JPH09127612A - ホログラムの作製方法 - Google Patents
ホログラムの作製方法Info
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- JPH09127612A JPH09127612A JP28741995A JP28741995A JPH09127612A JP H09127612 A JPH09127612 A JP H09127612A JP 28741995 A JP28741995 A JP 28741995A JP 28741995 A JP28741995 A JP 28741995A JP H09127612 A JPH09127612 A JP H09127612A
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- hologram
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Abstract
(57)【要約】
【課題】白濁や曇りが少ないホログラムを容易に作製で
きるホログラムの作製方法を提供する。 【解決手段】参照光を発散させる参照光用レンズ18の
倍率nR に対する物体光を発散させる物体光用レンズ1
1の倍率nO の比nO /nR が、「4」以上となってい
る。物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回
折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、
且つ回折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強
度EO と参照光の強度ER とを調整し、拡散板13を通
した物体光と参照光とにより形成される干渉縞を感光乾
板15に記録してスクリーンホログラムを作製する。
きるホログラムの作製方法を提供する。 【解決手段】参照光を発散させる参照光用レンズ18の
倍率nR に対する物体光を発散させる物体光用レンズ1
1の倍率nO の比nO /nR が、「4」以上となってい
る。物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回
折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、
且つ回折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強
度EO と参照光の強度ER とを調整し、拡散板13を通
した物体光と参照光とにより形成される干渉縞を感光乾
板15に記録してスクリーンホログラムを作製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホログラムの作
製方法に係り、特に、ホログラムをスクリーンとして利
用するスクリーンホログラムの作製方法として好適なも
のである。
製方法に係り、特に、ホログラムをスクリーンとして利
用するスクリーンホログラムの作製方法として好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】表示器から出た表示内容を、ホログラム
にて作製した透明なスクリーン上に映し出し、背景を透
かして見ながら表示内容を確認できるスクリーンホログ
ラムがある。これを利用することにより、銀行や病院等
の窓口において顧客や患者を確認しながら接客を行うこ
とが可能となる。表示内容としては、顧客に対して行う
ものと、接客側に対して行うものと、両方に行うものと
がある。上記以外の利用方法としては、デパートや地下
街等のショールームに広告等を映し出したり、自動車等
のヘッドアップディスプレイ等にも利用することができ
る。
にて作製した透明なスクリーン上に映し出し、背景を透
かして見ながら表示内容を確認できるスクリーンホログ
ラムがある。これを利用することにより、銀行や病院等
の窓口において顧客や患者を確認しながら接客を行うこ
とが可能となる。表示内容としては、顧客に対して行う
ものと、接客側に対して行うものと、両方に行うものと
がある。上記以外の利用方法としては、デパートや地下
街等のショールームに広告等を映し出したり、自動車等
のヘッドアップディスプレイ等にも利用することができ
る。
【0003】図26には透過型スクリーンを用いた表示
装置を示し、スクリーンホログラム41の背面側にプロ
ジェクタ42が配置され、プロジェクタ42から表示像
を投影して、観察者43から表示像を見ることができ
る。図27には反射型スクリーンを用いた表示装置を示
し、スクリーンホログラム44の正面側にプロジェクタ
45が配置され、プロジェクタ45から表示像を投影し
て、観察者46から表示像を見ることができる。
装置を示し、スクリーンホログラム41の背面側にプロ
ジェクタ42が配置され、プロジェクタ42から表示像
を投影して、観察者43から表示像を見ることができ
る。図27には反射型スクリーンを用いた表示装置を示
し、スクリーンホログラム44の正面側にプロジェクタ
45が配置され、プロジェクタ45から表示像を投影し
て、観察者46から表示像を見ることができる。
【0004】このスクリーンホログラムを作製するため
の一手法として、レーザー光をすりガラス等の拡散体を
通して拡散させ、この拡散光を物体光とし参考光とで形
成された干渉縞を感光乾板に記録する方法がある。より
具体的には、図28に示すように拡散体47を透過して
きた拡散光である物体光と参照光の2光束で露光し、感
光乾板48に干渉縞を記録する。そのとき、図28に示
すように乾板48に対して同方向から光を入れる透過型
と、図29に示すように乾板49に対して逆方向から光
を入れる反射型とがある。これは、再生時の使用状況に
応じて使い分ける。
の一手法として、レーザー光をすりガラス等の拡散体を
通して拡散させ、この拡散光を物体光とし参考光とで形
成された干渉縞を感光乾板に記録する方法がある。より
具体的には、図28に示すように拡散体47を透過して
きた拡散光である物体光と参照光の2光束で露光し、感
光乾板48に干渉縞を記録する。そのとき、図28に示
すように乾板48に対して同方向から光を入れる透過型
と、図29に示すように乾板49に対して逆方向から光
を入れる反射型とがある。これは、再生時の使用状況に
応じて使い分ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、すりガ
ラス等の拡散体を通して干渉縞を乾板に記録しているた
め、スクリーンホログラムにはすりガラスと同様白濁や
曇りが発生する。よって、透明感が悪く、背景を明瞭に
視認することができない。又、表示像の観察位置以外の
ところからスクリーンホログラムを見た時や、表示像を
映し出していない時に観察者の位置からスクリーンホロ
グラムを見た時、くすんだガラスのように見えて非常に
違和感がある。
ラス等の拡散体を通して干渉縞を乾板に記録しているた
め、スクリーンホログラムにはすりガラスと同様白濁や
曇りが発生する。よって、透明感が悪く、背景を明瞭に
視認することができない。又、表示像の観察位置以外の
ところからスクリーンホログラムを見た時や、表示像を
映し出していない時に観察者の位置からスクリーンホロ
グラムを見た時、くすんだガラスのように見えて非常に
違和感がある。
【0006】つまり、図28,29に示した作製の際に
おいて、本来は物体光(O)と参照光(R)の比である
ER /EO を「1」にして露光している。ここで言うE
R /EO とは、干渉縞を記録するホログラム記録乾板上
での物体光と参照光の光強度比、つまりER /EO =
(参照光強度)/(物体光強度)である。しかし、この
ように露光すると、図29に示す反射型を例にとると、
図30に示すように、参照光R1 と物体光O1 ,O2 と
で本来必要である干渉縞が記録されると同時に、白濁、
曇りの原因である物体光同士のO1 ,O2 で干渉縞が記
録されてしまう(フレネルノイズ)。
おいて、本来は物体光(O)と参照光(R)の比である
ER /EO を「1」にして露光している。ここで言うE
R /EO とは、干渉縞を記録するホログラム記録乾板上
での物体光と参照光の光強度比、つまりER /EO =
(参照光強度)/(物体光強度)である。しかし、この
ように露光すると、図29に示す反射型を例にとると、
図30に示すように、参照光R1 と物体光O1 ,O2 と
で本来必要である干渉縞が記録されると同時に、白濁、
曇りの原因である物体光同士のO1 ,O2 で干渉縞が記
録されてしまう(フレネルノイズ)。
【0007】尚、透明性に優れたスクリーンホログラム
の作製方法として感光乾板に対し指向性を持つ光(物体
光)をいろいろな方向から照射して多重露光することに
より、スクリーンホログラムを作製する方法等もある
が、時間がかかり、露光する装置の部品数が多くなる等
の問題がある。
の作製方法として感光乾板に対し指向性を持つ光(物体
光)をいろいろな方向から照射して多重露光することに
より、スクリーンホログラムを作製する方法等もある
が、時間がかかり、露光する装置の部品数が多くなる等
の問題がある。
【0008】そこで、この発明の目的は、白濁や曇りが
少ないホログラム(例えば、スクリーンホログラム)を
容易に作製することができるホログラムの作製方法を提
供することにある。
少ないホログラム(例えば、スクリーンホログラム)を
容易に作製することができるホログラムの作製方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回
折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、
且つ回折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強
度EO と参照光の強度ER とを調整する。よって、物体
光同士の相互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、
白濁や曇りが少ないホログラムが得られる。
は、物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回
折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、
且つ回折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強
度EO と参照光の強度ER とを調整する。よって、物体
光同士の相互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、
白濁や曇りが少ないホログラムが得られる。
【0010】つまり、ηRO/ηOOを少なくとも「10」
としたことにより、ホログラムにより回折した光の強度
が低くなり、例えば表示像が暗くなり視認性に劣るとい
うことを回避することができる。又、回折効率ηOOが5
%を越えないようにすることにより、ノイズ率が増大し
白濁や曇りが顕著となり透明感が悪化して背景の認識が
困難となるということを回避することができる。
としたことにより、ホログラムにより回折した光の強度
が低くなり、例えば表示像が暗くなり視認性に劣るとい
うことを回避することができる。又、回折効率ηOOが5
%を越えないようにすることにより、ノイズ率が増大し
白濁や曇りが顕著となり透明感が悪化して背景の認識が
困難となるということを回避することができる。
【0011】請求項2に記載の発明では、光拡散体を通
した物体光を用いるスクリーンホログラムにおいて、物
体光同士により形成される干渉縞での回折効率ηOOと、
参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回折効率
ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、且つ回
折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強度E O
と参照光の強度ER とを調整する。よって、物体光同士
の相互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、白濁や
曇りが少ないスクリーンホログラムが得られる。
した物体光を用いるスクリーンホログラムにおいて、物
体光同士により形成される干渉縞での回折効率ηOOと、
参照光と物体光とにより形成される干渉縞での回折効率
ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、且つ回
折効率ηOOが5%を越えないように、物体光の強度E O
と参照光の強度ER とを調整する。よって、物体光同士
の相互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、白濁や
曇りが少ないスクリーンホログラムが得られる。
【0012】つまり、ηRO/ηOOを少なくとも「10」
としたことにより、ホログラムにより回折した光の強度
が低くなり、例えば表示像が暗くなり視認性に劣るとい
うことを回避することができる。又、回折効率ηOOが5
%を越えないようにすることにより、ノイズ率が増大し
白濁や曇りが顕著となり透明感が悪化して背景の認識が
困難となるということを回避することができる。
としたことにより、ホログラムにより回折した光の強度
が低くなり、例えば表示像が暗くなり視認性に劣るとい
うことを回避することができる。又、回折効率ηOOが5
%を越えないようにすることにより、ノイズ率が増大し
白濁や曇りが顕著となり透明感が悪化して背景の認識が
困難となるということを回避することができる。
【0013】請求項3に記載の発明では、物体光の強度
を、使用する感光乾板の感度領域外とした。よって、物
体光同士の不要な干渉縞が感光乾板に記録されることが
ない。
を、使用する感光乾板の感度領域外とした。よって、物
体光同士の不要な干渉縞が感光乾板に記録されることが
ない。
【0014】請求項4に記載の発明では、物体光の強度
を、物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOを2%を越えない範囲に設定した。よって、白濁や曇
りが少ないホログラムが得られる(例えば、スクリーン
ホログラムにおいては透明感を阻害せず背景を明瞭に視
認識できる)。
を、物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOを2%を越えない範囲に設定した。よって、白濁や曇
りが少ないホログラムが得られる(例えば、スクリーン
ホログラムにおいては透明感を阻害せず背景を明瞭に視
認識できる)。
【0015】つまり、図9に示す通り、図30における
例えば物体光O1 と物体光O2 同士等の拡散光同士の干
渉縞の光強度を40mJ/cm2 以下とすることによ
り、スクリーンホログラムのノイズ率を2%以下とする
ことができる。
例えば物体光O1 と物体光O2 同士等の拡散光同士の干
渉縞の光強度を40mJ/cm2 以下とすることによ
り、スクリーンホログラムのノイズ率を2%以下とする
ことができる。
【0016】図25に示すように、拡散体47を透過し
てくる光が3方向のみの時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 とで形成される干渉縞の露光量は、それぞれ20m
J/cm2 となる。この時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 は1:1と考えてよいため、図6よりホログラムの
回折効率は5%以下と考えられる。
てくる光が3方向のみの時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 とで形成される干渉縞の露光量は、それぞれ20m
J/cm2 となる。この時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 は1:1と考えてよいため、図6よりホログラムの
回折効率は5%以下と考えられる。
【0017】実際の拡散体47を透過してくる光は、多
方向であるため、物体光同士で形成される個々の干渉縞
の回折効率は5%以下となり、スクリーンホログラムに
おけるくすみ、白濁を防止できる。
方向であるため、物体光同士で形成される個々の干渉縞
の回折効率は5%以下となり、スクリーンホログラムに
おけるくすみ、白濁を防止できる。
【0018】請求項5に記載の発明では、参照光を発散
させる参照光用レンズの倍率nR に対する物体光を発散
させる物体光用レンズの倍率nO の比nO /nR を、
「4」以上とした。よって、物体光の強度EO に対する
参照光の強度ER の比ER /E O が大きくなり、物体光
同士の相互干渉による干渉縞での回折効率ηOOと、参照
光と物体光との干渉縞による干渉縞での回折効率ηROと
の比ηRO/ηOOが「10」以上とすることが可能とな
る。
させる参照光用レンズの倍率nR に対する物体光を発散
させる物体光用レンズの倍率nO の比nO /nR を、
「4」以上とした。よって、物体光の強度EO に対する
参照光の強度ER の比ER /E O が大きくなり、物体光
同士の相互干渉による干渉縞での回折効率ηOOと、参照
光と物体光との干渉縞による干渉縞での回折効率ηROと
の比ηRO/ηOOが「10」以上とすることが可能とな
る。
【0019】請求項6に記載の発明では、光拡散体と感
光乾板とを所定間隔より大きく離間して配置した。よっ
て、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の比E
R /EO が大きくなり、物体光同士の相互干渉による干
渉縞での回折効率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞に
よる干渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが「1
0」以上とすることが可能となる。
光乾板とを所定間隔より大きく離間して配置した。よっ
て、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の比E
R /EO が大きくなり、物体光同士の相互干渉による干
渉縞での回折効率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞に
よる干渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが「1
0」以上とすることが可能となる。
【0020】請求項7に記載の発明では、物体光の経路
途中に光強度減衰部材を配置した。よって、物体光の強
度EO に対する参照光の強度ER の比ER /EO が大き
くなり、物体光同士の相互干渉による干渉縞での回折効
率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞による干渉縞での
回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが「10」以上とするこ
とが可能となる。
途中に光強度減衰部材を配置した。よって、物体光の強
度EO に対する参照光の強度ER の比ER /EO が大き
くなり、物体光同士の相互干渉による干渉縞での回折効
率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞による干渉縞での
回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが「10」以上とするこ
とが可能となる。
【0021】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
態を図面に従って説明する。
【0022】図2に、スクリーンホログラムを組み込ん
だ表示装置の構成を示す。この表示装置は透過型スクリ
ーンを用いている。つまり、スクリーンホログラム3の
背面側にプロジェクタ1が配置され、プロジェクタ1か
ら表示像を投影して、観察者4から表示像5を見ること
ができるようになっている。
だ表示装置の構成を示す。この表示装置は透過型スクリ
ーンを用いている。つまり、スクリーンホログラム3の
背面側にプロジェクタ1が配置され、プロジェクタ1か
ら表示像を投影して、観察者4から表示像5を見ること
ができるようになっている。
【0023】プロジェクタ1は表示器1aと投影レンズ
1bとを備えている。プロジェクタ1から所定の距離だ
け離間した位置にスクリーンマウント2によりスクリー
ンホログラム3が立設されている。又、プロジェクタ1
に対しスクリーンマウント2よりも離間した位置に観察
者4がいる。
1bとを備えている。プロジェクタ1から所定の距離だ
け離間した位置にスクリーンマウント2によりスクリー
ンホログラム3が立設されている。又、プロジェクタ1
に対しスクリーンマウント2よりも離間した位置に観察
者4がいる。
【0024】プロジェクタ1の表示器1aを出射した光
は、投影レンズ1bによってスクリーンホログラム3に
結像する。このとき、表示器1aは光軸L1に対して傾
いており、表示器1aの表示像5がスクリーンホログラ
ム3の全面でピントが合うようになっている。表示像5
は、スクリーンホログラム3によって一部が回折光6と
なる。回折光6は、散乱光であるが、その指向性の中心
は観察者4の眼に向かう。
は、投影レンズ1bによってスクリーンホログラム3に
結像する。このとき、表示器1aは光軸L1に対して傾
いており、表示器1aの表示像5がスクリーンホログラ
ム3の全面でピントが合うようになっている。表示像5
は、スクリーンホログラム3によって一部が回折光6と
なる。回折光6は、散乱光であるが、その指向性の中心
は観察者4の眼に向かう。
【0025】図1には、スクリーンホログラム3を作製
する露光光学系を示す。レーザー発振器7に対しそのレ
ーザー発射口に対向してミラー8が配置され、このミラ
ー8により形成される光軸上には半透過鏡9が配置され
ている。さらに、ミラー8により形成される光軸上にお
ける半透過鏡9の延長線上にはミラー10が配置されて
いる。このミラー10により形成される光軸上には対物
レンズ11を介して軸はずし放物面鏡12が配置されて
いる。対物レンズ11により光が広がるが軸はずし放物
面鏡12により平行光となる。
する露光光学系を示す。レーザー発振器7に対しそのレ
ーザー発射口に対向してミラー8が配置され、このミラ
ー8により形成される光軸上には半透過鏡9が配置され
ている。さらに、ミラー8により形成される光軸上にお
ける半透過鏡9の延長線上にはミラー10が配置されて
いる。このミラー10により形成される光軸上には対物
レンズ11を介して軸はずし放物面鏡12が配置されて
いる。対物レンズ11により光が広がるが軸はずし放物
面鏡12により平行光となる。
【0026】軸はずし放物面鏡12により形成される光
軸L2上には拡散板(光拡散体)13を介して半透過鏡
14が配置され、さらに、半透過鏡14により形成され
る光軸(反射軸)L3上にはスクリーンホログラムとな
る感光乾板(ホログラム乾板)15が配置されている。
軸L2上には拡散板(光拡散体)13を介して半透過鏡
14が配置され、さらに、半透過鏡14により形成され
る光軸(反射軸)L3上にはスクリーンホログラムとな
る感光乾板(ホログラム乾板)15が配置されている。
【0027】ここで、感光乾板15として重クロム酸ゼ
ラチン(DCG)を用いている。又、拡散板13として
#1000の片面すりガラスを使用している。尚、拡散
板13は、すりガラスの他にも、レンチキュラーレンズ
やオパールガラスを用いたり、それらの材料のうちの
「2」または「3」の材料を貼り合わせて用いることに
より目的の拡散特性を得てもよい。
ラチン(DCG)を用いている。又、拡散板13として
#1000の片面すりガラスを使用している。尚、拡散
板13は、すりガラスの他にも、レンチキュラーレンズ
やオパールガラスを用いたり、それらの材料のうちの
「2」または「3」の材料を貼り合わせて用いることに
より目的の拡散特性を得てもよい。
【0028】前記半透過鏡9の反射により形成される光
軸上にはミラー16が配置され、そのミラー16により
形成される光軸上にはミラー17が配置され、ミラー1
7により形成される光軸上には対物レンズ18および半
透過鏡14を介して感光乾板15が配置されている。つ
まり、半透過鏡14に対し正面側(図1において右側)
には感光乾板15が配置されるとともに背面側(図1に
おいては左側)には対物レンズ18が配置されている。
又、半透過鏡14と感光乾板15とは接近して配置され
るとともに、半透過鏡14と対物レンズ18とは接近し
て配置されている。よって、感光乾板15と対物レンズ
18の距離S1 は小さく両者は接近配置されている。
軸上にはミラー16が配置され、そのミラー16により
形成される光軸上にはミラー17が配置され、ミラー1
7により形成される光軸上には対物レンズ18および半
透過鏡14を介して感光乾板15が配置されている。つ
まり、半透過鏡14に対し正面側(図1において右側)
には感光乾板15が配置されるとともに背面側(図1に
おいては左側)には対物レンズ18が配置されている。
又、半透過鏡14と感光乾板15とは接近して配置され
るとともに、半透過鏡14と対物レンズ18とは接近し
て配置されている。よって、感光乾板15と対物レンズ
18の距離S1 は小さく両者は接近配置されている。
【0029】半透過鏡14は可動となっており、拡散板
13からの光を感光乾板15に対し上下および左右方向
に向きが変えられる。図1においては半透過鏡14の下
端部が回転軸19となっており、回転軸19を中心に回
動して拡散板13からの光を感光乾板15に対し上下方
向に向きを変えることができる。つまり、半透過鏡14
の角度θ1が調整され、拡散板13を出射した物体光が
感光乾板15に入射する角度θを自由に調節できる。従
って、この半透過鏡14を5°傾けると(Δθ1=5
°)、感光乾板15への入射角度θが10°傾く。
13からの光を感光乾板15に対し上下および左右方向
に向きが変えられる。図1においては半透過鏡14の下
端部が回転軸19となっており、回転軸19を中心に回
動して拡散板13からの光を感光乾板15に対し上下方
向に向きを変えることができる。つまり、半透過鏡14
の角度θ1が調整され、拡散板13を出射した物体光が
感光乾板15に入射する角度θを自由に調節できる。従
って、この半透過鏡14を5°傾けると(Δθ1=5
°)、感光乾板15への入射角度θが10°傾く。
【0030】尚、左右方向に光の向きを変えるための機
構の説明は省略する。又、本実施の形態においては、物
体光の強度を、感光乾板15の感度領域外とするととも
に、物体光の強度を、40mJ/cm2 以下とし、さら
に、参照光を発散させる参照光用レンズ18の倍率nR
に対する物体光を発散させる物体光用レンズ11の倍率
nO の比nO /nR を「4」以上としている。このよう
にして、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の
比ER /EO を、物体光同士の相互干渉による干渉縞で
の回折効率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞による干
渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも
「10」で、且つ前記回折効率ηOOが5%を越えないよ
うにすることが可能となる。より詳しくは、回折効率η
OOを2%を越えない範囲に設定している。
構の説明は省略する。又、本実施の形態においては、物
体光の強度を、感光乾板15の感度領域外とするととも
に、物体光の強度を、40mJ/cm2 以下とし、さら
に、参照光を発散させる参照光用レンズ18の倍率nR
に対する物体光を発散させる物体光用レンズ11の倍率
nO の比nO /nR を「4」以上としている。このよう
にして、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の
比ER /EO を、物体光同士の相互干渉による干渉縞で
の回折効率ηOOと、参照光と物体光との干渉縞による干
渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも
「10」で、且つ前記回折効率ηOOが5%を越えないよ
うにすることが可能となる。より詳しくは、回折効率η
OOを2%を越えない範囲に設定している。
【0031】次に、スクリーンホログラム3の作製の手
順を説明する。まず、半透過鏡14を、図1中、実線で
示す角度に固定する。そして、レーザー発振器7からレ
ーザー光を発射させる。レーザー発振器7を出射したレ
ーザー光は、半透過鏡9によって、2方向に分けられ
る。一方のレーザー光はミラー10で方向を変えた後、
対物レンズ11で発散光に変えられる。次に、軸はずし
放物面鏡12で平行光にされて拡散板13に入射して拡
散光となる。これを半透過鏡14で反射した後、感光乾
板15に物体光として入射する。他方、半透過鏡9で反
射したレーザー光は、ミラー16、ミラー17を経て、
対物レンズ18で発散光に変えられる。次に、半透過鏡
14を透過した後、感光乾板15に参照光として入射す
る。この拡散板13を通した物体光と、参照光とによる
干渉縞が感光乾板15に記録される。
順を説明する。まず、半透過鏡14を、図1中、実線で
示す角度に固定する。そして、レーザー発振器7からレ
ーザー光を発射させる。レーザー発振器7を出射したレ
ーザー光は、半透過鏡9によって、2方向に分けられ
る。一方のレーザー光はミラー10で方向を変えた後、
対物レンズ11で発散光に変えられる。次に、軸はずし
放物面鏡12で平行光にされて拡散板13に入射して拡
散光となる。これを半透過鏡14で反射した後、感光乾
板15に物体光として入射する。他方、半透過鏡9で反
射したレーザー光は、ミラー16、ミラー17を経て、
対物レンズ18で発散光に変えられる。次に、半透過鏡
14を透過した後、感光乾板15に参照光として入射す
る。この拡散板13を通した物体光と、参照光とによる
干渉縞が感光乾板15に記録される。
【0032】その後、半透過鏡14を、図1において破
線で示すように、5°傾けて(Δθ1=5°)、感光乾
板15への入射角度θを10°傾ける。この状態でレー
ザー発振器7からレーザー光を発射させる。そして、拡
散板13を通した物体光と、参照光とによる干渉縞が感
光乾板15に記録される。これにより、半透過鏡14を
傾けずに記録した干渉縞と合わせると上下方向の視域が
広がる。
線で示すように、5°傾けて(Δθ1=5°)、感光乾
板15への入射角度θを10°傾ける。この状態でレー
ザー発振器7からレーザー光を発射させる。そして、拡
散板13を通した物体光と、参照光とによる干渉縞が感
光乾板15に記録される。これにより、半透過鏡14を
傾けずに記録した干渉縞と合わせると上下方向の視域が
広がる。
【0033】同様にして、半透過鏡14を左右に向き
(角度)を変えてレーザー発振器7からレーザー光を発
射させ、拡散板13を通した物体光と、参照光とによる
干渉縞を感光乾板15に記録する。これにより、左右方
向の視域が広がる。
(角度)を変えてレーザー発振器7からレーザー光を発
射させ、拡散板13を通した物体光と、参照光とによる
干渉縞を感光乾板15に記録する。これにより、左右方
向の視域が広がる。
【0034】このように、感光乾板15として重クロム
酸ゼラチン(DCG)を用いるとともに拡散板13とし
て#1000の片面すりガラスを使用した場合におけ
る、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の比E
R /EO を変えた時のノイズ率の測定結果を図3に示
す。ここで言うノイズ率について説明する。図22に示
すように、作製したスクリーンホログラム99に対し白
色光100(入射光強度I 0 )を投影する。次に、投影
されてスクリーンホログラムで透過散乱する光102の
うち入射光の垂直方向に透過してくる垂直透過光101
の透過光強度I1 を測定する。この時、入射光強度I0
と垂直透過光強度I1 との比をとると図23に示す結果
となる。この時、図23中の110の部分が透過率とな
り、111のハッチング部分がノイズ率とスクリーンホ
ログラムの吸収の和になる。DCGの場合、吸収はほと
んど0と考えてよいため、ハッチング部分をノイズ率と
定義した。このノイズ率が増加するとスクリーンホログ
ラムに白濁、くすみが生じて背景がくすみ明瞭に視認で
きない。尚、物体光同士で形成される干渉縞のノイズ率
の測定方法としては、そのスクリーンホログラムの露光
光学系において、実際の撮影時と同量の物体光のみを露
光し、次に硬膜のため参照光だけ照射した後現像して、
そのノイズ率を測定する。
酸ゼラチン(DCG)を用いるとともに拡散板13とし
て#1000の片面すりガラスを使用した場合におけ
る、物体光の強度EO に対する参照光の強度ER の比E
R /EO を変えた時のノイズ率の測定結果を図3に示
す。ここで言うノイズ率について説明する。図22に示
すように、作製したスクリーンホログラム99に対し白
色光100(入射光強度I 0 )を投影する。次に、投影
されてスクリーンホログラムで透過散乱する光102の
うち入射光の垂直方向に透過してくる垂直透過光101
の透過光強度I1 を測定する。この時、入射光強度I0
と垂直透過光強度I1 との比をとると図23に示す結果
となる。この時、図23中の110の部分が透過率とな
り、111のハッチング部分がノイズ率とスクリーンホ
ログラムの吸収の和になる。DCGの場合、吸収はほと
んど0と考えてよいため、ハッチング部分をノイズ率と
定義した。このノイズ率が増加するとスクリーンホログ
ラムに白濁、くすみが生じて背景がくすみ明瞭に視認で
きない。尚、物体光同士で形成される干渉縞のノイズ率
の測定方法としては、そのスクリーンホログラムの露光
光学系において、実際の撮影時と同量の物体光のみを露
光し、次に硬膜のため参照光だけ照射した後現像して、
そのノイズ率を測定する。
【0035】図3から、ER /EO =「5」以上とする
ことによって、ノイズ率(白濁、くすみ)を2%以下と
し、透明で、曇りのない透過型スクリーンホログラムを
得ることができることが分かる。
ことによって、ノイズ率(白濁、くすみ)を2%以下と
し、透明で、曇りのない透過型スクリーンホログラムを
得ることができることが分かる。
【0036】ER /EO を「5」以上とする方法とし
て、より具体的には、図1に示すような光学系において
物体光用レンズ11の倍率nO を大きくして参照光用レ
ンズ18の倍率nR を小さくしている。物体光用レンズ
11の倍率nO と参照光用レンズ18の倍率nR の比
(nO /nR )としては、物体光用レンズ11の倍率n
O:参照光用レンズ18の倍率nR の倍率=4:1〜
8:1程度とすることが望ましく、また、それ以上の比
でもよい。
て、より具体的には、図1に示すような光学系において
物体光用レンズ11の倍率nO を大きくして参照光用レ
ンズ18の倍率nR を小さくしている。物体光用レンズ
11の倍率nO と参照光用レンズ18の倍率nR の比
(nO /nR )としては、物体光用レンズ11の倍率n
O:参照光用レンズ18の倍率nR の倍率=4:1〜
8:1程度とすることが望ましく、また、それ以上の比
でもよい。
【0037】つまり、レンズ倍率を大きくすることによ
り、レーザー光がより拡げられるため、乾板に対して入
射してくる光強度を小さくできる。ここで、ER /EO
を「5」以上とすることにより、透明感が増し、ノイズ
率が低減することについて述べる。
り、レーザー光がより拡げられるため、乾板に対して入
射してくる光強度を小さくできる。ここで、ER /EO
を「5」以上とすることにより、透明感が増し、ノイズ
率が低減することについて述べる。
【0038】干渉縞を記録するためには、干渉する2つ
の光の強度がある程度必要である。図4に示すように、
今、物体光O1 と物体光O2 の2つの光が感光乾板20
上で干渉縞を形成する場合を想定する。感光乾板20の
干渉縞の記録に必要となる露光量を示すグラフを図5に
示す。物体光O1 と物体光O2 の光強度の和が大きい時
(図5中、A領域)は、物体光O1 と物体光O2 の干渉
縞は記録できる。しかし、物体光O1 と物体光O2 の光
強度の和が小さい時(図5中、B領域)は、干渉縞の記
録は不可能である。そこで、感光乾板20としてDCG
乾板を用いた場合において、干渉縞の記録に必要な最低
露光量の値Pmin を求めた。即ち、物体光O1 と物体光
O2 の強度比を1:1とした時の結果を図6に示す。図
6より感光乾板20としてDCG乾板を用いた場合にお
いて、Pmin の値は10mJ/cm 2 となった。
の光の強度がある程度必要である。図4に示すように、
今、物体光O1 と物体光O2 の2つの光が感光乾板20
上で干渉縞を形成する場合を想定する。感光乾板20の
干渉縞の記録に必要となる露光量を示すグラフを図5に
示す。物体光O1 と物体光O2 の光強度の和が大きい時
(図5中、A領域)は、物体光O1 と物体光O2 の干渉
縞は記録できる。しかし、物体光O1 と物体光O2 の光
強度の和が小さい時(図5中、B領域)は、干渉縞の記
録は不可能である。そこで、感光乾板20としてDCG
乾板を用いた場合において、干渉縞の記録に必要な最低
露光量の値Pmin を求めた。即ち、物体光O1 と物体光
O2 の強度比を1:1とした時の結果を図6に示す。図
6より感光乾板20としてDCG乾板を用いた場合にお
いて、Pmin の値は10mJ/cm 2 となった。
【0039】以上を考慮し、透明なスクリーンホログラ
ムを作製する場合を考える。反射型スクリーンの場合を
例にとると、その露光光学系の一例を図30に示してい
る。今、拡散体47のある一点Sから感光乾板49のあ
る一点Uにくる物体光をO1とし、同様にある一点Tか
ら点Uにくる物体光をO2 とする。又、点Uに入射する
参照光をR1 とする。この時、感光乾板49上の点Uで
形成される干渉縞としては、図7に示すように、O1 と
O2 、O1 とR1 、O2 とR1 の3つがある。今回、透
明なスクリーンホログラムを作製するに当たり、必要と
なる干渉縞はO 1 とR1 、O2 とR1 の2つの干渉縞で
ある。又、スクリーンホログラムの透明感を悪くし、ノ
イズ率を高くする原因となるのは、O1 とO2 の干渉縞
であり、フレネルノイズと呼ばれるものである。よっ
て、O1 とR1 、又はO2 とR1 の干渉縞のみを記録
し、O1 とO2 の干渉縞を記録しなければ、白濁、くす
みをなくし透明なスクリーンは作製可能である。
ムを作製する場合を考える。反射型スクリーンの場合を
例にとると、その露光光学系の一例を図30に示してい
る。今、拡散体47のある一点Sから感光乾板49のあ
る一点Uにくる物体光をO1とし、同様にある一点Tか
ら点Uにくる物体光をO2 とする。又、点Uに入射する
参照光をR1 とする。この時、感光乾板49上の点Uで
形成される干渉縞としては、図7に示すように、O1 と
O2 、O1 とR1 、O2 とR1 の3つがある。今回、透
明なスクリーンホログラムを作製するに当たり、必要と
なる干渉縞はO 1 とR1 、O2 とR1 の2つの干渉縞で
ある。又、スクリーンホログラムの透明感を悪くし、ノ
イズ率を高くする原因となるのは、O1 とO2 の干渉縞
であり、フレネルノイズと呼ばれるものである。よっ
て、O1 とR1 、又はO2 とR1 の干渉縞のみを記録
し、O1 とO2 の干渉縞を記録しなければ、白濁、くす
みをなくし透明なスクリーンは作製可能である。
【0040】ここで、O1 とO2 の光強度の比は、一般
的に1:1であると考えられる。感光乾板20としてD
CG乾板を用いた場合においては、前記の通りO1 とO
2 の光強度の和を10mJ/cm2 以下すれば、O1 とO
2 の干渉縞(フレネルノイズ)は記録されない。今、O
1 とR1 、又はO2 とR1 の光強度の比を1:1(つま
りER /EO =1)とすると、O1 とR1 、又はO2 と
R1 の光強度の和を10mJ/cm2 以上とすれば、本来
必要な干渉縞は記録できるが、同時にフレネルノイズも
記録されて、透明にはできない。
的に1:1であると考えられる。感光乾板20としてD
CG乾板を用いた場合においては、前記の通りO1 とO
2 の光強度の和を10mJ/cm2 以下すれば、O1 とO
2 の干渉縞(フレネルノイズ)は記録されない。今、O
1 とR1 、又はO2 とR1 の光強度の比を1:1(つま
りER /EO =1)とすると、O1 とR1 、又はO2 と
R1 の光強度の和を10mJ/cm2 以上とすれば、本来
必要な干渉縞は記録できるが、同時にフレネルノイズも
記録されて、透明にはできない。
【0041】つまり、物体光O1 ,O2 により形成され
る干渉縞はたとえば重クロム酸ゼラチン(DCG)ホロ
グラム乾板を利用すると、図6に示すように、物体光の
光量(O1 ,O2 の光を足した露光量)が10mJ/c
m2 以下であれば記録されない。一方、本来スクリーン
ホログラムに必要な干渉縞(本来ほしい物体光のO1又
はO2 と参照光R1 との干渉縞)は、露光量を10mJ
/cm2 以上とすれば記録できる。この時、物体光
O1 ,O2 の光強度はほぼ1:1と考えられる。そのた
め、物体光Oと参照光Rの比ER /EO を大きくするこ
とにより、O1 (又はO2 )とR1 との干渉縞は記録さ
れて、白濁、曇りの原因であるO1 とO2 の干渉縞(拡
散体のフレネルノイズ)は記録されずに、透明なスクリ
ーンホログラムが作製可能である。
る干渉縞はたとえば重クロム酸ゼラチン(DCG)ホロ
グラム乾板を利用すると、図6に示すように、物体光の
光量(O1 ,O2 の光を足した露光量)が10mJ/c
m2 以下であれば記録されない。一方、本来スクリーン
ホログラムに必要な干渉縞(本来ほしい物体光のO1又
はO2 と参照光R1 との干渉縞)は、露光量を10mJ
/cm2 以上とすれば記録できる。この時、物体光
O1 ,O2 の光強度はほぼ1:1と考えられる。そのた
め、物体光Oと参照光Rの比ER /EO を大きくするこ
とにより、O1 (又はO2 )とR1 との干渉縞は記録さ
れて、白濁、曇りの原因であるO1 とO2 の干渉縞(拡
散体のフレネルノイズ)は記録されずに、透明なスクリ
ーンホログラムが作製可能である。
【0042】そこで、O1 とR1 、又はO2 とR1 の光
強度の比ER /EO を、例えば1:20(ER /EO =
20)とする。ここで、2つの光の強度比が1:20の
時に、感光乾板20としてDCG乾板を用いた場合に干
渉縞が記録可能となる露光量を示すグラフを図8に示
す。図8より図30のR1 とO1 (又はR1 とO2 )の
光強度の和が25mJ/cm2 以上であれば、干渉縞の記
録が可能である。
強度の比ER /EO を、例えば1:20(ER /EO =
20)とする。ここで、2つの光の強度比が1:20の
時に、感光乾板20としてDCG乾板を用いた場合に干
渉縞が記録可能となる露光量を示すグラフを図8に示
す。図8より図30のR1 とO1 (又はR1 とO2 )の
光強度の和が25mJ/cm2 以上であれば、干渉縞の記
録が可能である。
【0043】よって、図30においてO1 =O2 =3m
J/cm2 、R1 =60mJ/cm2 (O1 :R1 =1:2
0)とすれば、上記両方の条件を満足し、フレネルノイ
ズのない透明なスクリーンホログラムが作製可能とな
る。
J/cm2 、R1 =60mJ/cm2 (O1 :R1 =1:2
0)とすれば、上記両方の条件を満足し、フレネルノイ
ズのない透明なスクリーンホログラムが作製可能とな
る。
【0044】以上より、ER /EO を「5」以上とする
ことにより、図24に示すように、物体光同士の相互干
渉による干渉縞での回折効率ηOOと、参照光と物体光と
の干渉による干渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOO
が「10」以上となり、ノイズ率の小さい、透明なスク
リーンホログラムを得ることができる。
ことにより、図24に示すように、物体光同士の相互干
渉による干渉縞での回折効率ηOOと、参照光と物体光と
の干渉による干渉縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOO
が「10」以上となり、ノイズ率の小さい、透明なスク
リーンホログラムを得ることができる。
【0045】又、透過型スクリーンホログラムにおいて
も、同様の効果を得ることができる。以上により、図3
に示すように、ER /EO を大きくすることよりスクリ
ーンホログラムのノイズ率(白濁、くすみ)が低減で
き、又、ノイズ率を2%以下にするには、ER /EO を
「5」以上とすることが望ましい。
も、同様の効果を得ることができる。以上により、図3
に示すように、ER /EO を大きくすることよりスクリ
ーンホログラムのノイズ率(白濁、くすみ)が低減で
き、又、ノイズ率を2%以下にするには、ER /EO を
「5」以上とすることが望ましい。
【0046】さらに、図9に示すように、スクリーンホ
ログラムにおいてある程度のくすみ、白濁が許されるの
は物体光O1 と物体光O2 の拡散光同士の干渉縞の発光
強度を40mJ/cm2 以下としたときであり、40m
J/cm2 以下とすることによりスクリーンホログラム
のノイズ率を2%以下にすることができることを確認し
ている。
ログラムにおいてある程度のくすみ、白濁が許されるの
は物体光O1 と物体光O2 の拡散光同士の干渉縞の発光
強度を40mJ/cm2 以下としたときであり、40m
J/cm2 以下とすることによりスクリーンホログラム
のノイズ率を2%以下にすることができることを確認し
ている。
【0047】又、図1において、拡散板13を通過する
光束の断面積が感光乾板15の面積よりも大きくなって
いる。つまり、図10の模式図に示すように、拡散板2
1は、感光乾板15より大きいサイズである。図10に
おいて、拡散板21に入射した物体光は散乱光となって
出射するが、散乱光22a,22b,22cは感光乾板
15の一点から発散するように記録することになる。こ
こで、図11に示すように拡散板23と感光乾板15が
同じ大きさだったとすると、散乱光22aに対応する方
向の光が記録されていないので、図11の光学系で作製
されたスクリーンホログラムを図2のように観察する
と、スクリーンホログラム3の周辺部が暗く、また、色
分散のために色付いて見えてしまう。これに対し、図1
0の方法で作製したホログラムであれば、色付きが無く
なり周辺部の明るさも確保できる。
光束の断面積が感光乾板15の面積よりも大きくなって
いる。つまり、図10の模式図に示すように、拡散板2
1は、感光乾板15より大きいサイズである。図10に
おいて、拡散板21に入射した物体光は散乱光となって
出射するが、散乱光22a,22b,22cは感光乾板
15の一点から発散するように記録することになる。こ
こで、図11に示すように拡散板23と感光乾板15が
同じ大きさだったとすると、散乱光22aに対応する方
向の光が記録されていないので、図11の光学系で作製
されたスクリーンホログラムを図2のように観察する
と、スクリーンホログラム3の周辺部が暗く、また、色
分散のために色付いて見えてしまう。これに対し、図1
0の方法で作製したホログラムであれば、色付きが無く
なり周辺部の明るさも確保できる。
【0048】このように本実施の形態によれば、物体光
同士により形成される干渉縞での回折効率ηOOと、参照
光と物体光とにより形成される干渉縞での回折効率ηRO
との比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、且つ回折効
率ηOOが5%を越えないように、物体光の強度EO と参
照光の強度ER とを調整した。よって、物体光同士の相
互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、白濁や曇り
が少ないスクリーンホログラムが得られる。つまり、η
RO/ηOOを少なくとも「10」としたことにより、ホロ
グラムにより回折した光の強度が低くなり、例えば表示
像が暗くなり視認性に劣るということを回避することが
できる。又、回折効率ηOOが5%を越えないようにする
ことにより、ノイズ率が増大し白濁や曇りが顕著となり
透明感が悪化して背景の認識が困難となるということを
回避することができる。このように、物体光同士の相互
干渉による干渉縞が形成されにくくなり、スクリーンと
して利用するホログラムにおいて、ホログラムにすりガ
ラス等の拡散体を記録する時に、本来必要となる干渉縞
を記録し、白濁、くもり等の原因となる干渉縞を記録し
ないようにすることができ、透明でノイズ率の低いスク
リーンホログラムを作製することができる。
同士により形成される干渉縞での回折効率ηOOと、参照
光と物体光とにより形成される干渉縞での回折効率ηRO
との比ηRO/ηOOが少なくとも「10」で、且つ回折効
率ηOOが5%を越えないように、物体光の強度EO と参
照光の強度ER とを調整した。よって、物体光同士の相
互干渉による干渉縞が形成されにくくなり、白濁や曇り
が少ないスクリーンホログラムが得られる。つまり、η
RO/ηOOを少なくとも「10」としたことにより、ホロ
グラムにより回折した光の強度が低くなり、例えば表示
像が暗くなり視認性に劣るということを回避することが
できる。又、回折効率ηOOが5%を越えないようにする
ことにより、ノイズ率が増大し白濁や曇りが顕著となり
透明感が悪化して背景の認識が困難となるということを
回避することができる。このように、物体光同士の相互
干渉による干渉縞が形成されにくくなり、スクリーンと
して利用するホログラムにおいて、ホログラムにすりガ
ラス等の拡散体を記録する時に、本来必要となる干渉縞
を記録し、白濁、くもり等の原因となる干渉縞を記録し
ないようにすることができ、透明でノイズ率の低いスク
リーンホログラムを作製することができる。
【0049】又、物体光の強度を、使用する感光乾板1
5の感度領域外としたので、物体光同士の不要な干渉縞
が感光乾板に記録されることがない。さらに、物体光の
強度を、物体光同士により形成される干渉縞での回折効
率η OOを2%を越えない範囲に設定した。よって、白濁
や曇りが少ないホログラムが得られ、スクリーンホログ
ラムにおいて透明感を阻害せず背景を明瞭に視認識でき
る。
5の感度領域外としたので、物体光同士の不要な干渉縞
が感光乾板に記録されることがない。さらに、物体光の
強度を、物体光同士により形成される干渉縞での回折効
率η OOを2%を越えない範囲に設定した。よって、白濁
や曇りが少ないホログラムが得られ、スクリーンホログ
ラムにおいて透明感を阻害せず背景を明瞭に視認識でき
る。
【0050】つまり、図9に示す通り、図30における
例えば物体光O1 と物体光O2 同士等の拡散光同士の干
渉縞の光強度を40mJ/cm2 以下とすることによ
り、スクリーンホログラムのノイズ率を2%以下とする
ことができる。
例えば物体光O1 と物体光O2 同士等の拡散光同士の干
渉縞の光強度を40mJ/cm2 以下とすることによ
り、スクリーンホログラムのノイズ率を2%以下とする
ことができる。
【0051】図25に示すように、拡散体47を透過し
てくる光が3方向のみの時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 とで形成される干渉縞の露光量は、それぞれ20m
J/cm2 となる。この時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 は1:1と考えてよいため、図6よりホログラムの
回折効率は5%以下と考えられる。
てくる光が3方向のみの時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 とで形成される干渉縞の露光量は、それぞれ20m
J/cm2 となる。この時、物体光O1 とO2 、O1 と
O3 は1:1と考えてよいため、図6よりホログラムの
回折効率は5%以下と考えられる。
【0052】実際の拡散体47を透過してくる光は、多
方向であるため、物体光同士で形成される個々の干渉縞
の回折効率は5%以下となり、スクリーンホログラムに
おけるくすみ、白濁を防止できる。
方向であるため、物体光同士で形成される個々の干渉縞
の回折効率は5%以下となり、スクリーンホログラムに
おけるくすみ、白濁を防止できる。
【0053】さらには、参照光を発散させる参照光用レ
ンズ18の倍率nR に対する物体光を発散させる物体光
用レンズ11の倍率nO の比nO /nR を、「4」以上
としたので、物体光の強度EO に対する参照光の強度E
R の比ER /EO を、「5」以上とすることが可能とな
る。
ンズ18の倍率nR に対する物体光を発散させる物体光
用レンズ11の倍率nO の比nO /nR を、「4」以上
としたので、物体光の強度EO に対する参照光の強度E
R の比ER /EO を、「5」以上とすることが可能とな
る。
【0054】又、半透過鏡14を用いて感光乾板15と
対物レンズ18とを接近して配置しているので、プロジ
ェクタで投影された種々の表示像の輝度むらをスクリー
ン全面で少なくし、また観察者が広い範囲で視察でき
る。さらに、透過型スクリーンホログラムは、全面フル
カラー再生が可能となる。
対物レンズ18とを接近して配置しているので、プロジ
ェクタで投影された種々の表示像の輝度むらをスクリー
ン全面で少なくし、また観察者が広い範囲で視察でき
る。さらに、透過型スクリーンホログラムは、全面フル
カラー再生が可能となる。
【0055】ここで、物体光を半透過鏡14で反射する
ことの有用性を述べる。図12において、スクリーンホ
ログラム24に結像している実像を、観察者25が見る
時、スクリーン全体の輝度のムラをできるだけ少なくす
るには、スクリーンホログラム24に視野レンズの機能
を持たせればよい。つまり、プロジェクタ投影レンズ2
6と、観察者25の位置が共役関係になるようにスクリ
ーンホログラム24がレンズ作用を持てばよい。しか
し、視野レンズとしての焦点距離はレンズの結像関係よ
り図12におけるプロジェクタ投影レンズ26とスクリ
ーンホログラム24との間隔S2 よりも短いものとな
る。短焦点の透過型ホログラムを作成するには、図13
に示すように対物レンズ27が物体光の光束に入ってし
まうので、作成不可能となる。
ことの有用性を述べる。図12において、スクリーンホ
ログラム24に結像している実像を、観察者25が見る
時、スクリーン全体の輝度のムラをできるだけ少なくす
るには、スクリーンホログラム24に視野レンズの機能
を持たせればよい。つまり、プロジェクタ投影レンズ2
6と、観察者25の位置が共役関係になるようにスクリ
ーンホログラム24がレンズ作用を持てばよい。しか
し、視野レンズとしての焦点距離はレンズの結像関係よ
り図12におけるプロジェクタ投影レンズ26とスクリ
ーンホログラム24との間隔S2 よりも短いものとな
る。短焦点の透過型ホログラムを作成するには、図13
に示すように対物レンズ27が物体光の光束に入ってし
まうので、作成不可能となる。
【0056】しかし、本実施の形態においては、物体光
の光路中に半透過鏡14を配置して物体光を半透過鏡1
4にて反射して感光乾板15に照射するとともに半透過
鏡14を透過して参照光を感光乾板15に照射すること
により対物レンズ18と感光乾板15との距離S1 を小
さくして短焦点のホログラムが作製できる。尚、光路中
に半透過鏡14を配置しても、半透過鏡14の表面と裏
面の反射によって形成される干渉縞のコントラストは低
いものとなり、支障はない。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
の光路中に半透過鏡14を配置して物体光を半透過鏡1
4にて反射して感光乾板15に照射するとともに半透過
鏡14を透過して参照光を感光乾板15に照射すること
により対物レンズ18と感光乾板15との距離S1 を小
さくして短焦点のホログラムが作製できる。尚、光路中
に半透過鏡14を配置しても、半透過鏡14の表面と裏
面の反射によって形成される干渉縞のコントラストは低
いものとなり、支障はない。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0057】本実施の形態においては、図14に示すよ
うに、ER /EO を「5」以上とするために、感光乾板
(ホログラム乾板)28と拡散体29との距離(図14
に示す距離S3 )を大きくしている。具体的には、拡散
体29と感光乾板28とを5mm以上離間して配置して
いる。拡散体29に入射する物体光の強度を一定とする
と、距離S3 を「5」から400mmまで変化すること
により、ER /EO を2〜8まで変化可能であり、40
0mm以上離すことにより、ER /EO を「8」以上も
可能である。
うに、ER /EO を「5」以上とするために、感光乾板
(ホログラム乾板)28と拡散体29との距離(図14
に示す距離S3 )を大きくしている。具体的には、拡散
体29と感光乾板28とを5mm以上離間して配置して
いる。拡散体29に入射する物体光の強度を一定とする
と、距離S3 を「5」から400mmまで変化すること
により、ER /EO を2〜8まで変化可能であり、40
0mm以上離すことにより、ER /EO を「8」以上も
可能である。
【0058】このように本実施の形態によれば、拡散体
29と感光乾板28とを所定間隔(5mm)より大きく
離間して配置したので、物体光の強度EO に対する参照
光の強度ER の比ER /EO を、「5」以上とすること
ができる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
29と感光乾板28とを所定間隔(5mm)より大きく
離間して配置したので、物体光の強度EO に対する参照
光の強度ER の比ER /EO を、「5」以上とすること
ができる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0059】本実施の形態において、図15に示すよう
に、ER /EO を「5」以上とするため、物体光側にハ
ーフミラー、フィルター等のレーザー強度減衰体30を
配置している。これにより、物体光の強度を弱くして、
ER /EO を「5」以上にしている。
に、ER /EO を「5」以上とするため、物体光側にハ
ーフミラー、フィルター等のレーザー強度減衰体30を
配置している。これにより、物体光の強度を弱くして、
ER /EO を「5」以上にしている。
【0060】このように本実施の形態によれば、物体光
の経路途中にレーザー強度減衰体30(光強度減衰部
材)を配置したので、物体光の強度EO に対する参照光
の強度ER の比ER /EO を、「5」以上とすることが
できる。 (第4の実施の形態)次に、この発明の第4の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
の経路途中にレーザー強度減衰体30(光強度減衰部
材)を配置したので、物体光の強度EO に対する参照光
の強度ER の比ER /EO を、「5」以上とすることが
できる。 (第4の実施の形態)次に、この発明の第4の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0061】本実施の形態においては、ER /EO を
「5」以上とするために、図16に示すように、前記第
1,2,3の実施の形態を組み合わせている。つまり、
(イ)参照光用レンズ18の倍率nR に対する物体光用
レンズ11の倍率nO の比nO/nR を「4」以上と
し、(ロ)感光乾板(ホログラム乾板)28と拡散体2
9との距離S3 を大きくし、(ハ)レーザー強度減衰体
30を配置している。これは、レーザーのパワー、光路
長等の条件によりその達成が困難である場合に有効であ
る。又、(イ),(ロ),(ハ)の組み合わせによりE
R /EO ≧5を達成するとともに、ER /EO が「5」
以上の領域で設定がより段階的で可変となる。 (第5の実施の形態)次に、この発明の第5の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
「5」以上とするために、図16に示すように、前記第
1,2,3の実施の形態を組み合わせている。つまり、
(イ)参照光用レンズ18の倍率nR に対する物体光用
レンズ11の倍率nO の比nO/nR を「4」以上と
し、(ロ)感光乾板(ホログラム乾板)28と拡散体2
9との距離S3 を大きくし、(ハ)レーザー強度減衰体
30を配置している。これは、レーザーのパワー、光路
長等の条件によりその達成が困難である場合に有効であ
る。又、(イ),(ロ),(ハ)の組み合わせによりE
R /EO ≧5を達成するとともに、ER /EO が「5」
以上の領域で設定がより段階的で可変となる。 (第5の実施の形態)次に、この発明の第5の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0062】本実施の形態においては、ホログラム特性
を安定させるためには、感光乾板15としてDCG乾板
の膜厚を薄くしている。より具体的には、厚さ10mm
程度とすることにより、安定的な特性を持つホログラム
が作製できる。
を安定させるためには、感光乾板15としてDCG乾板
の膜厚を薄くしている。より具体的には、厚さ10mm
程度とすることにより、安定的な特性を持つホログラム
が作製できる。
【0063】これまでに説明したものの他にも、次のよ
うに実施してもよい。ホログラム記録(露光)時に、拡
散体をいろいろな角度で透過してくる光の入射角度と強
度を考慮に入れて、物体光、参照光の入射強度を計算
し、ホログラム乾板全面でER /EO を「5」以上とす
ることにより、作製したホログラム全面での透明性を確
保してもよい。
うに実施してもよい。ホログラム記録(露光)時に、拡
散体をいろいろな角度で透過してくる光の入射角度と強
度を考慮に入れて、物体光、参照光の入射強度を計算
し、ホログラム乾板全面でER /EO を「5」以上とす
ることにより、作製したホログラム全面での透明性を確
保してもよい。
【0064】又、感光乾板(ホログラム乾板)15とし
て、色素増感重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー等の
感光材料を用いてもよい。これまでの説明においては、
透過型スクリーンの場合について述べたが、図27に示
すように、スクリーンホログラム44の前面より、プロ
ジェクタ45から表示像を投影して、表示器と同方向に
いる観察者46から表示像をみる反射型スクリーンを作
製する場合に具体化してもよい。
て、色素増感重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー等の
感光材料を用いてもよい。これまでの説明においては、
透過型スクリーンの場合について述べたが、図27に示
すように、スクリーンホログラム44の前面より、プロ
ジェクタ45から表示像を投影して、表示器と同方向に
いる観察者46から表示像をみる反射型スクリーンを作
製する場合に具体化してもよい。
【0065】又、図17に示すように実施してもよい。
つまり、2枚の半透過鏡31,32が傾きを異ならせて
配置され、拡散板13によって拡散光になった物体光
は、傾きの異なる2枚の半透過鏡31,32で、それぞ
れ反射して感光乾板15に入射する。そして、対物レン
ズ18で発散光になった参照光と干渉して、感光乾板1
5には干渉縞が形成される。
つまり、2枚の半透過鏡31,32が傾きを異ならせて
配置され、拡散板13によって拡散光になった物体光
は、傾きの異なる2枚の半透過鏡31,32で、それぞ
れ反射して感光乾板15に入射する。そして、対物レン
ズ18で発散光になった参照光と干渉して、感光乾板1
5には干渉縞が形成される。
【0066】又、図18に示すように実施してもよい。
つまり、図17における2枚の半透過鏡31,32の代
わりにくさび形のウェッヂプリズム33を用いる。この
ウェッヂプリズム33の表面と裏面での反射方向が異な
るため、図17のように2枚の半透過鏡31,32を角
度を変えて配置したことと同じ効果がある。
つまり、図17における2枚の半透過鏡31,32の代
わりにくさび形のウェッヂプリズム33を用いる。この
ウェッヂプリズム33の表面と裏面での反射方向が異な
るため、図17のように2枚の半透過鏡31,32を角
度を変えて配置したことと同じ効果がある。
【0067】又、図19に示すように実施してもよい。
異なった方向に指向性を有するホログラム34,35を
別々に作製して、重ね合わせている。このようにするこ
とにより、全体として視域が広がり、表示輝度も上がる
こととなる。
異なった方向に指向性を有するホログラム34,35を
別々に作製して、重ね合わせている。このようにするこ
とにより、全体として視域が広がり、表示輝度も上がる
こととなる。
【0068】又、図20に示すように実施してもよい。
四角板状をなす拡散板36の各辺には、反射鏡37a〜
37dが配置されている。この反射鏡37a〜37dに
より、拡散板36の面積を大きくすることと同等の効果
がある。その原理を図21に示す。入射光38が、拡散
板36に入射し、拡散点P1において、拡散したとす
る。拡散光の中で、反射鏡37aに当たった光は、反射
点P2で反射したとする。この反射光は、仮想拡散点P
2’から拡散してきたことと同等であるので、拡散板3
6の面積が小さくても、面積が大きな拡散板と同じ効果
が得られる。
四角板状をなす拡散板36の各辺には、反射鏡37a〜
37dが配置されている。この反射鏡37a〜37dに
より、拡散板36の面積を大きくすることと同等の効果
がある。その原理を図21に示す。入射光38が、拡散
板36に入射し、拡散点P1において、拡散したとす
る。拡散光の中で、反射鏡37aに当たった光は、反射
点P2で反射したとする。この反射光は、仮想拡散点P
2’から拡散してきたことと同等であるので、拡散板3
6の面積が小さくても、面積が大きな拡散板と同じ効果
が得られる。
【0069】又、半透過鏡14は、特に表面処理等、何
も施さなくてもよいが表面に誘電体多層膜の反射増加処
理を施してもよい。この処理を施せば、反射光の強度を
高めることで、光の利用率が上がるので(通常のガラス
だけでは、透過率が高く無駄になる光が多い)露光時間
が短くて済むので、露光中の振動による干渉縞のぶれが
抑えられる。
も施さなくてもよいが表面に誘電体多層膜の反射増加処
理を施してもよい。この処理を施せば、反射光の強度を
高めることで、光の利用率が上がるので(通常のガラス
だけでは、透過率が高く無駄になる光が多い)露光時間
が短くて済むので、露光中の振動による干渉縞のぶれが
抑えられる。
【0070】又、ホログラムを作製する材料としては、
DCGだけでなく、フォトポリマ、銀塩感光材料を用い
てもよい。又、この発明は、スクリーンホログラムのみ
ならず他の一般的なホログラムに具体化してもよい。つ
まり、ディスプレイ等の物体を撮るホログラムや、光学
素子として利用するホログラムに用いてもよく、物体に
凹凸があり、物体光に相互干渉による縞(ノイズ)が発
生する可能性がある場合において有効な手法となる。
DCGだけでなく、フォトポリマ、銀塩感光材料を用い
てもよい。又、この発明は、スクリーンホログラムのみ
ならず他の一般的なホログラムに具体化してもよい。つ
まり、ディスプレイ等の物体を撮るホログラムや、光学
素子として利用するホログラムに用いてもよく、物体に
凹凸があり、物体光に相互干渉による縞(ノイズ)が発
生する可能性がある場合において有効な手法となる。
【図1】 第1の実施の形態におけるスクリーンホログ
ラムの作製の光学系を示す図。
ラムの作製の光学系を示す図。
【図2】 スクリーンホログラムを組み込んだ表示装置
の構成図。
の構成図。
【図3】 ER /EO とノイズ率との関係を示す図。
【図4】 感光乾板を通過する物体光を示す図。
【図5】 露光量と干渉縞の記録割合との関係を示す
図。
図。
【図6】 露光量と回折効率との関係を示す図。
【図7】 本来必要な干渉縞とフレネルノイズを説明す
るためのスクリーンホログラムの断面構成図。
るためのスクリーンホログラムの断面構成図。
【図8】 露光量と回折効率との関係を示す図。
【図9】 物体光露光量とノイズ率との関係を示す図。
【図10】 スクリーンホログラムの作製の光学系を示
す図。
す図。
【図11】 比較のためのスクリーンホログラムの作製
の光学系を示す図。
の光学系を示す図。
【図12】 光学系を示す図。
【図13】 光学系を示す図。
【図14】 第2の実施の形態における光学系を示す
図。
図。
【図15】 第3の実施の形態における光学系を示す
図。
図。
【図16】 第4の実施の形態における光学系を示す
図。
図。
【図17】 スクリーンホログラムの作製の光学系を示
す図。
す図。
【図18】 スクリーンホログラムの作製の光学系を示
す図。
す図。
【図19】 スクリーンホログラムの断面図。
【図20】 スクリーンホログラムの作製の光学系を説
明するための斜視図。
明するための斜視図。
【図21】 原理説明図。
【図22】 ノイズ率の測定方法を説明するための図。
【図23】 ノイズ率の定義を説明するための図。
【図24】 物体光同士の干渉縞による回折効率と、物
体光と参照光との干渉縞による回折効率を示す図。
体光と参照光との干渉縞による回折効率を示す図。
【図25】 感光乾板を通過する物体光を示す図。
【図26】 透過型スクリーンを示す図。
【図27】 反射型スクリーンを示す図。
【図28】 透過型スクリーンホログラムを作製する露
光光学系を示す図。
光光学系を示す図。
【図29】 反射型スクリーンホログラムを作製する露
光光学系を示す図。
光光学系を示す図。
【図30】 スクリーンホログラムの作製の光学系を示
す図。
す図。
11…対物レンズ(物体光用レンズ)、13…拡散板
(光拡散体)、15…感光乾板、18…対物レンズ(参
照光用レンズ)、30…レーザー強度減衰体(光強度減
衰部材)
(光拡散体)、15…感光乾板、18…対物レンズ(参
照光用レンズ)、30…レーザー強度減衰体(光強度減
衰部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 勝巳 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 石塚 敦朗 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 神田 知幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 拡散・散乱性を有する物体光と参照光と
により形成される干渉縞を感光乾板に記録するホログラ
ムの作製方法であって、 前記物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、前記参照光と前記物体光とにより形成される干渉
縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「1
0」で、且つ前記回折効率ηOOが5%を越えないよう
に、前記物体光の強度EO と前記参照光の強度ER とを
調整することを特徴とするホログラムの作製方法。 - 【請求項2】 光拡散体を通した物体光と参照光とによ
り形成される干渉縞を感光乾板に記録するスクリーンホ
ログラムの作製方法であって、 前記物体光同士により形成される干渉縞での回折効率η
OOと、前記参照光と前記物体光とにより形成される干渉
縞での回折効率ηROとの比ηRO/ηOOが少なくとも「1
0」で、且つ前記回折効率ηOOが5%を越えないよう
に、前記物体光の強度EO と前記参照光の強度ER とを
調整することを特徴とするホログラムの作製方法。 - 【請求項3】 前記物体光の強度を、使用する前記感光
乾板の感度領域外としたことを特徴とする請求項1又は
2に記載のホログラムの作製方法。 - 【請求項4】 前記物体光の強度を、前記物体光同士に
より形成される干渉縞での回折効率ηOOを2%を越えな
い範囲に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記
載のホログラムの作製方法。 - 【請求項5】 参照光を発散させる参照光用レンズの倍
率nR に対する物体光を発散させる物体光用レンズの倍
率nO の比nO /nR を、「4」以上としたことを特徴
とする請求項1又は2に記載のホログラムの作製方法。 - 【請求項6】 光拡散体と感光乾板とを所定間隔より大
きく離間して配置したことを特徴とする請求項2に記載
のホログラムの作製方法。 - 【請求項7】 物体光の経路途中に光強度減衰部材を配
置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のホログ
ラムの作製方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28741995A JP3291178B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | ホログラムの作製方法 |
US08/741,175 US6198554B1 (en) | 1995-10-30 | 1996-10-29 | Method for producing a hologram and a display device using the same |
EP96117360A EP0772103A3 (en) | 1995-10-30 | 1996-10-29 | A method for producing a hologram and a display device using the same |
US09/516,562 US6163390A (en) | 1995-10-30 | 2000-02-29 | Method for producing a hologram and a display device using the same |
US09/749,900 US6392767B2 (en) | 1995-10-30 | 2000-12-29 | Method for producing a hologram and a display device using the same |
US10/079,371 US6542265B2 (en) | 1995-10-30 | 2002-02-20 | Method for producing a hologram and a display device using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28741995A JP3291178B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | ホログラムの作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09127612A true JPH09127612A (ja) | 1997-05-16 |
JP3291178B2 JP3291178B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=17717094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28741995A Expired - Fee Related JP3291178B2 (ja) | 1995-10-30 | 1995-11-06 | ホログラムの作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3291178B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11126012A (ja) * | 1997-08-06 | 1999-05-11 | Hsm Holographic Syst Muenchen Gmbh | 書類の秘密保持用の個々のホログラムの作製装置 |
US6597477B2 (en) | 1998-07-07 | 2003-07-22 | Denso Corporation | Hologram screen and a method of producing the same |
-
1995
- 1995-11-06 JP JP28741995A patent/JP3291178B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11126012A (ja) * | 1997-08-06 | 1999-05-11 | Hsm Holographic Syst Muenchen Gmbh | 書類の秘密保持用の個々のホログラムの作製装置 |
US6597477B2 (en) | 1998-07-07 | 2003-07-22 | Denso Corporation | Hologram screen and a method of producing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3291178B2 (ja) | 2002-06-10 |
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