JPH09126243A - クラッチ組付体及び支点移動機構 - Google Patents

クラッチ組付体及び支点移動機構

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Publication number
JPH09126243A
JPH09126243A JP28387195A JP28387195A JPH09126243A JP H09126243 A JPH09126243 A JP H09126243A JP 28387195 A JP28387195 A JP 28387195A JP 28387195 A JP28387195 A JP 28387195A JP H09126243 A JPH09126243 A JP H09126243A
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JP
Japan
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fulcrum
cover
friction material
diaphragm spring
clutch assembly
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Application number
JP28387195A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Watanabe
和行 渡邊
Tomohiro Saeki
智洋 佐伯
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摩擦材48の摩耗があっても、作動支点Xの位
置を追従させ、これによりダイヤフラムスプリング3の
姿勢の変化を抑制し、以てクラッチペダルのフィーリン
グ感の変動を抑制するのに有利にすること。 【解決手段】クラッチ組付体は、カバー1と、摩擦材4
8を押圧するプレッシャプレート4と、摩擦材48をフ
ライホイールに圧接する付勢力を作動支点Xを介してプ
レッシャプレート4に付与するダイヤフラムスプリング
3と、支点移動機構6とをもつ。支点移動機構6は、摩
擦材48の摩耗に伴うプレッシャプレート4の変位に対
応して作動支点Xをカバー1の軸長方向つまり矢印B1
方向に沿って摩擦材48に向けて変位させ、ダイヤフラ
ムスプリング3の姿勢を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチ組付体に関
する。本発明は例えば車両に使用されるクラッチ組付体
に使用できる。
【0002】
【従来の技術】クラッチ組付体は、駆動系の回転力を従
動系に伝達するにあたり回転力の接続及び遮断を図るも
のである。従来に係るクラッチ組付体の原理図を図16
に示す。図16から理解できる様には、従来に係るクラ
ッチ組付体は、カバー100と、フライホイール101
に摩擦材102を圧接するプレッシャプレート103
と、皿バネとして機能するダイヤフラムスプリング10
4とを具備している。
【0003】ダイヤフラムスプリング104は、ピボッ
トリング110でカバー100に支持されている。従っ
てピボットリング110は、ダイヤフラムスプリング1
04が作動する際の作動支点Xを構成する。上記したク
ラッチ組付体によれば、クラッチペダルが踏まれていな
いときには、ダイヤフラムスプリング104の付勢力で
プレッシャプレート103が矢印K1方向に付勢され、
これにより摩擦材102がフライホイール101に圧着
している。この場合には摩擦材102の摩擦力で回動力
が伝達される。
【0004】一方、クラッチペダルを踏んでクラッチに
よる接続を遮断操作する際には、クラッチペダルの踏込
みに伴い可動体106が矢印K1方向へ移動し、これに
よりダイヤフラムスプリング104の内端部104cが
同方向に移動し、ピボットリング110で構成された作
動支点Xを支点としてダイヤフラムスプリング104が
作動し、よってダイヤフラムスプリング104がプレッ
シャプレート103を押圧することが解除され、この結
果プレッシャプレート103が矢印K2方向に移動す
る。従ってプレッシャプレート103が摩擦材102か
ら離れる。これにより回動力の伝達が遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで使用が長期に
わたると、摩擦材102の摩擦面が摩耗する。すると、
ダイヤフラムスプリング104の姿勢が次第に変化する
傾向となる。具体的には、ダイヤフラムスプリング10
4の姿勢が次第に立つ。この場合には、ダイヤフラムス
プリング104のバネ特性としてダイヤフラムスプリン
グ104のバネ荷重が増加する。そのため、クラッチに
よる接続を遮断する際の荷重であるレリーズ荷重が増加
し、ひいてはクラッチペダルを踏む踏力のフィーリング
感が重くなる。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、各請求項の共通課題は、摩擦材の摩耗があって
も、作動支点の位置を追従させて変位させ、これにより
ダイヤフラムスプリングの姿勢の変化を抑制し、以てク
ラッチペダルのフィーリング感の変動を抑制するのに有
利なクラッチ組付体及び支点移動機構を提供するにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】
○請求項1に係るクラッチ組付体は、カバーと、フライ
ホイールに摩擦材を圧接するプレッシャプレートと、カ
バーとプレッシャプレートとの間に介装され、摩擦材を
フライホイールに圧接する付勢力を作動支点を介してプ
レッシャプレートに付与するダイヤフラムスプリング
と、摩擦材の摩耗に伴うプレッシャプレートの変位に対
応して作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向
けて変位させてダイヤフラムスプリングの姿勢を規制す
る支点移動機構とを具備し、支点移動機能により作動支
点の移動に伴い、ダイヤフラムスプリングの姿勢を規制
することを特徴とするものである。
【0008】カバーは、クラッチ組付体の内部構造の少
なくとも主要部分を覆うものであり、ダイヤフラムスプ
リングを直接的にまたは間接的に保持する機能をもつ。
ダイヤフラムスプリングは一般的には皿バネ状である。
これによれば、摩擦材が摩耗したとしても、支点移動機
構により、ダイヤフラムスプリングの作動支点の位置を
追従させて変位させ得る。これによりダイヤフラムスプ
リングの姿勢の変化を抑制し、クラッチペダルのフィー
リング感の変動、つまりクラッチペダルが重くなること
を抑制することができる。よってクラッチの長寿命化に
貢献できる。 ○請求項2に係るクラッチ組付体によれば、請求項1に
おいて、支点移動機構は、第1螺子部を備えた第1保持
部と、第1螺子部に螺合退可能に螺合する第2螺子部を
備えた第2保持部と、第1螺子部と第2螺子部と螺合に
伴い作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向け
て変位させることを特徴とするものである。
【0009】これによれば、作動支点をカバーの軸長方
向に沿って摩擦材を向けて変位させるにあたり、第1螺
子部と第2螺子部との螺合を利用している。そのため、
無段階で作動支点の位置を調整できる。故にダイヤフラ
ムスプリングの姿勢を無段階で調整でき、ダイヤフラム
スプリングの姿勢の変動を抑制するのに有利である。 ○請求項3に係るクラッチ組付体によれば、請求項1に
おいて、支点移動機構は、第1斜面と、第1斜面と対応
する第2斜面と、第1斜面及び第2斜面の斜面方向にお
ける相対変位に伴い、作動支点をカバーの軸長方向に沿
って摩擦材に向けて変位させることを特徴とするもので
ある。
【0010】これによれば、第1斜面及び第2斜面の相
対変位により、無段階で作動支点の位置を調整できる。
従って、無段階で作動支点の位置を調整できる。故にダ
イヤフラムスプリングの姿勢を無段階で調整でき、ダイ
ヤフラムスプリングの姿勢の変動を抑制するのに有利で
ある。 ○請求項4に係るクラッチ組付体によれば、請求項1に
おいて、支点移動機構は、カバーに形成された第1斜面
と、カバーに対して相対変位可能に設けられた保持部
と、保持部に形成され第1斜面と対応する第2斜面と、
第1斜面及び第2斜面の斜面方向における相対変位に伴
い、作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向け
て変位させることを特徴とするものである。
【0011】これによれば、支点移動機構の第1斜面が
カバーに形成されているため、第1斜面をもつ部品を別
途設けずとも良く、部品点数の低減に有利である。 ○請求項5に係るクラッチ組付体によれば、請求項2に
おいて、支点移動機構は、作動支点をカバーの軸長方向
に沿って摩擦材に向けて変位させる方向に、第1保持部
及び第2保持部の少なくとも一方を付勢する付勢手段を
もつことを特徴とするものである。付勢手段としては各
種バネ、例えばコイルバネ、板バネ、皿バネ等を採用で
きる。
【0012】これによれば、付勢手段が設けられている
ので、摩擦材の摩耗に伴い、付勢手段の付勢力で、作動
支点はカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向けて自動的
に変位する。 ○請求項6に係るクラッチ組付体によれば、請求項1に
おいて、支点移動機構の第1斜面は、第1斜面の傾斜方
向に沿って並設された複数個の第1係合部をもち、第2
斜面は、第2斜面の傾斜方向に沿って並設され第1係合
部と係合可能な複数個の第2係合部をもつことを特徴と
するものである。
【0013】これによれば、第1係合部と第2係合部と
の係合作用により、第1保持部と第2保持部とを小さな
ステップ幅で変位させ得る。更に戻りに対するストッパ
効果も期待できる。そのため小さなステッパ幅で作動支
点の位置を調整できる。故にダイヤフラムスプリングの
姿勢を微小変位づづ調整できる。 ○請求項7に係るクラッチ組付体によれば、請求項1〜
請求項6のいずれかにおいて、ダイヤフラムスプリング
は、プレッシャプレートのうち摩擦材を押圧する押圧面
と背向する様に、カバーの外側に配置されていることを
特徴とするものである。
【0014】これによれば、摩擦材の摩擦面からダイヤ
フラムスプリングを距離的に離すのに有利である。その
ため摩擦材の摩擦熱の影響がダイヤフラムスプリングに
及ぶことを軽減、回避するのに有利であり、ダイヤフラ
ムスプリングの保護性が向上する。そのため摩擦熱の影
響でダイヤフラムスプリングのバネ弾性が変動すること
を抑制できる。 ○請求項8に係るクラッチ組付体は、カバーと、フライ
ホイールに摩擦材を圧接するプレッシャプレートと、カ
バーとプレッシャプレートとの間に介装され、摩擦材を
フライホイールに圧接する付勢力を作動支点を介してプ
レッシャプレートに付与するダイヤフラムスプリングと
を具備するクラッチ組付体において、カバーは、カバー
の軸長方向に沿って摩擦材に向けて変位可能な梁部材を
備え、梁部材は、ダイヤフラムスプリングの作動支点を
保持する作動支点保持部を備えており、摩擦材の摩耗に
伴うプレッシャプレートの変位に対応して梁部材をカバ
ーの軸長方向に伸ばして作動支点をカバーの軸長方向に
沿って摩擦材に向けて変位させてダイヤフラムスプリン
グの姿勢を規制することを特徴とするものである。
【0015】これによれば、梁部材はカバーの軸長方向
に沿って変位可能であるため、ダイヤフラムスプリング
の作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向けて
変位させるのに有利である。 ○請求項9に係るクラッチ組付体によれば、請求項8に
おいて、梁部材は、カバーの周方向に沿って所定間隔を
隔てて個別にカバーに固定された複数個の固定部と、各
固定部と一体的をなす複数個の梁腕部とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0016】これによれば、カバーの周方向に沿って梁
部材が分割されているため、1つの梁部材が損傷したと
しても、それのみの梁部材を交換することが可能とな
る。また複数個の梁部材でダイヤフラムスプリングを保
持するので、ダイヤフラムスプリングの分散保持性が向
上する。 ○請求項10に係るクラッチ組付体によれば、請求項8
において、梁部材の梁腕部は、平面図において渦巻き状
または円弧状をなしていることを特徴とするものであ
る。
【0017】これによれば梁部材の梁腕部のスパン長が
長くなり、梁腕部の変位量が確保され易くなる。故にダ
イヤフラムスプリングの作動支点をカバーの軸長方向に
沿って摩擦材に向けて変位させるのに有利である。 ○請求項11に係る支点移動機構は、作動支点を備えた
ダイヤフラムスプリングをもつクラッチ組付体に装備さ
れるものであって、クラッチ組付体に回動変位可能に保
持された回動変位部と、クラッチ組付体にカバーの軸長
方向に沿って直動変位可能に保持され該作動支点を保持
する直動変位部と、回動変位部の回動変位を該直動変位
部の直動変位に方向変換し、方向変換に伴いカバーの軸
長方向に沿って摩擦材に向けて作動支点を変位させる方
向変換部と、クラッチ組付体に設けられ摩擦材から遠ざ
かる方向への作動支点の戻りを抑制するロック手段とを
具備することを特徴とするものである。
【0018】これによれば、摩擦材の摩耗に伴うプレッ
シャプレートの変位に対応して回動変位部を回動変位さ
せ、その回動変位を直動変位部の直動変位に方向変換し
て、作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向け
て変位させる。そのため、摩擦材が摩耗したとしても、
ダイヤフラムスプリングの作動支点を追従させて変位さ
せ得る。従って、ダイヤフラムスプリングの姿勢の変動
を抑制するのに有利である。従ってクラッチペダルのフ
ィーリング感の変動、つまりクラッチペダルが重くなる
のを抑えるのに有利である。
【0019】しかも作動支点の戻りを抑制するロック手
段が設けられているため、ダイヤフラムスプリングの姿
勢が立つ方向への戻り現象を抑制または回避できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施態様を具体
的に説明する。 (実施態様1) (構成)図1〜図4は実施態様1を示す。図1は主要部
の断面を示す。図3は平面形態を一部破断して示す。カ
バー1は金属製のクラッチカバーであり、リング状をな
している。カバー1は、径外方向に向かう外フランジ部
10と、軸長方向に沿う筒形状の立壁部11と、径内方
向に向かう内フランジ部12とを備えている。
【0021】カバー1には金属製の梁部材2が複数個装
備されている。即ち、各梁部材2は、カバー1の周方向
に沿ってリベット20により固定された固定部21と、
固定部21の内周部から一体的に延設された複数個の梁
腕部22とを備えている。梁腕部22は、固定部21の
内周部から径内方向に延設された第1腕22sと、第1
腕22sからカバー1の軸長方向つまり矢印B1方向に
沿って延設された第2腕22tとを備えている。
【0022】図2及び図3に示す様に、隣設する梁腕部
22の間には円弧状の逃げ溝23が形成されている。こ
の結果、図3に示す様に梁部材2は、『渦巻状の形態』
とされている。本実施態様によれば、梁部材2は合計3
個、カバー1の周方向に沿って1周する様に固定されて
いる。なお数個は3個に限定されるものでなく、適宜選
択できる。
【0023】図1から理解できる様に梁腕部22は、こ
れの第2腕部22tがカバー1の軸長方向に沿って矢印
B1方向に弾性変位可能となる様にされている。梁腕部
22は曲成部分22i、22hをもち、これにより梁腕
部22とカバー1との間には梁腕部22の弾性撓み量を
確保するための空間24が形成されている。図1に示す
様に梁腕部22の第2腕部22tの先端部は径外方向に
曲成され、ダイヤフラムスプリング3の作動支点Xを支
持するための作動支点保持部22pとされている。
【0024】プレッシャプレート4は、摩擦材48をフ
ライホイールに圧着させるものである。プレッシャプレ
ート4は金属製であり、摩擦材48を押圧する押圧面4
fをもつ比較的肉厚のリング状のプレート部40と、プ
レート部40と一体的な突部41とを備えている。ダイ
ヤフラムスプリング3は、カバー1とプレッシャプレー
ト4との間に介装されており、プレッシャプレート4の
突部41を付勢しており、摩擦材48を圧接する付勢力
をプレッシャプレート4に付与するものである。
【0025】ダイヤフラムスプリング3は、プレッシャ
プレート4、カバー1、梁部材2と実質的に同軸的配置
とされている。なお図4に示す様にダイヤフラムスプリ
ング3は、略円形状の皿バネ形態をなしており、中央円
孔3aと複数個の放射溝3bとをもつ。図1から理解で
きる様に、ダイヤフラムスプリング3とカバー1との間
には支点移動機構6が装備されている。支点移動機構6
は、第1螺子部61を備えたリング状をなす金属製また
は樹脂製の第1保持部63と、第1螺子部61に螺合す
る第2螺子部62を備えたリング状をなす金属製または
樹脂製の第2保持部64と、付勢手段としてのコイルバ
ネ66とを備えている。
【0026】図1から理解できる様に第1保持部63は
第2保持部64の径外側に同軸的に配置されている。コ
イルバネ66は第2保持部64の径外側に配置されてい
る。図1から理解できる様に第1螺子部61は斜面61
aと立面61cとを備えている。第2螺子部62は、斜
面61aに対面する斜面62aと、立面61cに対面す
る立面62cとを備えている。
【0027】更に本実施態様によれば、第1螺子部61
の立面61cと第2螺子部62の立面62cとが対面し
ているため、矢印B2方向に第2保持部64を直動変位
させる外力が第2保持部64に作用したとしても、その
外力で第1保持部63が矢印B2方向に戻ることは抑止
されている。これにより第2保持部64の戻り防止を図
るロック手段が得られる。即ち本実施態様の支点移動機
構6は、ダイヤフラムスプリング3の作動支点Xの戻り
に対するロック手段を備えている。
【0028】図1から理解できる様に第2保持部64の
溝64kには、第2のピボットリング72が保持されて
いる。梁腕部22の作動支点保持部の第1のピボットリ
ング71と第2のピボットリング72とにより、ダイヤ
フラムスプリング3の支点部分は挟持されている。従っ
て第1のピボットリング71と第2のピボットリング7
2とは、ダイヤフラムスプリング3の作動支点Xとして
機能できる。なお第1のピボットリング71と第2のピ
ボットリング72は横断面円形状であり、ダイヤフラム
スプリング3と略同軸的に配置されている。
【0029】図1から理解できる様に、クラッチペダル
が踏まれていないときには、ダイヤフラムスプリング3
のバネ力によりダイヤフラムスプリング3の外端部3c
はプレッシャプレート4の突部41に圧接し、プレッシ
ャプレート4の押圧面4fを摩擦材48に押圧する。こ
れにより摩擦材48の摩擦面がフライホイールに圧着す
る。ここで複数個の梁腕部22の全部の合計弾性支持荷
重をP1とし、圧着を解除するための荷重をP3とす
る。P1とP3とは釣り合っている。
【0030】一方、回動力の伝達を遮断すべくクラッチ
ペダルが踏まれたときには、ダイヤフラムスプリング3
は作動支点Xを介して揺動作動する。即ち、ダイヤフラ
ムスプリング3の内端部3eは矢印C1方向に変位し、
ダイヤフラムスプリング3の外端部3cは摩擦材48か
ら離れる様に矢印C2方向に変位し、これによりプレッ
シャプレート4が摩擦材48から離れ、回動力の伝達が
遮断される。
【0031】図3、図1を参照して更に説明を加える。
すなわち第1保持部63は周方向つまり図3に示す矢印
A1方向に回動変位が許容されているものの、カバー1
の軸長方向つまり図1に示す矢印B1方向へは変位でき
ぬ様にされている。第2保持部64は周方向つまり矢印
A1方向に回動変位できぬものの、カバー1の軸長方向
つまり矢印B1方向に直動変位できる様にされている。
【0032】図3に示す様にカバー1には座突部1hが
固定されている。座突部1hと対面する様に、第1保持
部63に突部63hが形成されている。コイルバネ66
は、第1保持部63の突部63hとカバー1の座突部1
hとの間に介装されている。コイルバネ66の軸芯は周
方向に沿う形態に規定されている。従ってコイルバネ6
6の付勢力で第1保持部63は周方向つまり矢印A1方
向に常時付勢されている。但し、図1に示す様にダイヤ
フラムスプリング3が第2保持部64を矢印B2方向に
付勢しているので、通常の状態では第1保持部63は回
転しない。
【0033】しかしピボットリング72とダイヤフラム
スプリング3との間に隙間が形成されると、コイルバネ
66の付勢力で第1保持部63が周方向つまり矢印A1
方向に付勢されて回動変位する。すると、第1保持部6
3はカバー1の軸長方向へは変位できぬため、第1螺子
部61と第2螺子部62との螺合関係により、変位の方
向が転換され、第2保持部64がカバー1の軸長方向つ
まり矢印B1方向に摩擦材48に向けて直動変位する。
【0034】従って本実施態様によれば、回動可能な第
1保持部63は回動変位部として機能し、直動可能な第
2保持部64は直動変位部として機能し、第1螺子部6
1及び第2螺子部62は、回動変位部の回動変位を、直
動変位部の直動変位に変換する方向変換部として機能す
る。さて本実施態様の作用について説明する。図1から
理解できる様にダイヤフラムスプリング3の姿勢は水平
に近いものである。しかしながら使用が長期にわたる
と、摩擦材48が摩耗して薄くなる。これに伴いダイヤ
フラムスプリング3により付勢されているプレッシャプ
レート4が矢印B1方向に沿って変位する。従って通常
の使用状態において、換言すればプレッシャプレート4
が摩擦材48を押圧しているときには、ダイヤフラムス
プリング3の外端部3cが矢印B1方向に片寄る。従っ
てダイヤフラムスプリング3の姿勢が立つ傾向となる。
【0035】この様にダイヤフラムスプリング3の姿勢
が立てば、ダイヤフラムスプリング3のバネ特性からし
て、ダイヤフラムスプリング3のバネ荷重P2が増加す
る。その結果、前述した様にクラッチペダルを踏込んで
ダイヤフラムスプリング3を作動支点Xを支点として作
動させる際に、フィーリング感が重くなる様に運転者は
感じるので、好ましくない。
【0036】摩擦材48の摩耗に伴いダイヤフラムスプ
リング3のバネ荷重P2が増加すれば、クラッチを遮断
する際におけるクラッチペダルを踏込む際の踏力に基づ
く作動力P3も増大しなければならない。故に、クラッ
チペダルを踏んだときに、踏力に基づく作動力P3が梁
腕部22のバネ荷重P1に打ち勝ち(P3>P1)、こ
れに伴い梁腕部22の第2腕部22tの先端部が矢印B
1方向へ変位する。
【0037】すると、ダイヤフラムスプリング3と第2
のピボットリング72との間に隙間が形成される。する
と、コイルバネ66で付勢されている第1保持部63が
図3に示す矢印A1方向に自動的に回動変位する。よっ
て、第1螺子部61と第2螺子部62との螺合関係によ
り、第1保持部63の回動変位が第2保持部64の直動
変位に変換され、この結果、第2保持部64が矢印B1
方向に直動変位する。
【0038】この結果、第1のピボットリング71及び
第2のピボットリング72で構成される作動支点Xが矢
印B1方向に摩擦材48に向けて追従して変位する。こ
の様な追従変位により、ダイヤフラムスプリング3の姿
勢が立つことが抑制される。 (実施態様の効果)以上説明した様に摩擦材48の摩耗
に伴い、ダイヤフラムスプリング3の作動支点Xが矢印
B1方向に追従して変位する。よって、摩擦材48が摩
耗した後におけるダイヤフラムスプリング3の姿勢が、
摩擦材48が摩耗する前のダイヤフラムスプリング3の
姿勢の状態に比較して、変動するのを抑制するのに有利
となる。即ち、ダイヤフラムスプリング3の姿勢が立つ
のを抑制するのに有利である。
【0039】この結果、クラッチペダルを踏んだ際の踏
力の変動も防止でき、クラッチペダルを踏む際のフィー
リング感の変動、つまりクラッチペダルが重くなる感じ
を抑制できる。この様に摩擦材48が摩耗しても、クラ
ッチペダルのフィーリング感の変動を抑制できるので、
クラッチ組付体の寿命の向上に貢献できる。更に本実施
態様によれば図3から理解できる様に、梁部材2の梁腕
部22は、平面図において渦巻き状とされているため、
梁腕部22のスパン長さを長くするのに有利であり、梁
腕部22の弾性伸長量を確保するのに有利である。しか
も図1に示す様に梁腕部22の弾性伸長を許容する空間
24が形成されているため、なおさらである。即ち梁腕
部22の低剛性化に一層有利である。従ってカバー1の
軸長方向である矢印B1方向における支点移動機構6の
支点移動可能量を確保するのに有利である。
【0040】更に本実施態様によれば複数個の梁部材2
は個別にカバー1に固定しているため、梁部材2の1個
が損傷しても、全体を交換せずとも、損傷した梁部材2
のみを直ちに交換すれば良い。仮に、カバー1の周方向
に並設されている複数個の梁部材2を一体的に成形する
場合には、金属板をプレスにより打ち抜くことにする
が、梁部材2の中央孔(ダイヤフラムスプリング3の中
央円孔3aや放射溝3bに対面する領域)の材料が無駄
となり、材料コストの面で不利である。この点本実施態
様によれば、複数個の梁部材2は個別にカバー1に固定
されている構造が採用されているため、1枚の金属板か
らできるだけ多数の梁部材2を打ち抜くことが可能とな
り、歩留りの向上を図り得、材料コストの低減に貢献で
きる。
【0041】また本実施態様によれば、梁部材2には複
数個の梁腕部22が形成され、梁腕部22の第2腕22
tは個別に変位可能であるため、各梁腕部22の第2腕
22tの作動支点保持部22pがそれぞれダイヤフラム
スプリング3を保持するのに有利である。よってダイヤ
フラムスプリング3の分散保持性が向上する。加えて本
実施態様によれば、支点移動機構6は、第1保持部63
の第1螺子部61と第2保持部64との螺合構造を利用
している。そのため、矢印B1方向において作動支点X
の位置を無段階で調整できる利点をもつ。そのためダイ
ヤフラムスプリング3の姿勢を無段階で調整するのに有
利である。従ってクラッチペダルのフィーリングの変動
を抑制するのに有利である。
【0042】更に本実施態様によれば、第1螺子部61
の立面61cと第2螺子部62の立面62cとが対面し
ている。そのため、図1に示す矢印B2方向の強い直動
外力が第2保持部64に作用したとしても、その力で第
2保持部64が矢印B2方向に戻ることは抑止されてい
る。即ち第2保持部64の戻り、つまり作動支点Xの戻
りに対するロック手段が得られる。故に、矢印B2方向
に向かう外力が第2保持部64に作用したとしても、ダ
イヤフラムスプリング3の姿勢が立つことを防止するの
に有利である。
【0043】摩擦材48の摩擦面は摩擦に伴い高温化し
易い。クラッチの種類にもよるが、数100℃程度に到
達することもあると考えられている。この点本実施態様
によれば、梁部材2は摩擦材48からできるだけ離間す
る様にカバー1の内フランジ部12に固定されているた
め、摩擦に伴う熱から梁部材2を保護するのに有利であ
る。よって摩擦熱に起因する梁部材2のバネ弾性率の変
動を抑制するのに有利である。
【0044】(実施態様2)図5〜図7に実施態様2を
示す。実施態様2は実施態様1と基本的には同様の構成
であり、基本的には同様の作用効果を奏する。図5に示
す支点移動機構6の矢視Mを図6に示し、支点移動機構
6の動作後の状態を図7に示す。図6及び図7に示す様
に、支点移動機構6の一部を構成する板状のカバー1に
は、周方向つまり矢印A1方向に沿って適数個の第1斜
面74及び第1立面75が連続波形状にプレス成形等に
より形成されている。
【0045】更に樹脂製または金属製の保持部63に
も、周方向つまり矢印A1方向に沿って適数個の第2斜
面76及び第2立面77が連続波形状に形成されてい
る。そして、付勢手段としてのコイルバネ66の付勢力
により、保持部63は矢印A1方向(図6、図7参照)
に付勢されている。従って前述の様にクラッチペダルの
踏込みに伴い、踏力に基づく作動力P3が梁腕部22の
バネ荷重P1に打ち勝ち(P3>P1)、これによりピ
ボットリング72とダイヤフラムスプリング3との間に
隙間が形成されると、コイルバネに付勢されている保持
部63が矢印A1方向に回動変位する。
【0046】即ち、図7から理解できる様に第1斜面7
4に沿って第2斜面76が距離ΔLb回動変位すると、
その回動変位方向と直交する方向である矢印B1方向に
保持部63が距離ΔLa変位する。よって本実施態様に
おいても、実施態様1の場合と同様に、摩擦材48の摩
耗に伴い、第1のピボットリング71及び第2のピボッ
トリング72で構成される作動支点Xが矢印B1方向に
追従して変位する。
【0047】よって、摩擦材48が摩耗した後における
ダイヤフラムスプリング3の姿勢が、摩擦材48が摩耗
する前のダイヤフラムスプリング3の姿勢の状態に比較
して、変動するのを抑制するのに有利となる。即ち実施
態様1と同様に、ダイヤフラムスプリング3の姿勢が立
つのを抑制するのに有利である。この様にダイヤフラム
スプリング3の姿勢の変動が抑制されれば、クラッチペ
ダルを踏んだ際の踏力の変動も防止でき、クラッチペダ
ルを踏む際のフィーリングの変動、つまりクラッチペダ
ルが重くなる感じを抑制できる。この様にクラッチペダ
ルのフィーリング感の変動を抑制できるので、クラッチ
組付体の寿命の向上に貢献できる。
【0048】この実施態様によれば、図6及び図7から
理解できる様に作動支点Xが矢印B1方向に変位できる
最大距離は、立面77の高さΔLc相当ぶんである。第
1斜面74及び第2斜面76の傾斜角は適宜選択できる
ものである。 (実施態様3)図8は実施態様3を示す。実施態様3
は、図5〜図7に示す実施態様2と基本的には同様の構
成であり、同様の機能を奏する部位には同一の符号を付
する。この実施態様によれば、カバー1の周方向つまり
矢印A1方向に沿って複数個の第1斜面74が並設され
ており、各第1斜面74において、第1立面74aをも
つ第1係合部74bを複数個並設している。
【0049】この場合には、保持部63に形成されてい
る第2斜面76においても、第2立面76aをもつ第2
係合部76bを複数個並設する。この場合においてもコ
イルバネ66の付勢力が保持部63は矢印A1方向へ付
勢されている。よって図8から理解できる様に保持部6
3が矢印A1方向に距離ΔLe回動変位すると、第1立
面74aと第2立面76aとが係合するので、微小ステ
ップ幅ごとにストッパ機能を奏する。よって保持部63
が逆方向つまり矢印A2方向に回ることを防止できる。
【0050】(実施態様4)図9は実施態様4を示す。
実施態様4は図5〜図7に示す実施態様2と基本的には
同様の構成である。各第1斜面74において、第1立面
74hをもつ平坦な第1係合部74iを複数個並設して
いる。この場合には、保持部63に形成されている第2
斜面76において、第2立面76hをもつ平坦な第2係
合部76iを複数個形成する。この場合には、コイルバ
ネ66の付勢力で保持部63が矢印A1方向に距離ΔL
e回動変位すると、第1立面74hと第2立面76hと
が係合するので、微小ステップ幅ごとにストッパ機能を
奏する。
【0051】(実施態様5)図10及び図11に実施態
様5を示す。この場合には、支点移動機構6は、カバー
1の内フランジ部12に形成された直状に傾斜する斜面
12rと、斜面12rに沿って半径方向外方つまり矢印
E1方向に変位可能に設けられた可動式の樹脂または金
属製の保持部80と、保持部80を常時矢印E1方向に
付勢している付勢手段としてのスナップリング81とを
備えている。
【0052】スナップリング81はカバー1と略同軸的
配置とされている。保持部80の溝にはピボットリング
72が保持されている。斜面12rは、半径方向外方つ
まり矢印E1方向に向かうにつれてプレッシャプレート
4側に近づく様に傾斜している。保持部80には斜面1
2rに相応する斜面80rが形成されている。前述した
様にクラッチペダルの踏込みに伴いピボットリング72
とダイヤフラムスプリング3との間に隙間が生成される
と、スナップリング81の付勢力より、保持部80が矢
印E1方向に自動的に変位する。このとき斜面12rの
傾きにより保持部80が矢印B1方向に変位する。よっ
て、摩擦材48の摩耗に伴い、ピボットリング72で構
成される作動支点Xが矢印B1方向に追従して変位す
る。
【0053】よって、摩擦材48が摩耗した後における
ダイヤフラムスプリング3の姿勢が、摩擦材48が摩耗
する前のダイヤフラムスプリング3の姿勢の状態に比較
して、変動するのを抑制するのに有利となる。即ち、ダ
イヤフラムスプリング3の姿勢が立つのを抑制するのに
有利である。図10に示す実施態様によれば、保持部8
0をカバー1の径方向に移動させるので、カバー1の径
方向サイズを有効利用するのに有利である。なお保持部
80は、カバー1の周方向に沿って所定間隔を隔てて複
数個設けられている。
【0054】(実施態様6)図12及び図13は実施態
様6を示す。実施態様6は実施態様1と基本的には同様
の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。カ
バー1は金属製のリング状をなしており、外フランジ部
10と立壁部11と内フランジ部12とを備えている。
立壁部11と内フランジ部12との境界域には、舌片状
をなすストッパ部15が設けられている。
【0055】ダイヤフラムスプリング3とカバー1の内
フランジ部12との間には、リング状をなす金属製の皿
バネ85が配置されている。皿バネ85は、リング状を
なしており、カバー1やダイヤフラムスプリング3と同
軸的配置とされている。図13から理解できる様に皿バ
ネ85は、内周側のリング部85aと、外周側の爪部8
5cとを備えている。爪部85cはストッパ部15に係
止しており、これにより径方向における皿バネ85の位
置を規定するのに有利である。
【0056】図13に示す様にリング形状なす金属製ま
たは樹脂製のダイヤフラム保持部材9が設けられてい
る。図12に示す様にダイヤフラム保持部材9は横断面
でコの字形状をなしており、半径方向の外側に向く第1
壁部91と、カバー1の軸長方向にのびる第2壁部92
と、半径方向の外側に向く第3壁部93とを備えてい
る。第1壁部91と皿バネ85との間にダイヤフラムス
プリング3が保持されている。具体的にはピボットリン
グ71と皿バネ85のリング部85aの先端部85eと
で、ダイヤフラムスプリング3が挟持されており、ダイ
ヤフラムスプリング3の作動支点Xが構成されている。
【0057】この結果、図12から理解できる様に、ダ
イヤフラムスプリング3は、摩擦材48の摩擦面から遠
ざかる様にカバー1の外側に位置して保持されている。
この実施態様に係る支点移動機構6は、図6〜図9に示
す斜面方式が採用されている。従ってカバー1の内フラ
ンジ部12には斜面74が形成され、保持部63には、
斜面74と対応する斜面76が形成されている。
【0058】前述した様に摩擦材48の摩擦面は摩擦に
伴い高温化し易い。この点本実施態様によれば、図12
から理解できる様に、ダイヤフラムスプリング3は、摩
擦材48の摩擦面から遠ざかる様にカバー1の外側に位
置して保持されている。そのため摩擦に伴う熱からダイ
ヤフラムスプリング3を保護するのに有利である。よっ
て摩擦熱に起因するダイヤフラムスプリング3のバネ弾
性率の変動を抑制するのに有利である。
【0059】(実施態様7)図14及び図15は実施態
様7を示す。カバー1には支点移動機構6が装備されて
いる。支点移動機構6は、実施態様1の場合と基本的に
は同様の作用効果を奏するものであり、第1螺子部61
を備えたリング状の樹脂または金属製の第1保持部63
と、第1螺子部61に螺合する第2螺子部62を備えた
リング状の樹脂または金属製の第2保持部64と、付勢
手段としてのコイルバネ66とを備えている。第1保持
部63は第2保持部64の径外側に配置されている。コ
イルバネ66は第1保持部61の径内側に配置されてい
る。第2保持部64は周方向に回動変位できぬものの、
矢印B1方向に直動変位できる様にされている。
【0060】本実施態様によれば、リング形状のダイヤ
フラム保持部材9が設けられている。ダイヤフラム保持
部材9は横断面でコの字形状をなしており、半径方向の
外側に向く第1壁部91と、カバー1の軸長方向にのび
る第2壁部92と、半径方向の外側に向く第3壁部93
とを備えている。具体的にはピボットリング71と皿バ
ネ86の腕部86aの先端部86eとで、ダイヤフラム
スプリング3が挟持されてイル。故に、ピボットリング
71と皿バネ86の腕部86aの先端部86eとで、ダ
イヤフラムスプリング3の作動支点Xを構成している。
【0061】本実施態様においても、ダイヤフラムスプ
リング3は、摩擦材48の摩擦面から遠ざかる様にカバ
ー1の外側に位置して保持されており、摩擦熱からダイ
ヤフラムスプリング3を保護するのに有利である。図1
5に示す皿バネ86は、カバー1の周方向に1周する様
に一体成形されている形態でも良いし、或いは、カバー
1を1周する様に断続的に複数個並設されている形態で
も良い。また支点移動機構6の第1保持部63と第2保
持部64とがリング状に連続して形成されているので、
第1螺子部61と第2螺子部62とが相対移動する時の
両部材間のがたを可及的に少なくすることができる。
【0062】(他の例)図1に示す実施態様では梁部材
2を渦巻きの形態とすることにより、梁部材2の伸長量
を確保しているが、これに限らず、梁部材2の蛇腹部を
設けて伸長量を確保することにしても良い。図1に示す
実施態様では複数個の梁部材2がカバー1に固定される
が、これに限らず、カバー1に沿って1周する一体成形
型のリング状の梁部材を設けることにしても良い。
【0063】その他本発明は上記しかつ図面に示した実
施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない
範囲内で必要に応じて適宜選択できるものである。 (付記)上記した実施態様から次の技術的思想も把握で
きる。 ○各請求項に係る支点移動機構は、作動支点を無段階あ
るいは段階的に変位させ得る構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施態様1に係る要部の断面図である。
【図2】実施態様1に係る梁部材の要部の斜視図であ
る。
【図3】一部破断して示す実施態様1に係る平面図であ
る。
【図4】ダイヤフラムスプリングを模式的に示す斜視図
である。
【図5】実施態様2に係る要部の断面図である。
【図6】支点移動機構の要部の断面図である。
【図7】支点移動機構の要部の作動後の断面図である。
【図8】実施態様3に係る支点移動機構の要部の作動後
の断面図である。
【図9】実施態様4に係る支点移動機構の要部の作動後
の断面図である。
【図10】実施態様5に係る支点移動機構の要部の断面
図である。
【図11】実施態様5に係る支点移動機構の要部の平面
図である。
【図12】実施態様6に係る要部の断面図である。
【図13】一部破断して示す実施態様6に係る平面図で
ある。
【図14】実施態様7に係る要部の断面図である。
【図15】皿バネの斜視図である。
【図16】従来技術に係る原理説明図である。
【符号の説明】
図中、1はカバー、2は梁部材、22は梁腕部、22p
は作動支点保持部、3はダイヤフラムスプリング、4は
プレッシャプレート、6は支点移動機構、61は第1螺
子部、63は第1保持部、62は第2螺子部、64は第
2保持部、66はコイルバネ(付勢手段)Xは作動支
点、71、72はピボットリング、9はダイヤフラムス
プリング保持部材をそれぞれ示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カバーと、 フライホイールに摩擦材を圧接するプレッシャプレート
    と、 該カバーと該プレッシャプレートとの間に介装され、該
    摩擦材をフライホイールに圧接する付勢力を作動支点を
    介して該プレッシャプレートに付与するダイヤフラムス
    プリングと、 該摩擦材の摩耗に伴う該プレッシャプレートの変位に対
    応して該作動支点を該カバーの軸長方向に沿って該摩擦
    材に向けて変位させて該ダイヤフラムスプリングの姿勢
    を規制する支点移動機構とを具備し、 該支点移動機能により該作動支点の移動に伴い、該ダイ
    ヤフラムスプリングの姿勢を規制することを特徴とする
    クラッチ組付体。
  2. 【請求項2】支点移動機構は、第1螺子部を備えた第1
    保持部と、該第1螺子部に螺合する第2螺子部を備えた
    第2保持部と、該第1螺子部と該第2螺子部と螺合に伴
    い作動支点をカバーの軸長方向に沿って摩擦材に向けて
    変位させることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ
    組付体。
  3. 【請求項3】支点移動機構は、第1斜面と、該第1斜面
    と対応する第2斜面と、該第1斜面及び該第2斜面の斜
    面方向における相対変位に伴い、該作動支点を該カバー
    の軸長方向に沿って摩擦材に向けて変位させることを特
    徴とする請求項1に記載のクラッチ組付体。
  4. 【請求項4】支点移動機構は、該カバーに形成された第
    1斜面と、該カバーに対して相対変位可能に設けられた
    保持部と、該保持部に形成され該第1斜面と対応する第
    2斜面と、該第1斜面及び該第2斜面の斜面方向におけ
    る相対変位に伴い、作動支点を該カバーの軸長方向に沿
    って摩擦材に向けて変位させることを特徴とする請求項
    1に記載のクラッチ組付体。
  5. 【請求項5】支点移動機構は、作動支点をカバーの軸長
    方向に沿って摩擦材に向けて変位させる方向に、第1保
    持部及び第2保持部の少なくとも一方を付勢する付勢手
    段をもつことを特徴とする請求項2に記載のクラッチ組
    付体。
  6. 【請求項6】支点移動機構の第1斜面は、該第1斜面の
    傾斜方向に沿って並設された複数個の第1係合部をも
    ち、 第2斜面は、該第2斜面の傾斜方向に沿って並設され該
    第1係合部と係合可能な複数個の第2係合部をもつこと
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のクラッチ
    組付体。
  7. 【請求項7】ダイヤフラムスプリングは、プレッシャプ
    レートのうち摩擦材を押圧する押圧面と背向する様に、
    カバーの外側に配置されていることを特徴とする請求項
    1〜請求項6のいずれかに記載のクラッチ組付体。
  8. 【請求項8】カバーと、 フライホイールに摩擦材を圧接するプレッシャプレート
    と、 該カバーと該プレッシャプレートとの間に介装され、該
    摩擦材をフライホイールに圧接する付勢力を作動支点を
    介して該プレッシャプレートに付与するダイヤフラムス
    プリングとを具備するクラッチ組付体において、 該カバーは、該カバーの軸長方向に沿って摩擦材に向け
    て変位可能な梁部材を備え、 該梁部材は、該ダイヤフラムスプリングの該作動支点を
    保持する作動支点保持部を備えており、 該摩擦材の摩耗に伴う該プレッシャプレートの変位に対
    応して該梁部材を該カバーの軸長方向に伸ばして該作動
    支点を該カバーの軸長方向に沿って摩擦材に向けて変位
    させて該ダイヤフラムスプリングの姿勢を規制すること
    を特徴とするクラッチ組付体。
  9. 【請求項9】梁部材は、カバーの周方向に沿って所定間
    隔を隔てて該カバーに個別に固定された複数個の固定部
    と、各該固定部と一体的をなす複数個の梁腕部とを備え
    ていることを特徴とする請求項8に記載のクラッチ組付
    体。
  10. 【請求項10】梁部材の梁腕部は、平面図において渦巻
    き状または円弧状をなしていることを特徴とする請求項
    8に記載のクラッチ組付体。
  11. 【請求項11】作動支点を備えたダイヤフラムスプリン
    グをもつクラッチ組付体に装備されるものであって、 該クラッチ組付体に回動変位可能に保持された回動変位
    部と、 該クラッチ組付体にカバーの軸長方向に沿って直動変位
    可能に保持され該作動支点を保持する直動変位部と、 該回動変位部の回動変位を該直動変位部の直動変位に方
    向変換し、方向変換に伴いカバーの軸長方向に沿って摩
    擦材に向けて該作動支点を変位させる方向変換部と、 該クラッチ組付体に設けられ摩擦材から遠ざかる方向に
    該作動支点の戻りを抑制するロック手段とを具備するこ
    とを特徴とする支点移動機構。
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