JPH09124748A - シラン変性ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
シラン変性ポリオレフィンの製造方法Info
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- JPH09124748A JPH09124748A JP7281972A JP28197295A JPH09124748A JP H09124748 A JPH09124748 A JP H09124748A JP 7281972 A JP7281972 A JP 7281972A JP 28197295 A JP28197295 A JP 28197295A JP H09124748 A JPH09124748 A JP H09124748A
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- extruder
- section
- polyolefin
- silane
- screw
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 グラフト反応を安定的かつ効率的に行うこと
ができるシラン変性ポリオレフィンの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリオレフィン、ビニルシラン化合物お
よびラジカル重合開始剤を押出機に投入してグラフト反
応を行うに際し、押出機の原料供給部(1a)(2a)(3a)(C1)
より可塑化部(1c)(2c)(3c)(C4)(C5)(C6)(C7)に至る前ま
での区間におけるシリンダーバレル設定温度を、ビニル
シラン化合物の沸点以下とすることを特徴とするシラン
変性ポリオレフィンの製造方法である。
ができるシラン変性ポリオレフィンの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリオレフィン、ビニルシラン化合物お
よびラジカル重合開始剤を押出機に投入してグラフト反
応を行うに際し、押出機の原料供給部(1a)(2a)(3a)(C1)
より可塑化部(1c)(2c)(3c)(C4)(C5)(C6)(C7)に至る前ま
での区間におけるシリンダーバレル設定温度を、ビニル
シラン化合物の沸点以下とすることを特徴とするシラン
変性ポリオレフィンの製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出機を使って、
ラジカル反応によりポリオレフィンにシリコーン誘導体
をグラフトするシラン変性ポリオレフィンの製造方法に
関し、より詳細には、上記グラフト反応を安定的かつ効
率的に行うことができる方法に関する。
ラジカル反応によりポリオレフィンにシリコーン誘導体
をグラフトするシラン変性ポリオレフィンの製造方法に
関し、より詳細には、上記グラフト反応を安定的かつ効
率的に行うことができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シラン変性ポリオレフィンは、水分と接
触すると架橋反応を生じ、機械的強度、耐熱性、耐クリ
ープ性、耐環境応力亀裂性、耐薬品性などの諸特性が通
常の未変性ポリオレフィンに比較して飛躍的に向上する
ため、被覆電線、給湯管、難燃材料などの原料として好
適に用いられている。
触すると架橋反応を生じ、機械的強度、耐熱性、耐クリ
ープ性、耐環境応力亀裂性、耐薬品性などの諸特性が通
常の未変性ポリオレフィンに比較して飛躍的に向上する
ため、被覆電線、給湯管、難燃材料などの原料として好
適に用いられている。
【0003】従来、プラスチックの成形加工に用いられ
てきた押出機を使って、ラジカル反応によりポリオレフ
ィンにシリコーン誘導体をグラフトする方法は、シラン
変性ポリオレフィンの製造法として公知技術であり、今
日でも当業者の間で広く実施されている。
てきた押出機を使って、ラジカル反応によりポリオレフ
ィンにシリコーン誘導体をグラフトする方法は、シラン
変性ポリオレフィンの製造法として公知技術であり、今
日でも当業者の間で広く実施されている。
【0004】本技術が開発された当初、固相のポリオレ
フィンにビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン
化合物と有機過酸化物を加えて混合攪拌して均一に拡散
させた後、この混合物を押出機に投入してグラフト反応
を完結させる、いわゆるダウ法が主流であったが、その
後ポリオレフィンとビニルシラン化合物の各々を押出機
に個別に投入してこれらをグラフト反応させる、いわゆ
る機上混合法が開発され、一般的に利用されるようにな
った。
フィンにビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン
化合物と有機過酸化物を加えて混合攪拌して均一に拡散
させた後、この混合物を押出機に投入してグラフト反応
を完結させる、いわゆるダウ法が主流であったが、その
後ポリオレフィンとビニルシラン化合物の各々を押出機
に個別に投入してこれらをグラフト反応させる、いわゆ
る機上混合法が開発され、一般的に利用されるようにな
った。
【0005】機上混合法は、完全な連続反応が可能であ
るので安定性に優れ、またビニルシラン化合物が揮散し
やすい予備混合の工程がないので作業環境の点において
も優れる。
るので安定性に優れ、またビニルシラン化合物が揮散し
やすい予備混合の工程がないので作業環境の点において
も優れる。
【0006】しかしながら、この方法では、最もよく用
いられるビニルトリメトキシシランをはじめ、多くのビ
ニルシラン化合物は、ポリオレフィンの成形加工温度よ
り低い沸点を有する物質であるため、押出機内部でポリ
オレフィンが溶融して成形加工温度に昇温すると、ビニ
ルシラン化合物は揮発し、押出機の原料供給部を逆流し
て供給口より機外へ排出されてしまう。この様な場合、
連続反応槽である押出機へのビニルシラン化合物の供給
が安定せず、結果的に押出機内でのグラフト反応そのも
のが不安定となってしまう。
いられるビニルトリメトキシシランをはじめ、多くのビ
ニルシラン化合物は、ポリオレフィンの成形加工温度よ
り低い沸点を有する物質であるため、押出機内部でポリ
オレフィンが溶融して成形加工温度に昇温すると、ビニ
ルシラン化合物は揮発し、押出機の原料供給部を逆流し
て供給口より機外へ排出されてしまう。この様な場合、
連続反応槽である押出機へのビニルシラン化合物の供給
が安定せず、結果的に押出機内でのグラフト反応そのも
のが不安定となってしまう。
【0007】この問題に対処するべく、特公昭55−8
526号公報には、アクリル酸などのビニル化合物を押
出機の流れ方向の途中で注入できるように、スクリュー
の長さ中央部で断面を小さくしたスクリュー形状が開示
されている。しかし、この構成では、押出機内の樹脂圧
変動によりビニルシラン化合物の注入量に変動が生じ、
その結果グラフト反応量が一定しないという難点があ
る。
526号公報には、アクリル酸などのビニル化合物を押
出機の流れ方向の途中で注入できるように、スクリュー
の長さ中央部で断面を小さくしたスクリュー形状が開示
されている。しかし、この構成では、押出機内の樹脂圧
変動によりビニルシラン化合物の注入量に変動が生じ、
その結果グラフト反応量が一定しないという難点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決するべく、押出機を用いたポリ
オレフィンのシラン変性工程において、グラフト反応を
安定的かつ効率的に行うことができるシラン変性ポリオ
レフィンの製造方法を提供することにある。
従来技術の問題点を解決するべく、押出機を用いたポリ
オレフィンのシラン変性工程において、グラフト反応を
安定的かつ効率的に行うことができるシラン変性ポリオ
レフィンの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるシラン変性
ポリオレフィンの製造方法は、上記課題を達成すべく工
夫されたもので、ポリオレフィン、ビニルシラン化合物
およびラジカル重合開始剤を押出機に投入してグラフト
反応を行うに際し、押出機の原料供給部より可塑化部に
至る前までの区間におけるシリンダーバレル設定温度
を、ビニルシラン化合物の沸点以下とすることを特徴と
するものである。
ポリオレフィンの製造方法は、上記課題を達成すべく工
夫されたもので、ポリオレフィン、ビニルシラン化合物
およびラジカル重合開始剤を押出機に投入してグラフト
反応を行うに際し、押出機の原料供給部より可塑化部に
至る前までの区間におけるシリンダーバレル設定温度
を、ビニルシラン化合物の沸点以下とすることを特徴と
するものである。
【0010】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法に用いられるポリオレフィンは、オレフィン性
モノマーの単独重合体もしくは共重合体であり、特に限
定されるものではない。ポリオレフィンとしては、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れ、特に低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレンやポリプロ
ピレンなどの1種もしくは2種以上がより好適に用いら
れる。
製造方法に用いられるポリオレフィンは、オレフィン性
モノマーの単独重合体もしくは共重合体であり、特に限
定されるものではない。ポリオレフィンとしては、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れ、特に低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレンやポリプロ
ピレンなどの1種もしくは2種以上がより好適に用いら
れる。
【0011】本発明方法に用いられるビニルシラン化合
物は下記一般式(I) で示される物質である。
物は下記一般式(I) で示される物質である。
【0012】RSiR' n Y3-n …… (I) 上記一般式(I) 中、基Rはアルケニル基もしくはアルケ
ニルオキシ基を表し、特に限定されるものではない。基
Rとしては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペ
ニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペン
タジエニル基などが挙げられる。
ニルオキシ基を表し、特に限定されるものではない。基
Rとしては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペ
ニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペン
タジエニル基などが挙げられる。
【0013】基R' は水素原子またはメチル基、エチル
基、プロピル基、デシル基などのアルキル基を表す。
基、プロピル基、デシル基などのアルキル基を表す。
【0014】基Yは加水分解し得る有機基を表し、複数
のYは同一であっても異なっていてもよい。Yとして、
例えばメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、ア
セトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基などが挙げられる。
のYは同一であっても異なっていてもよい。Yとして、
例えばメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、ア
セトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基などが挙げられる。
【0015】nは0または1である。
【0016】上記一般式(I) で示されるビニルシラン化
合物の具体例としては、特に限定されるものではない
が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ランなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。
合物の具体例としては、特に限定されるものではない
が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ランなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。
【0017】該ビニルシラン化合物の使用量は、特に限
定されるものではないが、少なすぎると最終的に得られ
る水架橋ポリオレフィンのゲル分率が充分高くならない
ことがあり、多すぎるとシラン変性ポリオレフィンの溶
融粘度が高くなり過ぎて成形性を著しく悪化させるばか
りか、系中に未反応物として残留する可能性が高くなる
場合があるため、前記ポリオレフィン100重量部に対
し、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは
0.7〜5重量部である。
定されるものではないが、少なすぎると最終的に得られ
る水架橋ポリオレフィンのゲル分率が充分高くならない
ことがあり、多すぎるとシラン変性ポリオレフィンの溶
融粘度が高くなり過ぎて成形性を著しく悪化させるばか
りか、系中に未反応物として残留する可能性が高くなる
場合があるため、前記ポリオレフィン100重量部に対
し、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは
0.7〜5重量部である。
【0018】本発明方法に用いられるラジカル重合開始
剤は、ポリオレフィンのグラフト反応に一般に用いられ
る任意の化合物であれば良く、例えば、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシ
ンなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
ジメチルアゾジイソブチレートなどのアゾ化合物などが
挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用い
られる。とりわけジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジーt−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン
などの1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
剤は、ポリオレフィンのグラフト反応に一般に用いられ
る任意の化合物であれば良く、例えば、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシ
ンなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
ジメチルアゾジイソブチレートなどのアゾ化合物などが
挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用い
られる。とりわけジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジーt−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン
などの1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0019】該ラジカル開始剤の使用量は、少なすぎる
とグラフト化反応の転化が不十分になる場合があり、多
すぎるとポリオレフィン中における遊離ラジカル部位が
多くなり過ぎていわゆる過酸化物架橋が進行する恐れが
あるので、ポリオレフィン100重量部に対し、好まし
くは0.01〜5重量部、より好ましくは0.02〜2
重量部である。
とグラフト化反応の転化が不十分になる場合があり、多
すぎるとポリオレフィン中における遊離ラジカル部位が
多くなり過ぎていわゆる過酸化物架橋が進行する恐れが
あるので、ポリオレフィン100重量部に対し、好まし
くは0.01〜5重量部、より好ましくは0.02〜2
重量部である。
【0020】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法において、ポリオレフィン、ビニルシラン化合
物およびラジカル重合開始剤を押出機に投入する方法は
任意である。例えば、これらをそれぞれ個別に押出機に
投入してもよいし、または、予めラジカル重合開始剤を
ビニルシラン化合物に溶解して一旦液状組成物とし、そ
れをポリオレフィンに含浸した後に、得られた含浸物を
投入してもよく、さらには、ポリオレフィンと該液状組
成物とを別々に投入してもよい。
製造方法において、ポリオレフィン、ビニルシラン化合
物およびラジカル重合開始剤を押出機に投入する方法は
任意である。例えば、これらをそれぞれ個別に押出機に
投入してもよいし、または、予めラジカル重合開始剤を
ビニルシラン化合物に溶解して一旦液状組成物とし、そ
れをポリオレフィンに含浸した後に、得られた含浸物を
投入してもよく、さらには、ポリオレフィンと該液状組
成物とを別々に投入してもよい。
【0021】本発明方法に用いられる押出機は、プラス
チックの成型加工で一般に用いられるスクリュー押出機
であってよく、特に限定されるものではない。例えば、
1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、3本以
上のスクリューを備えた多軸スクリュー押出機などがい
ずれも好適に用いられる。
チックの成型加工で一般に用いられるスクリュー押出機
であってよく、特に限定されるものではない。例えば、
1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、3本以
上のスクリューを備えた多軸スクリュー押出機などがい
ずれも好適に用いられる。
【0022】1軸スクリュー押出機としては、一般的な
フルフライト型スクリューに加え、不連続フライト型ス
クリュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを備えた
押出機なども使用できる。また、2軸スクリュー押出機
としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方
向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機などが
好適に使用し得る。
フルフライト型スクリューに加え、不連続フライト型ス
クリュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを備えた
押出機なども使用できる。また、2軸スクリュー押出機
としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方
向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機などが
好適に使用し得る。
【0023】各種スクリュー型押出機のなかでも、混練
性能などを考慮すると、噛み合い(セルフワイピング)
同方向回転型2軸スクリュー押出機がより好適に用いら
れる。同押出機のスクリュー形状は、2〜3条タイプの
フルフライト型を中心として、部分的にニーディングデ
ィスク、シールリング、逆ネジ、ローターなどのスクリ
ューエレメントを備えたものが好適に使用され得る。ま
た、押出機の後段に真空ベントを設けることは水分、残
存モノマー、開始剤残渣などの不要物を除去するために
有効である。
性能などを考慮すると、噛み合い(セルフワイピング)
同方向回転型2軸スクリュー押出機がより好適に用いら
れる。同押出機のスクリュー形状は、2〜3条タイプの
フルフライト型を中心として、部分的にニーディングデ
ィスク、シールリング、逆ネジ、ローターなどのスクリ
ューエレメントを備えたものが好適に使用され得る。ま
た、押出機の後段に真空ベントを設けることは水分、残
存モノマー、開始剤残渣などの不要物を除去するために
有効である。
【0024】本発明方法は、押出機の原料供給部より可
塑化部に至る前までの区間におけるシリンダーバレル設
定温度を、ビニルシラン化合物の沸点以下とすることを
特徴とする。
塑化部に至る前までの区間におけるシリンダーバレル設
定温度を、ビニルシラン化合物の沸点以下とすることを
特徴とする。
【0025】ビニルシラン化合物の沸点については、例
えばビニルトリメトキシシランが123℃、ビニルトリ
エトキシシランが161℃の沸点を有する。ポリオレフ
ィンの成形加工温度は、例えば高密度ポリエチレンで1
65〜260℃、低密度ポリエチレンで130〜200
℃、ポリプロピレンで205〜260℃である。したが
って、ビニルシラン化合物は、ポリオレフィンの成形加
工温度より低い沸点を有する。そのため、従来の方法で
は、押出機の可塑化部でポリオレフィンが成形加工温度
に昇温すると、ビニルシラン化合物は気化して原料供給
部を逆流して押出機の供給口より機外へ排出されてしま
う。
えばビニルトリメトキシシランが123℃、ビニルトリ
エトキシシランが161℃の沸点を有する。ポリオレフ
ィンの成形加工温度は、例えば高密度ポリエチレンで1
65〜260℃、低密度ポリエチレンで130〜200
℃、ポリプロピレンで205〜260℃である。したが
って、ビニルシラン化合物は、ポリオレフィンの成形加
工温度より低い沸点を有する。そのため、従来の方法で
は、押出機の可塑化部でポリオレフィンが成形加工温度
に昇温すると、ビニルシラン化合物は気化して原料供給
部を逆流して押出機の供給口より機外へ排出されてしま
う。
【0026】本発明方法では、押出機の原料供給部より
可塑化部に至る前までの区間におけるシリンダーバレル
設定温度は、ビニルシラン化合物の沸点を下回り、例え
ばビニルトリメトキシシランを使用する場合は123℃
未満、ビニルトリエトキシシランを使用する場合は16
1℃未満にされているので、上記のようなビニルシラン
化合物の気化、逆流といった問題がない。
可塑化部に至る前までの区間におけるシリンダーバレル
設定温度は、ビニルシラン化合物の沸点を下回り、例え
ばビニルトリメトキシシランを使用する場合は123℃
未満、ビニルトリエトキシシランを使用する場合は16
1℃未満にされているので、上記のようなビニルシラン
化合物の気化、逆流といった問題がない。
【0027】押出機の原料供給部より可塑化部に至る前
までの区間におけるシリンダーバレルの下限設定温度
は、特には限定されないが、室温以上ないしはビニルシ
ラン化合物の沸点より40℃程度低い温度が好ましい。
この区間で設定温度が極端に低いと下流の可塑化部での
スクリューに大きな負荷がかかることになり好ましくな
い。
までの区間におけるシリンダーバレルの下限設定温度
は、特には限定されないが、室温以上ないしはビニルシ
ラン化合物の沸点より40℃程度低い温度が好ましい。
この区間で設定温度が極端に低いと下流の可塑化部での
スクリューに大きな負荷がかかることになり好ましくな
い。
【0028】押出機の原料供給部は、ポリオレフィンを
押出機内部に導くために設けられた開口を備えた部位で
あり、可塑化部は押出機内部にてポリオレフィンが溶融
する部位である。
押出機内部に導くために設けられた開口を備えた部位で
あり、可塑化部は押出機内部にてポリオレフィンが溶融
する部位である。
【0029】一般的に、押出機は、図4に示すように、
そのシリンダー上流から下流に向かって、供給、予熱搬
送、可塑化、脱気、計量などの部位に機能別に区分する
ことができる。本発明で言うところの、押出機の原料供
給部より可塑化部に至る前までの部位とは、図4の構成
における原料供給部(C1)と予熱搬送部(C2)(C3)を指す。
そのシリンダー上流から下流に向かって、供給、予熱搬
送、可塑化、脱気、計量などの部位に機能別に区分する
ことができる。本発明で言うところの、押出機の原料供
給部より可塑化部に至る前までの部位とは、図4の構成
における原料供給部(C1)と予熱搬送部(C2)(C3)を指す。
【0030】尚、押出機の各機能別部位は押出機のスク
リュー形状の配列によって定まり、1軸スクリュー押出
機では、例えば図1に示すごとく、ホッパーの真下の区
画を原料供給部(1a)、そこからスクリュー溝深さが一定
である区画を予熱搬送部(1b)、スクリュー溝深さが浅く
なっている区画を可塑化部(1c)、さらにはベントが必要
である場合は再びスクリュー溝が深くなっている区画を
脱気部(1d)、以降を計量部(1e)とする。スクリュー溝深
さを浅くするか深くするかは、スクリューリードを短く
するか長くするかと等価であるので、例えば図2に示す
ように、スクリュー形状によって原料供給部(2a)、予熱
搬送部(2b)、可塑化部(2c)、脱気部(2d)および計量部(2
e)の機能別部位に区分することもできる。また、可塑化
部(2c)では不連続フライトやローターなどを設けて流動
抵抗(バリア効果)を与えることもある。
リュー形状の配列によって定まり、1軸スクリュー押出
機では、例えば図1に示すごとく、ホッパーの真下の区
画を原料供給部(1a)、そこからスクリュー溝深さが一定
である区画を予熱搬送部(1b)、スクリュー溝深さが浅く
なっている区画を可塑化部(1c)、さらにはベントが必要
である場合は再びスクリュー溝が深くなっている区画を
脱気部(1d)、以降を計量部(1e)とする。スクリュー溝深
さを浅くするか深くするかは、スクリューリードを短く
するか長くするかと等価であるので、例えば図2に示す
ように、スクリュー形状によって原料供給部(2a)、予熱
搬送部(2b)、可塑化部(2c)、脱気部(2d)および計量部(2
e)の機能別部位に区分することもできる。また、可塑化
部(2c)では不連続フライトやローターなどを設けて流動
抵抗(バリア効果)を与えることもある。
【0031】2軸スクリュー押出機では、図3にその一
例を示すごとく、やはりホッパーの真下の区画を原料供
給部(3a)、そこからフルフライト型スクリューが続く区
画を予熱搬送部(3b)、最初のニーディングディスクが設
けられた区画を可塑化部(3c)、そしてベントを必要とす
る場合は再びフルフライト型スクリューが続く区画を脱
気部(3d)、以降を計量部(3e)とする。
例を示すごとく、やはりホッパーの真下の区画を原料供
給部(3a)、そこからフルフライト型スクリューが続く区
画を予熱搬送部(3b)、最初のニーディングディスクが設
けられた区画を可塑化部(3c)、そしてベントを必要とす
る場合は再びフルフライト型スクリューが続く区画を脱
気部(3d)、以降を計量部(3e)とする。
【0032】以上の1軸スクリュー押出機および2軸ス
クリュー押出機のスクリュー形状の配列はあくまで一例
であって、これらに限定されない。
クリュー押出機のスクリュー形状の配列はあくまで一例
であって、これらに限定されない。
【0033】本発明方法において、シリンダーバレルの
設定温度が定められる区間とは、上述のような各種の押
出機において、ポリオレフィンが供給される部位から、
該ポリオレフィンが溶融される部位の前までの区間を意
味する。
設定温度が定められる区間とは、上述のような各種の押
出機において、ポリオレフィンが供給される部位から、
該ポリオレフィンが溶融される部位の前までの区間を意
味する。
【0034】グラフト反応のための押出機操作条件、例
えば、スクリュー回転数、押出量、可塑化部より下流の
シリンダーバレル設定温度などは特に限定されず、押出
機内滞留時間、混練度、吐出物のパリソン強度などを考
慮して適宜決定されればよい。
えば、スクリュー回転数、押出量、可塑化部より下流の
シリンダーバレル設定温度などは特に限定されず、押出
機内滞留時間、混練度、吐出物のパリソン強度などを考
慮して適宜決定されればよい。
【0035】押出機出口より吐出されたシラン変性ポリ
オレフィンは、造粒の後、再び押出成形により所望の形
状に賦形してもよいが、他にもブロー、カレンダリン
グ、射出成形などの押出成形以外の方法で賦形すること
も可能であり、あるいは同押出機先端に所望形状のダイ
を設置し、得られたシラン変性ポリオレフィンを所望の
形状に賦形してもよい。
オレフィンは、造粒の後、再び押出成形により所望の形
状に賦形してもよいが、他にもブロー、カレンダリン
グ、射出成形などの押出成形以外の方法で賦形すること
も可能であり、あるいは同押出機先端に所望形状のダイ
を設置し、得られたシラン変性ポリオレフィンを所望の
形状に賦形してもよい。
【0036】賦形されたシラン変性ポリオレフィンは、
水分と接触させることで水架橋させることができる。こ
の水架橋方法としては、賦形物を高温の熱水で処理する
方法、熱水中に一定時間浸漬する方法などが挙げられ
る。
水分と接触させることで水架橋させることができる。こ
の水架橋方法としては、賦形物を高温の熱水で処理する
方法、熱水中に一定時間浸漬する方法などが挙げられ
る。
【0037】尚、シラン変性ポリオレフィンには、本発
明の目的を損わない範囲で必要に応じ、シラノール縮合
触媒、プロセス熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
有機および無機充填剤、顔料、染料、加工助剤などの各
種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良
い。
明の目的を損わない範囲で必要に応じ、シラノール縮合
触媒、プロセス熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
有機および無機充填剤、顔料、染料、加工助剤などの各
種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良
い。
【0038】本発明の製造方法によれば、押出機の原料
供給部より可塑化部に至る前までの区間におけるシリン
ダーバレル設定温度が、ビニルシラン化合物の沸点以下
であるので、一旦気化したビニルシラン化合物もこの区
間を逆流する間に還流され、再び固相のポリオレフィン
と共に押出機下流方向へ搬送され、最終的には溶融した
ポリオレフィンと混合され、グラフト反応によって消費
される。したがって、グラフト反応を安定的かつ効率的
に行うことができる
供給部より可塑化部に至る前までの区間におけるシリン
ダーバレル設定温度が、ビニルシラン化合物の沸点以下
であるので、一旦気化したビニルシラン化合物もこの区
間を逆流する間に還流され、再び固相のポリオレフィン
と共に押出機下流方向へ搬送され、最終的には溶融した
ポリオレフィンと混合され、グラフト反応によって消費
される。したがって、グラフト反応を安定的かつ効率的
に行うことができる
【0039】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施例、および
これと比較すべき比較例を示す。
これと比較すべき比較例を示す。
【0040】実施例1 ビニルトリメトキシシラン(商品名「サイラエースS2
10」、チッソ社製)10kgに、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名
「パーヘキサ25B」、日本油脂社製)800gを加え
て溶解し、液状組成物を調製した。
10」、チッソ社製)10kgに、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名
「パーヘキサ25B」、日本油脂社製)800gを加え
て溶解し、液状組成物を調製した。
【0041】セルフワイピング型の2条スクリューエレ
メントとニーディングディスクエレメントからなるスク
リュー(直径47mm、L/D=35)と、このスクリ
ューを内装したシリンダーバレルとからなる噛み合い型
同方向回転2軸スクリュー押出機(型式「TEX−44
型」、日本製鋼所社製)の先端には、直径3mmの穴5
つを有するストランドダイが連結されている。
メントとニーディングディスクエレメントからなるスク
リュー(直径47mm、L/D=35)と、このスクリ
ューを内装したシリンダーバレルとからなる噛み合い型
同方向回転2軸スクリュー押出機(型式「TEX−44
型」、日本製鋼所社製)の先端には、直径3mmの穴5
つを有するストランドダイが連結されている。
【0042】上記押出機は、図4に示すように、上流側
から下流側に向かって第1区画〜第10区画からなり、
第1区画が原料供給部(C1)、第2〜3区画が予熱搬送部
(C2)(C3)、第4〜7区画が可塑化部(C4)(C5)(C6)(C7)、
第8区画が脱気部(C8)、第9〜10区画が計量部(C9)(C
10) となるように、スクリュー形状が設定されている。
から下流側に向かって第1区画〜第10区画からなり、
第1区画が原料供給部(C1)、第2〜3区画が予熱搬送部
(C2)(C3)、第4〜7区画が可塑化部(C4)(C5)(C6)(C7)、
第8区画が脱気部(C8)、第9〜10区画が計量部(C9)(C
10) となるように、スクリュー形状が設定されている。
【0043】そして各区画のバレル設定温度およびスト
ランドダイの設定温度は、原料供給部(C1)では室温、予
熱搬送部(C2)(C3)では80℃、可塑化部(C4)(C5)では1
40℃、可塑化部(C6)(C7)、脱気部(C8)、計量部(C9)(C
10) およびストランドダイでは200℃とした。
ランドダイの設定温度は、原料供給部(C1)では室温、予
熱搬送部(C2)(C3)では80℃、可塑化部(C4)(C5)では1
40℃、可塑化部(C6)(C7)、脱気部(C8)、計量部(C9)(C
10) およびストランドダイでは200℃とした。
【0044】ホッパーに高密度ポリエチレン(商品名
「ハイゼックス 2200J」、三井石油化学社製)を
投入し、スクリューフィーダーを用いて、50kg/時
間の供給量で供給口から押出機に供給した。
「ハイゼックス 2200J」、三井石油化学社製)を
投入し、スクリューフィーダーを用いて、50kg/時
間の供給量で供給口から押出機に供給した。
【0045】同時に、マイクロポンプ(型式「VC−1
02 MODEL186−346」、中央理科社製)を
用いて、上記の液状組成物を540g/時間の供給量で
同じ供給口から押出機に供給した。
02 MODEL186−346」、中央理科社製)を
用いて、上記の液状組成物を540g/時間の供給量で
同じ供給口から押出機に供給した。
【0046】押出機をスクリュー回転数100rpmで
運転し、ダイより吐出したシラン変性ポリエチレンのス
トランド状成形体を冷風にて強制空冷しつつ、ペレタイ
ザーにより長さ約5mmに切断してペレットとした。
運転し、ダイより吐出したシラン変性ポリエチレンのス
トランド状成形体を冷風にて強制空冷しつつ、ペレタイ
ザーにより長さ約5mmに切断してペレットとした。
【0047】以上一連の操作を定常状態になってから連
続12時間継続した。この間1時間ごとに得られたシラ
ン変性ポリエチレンのペレットをサンプリングし、サン
プルを110℃の水蒸気中で12時間熱処理して水架橋
を行った。こうして水架橋シラン変性ポリエチレンのペ
レットを得た。
続12時間継続した。この間1時間ごとに得られたシラ
ン変性ポリエチレンのペレットをサンプリングし、サン
プルを110℃の水蒸気中で12時間熱処理して水架橋
を行った。こうして水架橋シラン変性ポリエチレンのペ
レットを得た。
【0048】実施例2 実施例1と同様にして液状組成物を得た。
【0049】実施例1で用いたのと同じ噛み合い型同方
向回転2軸スクリュー押出機の先端に、外径21.5m
m、内径16.2mmのパイプ用成形ダイを連結し、各
区画のバレル設定温度およびストランドダイの設定温度
は、原料供給部(C1)では室温、予熱搬送部(C2)(C3)では
50℃、可塑化部(C4)(C5)(C6)(C7)では180℃、脱気
部(C8)、計量部(C9)(C10) およびストランドダイでは1
50℃とした。
向回転2軸スクリュー押出機の先端に、外径21.5m
m、内径16.2mmのパイプ用成形ダイを連結し、各
区画のバレル設定温度およびストランドダイの設定温度
は、原料供給部(C1)では室温、予熱搬送部(C2)(C3)では
50℃、可塑化部(C4)(C5)(C6)(C7)では180℃、脱気
部(C8)、計量部(C9)(C10) およびストランドダイでは1
50℃とした。
【0050】ホッパーに高密度ポリエチレン(商品名
「ハイゼックス 2200J」、三井石油化学社製)を
投入し、スクリューフィーダーを用いて、20kg/時
間の供給量で供給口から押出機に供給した。
「ハイゼックス 2200J」、三井石油化学社製)を
投入し、スクリューフィーダーを用いて、20kg/時
間の供給量で供給口から押出機に供給した。
【0051】同時に、マイクロポンプを用いて、上記の
液状組成物を216g/時間の供給量で同じ供給口から
押出機に供給した。
液状組成物を216g/時間の供給量で同じ供給口から
押出機に供給した。
【0052】また、シラノール縮合触媒としてジーn−
ブチル錫ジラウレートを含む溶液を、プランジャーポン
プを用いて、8g/時間の供給量で送液し、圧入ノズル
により計量部(C9)から押出機に供給した。この間、スク
リュー回転数40rpmで押出機を運転し、パイプダイ
吐出口より吐出して、シラン変性ポリエチレンのパイプ
成形体を得た。以下、実施例と同様にして水架橋シラン
変性ポリエチレンのパイプ成形体を得た。得られたパイ
プを110℃の水蒸気中で4時間熱処理して水架橋を行
った。こうして水架橋シラン変性ポリエチレンのパイプ
を得た。
ブチル錫ジラウレートを含む溶液を、プランジャーポン
プを用いて、8g/時間の供給量で送液し、圧入ノズル
により計量部(C9)から押出機に供給した。この間、スク
リュー回転数40rpmで押出機を運転し、パイプダイ
吐出口より吐出して、シラン変性ポリエチレンのパイプ
成形体を得た。以下、実施例と同様にして水架橋シラン
変性ポリエチレンのパイプ成形体を得た。得られたパイ
プを110℃の水蒸気中で4時間熱処理して水架橋を行
った。こうして水架橋シラン変性ポリエチレンのパイプ
を得た。
【0053】比較例1 予熱搬送部(C2)(C3)における設定温度を140℃とした
こと以外は実施例1と同様にして、水架橋シラン変性ポ
リエチレンのペレットを得た。
こと以外は実施例1と同様にして、水架橋シラン変性ポ
リエチレンのペレットを得た。
【0054】性能評価試験 実施例1で得られた水架橋シラン変性ポリエチレンのペ
レット、実施例2で得られた水架橋シラン変性ポリエチ
レンのパイプ成形体、および比較例1で得られた水架橋
シラン変性ポリエチレンのペレットについて、JIS
K6769に基づきゲル分率を測定し、12時間の平均
ゲル分率標準偏差を算出した。得られた値を表1に示
す。
レット、実施例2で得られた水架橋シラン変性ポリエチ
レンのパイプ成形体、および比較例1で得られた水架橋
シラン変性ポリエチレンのペレットについて、JIS
K6769に基づきゲル分率を測定し、12時間の平均
ゲル分率標準偏差を算出した。得られた値を表1に示
す。
【0055】
【表1】 この表から明らかなように、予熱搬送部(C2)(C3)におけ
るバレル設定温度を、ビニルトリメトキシシランの沸点
123℃以下にした実施例1および2では、12時間の
連続運転中ゲル分率は安定していた。これに対し、予熱
搬送部(C2)(C3)におけるバレル設定温度を沸点以上の1
40℃にした比較例1では、連続運転中にゲル分率が大
幅にばらついた。
るバレル設定温度を、ビニルトリメトキシシランの沸点
123℃以下にした実施例1および2では、12時間の
連続運転中ゲル分率は安定していた。これに対し、予熱
搬送部(C2)(C3)におけるバレル設定温度を沸点以上の1
40℃にした比較例1では、連続運転中にゲル分率が大
幅にばらついた。
【0056】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、シランの揮
散を押えることができ、経時的に一定量のシランをグラ
フト化反応にあずからせることができるため、安定した
架橋度(ゲル分率)を有する水架橋性シラン変性ポリオ
レフィンを得ることができる。また、シランの系外への
揮発を抑制できるため、原料の利用効率が向上し、シラ
ン添加量が少量でも充分な架橋度が得られる。
散を押えることができ、経時的に一定量のシランをグラ
フト化反応にあずからせることができるため、安定した
架橋度(ゲル分率)を有する水架橋性シラン変性ポリオ
レフィンを得ることができる。また、シランの系外への
揮発を抑制できるため、原料の利用効率が向上し、シラ
ン添加量が少量でも充分な架橋度が得られる。
【図1】図1は、1軸スクリュー押出機の内部を示す概
略図である。
略図である。
【図2】図2は、1軸スクリュー押出機のスクリューを
示す側面図である。
示す側面図である。
【図3】図3は、2軸スクリュー押出機の内部を示す概
略図である。
略図である。
【図4】図4は、押出機の各機能部位を示す模式図であ
る。
る。
(1a)(2a)(3a)(C1) : 原料供給部 (1b)(2b)(3b)(C2)(C3) : 予熱搬送部 (1c)(2c)(3c)(C4)(C5)(C6)(C7) : 可塑化部 (1d)(2d)(3d)(C8) : 脱気部 (1e)(2e)(3e)(C9)(C10) : 計量部
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリオレフィン、ビニルシラン化合物お
よびラジカル重合開始剤を押出機に投入してグラフト反
応を行うに際し、押出機の原料供給部より可塑化部に至
る前までの区間におけるシリンダーバレル設定温度を、
ビニルシラン化合物の沸点以下とすることを特徴とする
シラン変性ポリオレフィンの製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7281972A JPH09124748A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | シラン変性ポリオレフィンの製造方法 |
DE69612938T DE69612938T2 (de) | 1995-10-30 | 1996-10-25 | Verfahren zur Herstellung von mit Silan modifizierten Polyolefinen und Extruder dafür |
EP96117138A EP0771827B1 (en) | 1995-10-30 | 1996-10-25 | Process for producing silane-modified polyolefins and extruder apparatus therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7281972A JPH09124748A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | シラン変性ポリオレフィンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09124748A true JPH09124748A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17646470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7281972A Pending JPH09124748A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | シラン変性ポリオレフィンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09124748A (ja) |
-
1995
- 1995-10-30 JP JP7281972A patent/JPH09124748A/ja active Pending
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