JPH09122211A - 容器蓋の殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

容器蓋の殺菌方法及び殺菌装置

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JPH09122211A
JPH09122211A JP7250229A JP25022995A JPH09122211A JP H09122211 A JPH09122211 A JP H09122211A JP 7250229 A JP7250229 A JP 7250229A JP 25022995 A JP25022995 A JP 25022995A JP H09122211 A JPH09122211 A JP H09122211A
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container lid
heating
sterilization
temperature
container
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JP7250229A
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Inventor
Tomoyuki Fujii
友幸 藤井
Takashi Shimizu
孝志 清水
Hideo Kurashima
秀夫 倉島
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパウンド等の封止材を劣化させることな
く、容器蓋全体を短時間で均一に高温に加熱することが
でき、効率よく殺菌を行なえるようにする。 【解決手段】 積み重ねた状態で搬送される容器蓋10
0を、所定の間隔をあけて配置した乾熱式の第一及び第
二加熱部20,30を通過させることによって断続的に
加熱し、容器蓋100の全体の温度を均一に殺菌温度ま
で上昇させて殺菌を行なう方法としてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器蓋の殺菌方法
及び殺菌装置に関し、特に、缶入り炭酸飲料及び缶ビー
ル等の容器蓋の殺菌に好適な容器蓋の殺菌方法及び殺菌
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食品,清涼飲料及びビール等を缶詰ある
いはびん詰にする場合、内容物を充填した容器を容器蓋
で密封する前に、容器蓋に付着した有害な微生物を殺菌
することにより不良品が発生することを未然に防止して
いる。
【0003】例えば、缶ビールを製造する場合は、ビー
ルに有害な酵母菌(S.cerevisiae)を殺菌して不良品の
発生を防止していた。殺菌方法として、従来は、複数の
容器蓋を隙間をあけて積み重ねた状態にし、この状態を
保持しつつエレベータスクリュ等によって搬送し、これ
ら容器蓋がシーマ(巻締機)に供給される前の段階で、
搬送路外側から前記容器蓋に紫外線を照射することによ
り、前記容器蓋に付着した酵母菌を殺菌していた。な
お、このような容器蓋の殺菌方法としては、例えば、特
公平3−16148号で提案されているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の紫外線を用いた容器蓋の殺菌方法では、各容器蓋の
隙間から紫外線を入光させて容器蓋全体を殺菌していた
ので、容器蓋の中央部に十分な紫外線を照射するために
は、照度の高い紫外線ランプによって強い紫外線を長時
間にわたって照射しなければならず、殺菌効率が悪いと
いう問題があった。このため、製造ラインのハイスピー
ド化を図ることができないという問題があり、また、強
い紫外線を長時間にわたって照射すると、コンパウンド
等の封止材の劣化,変質等のため、容器蓋から異臭が発
生してしまうという問題もあった。
【0005】このような問題点を解決するためには、殺
菌手段を紫外線照射以外の手段に変更する必要があり、
他の殺菌手段として加熱殺菌の応用が考えられる。さら
に、加熱殺菌する場合でも、湿熱による殺菌では容器蓋
のコンパウンド等の封止材が劣化してしまうので、乾熱
による殺菌が最も有効であるといえる。
【0006】ここで、上述した酵母菌は、ビールに有害
な微生物のなかで最も耐熱性を有するものであり、容器
蓋を約135℃の状態で55秒間加熱することにより、
90%死滅することが文献等で知られている。本発明者
が乾熱によって酵母菌の殺菌実験を行なってみたとこ
ろ、容器蓋を約160℃の状態で1.35秒間加熱する
ことにより、99.9%死滅するという優れた殺菌効果
が認められた。
【0007】したがって、搬送中の容器蓋を乾熱によっ
て、所定の殺菌温度(例えば、酵母菌に対する約160
℃)に均一に加熱することができれば、容器蓋の殺菌を
短時間で効率よく行なうことが可能となる。逆に、容器
蓋を所定の殺菌温度に均一に加熱できない場合は、容器
蓋に有害な細菌が残存し、不良品が発生してしまう。
【0008】ここで、積み重ねた状態の容器蓋全体を高
温に加熱するには、搬送路の外側に加熱源を配置して、
容器蓋をその外周から連続的に加熱することが考えられ
る。しかし、搬送中の容器蓋を外周から単に連続的に加
熱しただけでは、加熱源に近い容器蓋の周縁部側ばかり
が加熱されるのに対して、加熱源に遠い容器蓋の中央部
側があまり加熱されず、結局、容器蓋全体の温度を均一
に殺菌温度まで上昇させることができないという問題が
あった。また、容器蓋全体を殺菌温度まで上昇させよう
として加熱温度を高くすると、容器蓋全体が殺菌温度に
なる前に容器蓋の周縁部側が過度に加熱されてしまい、
コンパウンド等の封止材が劣化して異臭を放ってしまう
という問題があった。
【0009】なお、特開平4−367428号では、搬
送中の容器蓋を連続的に高周波加熱することによって殺
菌する構成の容器蓋の殺菌装置が提案されていた。しか
し、この殺菌装置も搬送中の容器蓋を単に連続的に高周
波加熱するものであるから、殺菌温度が高温の場合は封
止材が溶融してしまうという問題を生じ、、結局、容器
蓋を125℃程度にしか加熱することができず、酵母菌
の殺菌に応用しても、完全な殺菌は不可能であった。
【0010】本発明は、上記問題点にかんがみてなされ
たものであり、コンパウンド等の封止材を劣化させるこ
となく、短時間で容器蓋全体を均一に高温に加熱するこ
とができ、効率よく殺菌を行なうことができる容器蓋の
殺菌方法及び殺菌装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の容器蓋の殺菌方法は、容器蓋を、乾
熱式の加熱部によって断続的に加熱することにより、前
記容器蓋の全体を均一に所定の殺菌温度まで上昇させて
殺菌を行なう方法としてある。
【0012】このような方法によれば、まず、前記容器
蓋は前記加熱部によって加熱され、その周縁部側が高温
になるとともに中央部側が低温となる。次いで、加熱を
中断することにより、前記容器蓋の周縁部側の熱が中央
部側に熱伝導し、前記容器蓋全体の温度が均一に上昇す
る。このような断続的な加熱を繰り返すことにより、前
記容器蓋の周縁部側のみを過度に加熱することなく、ま
た、必要以上の高い温度で加熱することなく前記容器蓋
の全体を均一に所定の殺菌温度にすることができる。
【0013】請求項2記載の容器蓋の殺菌方法は、積み
重ねた状態で搬送される容器蓋を、所定の間隔をあけて
配置した複数の乾熱式の加熱部を通過させることによっ
て断続的に加熱し、前記容器蓋の全体を均一に所定の殺
菌温度まで上昇させて殺菌を行なう方法としてある。こ
のような構成によれば、多数の前記容器蓋を連続的に短
時間で殺菌することができる。
【0014】請求項3記載の容器蓋の殺菌方法は、前記
容器蓋の所定の殺菌温度を約140℃〜160℃とした
方法としてある。この方法は、特に、缶ビールの容器蓋
における酵母菌の殺菌を目的としたものであり、この範
囲の殺菌温度によって酵母菌を迅速かつ確実に殺菌する
ことができる。
【0015】請求項4記載の容器蓋の殺菌装置は、複数
の容器蓋を積み重ねた状態で搬送する搬送路と、この搬
送路の外側に所定の間隔をあけて設けられ、搬送されて
きた前記容器蓋を加熱する複数の乾熱式の加熱部とを備
えた構成としてある。このような構成によれば、上述し
た請求項1,2又は3記載の殺菌方法を実施することが
できる。
【0016】請求項5記載の容器蓋の殺菌装置は、前記
加熱部として高周波加熱手段を用いた構成としてある。
このような構成によれば、前記容器蓋を乾熱によって短
時間で加熱することができる。
【0017】請求項6記載の容器蓋の殺菌装置は、前記
加熱部として赤外線加熱手段を用いた構成としてある。
このような構成によれば、前記加熱部の構成を簡単にす
ることができるとともに、前記加熱部のローコスト化を
図ることができる。
【0018】請求項7記載の容器蓋の殺菌装置は、各加
熱部を通過した後の前記容器蓋の温度にもとづいて、各
加熱部の出力を調整する制御部を設けた構成としてあ
る。このような構成によれば、前記制御部が、各加熱部
を通過した後の前記容器蓋の温度を監視し、過度の加熱
あるいは加熱不足を検知した場合、所定の加熱部の出力
を調整する。これによって、前記容器蓋の温度を正確に
所定の殺菌温度まで上昇させることができるとともに、
容器蓋の周縁部側の過度加熱によるコンパウンドの劣化
を確実に防止することができる。
【0019】請求項8記載の容器蓋の殺菌装置は、各加
熱部の間隔を調整する調整手段を設けた構成としてあ
る。このような構成によれば、各加熱部の間隔を調整す
ることによって、前記容器蓋の加熱中断時間を調整する
ことができ、前記容器蓋の加熱中断時における温度を調
整することができる。
【0020】請求項9記載の容器蓋の殺菌装置は、各加
熱部を通過した前記容器蓋を、強制冷却する冷却手段を
前記搬送路に設けた構成としてあり、また、請求項10
記載の容器蓋の殺菌装置は、前記搬送路に設けた前記加
熱部の最後部に位置する加熱部の下流側に、前記容器蓋
の自然冷却部を形成した構成としてある。
【0021】このような構成によれば、各加熱部を通過
して高温となった前記容器蓋が、最終的に冷却されるの
で、前記容器蓋の巻締め工程において、前記容器蓋のコ
ンパウンドが熱によって過度に軟化するのを防止するこ
とができる。これにより、適度な長さのボディフックの
形成が容易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の容器蓋の殺菌方法
及び殺菌装置の実施形態について、図面を参照しつつ説
明する。まず、容器蓋の殺菌装置の実施形態について説
明する。図1は本発明の実施形態に係る容器蓋の殺菌装
置を示す断面図である。また、図2(a)は上記殺菌装
置のP−P断面図、図2(b)は上記殺菌装置のQ−Q
断面図である。なお、以下に述べる本実施形態の殺菌方
法及び殺菌装置は、本発明の一例としてビールの容器蓋
に付着した酵母菌を殺菌するものとしてある。
【0023】図1において、10は筒状のカバーガイド
(搬送路)であり、その内部に複数の容器蓋100を積
み重ねた状態で充填してある。このカバーガイド10の
上端は図示しないアンラッパーと接続しており、また、
下端は図示しないシーマと接続しており、容器蓋100
をアンラッパーからシーマへ搬送する。さらに、このカ
バーガイド10の三か所には、後述する第一加熱部2
0,第二加熱部30及び冷却部90を配置するための切
欠部10a,10b,10cが所定の間隔をあけて形成
してある。
【0024】前記第一加熱部20は、図1及び図2
(a)に示すように、リング状の高周波発振コイル21
を絶縁材22で包んだ構成としてあり、高周波誘導加熱
によって容器蓋100を加熱する。また、切欠部10a
の幅を、第一加熱部20の厚み方向の幅より広く形成し
てあり、この切欠部10aの幅の範囲で第一加熱部20
が上下動自在になっている。さらに、第一加熱部20の
カバーガイド10側には、幅広の切欠部10aを覆うシ
ャッタ23が取り付けてある。このシャッタ23によ
り、幅広の切欠部10aから容器蓋100が脱落するの
を防止することができ、また、第一加熱部20の可動性
を担保しつつ、密閉された加熱環境を形成することがで
きる。
【0025】前記第二加熱部30も第一加熱部20と同
様に、リング状の高周波発振コイル31を絶縁材32で
包んだ構成としてあり、高周波誘導加熱によって容器蓋
100を加熱する。
【0026】40は調整部であり、モータによってボー
ルねじを回転させることにより、第一加熱部20を上下
動させ、第一加熱部20と第二加熱部30の間隔を調整
する。この調整部40により、容器蓋100の加熱中断
時間を殺菌温度に応じて適宜変更することができ、第一
加熱部20を通過した容器蓋100を、所定の温度で第
二加熱部30に到達させることができる。
【0027】例えば、第一加熱部20における1st加
熱によって容器蓋100を120℃にし、第二加熱部3
0における2nd加熱によって容器蓋100を160℃
にする場合、調整部40によって第一加熱部20と第二
加熱部30の間隔を調整し、第一加熱部20を通過した
容器蓋100が均一に120℃となって第二加熱部30
に到達するようにする。
【0028】また、調整部40によって第一加熱部20
と第二加熱部30の間隔を調整することにより、容器蓋
100の最終的な殺菌温度を変更することもできる。
【0029】50は第一放射温度計であり、第一加熱部
20を通過した容器蓋100が放射する熱の温度を検出
する。また、60は第一制御部であり、第一放射温度計
50の検出結果にもとづいて第一高周波発振コイル31
の出力を調整し、第一加熱部20における容器蓋100
(特に、容器蓋100の周縁部)の過度の加熱を防止し
ている。
【0030】70は第二放射温度計であり、第二加熱部
30を通過した容器蓋100が放射する熱の温度を検出
する。また、80は第二制御部であり、第一制御部60
と同様に、第二放射温度計70の検出結果にもとづいて
第二高周波発振コイル31の出力を調整し、第二加熱部
30における容器蓋100の過度の加熱を防止してい
る。
【0031】前記冷却部90は、外部から吸引したエア
ーによって第二加熱部30を通過した容器蓋100を最
終的に約100℃以下に強制冷却する。吸引ポンプ91
に吸引された外部からのエアーは、フィルタ92によっ
て無菌化されてから冷却部90内に取り込まれ、カバー
ガイド10の切欠部10cに位置する容器蓋100の間
を通過する。この無菌エアーの通過によって容器蓋10
0を約100℃以下に冷却している。
【0032】また、図2(b)に示すように、容器蓋1
00の脱落を防止するため、切欠部10cの外側には三
本の支持柱10dが立設してある。切欠部10cを通過
する容器蓋100は、これら支持柱10dによりシーマ
へとガイドされる。
【0033】次に、本発明の容器蓋の殺菌方法の実施形
態について説明する。図3は本殺菌方法における容器蓋
の温度測定位置を示すものであり、同図(a)は裏面
図、同図(b)は側面断面図である。また、図4は、上
記容器蓋の温度分布を示すグラフである。
【0034】本実施形態の殺菌方法は、積み重ねた状態
で搬送される複数の容器蓋100を、第一加熱部20に
よって1st加熱した後、加熱を中断して容器蓋100
全体の温度を均一にし、次いで、容器蓋100を第二加
熱部30によって2nd加熱した後、加熱を中断して容
器蓋100全体を均一に殺菌温度=約160℃にする方
法としてある。
【0035】ここで、本方法における殺菌温度を約16
0℃としたのは以下の理由による。本発明者らが酵母菌
を使って殺菌実験を繰り返した結果、殺菌温度が約14
0℃以下であると殺菌に時間がかかり、また、殺菌温度
が約220℃以上であるとコンパウンドが劣化して加熱
臭が発生してしまうことが分かった。したがって、殺菌
温度を約140℃〜220℃の範囲内にすることが効果
的といえる。ただし、殺菌温度を約160℃以上とする
場合は三段以上の加熱部が必要になる。そこで、加熱部
の段数を少なくできるとともに、短い時間で十分かつ確
実に酵母菌を殺菌することができるという理由から殺菌
温度を約160℃とした。
【0036】カバーガイド10により搬送される容器蓋
100は、まず、図1のA領域において、第一加熱部2
0によって1st加熱される。すると、図4に示すよう
に、1st加熱された容器蓋100の各部は、第一加熱
部20に近接する順に、カール部4=約180℃,コン
パウンド部3=約170℃,リベット部とカール部の中
間2=約120℃,リベット部1=約50℃という温度
分布になる。
【0037】そして、図1のB領域において、容器蓋1
00の加熱が中断されると、図4に示すように、高温の
カール部4側から低温のリベット部1側に熱が移動し、
容器蓋100全体の温度が均一に約120℃になる。
【0038】次いで、約120℃になった容器蓋100
は、図1のC領域において、第二加熱部30によって2
nd加熱される。すると、図4に示すように、2nd加
熱された容器蓋100の各部は、第二加熱部30に近接
する順に、カール部4=約210℃,コンパウンド部3
=約200℃,リベット部とカール部の中間2=約17
0℃,リベット部1=約150℃という温度分布にな
る。
【0039】その後、図1のD領域において、容器蓋1
00の加熱が中断されると、図4に示すように、高温の
カール部4側から低温のリベット部1側に熱が移動し、
容器蓋100全体の温度が均一に殺菌温度の約160℃
になる。これによって、容器蓋100に付着した酵母菌
が99.9%殺菌される。
【0040】ここで、約160℃で殺菌された容器蓋1
00を高温状態のままシーマにより缶胴に巻締めると、
容器蓋100のコンパウンドが過度に軟化してボディフ
ックが長くなりすぎ、容器蓋100のカバーフックが割
れて漏洩缶になるおそれがある。そこで、本実施形態で
は、図1に示すように、約160℃で殺菌された容器蓋
100を、冷却部90の無菌エアーによって100℃以
下に強制冷却してからシーマに供給することとしてい
る。この結果、ボディフックが形成しやすくなり、ボデ
ィフックを適度な長さにすることができ、カバーフック
の割れによる密封不良を未然に防止することができる。
【0041】なお、上記冷却工程において、容器蓋10
0の温度を約100℃近辺(約80℃〜100℃ぐら
い)にして巻締めを行なうと、コンパウンドが適度に暖
められるとともに、容器蓋100を巻締るときの加重が
少なくて済むので、常温における容器蓋の巻締めに比べ
て簡単に正確な長さのボディフックを形成することがで
き、特に、薄肉化を図った容器蓋の巻締めに有効であ
る。
【0042】さらに、上記実施形態の容器蓋の殺菌方法
及び殺菌装置によって、以下のような条件で酵母菌の殺
菌実験を行なってみた。 (1) 供試菌 酵母菌:S.cerevisiae(IFO No.1046 ) 酵母菌:S.cerevisiae(IFO No.0216 ) (2) 実験方法 容器蓋100に上記胞子菌液を一定量吹きつけて乾燥さ
せ、この容器蓋100を、上記実施形態の容器蓋の殺菌
方法及び殺菌装置において下記[表1]の加熱条件で殺
菌し、殺菌後の容器蓋を無菌水で拭き取り、メンプラン
濾過法と混釈法を用いて、PDA培地にて30℃−5日
間培養した。
【0043】
【表1】
【0044】(3) 実験結果 下記[表2]に示すように、条件1では4D(99.9
9%)の殺菌効果を得ることができた。また、条件2で
は、約1D(90%)の殺菌効果を得ることができた。
さらに、条件3(従来例)では、殺菌効果が期待できな
いレベルであった。
【0045】
【表2】
【0046】このような本実施形態の容器蓋の殺菌方法
及び殺菌装置によれば、容器蓋100を断続的に加熱す
ることによって、コンパウンドを劣化させることなく、
短時間で容器蓋100全体を均一に所定の殺菌温度に加
熱することができ、容器蓋100の殺菌を効率よく行な
うことができる。また、加熱部20,30の数を二つと
したことにより、少ない数の加熱部で容器蓋100を確
実に殺菌することができる。
【0047】なお、本発明の容器蓋の殺菌方法及び殺菌
装置は、上記実施形態に限定されるものではない。上記
実施形態の殺菌方法及び殺菌装置は、缶ビールの容器蓋
の殺菌を目的としたものであるが、殺菌温度を変更する
ことによって、食品,清涼飲料等のあらゆる容器蓋の殺
菌に応用することができる。
【0048】例えば、清涼飲料水に有害な細菌のなかに
は、200℃以上でなければ殺菌できないものも存在す
るが、このような場合は、耐熱性のあるコンパウンドを
採用し、容器蓋100を断続的に加熱して最終的に20
0℃以上にすることにより殺菌することができる。ま
た、殺菌温度を変更する場合は、加熱部の出力及び間隔
を調整し、あるいは、加熱部の段数を増加すればよく、
殺菌温度を自由に変更して、本発明を酵母菌以外の殺菌
に応用することができる。
【0049】さらに、容器蓋100の加熱源は高周波発
振コイル21,31を用いた高周波誘導加熱に限らず、
殺菌する容器蓋100の材質によっては高周波誘電加熱
とすることもできる。またさらに、乾熱によって容器蓋
100を急速に加熱できるものであれば、これら高周波
加熱以外の加熱手段に変更することができ、例えば、赤
外線ヒータ等が考えられる。
【0050】またさらに、上記実施形態では、2nd加
熱後の容器蓋100を、冷却部90によって100℃以
下に強制冷却することとしたが、第二加熱部30からシ
ーマまでのカバーガイド10の距離を延長して、2nd
加熱後の容器蓋100を100℃以下に自然冷却する自
然冷却部を形成してもよい。
【0051】また、加熱部の台数は複数に限らず、一台
の加熱部によって容器蓋100を断続的に加熱する構成
としてもよい。このような場合は、前記加熱部に搬送さ
れてきた容器蓋100を一時停止させて断続的に加熱す
る。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の容器蓋の殺菌方
法及び殺菌装置によれば、コンパウンド等の封止材を劣
化させることなく、容器蓋全体を短時間で均一に高温に
加熱することができ、効率よく殺菌を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る容器蓋の殺菌装置を示
す断面図である。
【図2】上記殺菌装置のP−P断面図である。
【図3】本発明の容器蓋の殺菌方法における容器蓋の温
度測定位置を示すものであり、同図(a)は裏面図、同
図(b)は側面断面図である。
【図4】上記容器蓋の温度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10 カバーガイド(搬送路) 10a〜10c 切欠部 10d 支持柱 20 第一加熱部 21,31 高周波発振コイル 22,32 絶縁材 23 シャッタ 30 第二加熱部 40 調整部 50 第一放射温度計 60 第一制御部 70 第二放射温度計 80 第二制御部 90 冷却部 100 容器蓋

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器蓋を、乾熱式の加熱部によって断続
    的に加熱することにより、前記容器蓋の全体を均一に所
    定の殺菌温度まで上昇させて殺菌を行なうことを特徴と
    する容器蓋の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 積み重ねた状態で搬送される容器蓋を、
    所定の間隔をあけて配置した複数の乾熱式の加熱部を通
    過させることによって断続的に加熱し、前記容器蓋の全
    体を均一に所定の殺菌温度まで上昇させて殺菌を行なう
    ことを特徴とする容器蓋の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記容器蓋の所定の殺菌温度を約140
    ℃〜160℃とした請求項1又は2記載の容器蓋の殺菌
    方法。
  4. 【請求項4】 複数の容器蓋を積み重ねた状態で搬送す
    る搬送路と、 この搬送路の外側に所定の間隔をあけて設けられ、搬送
    されてきた前記容器蓋を加熱する複数の乾熱式の加熱部
    とを備えたことを特徴とする容器蓋の殺菌装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱部として高周波加熱手段を用い
    た請求項4記載の容器蓋の殺菌装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱部として赤外線加熱手段を用い
    た請求項4記載の容器蓋の殺菌装置。
  7. 【請求項7】 各加熱部を通過した後の前記容器蓋の温
    度にもとづいて、各加熱部の出力を調整する制御部を設
    けた請求項4,5又は6記載の容器蓋の殺菌装置。
  8. 【請求項8】 各加熱部の間隔を調整する調整手段を設
    けた請求項4,5,6又は7記載の容器蓋の殺菌装置。
  9. 【請求項9】 各加熱部を通過した前記容器蓋を、強制
    冷却する冷却手段を前記搬送路に設けた請求項4,5,
    6,7又は8記載の容器蓋の殺菌装置。
  10. 【請求項10】 前記搬送路に設けた前記加熱部の最後
    部に位置する加熱部の下流側に、前記容器蓋の自然冷却
    部を形成した請求項4,5,6,7又は8記載の容器蓋
    の殺菌装置。
JP7250229A 1995-08-29 1995-09-04 容器蓋の殺菌方法及び殺菌装置 Pending JPH09122211A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5043273B2 (ja) * 2000-05-30 2012-10-10 株式会社豊振科学産業所 かび類及び/又は芽胞状態にある菌類の殺菌方法及びその殺菌装置
WO2017065235A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 サントリーホールディングス株式会社 殺菌方法

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