JPH0912309A - アジ化ナトリウムの製造法 - Google Patents
アジ化ナトリウムの製造法Info
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- JPH0912309A JPH0912309A JP18638095A JP18638095A JPH0912309A JP H0912309 A JPH0912309 A JP H0912309A JP 18638095 A JP18638095 A JP 18638095A JP 18638095 A JP18638095 A JP 18638095A JP H0912309 A JPH0912309 A JP H0912309A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のアジ化ナトリウムを製造するヒドラジ
ン法を改良して反応収率が高く安全かつ経済的なアジ化
ナトリウムを製造する。 【構成】 亜硝酸アルキルと水加ヒドラジン及び水酸化
ナトリウムを反応せしめてアジ化ナトリウムを製造する
方法において、反応中に更に水酸化ナトリウムの固体を
追加仕込みをして、更に亜硝酸アルキルを追加添加する
アジ化ナトリウム製造法。 【効果】 高品質、高収率のアジ化ナトリウムの製造が
可能であり、かつアジ化ナトリウムの取得時に使用され
たメタノ−ルが高純度で回収され再利用される。
ン法を改良して反応収率が高く安全かつ経済的なアジ化
ナトリウムを製造する。 【構成】 亜硝酸アルキルと水加ヒドラジン及び水酸化
ナトリウムを反応せしめてアジ化ナトリウムを製造する
方法において、反応中に更に水酸化ナトリウムの固体を
追加仕込みをして、更に亜硝酸アルキルを追加添加する
アジ化ナトリウム製造法。 【効果】 高品質、高収率のアジ化ナトリウムの製造が
可能であり、かつアジ化ナトリウムの取得時に使用され
たメタノ−ルが高純度で回収され再利用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬の中間体の製
造原料又は自動車のエアバッグ用インフレ−タ−の薬剤
として有用なアジ化ナトリウムの製造法に関し、下記に
記載のヒドラジン法による亜硝酸アルキルと水加ヒドラ
ジン及び水酸化ナトリウムとの反応によってアジ化ナト
リウムを生成せしめる反応において、水加ヒドラジンに
対して亜硝酸アルキル及び水酸化ナトリウム溶液を添加
した後、固体水酸化ナトリウムを添加し、更に亜硝酸ア
ルキルを添加することによって高選択的にアジ化ナトリ
ウムを生成させ、高純度、高収率でアジ化ナトリウムを
製造する方法に関するものである。
造原料又は自動車のエアバッグ用インフレ−タ−の薬剤
として有用なアジ化ナトリウムの製造法に関し、下記に
記載のヒドラジン法による亜硝酸アルキルと水加ヒドラ
ジン及び水酸化ナトリウムとの反応によってアジ化ナト
リウムを生成せしめる反応において、水加ヒドラジンに
対して亜硝酸アルキル及び水酸化ナトリウム溶液を添加
した後、固体水酸化ナトリウムを添加し、更に亜硝酸ア
ルキルを添加することによって高選択的にアジ化ナトリ
ウムを生成させ、高純度、高収率でアジ化ナトリウムを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来アジ化ナトリウムの製造法として
は、 (1) ナトリウムアミドと亜酸化窒素との反応による方法
(ナトリウムアミド法という)と、 (2) ヒドラジン溶液と有機亜硝酸塩との反応による方法
(ヒドラジン法という)などの方法がある。(1) のナト
リウムアミド法としては、ナトリウムアミドと亜酸化窒
素とより高純度のアジ化ナトリウムを連続的に製造する
方法(特開昭50−144700号)があり。(2) のヒ
ドラジン法としては、充填塔構造を有する吸収塔を使用
して亜硝酸アルキルを含む原料ガスとヒドラジン、苛性
ソ−ダ及び/又はアジ化ナトリウムを含む原料液とを接
触させ気液の接触反応によってアジ化ナトリウムを製造
する方法(特開平5−85707号)。ガス状亜硝酸メ
チル又はガス状亜硝酸エチルを含む原料ガスと、ヒドラ
ジン及び水酸化ナトリウムを含む原料液とを気液接触さ
せて0〜70℃でアジ化ナトリウムを晶析させるアジ化
ナトリウムの製造法(特開平5−319811号)。又
はガス状亜硝酸メチル又はエチルを含む原料ガス、ヒド
ラジン及び水酸化ナトリウムを 水酸化ナトリウム/ヒドラジン>1.1 ≦亜硝酸メチル又
はエチル /ヒドラジン≦1.3 のモル速度比によって、アジ化ナトリウム結晶濃度3〜
30wt%、反応母液の水酸化ナトリウム溶液濃度3〜2
0wt%の反応スラリ−を有する撹拌槽形式の反応器に連
続的に供給して常圧〜10Kg/cm2 、0〜70℃で気液
接触させるアジ化ナトリウムの連続的製造法(特開平6
−64908号)等がある。
は、 (1) ナトリウムアミドと亜酸化窒素との反応による方法
(ナトリウムアミド法という)と、 (2) ヒドラジン溶液と有機亜硝酸塩との反応による方法
(ヒドラジン法という)などの方法がある。(1) のナト
リウムアミド法としては、ナトリウムアミドと亜酸化窒
素とより高純度のアジ化ナトリウムを連続的に製造する
方法(特開昭50−144700号)があり。(2) のヒ
ドラジン法としては、充填塔構造を有する吸収塔を使用
して亜硝酸アルキルを含む原料ガスとヒドラジン、苛性
ソ−ダ及び/又はアジ化ナトリウムを含む原料液とを接
触させ気液の接触反応によってアジ化ナトリウムを製造
する方法(特開平5−85707号)。ガス状亜硝酸メ
チル又はガス状亜硝酸エチルを含む原料ガスと、ヒドラ
ジン及び水酸化ナトリウムを含む原料液とを気液接触さ
せて0〜70℃でアジ化ナトリウムを晶析させるアジ化
ナトリウムの製造法(特開平5−319811号)。又
はガス状亜硝酸メチル又はエチルを含む原料ガス、ヒド
ラジン及び水酸化ナトリウムを 水酸化ナトリウム/ヒドラジン>1.1 ≦亜硝酸メチル又
はエチル /ヒドラジン≦1.3 のモル速度比によって、アジ化ナトリウム結晶濃度3〜
30wt%、反応母液の水酸化ナトリウム溶液濃度3〜2
0wt%の反応スラリ−を有する撹拌槽形式の反応器に連
続的に供給して常圧〜10Kg/cm2 、0〜70℃で気液
接触させるアジ化ナトリウムの連続的製造法(特開平6
−64908号)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ナトリウムアミド
法は高温又は高圧の反応条件が必要で、爆発の危険性が
あり、安全性に問題がある。またヒドラジン法はナトリ
ウムアミド法に比較すると、工程が簡単で高温又は高圧
の反応条件を必要としないため爆発等の危険性が少なく
工業的には有利な方法であるが、反応収率の点で問題が
ある。前記した従来のヒドラジン法は水加ヒドラジンと
水酸化ナトリウムとを含む原料液に亜硝酸アルキルのガ
ス又は液体を接触反応させるが、その反応過程で生成す
るニトロソヒドラジン(NO)NHNH2 が亜硝酸アル
キルと反応又は自己分解するため、アジ化ナトリウムの
生成率が低下し、その結果アジ化ナトリウムの収率が低
下する。反応式で示すと下記の通りである。 (NO)NHNH2 +RONO → ROH+N2 +N2 O+H2 O (1) (NO)NHNH2 → NH3 +N2 O (2) 上記(1),(2) におけるRONOは亜硝酸アルキル。Rは
アルキル基である。
法は高温又は高圧の反応条件が必要で、爆発の危険性が
あり、安全性に問題がある。またヒドラジン法はナトリ
ウムアミド法に比較すると、工程が簡単で高温又は高圧
の反応条件を必要としないため爆発等の危険性が少なく
工業的には有利な方法であるが、反応収率の点で問題が
ある。前記した従来のヒドラジン法は水加ヒドラジンと
水酸化ナトリウムとを含む原料液に亜硝酸アルキルのガ
ス又は液体を接触反応させるが、その反応過程で生成す
るニトロソヒドラジン(NO)NHNH2 が亜硝酸アル
キルと反応又は自己分解するため、アジ化ナトリウムの
生成率が低下し、その結果アジ化ナトリウムの収率が低
下する。反応式で示すと下記の通りである。 (NO)NHNH2 +RONO → ROH+N2 +N2 O+H2 O (1) (NO)NHNH2 → NH3 +N2 O (2) 上記(1),(2) におけるRONOは亜硝酸アルキル。Rは
アルキル基である。
【0004】本発明は従来の水加ヒドラジンと水酸化ナ
トリウム及び亜硝酸アルキルとによってアジ化ナトリウ
ムを製造するヒドラジン法を改良して、反応収率が高く
安全で、かつ経済的なアジ化ナトリウムを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
トリウム及び亜硝酸アルキルとによってアジ化ナトリウ
ムを製造するヒドラジン法を改良して、反応収率が高く
安全で、かつ経済的なアジ化ナトリウムを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者等がヒドラジン法によるアジ化ナトリウ
ムの製造法について鋭意研究した結果、反応に寄与する
水酸化ナトリウムの反応原料液中における濃度、即ち、
水酸化ナトリウムを反応液中に添加すべき状態と時期と
がアジ化ナトリウムの生成率と純度とに大きく寄与して
いることを見出して本発明を完成するに至ったのであ
る。
めに、本発明者等がヒドラジン法によるアジ化ナトリウ
ムの製造法について鋭意研究した結果、反応に寄与する
水酸化ナトリウムの反応原料液中における濃度、即ち、
水酸化ナトリウムを反応液中に添加すべき状態と時期と
がアジ化ナトリウムの生成率と純度とに大きく寄与して
いることを見出して本発明を完成するに至ったのであ
る。
【0006】本発明の第1は、亜硝酸アルキルと水加ヒ
ドラジンと水酸化ナトリウムとの反応において、水加ヒ
ドラジンと30〜50%水酸化ナトリウム水溶液を水加
ヒドラジンに対して0.8 〜 1.5倍当量とを含む原料液に
亜硝酸アルキルを反応せしめ、更に反応の途中において
固体の水酸化ナトリウム0.5 〜 1.0倍当量追加仕込みを
し、更に亜硝酸アルキルを追加添加することを特徴とす
るアジ化ナトリウムの製造法であり、その第2は、固体
の水酸化ナトリウムを追加仕込みすることによってアジ
化ナトリウムを単離後のアジ化ナトリウム、水酸化ナト
リウムを含む水溶液(母液)を反応原料液として再利用
する第1発明記載のアジ化ナトリウムの製造法に関する
ものである。ここにアジ化ナトリウムは下記反応式に従
って合成される。 RONO+N2 H4 ・H2 O →(NO)NHNH2 +ROH+H2 O (3) (NO)NHNH2 +NaOH→NaN3 +2H2 O (4)
ドラジンと水酸化ナトリウムとの反応において、水加ヒ
ドラジンと30〜50%水酸化ナトリウム水溶液を水加
ヒドラジンに対して0.8 〜 1.5倍当量とを含む原料液に
亜硝酸アルキルを反応せしめ、更に反応の途中において
固体の水酸化ナトリウム0.5 〜 1.0倍当量追加仕込みを
し、更に亜硝酸アルキルを追加添加することを特徴とす
るアジ化ナトリウムの製造法であり、その第2は、固体
の水酸化ナトリウムを追加仕込みすることによってアジ
化ナトリウムを単離後のアジ化ナトリウム、水酸化ナト
リウムを含む水溶液(母液)を反応原料液として再利用
する第1発明記載のアジ化ナトリウムの製造法に関する
ものである。ここにアジ化ナトリウムは下記反応式に従
って合成される。 RONO+N2 H4 ・H2 O →(NO)NHNH2 +ROH+H2 O (3) (NO)NHNH2 +NaOH→NaN3 +2H2 O (4)
【0007】上記反応式において反応初期は水酸化ナト
リウムの濃度が高く、(4) 式のニトロソヒドラジンと水
酸化ナトリウムの反応が優先し、アジ化ナトリウムが生
成するが反応の終期においては水酸化ナトリウムの濃度
が低くなり、上記(1) 式に示す亜硝酸アルキルとニトロ
ソヒドラジンの反応が優先するようになり、アジ化ナト
リウムが生成し難くなる。即ち、反応原液中の水酸化ナ
トリウムの濃度がアジ化ナトリウムの生成率に大きく寄
与していることが判った。そのため本発明者等は反応系
内の水酸化ナトリウムの濃度を高く保つことにより、上
記(1),(2) の反応を阻止して、(3),(4) の反応を促進す
ることによって高収率でアジ化ナトリウムが得られるこ
とを確認した。
リウムの濃度が高く、(4) 式のニトロソヒドラジンと水
酸化ナトリウムの反応が優先し、アジ化ナトリウムが生
成するが反応の終期においては水酸化ナトリウムの濃度
が低くなり、上記(1) 式に示す亜硝酸アルキルとニトロ
ソヒドラジンの反応が優先するようになり、アジ化ナト
リウムが生成し難くなる。即ち、反応原液中の水酸化ナ
トリウムの濃度がアジ化ナトリウムの生成率に大きく寄
与していることが判った。そのため本発明者等は反応系
内の水酸化ナトリウムの濃度を高く保つことにより、上
記(1),(2) の反応を阻止して、(3),(4) の反応を促進す
ることによって高収率でアジ化ナトリウムが得られるこ
とを確認した。
【0008】本発明のアジ化ナトリウムの合成法は、亜
硝酸アルキルと水加ヒドラジン及び水酸化ナトリウムを
含む原料液とを反応させる際、亜硝酸アルキルを水加ヒ
ドラジンに対して1.0 〜 1.1倍当量使用する。亜硝酸ア
ルキルの水加ヒドラジンに対する添加量が1.0 倍当量未
満の場合も、又は1.1 倍当量を超過して添加する場合
も、共に上記反応式(1),(2) で示した反応が優先して起
こり、何れの場合も共にアジ化ナトリウム生成率を低下
させる。更に本発明において最初に添加する水酸化ナト
リウムの量は水加ヒドラジンに対して、0.8 〜 1.5倍当
量使用し、かつ反応過程での撹拌能力、分液性から30
〜50%水溶液が好適である。最初に添加する水酸化ナ
トリウム溶液が水加ヒドラジンに対して0.8 倍当量未満
の場合も、1.5 倍当量を超過する場合も、共に初期にお
いて上記(3),(4) 式に示した反応が円滑に進行せず、そ
のため(1) 又は(2) 式の反応が起こり収率が上昇せず、
最終的に本発明の目的を達成することができない。亜硝
酸アルキルの添加温度は0〜70℃の範囲で、好ましく
0〜50℃で行う必要がある。70℃以上の温度では上
記(1) 式の反応が優先しやすく、また(2) 式の副反応が
著しくなりアジ化ナトリウムの生成率が低下すると共に
副反応を伴い品質の低下をきたす。
硝酸アルキルと水加ヒドラジン及び水酸化ナトリウムを
含む原料液とを反応させる際、亜硝酸アルキルを水加ヒ
ドラジンに対して1.0 〜 1.1倍当量使用する。亜硝酸ア
ルキルの水加ヒドラジンに対する添加量が1.0 倍当量未
満の場合も、又は1.1 倍当量を超過して添加する場合
も、共に上記反応式(1),(2) で示した反応が優先して起
こり、何れの場合も共にアジ化ナトリウム生成率を低下
させる。更に本発明において最初に添加する水酸化ナト
リウムの量は水加ヒドラジンに対して、0.8 〜 1.5倍当
量使用し、かつ反応過程での撹拌能力、分液性から30
〜50%水溶液が好適である。最初に添加する水酸化ナ
トリウム溶液が水加ヒドラジンに対して0.8 倍当量未満
の場合も、1.5 倍当量を超過する場合も、共に初期にお
いて上記(3),(4) 式に示した反応が円滑に進行せず、そ
のため(1) 又は(2) 式の反応が起こり収率が上昇せず、
最終的に本発明の目的を達成することができない。亜硝
酸アルキルの添加温度は0〜70℃の範囲で、好ましく
0〜50℃で行う必要がある。70℃以上の温度では上
記(1) 式の反応が優先しやすく、また(2) 式の副反応が
著しくなりアジ化ナトリウムの生成率が低下すると共に
副反応を伴い品質の低下をきたす。
【0009】本発明のアジ化ナトリウムの合成法は、亜
硝酸アルキルを水加ヒドラジンに対して1.0 〜 1.1倍当
量添加した後、フレ−ク又は粒状の水酸化ナトリウムを
水加ヒドラジンに対して0.5 〜 1.0倍当量添加する。そ
の後亜硝酸アルキルを添加して温度0〜70℃で反応を
完結する。亜硝酸アルキル添加時期は亜硝酸アルキル添
加量が0.1 倍当量以下であると撹拌性の不良により未反
応亜硝酸アルキルが蓄積し、後に反応が暴走する恐れが
あるため、亜硝酸アルキルを0.1 倍当量以上添加した時
期が好適である。反応が終了し、生成したアジ化ナトリ
ウムの回収は副成するアルコ−ルを濃縮又は分液した
後、更に水酸化ナトリウムの濃度が30〜35%になる
まで濃縮し、メタノ−ルを添加、冷却後濾別した。得ら
れたアジ化ナトリウムは高収率であり、メタノ−ル洗浄
により高品質のものが得られた。アジ化ナトリウムを濾
過して得られたメタノ−ルを含む母液はメタノ−ルを留
去し、水酸化ナトリウム濃度30〜35%の水溶液(母
液)は濃度を調整するか又はそのままで次の反応に使用
することができる。また留去したメタノ−ルはアジ化ナ
トリウム取得時の添加、洗浄用に再使用することができ
る。
硝酸アルキルを水加ヒドラジンに対して1.0 〜 1.1倍当
量添加した後、フレ−ク又は粒状の水酸化ナトリウムを
水加ヒドラジンに対して0.5 〜 1.0倍当量添加する。そ
の後亜硝酸アルキルを添加して温度0〜70℃で反応を
完結する。亜硝酸アルキル添加時期は亜硝酸アルキル添
加量が0.1 倍当量以下であると撹拌性の不良により未反
応亜硝酸アルキルが蓄積し、後に反応が暴走する恐れが
あるため、亜硝酸アルキルを0.1 倍当量以上添加した時
期が好適である。反応が終了し、生成したアジ化ナトリ
ウムの回収は副成するアルコ−ルを濃縮又は分液した
後、更に水酸化ナトリウムの濃度が30〜35%になる
まで濃縮し、メタノ−ルを添加、冷却後濾別した。得ら
れたアジ化ナトリウムは高収率であり、メタノ−ル洗浄
により高品質のものが得られた。アジ化ナトリウムを濾
過して得られたメタノ−ルを含む母液はメタノ−ルを留
去し、水酸化ナトリウム濃度30〜35%の水溶液(母
液)は濃度を調整するか又はそのままで次の反応に使用
することができる。また留去したメタノ−ルはアジ化ナ
トリウム取得時の添加、洗浄用に再使用することができ
る。
【0010】
【実施例1】水加ヒドラジン 200.3g、48%水酸化ナ
トリウム水溶液 367g、n−ブタノ−ル48mlの混合溶
液に亜硝酸ブチル 206gを内温50℃で2時間かけて滴
下した。続いて99%水酸化ナトリウム80.8gを内温5
0〜60℃で分割添加した。更に亜硝酸ブチル 227gを
内温50℃で2時間かけて滴下し、直ちに内温70℃ま
で昇温し、2時間撹拌した。室温まで冷却後、ブタノ−
ル層を分液除去し、水層の水酸化ナトリウム濃度が30
%になるまで水を減圧留去した。メタノ−ル205ml を添
加し、10℃まで冷却後濾取し、メタノ−ル洗浄したも
のを乾燥して、含量99.5%のアジ化ナトリウム 241g
(収率92.7%)を得た。
トリウム水溶液 367g、n−ブタノ−ル48mlの混合溶
液に亜硝酸ブチル 206gを内温50℃で2時間かけて滴
下した。続いて99%水酸化ナトリウム80.8gを内温5
0〜60℃で分割添加した。更に亜硝酸ブチル 227gを
内温50℃で2時間かけて滴下し、直ちに内温70℃ま
で昇温し、2時間撹拌した。室温まで冷却後、ブタノ−
ル層を分液除去し、水層の水酸化ナトリウム濃度が30
%になるまで水を減圧留去した。メタノ−ル205ml を添
加し、10℃まで冷却後濾取し、メタノ−ル洗浄したも
のを乾燥して、含量99.5%のアジ化ナトリウム 241g
(収率92.7%)を得た。
【0011】
【実施例2】水加ヒドラジン 200.3g、実施例1で得ら
れた母液からメタノ−ルを留去した水酸化ナトリウム濃
度約30%、アジ化ナトリウム濃度約2.5 %の母液 213
g、48%水酸化ナトリウム80g、99%水酸化ナト
リウム74.3g、n−ブタノ−ル48mlを原料液として実
施例1と同様の方法でアジ化ナトリウムを得た。この操
作を3回繰り返した。含量99%以上のアジ化ナトリウ
ムを平均収率92.6%で得た。
れた母液からメタノ−ルを留去した水酸化ナトリウム濃
度約30%、アジ化ナトリウム濃度約2.5 %の母液 213
g、48%水酸化ナトリウム80g、99%水酸化ナト
リウム74.3g、n−ブタノ−ル48mlを原料液として実
施例1と同様の方法でアジ化ナトリウムを得た。この操
作を3回繰り返した。含量99%以上のアジ化ナトリウ
ムを平均収率92.6%で得た。
【0012】
【実施例3】水加ヒドラジン50.1gと水加ヒドラジンに
対して0.9 倍当量の水酸化ナトリウムを含む水酸化ナト
リウム濃度30%、アジ化ナトリウム濃度約2.5 %の母
液120 gに亜硝酸ブチル10.3g(水加ヒドラジンに対し
て0.1 倍当量)を添加後、99%水酸化ナトリウム28.3
g(水加ヒドラジンに対して0.7 倍当量)添加した。更
に0.95倍当量の亜硝酸ブチルを添加し、実施例1と同様
の方法で、含量99.4%、収率91.5%のアジ化ナトリウム
を得た。
対して0.9 倍当量の水酸化ナトリウムを含む水酸化ナト
リウム濃度30%、アジ化ナトリウム濃度約2.5 %の母
液120 gに亜硝酸ブチル10.3g(水加ヒドラジンに対し
て0.1 倍当量)を添加後、99%水酸化ナトリウム28.3
g(水加ヒドラジンに対して0.7 倍当量)添加した。更
に0.95倍当量の亜硝酸ブチルを添加し、実施例1と同様
の方法で、含量99.4%、収率91.5%のアジ化ナトリウム
を得た。
【0013】
【実施例4】水加ヒドラジン 200.3g、アジ化ナトリウ
ムを単離した母液からメチノ−ルを留去した水酸化ナト
リウム濃度30%の母液213 g、48%水酸化ナトリウ
ム80g、99%水酸化ナトリウム74.3gを原料液とし
て亜硝酸メチルを実施例1と同様の方法で作用させアジ
化ナトリウムを得た。この操作を3回繰り返した。含量
99%以上のアジ化ナトリウムを平均収率86%で得
た。この方法により収率76%が86%になり10%向
上した。
ムを単離した母液からメチノ−ルを留去した水酸化ナト
リウム濃度30%の母液213 g、48%水酸化ナトリウ
ム80g、99%水酸化ナトリウム74.3gを原料液とし
て亜硝酸メチルを実施例1と同様の方法で作用させアジ
化ナトリウムを得た。この操作を3回繰り返した。含量
99%以上のアジ化ナトリウムを平均収率86%で得
た。この方法により収率76%が86%になり10%向
上した。
【0014】
【比較例1】水加ヒドラジン 200.3g、48%水酸化ナ
トリウム水溶液367 g(水加ヒドラジンに対して1.5 倍
当量)、n−ブタノ−ル48mlの混合溶液に亜硝酸アル
キル433 gを内温50℃で4時間かけて滴下した。直ち
に内温70℃まで昇温し、2時間撹拌した。室温まで冷
却後、ブタノ−ル層を分液除去し、水層の水酸化ナトリ
ウム濃度が30%になるまで水を減圧留去した。メタノ
−ル205ml を添加し、10℃まで冷却後濾取し、メタノ
−ル洗浄したものを乾燥して、含有量99.5%のアジ化ナ
トリウムを216 g(収率83.0%)を得た。
トリウム水溶液367 g(水加ヒドラジンに対して1.5 倍
当量)、n−ブタノ−ル48mlの混合溶液に亜硝酸アル
キル433 gを内温50℃で4時間かけて滴下した。直ち
に内温70℃まで昇温し、2時間撹拌した。室温まで冷
却後、ブタノ−ル層を分液除去し、水層の水酸化ナトリ
ウム濃度が30%になるまで水を減圧留去した。メタノ
−ル205ml を添加し、10℃まで冷却後濾取し、メタノ
−ル洗浄したものを乾燥して、含有量99.5%のアジ化ナ
トリウムを216 g(収率83.0%)を得た。
【0015】
【発明の効果】本発明の効果をまとめると下記の通りで
ある。本発明者の発明になる亜硝酸アルキルの滴下途中
で固体の水酸化ナトリウムを添加する方法は、反応系内
の水酸化ナトリウム濃度を高く保つことができ、アジ化
ナトリウムの生成率が向上し、高収率で得ることを可能
とした。アジ化ナトリウムを濾取した後の母液は、反応
試材として再利用が可能であり、高品質のアジ化ナトリ
ウムを得ることが可能である。アジ化ナトリウム取得時
に使用したメタノ−ルは高純度で回収でき、再利用が可
能である。
ある。本発明者の発明になる亜硝酸アルキルの滴下途中
で固体の水酸化ナトリウムを添加する方法は、反応系内
の水酸化ナトリウム濃度を高く保つことができ、アジ化
ナトリウムの生成率が向上し、高収率で得ることを可能
とした。アジ化ナトリウムを濾取した後の母液は、反応
試材として再利用が可能であり、高品質のアジ化ナトリ
ウムを得ることが可能である。アジ化ナトリウム取得時
に使用したメタノ−ルは高純度で回収でき、再利用が可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織田 亮三 兵庫県高砂市曽根町2900番地 東洋化成工 業株式会社化成品研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 亜硝酸アルキルと水加ヒドラジン及び水
酸化ナトリウムを含む原料液との反応において、水加ヒ
ドラジンと30〜50%水酸化ナトリウム水溶液を水加
ヒドラジンに対して0.8 〜1.5 倍当量とを含む原料液に
亜硝酸アルキルを反応せしめ、更に反応中に水酸化ナト
リウムの固体を0.5 〜 1.0倍当量追加仕込みをし、更に
亜硝酸アルキルを追加添加して反応せしめることを特徴
とするアジ化ナトリウムの製造法。 - 【請求項2】 固体の水酸化ナトリウムを追加仕込みす
ることによってアジ化ナトリウムを分離後のアジ化ナト
リウム、水酸化ナトリウムを含む水溶液(以下母液とい
う)を反応原料液として再使用することを特徴とする請
求項1記載のアジ化ナトリウムの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18638095A JPH0912309A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | アジ化ナトリウムの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18638095A JPH0912309A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | アジ化ナトリウムの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912309A true JPH0912309A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=16187382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18638095A Pending JPH0912309A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | アジ化ナトリウムの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0912309A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102659088A (zh) * | 2012-05-09 | 2012-09-12 | 山东艾孚特科技有限公司 | 一种叠氮化钠的水相合成方法 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP18638095A patent/JPH0912309A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102659088A (zh) * | 2012-05-09 | 2012-09-12 | 山东艾孚特科技有限公司 | 一种叠氮化钠的水相合成方法 |
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