JPH09125133A - 真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法 - Google Patents
真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法Info
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- JPH09125133A JPH09125133A JP28411695A JP28411695A JPH09125133A JP H09125133 A JPH09125133 A JP H09125133A JP 28411695 A JP28411695 A JP 28411695A JP 28411695 A JP28411695 A JP 28411695A JP H09125133 A JPH09125133 A JP H09125133A
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- Japan
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- vacuum degassing
- carbon
- space
- vacuum
- refractory
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課 題】 炭素含有耐火物の背面酸化・脱炭を好適に
抑制し、槽寿命の延長を可能とする真空脱ガス装置の壁
構造及び内張り保護方法を提供する。 【解決手段】 炭素を含有するワーク耐火物(6) で内張
りされた脱ガス槽の外殻鉄皮(8A,8B) の1部又は全部
を、間に空間(9) を設けた2重構造とし、この空間を、
真空脱ガス処理中は真空とし又はそこに低熱伝導率のガ
スを封入し、待機中はそこに冷却媒体を流す。
抑制し、槽寿命の延長を可能とする真空脱ガス装置の壁
構造及び内張り保護方法を提供する。 【解決手段】 炭素を含有するワーク耐火物(6) で内張
りされた脱ガス槽の外殻鉄皮(8A,8B) の1部又は全部
を、間に空間(9) を設けた2重構造とし、この空間を、
真空脱ガス処理中は真空とし又はそこに低熱伝導率のガ
スを封入し、待機中はそこに冷却媒体を流す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の精錬に用い
られる真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法に関
し、特に、炭素含有耐火物で内張りされた溶鋼用の真空
脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法に関する。
られる真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法に関
し、特に、炭素含有耐火物で内張りされた溶鋼用の真空
脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の真空脱ガス処理は、水素などの気
体に起因する高級鋼の欠陥をなくす目的で開発使用され
たのであるが、最近では脱酸・脱炭処理、連続鋳造を目
的とした普通鋼の大量処理、特殊鋼の製造等、その用途
は急速に拡大されている。この真空脱ガス処理には、例
えば図2に模式図で示すRH式真空脱ガス装置のような
真空脱ガス装置が用いられる。
体に起因する高級鋼の欠陥をなくす目的で開発使用され
たのであるが、最近では脱酸・脱炭処理、連続鋳造を目
的とした普通鋼の大量処理、特殊鋼の製造等、その用途
は急速に拡大されている。この真空脱ガス処理には、例
えば図2に模式図で示すRH式真空脱ガス装置のような
真空脱ガス装置が用いられる。
【0003】真空脱ガス装置は、基本的には図2(a)
に示されるように下端に浸漬管4を有する脱ガス槽3か
らなり、真空脱ガス処理時には、例えば“真空脱ガス
法”昭和54年5月15日・耐火物技術協会発行第71〜373
頁にも記載されているように、取鍋2内の溶鋼1に浸漬
管4を浸漬し、脱ガス槽3内を真空減圧して溶鋼1を吸
い上げ、流入飛散させて脱ガス処理が行われる。なお、
5はスラグである。そして、チャージ単位での真空脱ガ
ス処理の合間には、図2(b)に示すように、浸漬管4
が溶鋼1から引き上げられた状態にあるが、このとき
に、普通、外部から空気10が侵入する。
に示されるように下端に浸漬管4を有する脱ガス槽3か
らなり、真空脱ガス処理時には、例えば“真空脱ガス
法”昭和54年5月15日・耐火物技術協会発行第71〜373
頁にも記載されているように、取鍋2内の溶鋼1に浸漬
管4を浸漬し、脱ガス槽3内を真空減圧して溶鋼1を吸
い上げ、流入飛散させて脱ガス処理が行われる。なお、
5はスラグである。そして、チャージ単位での真空脱ガ
ス処理の合間には、図2(b)に示すように、浸漬管4
が溶鋼1から引き上げられた状態にあるが、このとき
に、普通、外部から空気10が侵入する。
【0004】従来の脱ガス槽3の壁構造は、例えば図3
の断面図に示されるように、内側から順にワーク耐火物
6、介在層7、外殻鉄皮8で構成されている。内張り用
のワーク耐火物6の材質は、耐溶損性、耐スラグ性に優
れるマグネシア−クロム質耐火物が最も一般的である。
しかし、マグネシア−クロム質耐火物は、溶鋼処理・待
機の繰り返しの間にスラグを吸収して変質層を生成し、
この変質層に亀裂を発生する所謂構造的スポーリングを
起こして、耐火物の剥離・脱落が生じる欠点がある。特
に、処理間隔の長い真空脱ガス装置では、処理間隔の短
いものに比べ、かかる損傷の度が大きく脱ガス槽耐火物
寿命(槽寿命と略称する)が1/2〜1/3程度と短
い。
の断面図に示されるように、内側から順にワーク耐火物
6、介在層7、外殻鉄皮8で構成されている。内張り用
のワーク耐火物6の材質は、耐溶損性、耐スラグ性に優
れるマグネシア−クロム質耐火物が最も一般的である。
しかし、マグネシア−クロム質耐火物は、溶鋼処理・待
機の繰り返しの間にスラグを吸収して変質層を生成し、
この変質層に亀裂を発生する所謂構造的スポーリングを
起こして、耐火物の剥離・脱落が生じる欠点がある。特
に、処理間隔の長い真空脱ガス装置では、処理間隔の短
いものに比べ、かかる損傷の度が大きく脱ガス槽耐火物
寿命(槽寿命と略称する)が1/2〜1/3程度と短
い。
【0005】この対策として、スラグの浸透が極めて少
なく、構造的スポーリングを起こさない材質の、例えば
マグネシア−炭素質耐火物等の炭素含有耐火物を使用す
ることが試みられている。
なく、構造的スポーリングを起こさない材質の、例えば
マグネシア−炭素質耐火物等の炭素含有耐火物を使用す
ることが試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素含
有耐火物は、使用初期の溶損は少ないが末期になると急
速に溶損が進み、耐用性の面で結局は従来のマグネシア
−クロム質耐火物と変わらなくなる。この点に関し、試
験的に脱ガス槽の下部に、炭素含有耐火物としてのMg
O−Cレンガと、マグネシア−クロム質耐火物としての
MgO−Cr2 O 3 レンガとを張り分けテストした。
有耐火物は、使用初期の溶損は少ないが末期になると急
速に溶損が進み、耐用性の面で結局は従来のマグネシア
−クロム質耐火物と変わらなくなる。この点に関し、試
験的に脱ガス槽の下部に、炭素含有耐火物としてのMg
O−Cレンガと、マグネシア−クロム質耐火物としての
MgO−Cr2 O 3 レンガとを張り分けテストした。
【0007】その結果、MgO−Cレンガの溶鋼稼働面
側(ワーク側)にはスラグ・メタル付着浸透層が形成さ
れ、背面側には長期間使用していくうちに拡大し溶損促
進の原因となる脱炭層が存在していた。一方、MgO−
Cr2 O3 レンガでは、ワーク側に構造的スポーリング
の原因となる変質層が形成されていた。そして、両レン
ガのダメージの比較から、従来のMgO−Cr2 O3 レ
ンガに代えてMgO−Cレンガを採用しても、槽寿命の
延長はあまり期待できないことがわかった。
側(ワーク側)にはスラグ・メタル付着浸透層が形成さ
れ、背面側には長期間使用していくうちに拡大し溶損促
進の原因となる脱炭層が存在していた。一方、MgO−
Cr2 O3 レンガでは、ワーク側に構造的スポーリング
の原因となる変質層が形成されていた。そして、両レン
ガのダメージの比較から、従来のMgO−Cr2 O3 レ
ンガに代えてMgO−Cレンガを採用しても、槽寿命の
延長はあまり期待できないことがわかった。
【0008】すなわち、炭素含有耐火物で使用初期の溶
損は少ないが末期になると急速に溶損が進むのは、炭素
含有耐火物の背面酸化・脱炭に起因する。炭素含有耐火
物の酸化防止対策としては、表面を金属板で覆う(例え
ば特開昭54-1210 号公報参照)、酸化防止剤として金属
粉を添加する(例えば特開昭54-163913 号公報参照)、
外殻鉄皮を通して介在層乃至ワーク耐火物背面に不活性
ガスを導入する(例えば特開昭61-295317 号公報参
照)、等が知られているが、いずれの対策も槽寿命を十
分に延長させるに至っていない。
損は少ないが末期になると急速に溶損が進むのは、炭素
含有耐火物の背面酸化・脱炭に起因する。炭素含有耐火
物の酸化防止対策としては、表面を金属板で覆う(例え
ば特開昭54-1210 号公報参照)、酸化防止剤として金属
粉を添加する(例えば特開昭54-163913 号公報参照)、
外殻鉄皮を通して介在層乃至ワーク耐火物背面に不活性
ガスを導入する(例えば特開昭61-295317 号公報参
照)、等が知られているが、いずれの対策も槽寿命を十
分に延長させるに至っていない。
【0009】そこで、本発明は、炭素含有耐火物の背面
酸化・脱炭を好適に抑制し、槽寿命の延長を可能とする
真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法を提供する
ことを課題とする。
酸化・脱炭を好適に抑制し、槽寿命の延長を可能とする
真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法を提供する
ことを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】炭素含有耐火物の背面酸
化・脱炭は、高温酸化雰囲気下で、C+O2 →CO2な
る反応により進行する。本発明者らは、MgO−Cレン
ガの酸化実験を行い、温度が常温から500℃までは酸
化が殆ど進行しないが、500℃を超えると酸化の進行
が目立って速くなることを知見した。このことから、M
gO−Cレンガの背面を酸化・脱炭の進行が遅い温度
(500℃以下)に冷却すれば有効と考えられる。
化・脱炭は、高温酸化雰囲気下で、C+O2 →CO2な
る反応により進行する。本発明者らは、MgO−Cレン
ガの酸化実験を行い、温度が常温から500℃までは酸
化が殆ど進行しないが、500℃を超えると酸化の進行
が目立って速くなることを知見した。このことから、M
gO−Cレンガの背面を酸化・脱炭の進行が遅い温度
(500℃以下)に冷却すれば有効と考えられる。
【0011】しかし、処理中、待機中の如何にかかわら
ず冷却し続けるのは、熱ロスが大きく実際的でない。そ
こで、図2(b)に示したように脱ガス槽に空気が侵入
して背面酸化が特に起こり易い状況にある待機中のみ冷
却すればMgO−Cレンガの背面酸化・脱炭を十分に抑
制でき、熱ロスも小さくて済むことになる。かかる着想
に基づいて完成された本発明は、炭素含有耐火物で内張
りされた脱ガス槽の外殻鉄皮の1部又は全部が、間に空
間を設けた2重構造であることを特徴とする真空脱ガス
装置の壁構造である。
ず冷却し続けるのは、熱ロスが大きく実際的でない。そ
こで、図2(b)に示したように脱ガス槽に空気が侵入
して背面酸化が特に起こり易い状況にある待機中のみ冷
却すればMgO−Cレンガの背面酸化・脱炭を十分に抑
制でき、熱ロスも小さくて済むことになる。かかる着想
に基づいて完成された本発明は、炭素含有耐火物で内張
りされた脱ガス槽の外殻鉄皮の1部又は全部が、間に空
間を設けた2重構造であることを特徴とする真空脱ガス
装置の壁構造である。
【0012】また、本発明は、前記2重構造の外殻鉄皮
の間の空間を、真空脱ガス処理中は、真空とし又はそこ
に低熱伝導率のガスを封入し、待機中は、前記空間に冷
却媒体を流すことを特徴とする真空脱ガス装置の内張り
保護方法である。
の間の空間を、真空脱ガス処理中は、真空とし又はそこ
に低熱伝導率のガスを封入し、待機中は、前記空間に冷
却媒体を流すことを特徴とする真空脱ガス装置の内張り
保護方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る脱ガス槽の
壁構造の断面図である。図1において、8A、8Bは夫
々内面側、外面側の外殻鉄皮(以下適宜単に鉄皮とい
う)、9は空間である。なお、前掲図3と同一部材には
同一符号を付し、説明を省略する。本発明では、図1に
示すように、外殻鉄皮を、間に空間9を設けた2重構造
の鉄皮8A,8Bで構成し、この空間9を、真空脱ガス
処理中(以下単に処理中という)は真空又は低熱伝導率
ガス封入とし、待機中はそこに冷却媒体を流すようにす
る。すなわち、ワーク耐火物6の背面酸化が起こり易い
状況にある待機中のみ冷却媒体で背面を冷却することに
より背面酸化を抑制し、空気が侵入せず背面酸化の進行
しない処理中は、この空間9を真空又は低熱伝導率ガス
封入の状態、つまり断熱状態に近い環境にして、処理後
の待機中での冷却における熱ロスを抑制する。
壁構造の断面図である。図1において、8A、8Bは夫
々内面側、外面側の外殻鉄皮(以下適宜単に鉄皮とい
う)、9は空間である。なお、前掲図3と同一部材には
同一符号を付し、説明を省略する。本発明では、図1に
示すように、外殻鉄皮を、間に空間9を設けた2重構造
の鉄皮8A,8Bで構成し、この空間9を、真空脱ガス
処理中(以下単に処理中という)は真空又は低熱伝導率
ガス封入とし、待機中はそこに冷却媒体を流すようにす
る。すなわち、ワーク耐火物6の背面酸化が起こり易い
状況にある待機中のみ冷却媒体で背面を冷却することに
より背面酸化を抑制し、空気が侵入せず背面酸化の進行
しない処理中は、この空間9を真空又は低熱伝導率ガス
封入の状態、つまり断熱状態に近い環境にして、処理後
の待機中での冷却における熱ロスを抑制する。
【0014】したがって、炭素含有耐火物の背面酸化・
脱炭を十分に抑制できて槽寿命が効果的に延長でき、熱
ロスも小さくて済む。図1に示す2重鉄皮の壁構造は、
内張り耐火物が特に損傷され易い例えば湯面高さよりや
や高い位置以下の側面にのみ適用してもよく、脱ガス槽
の全側面に適用してもよい。また、空間9の厚みすなわ
ち鉄皮8A、8B間の間隔は特に限定されず、待機中に
そこに冷却媒体を流した際にワーク耐火物6の背面の温
度が500℃以下に維持できる間隔であればよい。
脱炭を十分に抑制できて槽寿命が効果的に延長でき、熱
ロスも小さくて済む。図1に示す2重鉄皮の壁構造は、
内張り耐火物が特に損傷され易い例えば湯面高さよりや
や高い位置以下の側面にのみ適用してもよく、脱ガス槽
の全側面に適用してもよい。また、空間9の厚みすなわ
ち鉄皮8A、8B間の間隔は特に限定されず、待機中に
そこに冷却媒体を流した際にワーク耐火物6の背面の温
度が500℃以下に維持できる間隔であればよい。
【0015】なお、内面側の鉄皮8Aは、処理中は溶鋼
からの熱伝導により500〜600℃になるため、耐熱
鋼を充当するのが望ましいが、外面側の鉄皮8Bは、真
空又は低熱伝導率ガス封入状態の空間9による断熱効果
により温度が常に500℃以下に維持されるから、普通
鋼を使用できる。流すべき冷却媒体としては水を用いれ
ばよい。また、低熱伝導率のガスとしては、空気、窒
素、炭酸ガス等を用いることができる。
からの熱伝導により500〜600℃になるため、耐熱
鋼を充当するのが望ましいが、外面側の鉄皮8Bは、真
空又は低熱伝導率ガス封入状態の空間9による断熱効果
により温度が常に500℃以下に維持されるから、普通
鋼を使用できる。流すべき冷却媒体としては水を用いれ
ばよい。また、低熱伝導率のガスとしては、空気、窒
素、炭酸ガス等を用いることができる。
【0016】ワーク耐火物6としての炭素含有耐火物の
具体的組成、製造方法等は特に限定されるものではない
が、その一例を示すと次の通りである。まず、炭素原料
としては例えば鱗状黒鉛、土状黒鉛、ピッチコークス、
電極屑等から選ばれる1種又は2種以上が使用される。
炭素含有量は3wt%以上が好ましい。3wt%未満では炭
素がもつスラグ浸透防止の効果が得られない。炭素以外
の耐火原料を組み合わせる場合は、例えば電融、焼結又
は天然のマグネシア,カルシア,ドロマイト,合成マグ
ドロクリンカー,アルミナ,スピネル,ピクロクロマイ
ト,ジルコニア,電融又は焼結のマグクロ,クロム鉱石
等の酸化物原料、あるいは炭化珪素,炭化ほう素等の非
酸化物原料から選ばれる1種又は2種以上が使用され
る。更に必要に応じて、Al,Si,Mg,Fe,Ca
等の金属又はその合金、その他を添加する。
具体的組成、製造方法等は特に限定されるものではない
が、その一例を示すと次の通りである。まず、炭素原料
としては例えば鱗状黒鉛、土状黒鉛、ピッチコークス、
電極屑等から選ばれる1種又は2種以上が使用される。
炭素含有量は3wt%以上が好ましい。3wt%未満では炭
素がもつスラグ浸透防止の効果が得られない。炭素以外
の耐火原料を組み合わせる場合は、例えば電融、焼結又
は天然のマグネシア,カルシア,ドロマイト,合成マグ
ドロクリンカー,アルミナ,スピネル,ピクロクロマイ
ト,ジルコニア,電融又は焼結のマグクロ,クロム鉱石
等の酸化物原料、あるいは炭化珪素,炭化ほう素等の非
酸化物原料から選ばれる1種又は2種以上が使用され
る。更に必要に応じて、Al,Si,Mg,Fe,Ca
等の金属又はその合金、その他を添加する。
【0017】炭素含有耐火物の製造は、以上の配合物に
例えばフェノール樹脂,フラン樹脂,タールピッチ等の
結合剤を添加し、混練、成形後、不焼成品の場合には1
00〜400℃で熱処理し、これによって結合剤のター
ル又は樹脂中の揮発分を除去し、強度を発現させる。ま
た、結合剤が硬化性樹脂の場合にはこの熱処理によって
熱硬化が起こり、強度が発現する。焼成品は更に800
℃以上、好ましくは900〜1500℃の高温度に熱処
理することによって、タール又は樹脂結合から炭素結合
を形成させる。また、以上のような定形耐火物に限ら
ず、炭素を含有させたものであれば不定形耐火物も対象
となる。かくして得られる炭素含有耐火物により、真空
脱ガス装置の一部又は全部に内張りを施す。不定形耐火
物の場合は、流し込み、スタンプ、吹き付けなどの方法
で施工される。
例えばフェノール樹脂,フラン樹脂,タールピッチ等の
結合剤を添加し、混練、成形後、不焼成品の場合には1
00〜400℃で熱処理し、これによって結合剤のター
ル又は樹脂中の揮発分を除去し、強度を発現させる。ま
た、結合剤が硬化性樹脂の場合にはこの熱処理によって
熱硬化が起こり、強度が発現する。焼成品は更に800
℃以上、好ましくは900〜1500℃の高温度に熱処
理することによって、タール又は樹脂結合から炭素結合
を形成させる。また、以上のような定形耐火物に限ら
ず、炭素を含有させたものであれば不定形耐火物も対象
となる。かくして得られる炭素含有耐火物により、真空
脱ガス装置の一部又は全部に内張りを施す。不定形耐火
物の場合は、流し込み、スタンプ、吹き付けなどの方法
で施工される。
【0018】なお、介在層7は、目的に応じて永久レン
ガ、膨張吸収層、断熱層等あるいはこれらの複合層で構
成される。永久レンガとしては焼成又は不焼成の定形耐
火物、膨張吸収層としてはモルタル,キャスタブル耐火
物,スタンプ材等の不定型耐火物、断熱層としては珪酸
カルシウム質又はセラミックファイバー製のボード,耐
火断熱レンガ等が夫々例示される。
ガ、膨張吸収層、断熱層等あるいはこれらの複合層で構
成される。永久レンガとしては焼成又は不焼成の定形耐
火物、膨張吸収層としてはモルタル,キャスタブル耐火
物,スタンプ材等の不定型耐火物、断熱層としては珪酸
カルシウム質又はセラミックファイバー製のボード,耐
火断熱レンガ等が夫々例示される。
【0019】
【実施例】RH式真空脱ガス装置の脱ガス槽の壁構造
を、図1に示した本発明の2重鉄皮構造とし、月間処理
チャージ数400〜500ch、平均処理時間25mi
nの操業規模の真空脱ガス処理を実施し、脱ガス槽下部
の耐火物の改修なしで連続して処理できたチャージ数で
槽寿命を評価し、実施例とした。
を、図1に示した本発明の2重鉄皮構造とし、月間処理
チャージ数400〜500ch、平均処理時間25mi
nの操業規模の真空脱ガス処理を実施し、脱ガス槽下部
の耐火物の改修なしで連続して処理できたチャージ数で
槽寿命を評価し、実施例とした。
【0020】脱ガス槽の内張りに用いた炭素含有耐火物
は、鱗状黒鉛15wt%,残部マグネシアクリンカーより
なる配合物に、結合材として固定炭素量45%,粘度3
00cpsのフェノール樹脂を外掛5wt%添加し、混練
・成形後、250℃×24hr乾燥して得た不焼成マグ
ネシア−炭素質レンガ(MgO−Cレンガ)である。な
お、処理中には鉄皮8A,8B間の空間9を真空に引
き、待機中(平均待機時間65min)には、この空間
9に、2重鉄皮構造とした槽側面の単位面積当たり10
00〜2000L/m2 /minの流量の冷却水を流
し、炭素含有耐火物の背面温度を500℃以下に保っ
た。
は、鱗状黒鉛15wt%,残部マグネシアクリンカーより
なる配合物に、結合材として固定炭素量45%,粘度3
00cpsのフェノール樹脂を外掛5wt%添加し、混練
・成形後、250℃×24hr乾燥して得た不焼成マグ
ネシア−炭素質レンガ(MgO−Cレンガ)である。な
お、処理中には鉄皮8A,8B間の空間9を真空に引
き、待機中(平均待機時間65min)には、この空間
9に、2重鉄皮構造とした槽側面の単位面積当たり10
00〜2000L/m2 /minの流量の冷却水を流
し、炭素含有耐火物の背面温度を500℃以下に保っ
た。
【0021】比較例として、脱ガス槽の内張り材質が実
施例と同じで壁構造が図3に示した従来のものであるR
H式真空脱ガス装置を用い、実施例と同じ操業規模で操
業されていたときの槽寿命を採用した。その結果、比較
例では500chであった槽寿命が、実施例では100
0chとなって比較例の2倍に延長し、本発明の効果が
格段であることが立証された。
施例と同じで壁構造が図3に示した従来のものであるR
H式真空脱ガス装置を用い、実施例と同じ操業規模で操
業されていたときの槽寿命を採用した。その結果、比較
例では500chであった槽寿命が、実施例では100
0chとなって比較例の2倍に延長し、本発明の効果が
格段であることが立証された。
【0022】なお、本実施例は、RH式真空脱ガス装置
の場合について開示したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えばDH式、あるいは浸漬管と脱ガス
槽がストレート形状で一体化した簡易脱ガス式等の真空
脱ガス装置にも適用可能である。
の場合について開示したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えばDH式、あるいは浸漬管と脱ガス
槽がストレート形状で一体化した簡易脱ガス式等の真空
脱ガス装置にも適用可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、真空脱ガス装置におけ
る脱ガス槽内張り用の炭素含有耐火物の背面酸化・脱炭
が好適に抑制され、槽寿命が大幅に延長するという格段
の効果を奏する。
る脱ガス槽内張り用の炭素含有耐火物の背面酸化・脱炭
が好適に抑制され、槽寿命が大幅に延長するという格段
の効果を奏する。
【図1】本発明に係る脱ガス槽の壁構造の断面図であ
る。
る。
【図2】RH式真空脱ガス装置の模式図である。
【図3】従来の脱ガス槽の壁構造の断面図である。
1 溶鋼 2 取鍋 3 脱ガス槽 4 浸漬管 5 スラグ 6 ワーク耐火物 7 介在層 8 外殻鉄皮 8A 内面側の外殻鉄皮(鉄皮) 8B 外面側の外殻鉄皮(鉄皮) 9 空間 10 空気
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素含有耐火物で内張りされた脱ガス槽
の外殻鉄皮の1部又は全部が、間に空間を設けた2重構
造であることを特徴とする真空脱ガス装置の壁構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の2重構造の外殻鉄皮の間
の空間を、真空脱ガス処理中は、真空とし又はそこに低
熱伝導率のガスを封入し、待機中は、前記空間に冷却媒
体を流すことを特徴とする真空脱ガス装置の内張り保護
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28411695A JPH09125133A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28411695A JPH09125133A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09125133A true JPH09125133A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17674399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28411695A Pending JPH09125133A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 真空脱ガス装置の壁構造及び内張り保護方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09125133A (ja) |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP28411695A patent/JPH09125133A/ja active Pending
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