JPH09127014A - 浸透探傷試験における洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

浸透探傷試験における洗浄方法及び洗浄装置

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JPH09127014A
JPH09127014A JP28302595A JP28302595A JPH09127014A JP H09127014 A JPH09127014 A JP H09127014A JP 28302595 A JP28302595 A JP 28302595A JP 28302595 A JP28302595 A JP 28302595A JP H09127014 A JPH09127014 A JP H09127014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験体の洗浄を、作業者によってばらつきが
なく、適度に効率良く簡単に行えて、浸透探傷試験とし
て高い検出精度を確保でき、しかも地球環境問題にも適
切に対処できる浸透探傷試験における洗浄方法を提供す
る。 【解決手段】 試験体Wの表面に浸透液を浸透させてか
ら、試験体表面の余剰浸透液を洗浄液を用いて除去した
後、欠陥部内の浸透液10を現像液を用いて試験体表面
に欠陥指示模様として表出させる浸透探傷試験における
洗浄方法において、洗浄液20として、浸透液10より
も表面張力が高いアルカリ性洗浄液20を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浸透探傷試験に
おいて、試験体表面に浸透させた浸透液のうち余剰浸透
液を、洗浄液により除去する際に採用される洗浄方法及
び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浸透探傷試験は、各種機器、機械部品等
の試験体の表面に開口する微細なクラックやピンホール
等の表面欠陥部を、目視で検出可能とするものであり、
試験体の材質に影響されず、例えば試験体が磁性体であ
ろうと非磁性体であろうと、1回の処理であらゆる方向
の欠陥を検出でき、更に大掛かりな装置も必要としない
ことから、従来より広く利用されている。
【0003】この浸透探傷試験の試験手順は、図2に示
すように、まず前処理として、油脂分等の試験体の汚れ
を洗浄して取り除いた後、浸透処理により試験体表面に
浸透液を浸透させる。その後、洗浄処理において試験体
表面に残留する余剰の浸透液を洗浄液を用いて除去して
から、現像処理において試験体表面に現像剤を塗布し
て、欠陥部に浸透している浸透液を表面に浮き上がらせ
て、欠陥部を、拡大した像の欠陥指示模様として観察す
るものである。
【0004】このような浸透探傷試験は、JIS Z
2343−1992にも規定されるように、使用する浸
透液の種類により複数に分類されている。
【0005】その中でも、浸透液として、赤色の可視染
料を含んだものを使用する溶剤除去性染色浸透探傷試験
は、電源等が不要で、制約も少なく、更に作業手順も簡
単であるため、最も多く採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この溶剤除
去性染色浸透探傷試験で使用される浸透液は、赤色の油
溶性染料を、油からなるベース溶剤や有機溶剤等に溶解
させたもの、換言すれば塗料のようなものであり、その
浸透液の洗浄には、洗浄力の高い洗浄液を使用する必要
がある。
【0007】従来、その洗浄液として、洗浄後の水切り
の良さ等も考慮し、フロン、トリクロルエタン等の有機
溶剤を主として使用していたが、このような洗浄力の高
い有機溶剤からなる洗浄液を用いて、浸透処理された試
験体をほど良く洗浄するのは非常に困難であった。すな
わち、作業者は、複数の試験体をわずか数秒の間に数回
もの洗浄を行い、しかもその洗浄中に試験体表面を注意
深く観察しながら、表面状態に合せて適格に洗浄加減を
調整せねばならず、作業者にとって多大な労力と高い熟
練度が必要であった。
【0008】その上、洗浄加減の調整を、ある程度、作
業者の経験や勘に頼って行うことになるので、作業者の
熟練度、個人差、体調等により、どうしても洗浄度合い
にばらつきが生じる。このため例えば過洗浄により、欠
陥部に浸透している浸透液を除去してしまい、現像時に
欠陥部に指示模様を表出できず、検出精度を低下させた
り、逆に洗浄不足により、欠陥のないところに浸透液が
残留し、その位置に疑似指示模様が表出して、検出精度
を低下させるという問題が発生していた。しかもこの洗
浄処理は、既述したように作業者の経験や勘に頼るとこ
ろが多く、自動化はおろか、もっぱら熟練者による手作
業で行うことになり、作業効率の飛躍的な向上は期待で
きなかった。
【0009】また洗浄液としての有機溶剤の使用は、昨
今、社会問題として大きくクローズアップされている地
球環境の悪化にも関与するものであり、その点も懸念さ
れるところであった。
【0010】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、試験体の洗浄を、作業者によってばらつきがなく、
適度に効率良く簡単に行えて、浸透探傷試験として高い
検出精度を確保でき、しかも地球環境問題にも適切に対
処できる浸透探傷試験における洗浄方法を提供すること
を第1の目的とする。
【0011】更に本発明は、試験体に対し適度な洗浄を
自動的に行えて、浸透探傷試験として高い検出精度を確
保でき、しかも地球環境問題にも適切に対処できる浸透
探傷試験における洗浄装置を提供することを第2の目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本願第1の発明は、試験体の表面に浸透液を浸
透させてから、試験体表面の余剰浸透液を洗浄液を用い
て除去した後、欠陥部内の浸透液を現像剤を用いて試験
体表面に欠陥指示模様として表出させる浸透探傷試験に
おける洗浄方法において、前記洗浄液として、前記浸透
液よりも表面張力が高いアルカリ性洗浄液を使用するも
のを要旨としている。
【0013】この発明において、浸透液は、通常通り、
微小凹部等の欠陥部に浸透するのに対し、洗浄液は、表
面張力が高いため、欠陥部内に浸透することはない。す
なわち、作業者の熟練度にかかわらず、十分な洗浄を行
うことにより、欠陥部内の浸透液は残存させつつ、余剰
浸透液のみを確実に除去することが可能となる。このた
め、余剰浸透液の残存による疑似指示模様の表出や、過
洗浄による欠陥指示模様の未表出を、確実に防止するこ
とができ、欠陥部の検出を精度良く行える。
【0014】更に作業者の熟練度にかかわらず、適度な
洗浄を簡単かつ正確に行えるので、作業者の労力軽減及
び作業効率の向上を図ることができ、しかも自動化をも
図ることが可能となる。
【0015】また本発明は、洗浄液としてアルカリ性の
ものを使用しているため、酸化腐食を防止でき、洗浄処
理による試験体の劣化を防止できる。
【0016】更に本発明においては、自然環境に悪影響
を及ぼす有機溶剤等を使用しないので、地球環境問題に
も適切に対処できる。
【0017】一方、上記第2の目的を達成するため、本
願第2の発明は、試験体表面に浸透させた浸透液のうち
余剰浸透液を除去するための浸透探傷試験における洗浄
装置であって、前記浸透液よりも表面張力が高いアルカ
リ性洗浄液が貯溜された洗浄液槽と、浸透液を浸透させ
た試験体を、前記洗浄液槽まで搬送して前記洗浄液内に
浸漬するとともに、その浸漬した試験体を所定位置まで
搬送する試験体移動手段と、を備えるものである。
【0018】この洗浄装置は、上記第1の発明方法を実
施可能な装置を特定するものであるため、上記の洗浄方
法を自動的に行うことができる。更に複雑な形状の試験
体であっても均一な洗浄が可能となり、また構造も簡易
にすることができる。
【0019】以下、本発明の構成を更に詳細に説明す
る。
【0020】本発明における浸透液としては、溶剤除去
性の可視塗料からなるものを好適に使用することができ
る。
【0021】このような浸透液を試験体に浸透させる浸
透処理としては、上記の浸透液を貯溜した浸透液槽内
に、試験体を浸漬する方式を採用するのが良い。
【0022】本発明における洗浄液としては、上記浸透
液よりも表面張力が高いアルカリ性洗浄液を使用する必
要がある。中でも上記浸透液に比べて、表面張力が1〜
15dyne/cm以上高いもの、好ましくは2〜5dyne/cm
以上高いものを使用するのが良い。具体的に説明する
と、染色浸透液としては、表面張力が25〜30dyne/
cmのものが通常使用されるため、本発明において洗浄液
としては、表面張力が26〜45dyne/cmのもの、好ま
しくは27〜35dyne/cmのもので、かつその表面張力
が浸透液のそれよりも高いものを使用するのが良い。す
なわち表面張力が低過ぎる洗浄液を使用すると、洗浄時
に、試験体の微小凹部等の欠陥部内にも洗浄液が浸透し
てしまい、欠陥部内の浸透液をも除去してしまう恐れが
あり、過洗浄による欠陥指示模様の未表出を生じさせ
て、検出精度の低下を来すことがあるので、好ましくな
い。逆に表面張力が高過ぎるものを使用すると、洗浄能
力が低下して、洗浄時間が長くなって作業効率の低下を
来したり、場合によっては、余剰浸透液を確実に除去で
きず、疑似指示模様を表出させて、検出精度の低下を来
すことになるので、好ましくない。
【0023】これらの条件を満たし、本発明の使用に適
した洗浄液としては、表面張力が約32〜38dyne/cm
のものを使用するのが良い。
【0024】なお、試験体の表面が粗面の場合には、比
較的表面張力の高いもの、滑面の場合には比較的表面張
力の低いものを使用するが好ましい。
【0025】また洗浄液としては、アルカリ性のものを
使用する必要がある。例えば酸性の洗浄液を使用する
と、酸化腐食により試験体を劣化させてしまうことがあ
るので、好ましくない。
【0026】このような洗浄液として、具体的には、ア
ルメコM51(商品名、ヘンケル白水株式会社製)等の
洗浄液製品を例示することができる。特にこの洗浄液製
品を、蒸留水で希釈して使用するのが良い。例えば濃度
が2〜30%のもの、好ましくは下限値が4%以上、上
限値が20%のものを使用するのが良い。すなわち希釈
し過ぎて濃度が低過ぎる洗浄液では、洗浄能力が不十分
になり、洗浄時間の延長による作業効率の低下、及び洗
浄不足による検出精度の低下を来すことがある。逆に濃
度を過度に高くしても、高濃度による利益に乏しく、無
意味であるので、好ましくない。
【0027】本発明において洗浄処理としては、上記の
ような洗浄液を貯溜した洗浄液槽内に、試験体を浸漬す
る方式を採用するのが良い。このとき洗浄能力を向上さ
せるために、洗浄液を加熱させておくのが良い。具体的
には、洗浄液の温度を、30〜70℃、好ましくは下限
値を40℃以上、上限値を60℃以下、より好ましくは
50℃前後に設定するのが良い。すなわち洗浄液の温度
が低過ぎると、洗浄能力の低下により、上記と同様の不
具合が発生する恐れがあり好ましくない。逆に温度が高
過ぎると、洗浄液が熱劣化して、洗浄処理を正確に行え
ないばかりか、取り扱いが不便になったり、ランニング
コストも増大するので、好ましくない。
【0028】また本発明においては、上記洗浄液槽内
に、洗浄力向上手段を設けるのが良い。具体的には、洗
浄液内にバブルを発生させるたのめバブリング装置、洗
浄液に超音波振動を付与するための超音波発生装置、洗
浄液に水流を発生させるための水流発生装置を設置する
のが良く、この中でも特に、簡易で、試験体全体をバラ
ンス良く洗浄することができるバブリング装置を設置す
るのが好ましい。なおバブリング装置を設置する場合に
は、洗浄液槽内に供給するエアーの圧力を、3〜10k
g/cm2 、好ましくは4〜5kg/cm2 に設定する
のが良い。
【0029】また試験体として、例えば鉄道車両用テー
パ保持器を使用する場合、洗浄時間(洗浄液槽への浸漬
時間)は、3〜10分、好ましくは下限値が4分以上、
上限値が7分以下、より好ましくは5分前後とするのが
良い。すなわち洗浄時間が短か過ぎると、洗浄不足によ
り、上記と同様な不具合が発生する恐れがあり、逆に長
過ぎると、作業性の低下を来すことがあり、好ましくな
い。
【0030】なお洗浄液の温度や洗浄時間は、使用され
る試験体の種類によって、多少異なることは当然のこと
である。例えば簡素な形状の試験体では複雑な形状のも
のと比べて、温度が低く、洗浄時間も短くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である
洗浄装置を概略的に示す側断面図である。同図に示すよ
うに、この装置は、溶剤除去性染色浸透探傷試験の代替
手法として浸透処理、洗浄処理及び乾燥処理を行うため
のものであって、所定の搬送ラインに沿って並んで配置
される浸透液槽(1)、洗浄液槽(2)、湯洗槽
(3)、及び乾燥ゾーン(4)を備え、更にその搬送ラ
インに沿って試験体(W)を搬送するための試験体移動
手段(5)を備えている。
【0032】浸透液槽(1)内には、赤色の油溶性染料
を、油からなるベース溶剤や有機溶剤に溶解させた溶剤
除去性染色浸透液(10)が貯溜されている。この浸透
液(10)の表面張力は、およそ25〜30dyne/cmで
ある。
【0033】また洗浄液槽(2)には、表面張力がおよ
そ32〜38dyne/cmのアルカリ性洗浄液(20)、具
体的には、アルメコM51(商品名、ヘンケル白水株式
会社製)を20倍に希釈した濃度5%のアルカリ性洗浄
液(20)が貯溜されている。
【0034】更にこの洗浄液槽(2)の内部には、ヒー
ター(21)が設置されており、ヒーター(21)の駆
動により、洗浄液(20)を所定の温度に加熱できるよ
うに構成されている。
【0035】更に洗浄液槽(2)の内部には、バブリン
グ装置(22)が設置されている。このバブリング装置
(22)は、周壁に多数の空気孔が形成された複数のエ
アー供給パイプ(23)を具備しており、図示しないエ
アー供給源から所定圧力のエアーがパイプ(23)内に
供給されることにより、そのエアーが上記空気孔を介し
て液槽(2)内に放出されて、洗浄液(20)内に粒状
のバブルが無数に発生するように構成されている。
【0036】湯洗槽(3)の内部には、蒸留水(洗浄
湯)(30)が貯溜されており、槽内に設置されたヒー
ター(31)の駆動により、洗浄湯(30)を所定の温
度に加熱できるよう構成されている。
【0037】また乾燥ゾーン(4)は、例えば温風ファ
ン等により構成された乾燥手段(41)が設けられ、乾
燥ゾーン(4)内に配置された試験体(W)を短時間で
乾燥できるように構成されている。
【0038】試験体移動手段(5)は、搬送ラインに沿
って配置されるレール(51)と、そのレール(51)
上に沿って移動自在なリフト(52)と、そのリフト
(52)に取り付けられ、リフト(52)の駆動により
昇降自在なハンガー(53)とを備えている。ハンガー
(53)は、例えば鉄道車両用テーパ保持器等の試験体
(W)を複数同時に吊持できるよう構成されてており、
ハンガー(53)の昇降及びリフト(52)のレール移
動に伴い、ハンガー(53)に吊持された試験体(W)
が昇降し、搬送ラインに沿って移動するように構成され
ている。
【0039】更にこの洗浄装置には、リフト(52)の
移動や、ハンガー(53)の昇降等を行うための駆動手
段が設けられるとともに、その駆動手段の駆動を制御す
るための制御手段が設けられており、その制御手段に動
作開始指令を与えると、制御手段は駆動手段の駆動を制
御し、後に説明する動作が自動的に行われるよう構成さ
れている。
【0040】次に、この洗浄装置を用いて、鉄道車両用
テーパ保持器等を試験体(W)として、浸透探傷試験を
行う場合について説明する。
【0041】なお試験体移動手段(5)のリフト(5
2)は、洗浄装置における搬送方向に対し上流側の搬入
位置に待機しているものとする。
【0042】まず始めに、ヒーター(21)(31)に
より、洗浄液(2)及び洗浄湯(3)を50℃に設定す
るとともに、バブリング装置(22)により洗浄液
(2)内にバブルを発生させる。
【0043】そしてその状態で油脂分等の汚れを前処理
で取り除いた複数の試験体(W)を、試験体移動手段
(5)のハンガー(53)に吊持させて、上記制御手段
に動作開始指令を与える。
【0044】これによりリフト(52)が移動して、試
験体(W)が浸透液槽(1)の上方に配置され、続いて
ハンガー(53)が降下して、試験体(W)が浸透液
(10)内に浸漬される。
【0045】続いて、ハンガー(53)が上昇した後、
液槽の上方付近で、所定時間(15分程度)待機する。
この待機によって、試験体(W)のクラック、ピンホー
ル等の欠陥部内に浸透液(10)が十分に浸透すること
になる。
【0046】この浸透が十分に行われた後、リフト(5
2)の移動により試験体(W)が洗浄液槽(2)の上方
まで移動し、続いてハンガー(53)が降下して、試験
体(W)が洗浄液(20)内に浸漬される。この浸漬に
より、試験体表面に付着した余剰の浸透液が除去され
る。なおこの洗浄処理の洗浄液(20)は、上記したよ
うに浸透液よりも表面張力が高いため、試験体(W)の
欠陥部内には浸透することはなく、欠陥部内の浸透液は
残留することになる。しかも洗浄液(20)を加熱する
とともに、液内にバブルを発生させているため、複雑な
形状の試験体(W)であっても、十分な洗浄力が得ら
れ、洗浄不足を確実に防止できる。
【0047】洗浄が完了すると、ハンガー(53)が上
昇して湯洗槽(3)の上方まで移動し降下することによ
り、試験体(W)が洗浄湯(30)内に浸漬される。こ
れにより試験体(W)に付着した余剰の洗浄液等が除去
される。
【0048】湯洗が完了すると、ハンガー(53)が上
昇してから移動し、試験体(W)が乾燥ゾーン(4)内
に配置される。そこで試験体(W)は、乾燥手段(4
1)により50℃程度の熱風で所定時間乾燥処理され
る。
【0049】こうして試験体(W)が乾燥した後、リフ
ト(52)が移動して所定の位置に試験体(W)が搬出
される。
【0050】その後作業者は、ハンガー(53)から試
験体(W)を取り出して、試験体表面に、白色現像液を
スプレーにより塗布する。これにより欠陥部内に残留し
た浸透液が欠陥部周辺に欠陥指示模様として表出させ
る。そしてこの模様を観察することにより試験体欠陥部
を検出する。
【0051】以上のように、この装置によれば、浸透探
傷試験における浸透処理及び洗浄処理を自動的に行うこ
とができる。従って、作業者の労力を極端に軽減させる
ことができる。
【0052】なお上記実施形態においては、レールとリ
フトの組み合わせにより試験体移動手段を構成している
が、本発明の試験体移動手段は、試験体の槽内への浸漬
と、搬送ラインに沿っての移動を行える機構であればど
のような機構を採用しても良い。例えば試験体を搬送し
得るローラと、リフトとの組み合わせにより試験体移動
手段を構成して良い。
【0053】また本発明は、溶剤除去性染色浸透探傷試
験に限られず、溶剤除去性蛍光浸透探傷試験等の他の浸
透探傷試験の代替手法として適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本願第1発明の浸透探傷
試験における洗浄方法によれば、洗浄液として、表面張
力が浸透液よりも高いアルカリ性洗浄液、例えば表面張
力が浸透液よりも1〜15dyne/cm高いものを使用して
いるため、洗浄液は、試験体の微小凹部等の欠陥部に浸
透することがないので、欠陥部内の浸透液を残存させつ
つ、試験体表面の余剰浸透液のみを確実に除去できる。
このため余剰浸透液の残存による疑似指示模様の表出
や、過洗浄による欠陥指示模様の未表出を確実に防止で
き、欠陥部の検出を精度良く行える。更に過洗浄を防止
できるので、適度な洗浄を簡単かつ正確に行えて、作業
効率の向上を図ることができる。しかも自然環境に悪影
響を及ぼす有機溶剤等を使用しないので、地球環境問題
にも適切に対処できるという効果を得ることができる。
【0055】本第1の発明において、試験体を洗浄液内
に浸漬して余剰浸透液を除去する際に洗浄液内にバブル
を発生させる場合には、洗浄力が向上して、洗浄処理を
短時間で行えるとともに、複雑な形状の試験体であって
も均一に洗浄でき、より一層作業効率の向上を図ること
ができるという利点がある。
【0056】一方、本願第2の発明は、上記第1発明の
方法を実施可能な装置を特定するものであるため、上記
効果を有する洗浄方法を自動的に行え、作業効率の飛躍
的な向上を期待できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である浸透探傷試験におけ
る洗浄装置を概略的に示す側面図である。
【図2】浸透探傷試験の試験手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1…浸透液槽 2…洗浄液槽 10…浸透液 20…洗浄液 50…試験体移動手段 W…試験体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験体の表面に浸透液を浸透させてか
    ら、試験体表面の余剰浸透液を洗浄液を用いて除去した
    後、欠陥部内の浸透液を現像剤を用いて試験体表面に欠
    陥指示模様として表出させる浸透探傷試験における洗浄
    方法において、 前記洗浄液として、前記浸透液よりも表面張力が高いア
    ルカリ性洗浄液を使用することを特徴とした浸透探傷試
    験における洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液として、前記浸透液よりも表
    面張力が1〜15dyne/cm高いものを使用する請求項1
    記載の浸透探傷試験における洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記余剰浸透液を除去する際に、前記試
    験体を洗浄液内に浸漬するとともに、その浸漬時に洗浄
    液に、洗浄力向上用としてバブルを発生させる請求項1
    又は2記載の浸透探傷試験における洗浄方法。
  4. 【請求項4】 試験体表面に浸透させた浸透液のうち余
    剰浸透液を除去するための浸透探傷試験における洗浄装
    置であって、 前記浸透液よりも表面張力が高いアルカリ性洗浄液が貯
    溜された洗浄液槽と、 浸透液を浸透させた試験体を、前記洗浄液槽まで搬送し
    て前記洗浄液内に浸漬するとともに、その浸漬した試験
    体を所定位置まで搬送する試験体移動手段と、を備える
    浸透探傷試験における洗浄装置。
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