JPH09123990A - 小型船舶 - Google Patents

小型船舶

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JPH09123990A
JPH09123990A JP7286118A JP28611895A JPH09123990A JP H09123990 A JPH09123990 A JP H09123990A JP 7286118 A JP7286118 A JP 7286118A JP 28611895 A JP28611895 A JP 28611895A JP H09123990 A JPH09123990 A JP H09123990A
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seat
hull
viscoelastic body
cushion body
engine
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Kenichi Otsuka
健一 大塚
Kazuyoshi Kaneko
和佳 金子
Satoshi Tanigaki
聡 谷垣
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B29/00Accommodation for crew or passengers not otherwise provided for
    • B63B29/02Cabins or other living spaces; Construction or arrangement thereof
    • B63B29/04Furniture peculiar to vessels

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水面からジャンプして着水した時等に生じる衝
撃力を緩和することが可能である。 【解決手段】小型船舶1は、船体2に操向ハンドル30
を備え、この操向ハンドル30の後方にシート31を設
け、このシート31は船体2に立ち上げたシート台33
上に載置され、このシート31下方の船体2内にエンジ
ン5が少なくともその一部が位置するように搭載され、
さらにシート台33上面にエンジン点検口34を開口
し、シート31をクッション体36と粘弾性体38とを
重ね合わせて形成し、このクッション体36の下部に粘
弾性体38を位置させ、さらに上端が船外に開口する一
方下端が船体2内に開口する複数の空気ダクト50,5
2を船体長手方向に互いに偏位させて設けると共に、船
体側面視においてこれら空気ダクト50,52の下端開
口50b,52bの中心を通る鉛直線L1,L2の間に
粘弾性体38の少なくとも一部を配置させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水面を高速で滑
走する滑走艇などの小型船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】このように高速で滑走する小型船舶とし
て、船体に操向ハンドルを備え、この操向ハンドルの後
方にシートを設け、このシートは前記船体に立ち上げた
シート台上に載置され、このシート下方の船体内にエン
ジンが搭載され、さらにシート台上面にエンジン点検口
を開口したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この小型船舶のシート
は、ボトムシート上に載置されたウレタンフォーム等の
クッション体とクッション体を覆うビニールレザー製の
表皮とを有しており、特に、シートの下方に搭載される
エンジンの振動や滑走により船体に発生する振動は、ク
ッション体によって緩衝され、これらの振動が乗船者に
伝えられることが抑制される。
【0004】ところで、特に高速で滑走する小型船舶で
は、水面からジャンプして着水することがあり、この着
水した時等に大きな衝撃が生じ、この衝撃力はクッショ
ン体では充分に緩和することができず、ボトムシートや
シート台に当接して衝撃を受けることがある。
【0005】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、水面からジャンプして着水した時等に生じる衝撃
力を緩和することが可能な小型船舶を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、船体に
操向ハンドルを備え、この操向ハンドルの後方にシート
を設け、このシートは前記船体に立ち上げたシート台上
に載置され、このシート下方の船体内にエンジンが少な
くともその一部が位置するように搭載され、さらに前記
シート台上面にエンジン点検口を開口した小型船舶にお
いて、前記シートをクッション体と粘弾性体とを重ね合
わせて形成し、このクッション体の下部に粘弾性体を位
置させ、さらに上端が船外に開口する一方下端が船体内
に開口する複数の空気ダクトを船体長手方向に互いに偏
位させて設けると共に、船体側面視においてこれら空気
ダクトの下端開口の中心を通る鉛直線の間に粘弾性体の
少なくとも一部を配置させたことを特徴としている。
【0007】このように、高速で滑走する小型船舶が水
面からジャンプして着水することがあると、この着水し
た時等の衝撃力はクッション体で緩和され、さらに粘弾
性体によって吸収されて乗船者がボトムシートやシート
台に当接して衝撃を受けることが防止され、底付き感等
を与えることがなく、座り心地が改善される。
【0008】また、上端が船外に開口する一方下端が船
体内に開口する複数の空気ダクトを船体長手方向に互い
に偏位させて設けると共に、船体側面視においてこれら
空気ダクトの下端開口の中心を通る鉛直線の間に粘弾性
体の少なくとも一部を配置させており、空気ダクトから
の空気でエンジンの近傍に配置される粘弾性体を冷却し
て粘弾性体の耐久性を向上させることができる。
【0009】請求項2記載の発明は、船体に操向ハンド
ルを備え、この操向ハンドルの後方にシートを設け、こ
のシートは前記船体に立ち上げたシート台上に載置さ
れ、このシートはボトムシート上に載置されたクッショ
ン体とクッション体を覆う表皮とを有し、前記ボトムシ
ートには空気取り人れ開口が形成され、前記シート下方
の船体内にエンジンが少なくともその一部が位置するよ
うに搭載されている小型船舶において、前記シートをク
ッション体と粘弾性体とを重ね合わせて形成し、このク
ッション体の下部に粘弾性体を位置させ、さらに前記粘
弾性体の外側方の少なくとも一部においてシート台上面
とシート下面との間にシール部材を介在させたことを特
徴としている。
【0010】このように、高速で滑走する小型船舶が水
面からジャンプして着水することがあると、この着水し
た時等の衝撃力はクッション体で緩和され、さらに粘弾
性体によって吸収されて乗船者がボトムシートやシート
台に当接して衝撃を受けることが防止される。
【0011】また、シート台上面とシート下面との間に
介在させたシール部材によって、ボトムシートに開口し
た空気取り入れ開口を通って粘弾性体とクッション体と
の境界面に船外の水が入り込むことが防止され、粘弾性
体とクッション体との密着性が維持される。
【0012】請求項3記載の発明は、船体に操向ハンド
ルを備え、この操向ハンドルの後方にシートを設け、こ
のシートは前記船体に立ち上げたシート台上に載置さ
れ、このシートはボトムシート上に載置されたクッショ
ン体とクッション体を覆う表皮とを有し、前記ボトムシ
ートには空気取り人れ開口が形成され、前記シート下方
の船体内にエンジンが少なくともその一部が位置するよ
うに搭載されている小型船舶において、前記シートをク
ッション体と粘弾性体とを重ね合わせて形成し、このク
ッション体の下部に粘弾性体を位置させ、さらにこの粘
弾性体下方のボトムシートにおける単位面積あたりの空
気取り入れ開口の開口面積を、前記粘弾性体下方を除く
ボトムシートにおける単位面積あたりの空気取り入れ開
口の開口面積よりも小さくしたことを特徴としている。
【0013】このように、高速で滑走する小型船舶が水
面からジャンプして着水することがあると、この着水し
た時等の衝撃力はクッション体で緩和され、さらに粘弾
性体によって吸収されて乗船者がボトムシートやシート
台に当接して衝撃を受けることが防止される。
【0014】また、粘弾性体下方のボトムシートにおけ
る単位面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積を、粘
弾性体下方を除くボトムシートにおける単位面積あたり
の空気取り入れ開口の開口面積よりも小さくしているの
で、エンジンからの熱がボトムシートの空気取り入れ開
口を通って粘弾性体に伝わることを防止して、粘弾性体
の耐久性を向上することができる。
【0015】請求項4記載の発明は、前記粘弾性体が、
前記クッション体側より前記ボトムシート側を硬く形成
したことを特徴としている。
【0016】このように、粘弾性体のクッション体側よ
りボトムシート側を硬く形成しており、粘弾性体の硬さ
が次第に変化するような特性が得られ、シートに乗船者
が座った時に底付き感などを与えることがなく、座り心
地が改善される。
【0017】請求項5記載の発明は、前記粘弾性体が、
クッション体側の硬さを、前記クッション体の硬さと略
等しい場合から、前記クッション体の硬さと、粘弾性体
側の硬さの中間の硬さまでの範囲において設定したこと
を特徴としている。
【0018】このように、クッション体と粘弾性体との
境界部分で貯蔵弾性率に大きな段差が生じることが避け
られ、座り心地が改善される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の小型船舶の実施
例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は小型船
舶の側面図、図2は小型船舶の平面図、図3はシート部
の断面図、図4は粘弾性体の貯蔵縦弾性係数を説明する
ためのシートの概念図、図5は粘弾性体の貯蔵縦弾性係
数を説明するための図である。
【0020】小型船舶1としては、水ジェット推進装置
であり、その船体2は、ハル3とデッキ4から構成され
ている。船体2の内部中央部には、エンジン5が搭載さ
れ、このエンジン5の左右前後の支持部6,7がハル3
にマウントされている。船体2の船底には、船体外に形
成された凹部に水噴射ユニット8が配置されている。エ
ンジン5の出力軸9がカップリング10を介して水噴射
ユニット8のインペラ軸11と接続され、インペラ軸1
1の先端部にはインペラ12が設けられている。水噴射
ユニット8は、インペラ12側に外水を導入する吸込ケ
ーシング13、吸込ケーシング13に後続してインペラ
12を収容するユニットダクト14、ユニットダクト1
4に後続する操向ノズル15等を有している。
【0021】船体2の内部には、エンジン5の前側に燃
料タンク16が配置され、デッキ3に設けられた給油キ
ャップ17を外して燃料の補給が行なわれる。燃料タン
ク16の前側には前側収納ケース18が配置されてい
る。また、燃料タンク16の右側上部には、オイルタン
ク19が載置されている。
【0022】エンジン5の左側に接続した排気管20
は、エンジン5の左側上方で曲がって後方に伸び、水噴
射ユニット8の側方位置に配置された排気サイレンサ2
1から上方に伸びる排気管22を介してデッキ4に形成
された排気開口23から排出される。エンジン5の後方
には後側収納ケース24が配置されている。
【0023】船体2のデッキ4には、操向ハンドル30
が備えられ、この操向ハンドル30の後方にはシート3
1が設けられ、このシート31の後方には補助シート3
2が設けられている。補助シート32の下方に後側収納
ケース24が位置している。
【0024】シート31は、図3に示すように、船体2
のデッキ4から上方に立ち上げたシート台33上に載置
され、シート31下方の船体2内にエンジン5が搭載さ
れ、さらにシート台33上面にエンジン点検口34を開
口している。なお、シート31下方の船体2内にエンジ
ン5全体が位置していなくても、エンジン5の少なくと
も一部が位置するように搭載されていれば良い。
【0025】シート31は、図3の横断面にも示すよう
に、金属や硬質合成樹脂等の板状態からなるボトムシー
ト35と、その上方に載置されたクッション体36とP
VC(ポリ塩化ビニール)レザーの表皮及びウーリーナ
イロンの裏地からなる合成皮革のシートの表皮37とで
構成され、シートの表皮37がクッション体36の表面
を覆った状態でボトムシート35の周縁に固着されてい
る。
【0026】このように、シート31は、ボトムシート
35上に載置されたクッション体36とクッション体3
6を覆う表皮37とを有し、シート31の後側の乗船者
が着座する位置にクッション体36に凹部36aを形成
し、この凹部36aに粘弾性体38を嵌合している。乗
船者が着座する位置は、クッション体36と粘弾性体3
8とを重ね合わせて形成し、クッション体36の下部に
粘弾性体38を位置させている。なお、粘弾性体38
は、クッション体36の凹部36aに嵌合させる代わり
に、クッション体36の下面の平面部に重ね合わせても
良い。
【0027】ボトムシート35は凹凸に形成されて剛性
を持たせ、エンジン5及び排気管20と干渉しないよう
に内側に凹ませた形状になっている。ボトムシート35
の凸部35aにクッション体36を当てがい、凹部35
bには空気取り人れ開口35cが形成され、空気取り人
れ開口35cによってクッション体36が衝撃を受けた
時に空気が空気取り人れ開口35cからエンジン室側に
抜け、クッション体36が円滑に衝撃を緩和できるよう
にしている。
【0028】粘弾性体38下方のボトムシート35にお
ける単位面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積を、
粘弾性体38下方を除くボトムシート35における単位
面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積よりも小さく
しているので、エンジン5からの熱がボトムシートの空
気取り入れ開口を通って粘弾性体に伝わることを防止し
て、粘弾性体38の耐久性を向上することができる。
【0029】この実施例のように、粘弾性体38下方の
ボトムシート35に空気取り人れ開口が設けられていな
くても良いし、設けられていても単位面積当たりの開口
の数が少なければよい。
【0030】ボトムシート35の粘弾性体38が載置さ
れる部分には、リブ35dが例えば縦横に形成され、乗
船者の荷重がかかる部分の剛性を持たせている。また、
粘弾性体38の後方には、発泡ウレタン39等を充填し
て補強している。
【0031】エンジン点検口34の周囲のシート台上面
33aと、ボトムシート35の周囲のシート下面35e
との間には、シール部材40を介在させている。ボトム
シート35の前側部を図示しない取付部材を介してシー
ト台33に取り付けると共に、後側部を図示しないロッ
ク部材を介してシート台33に取り付けており、ロック
部材のロックを解除してシート31を取り外すことで、
エンジン点検口34を開放でき上方からエンジン5の保
守点検が可能である。
【0032】シート31の前側には、デッキ4に前側の
空気ダクト50の吸入口51が開口している。空気ダク
ト50は、上下方向に配置され、上端開口50aと下端
開口50bとを有し、船体側面視において空気ダクト5
0の下端開口50bの中心を鉛直線L1が通るようにな
っている。吸入口51から吸入された空気は、前側収納
ケース18の両側に配置された前側の空気ダクト50の
上端開口50aから下端開口50bを流れてエンジン側
に導かれる。
【0033】また、シート31の後側には、同様にデッ
キ4に後側の空気ダクト52の吸入口53が開口してい
る。空気ダクト52も同様に、上下方向に配置され、上
端開口52aと下端開口52bとを有し、船体側面視に
おいて空気ダクト52の下端開口52bの中心を鉛直線
L2が通るようになっている。吸入口53から吸入され
た空気は、後側収納ケース24の右側に配置された後側
の空気ダクト52の上端開口52aから下端開口52b
を流れてエンジン側に導かれる。
【0034】このように、上端が船外に開口する一方下
端が船体2内に開口する複数の空気ダクト50,52を
船体長手方向に互いに偏位させて設けると共に、船体側
面視においてこれら空気ダクト50,52の下端開口5
0b,52bの中心を通る鉛直線L1,L2の間に粘弾
性体38の少なくとも一部を配置させており、空気ダク
ト50,52からの空気でエンジン5の近傍に配置され
る粘弾性体38を冷却して粘弾性体38の耐久性を向上
させることができる。なお、この実施例では、空気ダク
ト50,52の下端開口50b,52bが粘弾性体38
から前後に偏位しているが、粘弾性体38の下方に開口
しても良い。
【0035】粘弾性体38は、マトリックス樹脂となる
超軟質ウレタンエラストマー中に樹脂製マイクロバルー
ンが混入されている素材により所定形状に形成され、且
つ、図4及び図5に示すように、各部の貯蔵弾性率が連
続的に変化するような組成構造となっている。
【0036】図4において、シート31のクッション体
の厚さをIで示し、粘弾性体38の厚さをI0で示し、
ボトムシート35からの距離をXで示す。
【0037】各部の貯蔵弾性係数は、例えば 0.020MPa<E1<0.04MPa 0.065MPa<E2<0.136MPa 0.022MPa<E3<0.04MPa に設定される。
【0038】粘弾性体38が、クッション体36側より
ボトムシート35を硬く形成しており、粘弾性体38の
硬さが次第に変化するような特性が得られ、シート31
にライダーが座った時に底付き感などを与えることがな
く、座り心地が改善される。また、粘弾性体38が、ク
ッション体36側の硬さを、クッション体36の硬さと
略等しい場合から、クッション体36の硬さと、粘弾性
体38側の硬さの中間の硬さまでの範囲において設定さ
れる。
【0039】粘弾性体38によると、単独では粘着性の
高い超軟質ウレタンエラストマーに対して樹脂製マイク
ロバルーンが混入されていることにより粘着性が低くな
って、取り扱いが容易となり、また、振動吸収作用等が
高められる。さらに各部の貯蔵弾性係数が連続的に変化
することにより、衝撃吸収材の特定部分から他の部分に
渡って硬さが次第に変化するような特性が得られる。
【0040】そして、この粘弾性体38を用いて、粘弾
性体38が、クッション体36側の硬さを、クッション
体36の硬さと略等しい場合、振動吸収作用、反発軽減
作用等が良好に発揮されつつ、粘弾性体38と、クッシ
ョン体36との境界部分で貯蔵弾性係数に大きな段差が
生じることが避けられる。
【0041】粘弾性体38は、超軟質ウレタンエラスト
マーをマトリックス樹脂として、その中に樹脂製マイク
ロバルーンから成る充填材が混入されている粘弾性体3
8により所定形状に形成され、例えば適度の厚さの板状
に形成されている。
【0042】マトリックス樹脂として使用されている超
軟質ウレタンエラストマーは、例えば、三官能のポリー
オールと二官能のポリオールの混合物(ポリエーテル系
ポリオール、ポリエステルケイポリオール)、トリアリ
ルイソシアブレート、MDI(ジフェニルメタンジイソ
シアネート)/TDI(トリレンジイソシアネート)プ
レポリマー、ビスマス系触媒、錫系触媒、フタル酸系可
塑材等が混合されたもの、特公平3−17848号公報
に記載されている超軟質エラストマー組成物(出願人
株式会社日本オートメーション他)、エラスコート(商
品名 ポリウレタン化成株式会社製)等であって、高分
子計器株式会社製の軟質材の硬度を測定するディロメー
タであるアスカーC硬度計の硬度15以下のウレタネラ
ストマーである。
【0043】また、樹脂製マイクロバルーンは、エンカ
ビニリデン系樹脂(エンカビニリデンアクリロニトリル
コポリマー)の外殻(平均粒度40〜60ミクロン、粒
径範囲10〜100ミクロン)の中にブデンガスが内包
されているもので、エクスパンセルDEという商品名
(スエーデンエクスバンセル社製)で低比重の充填材と
して従来から一般的に市販されているものである。
【0044】なお、粘弾性体38における樹脂製マイク
ロバルーンの混合量(重量%)は、1%以下であれば注
型硬化後に二層に分離してしまい易く、また5%以上で
あれば混合後の粘度が高くて注型時にエアーが入り易く
なることから、1〜5%の範囲とすることが好ましい。
【0045】そして、特に粘弾性体38の各部で樹脂製
マイクロバルーンの分布等の組成構造が変えられること
により、各部の貯蔵弾性率が連続的に変化するように粘
弾性体38が形成されている。例えば、クッション体3
6の下端側に粘弾性体38が配置される場合に、その貯
蔵弾性率が上下方向に連続的に変化し、具体的には、粘
弾性体38の下面側の部分貯蔵弾性率は比較的大きい
(ウレタンフォーム製のクッション体36より硬い)
が、ウレタンフォーム製のクッション体36に接する上
面側ほど貯蔵弾性率が小さくされ、つまり、上面側ほど
軟らかくなってウレタンフォームの硬さに近づけられて
いる。
【0046】超軟質ウレタンエラストマーに樹脂製マイ
クロバルーンが混入されている粘弾性体38では、超軟
質ウレタンエラストマー自体よりも粘着性が低くなって
いる。従って、その取り扱いが容易となり、組み着け作
業等がやり易くなる。また、この粘弾性体38は、樹脂
製マイクロバルーンの配合量に応じてその損失係数が高
く成っており、これによって振動吸収作用が高められ
る。
【0047】従って、高速で滑走する小型船舶1が水面
からジャンプして着水することがあると、この着水した
時等の衝撃力はクッション体36で緩和され、さらに粘
弾性体38によって吸収されて乗船者がボトムシート3
5やシート台33に当接して衝撃を受けることが防止さ
れ、底付き感等を与えることがなく、座り心地が改善さ
れる。
【0048】また、シート31をクッション体36と粘
弾性体38とを重ね合わせて形成し、このクッション体
36の下部に粘弾性体38を位置させ、さらに粘弾性体
38の外側方の少なくとも一部においてシート台上面と
シート下面との間にシール部材40を介在させたてお
り、シール部材40によって、ボトムシート35に開口
した空気取り入れ開口35cを通って粘弾性体38とク
ッション体36との境界面に船外の水が入り込むことが
防止され、粘弾性体38とクッション体36との密着性
が維持される。
【0049】
【発明の効果】前記のように、請求項1記載の発明は、
シートをクッション体と粘弾性体とを重ね合わせて形成
し、このクッション体の下部に粘弾性体を位置させたか
ら、高速で滑走する小型船舶が水面からジャンプして着
水することがあると、この着水した時等の衝撃力はクッ
ション体で緩和され、さらに粘弾性体によって吸収され
て乗船者がボトムシートやシート台に当接して衝撃を受
けることが防止され、底付き感等を与えることがなく、
座り心地が改善される。
【0050】また、上端が船外に開口する一方下端が船
体内に開口する複数の空気ダクトを船体長手方向に互い
に偏位させて設けると共に、船体側面視においてこれら
空気ダクトの下端開口の中心を通る鉛直線の間に粘弾性
体の少なくとも一部を配置させており、空気ダクトから
の空気でエンジンの近傍に配置される粘弾性体を冷却し
て粘弾性体の耐久性を向上させることができる。
【0051】請求項2記載の発明は、シートをクッショ
ン体と粘弾性体とを重ね合わせて形成し、このクッショ
ン体の下部に粘弾性体を位置させから、同様に高速で滑
走する小型船舶が水面からジャンプして着水することが
あると、この着水した時等の衝撃力はクッション体で緩
和され、さらに粘弾性体によって吸収されて乗船者がボ
トムシートやシート台に当接して衝撃を受けることが防
止される。
【0052】また、シート台上面とシート下面との間に
介在させたシール部材によって、ボトムシートに開口し
た空気取り入れ開口を通って粘弾性体とクッション体と
の境界面に船外の水が入り込むことが防止され、粘弾性
体とクッション体との密着性が維持される。
【0053】請求項3記載の発明は、シートをクッショ
ン体と粘弾性体とを重ね合わせて形成し、このクッショ
ン体の下部に粘弾性体を位置させたから、同様に、高速
で滑走する小型船舶が水面からジャンプして着水するこ
とがあると、この着水した時等の衝撃力はクッション体
で緩和され、さらに粘弾性体によって吸収されて乗船者
がボトムシートやシート台に当接して衝撃を受けること
が防止される。
【0054】また、粘弾性体下方のボトムシートにおけ
る単位面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積を、粘
弾性体下方を除くボトムシートにおける単位面積あたり
の空気取り入れ開口の開口面積よりも小さくしているの
で、エンジンからの熱がボトムシートの空気取り入れ開
口を通って粘弾性体に伝わることを防止して、粘弾性体
の耐久性を向上することができる。
【0055】請求項4記載の発明は、粘弾性体が、前記
クッション体側よりボトムシート側を硬く形成したか
ら、粘弾性体の硬さが次第に変化するような特性が得ら
れ、シートに乗船者が座った時に底付き感などを与える
ことがなく、座り心地が改善される。
【0056】請求項5記載の発明は、粘弾性体が、クッ
ション体側の硬さを、クッション体の硬さと略等しい場
合から、前記クッション体の硬さと、粘弾性体側の硬さ
の中間の硬さまでの範囲において設定したから、クッシ
ョン体と粘弾性体との境界部分で貯蔵弾性率に大きな段
差が生じることが避けられ、座り心地が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型船舶の側面図である。
【図2】小型船舶の平面図である。
【図3】シート部の断面図である。
【図4】粘弾性体の貯蔵縦弾性係数を説明するためのシ
ートの概念図である。
【図5】粘弾性体の貯蔵縦弾性係数を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 小型船舶 2 船体 5 エンジン 30 操向ハンドル 31 シート 33 シート台 34 エンジン点検口 36 クッション体 38 粘弾性体 50,52 空気ダクト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船体に操向ハンドルを備え、この操向ハン
    ドルの後方にシートを設け、このシートは前記船体に立
    ち上げたシート台上に載置され、このシート下方の船体
    内にエンジンが少なくともその一部が位置するように搭
    載され、さらに前記シート台上面にエンジン点検口を開
    口した小型船舶において、前記シートをクッション体と
    粘弾性体とを重ね合わせて形成し、このクッション体の
    下部に粘弾性体を位置させ、さらに上端が船外に開口す
    る一方下端が船体内に開口する複数の空気ダクトを船体
    長手方向に互いに偏位させて設けると共に、船体側面視
    においてこれら空気ダクトの下端開口の中心を通る鉛直
    線の間に粘弾性体の少なくとも一部を配置させたことを
    特徴とする小型船舶。
  2. 【請求項2】船体に操向ハンドルを備え、この操向ハン
    ドルの後方にシートを設け、このシートは前記船体に立
    ち上げたシート台上に載置され、このシートはボトムシ
    ート上に載置されたクッション体とクッション体を覆う
    表皮とを有し、前記ボトムシートには空気取り人れ開口
    が形成され、前記シート下方の船体内にエンジンが少な
    くともその一部が位置するように搭載されている小型船
    舶において、前記シートをクッション体と粘弾性体とを
    重ね合わせて形成し、このクッション体の下部に粘弾性
    体を位置させ、さらに前記粘弾性体の外側方の少なくと
    も一部においてシート台上面とシート下面との間にシー
    ル部材を介在させたことを特徴とする小型船舶。
  3. 【請求項3】船体に操向ハンドルを備え、この操向ハン
    ドルの後方にシートを設け、このシートは前記船体に立
    ち上げたシート台上に載置され、このシートはボトムシ
    ート上に載置されたクッション体とクッション体を覆う
    表皮とを有し、前記ボトムシートには空気取り人れ開口
    が形成され、前記シート下方の船体内にエンジンが少な
    くともその一部が位置するように搭載されている小型船
    舶において、前記シートをクッション体と粘弾性体とを
    重ね合わせて形成し、このクッション体の下部に粘弾性
    体を位置させ、さらにこの粘弾性体下方のボトムシート
    における単位面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積
    を、前記粘弾性体下方を除くボトムシートにおける単位
    面積あたりの空気取り入れ開口の開口面積よりも小さく
    したことを特徴とする小型船舶。
  4. 【請求項4】前記粘弾性体は、前記クッション体側より
    前記ボトムシート側を硬く形成したことを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の小型船舶。
  5. 【請求項5】前記粘弾性体は、クッション体側の硬さ
    を、前記クッション体の硬さと略等しい場合から、前記
    クッション体の硬さと、粘弾性体側の硬さの中間の硬さ
    までの範囲において設定したことを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の小型船舶。
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