JPH09124652A - ポルフィリン誘導体とその用途 - Google Patents
ポルフィリン誘導体とその用途Info
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- JPH09124652A JPH09124652A JP7315710A JP31571095A JPH09124652A JP H09124652 A JPH09124652 A JP H09124652A JP 7315710 A JP7315710 A JP 7315710A JP 31571095 A JP31571095 A JP 31571095A JP H09124652 A JPH09124652 A JP H09124652A
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Abstract
特定の臓器特に癌への親和性に優れ、正常組織からの排
出速度が速く光毒性を低減させることができ、しかもチ
タンサファイアレーザー(670nm以上600nm以
下の波長)および半導体レーザー(670nm)の使用
が可能であるポルフィリン誘導体を合成・探索し、光物
理化学的診断治療(PDT)に適した光増感剤を提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明は、血液由来のプロトポルフィリンよ
り合成誘導体化したアルデヒド基担持クロリン類に縮合
させて得られたボルフィリン誘導体で構成される。
Description
その用途、特に新規なポルフィリン誘導体を有効成分と
する光物理化学的診断用および治療用の増感剤および/
または光物理化学による癌の診断および治療に用いる薬
剤に関する。
断治療(PDT)が行われている。これはある種のポル
フィリン化合物を静脈注射などの方法により投与し、癌
組織に保持させた後、レーザー光を照射して癌組織のみ
を選択的に破壊するというものである。PDTは、ポル
フィリンの癌組織に保持される時間が正常組織に比べて
長いという性質と光増感作用を持つという2つの性質を
利用している。過去15年間に世界中で5000人以上
の人々がPDTによる悪性腫瘍の治療を受けており、癌
治療法の1つとして定着しつつある。PDTにより良好
な治療成績が報告されている癌種は、網膜癌、皮膚癌、
食道癌、表在性膀胱癌、初期の肺癌など多岐に渡ってい
る。
てヘマトポルフィリン誘導体(HPD)およびphot
ofrin II▲R▼(HPDのエーテル体および/
またはエステル体の二量体)である。HPDはヘマトポ
ルフィリンを酢酸中硫酸処理し、さらに0.1N水酸化
ナトリウムで処理して得られる混合物である。また、p
hotofrin II▲R▼は1995年より日本で
臨床応用されているが、HPDの疎水性の高い成分を主
として含んでおり、HPDとともに複雑な混合物であり
活性成分が不明である。また成分比が一定でないために
治療効果が極めて不安定である。
誘導体が特開平1−246286号、昭63−1452
83号、昭62−205082号、昭62−16778
3号、特開昭62−249986号、昭62−2465
80号、昭62−246579号および昭62−205
081号に、そしてJ.F.Evensenらにより
[Br.J.Cancer,55,483(198
7)]に開示されている。また、クロリン誘導体が特開
平1−250381号、昭63−290881号、昭6
2−5986号、昭62−5985号、昭62−592
4号、昭62−5912号、昭58−981号および昭
57−185220号に、ポルフィリンダイマー誘導体
が米国特許4649151号(1987)、特開昭62
−63586号および昭60−500132号に、ポル
フィリン金属錯体が特開平1−221382号、昭63
−104987号および昭57−31688号に開示さ
れている。ごく最近になって、670nm付近に吸収を
持つメターテトラヒドロキシフェニル クロリン(m−
THPC)やベンゾポルフィリン誘導体(BPD)など
のポルフィリン誘導体も開発されてきた。我々も種々検
討し、クロリン誘導体を特開昭61−7279号および
昭60−92287号に、ポルフィリン金属錯体を特開
平2−138280号、昭62−174079号、特公
平4−24661号、平6−15545号および平7−
25763号に、バクテリオクロリン誘導体を特開昭6
3−196586号に開示してきた。しかしながら、P
DT用の増感剤として用いるには上記化合物では合成、
安定性、水溶性の面において実用化が困難であった。そ
こで更に検討を行い、アルコキシポルフィリンアミノ酸
誘導体およびクロリン誘導体を特開平5−97857号
に開示し、PDT用の増感剤としての有効性を示した
が、さらに高い治療効果の得られる誘導体が期待されて
いる。
過性の問題もある。HPDやphotofrin II
▲R▼は最大吸収波長が630nmであり、モル吸光係
数も3000と低い。630nmの光では組織透過性が
悪く、PDTの治療効果が5〜10mmの表層癌に限定
されてしまっている。
在最もよく使用されている色素レーザーは安定性が悪
く、運用上取扱いが難しい。チタンサファイアレーザー
を用いれば運用がかなり簡単になる。しかしこのレーザ
ーを用いると670nm以上600nm以下の吸収波長
に限られ、630nm付近の吸収波長を持つHPDやP
tofrin II▲R▼には適用できない。最近、半
導体レーザー(670nm)も開発され670nmに吸
収を持つ化合物が有利とされてきた。
を引き起こすことが知られている。このため薬剤投与
後、皮膚などの正常組織が光増感作用で破壊されないよ
うに患者を長期間暗所に閉じ込めておかなければならな
い。HPDおよびPtofrin II▲R▼は正常組
織からの排出速度が遅いので長いときには6週間以上も
光過敏症が残ることもある。現在使用されている薬剤は
こうした多くの問題点を抱えておりHPDおよびPho
tofrin II▲R▼に代わる新しい薬剤の開発が
強く望まれている。そこで上記薬剤が持つ欠点を克服す
るものとして単一化合物でありかつより長波長領域(6
50〜800nm)に吸収を持つ化合物が第2世代の薬
物として提案されている。現在フタロシアニンなどのア
ザポルフィリン類、クロリン・バクテリオクロリンなど
のポルフィリン類、テキサフィリンなどの環拡張型ポル
フィリン類などさまざまな化合物が研究されている。
分であり安定かつ癌組織に対する良好な集積性を維持し
たまま、正常組織からは排出速度が速く光毒性を低減さ
せ、しかもできうればチタンサファイアレーザー(67
0nm以上600nm以下の波長)ならびに半導体レー
ザー(670nm)の使用が可能であるボルフィリン誘
導体を探索し、PDTに適した光増感剤を提供すること
を目的として、種々の研究を重ねた。
導体(特開平5−97857号)の中で血液由来のプロ
トポルフィリンより合成誘導体化したクロリン類の側鎖
に、ある種のイミノ基およびアスパラギン酸残基を結合
させると、単一成分で癌組織に対して優れた集積性と正
常組織より速やかな排出性を、更に670nm以上の最
長波長吸収端を持ち、かつ良好なPDT効果を有するこ
とを見出した。
平5−97857号)と同様に、これらクロリン誘導体
とアルブミンの混液の紫外線吸収(UV)スペクトルを
分析したところ、スペクトルの動向が正の方向すなわち
特定臓器、特に癌への親和性につながっていることが分
かった。
願平4−276488号)と同様に薄層クロマトグラフ
ィー(TLC)や高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)により光に対する反応性の強弱を簡便に評価できる
ダンシルメチオニン基質の系を用いる光増感酸化反応に
よりこれらクロリン誘導体を評価したところ、強い作用
を持つことがわかった
ものであって、その要旨は 一般式 (I) 化1 (式中、R1はCH3、C2H5、CH2CH(C
H3)2、CH2C6H5、CH2C6F5、R2はア
スパラギン酸から水素を除いた残基)で示されるポルフ
ィリン化合物(但し、式中、4つのテトラピロール環の
うちA及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替わった
位置異性体も含む)を表わす。
によって製造することができる。一般式(I)に対応す
るポルフィリン化合物にあっては、まずアルデヒド基を
有する化合物に誘導体化し(工程a)、得られたクロリ
ン誘導体にアスパラギン酸の残基を結合せしめる(工程
b)、そして種々のヒドロキシルアミン誘導体を縮合さ
せる(工程c)。また必ずしも工程(b)、(c)は順
次反応させる必要はなく(c)、(b)のように工程順
が代わっても良い。
orphyrins and Metalloporp
hyrins](Elsevier発行、1975年)
およびD.Dolphin著[The Porphyr
ins](AcademicPress発行、1978
年)等に記載された常套の方法によってこれを行うこと
ができる。
るポルフィリン化合物であるものは、特開昭61−72
79号、特公昭63−13997号、特公平6−155
45、特公平7−25763号、特開平2−13828
0号、特開平4−59779号、特開平5−97857
号および特願平3−323597号に記載された方法に
従ってこれを調製すれば良い。すなわちクロリン化工程
(a)についてはプロトポルフィリン ジメチルエステ
ル(以下PP−Meと言う)を光化学反応処理して得ら
れた1−ヒドロキシ−2−ホルミルエチリデン−プロト
ポルフィリンジメチルエステル(以下P−Meと言う)
を調製する(ただし、4つのテトラピロール環のうちA
およびB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替わった3−
ヒドロキシ−4−ホルミルエチリデン−プロトポルフィ
リン ジメチルエステル体も含む。)。
す。すなわち、R2が水酸基であるポルフィリン化合物
(I)にアスパラギン酸を反応させて、R2がアスパラ
ギン酸担持ポルフィリン化合物(I)を製造する。この
ものは泉屋ら著[ペプチド合成の基礎と実験](丸善発
行、1985年)等に記載された常套の方法によってこ
れを行うことができ、特開昭64−61481号、特公
平7−25763号、特開平2−138280号および
特開平4−59779号に記載された方法に従ってこれ
を調製すればよい。
にアスパラギン酸の残基を導入すればよいから、(I)
のR2側鎖のカルボキシル基とアスパラギン酸のアミノ
基との間で反応を進行させることが好ましく、このため
前者のカルボキシル基および/または後者のアミノ基を
常套の反応性基に変換したり、両者に存在する反応に関
与することが好ましくない官能基を適宜に保護すること
が考慮されてよい。なお、いずれの場合も適宜脱水剤や
脱酸剤のような反応促進剤や縮合剤の使用も考慮されて
よい。
を縮合工程(c)に付す。P−Meに、ヒドロキシルア
ミン誘導体を反応させて縮合体ポルフィリン化合物を製
造する。このものは一般有機化学実験書中[ヒドロキシ
ルアミンとアルデヒド化合物との縮合反応]に記載され
た常套の方法によってこれを行うことができる。なお人
為的に合成する代わりに、植物や動物のような天然資源
からこれを採取してもよい。
(I)の調製を更に具体的に説明する。例えばP−Me
を加水分解して得られた1−ヒドロキシ−2−ホルミル
エチリデン−プロトポルフィリン(以下Pと言う)を調
製する(ただし、4つのテトラピロール環のうちAおよ
びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替わった3−ヒド
ロキシ−4−ホルミルエチリデン−プロトポルフィリン
も含む。)。これに、アスパラギン酸 メチルエステル
等を溶媒中で縮合剤[例えばジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)や水溶性カルポジイミド(WSC)]
等を用いて反応せしめて、R2の側鎖にアスパラギン酸
残基が結合したポルフィリン化合物(I)を得る。次い
で、ヒドロキシルアミン誘導体(例えばO−メチルヒド
ロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルアミン、O−
ベンジルヒドロキシルアミン等)を溶媒中で縮合剤(例
えばピリジン、ピペリジン、酸、アルカリ等)を用いて
反応せしめて、R1の側鎖にこれらの化合物が縮合した
ポルフィリン化合物(I)を得る。その具体例としては
以下のものを挙げることができる。
パラギン酸−3−エテニル−7−ヒドロキシ−8−メト
キシイミノエチリデン−2、7、12、18−テトラメ
チル−ポルフィン(以下NOMe−P−diAspと言
う) (2)13、17−ビスプロピオニルアスパラギン酸−
3−エテニル−7−ヒドロキシ−8−エトキシイミノエ
チリデン−2、7、12、18−テトラメチル−ポルフ
ィン(以下NOEt−P−diAspと言う) (3)13、17−ビスプロピオニルアスパラギン酸−
3−エテニル−7−ヒドロキシ−8−イソブトキシイミ
ノエチリデン−2、7、12、18−テトラメチル−ポ
ルフィン(以下NOisoBu−P−diAspと言
う) (4)13、17−ビスプロピオニルアスパラギン酸−
3−エテニル−7−ヒドロキシ−8−ベンジルオキシイ
ミノエチリデン−2、7、12、18−テトラメチル−
ポルフィン(以下NOCH2C6H5−P−diAsp
と言う) (5)13、17−ビスプロピオニルアスパラギン酸−
3−エテニル−7−ヒドロキシ−8−ペンタフルオロベ
ンジルオキシイミノエチリデン−2、7、12、18−
テトラメチル−ポルフィン(以下NOCH2C6F5−
P−diAspと言う)
製剤の製造は自体公知法により行われ、本発明による誘
導体を適当な緩衝液で溶解するだけでよい。好適な添加
物として例えば医薬的に認容できる溶解補助剤(例えば
有機溶媒)、pH調製剤(例えば酸、塩基、緩衝液)、
安定剤(例えばアスコルビン酸)、賦形剤(例えばグル
コース)、等張化剤(例えば塩化ナトリウム)などが配
合されても良い。
必要十分な特性すなわち長燐光寿命、アルブミンに対す
る親和性、特定臓器特に癌に対する特異的集積性、ダン
シルメチオニン評価による光殺細胞効果、吸収波長、水
溶性、純度などを充分満足しているものである。本発明
による薬剤の良好な水溶性は、高濃度溶液(50mg/
ml)の製造を可能とし、更に本発明による薬剤は試験
管内だけでなく生体内でも高い安定性を示す。一般に、
PDT用薬剤として適用するためには本発明の薬剤を1
mg〜5mg/kg体重の量で投与するのが望ましい。
ィリン骨格の側鎖にアミノ酸残基、またはアルデヒド縮
合体を有する点に化学構造上の特徴を有し、その結果種
々の生理学的もしくは薬理学的特性を発揮する。
的に集積し、かつ癌細胞からの排泄が遅い。なお、正常
な臓器や細胞からは速やかに排泄されるため、それらに
損傷を与えることはない。元来、ポルフィリン誘導体の
殆んどのものは光に対して強い作用を有するが、本発明
に従ってポルフィリン誘導体の側鎖に多官能性化合物残
基を導入することによって正常組織からの排泄性を高め
るとともに、光毒性の発現を極力抑制するようデザイン
した誘導体が可能となった。また、ポルフィリンをクロ
リン誘導体化して波長がレッドシフトすることにより治
療効果の深達度をはかることができた。これらの特性
(癌親和性、光殺細胞効果、吸収波長、水溶性)に基づ
き、本発明のポルフィリン誘導体は特定の臓器、特に癌
や悪性腫瘍に対するPDT薬剤として有用である。
例での収率はすべて出発原料であるPP−Meから換算
して求めた値である。
yrins、Academic Press発行、Vo
l.1,303(1978)]に準じて合成した。PP
−Me100gをクロロホルム10lに溶解し、光照射
下一週間反応させた。(ポルフィリンからクロリン誘導
体化)反応後減圧濃縮し、残渣を得た。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶離液:n−ヘ
キサン−クロロホルム)にて精製して、P−Meを得
た。(50.0g)続いて、これをピリジン・メタノー
ル混液中で加水分解して暗緑色結晶のPを得た。(4
3.0g、収率42.7%)
シクロヘキシルアミン(DCHA)にて常法によりP−
DCHA塩(2.0g)とした。本DCHA塩をクロロ
ホルム150mlに溶解し、アスパラギン酸 ジメチル
エステル(AspMe)塩酸塩2gを加え、撹拌下に水
溶性カルボジイミド(WSC)2gを徐々に加えて1.
5時間反応せしめた。反応後(TLCにて反応終末点を
確認)、反応液を水洗分液後、クロロホルム層を減圧濃
縮した。得られた濃縮物を酢酸エチル−エーテル−n−
ヘキサンにて再沈殿および再結晶化を繰り返し行い、暗
緑色結晶のフォトプロトポルフィニル−6、7−ビスア
スパラギン酸テトラメチルエステル(以下P−AspM
eと言う)を得た。(1.2g、収率17.3%)
ン20mlに溶解し室温撹拌下にO−メチルヒドロキシ
ルアミン塩酸塩150mgを添加、30分間反応せしめ
た。反応後、反応液にクロロホルムを加え、水洗分液後
クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸
エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い沈殿を濾取乾燥
後、ピリジン10mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム
10mlを加え加水分解を行った。1N塩酸で中和後、
クロロホルムにて分液し、クロロホルム層を減圧濃縮し
た。濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキサンに
て再沈殿を行い、暗緑色結晶のNOMe−P−diAs
p(1)を得た。(390mg、13.9%)
ン20mlに溶解し、室温撹拌下にO−エチルヒドロキ
シルアミン塩酸塩150mgを添加、30分間反応せし
めた。反応後、反応液にクロロホルムを加え、水洗分液
後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢
酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い沈殿を濾取乾
燥後、ピリジン10mlに溶解し、1N水酸化ナトリウ
ム10mlを加え加水分解を行った。1N塩酸で中和
後、クロロホルムにて分液し、クロロホルム層を減圧濃
縮した。濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキサ
ンにて再沈殿を行い、暗緑色結晶のNOEt−P−di
Asp(2)を得た。(420mg、14.8%)
ン20mlに溶解し、室温撹拌下にO−イソブチルヒド
ロキシルアミン塩酸塩150mgを添加、30分間反応
せしめた。反応後、反応液にクロロホルムを加え、水洗
分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物
を酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い沈殿を濾
取乾燥後、ピリジン10mlに溶解し、1N水酸化ナト
リウム10mlを加え加水分解を行った。1N塩酸で中
和後、クロロホルムにて分液し、クロロホルム層を減圧
濃縮した。濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキ
サンにて再沈殿を行い、暗緑色結晶のNOisoBu−
P−diAsp(3)を得た。(450mg、15.3
%)
Asp(4)の合成 実施例2で得られたP−AspMe500mgをピリジ
ン20mlに溶解し、室温撹拌下にO−ベンジルヒドロ
キシルアミン塩酸塩150mgを添加、60分間反応せ
しめた。反応後、反応液にクロロホルムを加え、水洗分
液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を
酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い沈殿を濾取
乾燥後、ピリジン10mlに溶解し、1N水酸化ナトリ
ウム10mlを加え加水分解を行った。1N塩酸で中和
後、クロロホルムにて分液し、クロロホルム層を減圧濃
縮した。濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキサ
ンにて再沈殿を行い、暗緑色結晶のNOCH2C6H5
−P−diAsp(4)を得た。(400mg、13.
1%)
ン20mlに溶解し、室温撹拌下にO−(ペンタフルオ
ロベンジル)ヒドロキシルアミン塩酸塩150mgを添
加、120分間反応せしめた。反応後、反応液にクロロ
ホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮し
た。得られた濃縮物を酢酸エチル−n−ヘキサンにて再
沈殿を行い沈殿を濾取乾燥後、ピリジン10mlに溶解
し、1N水酸化ナトリウム10mlを加え加水分解を行
った。1N塩酸で中和後、クロロホルムにて分液し、ク
ロロホルム層を減圧濃縮した。濃縮物をメタノール−酢
酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、暗緑色結晶
のNOCH2C6F5−P−diAsp(5)を得た。
(390mg、11.7%)
目のゴールデンハムスター(1群五匹)にリン酸緩衝液
(1ml)にて希釈した5mgの被験薬剤NOMe−P
−diAsp(1)を静注後、癌を含む各臓器を摘出
し、得られた各器官にN2−pulsed laser
(N2、337nm、2ns、400〜1000nm)
を照射、励起蛍光スペクトルを測定し、470nmのN
ADHのピーク波長を基準として600〜900nmの
波長を検討した。(N2−PLS測定)以下同様にして
得られた結果(癌/各臓器 比)を表1に示す。表1は
薬剤投与3時間後に摘出した各器官の各励起蛍光スペク
トルを測定し、470nmのピーク波長を基準1として
600〜900nmでのピーク波長を算出した値を示
す。
mlに溶解し、前記実施例で得られた増感剤0.1μM
を加え、攪拌下にCold Spot PICL−SX
(Nippon P.I.Co..Ltd.)(ハロゲ
ンランプ、150W、80,000Lux)で照射し
た。光照射1分毎に反応液をTLC板(Kieselg
el 60 F254)にスポットし、クロロホルム−
メタノール(3:2)で展開後、UVランプ(254n
m)でダンシルメチオニンとその酸化生成物(ダンシル
メチオニン スルホキシド)を確認した。TLC板上で
ダンシルメチオニンが完全に消失した時間を反応終了時
間とし、各増感剤の光酸化反応の強弱を比較検討した。
その結果を図1および表2に示す。なお、図1中縦軸は
Rfを横軸は時間(分)を示し、Rf値0.79はダン
シルメチオニン、0.43はダンシルメチオニン スル
ホキシドのスポットである。また、表2の数値は反応完
了時間を分で示し、この値(分)が小さければ小さいほ
ど光酸化反応が強いことを意味する。
るいは多量体を形成することが知られている。この性質
はアルブミン濃度を種々変えて分析を行うことで極大吸
収値の移動または吸光係数の変動がみられることで判
る。したがって癌細胞との親和性を検討するには簡単な
スクリーニングテストである。アルブミン54mgを3
mlの生理食塩水に溶解し、1.8%濃度とする。次い
でこれを10倍希釈して0.18%とした液を公比3で
希釈して各アルブミン濃度(1.8、0.18、0.0
6、0.02、0.0066、0.0022%)の液を
調製した。一方、ポルフィリン誘導体1mgをリン酸緩
衝液(pH8.0)1mlに溶解し、生理食塩水で10
0mlにした。そしてアルブミン希釈液2mlとポルフ
ィリン溶液2mlを混合し、混液のアルブミン最終濃度
を0.9、0.09、0.03、0.01、0.003
3、0.0011%とし紫外線吸収スペクトル測定(3
50〜900nm)を行った。またアルブミン希釈液の
かわりに生理食塩水およびメタノール溶液中でも同様に
測定した。これらの測定結果を表3に示す。その代表例
として、NOMe−P−diAsp(1)の紫外線吸収
スペクトルを図2および図3に示す。
吸収スペクトルを測定した。その代表例として、NOE
t−P−diAsp(2)の赤外吸収スペクトルを図4
に示す。
の集積性、外部エネルギーに対する反応性ならびに癌細
胞の破壊作用を有し、しかも正常細胞に対して毒性を発
現することがないから、癌治療薬あるいは癌診断薬とし
て究めて有用である。
メチルエステルを増感剤として用いた薄層クロマトグラ
ムを示す図である。
ペクトルを示す図である。
ペクトルを示す図である。
ペクトルを示す図である。
濃度0%) 2 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.0011%) 3 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.0033%) 4 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.01%) 5 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.03%) 6 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.09%) 7 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アルブ
ミン濃度0.9%) 8 ポルフィリン溶液とメタノールの混液
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 (I) 化1 (式中、R1はCH3、C2H5、CH2CH(C
H3)2、CH2C6H5、CH2C6F5、R2はア
スパラギン酸から水素を除いた残基)で示されるポルフ
ィリン化合物。(但し、式中、4つのテトラピロール環
のうちA及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替わっ
た位置異性体も含む。) 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載のポルフィリン化合物から
なる光物理化学的診断用および/または治療用増感剤。 - 【請求項3】 癌の診断および/または治療に使用され
る請求項2記載の光物理化学用増感剤。
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