JPH0912426A - 吸湿性物質組成物 - Google Patents

吸湿性物質組成物

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JPH0912426A
JPH0912426A JP7163815A JP16381595A JPH0912426A JP H0912426 A JPH0912426 A JP H0912426A JP 7163815 A JP7163815 A JP 7163815A JP 16381595 A JP16381595 A JP 16381595A JP H0912426 A JPH0912426 A JP H0912426A
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starch
modified starch
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water
hygroscopic substance
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JP7163815A
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Inventor
Etsuo Kamata
悦雄 鎌田
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BEEGAN TSUSHO KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
BEEGAN TSUSHO KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特定の澱粉を含有する吸湿性物質組成物を提供
する。 【構成】澱粉粒の外殻薄膜構造を実質的に温存し、全粒
子の20〜80%が実質的に非複屈折性であって、膨潤
容積が3〜10ミルリットル/g、保水力が3〜7であ
る改質澱粉に、吸湿性物質を担持してなる吸湿性物質組
成物及びその製造方法。 【効果】特定の改質澱粉に吸湿性物質を担持させるとい
う簡単なプロセスで、吸湿性が抑制され取扱性の良い粉
末状、顆粒状の吸湿性物質が容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の澱粉を含有する
吸湿性物質組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、化粧品等の分野におい
て、調味料、保湿剤等として利用されるものは吸湿性を
示す物質であることが多い。これらはペースト状、液状
の形態で扱われることが多いが、ハンドリング性を考え
て粉末化、顆粒化の検討も進められている。
【0003】例えば、特開昭63ー225332号公報
には、吸湿性物質である乳酸ナトリウムを乳酸カルシウ
ムと複合塩とすることで吸湿性を抑えることが記載され
ているが、乳酸カルシウム自体がいくらか吸湿性あるい
は風解性を持つためその効果は十分ではなかった。ま
た、特開昭63ー313574号公報には、見掛比重が
0.6〜0.2、α化度70%以上で、かつ水分12%
以下のα化した澱粉質素材を含有することを特徴とする
吸湿・固結が防止された粉体について記載がある。しか
し、ここで用いれれる澱粉質素材は澱粉質をエクストル
ーダー等で膨化加工するものである。この方法では澱粉
の外殻薄膜構造の破壊に伴って水可溶分が増加するた
め、糊性が発現し好ましくなかった。また、吸湿性成分
と澱粉質素材を単に混合しているだけであり、吸湿性を
抑制する効果は十分ではなかった。
【0004】また、特開平2−157041号公報に
は、吸湿性物質を生澱粉とともに水中に分散あるいは溶
解させ、次いで加温処理することによって大部分の澱粉
粒子の複屈折性を消失させた後、乾燥させる吸湿性物質
含有粉末の製造法が開示されている。この方法で澱粉粒
子の70〜90%が複屈折性を消失する、即ち非複屈折
性となると記載されている。しかし、吸湿性物質存在下
で生澱粉を加熱し、澱粉粒子のうち70〜90%の複屈
折性を消失させることをコントロールすることは困難で
あった。また、大部分の澱粉粒子の複屈折性を消失させ
るため、アルファー化澱粉に近い状態になっており、や
やべたつき易いとともに、糊性が感じられ好ましくなか
った。また、やや糊性があるため錠剤にしたときの崩壊
が遅くなり、その結果、組成物を水中に投入したときの
吸湿性物質の溶出が速やかで無いという欠点があった。
【0005】そのため、吸湿によるべたつきを感じさせ
ず、粉同士のブロッキング、ホッパーやタンク内でのブ
リッジ形成、機壁への付着を抑制した取り扱い性の良好
な、吸湿性物質を含有する粉末、顆粒等の固形状組成物
が望まれていた。また、水中で吸湿性物質の溶出が速や
かに起こる組成物が望まれていた。特に有機及び無機塩
類、中でも乳酸塩はこれまで固形化が難しかったため、
取り扱い性の良い固形状組成物が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な欠点が無く、取り扱い性の優れた吸湿性組成物及びそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、澱粉粒の外殻
薄膜構造を実質的に温存し、全粒子の20〜80%が実
質的に非複屈折性であって、膨潤容積が3〜10ミルリ
ットル/g、保水力が3〜7である改質澱粉に、吸湿性
物質を担持してなる吸湿性物質組成物及びその製造方法
に関する。
【0008】以下、詳細に本発明を説明する。本発明で
言う吸湿性物質とは、例えば、乳酸ナトリウム、乳酸カ
リウム、乳酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、にが
り等の有機及び無機塩類、単糖、オリゴ糖、還元麦芽
糖、水飴のような非晶質性の強い糖類、アミノ酸類、ペ
プチド類、核酸及びそれらの塩類、醤油等の調味料類、
クロレラエキス、生薬エキス、酵母エキス等のエキス類
等であり、吸湿し易く、粘着性、潮解性を示すものを指
す。本発明の技術で、これらの吸湿性物質を固形化する
ことができるが、特に有機及び無機塩類、中でも乳酸塩
はこれまで固形化が難しかったため、本発明の技術は適
している。
【0009】次に、本発明で使用する改質澱粉について
説明する。改質澱粉は、生澱粉を水分の存在下で粒子の
外殻薄膜構造を破壊することなく、全体の20〜80%
の粒子が実質的に非複屈折性となるまで加温し、次いで
該外殻薄膜構造を破壊することなく乾燥することで得る
ことができる。出発原料としての生澱粉は種々のものを
使用できる。たとえば、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、
モチトウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、米
澱粉、サゴヤシ澱粉等が挙げられる。
【0010】改質澱粉は、生澱粉粒の外殻薄膜構造を実
質的に温存しているため、光学顕微鏡で観察するとき粒
子状態として観察され、個々の粒子が識別可能である。
ここで使う実質的にとは、90%以上程度のことであ
る。生澱粉は、粒子形態を示しているが、この生澱粉粒
子を水分の存在下で加熱することで、粒子は膨潤し、最
終的には外殻薄膜構造が破壊される。このような外殻薄
膜構造が破壊された澱粉は、所謂アルファー化澱粉であ
って、内部の非晶質澱粉分子が溶出するため、水を加え
ると糊状になる。この状態では、吸湿性物質を担持させ
る能力が劣る。即ち、澱粉自体が吸湿するため、べたつ
きを感じやすくなる。改質澱粉の水可溶分は10重量%
以下が好ましい。更に好ましくは、6重量%以下であ
る。特に好ましくは、4重量%以下である。
【0011】また、改質澱粉を水中に投入して偏光顕微
鏡で観察するとき、全粒子の20〜80%、好ましくは
25〜70%、更に好ましくは30〜65%が実質的に
非複屈折性である。生澱粉粒子は、水中に投入して偏光
顕微鏡で観察するとき、ほぼ全粒子が明瞭な複屈折性
(偏光十字)を示す。この澱粉粒を水分の存在下で加熱
等行うことによって、粒子は膨潤し、それに伴い、徐々
に複屈折性が不明瞭になる。最終的には、外殻薄膜構造
が維持されながらも複屈折性を示さない、つまり非複屈
折性粒子となる。改質澱粉は、20〜80%の粒子が実
質的に非複屈折性である。言い替えると、80〜20%
粒子は、不明瞭であっても複屈折性を示し、かつ全体の
粒子が外殻薄膜構造を維持している。粒子の外殻薄膜構
造が実質的に温存されていて非複屈折性粒子が80%を
越える澱粉は、アルファー化澱粉そのものの糊状感はな
いが、それでも澱粉粒子が生澱粉に比較してかなり膨潤
し、アルファー化澱粉に近い状態となるため、ややべた
つき易いとともに、糊性が感じられ好ましくない。ま
た、吸湿性物質組成物を水中に投入したとき、糊性のた
め崩壊が遅くなるため、吸湿性物質の溶出が遅くなる傾
向がある。また、非複屈折性澱粉粒子が20%未満の場
合、生澱粉との差がなくなる。
【0012】改質澱粉の膨潤容積は、3〜10ミリリッ
トル/gである。好ましくは3.5〜9ミリリットル/
g、さらに好ましくは4〜8.5ミリリットル/gであ
る。本発明の効果が現れる膨潤容積の下限は、3ミリリ
ットル/gであり、それ未満では生澱粉との差がなくな
る。また、10ミリリットル/gを越えると、糊状感が
増大し、吸湿性物質を担持させた場合にべたつき易くな
る。
【0013】改質澱粉の保水力は3〜7である。吸湿性
物質を担持する効果が現れる保水力の下限は3である。
また、7を越えると、糊状感が増大するため好ましくな
い。好ましくは3.5〜6である。改質澱粉の見掛密度
は、0.35〜0.80g/ミリリットルであることが
好ましい。小さ過ぎる場合は、組成物が軽質になるため
取扱性が悪化し、逆に大き過ぎる場合は、重質であるた
め、担持できる吸湿性物質の量が限られるので好ましく
ない。
【0014】本発明の吸湿性物質組成物は、改質澱粉の
外殻薄膜構造を実質的に維持したまま、その内部あるい
は表面に吸湿性物質を担持させることにより得られる。
担持させる方法としては、改質澱粉及び吸湿性物質を水
に分散あるいは溶解させた後、凍結乾燥法、真空乾燥
法、噴霧乾燥法、フラッシュ乾燥法で乾燥させる方法、
改質澱粉に吸湿性物質水溶液を添加し、乾燥する流動層
法、改質澱粉と吸湿性物質の混合物に水を添加し混合
後、乾燥する混合造粒法等、種々の方法があるが、以下
の二つの方法が好ましい。
【0015】まず、流動層法であるが、改質澱粉を流動
層造粒機中で40〜120℃程度、好ましくは60〜9
0℃程度の熱風を導入して流動させながら、流動状態を
見ながら吸湿性物質の水溶液の噴霧、乾燥を繰り返しな
がら、最後に噴霧を停止し、熱風で乾燥させる方法であ
る。この方法は、観察しながら行うことができるので、
コントロールが容易と言う利点がある。通常の流動層造
粒機の他、ワースター付き流動層造粒機、転動流動層造
粒機等も使用できる。
【0016】二つ目は、改質澱粉及び吸湿性物質を水に
分散あるいは溶解させた後、改質澱粉の外殻薄膜構造を
破壊することなく噴霧乾燥あるいはフラッシュ乾燥する
方法である。改質澱粉の水中での濃度は、2〜20重量
%程度である。また、噴霧乾燥時の熱風の入口温度は1
20〜300℃程度、出口温度は60〜120℃程度が
好ましい。更に好ましくは出口温度は70〜100℃程
度である。この方法は、組成物を大量に製造する場合に
好ましい。また、水中で改質澱粉が十分に膨潤するた
め、改質澱粉粒子の表面だけでなく内部まで吸湿性物質
を担持することができる。噴霧乾燥の後、流動層造粒機
で造粒を行っても良い。また、最初から流動層内蔵型噴
霧乾燥機を使用しても良い。
【0017】これらの方法では、外殻薄膜構造の有無、
膨潤容積、非複屈折性などの改質澱粉の物性の変化がほ
とんどなく好ましい。組成物中の組成は、吸湿性物質の
種類によって変えることができる。一般的には、固形分
比で、改質澱粉100重量部に対して、吸湿性物質を1
〜400重量部程度含むことが好ましい。吸湿性物質の
含有量が少ないと吸湿性物質本来の目的で使用する際、
組成物を多量に配合しなければならず不利である。40
0重量部を超えると吸湿性物質の性質が強く出るため好
ましくない。特に好ましくは、改質澱粉100重量部に
対して、吸湿性物質10〜250重量部である。更に好
ましくは、改質澱粉100重量部に対して、吸湿性物質
20〜150重量部である。
【0018】吸湿性物質組成物は、水分含量が1〜15
重量%になるまで乾燥することが好ましい。1重量%未
満にまで乾燥することはエネルギー的に不利であるし、
乾燥時間も長くなる。15重量%を超えるとべたつき感
が出る。特に好ましくは2〜10重量%である。更に好
ましくは2〜8重量%である。本発明の吸湿性物質組成
物は、粉末状、顆粒状などの固形状であり、更にそれら
を錠剤化したものも含まれる。吸湿性物質を2種類以上
配合してもかまわない。また、起源あるいは物性の異な
る改質澱粉を本発明の範囲内で混合して使用することも
自由である。吸湿性物質、改質澱粉以外の成分も必要に
より配合してかまわない。
【0019】本発明の吸湿性物質組成物は、吸湿性物質
本来の目的に取り扱い性良く使用することができる。例
えば、乳酸塩組成物の場合は、食品化粧品等において保
存剤、保湿剤、粘稠剤、pH調製剤等として用いる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、これに限定されるものではない。本発明で
用いた用語の定義及び測定法等は、以下の通りである。 (1)水可溶分 改質澱粉3g(無水換算)を精秤し、20℃の純水30
0gを加え、1500rpmで2分間高速撹拌する。つ
いで、No5C濾紙を用いて分散液の全量を濾過する。
秤量瓶に濾液約40ミリリットルをとり、精秤した後<
W(g)>、105℃で蒸発乾固し、固形分重量を求め
<W0(g)>、次式により水可溶分を求める。 水可溶分(重量%)=W0/W×104 (2)膨潤容積 改質澱粉として5g(無水換算)を共栓付100ミリリ
ットルメスシリンダーに採り、25℃の純水80ミリリ
ットルを加え軽く振盪して脱泡させた後、全量を純水で
100ミリリットルとする。密栓し24時間静置し、吸
水膨潤した試料の容積を読み、それを5で除して膨潤容
積とする。 (3)保水力 膨潤容積の測定法に準じて作成し、得られた分散液を遠
心沈降管に移し、2000Gで10分間遠心分離する。
上澄み液を捨て湿潤沈積物の重量を測定し<W(g)
>、次いで該沈積物を絶乾秤量し<W0(g)>、次式
により保水力を算出する。
【0021】保水力 = W / W0 (4)複屈折性粒子と非複屈折性粒子の観察 改質澱粉として約2.5gを取り、純水500gを添加
し、TKホモミキサー10000rpm、5分間分散す
る。この試料を顕微鏡の視野の中で、自然光で観察され
る全粒子数のうち、偏光で粒子の一部でも光る粒子を複
屈折性粒子、光らない粒子を非複屈折性粒子と定義す
る。 (5)見掛密度 100ミリリットルのますにサンプルを入れた後すり切
り、入ったサンプルの重量を測定し、その値を100で
除して見掛密度とする。 (6)水分含量 試料を105℃で3時間乾燥し、求める。 (7)実施例及び比較例に用いた澱粉類とその特性 表1に示すような特性を有する、改質澱粉A、改質澱粉
B、トウモロコシ澱粉(日澱化学製)、アルファー化澱
粉(アミコールH、日澱化学製)などを用いた。
【0022】
【実施例1】改質澱粉A500g(固形分換算)を流動
層造粒機(大川原製作所製)に仕込み、65℃の熱風を
入れながら流動させた。60%乳酸ナトリウム250g
(固形分150g:改質澱粉100重量部に対し、30
重量部)を改質澱粉の流動状態を見ながら、徐々に噴霧
した。噴霧終了後、そのまま流動させながら乾燥を行
い、水分含量3.0%の流動性の良い顆粒状の乳酸ナト
リウム組成物Aを得た。また、組成物A中に含まれる改
質澱粉の膨潤容積は8.4ミリリットル/g、外殻薄膜
構造は維持され、非複屈折粒子の割合は65%であり、
操作前の改質澱粉の物性にほとんど変化はなかった。
【0023】組成物Aを500mg取り、打錠圧700
kg/cm2で打錠し錠剤を得た。錠剤を水に投入し、攪拌し
ながら、イオン電導度をモニターして乳酸ナトリウムの
溶出を調べたところ、3分程度で全乳酸ナトリウムを溶
出した。
【0024】
【実施例2】60%乳酸ナトリウムを650g(固形分
390g:改質澱粉100重量部に対し、78重量部)
用いる以外は実施例1と同じように操作し、水分含量
3.5%の流動性の良い顆粒状の乳酸ナトリウム組成物
Bを得た。実施例1と同様の方法で錠剤を作成し、乳酸
ナトリウムの溶出を調べたところ3分程度で全乳酸ナト
リウムを溶出した。
【0025】
【実施例3】改質澱粉A500g(固形分換算)、60
%乳酸ナトリウム1000g(固形分600g:改質澱
粉100重量部に対し、120重量部)を水中に分散溶
解させ、計6000gのスラリーを作成した。次にこの
スラリーを入口温度180℃、出口温度90℃、スラリ
ー供給量4リットル/hrで噴霧乾燥を行い、水分含量
5.5%の流動性の良い粉末状の乳酸ナトリウム組成物
Cを得た。
【0026】乳酸ナトリウム組成物C550gをさらに
流動層造粒機で流動させながら、60%乳酸ナトリウム
200g(固形分120g:改質澱粉100重量部に対
し、乳酸ナトリウム計168重量部)を噴霧し、次いで
乾燥して水分含量4.5%の顆粒状の乳酸ナトリウム組
成物Dを得た。また、組成物D中に含まれる改質澱粉の
膨潤容積は8.6ミリリットル/g、外殻薄膜構造は維
持され、非複屈折粒子の割合は65%であり、操作前の
改質澱粉の物性にほとんど変化はなかった。
【0027】
【実施例4】改質澱粉B及び乳酸カリウムを使用する以
外は、実施例1と同様に操作し、水分含量2.5%の流
動性の良い顆粒状の乳酸カリウム組成物Eを得た。
【0028】
【実施例5】改質澱粉B500g(固形分換算)を流動
層造粒機(大川原製作所製)に仕込み、75℃の熱風を
入れながら流動させた。薄口醤油1000g(固形分2
50g:改質澱粉100重量部に対し、50重量部)を
改質澱粉の流動状態を見ながら、徐々に噴霧した。噴霧
終了後、そのまま流動させながら乾燥を行い、水分含量
3.5%の流動性の良い顆粒状の醤油組成物Fを得た。
【0029】
【実施例6】改質澱粉A250g(固形分換算)を10
%クロレラエキス5000g(固形分500g:改質澱
粉100重量部に対し、200重量部)中に分散させス
ラリーを作成した。次にこのスラリーを入口温度200
℃、出口温度80℃、スラリー供給量6リットル/hr
で噴霧乾燥を行い、水分含量7.0%の流動性の良い粉
末状のクロレラエキス組成物Gを得た。
【0030】
【比較例1】トウモロコシ澱粉を使用する以外は実施例
1と同じように操作し、水分含量3.5%の顆粒状の乳
酸ナトリウム組成物Hを得た。しかし、トウモロコシ澱
粉の保水性が低いため、乳酸ナトリウム水溶液の噴霧速
度が上げられなかった。また、噴霧速度が遅いにも関わ
らず、流動層内への原料の付着が甚だしかった。
【0031】
【比較例2】アルファー化澱粉を使用する以外は、実施
例3と同様の方法で噴霧乾燥を行い、水分含量6.0%
の粉末状の乳酸ナトリウム組成物Iを得た。組成物Iは
ややべたついた感じで流動性が良くなかった。また、噴
霧乾燥機チャンバーの機壁への付着が大であった。
【0032】
【比較例3】トウモロコシ澱粉とアルファー化澱粉を重
量比で1:1で混合したものを使用する以外は実施例5
と同様に操作し、水分含量4.2%の顆粒状の醤油組成
物Jを得た。組成物Jはややべたついた感じで流動性が
良くなかった。また、流動層機壁への付着が大であっ
た。
【0033】
【比較例4】特開平2−157041号公報の実施例1
に従って、乳酸ナトリウムを含有する複合体を作成し
た。即ち、トウモロコシ澱粉と乳酸ナトリウムを固形分
比で3:7としたスラリーを作成し、75℃に加熱し、
複屈折性が80%程度消失した時点で加熱を停止し、冷
却した。次いで、入口温度200℃、出口温度100℃
で噴霧乾燥し、変成澱粉複合体を得た。得られた複合体
は水分含量5.0%であった。複合体中の変成澱粉は、
外郭薄膜構造を維持していたが、粒子の83%が非複屈
折性であった。複合体中の変成澱粉の特性を表1に示し
た。該複合体はややべたつき易く、糊性が感じられた。
【0034】該複合体を500mg取り、打錠圧700
kg/cm2で打錠し錠剤を得た。錠剤を水に投入し、攪拌し
ながら、乳酸ナトリウムの溶出をイオン電導度をモニタ
ーして調べたところ、全乳酸ナトリウムを溶出するのに
5分以上必要とした。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の吸湿性物質組成物は、吸湿性物
質を特定の改質澱粉と混合し、乾燥するという簡単なプ
ロセスで製造可能であり、これまで困難であった吸湿性
物質の粉末化、顆粒化が容易にできる。また、本発明の
組成物は、吸湿に起因する粉末同士のブロッキング、ブ
リッジ現象、機壁への付着が抑制された保存性の良い組
成物である。さらに、該組成物は、水中で攪拌すると速
やかに吸湿性物質を放出するので、吸湿性物質本来の用
途に対して、きわめて利用しやすい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉粒の外殻薄膜構造を実質的に温存
    し、全粒子の20〜80%が実質的に非複屈折性であっ
    て、膨潤容積が3〜10ミルリットル/g、保水力が3
    〜7である改質澱粉に、吸湿性物質を担持してなること
    を特徴とする吸湿性物質組成物。
  2. 【請求項2】 澱粉粒の外殻薄膜構造を実質的に温存
    し、全粒子の20〜80%が実質的に非複屈折性であっ
    て、膨潤容積が3〜10ミルリットル/g、保水力が3
    〜7である改質澱粉に、吸湿性物質を担持させることを
    特徴とする吸湿性物質組成物の製造方法。
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