JPH0720978B2 - ホスホニウム塩ならびにその製造方法 - Google Patents

ホスホニウム塩ならびにその製造方法

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JPH0720978B2
JPH0720978B2 JP63157739A JP15773988A JPH0720978B2 JP H0720978 B2 JPH0720978 B2 JP H0720978B2 JP 63157739 A JP63157739 A JP 63157739A JP 15773988 A JP15773988 A JP 15773988A JP H0720978 B2 JPH0720978 B2 JP H0720978B2
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、新規なホスホニウム塩ならびにその製造方法
に関する。 本発明により提供されるホスホニウム塩は共役ジエンと
活性水素化合物とのテロメリゼーション反応を促進する
テロメリゼーション用触媒の構成成分として有用であ
る。該テロメリゼーション反応により得られる2,7−オ
クタジエン−1−オール、1−アセトキシ−2,7−オク
タジエン、1−メトキシ−2,7−オクタジエンなどの直
鎖状アルカジエニル化合物は、高分子の製造用原料;医
薬、香料、農薬などの合成原料などとして有用である。
【従来の技術】
アカウンツ・オブ・ケミカル・リサーチ(Accounts of
Chemical Research)第6巻第8〜15頁(1973年)およ
びR.F.ヘツク(Heck)著「パラジウム・リージエンツ・
イン・オーガニック・シンセシス(Palladium Reagents
in Organic Synthesis)」第325〜第334頁[アカデミ
ック・プレス(Academic Press)、米国、1985年]に
は、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンをパラジ
ウム触媒の存在下に水、アルコール、カルボン酸、アミ
ン、アンモニア、エナミン、活性メチル、活性エチレン
または活性メチン化合物、アジド、シランなどの活性水
素化合物とテロメリゼーション反応させることによって
1−置換−2,7−アルカジエンが得られること、および
反応系中にトリフェニルホスフィンなどの配位子を存在
させることによって好ましい反応成績が得られることが
記載されている。 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Yは活性
水素化合物から1個の活性水素原子を除いた形の基を表
す) かかるテロメリゼーション反応による1−置換−2,7−
アルカジエンの製造法の例として、特公昭48−43327号
公報、特公昭50−10565号公報、特公昭54−6270号公
報、特開昭56−138129号公報、特開昭57−134427号公報
などに記載されているようなブタジエンを水とテロメリ
ゼーション反応させることによる2,7−オクタジエン−
1−オールの製造法などが挙げられる。 上記のごときパラジウム触媒の存在下における共役ジエ
ンと活性水素化合物とのテロメリゼーション反応におい
ては、三置換ホスフィンおよび三置換ホスファイトのよ
うな第三級リン化合物を配位子として使用することが、
反応速度および反応の選択性に影響を与えるのみなら
ず、パラジウム触媒を安定化させるうえで重要であると
されている。このため、テロメリゼーション用触媒とし
ては三置換ホスフィンなどの配位子を含む低原子価パラ
ジウム錯体がそのまま使用されるか、または三置換ホス
フィンなどの配位子の存在下にパラジウム(II)化合物
を還元することによって調製された化学種が使用されて
いる。
【発明が解決しようとする課題】
上記の三置換ホスフィンなどの第三級リン化合物を配位
子として使用したパラジウム触媒を用いるテロメリゼー
ション反応においては次のような問題点がある。 (1)パラジウム触媒の安定性は三置換ホスフィンなど
の配位子の濃度が高い程またはパラジウムに対する配位
子のモル比が大きくなる程高いが、逆に反応速度は配位
子濃度が高くなるに従って極端に低下し[ケミカル・コ
ミュニケーションズ(Chemical Communications)第330
頁(1971年)など参照]、また、直鎖状アルカジエニル
化合物、すなわち活性水素化合物が有する活性水素原子
の1個または2個以上が2,7−アルカジエニル基で置換
された形の化合物への選択率はパラジウムに対する配位
子のモル比が大きくなるに従って低下する[ケミカル・
コミュニケーションズ(Chemical Communications)第3
30頁(1971年)、特公昭50−10565号公報など参照]。
従って、このような相反する傾向を有する性質について
の要求、すなわちパラジウム触媒の安定化と高い反応速
度および直鎖状アルカジエニル化合物への高い選択率と
を両立させることは困難である。 (2)配位子として使用される三置換ホスフィンはパラ
ジウムの存在下において酸化され易く[アンゲバンテ・
ヘミー・インターナショナル・エディション・イン・イ
ングリッシュ(Angewandte Chemie International Edit
ion in English)第6巻第92〜93頁(1967年)参照]、
この三置換ホスフィンをテロメリゼーション反応に長期
に亘って循環使用すると、その酸化生成物であるホスフ
ィンオキシドが蓄積されるが、このホスフィンオキシド
は触媒毒として作用し、テロメリゼーション反応に悪影
響を及ぼす(特開昭51−4103号公報参照)。しかも、か
かるホスフィンオキシドの分離・除去は困難である。 (3)本発明者らの検討によれば、パラジウムに対して
過剰量の三置換ホスフィンを使用してテロメリゼーショ
ン反応を行なう場合には、たとえ、パラジウム化合物と
三置換ホスフィンとを用いて調製される触媒活性種とさ
れている低原子価パラジウム錯体をテロメリゼーション
反応に使用する場合であっても反応に長い誘導期間を伴
うことが判明した。特に長期に亘って連続的にテロメリ
ゼーション反応を実施する場合においては、追加したパ
ラジウム触媒がすぐには充分な活性を発揮できないた
め、必要量以上の触媒を追加する事態を招く。 パラジウムは高価な貴金属であるため、これを工業上、
触媒として利用する場合には、パラジウム単位量当りの
生産性を高め、かつ触媒活性を長期に亘って維持するこ
とが要求される。この観点において、上記(1)〜
(3)の問題点を解決することは極めて重要である。 しかして、本発明の目的の1つは、共役ジエンと活性水
素化合物とを用いてテロメリゼーション反応を行なうに
際し、誘導期を伴うことなく、ホスフィンオキシドのよ
うな触媒毒を生ぜしめることなく、しかも直鎖状アルカ
ジエニル化合物を高い反応速度でかつ高い選択率で与え
ることが可能な高い活性を有する新規な有機リン化合物
を含有するテロメリゼーション用触媒の構成成分として
有用な新規な有機リン化合物を提供することにある。本
発明の他の目的は、該有機リン化合物の製造方法を提供
することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式 (式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を
有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R3
は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜
5の炭化水素基を表し、R4、R5およびR6はそれぞれ置換
基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基であっ
てそのうち少なくとも2つは置換基を有していてもよい
フェニル基を表し、Xはヒドロキシカルボニルオキシ基
を表す) で示されるホスホニウム塩が提供される。 本発明によれば、パラジウム化合物の存在下、炭酸イオ
ンおよび/または重炭酸イオンを含有する水の存在下に
おいて、一般式 (式中、R4、R5およびR6は前記定義のとおりである) で示される三置換ホスフィンを該三置換ホスフィンに対
して等モル以上の一般式 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりである) で示されるアリル型化合物と反応させることを特徴とす
るホスホニウム塩の製造方法が提供される。 上記一般式(I)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびX
を以下に詳しく説明する。R1およびR2がそれぞれ表す炭
素数1〜12の炭化水素基としては、メチル、エチル、n
−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル
などのアルキル基、2−プロペニル、3−ブテニル、4
−ペンテニルなどのアルケニル基などの脂肪族炭化水素
基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基等の脂環式
炭化水素基;およびフェニル、トリルなどのアリール
基、ベンジルなどのアラルキル基等の芳香族炭化水素基
を例示することができる。R3が表す炭素数1〜5の炭化
水素基としては、メチル、エチル、プロピルなどのアル
キル基;アリル、4−ペンテニルなどのアルケニル基等
の脂肪族炭化水素基などを例示することができる。R4
R5およびR6がそれぞれ表す炭素数1〜8の炭化水素基と
しては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−オク
チルなどのアルキル基等の脂肪族炭化水素基;シクロヘ
キシル、メチルシクロヘキシルなどのシクロアルキル基
等の脂環式炭化水素基;およびフェニル、トリルなどの
アリール基、ベンジルなどのアラルキル基等の芳香族炭
化水素基を例示することができる。これらのR1、R2
R3、R4、R5およびR6がそれぞれ表す炭化水素基が有して
いてもよい置換基としては、例えば、ジメチルアミノ基
などのジ(低級アルキル)アミノ基;シアノ基;式−SO
3Mまたは−COOM(Mはリチウム、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属原子を表す)で示される基などが挙
げられる。 次に一般式(I)で示されるホスホニウム塩の製造方法
について説明する。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩を製造する際に
使用する一般式(II)で示される三置換ホスフィンの具
体例としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルイ
ソプロピルホスフィン、(C6H5)2PCH2CH2SO3Na、(C6H5)2
PCH2CH(CH3)COONa、 (C6H5)2PCH2CH2N(CH3)2、(C6H5)2PCH2COONaなどの芳香
族ホスフィンが挙げられる。一般式(III)で示される
アリル型化合物としては、アリルアルコール、2−メチ
ル−2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オー
ル、2,5−へキサジエン−1−オール、2,7−オクタジエ
ン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,7
−オクタジエン−3−オール、2−オクテン−1−オー
ルなどのアリル型アルコールが挙げられる。一般式
(I)で示されるホスホニウム塩を製造する場合におけ
る一般式(III)で示されるアリル型化合物の使用量は
三置換ホスフィンに対して等モル以上である。一般式
(III)で示されるアリル型化合物の使用量の上限につ
いて特に制限はないが、一般式(I)で示されるホスホ
ニウム塩を調製したのち過剰の一般式(III)で示され
るアリル型化合物を除去する操作の容易さを考慮する
と、該アリル型化合物を三置換ホスフィンに対して約1
〜10倍モルの量で使用するのが好ましい。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩を製造する際に
反応系に存在させるパラジウム化合物としては、通常の
共役ジエンのテロメリゼーション反応において使用し得
るパラジウム化合物を適用することができる。このよう
なパラジウム化合物の具体例としては、パラジウムアセ
チルアセトナート、π−アリルパラジウムアセテート、
酢酸パラジウム、炭酸パラジウム、塩化パラジウム、ビ
スベンゾニトリルパラジウムクロライドなどのパラジウ
ム(II)化合物;およびビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ
パラジウムなどのパラジウム(0)化合物が挙げられ
る。パラジウム(II)化合物を使用する場合には、パラ
ジウム(II)をパラジウム(0)に還元するための還元
剤を添加することもできる。このような目的に用いられ
る還元剤としては水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属
水酸化物、ギ酸、ナトリウムフェノラート、NaBH4、ヒ
ドラジン、亜鉛末、マグネシウムなどを挙げることがで
きる。還元剤の使用量は通常還元に必要な化学量論量な
いしはその10倍以内の量が好ましい。パラジウム化合物
の使用量は反応混合液1リットルあたりパラジウム原子
として0.1〜10ミリグラム原子、好ましくは0.5〜5ミリ
グラム原子の濃度となるような量で用いるのが望まし
い。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩の生成反応は、
パラジウム化合物の存在下に炭酸イオンおよび/または
重炭酸イオンを含有する水の存在下で行なわれる。一般
式(III)で示されるアリル型化合物としてアリル型ア
ルコールを使用する場合には通常、炭酸イオンおよび/
または重炭酸イオンを含有する水の存在下に反応が行な
われ、これによって一般式(I)においてXがヒドロキ
シカルボニルオキシ基であるホスホニウム塩が生成す
る。炭酸イオンおよび/または重炭酸イオンは反応系内
でこれらを与える二酸化炭素、重炭酸ナトリウムなどの
重炭酸塩;または炭酸ナトリウムなどの炭酸塩から誘導
するのが実用的であり、これらの中でも二酸化炭素から
誘導することが特に好ましい。二酸化炭素を用いる場
合、反応系中の炭酸イオン濃度を高める目的で第三級ア
ミンまたは第四級アンモニウムヒドロキシドを添加する
こともできる。二酸化炭素を使用する場合の二酸化炭素
の分圧は通常常圧から50気圧(ゲージ圧)であり、実用
上、常圧〜10気圧(ゲージ圧)が好ましい。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩の生成反応は、
該反応に対して不活性で、かつ一般式(II)で示される
三置換ホスフィンおよび一般式(III)で示されるアリ
ル型化合物を溶解し得る有機溶媒の存在下に行なっても
よい。このような有機溶媒の具体例としてはジエチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、平均分子量が200〜2000のポリエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類;t−ブタノー
ル、イソプロパノールなどの第2級または第3級のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類;アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;アセト
アミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメ
チルスルホキサイドなどのスルホキサイド類;スルホラ
ン、メチルスルホランなどのスルホン類;ヘキサメチル
ホスフォルアミドなどのリン酸アミド類;酢酸メチル、
酢酸エチル、安息香酸メチル、エチレンカーボネートな
どのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼンなどの芳香族系炭化水素;ブテン、ブタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど
の環式または非環式の脂肪族炭化水素などが挙げられ
る。該有機溶媒は通常単独で使用されるが、混合して使
用しても何らさしつかえない。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩の生成反応は、
通常10℃〜80℃の範囲内の温度で行なわれるが、常温で
行なうのが操作上簡便である。反応は通常0.5〜24時間
で完結し、反応終点はリンの核磁気共鳴スペクトル、液
体クロマトグラフィー、ヨードメトリー分析法などによ
って容易に知ることができる。なお、反応系の雰囲気と
しては、二酸化炭素および窒素などの反応に対して悪影
響を及ぼさないガスを単独でまたは二種以上の混合物で
使用するのが望ましい。 このようにして得られる一般式(I)で示されるホスホ
ニウム塩の反応混合物からの分離・精製は例えば次の方
法により行なうことができる。反応混合物から必要に応
じて水、未反応のアリル型化合物などを減圧下に留去し
たのち、得られた残渣をメタノール、ジエチルエーテル
などの溶媒で洗浄することによって一般式(I)で示さ
れるホスホニウム塩の結晶を取得することができる。 一般式(I)で示されるホスホニウム塩はパラジウム化
合物と組み合せることによって共役ジエンと活性水素化
合物とのテロメリゼーション反応用の触媒を与える。該
触媒を構成する一般式(I)で示されるホスホニウム塩
の量は、通常パラジウム化合物中のパラジウム1グラム
原子に対して6モル以上の割合となる量であり、好まし
くは10〜200モルの範囲内の割合となる量であり、より
好ましくは30〜100モルの範囲内の割合となる量でる。
テロメリゼーション用触媒を構成するパラジウム化合物
は、一般式(I)で示されるホスホニウム塩の生成反応
において使用し得るようなパラジウム(0)化合物また
はパラジウム(II)化合物である。パラジウム(II)化
合物を使用する場合には、さらに還元剤を添加してテロ
メリゼーション反応を行なってもよい。該還元剤として
は前述の一般式(I)で示されるホスホニウム塩の生成
反応において使用し得るような還元剤が挙げられる。還
元剤の使用量は、還元に必要な化学量論量ないしはその
10倍以内の量が好ましい。一般式(I)で示されるホス
ホニウム塩とパラジウム化合物とからなるテロメリゼー
ション用触媒のテロメリゼーション反応系への添加方法
としては、ホスホニウム塩とパラジウム化合物とを別々
に添加してもよく、またホスホニウム塩とパラジウム化
合物との混合物を添加してもよい。後者の添加方法の一
態様として、一般式(I)で示されるホスホニウム塩の
生成反応によって得られた該ホスホニウム塩とパラジウ
ム化合物を含有する反応混合物をそのまままたは適宜、
濃縮もしくは希釈の操作を施したのちにテロメリゼーシ
ョン反応に使用する態様が挙げられる。テロメリゼーシ
ョン用触媒の使用量は、該触媒を構成するパラジウム化
合物がパラジウム原子換算で通常テロメリゼーション反
応混合液1リットル当り0.1〜10ミリグラム原子の濃度
となるような量であり、好ましくは0.5〜5ミリグラム
原子の濃度となるような量である。
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例により限定されるものではない。 実施例1 攪拌器、二酸化炭素導入管およびパージ管を備えたオー
トクレーブに、イオン交換水30ml、ジオキサン110ml、
酢酸パラジウム0.1g、リチウムジフェニルホスフイノベ
ンゼン−m−スルホネート35gおよび2,7−オクタジエン
−1−オール25gを仕込み、二酸化炭素で充分系内の雰
囲気を置換したのち二酸化炭素で5kg/cm2(ゲージ圧)
まで加圧した。次いで、反応液の温度を60℃に昇温し約
20時間反応させた。反応終了後、減圧下に溶媒を留去
し、得られた固体をエーテル100mlで洗浄した。洗浄さ
れた固体を室温で真空乾燥して35gの白色粉末を得た。 この白色粉末を高速液体クロマトグラフィー[溶離液:
0.01mole/1リン酸水溶液/メタノール=1/4、カラム:YM
C−Pack AM312ODS(株式会社山村化学研究所製)]で分
析したところ原料のホスフィン化合物の位置にピークは
認められず、別の位置に単一のピークが認められた。こ
のピークを与える化合物のC及びHについての元素分析
ならびにP、及びLiについての比色分析の結果に基づ
き、該化合物の実験式をC27H28O6SPLiと決定した。ま
た、得られた白色粉末に1N希硫酸を注ぎ、発生する炭酸
ガスを水酸化バリウム法で定量した結果、白色粉末に含
まれるリン原子と発生した炭酸ガスとのモル比は1対1
であることが判明した。さらに、得られた白色粉末につ
いて1H−および31P-NMRスペクトル分析ならびに赤外線
吸収スペクトル分析を行なった。以上の分析結果より、
得られた白色粉末は次の構造式で示される化合物である
と決定した。 なお、得られた化合物の1H-NMRスペクトル、赤外線吸収
スペクトルおよび31P-NMRスペクトルのデータを以下に
示す。1 H-NMRスペクトル (CDCl3中、HMDS基準、90MHz、ppm) δ 1.00〜1.33(m,2H) 1.63〜2.10(m,2H) 4.06(dofd,J=15 and 6.9Hz,2H) 4.66〜6.00(m,5H) 7.31〜7.96(m,12H) 7.96〜8.40(m,2H) 赤外線吸収スペクトル(KBr disk,cm-1) 690,725,755,800,970,1040, 1110,1210,1230,1400,1440, 1485,2940,341031 P-NMRスペクトル (95重量%スルホラン水溶液中、H3PO4基準、ppm) δ 21.55 実施例2 攪拌器、二酸化炭素導入口、サンプリング口、仕込み口
およびガスパージ口を備えたオートクレーブ中に、50重
量パーセントのテトラヒドロフラン水溶液100g、酢酸パ
ラジウム50mgおよびトリフェニルホスフィン3.16gを仕
込み、二酸化炭素で5kg/cm2(ゲージ圧)の圧力をか
け、30分攪拌した。次いで、3.5gのアリルアルコールを
フィードし、オートクレーブを60℃に加温して4時間反
応させた。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、固体を
得た。得られた固体をエーテル100mlで洗浄したのち、
真空乾燥することにより白色粉末を2.9g得た。これを実
施例1と同一の条件で高速液体クロマトグラフィーで分
析した結果、トリフェニルホスフィンのピークは認めら
れず、別の位置に単一のピークが認められた。元素分
析、比色分析、炭酸ガスの定量分析ならびに1H−および
31P-NMRスペクトル分析の結果から、得られた白色粉末
は次の構造式で示される化合物であると決定した。 なお、該化合物の1H-NMRスペクトルのデータを以下に示
す。1 H-NMRスペクトル (DMSO−d6中、HMDS基準、90MHz、ppm) δ 4.54(dofd,J=15.6 and 6.6Hz,2H) 5.13〜6.03(m,3H) 7.53〜8.03(m,15H) 実施例3 リチウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−スルホネ
ート35gの代りにトリフェニルホスフィン26gを使用する
以外は実施例1におけると同様の反応および処理操作を
行なうことによって27gの白色粉末を得た。高速液体ク
ロマトグラフィー分析の結果、該白色粉末はトリフェニ
ルホスフィンとは異なる単一の化合物であることが判明
した。さらに元素分析、比色分析、炭酸ガスの定量分析
ならびに1H−および31P-NMRスペクトル分析の結果か
ら、該化合物の構造式を次のとおりに決定した。 なお、該化合物の1H-NMRスペクトルのデータを以下に示
す。1 H-NMRスペクトル (CDCl3中、HMDS基準、90MHz、ppm) δ 1.05〜1.48(m,2H) 1.63〜2.08(m,4H) 4.05(dofd,J=15 and 6Hz,2H) 4.63〜5.91(m,5H) 7.32〜7.93(m,15H) 実施例4 リチウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−スルホネ
ート35gの代りにナトリウムジフェニルホスフィノベン
ゼン−m−スルホネート40gを用い、かつ2,7−オクタジ
エン−1−オール25gの代りに2−ブテン−1−オール1
4gを使用する以外は実施例1におけると同様の反応およ
び処理操作を行なうことによって33gの白色粉末を得
た。高速液体クロマトグラフィー分析の結果、該白色粉
末は原料として使用したホスフィン化合物とは異なる単
一の化合物であることが判明した。さらに元素分析、比
色分析、炭酸ガスの定量分析ならびに1H−および31P-NM
Rスペクトル分析の結果から、生成物の構造式を次のと
おりに決定した。 なお、該生成物の1H-NMRスペクトルのデータを以下に示
す。1 H-NMRスペクトル (DMSO−d6中、HMDS基準、90MHz、ppm) δ 1.40〜1.65(m,3H) 4.38(dofd,J=15.9 and 6.9Hz,2H) 5.00〜5.93(m,2H) 7.47〜8.10(m,14H) 実施例5 マグネチックスターラー、二酸化炭素導入管およびパー
ジ管を備えた三つ口フラスコに、イオン交換水14gを仕
込み、二酸化炭素をバブリングさせて該イオン交換水に
吸収させた。次いで、酢酸パラジウム6.7mgおよびリチ
ウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−スルホネート
0.42gを二酸化炭素雰囲気下で仕込んだ。約30分攪拌
し、アリルアルコール0.55gを注射器で仕込み、常圧、
室温下で二酸化炭素をバブリングしながら約4時間攪拌
を続けた。反応が完了し、白色の沈澱が生じた。この沈
澱をグラスフィルターで濾過し、減圧乾燥して0.40gの
白色粉末を得た。 この白色粉末を高速液体クロマトグラフィー[溶離液:
0.01モル/1リン酸水溶液/メタノール=1/4(流量:1.2m
l/min);カラム:YMC−Pack AM312 ODS(株式会社山村
化学研究所製)]で分析したところ、原料のリチウムジ
フェニルホスフィノベンゼン−m−スルホネートの位置
にピークは認められず、別の位置に単一のピークが認め
られた。さらに元素分析、比色分析、炭酸ガスの定量分
析、赤外線吸収スペクトルならびに1H−および31P-NMR
スペクトル分析の結果から、生成物の構造式を次のとお
りに決定した。 なお、この生成物の1H-NMRスペクトル、赤外線吸収スペ
クトルおよび31P-NMRスペクトルのデータを以下に示
す。1 H-NMRスペクトル (DMSO−d6中、HMDS基準、90MHz、ppm) δ 4.58(dofd,J=16.5 and 7.1Hz,2H) 5.14〜6.00(m,3H) 7.57〜8.16(m,14H) 赤外線吸収スペクトル(KBr−Disk,cm-1) 690,720,760,950,1000,1040, 1110,1200,1240,2940,343031 P-NMRスペクトル (95重量%スルホラン水溶液中、H3PO4基準、ppm) δ 21.35 製造例1 電磁式攪拌機、二酸化炭素導入口、サンプリング口、仕
込み口、パージ口および温度コントローラーを備えた内
容300mlのステンレス製オートクレーブ中に窒素ガス雰
囲気下で、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウ
ム0.31g(0.3ミリモル)、式 で示されるホスホニウム塩6.2g(12ミリモル)、窒素ガ
スを用いて充分に脱気したスルホラン66g、水68gおよび
トリエチルアミン16.5gを仕込んだ。次いで系内を二酸
化炭素雰囲気としたのち、5kg/cm2(ゲージ圧)に炭酸
ガスで加圧し30分間攪拌した。系内の炭酸ガス分圧を5k
g/cm2(ゲージ圧)に保ちながら系内温度を75℃に昇温
後、ブタジエン40mlを一気に圧入して反応を開始させ
た。反応開始後、少量のサンプルを一定時間毎に取り出
しガスクロマトグラフィーで分析した結果、誘導期間を
伴うことなくテロメリゼーション反応が進行しているこ
とが確認された。これらの分析結果を表1に示す。 また、3時間反応後の触媒液を分析したところ、ホスフ
ィンオキシドの生成は全く認められず、またパラジウム
触媒はメタル化することなく均一に溶解していた。 製造例2 ホスホニウム塩として式 で示されるホスホニウム塩を4.37g(12ミリモル)使用
する以外は製造例1におけると同様にして反応および分
析を行なった。得られた結果を表2に示す。 製造例3〜5 ホスホニウム塩として表3に示すホスホニウム塩のそれ
ぞれ12ミリモルを使用する以外は製造例1におけると同
様にして反応および分析を行なった。得られた結果を表
3に示す。 製造例6 製造例1で用いたものと同じ反応装置に酢酸60g、トリ
エチルアミン101g、式 で示されるホスホニウム塩4.6g(12.6ミリモル)および
トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.43g
(0.42ミリモル)を窒素ガス雰囲気下に仕込み、次いで
ブタジエン50mlを仕込んだのち75℃で3時間反応させ
た。3時間後、内容液を取り出しガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ1−アセトキシ−2,7−オクタジエ
ンおよび3−アセトキシ−1,7−オクタジエンがそれぞ
れ352ミリモルおよび60ミリモル生成していた。 製造例7 製造例1で用いたものと同じ反応装置にスルホラン50
g、メタノール50g、式 で示されるホスホニウム塩2.16g(5ミリモル)および
トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.2g(0.
2ミリモル)を窒素ガス雰囲気下に仕込んだ。次いで、
ブタジエン20gを仕込んだのち75℃で1.5時間反応させ
た。反応終了後、反応混合液をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、1−アセトキシ−2,7−オクタジエ
ンおよび3−メトキシ−1,7−オクタジエンがそれぞれ1
7.7gおよび4.7g生成していた。 この反応混合液から生成物を薄膜蒸発装置を用いて75
℃、25mmHgの減圧下に留去した。残渣として得られた触
媒を含むスルホラン溶液を空気に接触するような開放系
で24時間、室温で攪拌した。攪拌終了後、スルホラン溶
液を分析したが、ホスフィンオキシドの生成は認められ
なかった。 このスルホラン溶液にメタノール50gおよびブタジエン2
0gを加え、1回目の反応と同じ条件で反応させた結果、
1−メトキシ−2,7−オクタジエンおよび3−メトキシ
−1,7−オクタジエンがそれぞれ18.0gおよび4.6g生成し
ていた。 以上の結果から、触媒は酸化に対して安定性が高く、反
応混合液から回収したのちも高い活性が維持されること
が判る。 製造例8 製造例1において用いたものと同じ反応装置に、酢酸パ
ラジウム67.8mg(0.3ミリモル)、式 で示されるホスホニウム塩6.2g(12ミリモル)、スルホ
ラン66g、水68およびトリエチルアミン16.5gを仕込ん
だ。次いで、系内を二酸化炭素で5kg/cm2(ゲージ圧)
に保ちながら、60℃まで昇温した。60℃で1時間攪拌し
たのち、系内を75℃まで昇温した。次いで、ブタジエン
40mlを一括導入したところ直ちに反応が始まった。2時
間反応させたのち、反応混合液をガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、2,7−オクタジエン−1−オールが1
49ミリモル、1,7−オクタジエン−3−オールが7.5ミリ
モル生成していることが判った。 製造例9 製造例1において用いたものと同じ反応装置に塩化パラ
ジウム17.8mg(0.1ミリモル)、式 で示されるホスホニウム塩2.28g(4.3ミリモル)、ギ酸
5mg(0.11ミリモル)、トリエチルアミン25mlおよび酢
酸25mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下に室温で30分間攪拌
した。その後ブタジエン20mlを仕込み、75℃で3時間反
応させた。その結果、1−アセトキシ−2,7−オクタジ
エンが43ミリモル、3−アセトキシ−1,7−オクタジエ
ンが13ミリモル生成した。 製造例10 次のような反応装置および抽出装置を用いて合計30回の
くり返し実験を行なった。 (反応装置)温度計、攪拌装置、ブタジエン定量フィー
ドポンプ、二酸化炭素導入口、液フィード口および液抜
き取り口を備えた内容300mlのステンレス製オートクレ
ーブを反応装置として用いた。 (抽出装置)温度計、攪拌装置、ガス導入口、n−ヘキ
サンフィード口および液の圧送口を備えた内容800mlの
耐圧ガラス製オートクレーブを抽出装置として用いた。
この抽出装置は前記反応装置と直結されている。 (実験方法)反応装置にスルホラン41g、蒸留水45g、ト
リエチルアミン14g、トリスジベンジリデンアセトンパ
ラジウム0.2mg[2ミリモル/リットル(仕込み反応
後)の濃度に相当する]および式 で示されるホスホニウム塩4.1gを仕込み、系内を二酸化
炭素で充分置換したのち、攪拌下に内温が70℃となるま
で加温し、二酸化炭素を内圧が8kg/cm2(ゲージ圧)と
なるまで導入した。600rpmの速度で攪拌しながら、ブタ
ジエンを液体の状態で15ml仕込み、さらにその後14ml/h
rの速度で連続的に導入しながら75℃で60分間反応させ
た。60分間の反応後ブタジエンの導入を停止し、反応混
合液を冷却しながら抽出装置に圧力差を利用して送っ
た。次いで抽出装置内を二酸化炭素で3kg/cm2(ゲージ
圧)まで加圧したのち、20℃でn−ヘキサン100mlを加
えた。15分攪拌したのち、15分静置して生成物のn−ヘ
キサンによる抽出を行なった。上層(n−ヘキサン層)
を圧力差を利用して系外に取り出した。残液に再びn−
ヘキサン100mlを仕込み、同様に抽出して上層を系外に
取り出した。得られたn−ヘキサン層を合せたものにつ
いて、反応生成物およびスルホランをそれぞれガスクロ
マトグラフィーによって、水をカールフィッシャー法に
よって、トリエチルアミンを滴定法によって、パラジウ
ムおよびリン(いずれも原子換算)をそれぞれ原子吸光
法および比色定量法によってそれぞれ定量分析した。抽
残触媒液については反応で消費された量の水ならびにn
−ヘキサン層に溶出した量の水、トリエチルアミンおよ
びスルホランを追加したのち再び反応装置に圧力差を利
用して送った。この触媒液を用いて反応、抽出および触
媒循環の工程からなる一連の操作を合計30回繰り返して
実施した。なお、本繰り返し実験を通じてパラジウム成
分およびリン成分の新らたな追加は行なわなかった。繰
り返し回数と反応成績、ならびにパラジウム成分および
リン成分のn−ヘキサン層中へ溶出量との関係を表5に
示す。表5より触媒活性が長期に亘って保持されること
が判る。 製造例11 実施例5におけると同じ反応装置に、95重量%スルホラ
ン水溶液70.0g、イオン交換水63.0g、トリエチルアミン
16.5g、アリルアルコール2.7g、酢酸パラジウム67.4mg
およびリチウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−ス
ルホネート4.22gを仕込み、二酸化炭素の雰囲気下に室
温で5時間攪拌し触媒液を調製した。触媒液を高速液体
クロマトグラフィーで分析したところ、原料のホスフィ
ン化合物のピークが消失し、変換が完了していることが
確認された。 電磁式攪拌機、二酸化炭素導入管、サンプリング管、仕
込み管およびパージ管を備えたオートクレーブに前記触
媒液全量を仕込み、反応系を室温で二酸化炭素の雰囲気
[二酸化炭素の分圧:5kg/cm2(ゲージ圧)]とした。次
いで温度を75℃にセットし、ブタジエン40mlを仕込んで
テロメリゼーション反応を開始させた。反応開始後、反
応混合液中の生成物である2,7−オクタジエン−1−オ
ールおよび1,7−オクタジエン−3−オールを経時的に
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、誘導期を伴
うことなく反応が進行しているのが確認された。ガスク
ロマトグラフィーによる分析結果を表6に示す。 また、3時間の反応の後、触媒液を高速液体クロマトグ
ラフィーで分析したが、ホスフィンオキシドの生成は全
く認められなかった。 製造例12 実施例5におけると同じ反応装置を用い、95重量%スル
ホラン水溶液70.0g、イオン交換水20g、2,7−オクタジ
エン−1−オール8.0g、酢酸パラジウム67.3mgおよびナ
トリウム2−(ジフェニルホスフィノ)エタンスルホネ
ート3.7gを仕込んだ。この混合液を二酸化炭素の雰囲気
下、50℃で10時間反応させ触媒液を調製した。この触媒
液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、原
料のホスフィン化合物のピークが消失しており、変換が
完了していることが確認された。 製造例11においてテロメリゼーション反応を行なう際に
用いたものと同じ反応器にイオン交換水43gおよびトリ
エチルアミン16.5gを加えさらに二酸化炭素を吸収させ
た。次いで上記触媒液を全量仕込み、製造例11における
と同様にしてテロメリゼーション反応を実施した。経時
的に反応混合液中の生成物をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、誘導期を伴うことなく反応が進行して
いることが確認された。ガスクロマトグラフィーによる
分析結果を表7に示す。 また3時間の反応の後、触媒液を高速液体クロマトグラ
フィーで分析したが、ホスフィンオキシドの生成は全く
認められなかった。 製造例13 内容50mlの三ツ口フラスコに95重量%スルホラン水溶液
20g、イオン交換水5g、酢酸パラジウム0.067g、ナトリ
ウムジフェニルホスフィノベンゼン−m−スルホネート
4.8gおよびアリルアルコール1.4gを仕込み、二酸化炭素
をバブリングさせながら50℃で4時間攪拌した。得られ
た触媒液を高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、原料のホスフィン化合物のピークが消失しており、
変換が完了していることが確認された。 製造例11においてテロメリゼーション反応を行なう際に
用いたものと同じ反応器に、酢酸100g、トリエチルアミ
ン20gおよび上記触媒液全量を窒素ガス雰囲気下に加え
た。次いでブタジエン30mlを仕込んで80℃で3時間反応
させた。3時間の反応後、内容物を取り出しガスクロマ
トグラフィーにて分析したところ1−アセトキシ−2,7
−オクタジエンおよび3−アセトキシ−1,7−オクタジ
エンがそれぞれ52ミリモルおよび15ミリモル生成してい
た。また3時間の反応の後、触媒液を高速液体クロマト
グラフィーで分析したが、ホスフィンオキシドの生成は
全く認められなかった。
【発明の効果】
本発明によれば、上記の実施例から明らかなとおり、新
規なホスホニウム塩とパラジウム化合物からなるテロメ
リゼーション用触媒を用いることによって、反応の誘導
期を伴うことなく、かつ触媒毒であることが知られてい
るホスフィンオキシドを生ぜしめることなく、共役ジエ
ンと活性水素化合物から直鎖状アルカジエニル化合物を
高い選択率で得ることができる。また、該触媒の安定性
を高めるためにそれを構成するホスホニウム塩をパラジ
ウム化合物に対して大過剰に使用した場合においても、
直鎖状アルカジエニル化合物が高い反応速度で得られ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を
    有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R3
    は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜
    5の炭化水素基を表し、R4、R5およびR6はそれぞれ置換
    基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基であっ
    てそのうち少なくとも2つは置換基を有していてもよい
    フェニル基を表し、Xはヒドロキシカルボニルオキシ基
    を表す) で示されるホスホニウム塩。
  2. 【請求項2】パラジウム化合物の存在下、炭酸イオンお
    よび/または重炭酸イオンを含有する水の存在下におい
    て、一般式 (式中、R4、R5およびR6はそれぞれ置換基を有していて
    もよい炭素数1〜8の炭化水素基であってそのうち少な
    くとも2つは置換基を有していてもよいフェニル基を表
    す) で示される三置換ホスフィンを該三置換ホスフィンに対
    して等モル以上の一般式 (式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を
    有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R3
    は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜
    5の炭化水素基を表す) で示されるアリル型化合物と反応させることを特徴とす
    る請求項1記載のホスホニウム塩の製造方法。
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