JPH0912870A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH0912870A
JPH0912870A JP15801695A JP15801695A JPH0912870A JP H0912870 A JPH0912870 A JP H0912870A JP 15801695 A JP15801695 A JP 15801695A JP 15801695 A JP15801695 A JP 15801695A JP H0912870 A JPH0912870 A JP H0912870A
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polyamide resin
group
acid
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JP15801695A
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Kazue Kojima
和重 小島
Tsuneo Tamura
恒雄 田村
Shinichiro Katahira
新一郎 片平
Izumi Yoshida
泉 吉田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形時の1サイクルの成形時間が短く、
耐熱性及び機械的特性に優れた成形体とすることができ
るポリアミド樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を含
む樹脂混合物 100重量部、(b) 膨潤性フッ素雲母系鉱物
0.01 〜 100重量部、及び(c) ポリアルキレングリコー
ルの末端変性物、リン酸もしくは亜リン酸のエステル
類、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸の金属塩、エチ
レンビスアミド化合物、低分子量ポリエチレン、高級脂
肪族アミン類、置換ベンジリデンソルビトール類及び珪
酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の成形性改良剤 0.01 〜10重量部を含有してなるポリア
ミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド樹脂、特定
の膨潤性フッ素雲母系鉱物及び成形性改良剤からなり、
射出成形時の1サイクルの成形時間が短く、耐熱性及び
機械的特性に優れた成形体とすることができるポリアミ
ド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂成形体は、機械的特性や
耐熱性に優れているので、自動車や電気製品などの部品
として幅広く利用されている。しかし、ポリアミド樹脂
は融点が高いため、射出成形時に溶融温度を高くする必
要があり、金型から押出された溶融樹脂が固化するまで
の時間が長くなり、生産性が劣るという問題点があっ
た。
【0003】ポリアミド樹脂の成形時間を短縮する方法
としては、射出成形に用いるポリアミド樹脂にタルク、
カオリン、クレーなどの無機物を添加する方法や、有機
系の離型性改良剤を添加する方法が提案されている(特
開昭61−188457号公報及び同61−188458号公報)が、成
形時間を短縮するには十分ではないうえ、射出成形品を
金型から取り出す際の離型力が大きく、得られた成形品
が変形することがあった。また、耐熱性や機械的特性に
ついても十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、射出成形時
間が短縮でき、かつ耐熱性や機械的特性に優れた成形体
とすることができるポリアミド樹脂組成物を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリア
ミド樹脂と特定の膨潤性フッ素雲母系鉱物と成形性改良
剤とからなる樹脂組成物とすることで、この目的が達成
されることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、(a) ポリアミ
ド樹脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重量
部、(b) 膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.01 〜 100重量部、
及び(c) ポリアルキレングリコールの末端変性物、リン
酸もしくは亜リン酸のエステル類、高級脂肪酸エステル
類、高級脂肪酸の金属塩、エチレンビスアミド化合物、
低分子量ポリエチレン、高級脂肪族アミン類、置換ベン
ジリデンソルビトール類及び珪酸マグネシウムからなる
群より選ばれた少なくとも1種の成形性改良剤 0.01 〜
10重量部を含有してなるポリアミド樹脂組成物にある。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明で用いるポリアミド樹脂は、アミノ
酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形
成されるアミド結合を有する射出成形可能な重合体を意
味する。このようなポリアミド樹脂を形成するモノマー
の例を挙げると、次のようなものがある。
【0009】アミノ酸としては 6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラ
アミノメチル安息香酸などがある。
【0010】ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω
−ラウロラクタムなどがある。
【0011】ジアミンとしてはテトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、8 デカメチレンジアミン、 2,2,4−/ 2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、 5−メチルノナメチレ
ンジアミン、 2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、 1−アミノ
− 3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、 3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビ
ス( 4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス( 3−メ
チル− 4−アミノシクロヘキシル)メタン、 2,2−ビス
( 4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが
ある。
【0012】ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、 2
−クロロテレフタル酸、 2−メチルテレフタル酸、 5−
メチルイソフタル酸、 5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などがある。
【0013】本発明に用いるポリアミド樹脂として好ま
しいものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン 6)、
ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレ
ンドデカミド(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレン
アジパミド(ナイロン 116)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、
ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナ
イロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタ
ルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(1−アミノシ
クロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、
ポリビス(3−メチル− 4−アミノシクロヘキシル)メ
タンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタ
キシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカ
メチレンテレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウン
デカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン
11T(H))及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミ
ドなどがある。中でも特に好ましいものはナイロン 6、
ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12及び
これらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドである。
【0014】ここで用いられるポリアミド樹脂は、通常
公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用
して製造される。
【0015】本発明で用いられるポリアミド樹脂の相対
粘度は特に制限はないが、溶媒としてフェノール/テト
ラクロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度25℃、
濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で 1.5〜5.0 の範囲
であることが好ましい。相対粘度が 1.5未満では成形体
の機械的特性が低下するので好ましくない。逆にこれが
5.0を超えると樹脂組成物の成形性が急速に低下するの
で好ましくない。
【0016】本発明おける(a) 成分がポリアミド樹脂を
含む樹脂混合物の場合には、ポリアミド樹脂以外の樹脂
としては、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
トなどが好ましく用いられ、この場合には、ポリアミド
樹脂の含有量が40重量%以上であることが好ましい。
【0017】本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱
物は、タルクとナトリウム及び/又はリチウムの珪フッ
化物又はフッ化物の混合物を加熱処理して得られる。そ
の具体的方法としては特開平 2−149415号公報に開示さ
れた方法がある。すなわち、タルクを出発物質として用
い、これにナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン
をインターカレーションして膨潤性フッ素雲母系鉱物を
得る方法である。この方法ではタルクに珪フッ化物及び
/又はフッ化物を混合し、磁性ルツボ内で約 700〜1200
℃で短時間加熱処理することによってフッ素雲母系鉱物
が得られる。本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物は
特にこの方法で製造されたものが好ましい。
【0018】膨潤性フッ素雲母系鉱物を得るためには、
珪フッ化物あるいはフッ化物を構成する金属はアルカリ
金属のうち、ナトリウムあるいはリチウムとすることが
必要である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよ
いし併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリウムの
場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物が得られないので好ま
しくないが、ナトリウムあるいはリチウムと併用し、か
つ限定された量であれば膨潤性を調節する目的で用いる
ことも可能である。また、タルクと混合する珪フッ化物
及び/又はフッ化物の量は混合物全体の10〜35重量%の
範囲が好ましく、この範囲を外れる場合は膨潤性フッ素
雲母系鉱物の生成收率が低下する。
【0019】上記方法で製造された膨潤性フッ素雲母系
鉱物は一般式として下記式(1)で表される構造を有す
る。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (1) (式中、Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α、
β、γ、a及びbはそれぞれ係数を表し、 0.1≦α≦2
、 2≦β≦3.5 、 3≦γ≦4 、 0≦a≦1 、 0≦b≦1
、a+b=1 である。)
【0020】本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母系鉱
物がアミノ酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子ある
いは陽イオンを層間に吸収することにより、層間距離が
拡がり、あるいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子と
なる特性である。式(1)で表されるフッ素雲母系鉱物
はこのような膨潤性を示す。
【0021】本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物
は、X線粉末法で測定してc軸方向の層厚みが 9〜20Å
のものである。
【0022】また本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱
物を製造する工程において、アルミナ(Al2 3 )を
少量配合し、生成する膨潤性フッ素雲母系鉱物の膨潤性
を調整することも可能である。
【0023】膨潤性フッ素雲母系鉱物を、ポリアミド樹
脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物中に分散させる
には、種々の方法を用いることができるが、ポリアミド
樹脂を形成するモノマー中に膨潤性フッ素雲母系鉱物を
所定量存在させた状態で重合する方法が特に好ましい。
この場合には、膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド樹
脂中に十分に細かくかつ均一に分散し、本発明の効果が
最も顕著に現れる。
【0024】膨潤性フッ素雲母系鉱物の配合量は、ポリ
アミド樹脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重
量部に対して0.01〜 100重量部、好ましくは 0.1〜20重
量部である。配合量が0.01重量部未満では機械的強度、
耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られず、100 重量部
を超えると靭性の低下が大きくなるので好ましくない。
【0025】本発明で用いられる成形性改良剤は、膨潤
性フッ素雲母系鉱物が均一に分散されたポリアミド樹脂
又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物に配合することに
より、実質的にその樹脂組成物を射出成形したときの冷
却時間を短縮させることができる成分である。
【0026】成形性改良剤の配合量は、ポリアミド樹脂
又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重量部に対し
て、0.01〜10重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未
満であると射出成形したときの冷却時間を短縮すること
ができず、10重量部を超えると冷却時間はそれ以上短縮
されないうえに、得られる成形体の物性が低下するので
好ましくない。
【0027】本発明においては、成形性改良剤として
ポリアルキレングリコールの末端変性物、リン酸もし
くは亜リン酸のエステル類、高級脂肪酸エステル類、
高級脂肪酸の金属塩、エチレンビスアミド化合物、
低分子量ポリエチレン、高級脂肪族アミン類、置
換ベンジリデンソルビトール類、及び珪酸マグネシウ
ムからなる群より選ばれる1種以上の化合物が用いられ
る。以下、これらの成形性改良剤について、より詳細に
説明する。
【0028】ポリアルキレングリコールの末端変性物 式(A)もしくは式(B) X−R−(O−CH2−CH2)m−O−R−X (A) X−R−〔O−CH2−CH(CH3)〕n−O−R−X (B) (式中、XはNH2 、COOH又は水素原子を示し、R
は炭素数1〜100 の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を
示し、mは4〜1200の整数を示し、nは1〜200の整数
を示す。)で表されるポリエチレングリコールの末端変
性物やポリプロピレングリコールの末端変性物などが挙
げられ、末端はアミノ基、カルボキシル基またはメチル
基で変性されていることが好ましい。
【0029】リン酸もしくは亜リン酸のエステル類 リン酸エステルとしては式(C) ( RO)nPO(OH)3-n (C) (式中、Rは炭素数1〜25のアルキル基を示し、nは1
又は2を示す。ただし、2個以下のRO基は同じでも異
なっていてもよい。)で表され、Rとしてはエチル基、
ブチル基、オクチル基、エチルヘキシル基が好ましい。 また、亜リン酸エステルとしては式(D) (RO)3P (D) (式中、Rは炭素数1〜25のアルキル基、フェニル基あ
るいはフェニル基の一部が炭化水素基で置換された芳香
族基、又は水素原子を示す。ただし、3個のRO基は同
じでも異なっていてもよく、3個のRが水素原子である
ことはない。)で表され、Rとしてはデシル基、ラウリ
ル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの
脂肪族基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、
エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基などの
置換基を有する芳香族基などが好ましい。前記のリン酸
もしくは亜リン酸のエステルとしては、例えばジ(2ー
エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスファイ
ト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリ
ルホスファイトなどの脂肪族リン酸もしくは亜リン酸エ
ステルや、トリフェニルホスファイト、ジフェニルモノ
デシルホスファイトなどの芳香族亜リン酸エステルなど
を挙げることができる。
【0030】高級脂肪酸エステル類 式(E) R1−COO−R2 (E) (式中、R1 及びR2 は炭素数8〜40のアルキル基を示
す。)で表され、R1 及びR2 としてはデシル基、ラウ
リル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基など
の脂肪族基が好ましい。この中でも、高級脂肪酸と高級
脂肪族1価アルコールとのエステル化合物が特に好まし
く、高級脂肪酸としてはミリスチン酸、パルミチン酸、
ベヘニル酸、オレイン酸、アラギジン酸などを挙げるこ
とができ、高級脂肪族1価アルコールとしてはミリスチ
ルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ヘキシルデシルアルコール
などを挙げることができる。前記の高級脂肪酸エステル
類としては、例えばミリスチン酸ミリスチル、ステアリ
ン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、オレイン酸オレ
イル、ミリスチン酸ヘキシルデシルなどを挙げることが
できる。
【0031】高級脂肪酸の金属塩 式(F) CH3(CH2)nCOOX (F) (式中、Xは周期律表第I〜III族の金属原子を示
し、nは9〜30の整数を示す。)で表され、例えばステ
アリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、アラギジン酸、
ベヘニン酸などの高級脂肪酸や、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステ
アリン酸カルシウム、パルミチン酸アルミニウムなどの
高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。
【0032】エチレンビスアミド化合物 式(G) CH3(CH2)mCONH(CH2)2NHCO(CH2)nCH3 (G) (式中、m及びnは9〜30の整数を示す。)で表され、
例えば、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビス
パルミチルアミドなどを挙げることができる。
【0033】低分子量ポリエチレン 分子量 500〜5000の高密度もしくは低密度ポリエチレン
が好ましい。
【0034】高級脂肪族アミン類 式(H) R1−NR2 3 (H) (式中、R1 は炭素数8〜40のアルキル基を示し、R2
及びR3 は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示
す。)で表され、R1 としてはオクチル基、デシル基、
ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基
などの脂肪族基が好ましい。前記の高級脂肪族アミンと
しては、例えばオクチルアミン、ノニルアミン、ウンデ
シルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、1−
テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリル
アミン、オレイルアミンなどを挙げることができる。
【0035】置換ベンジリデンソルビトール類 式(I)もしくは式(J)
【0036】
【化1】
【0037】(式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子、
ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜200 のアルキル基
を示す。)で表され、例えば 1,3−ベンジリデンソルビ
トール、 1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、 1,3
−(p−ヒドロキシベンジリデン) ソルビトール、 1,3,
2,4−ジ(p−ヒドロキシベンジリデン) ソルビトール、
1,3−(p−クロロベンジリデン) ソルビトール、 1,3,2,
4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール、 1,3−
(m−ニトロベンジリデン)ソルビトール、 1,3,2,4−ジ
(m−ニトロベンジリデン) ソルビトール、 1,3−(p−ク
ロロベンジリデン)− 2,4−(p−エチルベンジリデン)
−d−ソルビトールなどを挙げることができる。
【0038】珪酸マグネシウム 粒径1〜10μm のものが好ましく、ポリアミドとの密着
性を改良するために、アミノシランなどによる表面処理
を行ったものでもよい。
【0039】また、成形性改良剤をポリアミド樹脂又は
ポリアミド樹脂を含む樹脂混合物に配合する方法につい
ては特に制限はなく、ポリアミドペレットにドライブレ
ンドする方法、押出機を用いて溶融混練する方法、重縮
合中もしくは重縮合終了後の払出し時に添加する方法な
どを用いることができる。
【0040】本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要
に応じて熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤、顔料、難燃剤などの添加剤を含有させるこ
とができる。
【0041】本発明の樹脂組成物は、押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダーなどの通常の溶融混練加工装置を
用いて、粉末状、ペレット状、その他の形状とし、次い
で射出成形など一般に知られているプラスチック成形法
により各種の有用な成形品に加工することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料
及び測定法は次のとおりである。 (1)原料 1.膨潤性フッ素雲母系鉱物 ボールミルにより平均粒径が2μmとなるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μmの表1に示す
珪フッ化物を全量の20重量%となるように混合し、これ
を磁性ルツボに入れ、電気炉で1時間 800℃に保持し、
M−1及びM−2のフッ素雲母系鉱物を合成した。生成
したフッ素雲母系鉱物をX線粉末法で測定した結果、原
料タルクのc軸方向の厚み 9.2Åに対応するピークは消
失し、膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成を示す12〜16Åに
対応するピークが認められた。
【0043】
【表1】
【0044】2.成形性改良剤 ポリプロピレングリコールの末端アミノ変性物(三井テ
キサコケミカル社製、ジェファーミン D−2000)、ステ
アリルアミン(花王社製、ファーミン)、ステアリン酸
マグネシウム(堺化学社製)を使用した。
【0045】(2)測定法 1.曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D−790 に基づいて測定した。 2.熱変形温度 ASTM D−648 に基づいて測定した。
【0046】実施例1〜3、比較例1 ε−カプロラクタム10kgに対して、1kgの水と400gの膨
潤性フッ素雲母系鉱物(M−1)を配合し、これを内容
量30リットルの反応缶に入れ、ε−カプロラクタムを重
合し、ナイロン6樹脂組成物を得た。重合反応は以下の
ごとく行った。すなわち、攪拌しながら原料混合物を 2
50℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ15kg/cm2
圧力まで昇圧し、次いで常圧まで放圧した後、 260℃で
3時間重合した。重合の終了した時点で反応缶からナイ
ロン6樹脂組成物を払い出し、これを切断してペレット
とした。得られたナイロン6樹脂組成物のペレットを95
℃の熱水で処理して精練を行った後、真空乾燥した。こ
のペレット(相対粘度 2.5)100重量部とポリプロピレン
グリコールの末端アミノ変性物であるジェファーミン D
−2000(JD)0.15〜 5.0重量部とを混合し、シリンダ
温度 250℃、金型温度70℃、射出時間6秒、冷却時間
4、6、10秒の条件で射出成形して、厚み 1/8インチの
試験片を作製し、物性試験を行った。また、金型からの
離型性をもって成形性を評価した。 ○:離型良好 ×:離型不能 なお、JDを使用しない場合を比較例1とした。得られ
た結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】比較例2〜5 相対粘度 2.5のナイロン6 100重量部とJD 0〜5.0 重
量部とを混合し、実施例1〜3と同様にして試験片を作
製し、物性試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】実施例4〜6、比較例6 JDの代わりに、ステアリルアミンであるファーミン
(FM)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして試
験片を作製し、物性試験を行った。なお、FMを使用し
ない場合を比較例6とした。得られた結果を表4に示
す。
【0051】
【表4】
【0052】比較例7〜10 JDの代わりにFMを用いた以外は、比較例2〜5と同
様にして試験片を作製し、物性試験を行った。得られた
結果を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】実施例7〜9、比較例11 M−1の代わりにM−2を用いた以外は、実施例1〜3
と同様にしてペレットを作製した。このペレット(相対
粘度 2.5)100重量部とステアリン酸マグネシウム(StM
g)0.1〜5.0 重量部とを混合し、実施例1〜3と同様に
して試験片を作製し、物性試験を行った。なお、StMgを
使用しない場合を比較例11とした。得られた結果を表6
に示す。
【0055】
【表6】
【0056】比較例12〜15 JDの代わりにStMgを用いた以外は、比較例2〜5と同
様にして試験片を作製し、物性試験を行った。得られた
結果を表7に示す。
【0057】
【表7】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形時の1サイク
ルの成形時間が短く、耐熱性及び機械的特性に優れた成
形体とすることができるポリアミド樹脂組成物を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/17 KKX C08K 5/17 KKX 5/20 KKX 5/20 KKX 5/521 KLB 5/521 KLB 5/524 5/524 C08L 71/00 LQE C08L 71/00 LQE 79/08 LRB 79/08 LRB (72)発明者 吉田 泉 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂
    を含む樹脂混合物 100重量部、(b) 膨潤性フッ素雲母系
    鉱物 0.01 〜 100重量部、及び(c) ポリアルキレングリ
    コールの末端変性物、リン酸もしくは亜リン酸のエステ
    ル類、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸の金属塩、エ
    チレンビスアミド化合物、低分子量ポリエチレン、高級
    脂肪族アミン類、置換ベンジリデンソルビトール類及び
    珪酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも1
    種の成形性改良剤 0.01 〜10重量部を含有してなるポリ
    アミド樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131407A (ja) * 1999-11-05 2001-05-15 Asahi Kasei Corp 成形性に優れた強化ポリアミド樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131407A (ja) * 1999-11-05 2001-05-15 Asahi Kasei Corp 成形性に優れた強化ポリアミド樹脂組成物

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