JPH09124518A - オクタジエンの製造方法 - Google Patents

オクタジエンの製造方法

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JPH09124518A
JPH09124518A JP7249711A JP24971195A JPH09124518A JP H09124518 A JPH09124518 A JP H09124518A JP 7249711 A JP7249711 A JP 7249711A JP 24971195 A JP24971195 A JP 24971195A JP H09124518 A JPH09124518 A JP H09124518A
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智康 津田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オクタジエンを長期にわたって安定な操作条
件下で連続的に製造することを可能にする方法の提供。 【解決手段】 ブタジエンとギ酸をパラジウム触媒の存
在下に反応させてオクタジエンを製造するに際し、反応
圧力を反応温度におけるブタジエンの蒸気圧以下に制御
することにより、触媒成分を含む層への蓄積物となる副
生成物の生成を抑制して、それによる反応速度及び選択
率の低下を避ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブタジエンとギ酸
とを反応させてオクタジエンを製造する方法に関する。
【0002】本発明で得られるオクタジエンのうち、
1,7−オクタジエンはポリオレフィンの製造に際して
の架橋剤として、またポリエステル、ポリアミド、アル
キド樹脂原料や可塑剤原料として有用なセバシン酸、C
10ジオール、C10ジアミンの合成中間体として重要
である。一方、1,6−オクタジエンはポリオレフィン
改質剤として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ブタジエンとギ酸とをパラジウム触媒存
在下に反応させてオクタジエンを合成する反応自体は公
知である。特開昭48−29703号公報、特開昭54
−130505号公報、特開昭55−19275号公
報、特開昭54−130504号公報、ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・キャタリシス(Journal of Molecul
arCatalysis)、15巻、377−381頁(198
2)にはオクタジエンの生成反応に際してトリアリール
ホスフィン、トリアルキルホスフィンなどで変性された
触媒を用いることが記載されている。また特開昭55−
81819号公報には第三有機リン配位子として、第三
級有機ホスフィナイト、第三級有機ホスホナイトまたは
それらの混合物、特開昭55−81820号公報には第
三有機リン配位子としてホスフィン、ホスファイト、ホ
スフィナイト、ホスホナイトのいずれか2種の混合物を
含む触媒を用いる方法が記載されている。かかる変性さ
れた触媒の使用はオクタジエンの生成反応における反応
の選択性を向上させる上できわめて有効である。しかし
ながら、前記先行文献に記載されている方法を含む公知
の方法では触媒が原料オレフィンあるいは生成物と均一
混合液を形成するため、反応混合液から触媒と生成物を
蒸留分離しなければならない。このため、熱安定性に乏
しい触媒が加熱されることとなる。その結果、触媒の全
部または一部が熱分解により変質したり、反応で副生す
る高沸点重合物が触媒の循環使用を繰り返す過程で反応
系内に蓄積し、これが触媒の活性低下を引き起こすこと
になる。
【0004】上記の工業的問題点を回避する方法とし
て、特公昭62−17567号公報にはオクタジエンを
製造するに際し、反応を反応混合液に含まれる水分量を
5重量%以下に保ちながらスルホランなどの極性溶媒及
び/または三級アミンのギ酸塩中、親水性ホスフィン化
合物存在下に行い、反応後反応混合液を、これに必要に
応じてギ酸を加えたのち飽和脂肪族炭化水素から選ばれ
る抽剤の存在下または不存在下にオクタジエンを含む層
と触媒成分を含む層とに分液し、触媒成分を含む層をオ
クタジエンの製造工程に循環することを特徴とするオク
タジエンの製造法が記載されている。本発明者らは、ブ
タジエンを原料とする該オクタジエン製造法に関し詳細
に検討した結果、本反応ではオクタジエン生成に伴って
かなりの量のラクトン体が副生することをつきとめた。
ブタジエンと二酸化炭素を高圧下でパラジウム触媒の存
在下に反応させるとラクトン体が生成することは既に知
られていた[例えばジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
エティ, パーキン・トランスアクションI(Journal of
Chemical Society, Perkin Transaction I )、693
〜698頁(1980)参照]が、ギ酸が反応して発生
してくる二酸化炭素の存在下という本反応系のような低
圧下においてもラクトン体が生成することはこれまで認
識されたことはなかった。特公昭62−17567号公
報の方法において、ラクトン体の副生はラクトン体が触
媒成分を含む層へ分配されて蓄積し触媒毒として作用す
るためオクタジエンの収率低下を招き、したがってオク
タジエン製造装置の長期にわたる連続運転を不可能にし
てしまうという重大な問題を引き起こすことが判明し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パラジウム触媒は周知
のごとくきわめて高価な貴金属触媒であるので、工業的
規模でオクタジエンを安価に大量生産するためにはパラ
ジウム触媒の触媒活性が長期にわたって保持されること
が重要である。したがって、本発明の目的はブタジエン
とギ酸をパラジウム触媒の存在下に反応させオクタジエ
ンを製造するに際し、触媒成分を含む層への蓄積物とな
る副生成物の生成を抑制して、それによる反応速度及び
選択率の低下を避け、安定な操作条件下で長期にわたっ
て連続的に運転可能なオクタジエンの製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、ブタジエンとギ酸をパラジウム触媒存在下に反
応させてオクタジエンを製造するに際し、反応圧力を反
応温度におけるブタジエンの蒸気圧以下に制御すること
を特徴とするオクタジエンの製造方法を提供することに
よって達成される。また、上記の目的は、(i)ブタジ
エンとギ酸を、誘電率が39〜100の範囲内にある非
プロトン性極性溶媒中、三級アミンのギ酸塩、パラジウ
ム触媒及び下記の一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】[式中、R1 は置換基を有していてもよい
炭化水素基を表し、R2 は水素原子、アルキル基、ニト
ロ基、シアノ基、アルコキシル基またはハロゲン原子を
表し、nは0または1の整数を表し、xは0、1または
2のいずれかの整数を表し、yおよびzはそれぞれ0、
1、2または3のいずれかの整数を表し(ただし、yお
よびzは同時に0とはならず、x+y+z=3なる条件
を満足するものとする。)、Aは−R3 −COOM、−
3 −NR4 5 または−R3 −NR4 5 の炭酸塩、
重炭酸塩もしくはギ酸塩を表し、Bは−SO3 M、−C
OOM、−NR45 または−NR4 5 の炭酸塩、重
炭酸塩もしくはギ酸塩を表す。(ここでR 3 は置換基を
有していても良いアルキレン基を表し、R4 およびR5
はそれぞれアルキル基または一緒になってアルキレン基
を表し、Mはアルカリ金属を表す。)。]および/また
は一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】[式中、R1 、R2 、n、x、y、z、A
およびBは前記定義のとおりであり、R6 、R7 および
8 はそれぞれ水素原子または低級アルキル基で置換さ
れていてもよい炭化水素基を表し、Xは水酸基、ヒドロ
キシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ
基、またはホルミルオキシ基を表す。]で示される有機
リン化合物の存在下に反応させることによってオクタジ
エンを合成するに際し、反応圧力を反応温度におけるブ
タジエンの蒸気圧以下に制御し、(ii)工程(i)で得
られる反応混合液の少なくとも一部を静置槽に導いて、
オクタジエンを含む層と触媒成分を含む層とに分離し、
(iii )工程(ii)における触媒成分を含む層の少なく
とも一部を工程(i)のオクタジエン合成反応工程に循
環することを特徴とするオクタジエンの製造方法を提供
することによって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】具体的に工程(i)で、反応圧力
を反応温度におけるブタジエンの蒸気圧以下に制御する
には、反応器に調圧弁をつけ、反応温度におけるブタジ
エンの蒸気圧以下の圧力に調圧し、反応で発生する炭酸
ガスの少なくとも一部を連続的に反応系外に放出するこ
とによって行う。通常の有機化合物の温度(t( ℃) )
とその飽和蒸気圧(P(mmHg))の間には、下記のアント
イン(Antoine )式から求められる関係のあることが知
られている(化学便覧、改訂第3版、基礎編II、第11
1頁、1984年、丸善、参照)。
【0012】 log[P(mmHg)]=A−B/[C+[t( ℃)]]
【0013】ブタジエンの場合には、A=6.8500、B=
930.55、C=238.85とされていることから、その温度と
飽和蒸気圧は、およそ30℃−3.3atm 、47℃−
5.0atm 、60℃−7.4atm 、70℃−9.3atm
、90℃−14.0atm 、114℃−20.0atm と
なる。工程(i)において反応圧力が反応温度における
ブタジエンの蒸気圧より高い場合は、反応によって発生
する二酸化炭素の反応系内の存在量が増大し、通常ラク
トン体の副生が起こる。反応圧力をブタジエンの蒸気圧
以下に保てば特にその下限に制限はないが、常圧程度の
低い圧力では反応系よりブタジエンが系外に留出してし
まい、反応系内を一定条件に保って安定に運転するのが
困難となる。
【0014】本発明の製造方法において使用するブタジ
エンとしては工業的に入手可能な重合グレード品、化学
反応用グレード品及び石油化学工業において通常C4留
分と呼ばれている炭化水素混合物のいずれをも使用する
ことができる。しかし、反応速度及び未反応ブタジエン
の回収の容易さを考慮すると、重合グレード品または化
学反応用グレード品を使用するのが好ましい。本発明に
おいてブタジエン濃度に特に制限はないが、反応速度及
び反応混合液中のオクタジエン濃度の点からブタジエン
の濃度を反応混合液1リットル当り0.6モル以上とな
るように保つのが望ましい。ブタジエン濃度の上限には
特に制限はないが、回収量の点からブタジエン濃度は通
常5モル/l以下が好ましい。
【0015】本発明のオクタジエンの製造は非プロトン
性の有機溶媒の存在下に実施することができる。特に、
高い反応速度を得るためには反応溶媒として誘電率が3
9〜100の範囲内にある非プロトン性極性溶媒を用い
ることが望ましい。このような反応溶媒の例としては、
たとえば、アセトニトリル、スルホラン、メチルスルホ
ラン、ジメチルスルホキシド、炭酸エチレン等が挙げら
れるが、反応速度、反応の選択性、安定性、各種成分の
溶出量の低さ、オクタジエンとの分離性の高さを考慮す
るとスルホランがより好ましい。
【0016】本発明においては、ギ酸として無水のギ酸
および含水ギ酸のいずれを使用することもできる。含水
ギ酸を用いて触媒を循環した場合には反応系に水が蓄積
するため、工業的には無水のギ酸を使用するのが好まし
い。ギ酸は解離定数(pKa)が7以上の単座配位性第
三級アミンとの塩として使用することにより、高い反応
速度が達成される。ギ酸と第三級アミンの無水混合物
は、工業的に入手容易なギ酸水溶液と第三級アミンとを
混合し、水を第三級アミンとの共沸蒸留で除去すること
により容易に得ることができる。このため、ギ酸の沸点
(100.8℃)より低い温度で水と共沸する単座配位
性第三級アミンを使用するのが好ましい。単座配位性第
三級アミンの使用量については特に制限はないが、通常
ギ酸と等モルで使用される。ギ酸として単座配位性第三
級アミンとギ酸との共沸混合物を使用するのがより好ま
しい。本発明に用いることのできる単座配位性第三級ア
ミンの具体例としてはトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルア
ミンなどのトリ低級アルキルアミン、N−メチルピペリ
ジン、N−メチルモルホリンなどの環状3級アミンなど
が挙げられる。これらのうちでも入手性、取り扱いの容
易性、沸点、ギ酸との無水共沸混合の沸点、溶解性およ
び価格などの点を考慮するとトリエチルアミンを用いる
のが特に好ましい。ギ酸−トリエチルアミン無水共沸混
合物は、工業的に入手容易なギ酸と水の共沸混合物であ
る76重量%ギ酸水溶液とトリエチルアミンからまずト
リエチルアミンとの共沸により水を除去したのち、減圧
蒸留することにより容易に得ることができる。この無水
共沸混合物中のギ酸とトリエチルアミンの組成比はほぼ
5:2(モル比)である。
【0017】本発明における反応混合液中の単座配位性
第三級アミンのギ酸塩の濃度は反応混合液中におけるブ
タジエンの反応混合液への溶解度を考慮して決定され
る。反応速度の面から単座配位性第三級アミンのギ酸塩
濃度は反応混合液1リットル当り2モル以下、より好ま
しくは1.6モル以下となるように保つのが望ましい。
反応混合液中の単座配位性第三級アミンのギ酸塩濃度の
下限には厳密な意味での制限はないが、反応混合液1リ
ットル当り0.3モル以上に保つことが連続運転を安定
に長期間実施するためには望ましい。単座配位性第三級
アミンのギ酸塩濃度が2モル/lより高いとブタジエン
の反応混合液への溶解度が低下し、反応速度の低下を招
く場合がある。
【0018】本発明において反応系に存在させるパラジ
ウム触媒は、パラジウムまたはパラジウム化合物から誘
導される活性種である。パラジウム触媒を形成させるた
めに用いられるパラジウム化合物は特に限定されるもの
ではなく、例えばこれまでにオクタジエンの合成反応に
用いることが提案されているパラジウム化合物が使用可
能である。これらのパラジウム化合物の具体例として、
パラジウムアセチルアセトナート、π−アリルパラジウ
ムアセテート、π−アリルパラジウムクロリド、酢酸パ
ラジウム、炭酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラ
ジウム、ナトリウムクロロパラデート、ビスベンゾニト
リルパラジウムクロリド、ビストリフェニルホスフィン
パラジウムクロリド、ビストリフェニルホスフィンパラ
ジウムアセテート、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)パラジウム、ビス−π−アリルパラジウムなどを挙
げることができる。オクタジエン合成反応における真の
パラジウム触媒は低原子価パラジウム錯体であるので、
二価のパラジウム化合物を用いる場合には、それを反応
系中に存在するブタジエンまたは単座配位性ホスフィン
で還元することによってパラジウム触媒を形成させるこ
ともできるが、同一反応系内または別の反応容器内で該
二価のパラジウム化合物に還元剤を作用させることによ
ってパラジウム触媒を形成させ、それを使用することも
できる。この目的に用いられる還元剤としては水素化ホ
ウ素ナトリウム、亜鉛末、マグネシウム、ヒドラジンな
どを挙げることができる。反応系中に存在させるパラジ
ウム触媒の量について特別な制限はないが、工業的には
パラジウム触媒を反応混合液1リットル当りパラジウム
原子として好ましくは0.1〜50ミリグラム原子、よ
り好ましくは0.5〜5ミリグラム原子の濃度となる量
である。
【0019】本発明においては公知の有機リン化合物を
存在させて反応することができる。特に、反応系に存在
させる有機リン化合物として、反応条件下において溶媒
に溶解する一般式(I)
【0020】
【化5】
【0021】[式中、R1 、R2 、n、x、y、z、A
およびBは前記定義のとおりである。]で示される親水
性の単座配位性第三級ホスフィンおよび/または一般式
(II)
【0022】
【化6】
【0023】[式中、R1 、R2 、R6 、R7 、R8
n、x、y、z、A、BおよびXは前記定義のとおりで
ある。]で示されるホスホニウム塩を使用した場合には
特公昭62−17567号公報に記載の連続プロセスを
採用できるため長期に触媒を循環使用することができ
る。
【0024】一般式(I)および一般式(II)において
1 が表す炭化水素基としては、炭素数1から8のもの
が好ましく、低級アルキル基で置換されていてもよい直
鎖及び分岐の脂肪族炭化水素基、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、n−オクチル基など;低級アルキル
基で置換されていてもよい脂環式炭化水素基、例えば、
シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基など;並び
にフェニル基、トリル基などのアリール基およびベンジ
ル基などのアラルキル基が挙げられ、該アリール基およ
びアラルキル基の芳香族炭化水素部はメトキシ基などの
アルコキシル基、塩素原子などのハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基などで置換されていてもよい。
【0025】一般式(I)および一般式(II)における
Aが表す−R3 −COOM、−R3−NR4 5 または
−R3 −NR4 5 の炭酸塩、重炭酸塩もしくはギ酸塩
において、R3 が表すアルキレン基としては、炭素数1
から8のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基などの
アルキレン基が挙げられる。該アルキレン基は低級アル
キル基で置換されていてもよい。R4 およびR5 が表す
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基
など、また、R4 およびR5 が一緒になって表すアルキ
レン基としてはブチレン基、アミレン基などが挙げられ
る。該アルキレン基は低級アルキル基で置換されていて
もよい。
【0026】一般式(II)におけるR6 、R7 およびR
8 が表わす低級アルキル基としては、炭素数1から3の
ものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基およびプ
ロピル基が挙げられる。
【0027】一般式(I)および一般式(II)における
Bが表す−SO3 Mおよび−COOMにおいて、Mはア
ルカリ金属を表す。Mが表すアルカリ金属としては、特
にナトリウム、カリウム及びリチウムが好ましい。一般
式(I)においてBが−SO3 Mまたは−COOMであ
る単座配位性ホスフィンは通常、アルカリ金属塩として
用いられるが、このアルカリ金属塩の代わりに遊離のス
ルホン酸、カルボン酸またはこれらのエステルを用い、
これを反応系中または別の反応容器内でアルカリ金属の
水酸化物、重炭酸化物または炭酸化物などの塩と反応さ
せることにより該アルカリ金属塩とすることもできる。
【0028】一般式(I)で示される単座配位性ホスフ
ィンのうちでも特に好ましく用いることができるのは、
一般式(I)においてR1 が芳香族炭化水素基であり、
nが0または1の整数であり、xが0、1または2の整
数であり、yが0または1の整数であり、zが0、1、
2または3の整数であり(ただし、yおよびzは同時に
0とはならず、x+y+z=3なる条件を満足するもの
とする)、Aが−CH2 CH(CH3 )COOMであ
り、かつBが−SO3 M、−COOM、−NR45
たは−NR4 5 の炭酸塩、重炭酸塩もしくはギ酸塩で
ある場合のジアリール型またはトリアリール型のホスフ
ィンである。具体的には下記のものを例示することがで
きる。
【0029】
【化7】
【0030】この中でも特に好ましい親水性のホスフィ
ンの例は次の通りである。
【0031】
【化8】
【0032】前記一般式(I)で示される親水性の単座
配位性ホスフィンのうちアミノ基を有するホスフィンは
通常そのままの形で反応系に添加するが、この種のホス
フィンは反応系中においてギ酸塩として存在するので、
該アミノ基を有するホスフィンをギ酸塩として別途に調
製し、このものを反応系に添加してもよい。なお、単座
配位性有機リン化合物は単独で用いても、または二種以
上を混合して用いてもよい。
【0033】一般式(II)で示されるホスホニウム塩
は、例えば特開平1−85988号公報に記載の方法に
従って合成することができる。ホスホニウム塩はあらか
じめ合成したものを使用してもよいし、反応に先立ち反
応系内対応する親水性単座配位性ホスフィン化合物をパ
ラジウム触媒存在下に一般式(III )で示されるアリル
型化合物
【0034】
【化9】
【0035】[式中、R6 、R7 およびR8 は前記定義
のとおりであり、R9 は水素原子またはアルキルカルボ
ニル基を表す。]と接触させることで系内で合成し、そ
のまま反応に用いてもよい。上記一般式(III )におい
てR9 が表すアルキルカルボニル基としては、メチルカ
ルボニル基、エチルカルボニル基などが例示される。ア
リル型化合物の例としてはアリルアルコール、2−メチ
ル−2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オー
ル、2,5−ヘキサジエン−1−オール、2,7−オク
タジエン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オ
ール、1,7−オクタジエン−3−オール、2−オクテ
ン−1−オールなどのアリル型アルコール;アリルアセ
テート、2−メチル−2−プロペニルアセテート、2,
5−ヘキサジエニルアセテート、2,7−オクタジエニ
ルアセテート、1−ビニル−5−ヘキセニルアセテー
ト、1−ビニル−2−プロペニルプロピオネート、2−
オクテニルプロピオネートなどのアリル型アルコールと
カルボン酸とのエステルが挙げられる。一般式(III )
で示されるアリル型化合物としてアリル型アルコールを
使用する場合には通常、炭酸イオン及び/または重炭酸
イオンを含有する水の存在下に反応が行われ、これによ
って一般式(II)においてXが水酸基またはヒドロキシ
カルボニルオキシ基であるホスホニウム塩が生成する。
ギ酸の存在下に反応を行うと一般式(II)においてXが
ホルミルオキシであるホスホニウム塩を得ることもでき
る。また、一般式(III )で示されるアリル型化合物と
してアリル型アルコールのカルボン酸とのエステルを使
用する場合には炭酸イオン及び/または重炭酸イオンを
含有する水の不存在下に反応を行うことが可能であり、
これによって一般式(II)においてXがアルキルカルボ
ニルオキシ基であるホスホニウム塩が生成する。ホスホ
ニウム塩の合成の際に反応系内に存在させるパラジウム
化合物は本発明において使用しうるパラジウム化合物を
すべて含むことができる。一般式(II)で示されるホス
ホニウム塩の生成反応は、該反応に対して不活性で、か
つ一般式(I)で示される親水性単座配位性ホスフィン
およびアリル型化合物を溶解しうる有機溶媒の存在下に
行うことができ、本発明において使用しうる溶媒をその
まま適用できる。
【0036】反応に先立って反応系内でホスフィンから
ホスホニウム塩への変換反応を実施するに際しては、ア
リル型化合物としてアリル型アルコールを使用する場合
にはオクタジエンの製造における反応速度及び選択性の
点から、反応混合液中の水の含量は5%以下であるのが
好ましい。ホスホニウム塩への変換反応においてアリル
型化合物としてアリル型アルコールのカルボン酸とのエ
ステルを使用すると、反応系内に水の不存在下で変換反
応を行えるので、オクタジエンの製造における反応速
度、選択性の点からより一層好ましい。
【0037】親水性の単座配位性有機リン化合物は、反
応速度及びオクタジエンへの選択率の高さ、パラジウム
触媒の触媒活性の長期安定化、次の静置分離工程におけ
るオクタジエンを含む生成物層へのパラジウム触媒の溶
出の抑制効果などを考慮して通常パラジウム1グラム原
子当り1モル以上、好ましくは6モル以上、より好まし
くは10モル以上の割合で使用される。単座配位性有機
リン化合物の使用量について厳密な意味での上限はない
が、該リン化合物は一般的にはパラジウム1グラム原子
当り150モル以下となるような量で使用され、好まし
くは80モル以下となるような量で用いられる。
【0038】工程(i)の反応温度は反応圧力によって
異なるが、通常20〜110℃の温度で実施される。反
応速度及び反応操作の点から40〜90℃の範囲で実施
するのが好ましい。反応装置としては撹拌型反応槽、気
泡塔型反応槽など公知の気液接触型装置を用いることが
できる。
【0039】本発明の方法において、生成したオクタジ
エンを含む反応混合液を80℃以下の比較的低い温度で
短時間の蒸留に付することによって分離してもよいが、
蒸留分離法はジエンやオレフィン類由来の高沸物の蓄積
による触媒失活および加熱によって、パラジウム触媒が
変質やメタル化により失活する傾向があるため、長期に
わたって安定に運転することは困難である。本発明にお
いて反応混合液からオクタジエンと触媒を分離するに
は、反応混合液の周辺温度への冷却および静置後に反応
混合液がオクタジエンを含む生成物層(上層)と触媒成
分を含む極性溶媒層(下層)とに分離してくるのでこの
上下2層を単に分離する方法または抽剤を添加してオク
タジエンを抽剤で抽出する方法によるのが好ましい。得
られたオクタジエンを含む層を蒸留等の通常行われる分
離操作に付すことによってオクタジエンを分離すること
ができる。
【0040】抽出法による場合は、飽和脂肪族炭化水
素、不飽和脂肪族炭化水素または脂環式炭化水素から選
ばれる抽剤を適量共存させることにより、反応混合液か
らオクタジエンをより有利に分離することができる。抽
剤としてはオクタジエンよりも低い沸点を有する飽和脂
肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素または脂環式炭化
水素が好ましい。これらの具体例としては、n−ブタ
ン、n−ペンタン、n−ヘキサン、ヘキサン混合物、n
−ヘプタンなどの飽和脂肪族炭化水素;ブテン、イソブ
テンなどの不飽和脂肪族炭化水素;及びシクロヘキサ
ン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
式炭化水素が挙げられる。ブタジエン源としてのC4留
分中に含まれるブタン、ブテン、イソブテンなど炭化水
素の混合物を使用することもできる。この中でも特に好
ましく用いることができるものはn−ヘキサンおよびヘ
キサン混合物である。これらの抽剤は単独で使用しても
混合して使用してもよい。また抽剤としてオクタジエン
を使用することもできる。抽剤の使用量には特に制限は
ないが、反応混合液に対する容量比で約1/10〜10
の範囲が望ましい。抽剤を使用する場合の抽出装置とし
ては、工業的に汎用な撹拌型抽出塔、RDC型抽出塔、
多孔板塔などが使用可能であるが、本発明の工業的な実
施においては抽剤を使用せず、反応混合液が層分離する
のに十分な静置槽を備えることで、抽出装置、抽剤の仕
込み及び蒸留回収にかかる設備を省略することができる
ため有利である。
【0041】静置分離工程で得られる触媒成分を含む下
層はオクタジエンの合成反応工程に循環し再使用するこ
とが可能である。下層は所望によりその一部を取り出
し、触媒賦活処理を施したのち、オクタジエンの合成反
応工程に循環してもよい。静置分離工程の操作により生
成物(1,7−オクタジエン、1,6−オクタジエン、
1,3,7−オクタトリエン、高沸副生物など)は主と
して抽剤を含むかまたは抽剤を含まない生成物層中に分
離される。生成物層中にはこのほかに未反応のブタジエ
ン、単座配位性第三級アミン、及び微量の反応溶媒、パ
ラジウム触媒、有機リン化合物などが含まれる場合があ
る。静置分離工程で得られた生成物層を水で洗浄するこ
とにより、生成物層中に含まれる反応に使用した溶媒、
パラジウム触媒などの水可溶性成分を生成物層から抽出
し、得られた水可溶性成分を含有する水は水を留去した
のち、その残留分をオクタジエンの合成反応に使用する
ことができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何等限定される
ものではない。
【0043】実施例1 次に述べる装置を用いて連続反応実験を行い、定常状態
における反応成績を調べた。 反応装置:温度コントローラー、撹拌装置、ブタジエン
定量フィードポンプ、トリエチルアミンギ酸塩の無水共
沸混合物(ギ酸とトリエチルアミンのモル比は5:2)
フィードポンプ、追加スルホラン液フィードポンプ及び
調圧弁を備えたガラス製オートクレーブ。反応圧力は調
圧弁により常に設定値に保たれる。反応混合液はポン
プ、減圧弁を経て静置分離装置へ送られる。 静置分離装置:温度計を備えたガラスオートクレーブ。
生成物層はフィードポンプで蒸留装置へ定量フィードさ
れ、下層触媒液は反応装置に触媒液フィードポンプで定
量フィードされる。 蒸留装置:生成物層からブタジエンを蒸留により回収す
るための加圧蒸留装置及び得られた残さからトリエチル
アミンを蒸留により回収するための常圧蒸留装置。回収
されたブタジエンはブタジエンタンクに戻される。
【0044】反応条件及び反応成績:定常状態における
反応槽中の反応混合液の組成は、スルホラン50.1重
量%、トリエチルアミンギ酸塩1.0モル/l、パラジ
ウム触媒(酢酸パラジウムから調製)、2.1ミリグラ
ム原子/l、有機リン化合物(リチウムジフェニルホス
フィノベンゼン−m−スルホネートとオクタジエニルア
セテートより系内で合成されるホスホニウム塩を使用し
た。)80.4ミリグラム原子/l(リン原子換算)、
ブタジエン2.8モル/l、オクタジエン1.07モル
/l、およびトリエチルアミン0.41モル/lに維持
され、反応温度70℃(70℃におけるブタジエンの飽
和蒸気圧は約9.3kg/cm2 である)、反応圧力
7.5kg/cm2 及び反応液滞留時間0.77時間の
条件で運転した。上記反応混合液を静置槽で20℃で分
離した。
【0045】生成物層及び反応溶媒をガスクロマトグラ
フィーで、ギ酸量を水酸化ナトリウム水溶液による滴定
で、パラジウム成分を原子吸光分析法で、リン成分を比
色定量法でそれぞれ分析した結果、生成物層中のオクタ
ジエン濃度は2.7モル/lであり、ギ酸基準の選択率
はほぼ100%、反応したブタジエン基準での選択率は
95.5%であった。オクタジエン中の1,7−オクタ
ジエンと1,6−オクタジエンの生成比は89/11で
あった。この結果からオクタジエンの生成速度は1.1
9モル/l・hrとなる。また、生成物層中への溶媒、
触媒などの溶出量は1,7−オクタジエン1kg当たり
に換算してパラジウム(原子換算)0.6mg以下、リ
ン(原子換算)4mg、スルホラン107g、トリエチ
ルアミン367gであった。反応で消費されたギ酸に相
当する量のギ酸を含むギ酸−トリエチルアミンの無水共
沸混合物、溶出したパラジウム成分及びリン成分にそれ
ぞれ相当する量の酢酸パラジウム及びリチウムジフェニ
ルホスフィノベンゼン−m−スルホネートとオクタジエ
ニルアセテートより調製したホスホニウム塩並びに溶出
した量と同量のスルホランを反応器に追加しながら21
日間連続運転したところ、一定の反応成績で安定に運転
することができた。また、全運転期間中、ラクトン体の
生成は全く認められなかった。
【0046】実施例2 実施例1における21日の反応期間を90日に延長する
以外は、実施例1と同様にして90日間連続運転を行っ
たところ、実施例1と同様の反応成績で安定に運転する
ことができた。また、全運転期間中、ラクトン体の生成
は全く認められなかった。
【0047】実施例3 実施例1と同一の反応装置で定常状態における反応槽中
の反応混合液の組成を、スルホラン48.4重量%、ト
リエチルアミンギ酸塩1.23モル/l、パラジウム触
媒(酢酸パラジウムから形成された)2.1ミリグラム
原子/l、有機リン化合物(リチウムジフェニルホスフ
ィノベンゼン−m−スルホネートとオクタジエニルアセ
テートより系内で合成されるホスホニウム塩を使用し
た)80.4ミリグラム原子/l(リン原子換算)、ブ
タジエン3.1モル/l、オクタジエン0.70モル/
l、およびトリエチルアミン0.28モル/lに維持
し、反応温度60℃(60℃におけるブタジエンの飽和
蒸気圧は約7.4kg/cm2である。)、反応圧力
6.1kg/cm2 及び反応液滞留時間0.83時間の
条件で運転した以外は実施例1と同様の操作を行った。
生成物層中のオクタジエン濃度は2.2モル/lであ
り、ギ酸基準の選択率はほぼ100%、反応したブタジ
エン基準での選択率は95.6%であった。オクタジエ
ン中の1,7−オクタジエンと1,6−オクタジエンの
生成比は89/11であった。この結果からオクタジエ
ンの生成速度は0.70モル/l・hrとなる。また、
生成物層中への溶媒、触媒などの溶出量は1,7−オク
タジエン1kg当たりに換算してパラジウム(原子換
算)0.6mg以下、リン(原子換算)4mg、スルホ
ラン144g、トリエチルアミン367gであった。反
応で消費されたギ酸に相当する量のギ酸を含むギ酸−ト
リエチルアミンの無水共沸混合物、溶出したパラジウム
成分及びリン成分にそれぞれ相当する量の酢酸パラジウ
ム及びリチウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−ス
ルホネートとオクタジエニルアセテートより調製したホ
スホニウム塩並びに溶出した量と同量のスルホランを反
応器に追加しながら10日間連続運転したところ、一定
の反応成績で安定に運転することができた。また、ラク
トン体の生成は全く認められなかった。
【0048】比較例 実施例3の定常運転後、反応時の反応圧力を10kg/
cm2 に代える以外は実施例3と同様にして10日間運
転を行った。10日後の生成物層中のオクタジエン濃度
は2.05モル/lであり、ギ酸基準の選択率はほぼ1
00%、反応したブタジエン基準での選択率は95.6
%であった。オクタジエン中の1,7−オクタジエンと
1,6−オクタジエンの生成比は89/11であった。
この結果からオクタジエンの生成速度は0.65モル/
l・hrとなる。この10日間の運転期間中、ラクトン
体の副生及び触媒成分を含む層(スルホラン層)中への
蓄積が観察され、反応終了後のスルホラン層を分析した
ところ、ラクトン体が0.05モル/l存在していたこ
とから、オクタジエンの生成速度低下はラクトン体の副
生および蓄積による触媒被毒によるものであることは明
らかである。なお、生成物層中への溶媒、触媒などの溶
出量は1,7−オクタジエン1kg当たりに換算してパ
ラジウム(原子換算)0.6mg以下、リン(原子換
算)4mg、スルホラン144g、トリエチルアミン3
67gであった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、ブタジエンとギ酸をパ
ラジウム触媒の存在下に反応させてオクタジエンを製造
するに際し、触媒成分を含む層への蓄積物となる副生成
物の生成を抑制して、それによる反応速度及び選択率の
低下を避け、長期にわたって安定な操作条件下での連続
的製造を可能にする。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエンとギ酸をパラジウム触媒存在
    下に反応させてオクタジエンを製造するに際し、反応圧
    力を反応温度におけるブタジエンの蒸気圧以下に制御す
    ることを特徴とするオクタジエンの製造方法。
  2. 【請求項2】 (i)ブタジエンとギ酸を、誘電率が3
    9〜100の範囲内にある非プロトン性極性溶媒中、三
    級アミンのギ酸塩、パラジウム触媒及び下記の一般式
    (I) 【化1】 [式中、R1 は置換基を有していてもよい炭化水素基を
    表し、R2 は水素原子、アルキル基、ニトロ基、シアノ
    基、アルコキシル基またはハロゲン原子を表し、nは0
    または1の整数を表し、xは0、1または2のいずれか
    の整数を表し、yおよびzはそれぞれ0、1、2または
    3のいずれかの整数を表し(ただし、yおよびzは同時
    に0とはならず、x+y+z=3なる条件を満足するも
    のとする。)、Aは−R3 −COOM、−R3 −NR4
    5 または−R3 −NR4 5 の炭酸塩、重炭酸塩もし
    くはギ酸塩を表し、Bは−SO3 M、−COOM、−N
    45 または−NR4 5 の炭酸塩、重炭酸塩もしく
    はギ酸塩を表す(ここでR3は置換基を有していても良
    いアルキレン基を表し、R4 およびR5 はそれぞれアル
    キル基または一緒になってアルキレン基を表し、Mはア
    ルカリ金属を表す。)。]および/または一般式(II) 【化2】 [式中、R1 、R2 、n、x、y、z、AおよびBは前
    記定義のとおりであり、R6 、R7 およびR8 はそれぞ
    れ水素原子または低級アルキル基で置換されていてもよ
    い炭化水素基を表し、Xは水酸基、ヒドロキシカルボニ
    ルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、またはホル
    ミルオキシ基を表す。]で示される有機リン化合物の存
    在下に反応させることによってオクタジエンを合成する
    に際し、反応圧力を反応温度におけるブタジエンの蒸気
    圧以下に制御し、(ii)工程(i)で得られる反応混合
    液の少なくとも一部を静置槽に導いて、オクタジエンを
    含む層と触媒成分を含む層とに分離し、(iii )工程
    (ii)における触媒成分を含む層の少なくとも一部を工
    程(i)のオクタジエン合成反応工程に循環することを
    特徴とするオクタジエンの製造方法。
  3. 【請求項3】 ギ酸として無水のギ酸を使用することを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ギ酸として解離定数(pKa)が7以上
    の単座配位性第三級アミンとギ酸との無水混合物を使用
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ギ酸として解離定数(pKa)が7以上
    の単座配位性第三級アミンとギ酸との無水共沸混合物を
    使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の製造方法。
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