JPH09127597A - 写真フィルム帯の磁気面において情報を読取り及び／又は書込むための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真フィルム帯のＭＯＦ層における一つ又は
それ以上の平行なトラックにおいて情報を正確に記録し
及び／又は再生するための、フィルム帯のＭＯＦ層との
磁気読取り／書込みヘッドのコンプライアンスを向上さ
せる。 【解決手段】 写真フィルム帯の磁気面において情報を
読取り及び／又は書込むための装置は、マウンティング
部材とフィルム帯が通過する固定された支持ローラとを
備える。少なくとも１つの磁気ヘッドが、上記支持ロー
ラの外周に沿った第１ポイントにおいて、上記フィルム
が固定された支持ローラに接触する領域上でフィルム帯
と接触するように、マウンティング部材に取付けられ
る。該マウンティング部材は、上記フィルム帯が、第１
ポイントから外周上で間隔を置かれた第２ポイントに位
置決めされる支持ローラに接触するような第２の領域に
おけるフィルム帯に接触するための接触面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、比較的剛性が高い
写真フィルム帯のフィルム上の磁性体(ＭＯＦ)層に対す
る、特に写真仕上げ作業中における磁気ヘッドの高いコ
ンプライアンス(compliance)を実現するための磁気記録
及び／又は再生ヘッドアッセンブリに関する。

【０００２】

【従来の技術】同一譲受人に譲渡された米国特許第４,
９３３,７８０号や第５,０１６,０３０号では、フィル
ム帯の非乳剤側にある実質的に透明な磁気フィルム層
(ＭＯＦ層と呼ばれる)が様々なカメラシステムに関連し
て開示されている。一つ若しくはそれ以上の長手方向に
沿った読取り／書込みのトラックが、画像フレーム領域
の側縁部とフィルム帯との間のＭＯＦ層において示され
ている。上記トラックには、フィルムのタイプやフィル
ム感度のような情報、フィルム露光の情報、並びに、露
光された画像フレームの現像処理およびそれに続く用途
(例えば焼付け)に関する情報が、フィルムカートリッジ
製造中に予め記録される。

【０００３】そこで開示されたカメラは、カメラの動作
を制御するために有用な予め記録された情報を読み出す
こと、及び、カメラの使用中に他の幾つかのトラック上
に情報を記録することを考慮したものである。カメラ使
用中に記録された情報は、写真に撮られた風景に関連し
た声のメッセージ若しくは音を含むことができ、また、
幾つかのトラックにディジタル若しくはアナログのフォ
ーマットで記録されることが可能である。予め記録され
た情報もカメラを使用して記録された情報も共に、写真
仕上げ中に、制御および再プリントの目的のために読み
出されることになるものとされている。また、写真仕上
げ業者にとって、例えばプリントの露光条件,顧客の情
報,再注文の情報等のような仕上げに関する付加的な情
報を、また別のトラックに記録するための能力を有する
ことが望ましい。

【０００４】フィルム帯の支持体の非乳剤側に連続的に
被覆された光学的に透明なＭＯＦ層を有している写真フ
ィルム帯が、例えば、同一譲受人に譲渡された米国特許
第５,２２９,８１０号において詳細に記述されており、
引用することにより、ここに組み込まれる。まず、図１
aおよび図１bでは、片方側に写真乳剤層１１５を有する
一方、非乳剤側には実質的に透明なＭＯＦ層１２０を有
する支持体１１０を備えた、上記米国特許第５,２２９,
８１０号に記述されたタイプのフィルム帯１００が概略
的に示されている。帯電防止および潤滑用の層１２２が
上記ＭＯＦ層を被覆し、また、孔部１２５がカメラの露
光ゲートを通じて画像フレーム領域を測定するために設
けられている。

【０００５】上記フィルム帯１００の各画像フレーム領
域は、例えば、領域１００aおよび１００bのような、Ｍ
ＯＦ層１２０の一組の縁部帯状領域を含み、該領域１０
０aおよび１００bは、フィルム帯の各縁部１０２および
１０４に隣接する、記録／再生トラックの対Ｃ０,Ｃ１
およびＣ２,Ｃ３を有している。ＭＯＦ層１２０の中央
の画像フレーム領域は、画像フレームの長さ１００aに
わたって延びるトラックＦ００−Ｆ２９を有している。
上記フィルム帯１００は、フィルムのタイプに対して予
め決められた呼称幅１０８を有し、また、トラックＣ０
−Ｃ３およびＦ００−Ｆ２９は規定された幅を有してい
る。

【０００６】上記米国特許第５,２２９,８１０号で詳細
に記述されているように、縁部のトラックＣ０−Ｃ３
は、縁部が載せられる磁気記録ヘッドを有するカメラに
おいて、露光に関係した情報を記録するために利用され
るためのものである。トラックＦ００−Ｆ２９の幾つか
は、フィルム帯の製造業者により予め記録されるフィル
ム帯のタイプについての情報を内容として含むためのも
のであり、トラックＦ００−Ｆ２９の他のものは、写真
仕上げ中に情報を記録するために用意されている。

【０００７】上記フィルム帯１００の一つの変形例で
は、トラックＦ００−Ｆ２９における記録および再生が
実行されず、また、ＭＯＦ層１２０は、画像フレーム領
域上が被覆されてもされなくてもよい。この変形例で
は、縁部の領域１００a,１００bにおける一つ若しくは
それ以上のトラックＣ０−Ｃ３が、例えば、画像フレー
ムから作られる最も新しいプリントの組みに適用される
色補正および露光データのような、プリントに関する情
報を記録するために利用される。上記で引用された米国
出願第０８／１７１,５８２号において記述されている
ような写真仕上げ設備においては、上記トラックの幾つ
かが、プリント作業を制御するためにプリントに先立っ
て読み出され、また、プリントに関係した情報が、プリ
ントを露光するのと同時に、記録トラックに記録され
る。

【０００８】上記写真フィルム帯１００は、業務用のま
た消費者用の記録および再生に使用される磁気テープよ
りもずっと厚いものであり、柔軟性のあるものではな
く、また、本来的に平坦なものでもない。そのカートリ
ッジから取出された場合に、かかるフィルム帯は、比較
的高い剛性と、フィルム帯の乳剤側上のつまり該乳剤側
に向かって凸状である、フィルム幅を横切る非常に顕著
な交差した湾曲を示している。更に、解かれたフィルム
帯はまた、その長さに沿った、また、フィルムの非乳剤
側で凸状の湾曲を示している。この後者の湾曲は、主
に、フィルムカートリッジのスプール(spool)にフィル
ム帯がしっかりと巻き付けられていたことから結果的に
生じるコアセットカール(core−set curl:心部に巻か
れてクセのついたカール)が原因となるものである。

【０００９】フィルムに交差した湾曲つまりフィルム帯
の幅を横切るカールは、主に、乳剤層およびＭＯＦ層の
複数の層が原因となる。該乳剤層およびＭＯＦ層の複数
の層は、アセテート(acetate),ＰＥＴ、若しくは、ＰＥ
Ｎ材から成る基部となるフィルム支持体のそれとは異な
る伸縮特性を有している。フィルムに交差したカールは
また、アンチクラスチックな(anticlastic:主曲率が異
符号の)湾曲として知られる曲がりの現象により影響を
及ぼされる。フィルムに交差したカールの度合はまた、
フィルムの時間的および温度的な履歴,相対湿度を含む
環境条件、並びに、フィルムの厚さに依存している。

【００１０】フィルムに交差したカールのために、広い
複数のヘッドの配列の幅にわたって良好な接触およびコ
ンプライアンスを実現するのは難しい。信頼し得る読取
り又は書込みの信号をもたらすには、磁気記録ヘッドの
ギャップの長さが、磁気被覆物に近接した状態に保たれ
る必要がある。フィルムに交差したカールにおける変形
のようないかなる障害でも、磁気被覆物に対する磁気ヘ
ッドのギャップの関係を変えて、上記信号の信頼性を減
ずる可能性を有している。

【００１１】従って、トラックＣ０−Ｃ３を読み出す間
に、平坦な面をもたらすために、また、出来るだけ接近
した状態でフィルム帯の縁部１０２,１０４を追従する
ために、特に、ＭＯＦ記録トラックＣ０−Ｃ３が位置し
ている側縁領域１００a,１００bにおいて、横方向のつ
まりフィルムに交差したカールを出来る限り平坦になら
すことが必要である。

【００１２】同一譲受人に譲渡された米国特許第５,０
３４,８３６号,第５,０４１,９３３号、第５,２７４,５
２２号,第５,２８５,３２４号,第５,２８５,３２５号、
更に、米国特許第５,３０７,１００号は、フィルム帯の
画像フレーム領域ではなくて、縁部のそばの縦方向のト
ラックにおいて、記録し及び／又は再プリントする際に
使用される磁気記録ヘッドの形態も開示している。画像
領域の外側にあるフィルム帯の縁部に沿って記録するた
めの磁気記録ヘッドを示しているこれらの特許は、磁気
ヘッドのギャップのＭＯＦ層との線接触を与えるため
に、磁気記録／再生ヘッドを円筒の弧の部分として形づ
くること、そして、フィルム帯を平坦にならすか、それ
とも、上記弧の部分上にフィルム帯のＭＯＦ層を巻き付
けるか若しくは適合させるかすることを、概略的に教示
している。上記乳剤側にある圧力パッドの支持体若しく
ローラが上記記録ヘッドと正反対にあり、そして、フィ
ルム帯の連続的な動作が、情報を記録し及び／又は再生
するためのコンプライアンスをもたらすことが分かる。

【００１３】これらの配置により、フィルム帯を巻き付
け、若しくは、その本来の交差したフィルムのカールお
よび縦方向のカールに抗して真っ直ぐにすることができ
る。このことは、縁部の帯状領域１００a,１００bが、
側縁部１０２,１０４に向かって延びるヘッドのギャッ
プの長さ方向における磁気ヘッドのギャップからカール
して離れる傾向を生じさせることができる。

【００１４】前述したＭＯＦ層を有する写真フィルム帯
では、実質的に透明なＭＯＦ層の密度は磁気テープにお
けるよりもずっと小さい。上記ＭＯＦ層の低い磁気密度
および引っかき傷や損傷に対する乳剤側の感受性のため
に、磁気の読取り／書込みのヘッドのフィルムに対する
接触面が高いコンプライアンスを有しなければなれない
ことが特に重要である。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に、フィ
ルム帯の現像処理,操作若しくは他の装置において、フ
ィルム帯への損傷を回避しながらも、フィルム帯のＭＯ
Ｆ層上の情報を記録し再生する上での前述した問題を解
決せんとするものである。

【００１６】従って、本発明の第１の目的は写真フィル
ム帯のＭＯＦ層における一つ又はそれ以上の平行なトラ
ックにおいて情報を正確に記録及び／又は再生するため
に、磁気読取り／書込みヘッドのフィルム帯のＭＯＦ層
とのコンプライアンスを向上させることである。

【００１７】本発明のまた別の目的は、他の磁気ウェブ
における場合と同様に記録また再生する、ＭＯＦ層に関
する磁気読取り／書込みヘッドのための、縁部を追従す
るまたヘッドの位置を合わせる、簡素化されたシステム
を提供することである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、写真フ
ィルム帯の磁気面上において情報を読取り及び／又は書
込むための装置が提供される。該装置は、マウンティン
グ部材とフィルム帯が通過する固定された支持ローラと
を備えている。該ローラは回転軸を有している。少なく
とも１つの磁気ヘッドは、そのヘッドが、上記支持ロー
ラの外周に沿った第１ポイントにおいて、上記フィルム
が固定された支持ローラに接触する領域上でフィルム帯
と接触するように、マウンティング部材に取付けられ
る。該マウンティング部材は、上記フィルム帯が、第１
ポイントから外周上で間隔を置かれた第２ポイントに位
置決めされる支持ローラに接触するような第２の領域に
おいてフィルム帯に接触するための接触面を有してい
る。上記マウンティング部材が支持ローラに対して重ね
合わせられるように、少なくとも１つの磁気ヘッドおよ
び少なくとも１つの接触面を、上記フィルムおよび支持
ローラに対して同時に押し付けるべく、マウンティング
部材に対して力を加えるために、ばねが設けられてい
る。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を、添付
図面に基づいて以下に詳細に説明する。好ましくは、本
発明は、特に、全縁部トラックＣ０−Ｃ３(あるいは、
それよりも少ない縁部トラック)にのみ記録しまた再生
するために、図１に関して前述したように被覆されたＭ
ＯＦ層を有しているフィルム帯を用いて具体化される。
図示された実施態様では、フィルム帯の光学的な特性に
あまり影響しないように磁気層が実質的に透明であり、
約０．９から１．６ミクロンまでの範囲の厚さを有して
いる。本発明の磁気ヘッドアッセンブリおよび支持ロー
ラは、上記で引用された米国特許出願第０８／１７１,
５８２号の処理システムにおいて、若しくは、画像の再
生作業を制御する際にあるいは他の状況で用いるべき、
かかるフィルム帯のＭＯＦ層の縁部帯状領域のトラック
に記録されたデータを読出すための他の写真仕上げ設備
において用いられ得る。加えて、かかる設計は、幾つか
のトラックに情報を記録するために用いられることが可
能である。

【００２０】前述したように、この分野の典型的な先行
技術の方法は、円筒の弧の部分のように磁気記録／再生
ヘッドを形状づけ、そして、円筒の弧の部分上にフィル
ム帯のＭＯＦ層を巻き付けるかあるいは適合させる、若
しくは、フィルム帯を出来るだけ真っ直ぐにのばすもの
であった。フィルム帯１００のこうした曲げは、その通
常の、圧力をかけない状態でカールする傾向に逆らうも
のであり、必ずしも常に効果的であるとは言えない。

【００２１】図２,図３ならびに図４では、本発明で採
用された磁気ヘッドアッセンブリの配列のネスティング
ＶＥＥの原理が示されている。図２において、上記ヘッ
ドアッセンブリ１０が支持部材１２を有している。図示
された特定の実施態様では、該支持部材１２が１対の脚
部１６,１８を備え、全体としてＶ字形を成している。
図示された実施態様においては、磁気層において磁気情
報を読取り及び／又は書込むために、磁気ヘッド２０が
設けられている。該磁気ヘッドについて典型的であるよ
うに、磁気ギャップ２２が長手軸２４に沿って延びてい
る。上記脚部１６は接触部分２６を備えている。上記磁
気ギャップ２２および接触部分２６は、上記ローラ２８
の外周に角度距離Ｃだけ間隔を隔てられたポイント３
０,３２において円筒形の支持ローラ２８に接触するよ
うに設計されている。該角度距離Ｃは、好ましくは、約
３０°から１６５°までの範囲、一般には３０°から１
８０°までの範囲内にある。上記円筒形の支持ローラ２
８は、そのローラ２８が回転する軸３４を有している。

【００２２】図３における接触部分２６を含む仮想面ab
cdは、ローラ２８の円筒面Ｓとefで線接触させられる。
図４におけるギャップ２２を含む仮想面ghijは、ローラ
２８の円筒面Ｓとklで線接触させられる。図２で示され
るように、上記接触部分２６および磁気ギャップ２２が
ローラ２８の円筒面Ｓと接触するように、力Ｆが加えら
れる。該ギャップ２２と平面abcdとの間の距離Ｄ１は、
支持部材１２が特定の直径の円筒形のローラと共に使用
されるべく設計されるように選ばれる。上記距離Ｄ１は
また、支持ローラ２８のまわりに巻き付けられるフィル
ム厚を考慮して選ばれる。平面abcdは、上記ギャップ２
２を、Ｚ軸方向において、また、Ｘ軸まわりの回転方向
に位置決めする。その結果、該ギャップ２２は、第２平
面ghij(図４参照)のローラ２８との接線に沿って位置す
ることになる。上記支持部材１２の全体としてＶ字形を
成す構造によって、上記支持部材１２は、円筒ローラ２
８に関して特定方向で重ね合わさることになる。上記磁
気ヘッド２０は、磁気ギャップ２２の軸２４が実質的に
軸３４に平行であるように、上記支持部材１２に取付け
られる。上記ヘッドアッセンブリがＹ軸まわりに回転す
る、また、Ｙ方向に沿って移動するのを防止するため
に、フレーム(不図示)に固定された係止部５２,５４
が、それぞれ、支持部材１２の接触面５１,５３を係止
するように設けられている。

【００２３】図５,図６ならびに図７には、同様の符号
が同様の部品を指示して、上記支持部材１２が僅かに異
なる形状を有することを除いて図２〜図４に示されたも
のと同様である磁気ヘッドアッセンブリ１０が示されて
いる。加えて、巻き付けローラの対４０,４２が、ロー
ラ２８の円筒面Ｓのまわりにしっかりと写真フィルム４
４の帯を巻き付けるために設けられる。図から分かるよ
うに、上記支持部材１２は、写真フィルム４４が表面の
まわりに堅く巻き付けられるポイントで支持ローラ２８
に係合する。上記磁気ギャップ２２および接触部分２６
が、直接にフィルム４４の表面に接触するように、保持
力Ｆが、支持部材１２に対して加えられる。

【００２４】図６によって示されるように、ギャップ２
２の軸２４は、実質的にローラ２８の回転軸３４に平行
である。図７には、上記ローラ２８と支持ローラ２８の
まわりに巻き付けられたフィルム４４とともに、図６に
類似した図が示されている。矢印４７により示されるよ
うに、該フィルム４４は、実質的にローラの軸３４に垂
直な長手軸４６(不図示)に沿って移動する。従って、ギ
ャップ２２の軸２４は、そのとき、トラックＣ０−Ｃ３
に実質的に垂直であるように配置され、その結果、最良
に読取り／記録するために最善に位置合わせされる。こ
の実施態様では、上記支持部材１２が、読み取られるべ
きトラックに関して磁気ヘッド２０が適切に位置決めさ
れるように、フィルム帯４４の縁部５０に記録するのに
使用される一対の縁部ガイド４８を備えている。

【００２５】また、図５および図６にも示されるよう
に、望ましくない方向に上記支持部材１２が移動するの
を防止するための手段が設けられている。例えば、図５
に示されるように、１つの係止部５２が、部材１２に設
けられた係止面５４と係合するために写真仕上げデバイ
スに設けられている。係止部５２は、該デバイスのフレ
ームに固定され、部材１２のＹ軸まわりの回転を防いで
いる。図７によって示されるように、縁部ガイド４８
は、Ｙ軸方向に沿った上記支持部材１２の移動を制限し
ている。該ガイド４８は、ばね(不図示)によってフィル
ム帯４４の縁部５０に付勢されており、その結果、上記
支持部材１２は、フィルム帯４４の縁部５０については
自動的に位置を合わせることができる。適切な機構(不
図示)が、支持部材１２を支持ローラ２８に係合させた
り、引き離したりするために設けられており、それによ
って、フィルム帯４４が、支持ローラ２８および巻き付
けローラ４０,４２のまわりにくねって進むことができ
る。図８が、磁気層において情報を読取る及び／又は書
込むための係合位置にある支持部材１２を示している一
方、図８は、引き離された位置にある支持ローラを示し
ている。

【００２６】本発明は、支持部材１２が、上記ローラ２
８の表面に適合するとともに、フィルム帯４４上のトラ
ックに関して適切な方向にヘッドギャップ２２の位置を
合わせ、その結果、該ヘッドアッセンブリが支持ローラ
と係合したり引き離れたりすることができる上、その同
じ位置合わせに伴って、磁気層に対してヘッドアッセン
ブリを敏速に且つ容易に配置することができるヘッドア
ッセンブリを提供する。

【００２７】図２〜図４および図５〜図８に示されるよ
うに、支持ヘッドは、支持ローラ１２に向かい合った、
また、フィルム帯４４の巻き付き角度の範囲内にあるフ
ィルム帯４４の縁部帯状領域に対して、磁気読取り／書
込みヘッド２０を付勢させている。該磁気読取り／書込
みヘッドは、上記ヘッドギャップ２２が円筒形の支持ロ
ーラ２８の軸に平行な線接触部を成すように、ＶＥＥブ
ロック内に支持される。その結果、磁気ギャップ２２
が、フィルム帯の移動方向に実質的に垂直であり、そし
て、磁気トラックに関して適切な方向にあるであろう。

【００２８】本発明の好適な実施態様に従って、磁気ヘ
ッドアッセンブリ１０は、それ自体を上記支持ローラ２
８と係合したり離れたりするように移動させる手段を有
している。上記磁気ヘッドアッセンブリ１０が円筒形の
支持ローラと係合している場合、例えば図５に示される
コイルばねのようなばね５５が、上記接触部分２６およ
びギャップ２２をフィルム帯４４に密接させる付勢力を
もたらす。縁部ガイド４８および係止部５２が共働すれ
ば、上記アッセンブリ１０は、フィルム帯４４に関して
磁気ヘッドの他の相対的な動作を一切要しない。この様
式においては、上記磁気ヘッドが、フィルム帯４４の所
望のトラックを追従するように間隔を隔てられている。
その上、上記磁気読取り／書込みヘッド２０のヘッドギ
ャップの線接触部は、上記ローラ２８の軸に実質的に平
行な線に下りるように位置合わせされる。

【００２９】上記支持ローラ２８は、ベアリング(不図
示)による回転のために、その軸端部５７で運搬フレー
ム(不図示)に取付けられており、軸３４のまわりに自由
に回転する。巻き付けローラ４０,４２はまた、上記フ
レーム(不図示)に組み込まれたローラベアリングおよび
軸方向のアッセンブリ(不図示)上に支持されている。従
って、支持ローラ２８および巻き付けローラ４０,４２
の回転軸は、フィルムが運搬される間に互いに平行に固
定されている。そのくねった運搬通路が、上記巻き付け
ローラ４０,４２と支持ローラ２８との間に延びてい
る。フィルム帯の進行機構(不図示)が、フィルムの運搬
通路に沿って、支持ローラ２８,巻き付けローラ４０,４
２ならびに磁気ヘッドアッセンブリ１０の位置から間隔
を隔てられている。上記フィルム帯の進行機構の運転に
より、フィルム帯１００を供給リール(不図示)から巻取
りリール(不図示)へ進めるような動作がフィルム帯１０
０に伝わる。その動作によって、支持ローラ１２および
巻き付けローラ４０,４２は自由に回転する。

【００３０】前述した好適な実施態様は、位置の前進お
よび後退に作用するヘッドアッセンブリの相対的なＺ軸
方向の動作を開示しているが、その代わりとして、上記
支持ローラ２８および巻き付けローラ４０,４２を支持
しているフレームをＺ軸方向に可動にすることもできる
ことが理解されるであろう。上記ヘッドアッセンブリを
移動させるためのリフト機構を、目的とされる用途次第
で、モータあるいはソレノイド操作式に、もしくは、手
動式に操作し得るように変えることができる。

【００３１】図９には、本発明の変形例が示されてお
り、ここでの同様の符号は同様の部品および動作を指示
している。この実施態様では、支持部材１２が、フィル
ム帯４４に接触し、ローラ２８に力を加えるための回転
可能なローラ６１を有している。この実施態様において
該ヘッドアッセンブリが係合する方向および引き離され
る方向が、矢印６５によって示されている。これは、フ
ィルムと接触部分２６との間に生じ得るいかなる滑り作
用をも回避するものである。

【００３２】図１０には、本発明に従ってつくられた他
の実施態様であるヘッドアッセンブリ１００が示されて
いる。ヘッドアッセンブリ１００は、図５〜図７に図示
されたヘッドアッセンブリ１０に類似しており、ここで
の同様の符号は、同様の部品および動作を指示してい
る。この実施態様では、第２磁気ヘッド１０２が、該ヘ
ッド１０２のギャップ２２がまた支持ローラ２８の軸３
４に平行であるように、接触部分２６に位置決めされて
いる。

【００３３】前述したシステムが、様々な磁気ヘッドア
ッセンブリにおいて利用され得る。本発明の概念が用い
られ得る代替え的なヘッドアッセンブリの一例が、トー
マス・シー・ジェソップ(Ｔhomas Ｃ．Ｊessop)および
ダグラス・エル・ブランディング(Ｄouglass Ｌ．Ｂla
nding))による１９９５年７月２５日出願の米国特許出
願第６０／００１,４１７号の「フィルム上の磁性体のた
めのロール安定化,ネスティングＶＥＥ(nesting ＶＥ
Ｅ),磁気ヘッドアッセンブリ」に開示されており、引用
することにより予め全体に組み込まれた。

【００３４】本発明は、写真フィルム上に設けられた薄
い磁気層において読取り及び／又は書込むための磁気ヘ
ッドアッセンブリを提供する。該アッセンブリは、信頼
し得るものであり、磁気ヘッドと磁気層との間に必要と
される接触をもたらす。尚、本発明は、以上の実施態様
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であ
ることは言うまでもない。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、支持ローラのまわりの
フィルム帯の巻き付きが、フィルムに交差したカールを
平坦にならし、そして、磁気記録／再生のヘッドが、特
にカールを受け易いフィルム帯の縁部帯状領域に沿っ
て、平坦性を確保するためにＭＯＦ層に効果的に圧力を
加えることを可能としている。上記支持ローラに関す
る、上記磁気ヘッドアッセンブリ内のヘッドのネスティ
ングＶＥＥ(nesting ＶＥＥ)の配列が、フィルム帯の
ＭＯＦ層の縁部帯状領域との、磁気読取り／書込みヘッ
ドのギャップのコンプライアンスおよび位置合わせを可
能とし、また、いかなる残りの縁部のカールをも平坦に
ならすことを可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】 (a) 本発明を実施する際に使用され得る記
録トラックを示す、ＭＯＦ層を備えた先行技術の写真フ
ィルム帯の平面図である。 (b) 上記写真フィルム帯の縦断面図である。

【図２】 本発明の実施態様に係る磁気ヘッドアッセン
ブリの正面図である。

【図３】 上記磁気ヘッドアッセンブリの図２の２b−
２b線に沿った上面図である。

【図４】 上記磁気ヘッドアッセンブリの図２の２c−
２c線に沿った側面図である。

【図５】 本発明の代替え的な実施態様に係る磁気ヘッ
ドアッセンブリの正面図である。

【図６】 上記代替え的な実施態様に係る磁気ヘッドア
ッセンブリの、上記支持ローラ,巻き付けローラならび
にフィルム帯を除いて示された、図５の３b−３b線に沿
った側面図である。

【図７】 上記代替え的な実施態様に係る磁気ヘッドア
ッセンブリの、上記巻き付けローラを除いて示された、
図５の３c−３c線に沿った側面図である。

【図８】 上記代替え的な実施態様に係る係合状態にあ
る磁気ヘッドの正面図である。

【図９】 本発明に従ってつくられた磁気ヘッドアッセ
ンブリの変形例の正面図である。

【図１０】 本発明に従ってつくられた磁気ヘッドアッ
センブリの他の変形例の正面図である。

【符号の説明】

１０…磁気ヘッドアッセンブリ １２…支持部材 ２０…磁気ヘッド ２８…支持ローラ ３０,３２…ポイント ４６…長手軸 ５１,５３…接触面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真フィルム帯の磁気面において情報を
   読取り及び／又は書込むための装置であって、 回転軸を有している上記フィルム帯が通過する固定され
   た支持ローラと、 マウンティング部材と、 上記フィルム帯が固定された上記支持ローラに接触する
   領域上でフィルム帯に接触するように上記マウンティン
   グ部材に取付けられ、上記支持ローラの外周に沿った第
   １ポイントに配置されている少なくとも１つの磁気ヘッ
   ドとを備え、 上記マウンティング部材は、上記フィルム帯が上記支持
   ローラに接触する領域においてフィルム帯に接触するた
   めの接触面を有し、該接触面が、上記マウンティング部
   材周囲の第１ポイントから外周上で間隔を置かれた第２
   ポイントに位置決めされるようになっており、 上記マウンティング部材が上記支持ローラに対して重ね
   合わせられるように、上記少なくとも１つの磁気ヘッド
   および少なくとも１つの接触面を上記フィルム帯および
   支持ローラに対して同時に押し付けるべく、上記マウン
   ティング部材に力を加えるための付勢手段を備えている
   ことを特徴とする、写真フィルム帯の磁気面において情
   報を読取り及び／又は書込むための装置。
2. 【請求項２】 上記磁気ヘッドは、長手軸を有する磁気
   ギャップを備えており、該磁気ヘッドが、長手軸が上記
   支持ローラの回転軸に実質的に平行であるように配置さ
   れることを特徴とする請求項１記載の写真フィルム帯の
   磁気面において情報を読取り及び／又は書込むための装
   置。