を含
有する防錆剤。
【0006】本発明の第二(以下、第二発明という)
は、磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬化性樹脂又
は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレス成形後加熱硬
化するか、又は加熱溶融後射出成形して得られる樹脂結
合型磁石をさらにアクリル樹脂で防錆処理した樹脂結合
型磁石において、前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kO
e 以上であり、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で処理し
たものであることを特徴とする樹脂結合型磁石である。
は、磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬化性樹脂又
は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレス成形後加熱硬
化するか、又は加熱溶融後射出成形して得られる樹脂結
合型磁石をさらにアクリル樹脂で防錆処理した樹脂結合
型磁石において、前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kO
e 以上であり、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で処理し
たものであることを特徴とする樹脂結合型磁石である。
【0007】本発明の第三(以下、第三発明という)
は、磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬化性樹脂又
は熱可塑性樹脂を含有する樹脂結合型磁石用組成物にお
いて、前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上であ
り、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で処理した後、さら
にアクリル樹脂で防錆処理したものであることを特徴と
する樹脂結合型磁石用組成物である。
は、磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬化性樹脂又
は熱可塑性樹脂を含有する樹脂結合型磁石用組成物にお
いて、前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上であ
り、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で処理した後、さら
にアクリル樹脂で防錆処理したものであることを特徴と
する樹脂結合型磁石用組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】磁性粉末 第一発明及び第三発明に用いる磁性粉末は、異方性磁場
が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で
処理した後、さらにアクリル樹脂で防錆処理したもので
ある。そして、第二発明に用いる磁性粉末は、異方性磁
場が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を少なくとも
前記防錆剤で処理したものであればよく、例えば、前記
第一発明に用いる磁性粉末と同様にアクリル樹脂で防錆
処理したものでもよい。
が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を前記防錆剤で
処理した後、さらにアクリル樹脂で防錆処理したもので
ある。そして、第二発明に用いる磁性粉末は、異方性磁
場が50kOe 以上であり、該粉末の粒子表面を少なくとも
前記防錆剤で処理したものであればよく、例えば、前記
第一発明に用いる磁性粉末と同様にアクリル樹脂で防錆
処理したものでもよい。
【0010】防錆剤で処理する対象となる磁性粉末とし
ては、異方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末を使用するこ
とができ、具体的には、例えばSm−Co5 系磁性粉末、Sm
2 (CoFeZrV) 17系磁性粉末等の希土類コバルト系磁性粉
末;Nd−Fe−Co−B 系磁性粉末、Nd−Dy−Fe−B 系磁性
粉末、Nd−Fe−B 系磁性粉末等の希土類−鉄−ホウ素系
磁性粉末;Sm−Fe−N 系磁性粉末、Sm−Fe−Co−N 磁性
粉末、Nd−Fe−Ti−N 系磁性粉末、Nd−Fe−V −N 系磁
性粉末等の希土類−鉄−鉄−窒素系磁性粉末などが挙げ
られる。このような処理対象となる磁性粉末の粒径は、
35メッシュ(JIS)以下のものが好ましい。
ては、異方性磁場が50kOe 以上の磁性粉末を使用するこ
とができ、具体的には、例えばSm−Co5 系磁性粉末、Sm
2 (CoFeZrV) 17系磁性粉末等の希土類コバルト系磁性粉
末;Nd−Fe−Co−B 系磁性粉末、Nd−Dy−Fe−B 系磁性
粉末、Nd−Fe−B 系磁性粉末等の希土類−鉄−ホウ素系
磁性粉末;Sm−Fe−N 系磁性粉末、Sm−Fe−Co−N 磁性
粉末、Nd−Fe−Ti−N 系磁性粉末、Nd−Fe−V −N 系磁
性粉末等の希土類−鉄−鉄−窒素系磁性粉末などが挙げ
られる。このような処理対象となる磁性粉末の粒径は、
35メッシュ(JIS)以下のものが好ましい。
【0011】防錆剤 第一発明、第二発明及び第三発明(以下、本発明とい
う)に用いる防錆剤は、(A)芳香環中の隣接する少な
くとも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香
族炭化水素系キレート剤及び該水酸基が酸化したキノン
構造を有する芳香族炭化水素系キレート剤からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種、並びに(B)界面活性剤を
含有する。
う)に用いる防錆剤は、(A)芳香環中の隣接する少な
くとも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香
族炭化水素系キレート剤及び該水酸基が酸化したキノン
構造を有する芳香族炭化水素系キレート剤からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種、並びに(B)界面活性剤を
含有する。
【0012】[(A)芳香族炭化水素系キレート剤]前
記の芳香族炭化水素系キレート剤は、芳香環中の隣接す
る少なくとも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有す
るものか、或いは、該水酸基が酸化したキノン構造を有
するものである。
記の芳香族炭化水素系キレート剤は、芳香環中の隣接す
る少なくとも2つの炭素原子のそれぞれに水酸基を有す
るものか、或いは、該水酸基が酸化したキノン構造を有
するものである。
【0013】 芳香環中の隣接する少なくとも2つの
炭素原子のそれぞれに水酸基を有するものの具体例とし
ては、例えば、下記一般式(1):
炭素原子のそれぞれに水酸基を有するものの具体例とし
ては、例えば、下記一般式(1):
【0014】
【化1】 (式中、Lは2又は3であり、Mは0、1又は2であ
る。但し、少なくとも2つの水酸基は芳香環中の隣接す
る炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香族炭
化水素系キレート剤、該キレート剤の誘導体及び該キレ
ート剤の縮合物;下記一般式(2):
る。但し、少なくとも2つの水酸基は芳香環中の隣接す
る炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香族炭
化水素系キレート剤、該キレート剤の誘導体及び該キレ
ート剤の縮合物;下記一般式(2):
【0015】
【化2】 [式中、Rは下記式:−CH2 −、−CH(CH3 )
−、−C(CH3 )2 −、−CO−、−NH−、−N
(CH3 )−、−O−、−S−又は−SO2 −で表され
る基であり、L及びMは前記と同じであり、pは2又は
3であり、qは0、1又は2であり、jは0又は1であ
る。但し、少なくとも一方の芳香環において、少なくと
も2つの水酸基は該芳香環中の隣接する炭素原子のそれ
ぞれに結合する)で表される芳香族炭化水素系キレート
剤;下記一般式(3):
−、−C(CH3 )2 −、−CO−、−NH−、−N
(CH3 )−、−O−、−S−又は−SO2 −で表され
る基であり、L及びMは前記と同じであり、pは2又は
3であり、qは0、1又は2であり、jは0又は1であ
る。但し、少なくとも一方の芳香環において、少なくと
も2つの水酸基は該芳香環中の隣接する炭素原子のそれ
ぞれに結合する)で表される芳香族炭化水素系キレート
剤;下記一般式(3):
【0016】
【化3】 (該式は、ナフタレン環の1〜8位のいずれかにL個の
水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を示す式
であり、式中、L及びMは前記と同じである。但し、少
なくとも2つの水酸基は該ナフタレン環中の隣接する炭
素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香族炭化水
素系キレート剤;下記一般式(4):
水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を示す式
であり、式中、L及びMは前記と同じである。但し、少
なくとも2つの水酸基は該ナフタレン環中の隣接する炭
素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香族炭化水
素系キレート剤;下記一般式(4):
【0017】
【化4】 (該式は、アントラセン環の1〜10位のいずれかにL
個の水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を示
す式であり、式中、L及びMは前記と同じである。但
し、少なくとも2つの水酸基は該アントラセン環中の隣
接する炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香
族炭化水素系キレート剤;下記一般式(5):
個の水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を示
す式であり、式中、L及びMは前記と同じである。但
し、少なくとも2つの水酸基は該アントラセン環中の隣
接する炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳香
族炭化水素系キレート剤;下記一般式(5):
【0018】
【化5】 (該式は、フェナントレン環の1〜10位のいずれかに
L個の水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を
示す式であり、式中、L及びMは前記と同じである。但
し、少なくとも2つの水酸基は該フェナントレン環中の
隣接する炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳
香族炭化水素系キレート剤等が挙げられる。
L個の水酸基とM個のカルボキシル基を有する化合物を
示す式であり、式中、L及びMは前記と同じである。但
し、少なくとも2つの水酸基は該フェナントレン環中の
隣接する炭素原子のそれぞれに結合する)で表される芳
香族炭化水素系キレート剤等が挙げられる。
【0019】前記一般式(1)の芳香族炭化水素系キレ
ート剤としては、例えば、カテコール;ピロガロール;
カテコール−3−カルボン酸、カテコール−4−カルボ
ン酸等のカテコールモノカルボン酸;没食子酸、ピロガ
ロール−4−カルボン酸等のピロガロールモノカルボン
酸等のピロガロールジカルボン酸などが挙げられる。ま
た、前記一般式(1)の芳香族炭化水素系キレート剤の
誘導体或いは縮合物としては、例えば、m−ガロイル没
食子酸等のタンニン酸が挙げられる。
ート剤としては、例えば、カテコール;ピロガロール;
カテコール−3−カルボン酸、カテコール−4−カルボ
ン酸等のカテコールモノカルボン酸;没食子酸、ピロガ
ロール−4−カルボン酸等のピロガロールモノカルボン
酸等のピロガロールジカルボン酸などが挙げられる。ま
た、前記一般式(1)の芳香族炭化水素系キレート剤の
誘導体或いは縮合物としては、例えば、m−ガロイル没
食子酸等のタンニン酸が挙げられる。
【0020】前記一般式(2)の芳香族炭化水素系キレ
ート剤としては、例えば、ビス(o−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(o−ジヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(o−ジヒドロキシフェニル)アミン等が挙
げられる。
ート剤としては、例えば、ビス(o−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(o−ジヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(o−ジヒドロキシフェニル)アミン等が挙
げられる。
【0021】前記一般式(3)の芳香族炭化水素系キレ
ート剤としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタ
レン等が挙げられる。
ート剤としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタ
レン等が挙げられる。
【0022】前記一般式(4)の芳香族炭化水素系キレ
ート剤としては、例えば、1,2−ジヒドロキシアント
ラセン等が挙げられる。
ート剤としては、例えば、1,2−ジヒドロキシアント
ラセン等が挙げられる。
【0023】前記一般式(5)の芳香族炭化水素系キレ
ート剤としては、例えば、9,10−ジヒドロキシフェ
ナントレン等が挙げられる。
ート剤としては、例えば、9,10−ジヒドロキシフェ
ナントレン等が挙げられる。
【0024】 前記の芳香族炭化水素系キレート剤と
しては、前記のキレート剤に含有する水酸基の少なく
とも一部を酸化することにより得られたキノン構造を有
する芳香族炭化水素系キレート剤が挙げられる。このよ
うなキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレート剤と
しては、例えば、前記一般式(1)又は(2)で表され
る芳香族炭化水素系キレート剤の水酸基を酸化して得ら
れたベンゾキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレー
ト剤、前記一般式(3)で表される芳香族炭化水素系キ
レート剤の水酸基を酸化して得られたナフトキノン構造
を有する芳香族炭化水素系キレート剤、前記一般式
(4)で表される芳香族炭化水素系キレート剤の水酸基
を酸化して得られたアントラキノン構造を有する芳香族
炭化水素系キレート剤、前記一般式(5)で表される芳
香族炭化水素系キレート剤の水酸基を酸化して得られた
フェナントラキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレ
ート剤等が挙げられる。
しては、前記のキレート剤に含有する水酸基の少なく
とも一部を酸化することにより得られたキノン構造を有
する芳香族炭化水素系キレート剤が挙げられる。このよ
うなキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレート剤と
しては、例えば、前記一般式(1)又は(2)で表され
る芳香族炭化水素系キレート剤の水酸基を酸化して得ら
れたベンゾキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレー
ト剤、前記一般式(3)で表される芳香族炭化水素系キ
レート剤の水酸基を酸化して得られたナフトキノン構造
を有する芳香族炭化水素系キレート剤、前記一般式
(4)で表される芳香族炭化水素系キレート剤の水酸基
を酸化して得られたアントラキノン構造を有する芳香族
炭化水素系キレート剤、前記一般式(5)で表される芳
香族炭化水素系キレート剤の水酸基を酸化して得られた
フェナントラキノン構造を有する芳香族炭化水素系キレ
ート剤等が挙げられる。
【0025】ベンゾキノン構造を有する芳香族炭化水素
系キレート剤としては、例えば、o−ベンゾキノン、2
−ヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン等が挙げられる。
系キレート剤としては、例えば、o−ベンゾキノン、2
−ヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン等が挙げられる。
【0026】ナフトキノン構造を有する芳香族炭化水素
系キレート剤としては、例えば、2,3−ナフトキノ
ン、1,2−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−
ナフトキノン等が挙げられる。
系キレート剤としては、例えば、2,3−ナフトキノ
ン、1,2−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−
ナフトキノン等が挙げられる。
【0027】アントラキノン構造を有する芳香族炭化水
素系キレート剤としては、例えば、2,3−アントラキ
ノン、1,2−アントラキノン、2−ヒドロキシ−1,
4−アントラキノン[アリザリン]等が挙げられる。
素系キレート剤としては、例えば、2,3−アントラキ
ノン、1,2−アントラキノン、2−ヒドロキシ−1,
4−アントラキノン[アリザリン]等が挙げられる。
【0028】フェナントラキノン構造を有する芳香族炭
化水素系キレート剤としては、例えば、9,10−フェ
ナントラキノン、1,2−フェナントラキノン、3,4
−フェナントラキノン等が挙げられる。また、前記及
びの芳香族炭化水素系キレート剤は、芳香環中の炭素
原子に結合する水素原子の少なくとも一部がメチル基で
置換された芳香族炭化水素系キレート剤であってもよ
い。
化水素系キレート剤としては、例えば、9,10−フェ
ナントラキノン、1,2−フェナントラキノン、3,4
−フェナントラキノン等が挙げられる。また、前記及
びの芳香族炭化水素系キレート剤は、芳香環中の炭素
原子に結合する水素原子の少なくとも一部がメチル基で
置換された芳香族炭化水素系キレート剤であってもよ
い。
【0029】本発明に用いるこのような芳香族炭化水素
系キレート剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
系キレート剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0030】本発明に用いる芳香族炭化水素系キレート
剤は、樹脂結合型磁石に用いる磁性粉末の表面に存在す
る希土類金属、鉄、コバルト等の遷移金属と安定なキレ
ート化合物を形成する。そして、該キレート化合物は、
磁性粉末の表面に不安定な酸化層が生じるのを抑制する
ため、結果的に樹脂結合型磁石に対する防錆効果を発揮
するものと推定される。なお、本発明に用いる芳香族炭
化水素系キレート剤は、一般に染色原料などに用いられ
ているように、水に溶け難く緻密安定である。
剤は、樹脂結合型磁石に用いる磁性粉末の表面に存在す
る希土類金属、鉄、コバルト等の遷移金属と安定なキレ
ート化合物を形成する。そして、該キレート化合物は、
磁性粉末の表面に不安定な酸化層が生じるのを抑制する
ため、結果的に樹脂結合型磁石に対する防錆効果を発揮
するものと推定される。なお、本発明に用いる芳香族炭
化水素系キレート剤は、一般に染色原料などに用いられ
ているように、水に溶け難く緻密安定である。
【0031】[(B)界面活性剤]前記の界面活性剤と
しては、特に制限はなく、アニオン系界面活性剤、カチ
オン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活
性剤等を使用できるが、有機溶媒を使用した場合に磁性
粉末の分散能が優れ、より優れた防錆効果を発揮する点
でノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活
性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル等の長鎖アルキルフェニルエーテル系界
面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオ
キサイド付加型脂肪酸等の脂肪酸エステル系界面活性
剤;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などが挙げ
られる。本発明に用いる界面活性剤は、例えば、微粉砕
した磁性粉末(例えば、35メッシュ以下)が2次粒子
を形成した場合に、防錆剤中でこの磁性粉末を均一に分
散して1次粒子化するために重要な成分である。そし
て、その結果として磁性粉末表面に十分な防錆効果を発
揮する。
しては、特に制限はなく、アニオン系界面活性剤、カチ
オン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活
性剤等を使用できるが、有機溶媒を使用した場合に磁性
粉末の分散能が優れ、より優れた防錆効果を発揮する点
でノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活
性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル等の長鎖アルキルフェニルエーテル系界
面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオ
キサイド付加型脂肪酸等の脂肪酸エステル系界面活性
剤;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などが挙げ
られる。本発明に用いる界面活性剤は、例えば、微粉砕
した磁性粉末(例えば、35メッシュ以下)が2次粒子
を形成した場合に、防錆剤中でこの磁性粉末を均一に分
散して1次粒子化するために重要な成分である。そし
て、その結果として磁性粉末表面に十分な防錆効果を発
揮する。
【0032】界面活性剤の使用量は、前記成分(A)1
00重量部当たり、通常10〜200重量部、好ましく
は20〜200重量部である。
00重量部当たり、通常10〜200重量部、好ましく
は20〜200重量部である。
【0033】このような防錆剤には、前記(A)成分及
び(B)成分以外に、必要に応じて有機溶媒を添加する
ことができる。
び(B)成分以外に、必要に応じて有機溶媒を添加する
ことができる。
【0034】前記の有機溶媒は、防錆剤の粘度を調整す
る成分であり防錆剤の成分に対し非反応性の有機溶媒が
好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。
これらは1種単独で、或いは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
る成分であり防錆剤の成分に対し非反応性の有機溶媒が
好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。
これらは1種単独で、或いは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0035】[前記防錆剤による防錆処理]前記の磁性
粉末を防錆剤で処理する方法としては、例えば、磁性粉
末を防錆剤中に浸漬し、また必要により防錆剤中で粉砕
した後、乾燥する方法が挙げられる。乾燥は室温〜10
0℃で行うことができる。また、磁性粉末には、このよ
うな防錆剤処理を行う前に、予め乾式法、湿式法、イン
テグラルブレンド法等によりカップリング剤処理を行っ
てもよい。またカップリング剤は防錆剤に混合して使用
することもできる。
粉末を防錆剤で処理する方法としては、例えば、磁性粉
末を防錆剤中に浸漬し、また必要により防錆剤中で粉砕
した後、乾燥する方法が挙げられる。乾燥は室温〜10
0℃で行うことができる。また、磁性粉末には、このよ
うな防錆剤処理を行う前に、予め乾式法、湿式法、イン
テグラルブレンド法等によりカップリング剤処理を行っ
てもよい。またカップリング剤は防錆剤に混合して使用
することもできる。
【0036】カップリング剤は、磁性粉末とバインダー
樹脂との接着性や磁石の防錆効果を更に向上するもので
あり、例えば、公知のシランカップリング剤、チタン系
カップリング剤等を用いることができる。シランカップ
リング剤としては、例えば、3−[N−アリル−N−
(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−N−メタ
クリロイル)アミノプロピルトリメトキシシラン、p−
[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチル
トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N,
N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミ
ン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プ
ロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチ
ルジメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、
N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]
アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プ
ロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリ
メトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N,
N’−ビス(トリメチルシリル)尿素、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、ジエチルトリメチルシリルア
ミン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチ
ルトリメチルシリルアミン、ジメチルビニルエトキシシ
ラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルシラン、ジフェニルシランジオール、N−グリシジル
−N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロ
ピル]アミン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−
(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グ
リシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメ
チルジシロキサン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘキサ
メチルジシラン、ヘキサメチルジシラザン、、ヘキシル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチ
ルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、メチルトリス(ジメチ
ルシロキシ)シラン、ノナメチルトリシラザン、オクタ
デシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリエト
キシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタ
メチルシクロテトラシラザン、フェニルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、テトラ
メトキシシラン、テトラメチルジシラザン、テトラフェ
ノキシシラン、トリエチルシラン、N−[(3−トリメ
トキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン、N−
[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレン
テトラミン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m
−フェニレンジミン、トリメチルエトキシシラン、トリ
メチルメトキシシラン、N−トリメチルシリルアセトア
ミド、トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチル
シリルフェニル尿素、トリフェニルエトキシシラン、ト
リフェニルシラン等が挙げられる。チタン系カップリン
グ剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル
−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラ
イソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネー
ト、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)エチレンチタネート、イソプロピルジメタクリロイ
ルイソステアロイルチタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェ
ニルチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステア
ロイルジアクリロイルチタネート等が挙げられる。
樹脂との接着性や磁石の防錆効果を更に向上するもので
あり、例えば、公知のシランカップリング剤、チタン系
カップリング剤等を用いることができる。シランカップ
リング剤としては、例えば、3−[N−アリル−N−
(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−N−メタ
クリロイル)アミノプロピルトリメトキシシラン、p−
[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチル
トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N,
N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミ
ン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プ
ロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチ
ルジメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、
N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]
アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プ
ロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリ
メトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N,
N’−ビス(トリメチルシリル)尿素、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、ジエチルトリメチルシリルア
ミン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチ
ルトリメチルシリルアミン、ジメチルビニルエトキシシ
ラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルシラン、ジフェニルシランジオール、N−グリシジル
−N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロ
ピル]アミン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−
(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グ
リシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメ
チルジシロキサン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘキサ
メチルジシラン、ヘキサメチルジシラザン、、ヘキシル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチ
ルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、メチルトリス(ジメチ
ルシロキシ)シラン、ノナメチルトリシラザン、オクタ
デシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリエト
キシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタ
メチルシクロテトラシラザン、フェニルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、テトラ
メトキシシラン、テトラメチルジシラザン、テトラフェ
ノキシシラン、トリエチルシラン、N−[(3−トリメ
トキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン、N−
[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレン
テトラミン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m
−フェニレンジミン、トリメチルエトキシシラン、トリ
メチルメトキシシラン、N−トリメチルシリルアセトア
ミド、トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチル
シリルフェニル尿素、トリフェニルエトキシシラン、ト
リフェニルシラン等が挙げられる。チタン系カップリン
グ剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル
−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラ
イソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネー
ト、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)エチレンチタネート、イソプロピルジメタクリロイ
ルイソステアロイルチタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェ
ニルチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステア
ロイルジアクリロイルチタネート等が挙げられる。
【0037】このように防錆剤で処理した磁性粉末(以
下、磁性粉末Aという)は、第二発明の樹脂結合型磁石
に好適に使用することができる。また、前記第一発明の
樹脂結合型磁石には、磁性粉末Aの粒子表面をさらにア
クリル樹脂で防錆処理したものを好適に使用することが
できる。
下、磁性粉末Aという)は、第二発明の樹脂結合型磁石
に好適に使用することができる。また、前記第一発明の
樹脂結合型磁石には、磁性粉末Aの粒子表面をさらにア
クリル樹脂で防錆処理したものを好適に使用することが
できる。
【0038】アクリル樹脂による防錆処理 磁性粉末Aの粒子表面を防錆処理するのに用いるアクリ
ル樹脂は、磁性粉末Aの粒子表面との接着性が良好であ
り、該粒子表面において撥水性の被膜となって防錆効果
を発揮する。該アクリル樹脂は、アクリル酸及びその誘
導体(以下、アクリルモノマーという)が重合したも
の、或いはアクリルモノマーと、該アクリルモノマーと
共重合可能なモノマーとが共重合したものである。従っ
て、前記のアクリル樹脂で防錆処理した磁性粉末(以
下、磁性粉末Bという)は、例えば、前記の磁性粉末A
をアクリルモノマー、又はアクリルモノマーと該アクリ
ルモノマーと共重合可能なモノマーとの混合物(以下、
アクリルモノマー混合物という)に浸漬した後、該粉末
を上げ余分なアクリルモノマーを切った後乾燥して得る
ことができる。乾燥条件としては、常温〜200℃で
0.5〜3時間程度でよい。なお、磁性粉末Aを浸漬す
るアクリルモノマーは、前記の防錆剤に添加する有機溶
媒と同様のものを使用して希釈して使用してもよい。
ル樹脂は、磁性粉末Aの粒子表面との接着性が良好であ
り、該粒子表面において撥水性の被膜となって防錆効果
を発揮する。該アクリル樹脂は、アクリル酸及びその誘
導体(以下、アクリルモノマーという)が重合したも
の、或いはアクリルモノマーと、該アクリルモノマーと
共重合可能なモノマーとが共重合したものである。従っ
て、前記のアクリル樹脂で防錆処理した磁性粉末(以
下、磁性粉末Bという)は、例えば、前記の磁性粉末A
をアクリルモノマー、又はアクリルモノマーと該アクリ
ルモノマーと共重合可能なモノマーとの混合物(以下、
アクリルモノマー混合物という)に浸漬した後、該粉末
を上げ余分なアクリルモノマーを切った後乾燥して得る
ことができる。乾燥条件としては、常温〜200℃で
0.5〜3時間程度でよい。なお、磁性粉末Aを浸漬す
るアクリルモノマーは、前記の防錆剤に添加する有機溶
媒と同様のものを使用して希釈して使用してもよい。
【0039】アクリルモノマーとしては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等が挙げられる。アクリルモノマーと
共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン、2−ビニルピリジ
ン等のモノビニルモノマー;エチレン、ポリエチレン、
ネオペンタン及び1−ブテン等のグリコール誘導体で置
換されたジアクリレート又はジメタクリレート、ジビニ
ルベンゼン等のジビニルモノマー;トリビニルモノマー
などが挙げられる。
リル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等が挙げられる。アクリルモノマーと
共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン、2−ビニルピリジ
ン等のモノビニルモノマー;エチレン、ポリエチレン、
ネオペンタン及び1−ブテン等のグリコール誘導体で置
換されたジアクリレート又はジメタクリレート、ジビニ
ルベンゼン等のジビニルモノマー;トリビニルモノマー
などが挙げられる。
【0040】このようなアクリルモノマー又はアクリル
モノマー混合物は、前記のように加熱するだけで重合し
てアクリル樹脂となるが、得られるアクリル樹脂中にペ
ンダント基を導入する場合にあっては、前記のアクリル
モノマーに、該基を有するアクリルモノマー或いは前記
の共重合可能なモノマーを混合すると共に、該ペンダン
ト基で架橋反応する硬化助剤を添加することもできる。
モノマー混合物は、前記のように加熱するだけで重合し
てアクリル樹脂となるが、得られるアクリル樹脂中にペ
ンダント基を導入する場合にあっては、前記のアクリル
モノマーに、該基を有するアクリルモノマー或いは前記
の共重合可能なモノマーを混合すると共に、該ペンダン
ト基で架橋反応する硬化助剤を添加することもできる。
【0041】硬化助剤としては、ペンダント基がヒドロ
キシル基である場合には、例えば、アルコキシメチルメ
ラミンが挙げられる。ペンダント基がカルボキシル基で
ある場合の硬化助剤としては、例えば、ジエポキシド、
メラミンホルムアルデヒド、酸化亜鉛、酢酸アルミニウ
ム等が挙げられる。ペンダント基がエポキシ基である場
合の硬化助剤としては、例えば、ジエポキシド、アルコ
キシメチルメラミン、カルボン酸、ポリアミン等が挙げ
られる。また、アクリル樹脂中にイミノ基やアミド基を
導入した場合の硬化助剤としては、例えば、ビスフェノ
ールA等のエポキシ基を含有する化合物、イソシアナー
ト、アルデヒド、アミノホルムアルデヒド等が挙げられ
る。
キシル基である場合には、例えば、アルコキシメチルメ
ラミンが挙げられる。ペンダント基がカルボキシル基で
ある場合の硬化助剤としては、例えば、ジエポキシド、
メラミンホルムアルデヒド、酸化亜鉛、酢酸アルミニウ
ム等が挙げられる。ペンダント基がエポキシ基である場
合の硬化助剤としては、例えば、ジエポキシド、アルコ
キシメチルメラミン、カルボン酸、ポリアミン等が挙げ
られる。また、アクリル樹脂中にイミノ基やアミド基を
導入した場合の硬化助剤としては、例えば、ビスフェノ
ールA等のエポキシ基を含有する化合物、イソシアナー
ト、アルデヒド、アミノホルムアルデヒド等が挙げられ
る。
【0042】樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合
型磁石用組成物 第一発明の樹脂結合型磁石は、前記の磁性粉末B
(防錆剤とアクリル樹脂で処理したもの)及びバインダ
ー樹脂として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する
組成物、即ち、第三発明の樹脂結合型磁石用組成物をプ
レス成形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形し
て得られる樹脂結合型磁石である。
型磁石用組成物 第一発明の樹脂結合型磁石は、前記の磁性粉末B
(防錆剤とアクリル樹脂で処理したもの)及びバインダ
ー樹脂として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する
組成物、即ち、第三発明の樹脂結合型磁石用組成物をプ
レス成形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形し
て得られる樹脂結合型磁石である。
【0043】(バインダー樹脂)前記の熱硬化性樹脂と
しては、公知のものでよく、例えば、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂、キシレ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。中で
もエポキシ樹脂が好ましく、特に、下記一般式(6):
しては、公知のものでよく、例えば、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂、キシレ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。中で
もエポキシ樹脂が好ましく、特に、下記一般式(6):
【0044】
【化6】 [式中、R1 は独立に水素原子又はメチル基であり、R
2 は独立に基−CH2 −又は基−C(CH3 )2 −であ
り、nは0〜30の整数である]で表される、1分子中
に非置換又は置換のグリシドキシ基を2個有するエポキ
シ樹脂が好ましい。一般式(2)のR1 は独立に水素原
子又はメチル基であり、R2 は独立に基−CH2 −又は
基−C(CH3 )2 −であり、nは0〜30、好ましく
は5〜25の整数である。このようなエポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、ビスフェノールAのグリシジル
エーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル等
が挙げられる。これらは1種単独で、或いは2種以上を
組み合わせて用いることができる。本発明に用いるエポ
キシ樹脂は、樹脂結合型磁石に用いる磁性粉末との接着
性が良好であるため、他の樹脂に比較し、磁性粉末表面
が腐食環境下に曝されることが少ないと考えられる。
2 は独立に基−CH2 −又は基−C(CH3 )2 −であ
り、nは0〜30の整数である]で表される、1分子中
に非置換又は置換のグリシドキシ基を2個有するエポキ
シ樹脂が好ましい。一般式(2)のR1 は独立に水素原
子又はメチル基であり、R2 は独立に基−CH2 −又は
基−C(CH3 )2 −であり、nは0〜30、好ましく
は5〜25の整数である。このようなエポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、ビスフェノールAのグリシジル
エーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル等
が挙げられる。これらは1種単独で、或いは2種以上を
組み合わせて用いることができる。本発明に用いるエポ
キシ樹脂は、樹脂結合型磁石に用いる磁性粉末との接着
性が良好であるため、他の樹脂に比較し、磁性粉末表面
が腐食環境下に曝されることが少ないと考えられる。
【0045】熱硬化性樹脂の使用量は、磁性粉末100
重量部当たり、通常0.5〜5.0重量部、好ましくは
1.0〜3.0重量部である。
重量部当たり、通常0.5〜5.0重量部、好ましくは
1.0〜3.0重量部である。
【0046】このような熱硬化性樹脂は、硬化剤と共に
使用するのが一般的である。硬化剤としては、公知のも
のでよいが、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる
場合には、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒ
ラジド、ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリサル
ファイド、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が
挙げられる。前記のポリアミン系硬化剤としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルア
ミン等の直鎖脂肪族アミン;アミン価の異なる種々のポ
リアミド;メンテンジアミン、イソホロンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン等の脂環式アミン;m−キシ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族
アミンなどが挙げられる。前記の酸無水物系硬化剤とし
ては、例えば、無水フタル酸やその誘導体、無水メチル
ナジック酸(MNA)、無水ドデシニルコハク酸(DD
SA)等の1官能性のもの;無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス
(アンヒドロトリメート)等の2官能性のものなどを用
いることができる。また、硬化剤は、硬化条件が低温で
短時間のものが好ましく、具体的には室温から150℃
で3時間以内で硬化するものが好ましい。
使用するのが一般的である。硬化剤としては、公知のも
のでよいが、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる
場合には、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒ
ラジド、ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリサル
ファイド、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が
挙げられる。前記のポリアミン系硬化剤としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルア
ミン等の直鎖脂肪族アミン;アミン価の異なる種々のポ
リアミド;メンテンジアミン、イソホロンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン等の脂環式アミン;m−キシ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族
アミンなどが挙げられる。前記の酸無水物系硬化剤とし
ては、例えば、無水フタル酸やその誘導体、無水メチル
ナジック酸(MNA)、無水ドデシニルコハク酸(DD
SA)等の1官能性のもの;無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス
(アンヒドロトリメート)等の2官能性のものなどを用
いることができる。また、硬化剤は、硬化条件が低温で
短時間のものが好ましく、具体的には室温から150℃
で3時間以内で硬化するものが好ましい。
【0047】硬化剤の使用量は、使用する熱硬化性樹脂
の種類により一概に決定できないが、前記のエポキシ樹
脂の硬化剤の場合、エポキシ樹脂100重量部当たり、
通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であ
る。また、樹脂結合型磁石用組成物には、必要に応じ、
硬化促進剤を添加することができる。この硬化促進剤
は、前記のエポキシ樹脂の硬化を促進するものであり、
例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミ
ノメチル)−フェノール、2, 4, 6−トリス(ジアミ
ノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,
4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾイル−
(1)]−エチルS−トリアジン、その他有機金属類及
び塩化物類、並びに有機過酸化物などが挙げられる。
の種類により一概に決定できないが、前記のエポキシ樹
脂の硬化剤の場合、エポキシ樹脂100重量部当たり、
通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であ
る。また、樹脂結合型磁石用組成物には、必要に応じ、
硬化促進剤を添加することができる。この硬化促進剤
は、前記のエポキシ樹脂の硬化を促進するものであり、
例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミ
ノメチル)−フェノール、2, 4, 6−トリス(ジアミ
ノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,
4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾイル−
(1)]−エチルS−トリアジン、その他有機金属類及
び塩化物類、並びに有機過酸化物などが挙げられる。
【0048】前記の熱可塑性樹脂としては、公知のもの
でよく、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹
脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオキシベンゼン
樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
でよく、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹
脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオキシベンゼン
樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
【0049】(プレス成形樹脂結合型磁石)プレス成形
樹脂結合型磁石は、前記の熱硬化性樹脂を含む樹脂結合
型磁石用組成物を、通常4〜10t/cm2 の面圧で成
形した後、常温〜200℃で硬化させて得ることができ
る。
樹脂結合型磁石は、前記の熱硬化性樹脂を含む樹脂結合
型磁石用組成物を、通常4〜10t/cm2 の面圧で成
形した後、常温〜200℃で硬化させて得ることができ
る。
【0050】(射出成形樹脂結合型磁石)射出成形樹脂
結合型磁石は、前記の熱可塑性樹脂を含む樹脂結合型磁
石組成物を、射出成形機を用いて常温〜300℃の範囲
で溶融し、混合し、射出成形して得ることができる。
結合型磁石は、前記の熱可塑性樹脂を含む樹脂結合型磁
石組成物を、射出成形機を用いて常温〜300℃の範囲
で溶融し、混合し、射出成形して得ることができる。
【0051】 第二発明の樹脂結合型磁石は、前記の
磁性粉末A(少なくとも防錆剤で処理したもの)及びバ
インダー樹脂として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含
有する組成物をプレス成形後加熱硬化するか、又は加熱
溶融後射出成形して得られる樹脂結合型磁石をさらにア
クリル樹脂で防錆処理した樹脂結合型磁石である。
磁性粉末A(少なくとも防錆剤で処理したもの)及びバ
インダー樹脂として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含
有する組成物をプレス成形後加熱硬化するか、又は加熱
溶融後射出成形して得られる樹脂結合型磁石をさらにア
クリル樹脂で防錆処理した樹脂結合型磁石である。
【0052】アクリル樹脂で防錆処理する対象となる樹
脂結合型磁石は、前記の第一発明のの樹脂結合型磁石に
おいて使用した磁性粉末Bに代えて、磁性粉末Aを使用
した以外は第一発明の樹脂結合型磁石と同様である。従
って、この防錆処理前の樹脂結合型磁石は、使用するバ
インダー樹脂、プレス成形及びその後の加熱硬化条件、
並びに加熱溶融・射出条件を第一発明の樹脂結合型磁石
と同様にして得ることができる。
脂結合型磁石は、前記の第一発明のの樹脂結合型磁石に
おいて使用した磁性粉末Bに代えて、磁性粉末Aを使用
した以外は第一発明の樹脂結合型磁石と同様である。従
って、この防錆処理前の樹脂結合型磁石は、使用するバ
インダー樹脂、プレス成形及びその後の加熱硬化条件、
並びに加熱溶融・射出条件を第一発明の樹脂結合型磁石
と同様にして得ることができる。
【0053】前記のアクリル樹脂としては、第一発明及
び第三発明において、磁性粉末を防錆処理するのに使用
したアクリル樹脂と同様のものを使用することができ
る。樹脂結合型磁石をアクリル樹脂で防錆処理する方法
としては、例えば、第一発明及び第三発明で使用したア
クリルモノマーを樹脂結合型磁石に含浸した後、通常、
常温〜200℃で、0.5〜3.0時間程度加熱し、該
アクリルモノマーを重合する方法が挙げられる。このア
クリル樹脂は、樹脂結合型磁石の表面において撥水性の
被膜となって防錆効果を発揮する。
び第三発明において、磁性粉末を防錆処理するのに使用
したアクリル樹脂と同様のものを使用することができ
る。樹脂結合型磁石をアクリル樹脂で防錆処理する方法
としては、例えば、第一発明及び第三発明で使用したア
クリルモノマーを樹脂結合型磁石に含浸した後、通常、
常温〜200℃で、0.5〜3.0時間程度加熱し、該
アクリルモノマーを重合する方法が挙げられる。このア
クリル樹脂は、樹脂結合型磁石の表面において撥水性の
被膜となって防錆効果を発揮する。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お、本例で得られた樹脂結合型磁石の磁気特性、防錆性
能及び機械的強度を評価する試験方法は次のとおりであ
る。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お、本例で得られた樹脂結合型磁石の磁気特性、防錆性
能及び機械的強度を評価する試験方法は次のとおりであ
る。
【0055】(磁気特性)プレス成形して得られた樹脂
結合型磁石は、縦10mm、横15mm、厚さ5mmの
直方体のものを、室温で70kOeでパルス着磁した
後、チオフィー型自記磁束計(東英工業製)を用いて測
定した。測定した磁気特性は、最大エネルギー積(B
H)max(MGOe)である。また、射出成形して得
られた磁石は、直径20mm、高さ13mmのものを、
着磁することなくチオフィー型自記磁束計(東英工業
製)を用いて測定した。
結合型磁石は、縦10mm、横15mm、厚さ5mmの
直方体のものを、室温で70kOeでパルス着磁した
後、チオフィー型自記磁束計(東英工業製)を用いて測
定した。測定した磁気特性は、最大エネルギー積(B
H)max(MGOe)である。また、射出成形して得
られた磁石は、直径20mm、高さ13mmのものを、
着磁することなくチオフィー型自記磁束計(東英工業
製)を用いて測定した。
【0056】(防錆試験)プレス成形により得られた樹
脂結合型磁石及び射出成形により得られた樹脂結合型磁
石は、ともに成形直後に80℃、90%R.H.の雰囲
気下に300時間放置し、樹脂結合型磁石の表面におけ
る錆の発生状況を目視で観察し、下記の基準で評価し
た。 錆が全く発生していない。・・・・(A) 変色が認められる。・・・・・・・(B) 発錆している。・・・・・・・・・(C)
脂結合型磁石及び射出成形により得られた樹脂結合型磁
石は、ともに成形直後に80℃、90%R.H.の雰囲
気下に300時間放置し、樹脂結合型磁石の表面におけ
る錆の発生状況を目視で観察し、下記の基準で評価し
た。 錆が全く発生していない。・・・・(A) 変色が認められる。・・・・・・・(B) 発錆している。・・・・・・・・・(C)
【0057】(機械的強度)プレス成形により得られた
樹脂結合型磁石にあっては、直径10mm、厚さ3mm
の円板状のものについて、また射出成形により得られた
樹脂結合型磁石にあっては、縦10mm、横15mm、
厚さ5mmの直方体のものについて、JISK 721
4に規定する「プラスチックの打ち抜きによるせん断試
験方法に準じて剪断降伏強さ(N/mm2 )を求めた。
なお、この試験に使用したダイの内径3.00mmであ
り、ポンチの直径は2.97mmである。
樹脂結合型磁石にあっては、直径10mm、厚さ3mm
の円板状のものについて、また射出成形により得られた
樹脂結合型磁石にあっては、縦10mm、横15mm、
厚さ5mmの直方体のものについて、JISK 721
4に規定する「プラスチックの打ち抜きによるせん断試
験方法に準じて剪断降伏強さ(N/mm2 )を求めた。
なお、この試験に使用したダイの内径3.00mmであ
り、ポンチの直径は2.97mmである。
【0058】実施例1〜3及び比較例1〜3 樹脂結合型磁石用組成物の調製 Nd−Fe−B系磁性粉末[米国ゼネラルモータース社
製(商品名:MQP−B)]を乾式粉砕機で粉砕して粒
径150μm以下の磁性粉末を調製した(以下、磁性粉
末Iという)。表1に示す量のエポキシ樹脂[旭電化
(株)製(商品名:アデカレジンEP−5100):前
記一般式(6)中、R1 がメチル基であり、R2 がメチ
レン基であり、nが0又は1のもの]及び表1に示す量
のジシアンジアミド[油化シェル(株)製硬化剤(商品
名:DICY7)]をメチルエチルケトンで10倍希釈
した溶液を調製した。
製(商品名:MQP−B)]を乾式粉砕機で粉砕して粒
径150μm以下の磁性粉末を調製した(以下、磁性粉
末Iという)。表1に示す量のエポキシ樹脂[旭電化
(株)製(商品名:アデカレジンEP−5100):前
記一般式(6)中、R1 がメチル基であり、R2 がメチ
レン基であり、nが0又は1のもの]及び表1に示す量
のジシアンジアミド[油化シェル(株)製硬化剤(商品
名:DICY7)]をメチルエチルケトンで10倍希釈
した溶液を調製した。
【0059】次に、この溶液に表1に示す芳香族炭化水
素系キレート剤(以下、単にキレート剤という)及びノ
ニオン系界面活性剤を表1に示す量で混合した処理剤
(表1中、処理剤1〜6)を調製した。そして、この処
理剤に100重量部の磁性粉末Iを混合した後、メチル
エチルケトンを30℃/10-1Torrの条件で完全に
揮散させ、樹脂結合型磁石用組成物を調製した。なお、
表1に示すキレート剤のうち、タンニン酸は、m−ガロ
イル没食子酸であり、アリザリンは2−ヒドロキシ−
1,4−アントラキノンである(以下、表2に同じ)。
素系キレート剤(以下、単にキレート剤という)及びノ
ニオン系界面活性剤を表1に示す量で混合した処理剤
(表1中、処理剤1〜6)を調製した。そして、この処
理剤に100重量部の磁性粉末Iを混合した後、メチル
エチルケトンを30℃/10-1Torrの条件で完全に
揮散させ、樹脂結合型磁石用組成物を調製した。なお、
表1に示すキレート剤のうち、タンニン酸は、m−ガロ
イル没食子酸であり、アリザリンは2−ヒドロキシ−
1,4−アントラキノンである(以下、表2に同じ)。
【0060】樹脂結合型磁石の作製 樹脂結合型磁石用組成物を、プレス金型中に充填し、成
形面圧5.7t/cm 2 でプレス成形し、縦10mm、
横15mm、厚さ5mmの直方体の成形体と直径10m
m、厚さ3mmの円板状成形体とを製造した。次いでこ
れらの成形体を180℃で1時間加熱して成形体に含ま
れるエポキシ樹脂を硬化し、下記の防錆処理に供する樹
脂結合型磁石を作製した。次に、これらの防錆処理用樹
脂結合型磁石を10-3 Torr の圧力下に下記のアクリル
モノマー又はアクリルモノマーを含む組成物に30分間
浸漬した後、大気中に取り出し5時間乾燥して樹脂結合
型磁石を得た。次に、得られた樹脂結合型磁石につい
て、磁気特性試験、防錆試験及び機械的強度試験を行っ
た。結果を表3及び表4に示す。
形面圧5.7t/cm 2 でプレス成形し、縦10mm、
横15mm、厚さ5mmの直方体の成形体と直径10m
m、厚さ3mmの円板状成形体とを製造した。次いでこ
れらの成形体を180℃で1時間加熱して成形体に含ま
れるエポキシ樹脂を硬化し、下記の防錆処理に供する樹
脂結合型磁石を作製した。次に、これらの防錆処理用樹
脂結合型磁石を10-3 Torr の圧力下に下記のアクリル
モノマー又はアクリルモノマーを含む組成物に30分間
浸漬した後、大気中に取り出し5時間乾燥して樹脂結合
型磁石を得た。次に、得られた樹脂結合型磁石につい
て、磁気特性試験、防錆試験及び機械的強度試験を行っ
た。結果を表3及び表4に示す。
【0061】アクリルモノマー又はアクリルモノマーを
含む組成物 実施例1、実施例3、比較例1、比較例2及び比較例3
においては、メチルメタクリレートモノマーとオリゴマ
ーを含有するアクリルシラップ(三菱レイヨン(株)
製、アクリシラップSY105)100重量部及びベン
ゾイルパーオキサイドペースト(BPO)30重量部か
らなる組成物を使用した。実施例2においては、アクリ
ル酸モノマーを含有する熱硬化性アクリル組成物(三菱
レイヨン(株)製、ダイヤナールHR−148、前記モ
ノマー以外の成分:メラミン、n−ブタノール等)を使
用した。
含む組成物 実施例1、実施例3、比較例1、比較例2及び比較例3
においては、メチルメタクリレートモノマーとオリゴマ
ーを含有するアクリルシラップ(三菱レイヨン(株)
製、アクリシラップSY105)100重量部及びベン
ゾイルパーオキサイドペースト(BPO)30重量部か
らなる組成物を使用した。実施例2においては、アクリ
ル酸モノマーを含有する熱硬化性アクリル組成物(三菱
レイヨン(株)製、ダイヤナールHR−148、前記モ
ノマー以外の成分:メラミン、n−ブタノール等)を使
用した。
【0062】実施例4 表1に示す処理剤1中に100重量部の磁性粉末Iを3
0分間浸漬した後これを取り出し、150℃で30分間
加熱した処理磁性粉末を得た。実施例1において、磁性
粉末Iに代えて、本例で得た処理磁性粉末を使用し、処
理剤1に代えて、表1に示す組成の処理剤4を用いた以
外は実施例1と同様にして樹脂結合型磁石(アクリル樹
脂で防錆処理した樹脂結合型磁石)を得た。この樹脂結
合型磁石について、実施例1と同様にして磁気特性の測
定 防錆試験及び機械的強度試験を行った。結果を表3
及び表4に示す。
0分間浸漬した後これを取り出し、150℃で30分間
加熱した処理磁性粉末を得た。実施例1において、磁性
粉末Iに代えて、本例で得た処理磁性粉末を使用し、処
理剤1に代えて、表1に示す組成の処理剤4を用いた以
外は実施例1と同様にして樹脂結合型磁石(アクリル樹
脂で防錆処理した樹脂結合型磁石)を得た。この樹脂結
合型磁石について、実施例1と同様にして磁気特性の測
定 防錆試験及び機械的強度試験を行った。結果を表3
及び表4に示す。
【0063】比較例4 実施例1と同様にして、防錆処理に供する樹脂結合型磁
石を作製した。次に、この防錆処理用樹脂結合型磁石に
ついてアクリル樹脂で防錆処理しないまま、実施例1と
同様にして磁気特性の測定、防錆試験及び機械的強度試
験を行った。結果を表3及び表4に示す。
石を作製した。次に、この防錆処理用樹脂結合型磁石に
ついてアクリル樹脂で防錆処理しないまま、実施例1と
同様にして磁気特性の測定、防錆試験及び機械的強度試
験を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0064】実施例5、比較例5及び比較例6 樹脂結合型磁石用組成物の調製 Sm2 Fe17母合金を溶解鋳造した後、100μm以下
まで粉砕し、窒素雰囲気中でSm2 Fe17N3 組成にし
たSm−Fe−N系磁性粉末を調製した(以下、磁性粉
末IIという)。次に、エタノール50重量部に、表2に
示すキレート剤及びノニオン系界面活性剤の表2に示す
量を混合した処理剤(7〜9)を調製した。そして、こ
の処理剤及び磁性粉末100重量部をアトライターミル
に投入し、磁性粉末を粒径1〜10μmに粉砕した。次
に、粉砕した磁性粉末に含まれるエタノールを30℃/
10-1Torrの条件で完全に揮散させた。この磁性粉
末(以下、粉砕磁性粉末という)を実施例1で用いたア
クリルシラップ100重量部及びベンゾイルパーオキサ
イドペースト(BPO)30重量部からなる組成物に3
0分間浸漬した後、これを取り出して真空中で5時間乾
燥して処理磁性粉末を得た。次に、この処理磁性粉末1
00重量部、ポリアミド樹脂(宇部興産製、商品名P-30
14U )9.0重量部、エチレンビスステアリン酸アミド
(日本化成(株)製、商品名スリパックスE)0.2重
量部及びパラフィンワックス0.5重量部を混合した
後、この混合物をラボプラストミル[(株)東洋精機
製]を用いて、230℃、50rpmの条件で30分間
混練し、樹脂結合型磁石用組成物を調製した。
まで粉砕し、窒素雰囲気中でSm2 Fe17N3 組成にし
たSm−Fe−N系磁性粉末を調製した(以下、磁性粉
末IIという)。次に、エタノール50重量部に、表2に
示すキレート剤及びノニオン系界面活性剤の表2に示す
量を混合した処理剤(7〜9)を調製した。そして、こ
の処理剤及び磁性粉末100重量部をアトライターミル
に投入し、磁性粉末を粒径1〜10μmに粉砕した。次
に、粉砕した磁性粉末に含まれるエタノールを30℃/
10-1Torrの条件で完全に揮散させた。この磁性粉
末(以下、粉砕磁性粉末という)を実施例1で用いたア
クリルシラップ100重量部及びベンゾイルパーオキサ
イドペースト(BPO)30重量部からなる組成物に3
0分間浸漬した後、これを取り出して真空中で5時間乾
燥して処理磁性粉末を得た。次に、この処理磁性粉末1
00重量部、ポリアミド樹脂(宇部興産製、商品名P-30
14U )9.0重量部、エチレンビスステアリン酸アミド
(日本化成(株)製、商品名スリパックスE)0.2重
量部及びパラフィンワックス0.5重量部を混合した
後、この混合物をラボプラストミル[(株)東洋精機
製]を用いて、230℃、50rpmの条件で30分間
混練し、樹脂結合型磁石用組成物を調製した。
【0065】樹脂結合型磁石の作製 樹脂結合型磁石用組成物を室温まで冷却した後、プラス
チック粉砕機を用いて粉砕した後、これをペレットに加
工した。次に、このペレットを24kOeの配向磁場中
で、射出成形機(タナベ工業製)を用いて射出成形を行
い[シリンダー温度:240℃、金型温度:120℃、
射出圧力:1100kg/cm2 ]、直径20mm、高
さ13mmの円柱状樹脂結合型磁石、及び縦15mm、
横8mm、厚さ2mmの直方体の樹脂結合型磁石を作製
した。これらの樹脂結合型磁石について、磁気特性試
験、防錆試験及び機械的強度試験を行った。結果を表3
及び表4に示す。
チック粉砕機を用いて粉砕した後、これをペレットに加
工した。次に、このペレットを24kOeの配向磁場中
で、射出成形機(タナベ工業製)を用いて射出成形を行
い[シリンダー温度:240℃、金型温度:120℃、
射出圧力:1100kg/cm2 ]、直径20mm、高
さ13mmの円柱状樹脂結合型磁石、及び縦15mm、
横8mm、厚さ2mmの直方体の樹脂結合型磁石を作製
した。これらの樹脂結合型磁石について、磁気特性試
験、防錆試験及び機械的強度試験を行った。結果を表3
及び表4に示す。
【0066】比較例7 実施例5と同様にして粉砕磁性粉末を得た(アクリルシ
ラップ100重量部及びベンゾイルパーオキサイドペー
スト(BPO)30重量部からなる組成物による処理を
行わなかったもの)。そして、実施例5において、処理
磁性粉末に代えて、該粉砕磁性粉末を使用した以外は、
実施例5と同様にして磁気特性の測定、防錆試験及び機
械的強度試験を行った。結果を表3及び表4に示す。
ラップ100重量部及びベンゾイルパーオキサイドペー
スト(BPO)30重量部からなる組成物による処理を
行わなかったもの)。そして、実施例5において、処理
磁性粉末に代えて、該粉砕磁性粉末を使用した以外は、
実施例5と同様にして磁気特性の測定、防錆試験及び機
械的強度試験を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0067】
【表1】 表1中、アデカレジンは、旭電化(株)製エポキシ樹脂
[アデカレジンEP−5100)]であり、DICY7
は、油化シェル(株)製ジシアンジアミドであり、リケ
マールは、理研ビタミン(株)製界面活性剤リケマール
S−250であり、リポノックスは、(株)ライオン製
界面活性剤リポノックスNC−100である。
[アデカレジンEP−5100)]であり、DICY7
は、油化シェル(株)製ジシアンジアミドであり、リケ
マールは、理研ビタミン(株)製界面活性剤リケマール
S−250であり、リポノックスは、(株)ライオン製
界面活性剤リポノックスNC−100である。
【0068】
【表2】 表2中、リケマールは、表1と同じである。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【発明の効果】本発明の樹脂結合型磁石用組成物はバイ
ンダー樹脂の配合比率を低く抑えることでき、しかも該
組成物から得られた樹脂結合型磁石はバインダー樹脂の
含有量が低いにもかかわらず耐食性及び機械的強度に優
れる。
ンダー樹脂の配合比率を低く抑えることでき、しかも該
組成物から得られた樹脂結合型磁石はバインダー樹脂の
含有量が低いにもかかわらず耐食性及び機械的強度に優
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬
化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレス成
形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形して得ら
れる樹脂結合型磁石において、 前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上であり、該
粉末の粒子表面を下記防錆剤で処理した後、さらにアク
リル樹脂で防錆処理したものであることを特徴とする樹
脂結合型磁石。 防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なくとも2つの炭
素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族炭化水素系キ
レート剤及び該水酸基が酸化したキノン構造を有する芳
香族炭化水素系キレート剤からなる群より選ばれた少な
くとも1種、並びに(B)界面活性剤を含有する防錆
剤。 - 【請求項2】 磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬
化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する組成物をプレス成
形後加熱硬化するか、又は加熱溶融後射出成形して得ら
れる樹脂結合型磁石をさらにアクリル樹脂で防錆処理し
た樹脂結合型磁石において、 前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上であり、該
粉末の粒子表面を下記防錆剤で処理したものであること
を特徴とする樹脂結合型磁石。 防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なくとも2つの炭
素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族炭化水素系キ
レート剤及び該水酸基が酸化したキノン構造を有する芳
香族炭化水素系キレート剤からなる群より選ばれた少な
くとも1種、並びに(B)界面活性剤を含有する防錆
剤。 - 【請求項3】 磁性粉末及びバインダー樹脂として熱硬
化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する樹脂結合型磁石用
組成物において、 前記の磁性粉末が、異方性磁場が50kOe 以上であり、該
粉末の粒子表面を下記防錆剤で処理した後、さらにアク
リル樹脂で防錆処理したものであることを特徴とする樹
脂結合型磁石用組成物。 防錆剤:(A)芳香環中の隣接する少なくとも2つの炭
素原子のそれぞれに水酸基を有する芳香族炭化水素系キ
レート剤及び該水酸基が酸化したキノン構造を有する芳
香族炭化水素系キレート剤からなる群より選ばれた少な
くとも1種、並びに(B)界面活性剤を含有する防錆
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301984A JPH09129425A (ja) | 1995-10-26 | 1995-10-26 | 樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合型磁石用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301984A JPH09129425A (ja) | 1995-10-26 | 1995-10-26 | 樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合型磁石用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09129425A true JPH09129425A (ja) | 1997-05-16 |
Family
ID=17903492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7301984A Pending JPH09129425A (ja) | 1995-10-26 | 1995-10-26 | 樹脂結合型磁石及びそれに用いる樹脂結合型磁石用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09129425A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001143917A (ja) * | 1999-11-12 | 2001-05-25 | Tdk Corp | 希土類ボンド磁石 |
-
1995
- 1995-10-26 JP JP7301984A patent/JPH09129425A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001143917A (ja) * | 1999-11-12 | 2001-05-25 | Tdk Corp | 希土類ボンド磁石 |
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