JPH09124487A - 腎臓疾患予防・治療剤 - Google Patents
腎臓疾患予防・治療剤Info
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- JPH09124487A JPH09124487A JP21999196A JP21999196A JPH09124487A JP H09124487 A JPH09124487 A JP H09124487A JP 21999196 A JP21999196 A JP 21999196A JP 21999196 A JP21999196 A JP 21999196A JP H09124487 A JPH09124487 A JP H09124487A
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Abstract
異なって、低級アルコキシル基を示し、A及びA′は、
同一又は異なって、低級アルキレン基を示す)で表され
る化合物もしくはその酸付加塩又はこれらの水和物を有
効成分として含有する腎臓疾患予防・治療剤。 【効果】 優れた急性腎不全の予防・治療作用及び腎臓
における虚血−再灌流障害に対して強力な抑制作用を有
し、しかも毒性の少ないものであり、腎臓疾患の予防又
は治療に有用である。
Description
療剤に関し、更に詳しくは、急性腎不全に代表される腎
臓疾患の予防・治療剤に関する。
生体の内部環境を正常に保持できなくなった状態をい
い、中でも、腎機能の急激な悪化により窒素代謝物の蓄
積など体液の恒常性を維持できなくなる急性腎不全は、
透析療法の進歩した今日でも依然として死亡率は高く、
予後の悪い疾患である。急性腎不全の治療剤としては、
尿細管流量を増し、尿細管内にできる円柱を洗い流して
尿細管の閉塞を防ぐことで、腎機能の回復を期待する目
的で、ループ利尿剤や浸透圧利尿剤が使われているが、
これらは使い方次第で、それぞれ聴力障害や心不全・肺
水腫等の重篤な副作用を誘発する危険性がある。そのた
めより有効でかつ安全な急性腎不全の治療ないしは予防
薬の開発が望まれている。
は腎疾患、特に腎不全の予防・治療剤を提供することに
ある。
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった結
果、後記一般式(1)で表される化合物もしくはその酸付
加塩又はそれらの水和物が、腎臓疾患、特に腎不全に対
する強力な予防・治療作用を有し、更には虚血−再灌流
によって発生した浮腫形成も強力に抑制することを見出
し、本発明を完成した。
は、同一又は異なって、低級アルコキシル基を示し、A
及びA′は、同一又は異なって、低級アルキレン基を示
す)で表される化合物もしくはその酸付加塩又はこれら
の水和物を有効成分として含有する腎臓疾患予防・治療
剤を提供するものである。
れる化合物(以下、化合物(1)という)は、公知の化合
物であり、例えば特開平3-2144号公報に記載されてい
る。この公報には、当該化合物が脳出血、脳梗塞、クモ
膜下出血、一過性脳虚血発作、脳血管障害に伴う脳機能
障害などの改善あるいは進展防止のために有効に使用で
きる脳保護剤として有用であることが示されているが、
本剤が腎臓疾患に対する予防・治療に適用できるか否か
は示唆されていない。
6で示される低級アルコキシル基としては、炭素数1〜
6のものが好ましく、特にメトキシル基、エトキシル
基、n-プロポキシル基、イソプロポキシル基などが好ま
しい。また、A及びA′で示される低級アルキレン基と
しては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基
が好ましく、特にトリメチレン基、テトラメチレン基、
ペンタメチレン基などが好ましい。
R6がメトキシル基で、A及びA′がテトラメチレン基
のもの、特にN,N′-ビス[4-(3,4,5-トリメトキシフェニ
ル)ブチル]ホモピペラジンが好ましいものとして挙げら
れる。
に記載の方法、好ましくは該公報に記載の方法(1)に従
って製造することができる。
か、その酸付加塩又はこれらの水和物を用いることもで
きる。かかる酸付加塩は常法により得ることができ、酸
付加塩の酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭化
水素酸等の無機酸;酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマール酸、メタンス
ルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸などが挙げら
れる。
物(1)もしくはその酸付加塩又はこれらの水和物を有効
成分とするものであり、この有効成分を単独で、又は薬
学的に許容される担体、例えば賦形剤、結合剤、希釈剤
等を用いて錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、注射
剤、坐剤等の任意の剤型とすることができる。これらの
製剤は公知の方法で製造することができる。例えば経口
投与用製剤とする場合には、化合物(1)等を澱粉、マン
ニトール、乳糖等の賦形剤;カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合
剤;結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカル
シウム等の崩壊剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム
等の滑沢剤;軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤などを適
宜組み合わせて処方することにより製造することができ
る。
体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、化合物
(1)として、通常成人の場合、1日0.1〜1,000mgを1〜
3回に分けて投与するのが好ましい。また、体外循環の
場合は、化合物(1)の濃度が1nM〜1mMの範囲になるよ
うに調整するのが好ましい。
又は患うと予測される患者には、経口投与あるいは全身
投与して用いることができ、また腎臓外科手術における
動静脈遮断及び再灌流を受けようとしている又は受けて
いる患者には、経口投与あるいは全身投与するか、又は
このような患者の体外循環に添加して用いることができ
る。さらに、腎移植手術に際しては、臓器提供者に経口
投与あるいは全身投与し、摘出臓器の保存液中に添加
し、被移植患者にも手術前後に経口投与あるいは全身投
与して用いることが好ましい。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
モピペラジン・2塩酸塩の製造:1-クロル-4-(3,4,5-ト
リメトキシフェニル)ブタン 7.5g、ホモピペラジン 1.
3g、炭酸カリウム 4.5g及びヨウ化カリウム 5.3gを
ジメチルホルムアミド 4.2mlに加え、100℃で1時間攪
拌した。反応液を食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を希塩酸で抽出し、水層を酢酸エチル
で洗浄したのち、水酸化ナトリウムで塩基性として、エ
ーテルで抽出した。エーテル層を食塩水で洗浄し、乾燥
したのち、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製することにより遊離塩基4.7gが
得られた。このものを常法により塩酸塩とし、メタノー
ル−エーテルより再結晶することにより、融点191〜194
℃(分解)の目的物3.2gを得た。
H,s) IR(KBr);cm-1 1587, 1238, 1122
抑制効果)N,N′-ビス[4-(3,4,5-トリメトキシフェニ
ル)ブチル]ホモピペラジン・2塩酸塩(以下試験化合物
という)が、ラット急性腎不全に及ぼす影響を調べた。
ペントバルビタール麻酔下において、ラットの右腎臓を
摘出した後に、左背側部を切開し、左腎動脈及び左腎静
脈を露出させ、腎交感神経を傷つけないように左腎動脈
を分離させた。左腎動脈をマイクロクリップで30分間遮
断し、その後クリップを開放して急性腎不全モデルを作
製した。クリップ開放24時間経過後に、動脈血を約5ml
抜き、直ちに遠心にかけて、上清成分である血漿を採取
した。血漿中のクレアチニンの量を急性腎不全の指標と
した。クレアチニンの量はJaffe法により求めた。試験
化合物はクリップ装着10分前に、体重1kgあたり3mgを
静脈内投与した。
て使用した生理食塩水を試験化合物の投与方法と同様に
投与した溶媒投与群を設け、試験化合物群の結果と比較
した。またクリップ装着を施さず溶媒投与のみを行った
偽手術群を設けた。
アチニン量が0.85±0.04mg/dlであるのに対して、溶媒
投与群では、3.35±0.59mg/dlと血漿クレアチニン量の
上昇が顕著に認められた。一方、試験化合物投与群で
は、血漿クレアチニン量が2.34±0.07mg/dlと溶媒投与
群と比較して血漿クレアチニン量の抑制が認められた。
従って、急性腎不全時に上昇する血漿クレアチニン量
が、試験化合物投与により抑制されたことから、本化合
物が急性腎不全の発症に対する予防作用を有することが
確認された。
ビス[4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブチル]ホモピペ
ラジン・2塩酸塩(以下試験化合物という)が、ラット
腎臓における虚血−再灌流による浮腫の形成に及ぼす影
響を調べた。Pellerらの方法〔J. Clin. Invest., 74,
1156-1164(1984)〕に従い、ラット左腎動静脈をクリッ
プで30分間虚血を負荷し、再灌流24時間後に、腎水分含
量を指標にして腎障害に対する試験化合物の効果を調べ
た。腎水分含量の測定はStewart-Wallance〔Brain, 62,
426-438(1939)〕及びElliott and Jasper〔Am. J. Phy
siol., 157, 122-129(1949)〕の乾燥重量法に従った。
試験化合物は腎動静脈閉塞10分前及び再灌流直後の2
回、各3mg/kgを静脈内投与した。再灌流24時間後に左
腎臓を摘出し、湿重量及び乾燥重量を測定し、次式に従
って腎水分含量を算出した。
腎湿重量×100
食塩水)のみを投与した薬物非投与群(Control群)を
設け、また腎動静脈を剥離し、虚血負荷を施さない偽手
術群(Sham群)を設け、試験化合物投与群と比較した。
は76.82%であったが、虚血−再灌流処置を施したContr
ol群のそれは78.04%と、1.22%の顕著な上昇が観察さ
れた。これに対し、試験化合物投与群では77.10%と、
水分含量の増加が抑制された。Sham群に比したControl
群の水分含量増加率を100%とすると、試験化合物は虚
血−再灌流による水分含量の増加を77%抑制した。ま
た、結果は示していないが、試験化合物は再灌流直後の
1回投与のみでも虚血−再灌流による水分含量の増加を
著しく抑制した。以上のことから、試験化合物は腎臓の
虚血−再灌流による浮腫形成に対して強力な抑制作用を
有することが確認された。
いた。試験化合物を5%アラビアゴムに懸濁して300又
は1000mg/kg経口投与後0.5、1、2及び4時間の各時期
に行動観察を行い、その後3日間動物を飼育し観察し
た。その結果、本試験化合物は300及び1000mg/kg経口投
与によって行動異常並びに死亡を認めなかった。
ンカプセルに充填し、カプセル剤を得た。
モピペラジン・2塩酸塩100mg及び塩化ナトリウム900mg
を約80mlの注射用蒸留水に溶かし、次いで得られた溶液
に注射用蒸留水を加え、総量100mlにする。これを無菌
濾過したのち遮光アンプル10本に分注、シールし、無菌
の注射剤を得た。
不全の予防・治療作用及び腎臓における虚血−再灌流障
害に対して強力な抑制作用を有し、しかも毒性の少ない
ものであり、腎臓疾患の予防又は治療に有用である。
ニン抑制作用を示す図である。
制作用を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は
異なって、低級アルコキシル基を示し、A及びA′は、
同一又は異なって、低級アルキレン基を示す)で表わさ
れる化合物もしくはその酸付加塩又はこれらの水和物を
有効成分として含有する腎臓疾患予防・治療剤。 - 【請求項2】 N,N′-ビス[4-(3,4,5-トリメトキシフェ
ニル)ブチル]ホモピペラジンもしくはその酸付加塩又は
これらの水和物を有効成分として含有する腎臓疾患予防
・治療剤。 - 【請求項3】 腎臓疾患が腎不全である請求項1又は2
記載の予防・治療剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21999196A JP3881061B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-21 | 腎臓疾患予防・治療剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP7-220109 | 1995-08-29 | ||
JP21999196A JP3881061B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-21 | 腎臓疾患予防・治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09124487A true JPH09124487A (ja) | 1997-05-13 |
JP3881061B2 JP3881061B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
ID=26523454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21999196A Expired - Fee Related JP3881061B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-21 | 腎臓疾患予防・治療剤 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3881061B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP21999196A patent/JP3881061B2/ja not_active Expired - Fee Related
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