JPH09123315A - 凹凸成形シート並びにその製造方法 - Google Patents
凹凸成形シート並びにその製造方法Info
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- JPH09123315A JPH09123315A JP31012895A JP31012895A JPH09123315A JP H09123315 A JPH09123315 A JP H09123315A JP 31012895 A JP31012895 A JP 31012895A JP 31012895 A JP31012895 A JP 31012895A JP H09123315 A JPH09123315 A JP H09123315A
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Abstract
なくし、意匠性を向上させるとともに、耐摩耗性を強化
した部位を設けることにより、摩耗の激しい用途に対応
させる。 【解決手段】 本発明の凹凸成形シートSは、素地シー
ト10の一面に所定形状の凹凸パターン11が密着形成
されて成るものであって、前記素地シート10における
凹凸パターン11の形成側の面にはエラストマーから成
る凹凸パターン11と一体に素地被膜13が密着形成さ
れている。また本発明の凹凸成形シートSの製造方法
は、孔版5に対し薄肉形成凹部53を形成し、この薄肉
形成凹部53に対してもエラストマー液体原料Pを注入
することにより、素地シート10の一面に凹凸パターン
11と一体に素地被膜13を密着形成することで凹凸成
形シートSを製造している。そしてこれらの発明特定事
項を手段とすることにより、上記課題の解決を図ってい
る。
Description
シューズにおけるアウターソールやアッパー、各種ウェ
ア、バッグ等、その一面に凹凸パターンを形成して成る
シート状部材並びにその製造手法に関するものであっ
て、特に上記シート状部材に要求される防滑性、補強
性、保形性、耐摩耗性、意匠性といった基本的機能に加
え、特に意匠性及び耐摩耗性の向上を図った凹凸成形シ
ート並びにその製造方法に係るものである。
ス、サッカー等、各種スポーツの用に供されるスポーツ
シューズには軽量化と衝撃吸収力の向上を図るため、直
接地面と接する靴底最下層であるアウターソールを充実
ゴムや高密度スポンジで形成し、その上層をEVA(エ
チレンビニルアセテート)のような軽量で緩衝性に優れ
るスポンジを一枚あるいは複数枚重ね合わせて構成し、
靴底を多層構造とする試みがなされている。
は比較的硬質で地面把持力や耐摩耗性の点では優れた効
果を発揮するものの、その一方において重量が嵩み、軽
量化を図る上では難点があった。
々の靴底の成形手法が案出されてきている。例えば不織
布シート上のポリウレタン樹脂皮膜と、滑り止め突起化
前の液状ポリウレタン配合物とを金型に入れ、これを熱
硬化させて一体的に結合する方法(特開平1−3106
01号公報)がその一例として挙げられる。また本出願
人にあっても不織布上に孔版を密着状態で置き、孔版に
は増粘剤を含むポリウレタンエラストマーを流し込み、
スキージ処理をした後、加熱硬化してエンボスシートを
成形する方法(「エンボスシートの製造方法」:特願平
4−185922号)をはじめとして防滑性の向上及び
意匠性の向上を目的とした数多くの出願に及んでいる。
が設けられる。このアッパーはアッパー本体、ベロ、ア
ンクルパッド、ストライプ等により構成され、これらを
足型に合わせて袋状に接着ないしは縫製加工することに
より形成される。このうちストライプはシューズ全体の
意匠性を向上させる機能を有するほか、アッパー本体の
補強ないしは保形性を向上させる機能を併せ持つ。また
このストライプをアッパー本体に取り付ける作業は袋状
に加工する前の展開状態のアッパー本体に対して行わ
れ、その取付手段としては縫製加工によるものがほとん
どであった。従ってこのようなアッパー本体の一面にス
トライプが取り付けられたものを成形するにあたって
は、前記靴底における成形技術の適用の余地があるもの
の、ほとんど実行されていないのが実情であった。
体の一面にストライプを密着成形する技術に関し、すで
に特願平7−70582号「凹凸成形シート並びにその
製造方法」なる特許出願に及んでおり、前記靴底におけ
る成形技術をアッパーの分野に応用する試みを行ってい
る。しかしながらアッパーは直接人目に触れる部分であ
ることから、その意匠性、外観には細心の注意が払われ
る。従って前記靴底における成形技術をそのまま適用し
た場合には、図15(a)に示すようにスキージの跡L
が筋状になって、アッパー本体30′の表面に現れ、外
観を損ねる場合があり、この点において改良の余地が残
されていた。特にアッパー本体30′が黒色系の素地シ
ート10により構成される場合は微妙な光沢の差異でも
目立ってしまい、わずかなスキージの跡Lであっても不
良品として取り扱われていた。
摩耗の激しい部材に対しては、部分的に耐摩耗性を強化
させたい場合があった。具体的には、このようなシュー
ズのソール部材は樹脂製の硬質材により形成される場合
が多く、アッパーとの接着境界面において破れやすく、
何らかの補強を施す必要が指摘されていた。そして従来
は当該部位に当て布を取り付ける等することにより対処
していたが、当て布の厚みが段差となって現れてしま
い、必ずしも最良の方法とは言えなかった。一方、この
ような耐摩耗性の強化を前記靴底における成形技術によ
って併せて行うことができれば、極めて効率良く安価に
アッパーの性能を向上させることが可能となるわけであ
るが、図15(b)に示すように浅い凹部が広範囲に及
ぶ場合には、スキージ処理作業時においてスキージ具が
撓むため、凹部54′の中央付近においてエラストマー
液体原料Pの肉厚が薄くなり、極端な場合には素地シー
ト表面が視認できたり露出する場合があり、その実現性
に向けての改良工夫が望まれていた。
認識に立って案出されたものであって、凹凸パターンの
有する基本的機能を担保した上で、更に凹凸パターンと
は別途の機能部材を素地シート表面に適用することによ
って凹凸成形シートの有する機能性を更に発展させ、前
記課題の解決を図ることのできる新規な凹凸成形シート
並びにその製造方法を提案するものである。
凹凸成形シートは、素地シートの一面に所定形状の凹凸
パターンが密着形成されて成るシート状部材において、
前記素地シートにおける凹凸パターンの形成側の面には
エラストマーから成る凹凸パターンと一体に密着形成さ
れる素地被膜が設けられていることを特徴として成るも
のである。そしてこのような発明特定事項を手段とする
ことにより、筋状になって現れるスキージの跡が素地被
膜によって隠蔽され、外観を損ねることもなく、前記課
題の解決が図られるのである。
記要件に加え、前記素地被膜の少なくとも一部には、素
地シートが露出する非被膜部が形成されていることを特
徴として成るものである。そしてこのような発明特定事
項を手段とすることにより、素地シートの通気性が確保
され、通気性の要求される凹凸成形シートへの適用が可
能となって、前記課題の解決に寄与し得るのである。
は、前記請求項2記載の要件に加え、前記非被膜部は、
素地被膜に対して形成される多数の散点状または斑点状
の鬆状痕であることを特徴として成るものである。そし
てこのような発明特定事項を手段とすることにより、前
記スキージ跡の隠蔽作用に加えて素地被膜によって新た
な意匠性が付加されるようになり、前記課題の解決が図
られるのである。
は、前記要件に加え、前記凹凸パターンは、性状を異に
する複数のエラストマーから成るパターン要素を組み合
わせることにより構成され、前記素地被膜はこのうち素
地シートに接するパターン要素と同一のエラストマーに
よって、これと一体に素地シートに対して密着形成され
ることを特徴として成るものである。そしてこのような
発明特定事項を手段とすることにより、例えば凹凸パタ
ーンを色彩を異にする複数のパターン要素から成る多層
構造とし、これにより得られる意匠性の向上と、素地被
膜による前記スキージ跡の隠蔽作用及び意匠性の付加と
が組み合わさって、前記課題の解決が図られるのであ
る。
は、前記要件に加え、前記素地シートにおける凹凸パタ
ーンの形成側の面には凹凸パターン及び素地被膜と一体
に密着形成される補強厚肉部が設けられていることを特
徴として成るものである。そしてこのような発明特定事
項を手段とすることにより、凹凸成形シートの耐摩耗性
が強化され、前記課題の解決が図られるのである。
は、前記要件に加え、前記エラストマーは、ポリウレタ
ンエラストマーであることを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明特定事項を手段とすることに
より、凹凸パターンに要求される基本的機能が更に顕著
に発揮されるほか、熱硬化時間の短縮により凹凸成形シ
ートの容易化、迅速化にも寄与し得るようになり、前記
課題の解決に寄与し得るのである。
製造方法は、ベース上に底版を載置し、更にこの底版上
にあらかじめ所定形状の孔部がパターン状に形成された
孔版を載置し、この孔版の孔部に対しエラストマー液体
原料を注入するとともにスキージ処理をし、爾後その上
方から素地シートを載置し、更にこれを加圧加熱するこ
とで素地シートの一面に所定形状の凹凸パターンを密着
形成するようにしたシート状部材の製造方法において、
前記孔版には更に薄肉形成凹部が形成されており、この
薄肉形成凹部に対しても前記エラストマー液体原料が注
入され、これにより素地シートの一面に前記凹凸パター
ンと一体に素地被膜が密着形成されることを特徴として
成るものである。そしてこのような発明特定事項を手段
とすることにより、薄肉形成凹部の形成された孔版を用
意しさえしておけば、一連の工程に何らの別途の工程を
付加することなく、素地シートの一面に凹凸パターンと
一体に素地被膜が密着形成されるようになり、またスキ
ージ跡も隠蔽されるため、前記課題の解決が図られる。
製造方法は、前記請求項7記載の要件に加え、前記シー
ト状部材の製造方法において、前記孔版は複数枚使用さ
れ、このうち一枚の孔版に対し、薄肉形成凹部が形成さ
れており、底版上にまず薄肉形成凹部の形成されていな
い孔版を載置し、この孔部に対しエラストマー液体原料
を注入後、スキージ処理をし、爾後その上方に順次他の
孔版を所定枚数載置していき、これらの孔部に対し前記
エラストマー液体原料と同一性状、あるいは異なる性状
のエラストマー液体原料を注入し、スキージ処理をする
作業を繰り返し、最終的に最上部に至ったところで、前
記薄肉形成凹部の形成された孔版を載置し、この孔版の
孔部及び薄肉形成凹部に対して前記エラストマー液体原
料と同一性状あるいは異なる性状のエラストマー液体原
料を注入し、爾後スキージ処理後、素地シートを載置す
るようにしたことを特徴として成るものである。そして
このような発明特定事項を手段とすることにより、凹凸
パターンの高さを調整したり、凹凸パターンを色彩を異
にする複数のパターン要素から成る多層構造とすること
や複雑な形状の凹凸パターンの形成が可能になり、これ
により凹凸パターンの機能性の向上と、素地被膜による
前記スキージ跡の隠蔽作用とが組み合わさって前記課題
の解決が図られるのである。
製造方法は、ベース上にあらかじめ所定形状の凹部がパ
ターン状に形成された凹版を載置し、この凹版の凹部に
対しエラストマー液体原料を注入するとともにスキージ
処理をし、更にこの凹版上にあらかじめ所定形状の孔部
がパターン状に形成された孔版を載置し、この孔版の孔
部に対し前記エラストマー液体原料と同一性状、あるい
は異なる性状のエラストマー液体原料を注入するととも
にスキージ処理をし、爾後その上方から素地シートを載
置し、更にこれを加圧加熱することで素地シートの一面
に所定形状の凹凸パターンを密着形成するようにしたシ
ート状部材の製造方法において、前記孔版には更に薄肉
形成凹部が形成されており、この薄肉形成凹部に対して
も前記エラストマー液体原料が注入され、これにより素
地シートの一面に前記凹凸パターンと一体に素地被膜が
密着形成されることを特徴として成るものである。そし
てこのような発明特定事項を手段とすることにより、薄
肉形成凹部の形成された孔版を用意しさえしておけば、
一連の工程に何らの別途の工程を付加することなく、素
地シートの一面に凹凸パターンと一体に素地被膜が密着
形成されるようになり、またスキージ跡も隠蔽されるた
め、前記課題の解決が図られる。
の製造方法は、前記請求項9記載の要件に加え、前記シ
ート状部材の製造方法において、前記孔版は複数枚使用
され、このうち一枚の孔版に対し、薄肉形成凹部が形成
されており、凹版上にまず薄肉形成凹部の形成されてい
ない孔版を載置し、この孔部に対しエラストマー液体原
料を注入後、スキージ処理をし、爾後その上方に順次他
の孔版を所定枚数載置していき、これらの孔部に対し前
記エラストマー液体原料と同一性状、あるいは異なる性
状のエラストマー液体原料を注入し、スキージ処理をす
る作業を繰り返し、最終的に最上部に至ったところで、
前記薄肉形成凹部の形成された孔版を載置し、この孔版
の孔部及び薄肉形成凹部に対して前記エラストマー液体
原料と同一性状あるいは異なる性状のエラストマー液体
原料を注入し、爾後スキージ処理後、素地シートを載置
するようにしたことを特徴として成るものである。そし
てこのような発明特定事項を手段とすることにより、凹
凸パターンの高さを調整したり、凹凸パターンを色彩を
異にする複数のパターン要素から成る多層構造とするこ
とや複雑な形状の凹凸パターンの形成が可能になり、こ
れにより凹凸パターンの機能性の向上と、素地被膜によ
る前記スキージ跡の隠蔽作用とが組み合わさって前記課
題の解決が図られるのである。
の製造方法は、前記請求項7、8、9または10記載の
要件に加え、前記薄肉形成凹部の形成されている孔版に
は、更に厚肉形成凹部が形成さており、この厚肉形成凹
部に対しても前記エラストマー液体原料が注入され、こ
れにより素地シートの一面に前記凹凸パターン及び素地
被膜と一体に補強厚肉部が密着形成されることを特徴と
して成るものである。そしてこのような発明特定事項を
手段とすることにより、凹凸成形シートの耐摩耗性が強
化され、前記課題の解決が図られるのである。
の製造方法は、前記請求項11記載の要件に加え、前記
厚肉形成凹部には、この厚肉形成凹部をスキージ処理方
向と直交する方向に分断する仕切リブが設けられている
ことを特徴として成るものである。そしてこのような発
明特定事項を手段とすることにより、補強厚肉部の厚さ
が一様となり、当該部位全面の凹凸成形シートの耐摩耗
性の強化が達成され、前記課題の解決が図られるのであ
る。
の製造方法は、前記請求項7、8、9、10、11また
は12記載の要件に加え、前記ベースと底版または凹版
との密着、底版または凹版と孔版との密着及び孔版と孔
版との密着は、磁力を利用して行われることを特徴とし
て成るものである。そしてこのような発明特定事項を手
段とすることにより、確実な吸着と、円滑な離脱が可能
となり、凹凸成形シートの連続形成が図られる。従って
極めて生産効率良く凹凸成形シートが成形できるように
なり、前記課題の解決に寄与し得るのである。
にその製造方法について図面に基づいて具体的に説明す
る。なお以下の説明にあたっては、図1、2に示すよう
なスポーツシューズ1を例にとり、このものの靴底2及
びアッパー3に対し、本発明を適用した実施の形態を基
本として説明する。また説明の順序としては最初にスポ
ーツシューズ1の基本的構成について説明し、次いでこ
のようなスポーツシューズ1に適用される本発明の凹凸
成形シートSの構成について説明した後、このような凹
凸成形シートSを成形する際、使用する底版8及び孔版
5と凹版6とのうち底版8及び孔版5についてその構成
とその作成手法の一例について説明し、最後にこのよう
な底版8及び孔版5または凹版6を使用して、上記凹凸
成形シートSを成形する本発明の凹凸成形シートの製造
方法について言及する。
る。そしてスポーツシューズ1を例にとれば、靴底2は
インナーソール、ミッドソール、アウターソール20に
よって構成され、一方、アッパー3はアッパー本体3
0、ベロ、アンクルパッド、ストライプ31、靴紐等に
よって構成されている。
発明の凹凸成形シートSについて説明する。本発明の凹
凸成形シートSは、基本的には素地シート10の一面に
所定形状の凹凸パターン11と素地被膜13とを密着形
成して成るものである。ここでは素地シート10として
ソール生地21を、凹凸パターン11としてトレッド2
2を、そして凹凸成形シートSとしてソール生地21に
対しトレッド22と素地被膜13とを具えて成るアウタ
ーソール20を選択した実施の形態と、素地シート10
としてアッパー本体30を、凹凸パターン11としてス
トライプ31及びトレッド32を、そして凹凸成形シー
トSとしてアッパー本体30に対しストライプ31と素
地被膜13とを具えて成るアッパー3を選択した実施の
形態との二つの実施の形態について説明する。
態(図1参照) 本実施の形態にあっては、アウターソール20に対し本
発明の凹凸成形シートSが適用されるものであって、具
体的にはスポーツシューズ1の靴底2の形状に合わせて
裁断されるソール生地21である素地シート10に対
し、スポーツシューズ1の滑り止め等の役目をする所定
形状のトレッド22をパターン状にレイアウトして成る
凹凸パターン11と一体に素地被膜13を密着形成する
ことにより構成される。
ば合成樹脂、ゴム、不織布など従来からスポーツシュー
ズ1のアウターソール20のソール生地21として使用
されている種々の素材が適用できる。素地シート10と
して不織布を適用する場合には、熱可塑性繊維、熱硬化
性繊維のいずれによるものでもよく、その一例としてバ
ックスキン状人工皮革である東レ株式会社製のエクセー
ヌ(登録商標)などを適用することができる。因みにこ
のエクセーヌ(登録商標)には、黄色、オレンジ色など
種々の色があるので、後述する凹凸パターン11や素地
被膜13を例えば黒色系とすることで色彩的なコントラ
ストによる意匠をアウターソール20に施すことができ
る。
性のある通常の不織布シートをはじめ、厚手のフィルム
シート等も適用できるし、接着性を具えるものや樹脂皮
膜コートを具えるものでもよい。通常の不織布シートと
しては、ウレタン等の弾性長繊維を自己接着させたもの
が好適である。この場合、例えば厚さ1cm程度の厚手
の不織布シートを適用すれば、緩衝性に優れたアウター
ソール20を提供することができる。なおフィルムシー
トを素地シート10として用いるときは、人工皮革や不
織布に比較すると素材の対比を意匠的に表現し難いが、
色彩的なコントラストにより意匠性を高めることができ
る。
凹凸パターン11は本発明の凹凸成形シートSの特徴的
発明特定事項を成す素地被膜13及び補強厚肉部14と
共にエラストマーによって形成されている。ここでエラ
ストマーとは、ゴム状弾性体のことであり、本発明では
一例としてポリウレタンエラストマーを使用する。また
エラストマーは単一の性状のものを使用するほか、後述
するように複数のパターン要素12により凹凸パターン
11を構成する場合には、複数の性状のものを組み合わ
せて使用することも可能である。なおここで使用する性
状の例としては、色彩、硬度、弾力性、耐摩耗性、反発
力、吸振性、厚さ、重量等が挙げられる。
リマーとポリイソシアネートとの混合液から成り、これ
を加熱することによって硬化するものであり、特にノズ
ルから吹き付けて供給するポリウレタンエラストマーと
して好適なものに、日本合成化学工業株式会社の無溶剤
即硬ウレタン樹脂、例えば商品名エフレタンなどがあ
る。このものはノズルによるスプレー混合前にエラスト
マー液体原料Pを加熱しておくのが望ましく、ゲルタイ
ム20秒程度で硬化する。またこのものに対し粘度、硬
度調整のため、別途溶剤を添加することも可能である。
更にポリウレタンエラストマーとしては、プレポリマー
である日本ポリウレタン工業株式会社のニッポラン(登
録商標)に、ポリイソシアネートである大日本インキ株
式会社のパンデックス(登録商標)を混合したものや、
その他、三井東圧化学株式会社のSX−320A&Bな
どを用いることができる。また後述する孔版5または凹
版6からの流出を防止する必要がある場合も予想され、
そこでこれら原料には、増粘剤を混入することが好まし
い。
により短時間で硬化する光硬化性樹脂を適用することも
できる。更にまたこのようなエラストマー中には、本出
願人がすでに出願に及んでいる特願平7−70582号
において開示する蓄光顔料等を添加することも可能であ
り、このようにすれば夜間視認性(安全性)の向上等の
別途の機能が付加される。
の具体的構成を図4に示す実施の形態を例にとって説明
する。図4(a)に示すものは孔版5または凹版6をベ
ースB上に載置した後、素地シート10を設置する手法
(以下「素地シート後置き」と略称する)により形成さ
れる凹凸パターン11を示すものであり、この手法の場
合には、後述するようにスキージ処理面は、素地シート
10との接合面側に現れる。従って接地面11aは図4
(a)に示すように平滑となるが、後述するような通気
性手段を採用する場合には、この通気性手段の作用によ
り、また外気との接触を遮断することでアウターソール
20の質感を損なわせる不要な光沢を排除できる。
は、凹凸パターン11を複数枚の孔版5を使用してある
いは孔版5と凹版6との組み合わせにより成形したもの
を示すものであって、図4(b)では多段状ないし多層
状にパターン要素12を積層することにより凹凸パター
ン11を成形したものを示し、図4(c)では性状の異
なる複数のパターン要素12を平面的に配することによ
り凹凸パターン11を成形したものを示す。因みに図4
(b)に示す構成の凹凸パターン11にあっては、各層
毎、性状を異にするエラストマーを適宜選択して配する
構成としたり、同一性状のエラストマーを使用する場合
であっても凹凸パターン11の高さを高くしたり、複雑
な形状の凹凸パターン11を形成したりすることが可能
となる。
11にあっては、平面的に配されるパターン要素12間
で性状を異にするエラストマーを採用することが可能と
なり、例えばパターン要素12間で色彩を異にするエラ
ストマーを採用すれば、色彩による意匠的効果が発揮さ
れるようになる。更にこのような凹凸パターン11の形
成されている側の素地シート10の面の残部に対して
は、本発明の特徴的発明特定事項である素地被膜13が
この凹凸パターン11と一体に(前記図3(b)に示す
凹凸パターン11にあっては、素地シート10と接する
パターン要素12と一体に)密着形成される。なお素地
被膜13の詳細については、補強厚肉部14の構成と共
に以下述べる「アッパーに適用した実施の形態」の項で
説明する。
2参照) 本実施の形態にあっては、アッパー3に対し本発明の凹
凸成形シートSが適用されるものであって、具体的には
アッパー3の構成部材であるアッパー本体30を素地シ
ート10とし、アッパー本体30に取り付けられるスト
ライプ31を凹凸パターン11とし、この凹凸パターン
11と一体に素地被膜13を素地シート10に対し密着
形成することにより構成される。
ば天然皮革、人工皮革、天然繊維、化学繊維など従来か
らスポーツシューズ1のアッパー本体30の生地として
使用されている種々の素材が適用できる。これらは用途
によって適宜使い分けられるものであって、例えば陸上
競技用のスポーツシューズ1にあっては、素地シート1
0を軽量性、通気性に優れるナイロン、ポリエステル等
の化学繊維によって構成し、更に繊維組織をメッシュ状
(編物組織)としたり、上記化学繊維の表面に例えばゴ
アテックス(登録商標)等の防水性及び通気性に優れる
フィルムをラミネート加工したものが使用される。
サッカー用のスポーツシューズ1にあっては、素地シー
ト10を引き裂き強度、引張強度、耐摩耗性等に優れる
天然皮革や人工皮革によって構成している。天然皮革と
しては牛、豚、カンガルー等が使用され、競技用シュー
ズとしてはカンガルーが最高の素材とされている。一
方、人工皮革としては前記アウターソール20用の素地
シート10として説明した東レ株式会社製のエクセーヌ
(登録商標)などが適用できる。なお凹凸パターン11
や素地被膜13及び補強厚肉部14の材料及び凹凸パタ
ーン11の具体的構成は前記アウターソール20に適用
した実施の形態と同様であるので、その詳細は省略す
る。
被膜13は後述する凹凸成形シートの製造方法で行うス
キージ処理後の筋状のスキージ跡を隠蔽し、凹凸成形シ
ートSに意匠性を付与するものである。従って機械的強
度等は問わないので、一般的にはその厚さは0.1mm
以下の薄肉に形成する。また本実施の形態のようにアッ
パー3に対して適用される場合には、適度な通気性が必
要とされることから、素地被膜13の少なくとも一部に
は素地シート10が露出する非被膜部13aが形成され
る。なお図3に示す実施の形態にあっては、非被膜部1
3aを素地被膜13に対して形成される多数の散点状ま
たは斑点状の鬆状痕としたものを示している。
する態様としては、他の種々な形態がとり得るものであ
って、例えば図5(a)に示すような筋状模様、図5
(b)に示すような石垣状の模様、図5(c)に示すよ
うなマーブル状の模様あるいは皮革模様等のような不規
則な模様でもよいし、図5(d)に示すような帯状模
様、図5(e)に示す格子状模様、図5(d)に示すよ
うな幾何学模様の組み合わせ等のような規則的な模様を
構成するものであってもよい。
強厚肉部14を前記凹凸パターン11及び素地被膜13
と共に素地シート10に対し一対に密着形成したものを
示す。因みに図3に示す実施の形態では、サッカーシュ
ーズのアッパー3に適用することを想定した仕様となっ
ており、地面との接触及びボールとの接触の機会の多い
爪先部に補強厚肉部14を形成した状態のものを示す。
なお厚さとしては0.数mm程度であり、この程度の厚
さで充分使用に耐え得る。なおこのような補強厚肉部1
4と、素地被膜13と、凹凸パターン11とを一体に素
地シート10に対して密着形成することにより接着面積
が増大し、これにより両者の接合の強化も図られる。
法 次にこのようにして成る本発明の凹凸成形シートSを成
形する際、使用される底版8及び孔版5と凹版6とのう
ち、底版8及び孔版5を使用する場合を例にとってその
構成並びにその作成手法の一例について説明する。底版
8及び孔版5は例えば1mm〜数mm程度の厚さの鉄板
により成るものであって、このうち孔版5にあっては当
該鉄板に対して、更に成形しようとする凹凸パターン1
1の形状及びそのレイアウトに合わせて所定形状の孔部
5aがパターン状に刻設されることにより基本的に成っ
ている。なお底版8及び孔版5の厚さは0.数mm〜数
mmの範囲で適宜選択できるものであって、数mm厚の
底版8及び孔版5を作成するにあたっては、例えば0.
数mm厚の薄板を複数枚用意し(孔版5にあっては更に
これらの薄板の表裏両面にそれぞれプロテクト膜を被
せ、両側からエッチング処理を施し、それぞれの薄板に
孔部5aを形成した後)これらの薄板間にエポキシ系接
着剤等、硬質の接着層が形成できる接着剤を塗布し、こ
れらの薄板を貼り合わせることにより数mm厚の底版8
及び孔版5を作成するようにすることも可能である。
地被膜13を形成する薄肉形成凹部53が設けられ、更
に補強厚肉部14を形成する場合にあっては、厚肉形成
凹部54が設けられる。このうち薄肉形成凹部53とし
ては、形成する素地被膜13の厚さが0.1mm以下と
極めて肉薄であることから、孔版5に対して形成する薄
肉形成凹部53の部分をくり抜いたマスキング板ないし
はマスキングシートを被せ、一例としてエッチング等に
より蝕刻することで形成する。一方、厚肉形成凹部54
としては形成する補強厚肉部14の厚さが0.数mm程
度ということから、一例として上述した薄板の貼り合わ
せにより、あるいは貼り合わせ後の孔版5に対し、金属
切削加工等を施すことにより形成する。
9に示すような仕切リブ54aが設けられることが望ま
しい。この仕切リブ54は厚肉形成凹部54が広範囲に
及ぶ場合に、後述するスキージ処理時において極端に中
央が凹陥することのないように機能するものである。そ
して図8、9に示す孔版5にあっては、厚肉形成凹部5
4をスキージ処理方向と直交する方向に分断するように
仕切リブ54aを設けている。なおこの仕切リブ54a
は、上記機能を奏するものであれば、上記構成に限らず
種々の構成を採用できるものである。例えば図8に示す
ように厚肉形成凹部54を明確に分断するように仕切リ
ブ54aを設けるほか、図10(a)に示すように仕切
リブ54aを断続的に設けるようにすることもできる
し、図10(b)に示すようにドット状に仕切リブ54
aを構成することも可能である。この他、スキージ処理
方向を特に限定したくない場合には図10(c)に示す
ような格子状の仕切リブ54aとすることも可能である
し、この他、図10(d)に示すような仕切リブ54a
を採用することにより、形成される補強厚肉部14に適
宜の模様を形成し、これにより意匠的効果を発揮させる
ようにすることも可能である。
面は、平滑鏡面状に表面仕上げされたものでもよいが、
梨地処理されたもの、更にその表面を粗く仕上げたも
の、積極的に凹凸模様を形成したもの等の凹凸処理を例
えばエッチング等の手法により施すことも可能である。
因みにこのような凹凸処理を施した場合には凹凸パター
ン11の接地面11aに対しても意匠性を付与すること
が可能となるほか、底版8と孔版5との間にある程度の
通気性が確保されるため、後述する通気性シート40を
使用しなくても孔部5aからのエアの排出が可能とな
る。更にこのような底版8及び孔版5にはガイド孔7が
穿設されていることが望ましく、このようなガイド孔7
を設ければ、このガイド孔7を利用して底版8及び孔版
5を正しい位置に載置したり、複数枚の孔版5を使用す
る場合の位置ズレ防止に寄与し得る。
法としては、本出願人の出願に係る特願平4−3075
74号「エンボスシートの製造方法」、特願平4−34
3146号「エンボスシートの製造方法」等において開
示したマスター型を利用する方法、光硬化性樹脂フィル
ムを利用する方法、サンドブラストによる方法のほか、
金属板、樹脂板などにワイヤカット、レーザー、パンチ
ング、プレス等による方法で孔部5aを形成して孔版5
を作成する方法等、種々の方法をとり得るものである。
更にこのようにして作成された孔版5を底版8の載置さ
れたベースB上に載置するにあたっては、ベースBと底
版8との密着性、底版8と孔版5との密着性や複数の孔
版5を重ね合わせて使用する場合の孔版5間の密着性を
高める工夫が必要となる。以下この点について少し触れ
ておく。
これらを密着させる手法について説明する。なおこのよ
うな磁力を利用して密着させる手法としては、ベースB
側に磁力を持たせるか、底版8及び孔版5側に磁力を持
たせるかによって二つの手法が選択できる。ここでは実
際の使用に最も適するベースB側に磁力を持たせる場合
について説明する。この場合はベースBを例えば平面研
削盤の工作物保持装置として広く利用されている電磁チ
ャックにより構成し、これにより吸着される底版8及び
孔版5を上述したような厚み寸法の比較的肉薄の鉄板に
より構成する。なおベースBとしては同様の作用が期待
できる永磁チャックや、永久磁石等ももちろん使用でき
る。
版5との間、あるいは孔版5間の密着手法としてはこの
ような磁力を利用する方法のほか、これらの間に霧状の
水滴をスプレーし、これを凍らせることによりこれらの
間の密着を図ったり、この他、これらの間に水滴や仮接
着用の接着液を数滴滴下して、これらを重ね合わせるこ
とで密着を図ったり、ベースBと底版8との間、底版8
と孔版5の間、あるいは孔版5間に機械的係合手段を別
途設けることによって密着を図る等、種々の密着手段を
採用し得る。なお孔版5を複数枚使用する場合には、孔
版5の表面に磁性体金属を担持させておき、これにより
磁力を増大させるようにすることも可能である。
て具体的に説明する。なお本発明の凹凸成形シートの製
造方法にあっては、ベースB上に底版8及び孔版5また
は凹版6を載置した後に素地シート10を設置する「素
地シート後置き」の手法を採用する。なお以下の説明に
あたっては、複数枚(図8、図9〜12に示す実施の形
態にあっては一例として二枚)の孔版5を使用して凹凸
成形シートSを製造する場合について説明するが、一枚
の孔版5によって凹凸成形シートSを製造する場合にあ
っても要は同じで、孔版5の設置、エラストマー液体原
料Pの注入、スキージ処理が一回で済む点が相違するだ
けである。また以下の説明では補強厚肉部14を形成す
ることを想定しているが、このような補強厚肉部14を
形成しない場合には、厚肉形成凹部54の形成されてい
ない孔版5を使用する。更に凹凸成形シートSを製造す
るにあたっては、図6(a)に示すような孔版5のほ
か、図6(b)に示すような凹版6も使用できるが、こ
こでは孔版5を使用し、図4(b)に示すような段差状
の凹凸パターン11を有する凹凸成形シートSを成形す
る場合を例にとって説明する。
面やボールと接触する側に位置するパターン要素12の
成形工程である。 (i)底版の設置(図6(a)参照) まずベースB上に底版8を載置する。なおこの場合、底
版8に対して上述の凹凸処理が施されている場合には、
凹凸処理の施されている面を上にしてガイド孔7を案内
として載置する。またこのような底版8に代えて図7に
示すように通気性シート40を使用することも可能であ
る。そしてこれら凹凸処理の施された底版8及び通気性
シート40の作用は、孔版5における孔部5aに混入し
たエアを底版8における凹部ないしは通気性シート40
の組織中を通過させ、外部に排出させたり、底版8にお
ける凹部ないしは通気性シート40の表面の凹部や組織
中の空洞部に一時的にエアを残留させるというものであ
る。なお通気性シート40の構成の詳細については、そ
の記載を省略するが、特願平7−70582号等におい
て開示されている凹凸成形シートの製造方法中の記載を
参照されたい。
の上面に接地側の孔版5を設置する。因みにこの孔版5
には薄肉形成凹部53及び厚肉形成凹部54は形成され
ていない。また孔版5の設置にあたっては、孔版5に形
成されているガイド孔7を利用して位置合わせを行うよ
うにする。なお孔版5について以下区別して使用する場
合には、基部側すなわち素地シート10に接する側の基
部側パターン要素12Aと、接地側の接地側パターン要
素12Bとに対応して、それぞれ基部側孔版5A、接地
側孔版5Bとして説明する。またこれらの中間位置に更
に他のパターン要素12が存在する場合には、これに対
応して別途中間位置用の孔版5が必要となる。
て密着状態でセットしたら、図11(a)(a′)に示
すように孔版5における孔部5aに接地側パターン要素
12Bを形成するエラストマー液体原料Pを注入する。
なおエラストマー液体原料Pとしてポリウレタンエラス
トマーを注入する場合には、工業的に多く使用されてい
るスタティックミキサーなどを用い、図11(a)に示
すようにシリンダ内で二液を混合し、ノズルから注入す
る方法や、図11(a′)のようにノズル先端で原料の
二液を混合しながら吹き付けるようにすることも可能で
ある。
5aに注入したら、図11(b)に示すようにスキージ
具9を用いて、孔部5aの上面からはみ出て存在する上
記エラストマー液体原料Pを除去する。このとき各孔部
5a中のエラストマー液体原料Pのうち、孔部5a上面
直下付近に存在するものの一部を、これらエラストマー
液体原料Pと孔版5の孔部5a並びにスキージ具9の先
端との表面張力、接触角、濡れなどの関係から、スキー
ジ具9の先端で引きずるようにして一緒に取り去るよう
にする。
し、スキージ処理(図12参照) このようにして接地側孔版5Bの孔部5a内に注入され
たエラストマー液体原料Pが半硬化状態、すなわち孔版
5の脱版が多少とも可能で、接合されるパターン要素1
2間で層間剥離しない程度に硬化した状態となったとこ
ろで、この接地側孔版5Bの上面に基部側孔版5Aを設
置する。そして前記エラストマー液体原料Pとは性状を
異にする、あるいは同一の性状のエラストマー液体原料
Pを使用し、接地側孔版5Bに形成される孔部5a、薄
肉形成凹部53、厚肉形成凹部54に対しエラストマー
液体原料Pを注入し、以下スキージ処理を行い、エラス
トマー液体原料Pを上述した層間剥離を起こさない状態
まで硬化させる。
版(図13、14参照) このようにしてエラストマー液体原料Pの注入とスキー
ジ処理が行われた後、基部側孔版5Aの上面に素地シー
ト10を設置する。そして図13に示すように上方より
適宜ウエイトW等をかけて押圧し、素地シート10を基
部側孔版5Aに密着させて、孔部5a内のエラストマー
液体原料Pを脱版可能状態となるまで硬化させる。そし
て上方よりウエイトWを取り外し、図14に示すように
素地シート10を上方に引き上げ、これを完全に硬化す
れば図3に示すように素地シート10の一面に凹凸パタ
ーン11、素地被膜13、補強厚肉部14が形成された
凹凸成形シートSが完成する。因みにこの手法による場
合には基部側パターン要素12Aのはみ出しによる接地
側パターン要素12Bとのコントラストの不明瞭さが改
善される。また他の押圧手段としてここで用いたウエイ
トWに代えて、例えばプレス装置を用い、これにより素
地シート10と凹凸パターン11等との押圧を図るよう
にすることも可能である。また上記凹凸成形シートの製
造方法にあっては、孔版5を載置するその都度において
エラストマー液体原料Pの注入及びスキージ処理を繰り
返し行っていたが、同一性状のエラストマー液体原料P
を用いる場合には、所定枚数の孔版5を先に載置し、そ
の後、最上部に位置する孔版5の孔部5aから一挙にエ
ラストマー液体原料Pを注入し、爾後スキージ処理をす
るようにすることも可能である。
その製造方法は、上記発明の実施の形態において述べた
とおりであって、このような構成及び製造方法をとるこ
とにより以下のような効果が発揮される。すなわち素地
シート10上に素地被膜13を形成したことにより、素
地シート10上に現れるスキージ跡が隠蔽され、目立た
なくなり、外観が改善される。また素地被膜13に非被
膜部13aを形成すれば通気性が得られ、用途の拡大に
寄与するほか、素地被膜13と素地シート10との色彩
のコントラストや素地被膜13の形状の変化によって意
匠性も向上する。更に素地シート10に対し補強厚肉部
14を形成した場合には、特に摩耗の激しい部位にこれ
を適用すれば耐摩耗性が向上する。また素地被膜13、
補強厚肉部14を凹凸パターン11と共に一体に素地シ
ート10に密着形成することにより、両者の接合は更に
強固となる。そしてこのような素地被膜13及び補強厚
肉部14の形成を孔版5または凹版6による成形手法に
より行えば、孔版5または凹版6に対し、薄肉形成凹部
53及び厚肉形成凹部54を形成するだけで別途の工程
を増設することなく目的を達成することができ、生産効
率にも優れ、製品コストの上昇も極めて低く抑えられ
る。
アウターソールに適用した実施の形態を示す分解斜視図
である。
施の形態を示す斜視図である。
形態を示す骨格的縦断側面図である。
す平面図である。
用する孔版及び凹版を示す縦断側面図である。
気性シートを設置するようにした実施の形態を示す縦断
側面図である。
される基部側孔版並びに接地側孔版を示す斜視図であ
る。
形態を示す縦断側面図である。
施の形態を示す平面図である。
に示す説明図であって、このうち接地側孔版の設置から
スキージ処理までの様子を示す斜視図である。
の様子を示す斜視図である。
る。
種の問題点を示す平面図並びに骨格的縦断側面図であ
る。
Claims (13)
- 【請求項1】 素地シートの一面に所定形状の凹凸パタ
ーンが密着形成されて成るシート状部材において、前記
素地シートにおける凹凸パターンの形成側の面にはエラ
ストマーから成る凹凸パターンと一体に密着形成される
素地被膜が設けられていることを特徴とする凹凸成形シ
ート。 - 【請求項2】 前記素地被膜の少なくとも一部には、素
地シートが露出する非被膜部が形成されていることを特
徴とする請求項1記載の凹凸成形シート。 - 【請求項3】 前記非被膜部は、素地被膜に対して形成
される多数の散点状または斑点状の鬆状痕であることを
特徴とする請求項2記載の凹凸成形シート。 - 【請求項4】 前記凹凸パターンは、性状を異にする複
数のエラストマーから成るパターン要素を組み合わせる
ことにより構成され、前記素地被膜はこのうち素地シー
トに接するパターン要素と同一のエラストマーによっ
て、これと一体に素地シートに対して密着形成されるこ
とを特徴とする請求項1、2、または3記載の凹凸成形
シート。 - 【請求項5】 前記素地シートにおける凹凸パターンの
形成側の面には凹凸パターン及び素地被膜と一体に密着
形成される補強厚肉部が設けられていることを特徴とす
る請求項1、2、3または4記載の凹凸成形シート。 - 【請求項6】 前記エラストマーは、ポリウレタンエラ
ストマーであることを特徴とする請求項1、2、3、4
または5記載の凹凸成形シート。 - 【請求項7】 ベース上に底版を載置し、更にこの底版
上にあらかじめ所定形状の孔部がパターン状に形成され
た孔版を載置し、この孔版の孔部に対しエラストマー液
体原料を注入するとともにスキージ処理をし、爾後その
上方から素地シートを載置し、更にこれを加圧加熱する
ことで素地シートの一面に所定形状の凹凸パターンを密
着形成するようにしたシート状部材の製造方法におい
て、前記孔版には更に薄肉形成凹部が形成されており、
この薄肉形成凹部に対しても前記エラストマー液体原料
が注入され、これにより素地シートの一面に前記凹凸パ
ターンと一体に素地被膜が密着形成されることを特徴と
する凹凸成形シートの製造方法。 - 【請求項8】 前記シート状部材の製造方法において、
前記孔版は複数枚使用され、このうち一枚の孔版に対
し、薄肉形成凹部が形成されており、底版上にまず薄肉
形成凹部の形成されていない孔版を載置し、この孔部に
対しエラストマー液体原料を注入後、スキージ処理を
し、爾後その上方に順次他の孔版を所定枚数載置してい
き、これらの孔部に対し前記エラストマー液体原料と同
一性状、あるいは異なる性状のエラストマー液体原料を
注入し、スキージ処理をする作業を繰り返し、最終的に
最上部に至ったところで、前記薄肉形成凹部の形成され
た孔版を載置し、この孔版の孔部及び薄肉形成凹部に対
して前記エラストマー液体原料と同一性状あるいは異な
る性状のエラストマー液体原料を注入し、爾後スキージ
処理後、素地シートを載置するようにしたことを特徴と
する請求項7記載の凹凸成形シートの製造方法。 - 【請求項9】 ベース上にあらかじめ所定形状の凹部が
パターン状に形成された凹版を載置し、この凹版の凹部
に対しエラストマー液体原料を注入するとともにスキー
ジ処理をし、更にこの凹版上にあらかじめ所定形状の孔
部がパターン状に形成された孔版を載置し、この孔版の
孔部に対し前記エラストマー液体原料と同一性状、ある
いは異なる性状のエラストマー液体原料を注入するとと
もにスキージ処理をし、爾後その上方から素地シートを
載置し、更にこれを加圧加熱することで素地シートの一
面に所定形状の凹凸パターンを密着形成するようにした
シート状部材の製造方法において、前記孔版には更に薄
肉形成凹部が形成されており、この薄肉形成凹部に対し
ても前記エラストマー液体原料が注入され、これにより
素地シートの一面に前記凹凸パターンと一体に素地被膜
が密着形成されることを特徴とする凹凸成形シートの製
造方法。 - 【請求項10】 前記シート状部材の製造方法におい
て、前記孔版は複数枚使用され、このうち一枚の孔版に
対し、薄肉形成凹部が形成されており、凹版上にまず薄
肉形成凹部の形成されていない孔版を載置し、この孔部
に対しエラストマー液体原料を注入後、スキージ処理を
し、爾後その上方に順次他の孔版を所定枚数載置してい
き、これらの孔部に対し前記エラストマー液体原料と同
一性状、あるいは異なる性状のエラストマー液体原料を
注入し、スキージ処理をする作業を繰り返し、最終的に
最上部に至ったところで、前記薄肉形成凹部の形成され
た孔版を載置し、この孔版の孔部及び薄肉形成凹部に対
して前記エラストマー液体原料と同一性状あるいは異な
る性状のエラストマー液体原料を注入し、爾後スキージ
処理後、素地シートを載置するようにしたことを特徴と
する請求項9記載の凹凸成形シートの製造方法。 - 【請求項11】 前記薄肉形成凹部の形成されている孔
版には、更に厚肉形成凹部が形成されており、この厚肉
形成凹部に対しても前記エラストマー液体原料が注入さ
れ、これにより素地シートの一面に前記凹凸パターン及
び素地被膜と一体に補強厚肉部が密着形成されることを
特徴とする請求項7、8、9または10記載の凹凸成形
シートの製造方法。 - 【請求項12】 前記厚肉形成凹部には、この厚肉形成
凹部をスキージ処理方向と直交する方向に分断する仕切
リブが設けられていることを特徴とする請求項11記載
の凹凸成形シートの製造方法。 - 【請求項13】 前記ベースと底版または凹版との密
着、底版または凹版と孔版との密着及び孔版と孔版との
密着は、磁力を利用して行われることを特徴とする請求
項7、8、9、10、11または12記載の凹凸成形シ
ートの製造方法。
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