JPH09122243A - バルーンカテーテルおよびその製造方法 - Google Patents

バルーンカテーテルおよびその製造方法

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JPH09122243A
JPH09122243A JP7283960A JP28396095A JPH09122243A JP H09122243 A JPH09122243 A JP H09122243A JP 7283960 A JP7283960 A JP 7283960A JP 28396095 A JP28396095 A JP 28396095A JP H09122243 A JPH09122243 A JP H09122243A
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catheter
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balloon membrane
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Koichi Sakai
康一 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルーン膜の拡張および収縮を繰り返し行う
タイプのバルーンカテーテルでは、膨張および収縮の応
答性に優れ、耐久性に優れたバルーンカテーテルおよび
その製造方法を提供すること。また、一つの治療部でバ
ルーン膜を繰り返し拡張収縮させないタイプのバルーン
カテーテルにおいて、バルーン膜の収縮時に、バルーン
カテーテル挿入時にきわめて近い状態に戻ることが可能
なバルーンカテーテルおよびその製造方法を提供するこ
と 【解決手段】 カテーテル管近位端からカテーテル管の
ルーメンを通して、カテーテル管の遠位端部にあるバル
ーン膜22内に流体を送り込み、該バルーン膜22を拡
張でき、かつバルーン膜22から流体を抜いて該バルー
ン膜22を収縮できるバルーンカテーテル。バルーン膜
22が、収縮状態で架橋された樹脂で構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば血管など
の体腔内に挿入してバルーン膜を拡張させることによ
り、体腔内流路を拡張したり、バルーン膜の拡張および
収縮を交互に繰り返すことにより心臓の脈動の補助を行
うなどの治療に用いられるバルーンカテーテルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえばIABP(大動脈内バルーンポ
ンピング)の治療に際しては、バルーンカテーテルが用
いられ、カテーテル管の遠位端に設けられたバルーン膜
が拡張および収縮を交互に繰り返すことにより心臓の脈
動の補助を行う。また、PTCA(経皮的冠動脈形成
術)の治療に際しては、IABP用バルーンカテーテル
とは異なる材質および寸法形状のバルーンカテーテルが
用いられ、血管などの体腔内に挿入してバルーン膜を拡
張させることにより、体腔内流路を拡張する。IABP
用バルーンカテーテルでは、PTCA用バルーンカテー
テルに比較して、バルーン膜を多数回にわたり拡張およ
び収縮させる必要があり、バルーン膜の拡張および収縮
の応答性が早いことと、長期間バルーン膜が破損しない
こととが要求される。
【0003】これらのいずれのタイプのバルーンカテー
テルにおいても、バルーンカテーテルを、血管などの体
腔内に挿入する際には、挿入時の容易性および患者の負
担などを考慮して、バルーン膜は折り畳まれた状態で体
腔内に挿入される。たとえばIABP用バルーンカテー
テルでは、図6(A)に示すように、バルーンカテーテ
ルの内管10にバルーン膜22aを収縮させて巻き付け
た状態で、血管に挿入する。バルーンカテーテルのバル
ーン膜が血管内の所定位置に到達した場合には、心臓の
拍動に合わせてバルーン膜22a内にHeなどの流体を
導入および導出して、図6(B)から(D)または
(D)から(B)に示すバルーン膜の拡張および収縮を
繰り返す。
【0004】また、PTCA用バルーンカテーテルで
は、図7(A)に示すように、バルーンカテーテルの内
管10にバルーン膜22bを収縮させて巻き付けた状態
で、血管に挿入する。バルーンカテーテルのバルーン膜
が血管内の所定位置に到達した場合には、バルーン膜2
2a内に生理食塩水などの流体を導入して、図7(B)
に示すように、バルーン膜22bを拡張し、血管内壁の
狭窄部を拡張する。血管内壁の狭窄部を拡張した後に
は、図7(C)に示すように、バルーン膜内の流体を抜
いてバルーン膜22bを収縮させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のIA
BP用バルーンカテーテルでは、図6(A)に示すよう
に、挿入時にバルーン膜22aを収縮させて巻き付ける
ために、血管内でバルーン膜22aを拡張状態から収縮
状態にする際に、図6(D)に示すように、バルーン膜
22aは、挿入時の巻き付け状態にスイングして戻ろう
とする。ただし、完全に元に戻るわけではない。また、
図6(D)に示す状態から同図(C)を経て同図(B)
に示す拡張状態に移行する際には、バルーン膜22a
は、当初の巻き付け状態に近い状態からスイングして拡
張状態に移行する。
【0006】このように、バルーン膜の拡張および収縮
の繰り返し時に、IABP用バルーン膜では、バルーン
膜がスイング運動を行い、この無駄な動きのために、バ
ルーン膜の拡張および収縮の応答速度が遅くなると言う
課題を有する。また、この無駄な動きのために、バルー
ン膜が血管などの体腔壁と擦れ、バルーン膜の破損時期
を早めるおそれがある。
【0007】また、PTCA用バルーンカテーテルで
は、バルーン膜を多数回にわたり拡張および収縮を繰り
返すことはないので、IABP用バルーンカテーテルが
有する課題は有さないが、次に示す課題を有する。すな
わち、図7(C)に示すように、バルーン膜をいったん
拡張した後で収縮させた場合には、バルーン膜は、当初
の挿入時の巻き付け状態に戻ろうとはするが、完全に戻
ることはできない。このため、一度使用したバルーンカ
テーテルを、別の狭窄部に通してPTCA治療を行うこ
とはできない。その対策としては、一度狭窄部の拡張に
用いたバルーンカテーテルを取り出し、別のPTCA用
バルーンカテーテルを再度血管内に入れ直していた。こ
の作業が煩雑であると共に、新たなバルーンカテーテル
を必要とするので、医療コストが増大すると言う課題も
有する。
【0008】なお、特開平7−112,029号公報に
示すように、架橋樹脂で構成されたバルーン膜を有する
バルーンカテーテルは知られている。しかしながら、従
来例に係るバルーンカテーテルでは、バルーン膜を構成
する樹脂の架橋は、バルーン膜の拡張状態で行われてい
た。このため、この公報に記載してあるバルーンカテー
テルでも、上述した従来技術が有する課題を解決するこ
とはできなかった。
【0009】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、バルーン膜の拡張および収縮を繰り返し行うタイプ
のバルーンカテーテルでは、膨張および収縮の応答性に
優れ、耐久性に優れたバルーンカテーテルおよびその製
造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
一つの治療部でバルーン膜を短時間に繰反して拡張収縮
させないタイプのバルーンカテーテルにおいて、バルー
ン膜の収縮時に、バルーンカテーテル挿入時にきわめて
近い状態に戻ることが可能なバルーンカテーテルおよび
その製造方法を提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るバルーンカテーテルは、カテーテル管
近位端からカテーテル管のルーメンを通して、カテーテ
ル管の遠位端部にあるバルーン膜内に流体を送り込み、
該バルーン膜を拡張でき、かつバルーン膜から流体を抜
いて該バルーン膜を収縮できるバルーンカテーテルであ
って、前記バルーン膜が、収縮状態の形状で架橋された
樹脂で構成してあることを特徴とする。
【0011】本発明に係るバルーンカテーテルの製造方
法は、拡張状態の形状に樹脂を成形してバルーン膜を得
る工程と、次いで、このバルーン膜を収縮状態の形状に
折り畳み、該バルーン膜を構成する樹脂を架橋する工程
とを有する。本発明において、バルーン膜の近位端がカ
テーテル管の遠位端に接合してあり、バルーン膜の遠位
端が、バルーン膜およびカテーテル管の内部を軸方向に
延在する内管の遠位端に接合してあることが好ましい。
【0012】本発明において、バルーンカテーテルがI
ABP治療に用いられる場合のように、バルーン膜が多
数回にわたり拡張・収縮を繰り返す場合には、バルーン
膜の拡張・収縮時にバルーン膜のスイングが生じない収
縮形状で、バルーン膜を構成する樹脂の架橋を行うこと
が好ましい。具体的には、バルーン膜を単純偏平形状に
収縮させて、架橋を行うことが好ましい。
【0013】本発明において、バルーンカテーテルがP
TCA治療に用いられる場合のように、一つの治療部位
に対してバルーン膜が数回以下の膨張・収縮を行う場合
には、バルーンカテーテルの挿入時と同等なバルーン膜
の収縮時の形状で、バルーン膜を構成する樹脂の架橋を
行うことが好ましい。具体的には、バルーン膜を収縮し
て巻回した状態で架橋を行うことが好ましい。
【0014】本発明において、樹脂の架橋を行うための
方法は、特に限定されず、バルーン膜が収縮状態で電子
線あるいはγ線などのエネルギービームを照射する方
法、架橋剤(過酸化物、加硫酸化合物、硫黄、金属な
ど)を樹脂に分散させて拡張状態のバルーン膜を形成
し、収縮状態で加熱して架橋する方法、成形した樹脂表
面から架橋剤を含浸させ加熱して架橋する方法、水分と
接触させて架橋させる方法などを例示することができ
る。架橋工程は、バルーン膜をカテーテル管および/ま
たは内管に取り付けた後に行っても良いが、それらの前
に行っても良い。
【0015】本発明において、バルーン膜の収縮状態で
架橋する際に、バルーン膜を構成する樹脂膜相互が接着
しないようにするために、拡張状態に成形後の樹脂膜の
表面に潤滑剤などを被覆してから架橋することが好まし
い。潤滑剤としては、たとえばシリコーンオイル、グリ
セリン、多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸
などが用いられる。
【0016】
【作用】本発明に係る製造方法で得られたバルーンカテ
ーテルを、IABP治療のように、バルーン膜の拡張・
収縮を多数回繰り返す用途に用いる場合には、バルーン
膜の拡張・収縮時にバルーン膜のスイングが生じない収
縮形状で、バルーン膜を構成する樹脂の架橋を行う。具
体的には、バルーン膜を単純偏平形状に収縮させて、架
橋を行う。バルーン膜は、この架橋時の形状を記憶する
ことになる。
【0017】このため、バルーン膜を収縮して巻回させ
た状態でバルーンカテーテルを体腔内に挿入したとして
も、バルーン膜の拡張・収縮の繰り返し時において、バ
ルーン膜の収縮時には、バルーン膜は、巻回時ではなく
架橋時の形状に近い状態に収縮し、その結果、バルーン
膜のスイング動作を低減できる。したがって、バルーン
膜の拡張・収縮時におけるバルーン膜の無駄な動きがな
くなり、拡張・収縮の応答性が向上すると共に、バルー
ン膜が体腔内壁で擦れることが少なくなり、バルーン膜
の耐久性が向上する。なお、収縮状態で架橋した後又は
前に、拡張状態の形状で架橋すると、さらに応答性が高
くなる。
【0018】本発明に係る製造方法で得られたバルーン
カテーテルを、PTCA治療のように、一つの治療部位
に対してバルーン膜が数回以下の膨張・収縮を行う用途
に用いる場合には、バルーンカテーテルの挿入時と同等
なバルーン膜の収縮時の形状で、バルーン膜を構成する
樹脂の架橋を行うことが好ましい。具体的には、バルー
ン膜を収縮して巻回した状態で架橋を行うことが好まし
い。バルーン膜は、この架橋時の形状を記憶することに
なる。
【0019】このため、バルーン膜を収縮して巻回させ
た状態でバルーンカテーテルを体腔内に挿入し、一つの
治療部位(たとえば狭窄部)でバルーン膜の拡張を行
い、血管の拡張治療を終了し、バルーン膜を収縮させた
場合に、バルーン膜は、挿入時である巻回時の形状にき
わめて近い状態に収縮する。その結果、同じバルーンカ
テーテルを用いて、そのバルーンカテーテルのバルーン
膜を次の治療部である狭窄部に押し進め、その狭窄部に
容易に挿入することができる。したがって、同一のバル
ーンカテーテルを用いて、数カ所の治療部位で、血管拡
張などの複数の治療を行うことができ、治療中にバルー
ンカテーテルを交換するなどの作業を必要としなくな
る。このため、治療作業の容易化、医療コストの低減を
図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るバルーンカテ
ーテルを、図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明す
る。図1は本発明の一実施形態に係るバルーンカテーテ
ルの要部概略断面図、図2は同実施形態のバルーンカテ
ーテルの一使用例を示す概略図である。
【0021】第1実施形態 図1に示す実施形態に係るバルーンカテーテル2は、た
とえばIABP治療に用いられるものであり、心臓の拍
動に合わせて拡張および収縮するバルーン4を有する。
バルーン4は、膜厚約50〜150μm程度の筒状のバ
ルーン膜22で構成される。本実施形態では、図3
(B)に示すように、拡張状態のバルーン膜22の形状
は円筒形状であるが、本発明では、これに限定されず、
多角筒形状であっても良い。
【0022】IABP用バルーン膜22は耐屈曲疲労特
性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウレ
タン、シリコーン、軟質ポリエチレン、軟質ポリアミ
ド、軟質ポリエステルなどの材料で形成され、特にポリ
ウレタンで形成されたものが血栓の発生抑止能が高く、
耐摩耗性も高いので好適である。バルーン膜22の外径
および長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバル
ーン膜22の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決
定される。バルーン膜22は、通常、その内容積が20
〜50ccであり、外径が拡張時10〜25mmであ
り、長さが150〜300mmである。本実施形態に係
るバルーン膜の製造方法については後述する。
【0023】このバルーン膜22の遠位端には先細と成
る遠位端側テーパ部24が形成され、その最遠位端が短
チューブを介してまたは直接に内管10の遠位端外周に
熱融着または接着などの手段で取り付けてある。バルー
ン膜22の近位端には、先細と成る近位端側テーパ部2
6が形成され、その最近位端が、金属チューブ製の造影
マーカーを介してまたは直接に、カテーテル管6の遠位
端に接合してある。このカテーテル管6の内部に形成さ
れた第1ルーメン14を通じて、バルーン膜22内に、
圧力流体が導入または導出され、バルーン膜22が拡張
または収縮するようになっている。バルーン膜22とカ
テーテル管6との接合は熱融着あるいは紫外線硬化樹脂
などの接着剤による接着により行われる。
【0024】内管10の遠位端はカテーテル管6の遠位
端より遠方へ突き出ている。内管10はバルーン膜22
およびカテーテル管6の内部を軸方向に挿通されてい
る。内管10の近位端は後述する分岐部8の第2ポート
18に連通するようになっている。内管10の内部に
は、バルーン膜22の内部およびカテーテル管6内に形
成された第1ルーメン14とは連通しない第2ルーメン
12が形成してある。内管10は、後述するように、遠
位端の開口端20で取り入れた血圧を分岐部8の第2ポ
ート18へ送り、そこから血圧変動の測定を行うように
なっている。
【0025】バルーンカテーテル2を動脈内に挿入する
際に、バルーン膜22内に位置する内管10の第2ルー
メンはバルーン膜22を都合良く動脈内に差し込むため
のガイドワイヤー挿通管腔としても用いられる。バルー
ンカテーテルを血管などの体腔内に差し込む際には、図
3(A)に示すように、バルーン膜22は内管10の外
周に折り畳んで巻回される。図1に示す内管10は、た
とえばカテーテル管6と同様な材質で構成されて良く、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリア
ミド、ポリイミド等の合成樹脂チューブ、あるいは金属
スプリング補強チューブ、ステンレス細管等で構成され
る。なお補強材として、ステンレス線、ニッケル・チタ
ン合金線などが用いられることもある。内管10の内径
は、ガイドワイヤを挿通できる径であれば特に限定され
ず、たとえば0.15〜1.5mm、好ましくは0.5〜
1mmである。この内管10の肉厚は、0.1〜0.4mm
が好ましい。内管10の全長は、血管内に挿入されるバ
ルーンカテーテル2の軸方向長さなどに応じて決定さ
れ、特に限定されないが、たとえば500〜1200m
m、好ましくは700〜1000mm程度である。
【0026】カテーテル管6は、ある程度の可撓性を有
する材質で構成されることが好ましく、たとえばポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミド
エラストマー、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使用で
き、好ましくは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリア
ミド、ポリイミドで構成される。カテーテル管6の外径
は、軸方向に均一でも良いが、バルーン膜22側近傍で
小さく、その他の部分(近位端側)で大きくなるよう
に、途中に段差部またはテーパ部を形成しても良い。第
1ルーメン14の流路断面を大きくすることにより、バ
ルーン膜22を拡張及び収縮させる応答性を良好にする
ことができる。カテーテル管6の内径は、好ましくは
1.5〜4.0mmであり、カテーテル管6の肉厚は、好
ましくは0.05〜0.4mmである。カテーテル管6の
長さは、好ましくは300〜800mm程度である。
【0027】カテーテル管6の近位端には患者の体外に
設置される分岐部8が連結してある。分岐部8はカテー
テル管6と別体に成形され、熱融着あるいは接着などの
手段で固着される。分岐部8にはカテーテル管6内の第
1ルーメン14およびバルーン膜22内に圧力流体を導
入または導出するための第1ポート16と、内管10の
第2ルーメン12内に連通する第2ポート18とが形成
してある。分岐部8は、たとえばポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリサルホン、ポリアクリレート、メタクリ
レート−ブチレン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹
脂で形成される。
【0028】第1ポート16はたとえば図2に示すポン
プ装置28に接続され、このポンプ装置28により流体
圧がバルーン膜22内に導入または導出されるようにな
っている。導入される流体は特に限定されないが、ポン
プ装置28の駆動に応じて素早くバルーン膜22が拡張
または収縮するように、粘性及び質量の小さいヘリウム
ガスなどが用いられる。また、ポンプ装置28としては
例えば特公平2−39265号公報に示すような装置が
用いられる。
【0029】第2ポート18は図2に示す血圧変動測定
装置29に接続され、バルーン膜22の遠位端の開口端
20から取り入れた動脈内の血圧の変動を測定可能にな
っている。この血圧測定装置29で測定した血圧の変動
に基づき、図2に示す心臓1の拍動に応じてポンプ装置
28を制御し、0.4〜1秒の短周期でバルーン膜22
を拡張および収縮させるようになっている。
【0030】本実施形態では、バルーン膜22を、以下
に示す方法により製造する。まず、図1および図3
(B)に示すように、バルーン膜22が拡張された状態
の形状で、未架橋の筒状樹脂膜を成形する。この筒状の
樹脂膜を形成するための方法としては、特に限定されな
いが、拡張状態のバルーン膜を成形するための型を成形
溶液中に浸し、型の外周面に樹脂膜を形成し、これを乾
燥して脱型する方法(ディピッング成形法)を例示する
ことができる。また、パリソンをブロー成形することに
より、拡張状態のバルーン膜に相当する未架橋の樹脂膜
を形成する方法(ブロー成形法)もある。
【0031】次に、バルーン膜22を構成する筒状樹脂
膜を、図1に示すように、カテーテル管6および内管1
0に接合した後、またはその前に、図3(D)に示すよ
うに、収縮して偏平形状にし、その状態で樹脂膜の架橋
を行う。樹脂の架橋を行うための方法は、特に限定され
ず、電子線あるいはγ線などのエネルギービームを照射
する方法、架橋剤(過酸化物、加硫酸化合物、硫黄、金
属など)を樹脂に分散させて拡張状態の樹脂膜を形成
し、収縮状態で加熱して架橋する方法、成形した樹脂表
面から架橋剤を含浸させ加熱して架橋する方法、水分と
接触させて架橋させる方法などを例示することができ
る。
【0032】樹脂膜として、ポリウレタン膜を用いる場
合には、架橋方法としては、架橋剤を用いた方法を好適
に用いることができ、その際の架橋剤としては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
トなどを用いることができる。架橋させる際の加熱温度
としては、90〜120°Cが好ましく、架橋時間は6
0〜120分が好ましい。また、架橋方法として、電子
線を用いる場合には、その照射エネルギーが100〜8
00Doseであり、照射時間が0.1〜3分であるこ
とが好ましい。
【0033】バルーン膜22を構成する樹脂膜の収縮状
態で架橋する際に、バルーン膜を構成する樹脂膜相互が
接着しないようにするために、拡張状態に成形後の樹脂
膜の表面に潤滑剤などを被覆してから架橋することが好
ましい。潤滑剤としては、たとえばシリコーンオイルな
どが用いられる。なお、収縮状態で架橋する前又は後
に、拡張状態の形状で架橋をすると応答性がさらによく
なる。
【0034】本実施形態に係るバルーンカテーテル2を
用いて、IABP治療を行うには、まずバルーン膜22
の内部の空気を抜いておき、バルーン膜22を図3
(A)に示すように、収縮させて内管10の回りに巻回
する。次に、この巻回されて外径が小さくなったバルー
ン4側から、ガイドワイヤなどを用いて、図2に示すよ
うに患者の血管に挿入する。バルーン4が心臓1の近く
の血管内に位置した状態で、心臓1の拍動に合わせてバ
ルーン4の拡張・収縮を行う。
【0035】バルーン4を構成するバルーン膜22の内
部にヘリウムガスなどの流体を送り込んでバルーン膜2
2を拡張した状態を図3(B)に示す。また、バルーン
膜22の内部から流体を排出してバルーン膜22を収縮
される途中を図3(C)に示し、完全収縮時の状態を図
3(D)に示す。
【0036】本実施形態に係るバルーンカテーテル2の
バルーン膜22は、図3(D)に示す収縮状態で架橋さ
れているため、この架橋時の形状に戻り易いという性質
を有している。このため、バルーン膜22を収縮して巻
回させた状態でバルーンカテーテル2を血管内に挿入し
たとしても、バルーン膜22の拡張・収縮の繰り返し時
において、バルーン膜22の収縮時には、バルーン膜2
2は、図3(D)に示すように、巻回時ではなく架橋時
の形状に近い状態に収縮し、その結果、バルーン膜のス
イング動作を低減できる。したがって、バルーン膜22
の拡張・収縮時におけるバルーン膜22の無駄な動きが
なくなり、拡張・収縮の応答性が向上すると共に、バル
ーン膜22が血管内壁で擦れることが少なくなり、バル
ーン膜22の耐久性が向上する。なお、バルーン膜22
は、柔軟性に富んだ材質で構成してあるため、血管の内
壁を傷つけることはない。
【0037】第2実施形態 本実施形態のバルーンカテーテルは、たとえば経皮的冠
動脈形成術(PTCA)、四肢等の血管の拡張術、上部
尿管の拡張術、腎血管拡張術などの方法に用いられ、血
管あるいはその他の体腔に形成された狭窄部を拡張する
ために用いられるバルーンカテーテルである。このバル
ーンカテーテルの全体構成は、図1に示すものと同様で
あるが、以下に示す部分が多少相違する。以下の説明で
は、前述した実施形態と異なる部分のみについて説明
し、その他の部分は同一なので、その説明は一部省略す
る。
【0038】本実施形態では、カテーテル管6の外径
は、軸方向均一に0.6〜1.2mmでも良いが、バルー
ン膜22との接続部近傍では、0.6〜1.0mm程度と
し、分岐部8側では、0.8〜1.2mm程度とし、外径
を軸方向で断続的あるいは連続的に変化させても良い。
なお、カテーテル管6の肉厚は、軸方向均一に0.05
〜0.15mm程度が好ましい。
【0039】本実施形態において、バルーン膜22を構
成する材質は、ある程度の可撓性を有する材質であるこ
とが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマ
ー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリコーン
ゴム、天然ゴムなどが使用でき、好ましくは、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドであ
る。
【0040】バルーン膜22は、両端部にテーパ部2
4,26を持つ筒状の薄膜で構成され、その膜厚は、特
に限定されないが、50〜500μm、好ましくは70
〜200μm程度である。拡張時のバルーン膜22の外
径は血管の内径などの因子によって決定され、1.5〜
4.0mm程度が好ましい。このバルーン膜22の軸方向
長さは血管内狭窄部の大きさなどの因子によって決定さ
れ、通常、15〜50mm、好ましくは20〜40mmであ
る。拡張する前のバルーン膜22は、内管10の周囲に
折り畳まれて巻き付けられ、カテーテル管6の外径と同
等以下になっている。
【0041】バルーン膜22内に位置する内管10の周
囲には、一箇所または複数箇所に放射線不透過性マーカ
ーを装着することもできる。このマーカーとしては、た
とえば金、白金、タングステン、イリジウムあるいはこ
れらの合金などで構成される金属チューブ、金属スプリ
ングなどを用いることができる。このマーカーをバルー
ン膜内の内管10の周囲に付けることにより、バルーン
カテーテル2の使用時のX線透視下で、バルーン4の位
置やバルーンの拡張部分の長さを検出することができ
る。
【0042】分岐部8の第1ポート16は、本実施形態
では、拡張ポートとなり、拡張ポートを通して第1ルー
メン14内に圧力流体が導入される。導入される圧力流
体としては、特に限定されないが、たとえば放射線不透
過性色素と塩類との50/50混合水溶液などが用いら
れる。放射線不透過性色素を含ませるのは、バルーンカ
テーテル2の使用時に、放射線を用いてバルーン4およ
びカテーテル管6の位置を造影するためである。バルー
ン4を膨らますための圧力流体の圧力は、特に限定され
ないが、絶対圧で5〜20気圧、好ましくは、6〜15
気圧程度である。
【0043】分岐部8の第2ポート18は、PTCA用
では、ガイドワイヤを挿通するためのガイドポート18
となる。本実施形態においても、前記第1実施形態と同
様に、バルーン膜22は、収縮状態で架橋して形成して
ある。ただし、本実施形態では、バルーン膜22を構成
する拡張状態の筒状樹脂膜を形成した後、バルーンカテ
ーテルの挿入時と同等なバルーン膜の収縮時の形状で、
バルーン膜を構成する樹脂膜の架橋を行う。具体的に
は、図5(A)に示すように、バルーン膜22を内管1
0に収縮して巻回した状態で架橋を行う。架橋方法は、
前記第1実施形態と同様である。
【0044】なお、バルーン膜22を内管10に取り付
ける前に、バルーン膜22を構成する樹脂膜の架橋を行
う場合には、内管10に相当する治具に樹脂膜を図5
(A)に示すように巻き付けて架橋を行う。次に、図1
に示す実施例のバルーンカテーテル2を体腔拡張用バル
ーンカテーテルとして用いて、PTCA治療を行う方法
について説明する。
【0045】まず、バルーンカテーテル2内の空気をで
きる限り除去する。そこで、分岐部8の第2ポート18
から内管10内の第2ルーメン12に生理食塩水などの
液体を入れ、第2ルーメン12内の空気を置換する。ま
た、分岐部8の第1ポート16にはシリンジなどの吸引
・注入手段を取り付け、シリンジ内に血液造影剤(たと
えばヨウ素含有)などの液体を入れ、吸引および注入を
繰り返し、第1ルーメン14およびバルーン膜22内の
空気を液体と置換する。
【0046】バルーンカテーテル2を動脈血管内に挿入
するには、まず、セルジンガー法などにより、血管内に
ガイドカテーテル用ガイドワイヤ(図示せず)をその先
端がたとえば心臓の近くまで届くように挿入する。その
後、ガイドカテーテル用ガイドワイヤに沿ってガイドカ
テーテルを動脈血管内に挿入し、その先端を狭窄部を有
する心臓の冠動脈入口に位置させる。なお、狭窄部は、
たとえば血栓または動脈硬化などにより形成される。血
管への挿入時には、図5(A)に示すように、バルーン
膜22は、収縮されて内管10の回りに巻回してある。
【0047】次に、ガイドカテーテル用ガイドワイヤの
みを抜き取り、それよりも細いバルーンカテーテル用ガ
イドワイヤをガイドカテーテルに沿って挿入し、その先
端を狭窄部を通過する位置まで差し込む。その後、ガイ
ドワイヤの端を図1に示すバルーンカテーテル2の開口
端20に差し込み、内管10の第2ルーメン12内に通
し、バルーン膜22が折り畳まれた状態で、バルーンカ
テーテル2をガイドカテーテル内に通す。そして、バル
ーンカテーテル2のバルーン膜22を、図4に示すよう
に、狭窄部36の手前まで差し込む。あるいはガイドカ
テーテルからガイドカテーテル用ガイドワイヤを抜きと
った後、分岐部8の第2ポート18より内管10の第2
ルーメン12内にガイドワイヤを挿通したバルーンカテ
ーテルをガイドカテーテルの近位端部より挿入して、バ
ルーン膜22を冠動脈内に導き、ガイドワイヤ42の先
端を狭窄部36を通過する位置まで差し込んでもよい。
【0048】その後、図4(A)に示すように、バルー
ンカテーテル2の最先端に形成されたバルーン膜22の
遠位端をガイドワイヤ42に沿って、狭窄部36間に差
し込む。次に、図4(B),(C)に示すように、バル
ーン膜22の位置をX線透視装置などで観察しながら、
狭窄部36の中央部にバルーン膜22を正確に位置させ
る。その位置でバルーン膜22を膨らますことにより血
管34の狭窄部36を広げ、良好な治療を行うことがで
きる。なお、バルーン膜22を膨らますには、図1に示
す第1ポート16から第1ルーメン14を通して、バル
ーン膜22に造影剤などの液体を注入することにより行
う。バルーン膜22が最大限に拡張した状態を図5
(B)に示す。
【0049】この拡張時間は、特に限定されないが、た
とえば約1分間程度である。その後、迅速にバルーン膜
22から液体を抜いてバルーン膜を収縮させ、拡張され
た狭窄部36の末梢側の血流を確保する。バルーン膜2
2の拡張は、通常は、同一狭窄部36に対して一回であ
るが、狭窄部36の条件によっては複数回でも良い。
【0050】本実施形態では、バルーンカテーテルの挿
入時と同等なバルーン膜の収縮時の形状で、バルーン膜
を構成する樹脂膜の架橋を行う。このため、一つの狭窄
部36でバルーン膜22の拡張を行い、血管の拡張治療
を終了し、バルーン膜22を収縮させた場合に、バルー
ン膜22は、図5(A)に示すように、挿入時である巻
回時の形状にきわめて近い状態に収縮する。その結果、
同じバルーンカテーテル2を用いて、そのバルーンカテ
ーテルのバルーン膜22を次の治療部である狭窄部に押
し進め、その狭窄部に容易に挿入することができる。し
たがって、同一のバルーンカテーテル2を用いて、数カ
所の治療部位で、血管拡張などの複数の治療を行うこと
ができ、治療中にバルーンカテーテルを交換するなどの
作業を必要としなくなる。このため、治療作業の容易
化、医療コストの低減を図ることができる。
【0051】
【実施例】次に、本発明を、さらに具体的な実施例につ
いて説明する。実施例1 図1に示すようなIABP用バルーンカテーテル2を準
備した。バルーン膜22を構成する薄膜としては、膜厚
が0.1mmのポリウレタン膜を用い、拡張時バルーン
部の外径が15mmであり、バルーン部の内容積が30
ccであり、その軸方向長さが230mmであった。こ
のバルーン膜22は、カテーテル管6および内管10に
接合した後で、図3(D)に示す偏平収縮状態で、電子
線を照射して架橋させた。電子線の照射条件は、300
Dose、1分であった。
【0052】内管10としては、外径が1.5mmであ
り、肉厚が0.3mmであるポリアミド製細管を用い
た。内管10の全長は、830mmであった。また、カテ
ーテル管6としては、長さ550mmのポリウレタン製の
チューブを用い、その外径は3.0mm、肉厚が0.25
mmであった。
【0053】分岐部としては、図1に示す分岐部8を用
いた。このバルーンカテーテルを、内径20mm、長さ3
50mmであり、内面をセメントで被ったアクリル製疑似
血管内に通し、疑似血管内で毎分80のサイクルで拡張
および収縮を14日間繰り返し行い、バルーン膜の状況
(耐久性)を観察した。
【0054】結果を表1に示す。また、バルーン膜の拡
張・収縮の応答性を調べるために、拡張・収縮の限界サ
イクル(応答性)を求めた。なお、限界応答性は次のよ
うにして求めた。すなわち、30ccの容積のバルーン
カテーテルを、図8に示すように、60mmHg(ゲー
ジ圧)の密封容器中の水の中に入れ、バルーンの拡張、
収縮を繰り返し、水位のminとmaxとの差hが2
9.5cc未満となるときのビートサイクル数を限界応
答性とした。
【0055】
【表1】
【0056】比較例1 バルーン膜22を構成する樹脂膜を架橋させない以外
は、前記実施例1と同様にしてバルーンカテーテルを作
成し、実施例1と同様な条件でバルーン膜の耐久性及び
応答性を調べた。結果を表1に示す。
【0057】実施例2 実施例1において収縮状態での架橋した後さらに、拡張
状態で架橋した他は実施例1と同様にバルーンカテーテ
ルを得、その限界応答性等を調べた。結果を表1に示
す。
【0058】評価1 前記表1に示すように、実施例1および2に係るバルー
ンカテーテルは、比較例1に比較して、膨張・収縮の応
答性および耐久性が大幅に向上することが確認された。
【0059】実施例3 図1に示すようなPTCA用バルーンカテーテル2を準
備した。バルーン膜22を構成する薄膜としては、膜厚
が0.05mmのポリエチレン膜を用い、拡張時バルー
ン部の外径が3mmであり、外径3mm部分の軸方向長
さが20mmであった。このバルーン膜22は、カテー
テル管6および内管10に接合した後で、図5(A)に
示す収縮巻き付け状態で、電子線を照射して架橋させ
た。電子線の照射条件は、300Dose、1分であっ
た。
【0060】内管10としては、外径が0.6mmであ
り、肉厚が0.1mmであるポリアミド製細管を用い
た。内管10の全長は、1400mmであった。また、
カテーテル管6としては、長さ1370mmのポリエチ
レン製のチューブを用い、その外径は1mm、肉厚が
0.1mmであった。
【0061】分岐部としては、図1に示す分岐部8を用
いた。このバルーンカテーテルのバルーン膜22を図5
(A)に示すように収縮させて内管10に巻き付けた。
巻き付け後のバルーン膜22の外径は0.85mmであ
った。バルーン膜を8気圧で30秒間拡張し、収縮する
ことを3回繰り返した。最終的に収縮後のバルーン膜2
2の最大外径を調べたところ、0.89mmであり、当
初巻き付け時の外径に極めて近いことが確認された。
【0062】比較例2 バルーン膜22を構成する樹脂膜を架橋させない以外
は、前記実施例2と同様にしてバルーンカテーテルを作
成し、実施例3と同様な条件で収縮後のバルーン膜22
の最大外径を調べたところ、1.1mmであり、当初巻
き付け時の外径に比較して大幅に大きくなり、そのまま
では、次の狭窄部の治療に用いることができないことが
確認された。
【0063】なお、本発明は、上述した実施形態および
実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種
々に改変することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、IABP治療のように、バルーン膜の拡張・収縮を
多数回繰り返す用途に用いる場合には、バルーン膜の拡
張・収縮時におけるバルーン膜の無駄な動きがなくな
り、拡張・収縮の応答性が向上すると共に、バルーン膜
が体腔内壁で擦れることが少なくなり、バルーン膜の耐
久性が向上する。
【0065】また、本発明によれば、PTCA治療のよ
うに、一つの治療部位に対してバルーン膜が数回以下の
膨張・収縮を行う用途に用いる場合には、同じバルーン
カテーテルを用いて、そのバルーンカテーテルのバルー
ン膜を次の治療部である狭窄部に押し進め、その狭窄部
に容易に挿入することができる。したがって、同一のバ
ルーンカテーテルを用いて、数カ所の治療部位で、血管
拡張などの複数の治療を行うことができ、治療中にバル
ーンカテーテルを交換するなどの作業を必要としなくな
る。このため、治療作業の容易化、医療コストの低減を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るバルーンカテ
ーテルの概略断面図である。
【図2】図2は図1に示すバルーンカテーテルの使用方
法の一例を示す概略断面図である。
【図3】図3(A)〜(D)はバルーン膜の挿入時から
膨張・収縮状態に至る状態を示す横断面図である。
【図4】図4(A)〜(C)は図1に示すバルーンカテ
ーテルの他の使用例を示す概略断面図である。
【図5】図5(A),(B)はバルーン膜の挿入時から
膨張・収縮状態に至る状態を示す横断面図である。
【図6】図6(A)〜(D)は従来例に係るバルーン膜
の挿入時から膨張・収縮状態に至る状態を示す横断面図
である。
【図7】図7(A)〜(C)は従来例に係るバルーン膜
の挿入時から膨張・収縮状態に至る状態を示す横断面図
である。
【図8】図8はバルーンカテーテルの応答性を調べるた
めの装置の概略図である。
【符号の説明】
2… バルーンカテーテル 4… バルーン 6… カテーテル管 8… 分岐部 10… 内管 12… 第2ルーメン 14… 第1ルーメン 22… バルーン膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテル管近位端からカテーテル管の
    ルーメンを通して、カテーテル管の遠位端部にあるバル
    ーン膜内に流体を送り込み、該バルーン膜を拡張でき、
    かつバルーン膜から流体を抜いて該バルーン膜を収縮で
    きるバルーンカテーテルであって、 前記バルーン膜が、収縮状態の形状で架橋された樹脂で
    構成してあるバルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 拡張状態の形状に樹脂を成形してバルー
    ン膜を得る工程と、 次いで、このバルーン膜を収縮状態の形状に折り畳み、
    該バルーン膜を構成する樹脂を架橋する工程とを有する
    バルーンカテーテルの製造方法。
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