JPH09122099A - Mriパルスシーケンスの自動補正方法、mrイメージング方法、及びmri装置 - Google Patents

Mriパルスシーケンスの自動補正方法、mrイメージング方法、及びmri装置

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JPH09122099A
JPH09122099A JP7284009A JP28400995A JPH09122099A JP H09122099 A JPH09122099 A JP H09122099A JP 7284009 A JP7284009 A JP 7284009A JP 28400995 A JP28400995 A JP 28400995A JP H09122099 A JPH09122099 A JP H09122099A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波反転パルスのフリップ角の変動に高い耐
性を呈し、安定した動作のプリスキャンを実施でき、本
スキャン時のパルスシーケンスをより高精度に補正す
る。 【解決手段】高周波励起パルス及び複数の高周波反転パ
ルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの印加位相
を基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1のプリ
スキャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周波反転
パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの内の偶
数番目の高周波反転パルスの印加位相を基準位相値に対
して180°の位相差を有する値に設定したパルスシー
ケンスの第2のプリスキャンを各別に実施する。第1の
プリスキャンにより得た複数のエコー信号から成る第1
のエコーデータ群と第2のプリスキャンにより得た複数
のエコー信号から成る第2のエコーデータ群とに基づき
本スキャンのパルスシーケンスを事前に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、MRI(磁気共
鳴イメージング)に係り、とくに、CPMGパルス系列
や位相反転CPパルス系列など、複数の高周波反転パル
ス(RFrefocusing pulse)を組み込んだパルスシーケ
ンス(代表的なシーケンス名としては例えば、RARE
法(高速SE法)、GRASE法(Hybrid EPI
法))を使う磁気共鳴イメージングに関する。
【0002】
【従来の技術】原子核スピンの磁気共鳴現象を利用した
磁気共鳴イメージング(MRI)は、非侵襲で被検体内
の画像を得ることができることから、医療技術の分野で
も益々盛んに実施されており、画像処理などの技術の進
歩、高度化に伴って、MR画像に対する質的要求及び高
速撮影の度合いも非常に高まっている。
【0003】従来、これらの条件を満足させようとして
磁気共鳴イメージングのための各種のパルスシーケンス
が実施あるいは提案されている。その一つとして、RA
RE法と呼ばれるパルスシーケンス(例えば、文献
1);"Magnetic Resonance inMedicine Vol.3, 823-83
3, 1986" 、文献2);"Journal of MagneticResonanc
e Imaging Vol.78, 397-407, 1988" 参照)や、GRA
SE法と呼ばれるパルスシーケンス(例えば“米国特許
第5270654号”参照)がある。
【0004】図35にはRARE法のパルスシーケンス
を、図36にはGRASE法のパルスシーケンスをそれ
ぞれ示す。これらの図において、パルスRFexは高周波
励起パルス(RF excitation pulse) を、パルスRFre1
〜RFre5 は高周波反転パルス(RF refocusing pulse)
を示す。高周波励起パルスRFexに続いて高周波反転パ
ルスRFre1 〜RFre5 が順次印加される。また、パル
スGssはスライス方向傾斜磁場を、パルスGpeは位相エ
ンコード方向傾斜磁場を、パルスGroはリード方向傾斜
磁場を、さらに波形E(1) 〜E(5) (又はE(1,1) 〜E
(5,3)はCPMGパルス系列によって発生するNMRエ
コー信号(位相検波後の波形)をそれぞれ示している。
高周波パルスRFex、RFre1 〜RFre5 を印加すると
きの位相φは、高周波励起パルスRFexに対してφ=0
°、高周波反転パルスRFre1 〜RFre5 に対してφ=
90°に夫々設定されている。また、高周波パルスによ
って磁化スピンを倒すフリップ角θは、高周波励起パル
スRFexに対してθ=α(一般に90°)、高周波反転
パルスRFre1 〜RFre5 に対してθ=β1〜β5(一
般に180°)である。図35、36のいずれのパルス
シーケンスもCPMGパルス系列を利用して複数のエコ
ー信号を発生させ、それぞのエコー信号に大きさ(パル
ス面積)の異なる位相エンコード(位相エンコード方向
傾斜磁場パルスGpe)を施すことで、1フレームの画像
の再構成に必要なエコーデータを収集している。これに
より、従来のスピンエコー法に比べて、撮像時間が数分
の1から数百分の1で済む。
【0005】このCPMGパルス系列、位相反転CPパ
ルス系列の如く、複数の高周波反転パルスを用いたパル
ス系列の場合、その各高周波反転パルス間で収集される
それぞれのエコー信号は位相ダイヤグラム上の複数の経
路を経たエコー成分の総和であることが、明らかになっ
ている(例えば、文献2);"Journal of MagneticReso
nance Imaging Vol.78, 397 -407, 1988" 、文献
3);"MagneticResonance in Medicine Vol.30, 183-1
91, 1993"参照)。
【0006】また、これらのパルスシーケンスを使う場
合、傾斜磁場パルスのスイッチングに起因してMRI装
置の導体部分に生じる渦電流、傾斜磁場コイルの製造誤
差、そのほかのMRI装置の校正の不完全性を主たる原
因として、各エコー成分に、互いに異なる空間的分布を
持った位相ずれが生じる。このことは、具体的には例え
ば、特許公報1);特開平6−121777号、特許公
報2);特開平6−54827号、さらには、特許公報
3);米国特許第5378985号に記載されている。
このため、再構成画像の位相エンコード方向にゴースト
アーチファクトが発生したり、画像の信号値が局所的に
低下したり、画像全体のS/N比が低下するなどの現象
が生じ、画質を著しく劣化させてしまうことがある。こ
の不具合は、傾斜磁場パルスを短いスイッチング時間の
間に強度を大きく変化させなけらばならない高空間分解
能の撮像や、エコー数を非常に多くとる撮像の場合に特
に顕著である。
【0007】この画質劣化の不具合を解消する一つの方
法(第1の従来技術)が、前述した特許公報3);米国
特許第5378985号に示されている。被検体に対す
るMR画像取得のための実際の撮像(以下、「本スキャ
ン」という)に先立って、プリスキャンと呼ばれるスキ
ャンを実施する。このプリスキャンでは、位相エンコー
ド方向の傾斜磁場パルスの強度を零にした状態でスキャ
ンを実施し、これにより得た各エコー信号に1次元のフ
ーリエ変換を施す。これにより得た位相分布の0次、1
次の成分を補正データとして算出し、本スキャンの傾斜
磁場パルスの波形および高周波パルスを印加する位相
(以下、「印加位相」という)を補正している。この印
加位相は、図38に示す如く、回転座標系X′,Y′,
Z′のX′,Y′面における基準とする座標軸、例えば
X′に対する高周波パルスの印加時の磁化Mの位相φと
して表される。
【0008】ところで、このCPMGパルス系列、位相
反転CPパルス系列などの複数の高周波反転パルスを用
いた撮像においては、また別の物理的性質も分かってい
る。つまり、高周波励起パルスと第1番目の高周波反転
パルスとの間で横磁化が位相誤差を受けたり、またそれ
以降の隣接する高周波反転パルス間で横磁化が一律に同
じ大きさの位相誤差を受けると、各エコー信号(複数の
経路を経たエコー成分の総和)は2つのグループのエコ
ー群に分かれる、というものである。この性質は例え
ば、文献4);"Magnetic Resonance in Medicine Vol.
30, 251-255, 1993"に示されている。
【0009】RARE法やGRASE法などのパルスシ
ーケンスを使った場合、前述したように、ほぼ同じ形の
傾斜磁場パルスが繰り返して印加されるので、傾斜磁場
パルス自体は勿論のこと、傾斜磁場パルスの大きさに比
例する性質を有する渦磁場もそのパルス繰返しパターン
に基づく位相誤差を生じて、2つのエコー成分のグルー
プに分かれると考えられる。したがって、各エコー信号
の位相ずれのパターンと再構成画像の画質劣化は、近似
的には、2つのグループのエコー成分間の相互干渉に起
因していると、考えることができる。
【0010】高周波励起パルスと第1番目の高周波反転
パルスとの間で原子核スピンの横磁化が受ける位相誤差
をΔφ1、それ以降の隣接する高周波反転パルス間でそ
の横磁化が一律に受ける位相誤差をΔφ2とし、第n番
目と第n+1番目の高周波反転パルス間で観測される2
つのグループのエコー成分の内、全ての高周波反転パル
スで位相反転(refocus) される経路のエコー成分を含む
ものを主エコー成分Emain(n) 、それ以外のエコー成分
を副エコー成分Esub(n)とすると、両エコー成分Emain
(n) 、Esub(n)の位相は、
【数1】
【数2】 で表される。
【0011】撮像領域の各々の点において生じるエコー
信号は、このような対応関係があるため、それらの総和
である(観測される)エコー信号の位相や位相のちらば
り程度を示す位相分散の大きさについても同様の対応関
係がある。図38は各高周波反転パルス間でのリード方
向傾斜磁場に因る各エコー信号の位相分散の大きさの変
化を模式的に説明する位相ダイヤグラムである。同図の
縦軸はリード方向傾斜磁場に因るエコー信号の位相分散
の大きさ(相対値)であり、位相分散の等しいエコー成
分の同図上での変化を示す経路が分かり易くなるよう
に、故意に、高周波励起パルスと第1高周波反転パルス
との間のリード方向傾斜磁場の時間積分値を正規の値A
(正規には同図中のパルスBの1/2)よりもΔAだけ
増やしている。前述した文献2)に示す如く、ある位相
分散を有する横磁化成分(エコー成分)は高周波反転パ
ルスによって、分散関係が反転する横磁化成分と、反転
しない横磁化成分と、縦磁化として保存される成分の3
つに分化することが知られている。その後の高周波反転
パルスの印加間隔、印加する傾斜磁場波形は規則的であ
ることから、位相ダイヤグラム上のいくつかの経路のエ
コー成分は等しい位相分散の大きさを持って重なるた
め、同図に示すように規則的な分散パターンになる。同
図中、太い実線は主エコー成分Emainと同位相のエコー
成分のグループで、細い実線は副エコー成分Esub と同
位相のエコー成分のグループである。またエコー収集の
期間において、位相分散の大きさが正又は負の方向に大
きく離れているエコー成分の殆どは、そのエコー成分が
属するグループ内のスピン同士の位相干渉に因ってエコ
ー信号としては観測できない、いわゆるスポイルされた
状態にある。したがって、実際にエコー信号として収集
される部分は主に、図中、矢印で示す部分(データ収集
中に位相分散が零になる瞬間がある成分)ということに
なる。
【0012】一方、エコー信号の位相を見てみると、エ
コー信号の位相と高周波パルスの印加位相の対応関係か
ら、CPMGパルス系列又は位相反転CPパルス系列の
印加位相の条件を満たし、そのほかハードウエアの不完
全性に因るスピン位相の誤差が無いものとすると、主エ
コー成分Emain(n) と副エコー成分Esub(n)の位相は一
致する。実際に収集されるエコー信号は、両エコー成分
の和であり、
【数3】E(n) =Emain(n) +Esub(n) となる。未調整でも図38中のΔAは十分に小さいた
め、2つのエコー成分のピークは重なって見えることが
多い。
【0013】また、両方のエコー成分Emain(n) 、Esu
b(n)の振幅は、高周波反転パルス数n、高周波パルスの
スライス特性、フリップ角などに依存することが確認さ
れている(例えば、文献5);"Society of Magnetic R
esonance in Medicine, Pro.of Annual Meeting in 199
2 No.4508" ,文献6);" 同 in 1991 No.1025 "参
照)。
【0014】このため、両方のエコー成分Emain(n) 、
Esub(n)の振幅比R(n) が分からない限り、収集される
エコー信号から位相誤差を抽出することはできない。
【0015】このような状況下において、前述した特許
公報2);特開平6−54827号記載の磁気共鳴画像
化方法および装置には、上述した不具合を解消すべく別
の従来技術(第2の従来技術)が開示されている。この
開示による補正処理を上述と同一の記号で示すと、
【数4】|Esub(1)|=0 であり、第1番目の高周波反転パルスのフリップ角がほ
ぼ180°である場合、
【数5】|Esub(2)|=ほぼ零 である。このため、
【数6】 となる。これを利用して、前述と同様のプリスキャンか
ら得られた第1エコー信号および第2エコー信号の情報
のみから、本スキャンの傾斜磁場波形および高周波パル
スの印加位相を修正し、比較的簡便な補正を行おうとす
るものである。
【0016】この第2の従来技術を図39〜41に基づ
いて詳述する。図39にはプリスキャンのパルスシーケ
ンスを、図40には本スキャンのパルスシーケンスを、
図41には補正処理のフローチャートをそれぞれ示す。
【0017】図41に示すように、最初に図39のパル
スシーケンスにしたがってプリスキャンが実施される
(ステップ101)。このプリスキャンは位相エンコー
ド方向の傾斜磁場が常に零である(Gpe=0)。いま何
らかの原因に拠って位相ずれが在る場合、同図に示すよ
うに第1エコー信号E(1) を除く各エコー信号はそれぞ
れ2つのエコー成分Emain(n) 、Esub(n)に分かれる。
実際には、2つのエコー成分Emain(n) 、Esub(n)のず
れは小さく、エコーピークは2つに分かれず、エコーピ
ークの位置ずれp(n) と位相のずれφ(n) が各エコー毎
に交互に振動するように変化する。第2の従来技術によ
れば、第1、第2エコー信号E(1) 、E(2) のエコーピ
ークの位置ずれp(1) ,p(2) および位相ずれφ(1) ,
φ(2) が測定される(ステップ102)。磁場中心から
選択されたスライス面までの距離をxsとすると、高周
波パルスの印加位相の補正量Δφ(あるいはスライス方
向傾斜磁場パルスGssの補正量ΔGssに対する「ΔGss
・xs」)は位相ずれφ(1),φ(2) の位相差に比例
し、ΔGroは位置ずれp(1) ,p(2) の差に比例する。
この関係に基づいて、求めたp(1) ,p(2) ,φ(1) ,
φ(2) から本スキャン時の高周波パルスの印加位相の補
正量Δφ及びスライス方向傾斜磁場パルスGssの補正量
ΔGssのいずれか、及びリード方向傾斜磁場パルスGro
の補正量ΔGroが演算される(ステップ103)。つい
で、これらの補正量Δφ(又はΔGss)およびΔGroで
パルスシーケンスが修正され(図40参照)、このパル
スシーケンスにより本スキャンが実行される(ステップ
104)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1、第2の
従来技術は、それぞれのエコー成分が相異なる空間的分
布を持った位相ずれを起こしたことに因る位相エンコー
ド方向のアーチファクトなどの不具合を改善しようとす
るものではあったが、以下の示す如く、未解決の課題が
あった。
【0019】(1) 第1に、高周波反転パルスのフリ
ップ角が180°からずれている場合、本スキャンに対
する高周波パルスの印加位相及び傾斜磁場波形の補正精
度が低下するという問題である。
【0020】例えば|Emain(n) |=|Esub(n)|の場
合、2つのエコー成分Emain(n) 、Esub(n)の位相差が
いくら大きくても、その2つのエコー成分Emain(n) 、
Esub(n)のベクトル和である第n番目に収集されるエコ
ー信号の位相は変化しない。この理由に拠り、第1、第
2の従来技術のいずれの手法を実施したとしても補正が
的確に実施されず、MR画像の画質は一向に改善されな
いか、改善されたとしても不十分な程度に終わることが
多い。
【0021】フリップ角が180°からずれる又はずら
しているという状況は決して特殊なものではない。例え
ば、前述した文献5);"Society of Magnetic Resonan
cein Medicine, Pro. of Annual Meeting in 1992 No.4
508" でも述べられているように、現状のFSE(Fast
SE)法の場合でも、第4〜第8番目のエコーで主エコ
ー成分Emain(n) と副エコー成分Esub(n)の振幅がほぼ
等しくなっていることが報告されている。また、文献
3);"Magnetic Resonance in Medicine Vol.30, 183-
191, 1993"では、各エコー信号の振幅を安定化させるた
めに高周波反転パルスのそれぞれのスライス特性、フリ
ップ角を個別に変化させている。さらに、この技術を利
用してT2緩和による各エコー信号の減衰を減らす試み
も報告されている("Society of Magnetic Resonance,
Proc. of 2nd Annual Meeting in1994 No.27"参照)。
さらに、マルチスライス撮像の場合、高周波反転パルス
のフリップ角を180°以下の値に設定し、SAR(R
F被爆)の低減、MTC効果による組織コントラストの
変化を低減させることができるという報告もある("Soc
iety of Magnetic Resonance in Medicine, Proc. of A
nnual Meeting in1993 No.1244"参照)。
【0022】以上のように、高周波反転パルスのフリッ
プ角が180°からずれている場合も多く、かかる状況
下で前述した第1、第2の従来技術による補正はその精
度及び安定性の面で不足である。
【0023】この問題は前述した特許公報2);特開平
6−54827号でも指摘されているところである(同
公報第11ページ、18−27行目参照)。この問題に
対して、同特許公報の技術では、スライス方向の傾斜磁
場を駆使して一方のエコー成分をディフェーズさせるな
どの回避方法が示されているが、傾斜磁場パルスの波形
を変形させるので、システムの校正の不完全性の影響を
受けるなど、シーケンス調整の自動化には適さないこと
が多いという問題がある。
【0024】(2) 第2の問題は、複数ある位相ずれ
の要因のうち、従来の方法で補正できるのは一部の要因
によるものであり、全てではないということである。前
述した第1、第2の従来技術のいずれにあっても、プリ
スキャンの位相エンコード方向の傾斜磁場パルスGpeは
常に零である。このため、プリスキャンにより得られる
エコー信号は本スキャンにおける位相エンコード方向の
傾斜磁場パルスに起因する位相ずれ成分を含んでいな
い。つまり、a);位相エンコード方向の傾斜磁場パル
ス自体のずれ、b);位相エンコード方向の傾斜磁場パ
ルスに起因する渦磁場に因る0次あるいは1次以上の空
間分布を持つ位相ずれ、などは原理的に補正できない。
スキャンの空間分解能の高度化、高速化が進んでいる昨
今において、パルスシーケンスの種類によっては、位相
エンコード方向の傾斜磁場に起因する位相ずれ成分を到
底無視できない状況にあり、かかる補正に対する制限は
何としても打破したいところである。
【0025】(3) 第3の問題は、補正値の精度が撮
像対象の状態により変化してしまうことである。前述し
た第1、第2の従来技術では、撮像対象からのエコー信
号をもとに補正情報を求めているため、撮像対象の形
状、状態によっては正確な位相誤差を測定できないこと
もあり、補正の安定性の面で問題がある。
【0026】例えば医用診断装置の場合、けい椎のアキ
シャル像のT2強調画像では主な信号源が断面に対して
ほぼ垂直な方向に流れる脳脊髄液(Cerebral Spinal Flu
id:CSF) であるため、パルスシーケンスで使用している
傾斜磁場パルスに因り流れ速度に関係した原子核スピン
の位相変化が生じる。この位相変化を従来の第1、第2
の従来技術に示された手法で補正する場合、かかる位相
変化はほぼそのままプリスキャンでも表れるから、プリ
スキャンから求められる補正量の正確性に欠け、信頼性
の低いものとなって、目的とする位相変化を誤って補正
してしまうこともあるなど、補正精度が低く、その安定
性に劣る。このため、原子核スピンが静止している部位
でも、ゴーストアーチファクトが現れたり、信号値が低
下してS/N比が低下するなどの不具合に帰着するし、
また、高いエコー信号が出る部位の動きが激しい場合、
画質が劣化する場合がある。これは、本スキャン時のパ
ルスシーケンスの補正情報(補正量)を形状、状態が未
知の撮像対象から予め得ることを特徴とする補正手法の
場合、ある程度避けられない問題ではあるものの、臨床
診断上問題となっている。
【0027】この発明は上述した不具合、問題に鑑みて
なされたものである。(1);プリスキャンを実施して
本スキャン時のパルスシーケンスに必要な補正量を求め
る処理を前提とする磁気共鳴イメージングにおいて、従
来よりも高周波反転パルスのフリップ角の変動に高い耐
性を呈し、安定した動作のプリスキャンを実施でき、本
スキャン時のパルスシーケンスをより高精度に補正で
き、再構成されるMR画像の画質劣化を抑えることがで
きるMRIパルスシーケンスの自動補正方法及びMRI
装置を提供することを、本発明の第1の目的とする。ま
た、(2);プリスキャンを実施して本スキャン時のパ
ルスシーケンスに必要な補正量を求める処理を前提とす
る磁気共鳴イメージングにおいて、位相エンコード方向
の傾斜磁場パルスに起因する位相ずれ成分も精度良く補
正できるようにし、再構成されるMR画像の画質向上を
図ることを、本発明の第2の目的とする。また、
(3);プリスキャンを実施して本スキャン時のパルス
シーケンスに必要な補正量を求める処理を前提とする磁
気共鳴イメージングにおいて、主要な信号源が高速で動
いている場合でも、本スキャン時のパルスシーケンスの
補正精度の低下を防止し、再構成されるMR画像の画質
劣化を抑えることを、本発明の第3の目的とする。さら
に、(4);プリスキャンからの補正データに拠る本ス
キャンのパルスシーケンスの補正を行わずとも、結果と
して、上記第1〜第3の目的を同時に達成することでき
るMRイメージング法及びMRI装置を提供すること
を、本発明の第4の目的とする。
【0028】以上を集約すると、上記第1〜第4の目的
の少なくとも1つを達成させて、CPMGパルス系列、
位相反転CPパルス系列などの複数の高周波反転パルス
を使うパルスシーケンスを用いた撮像において、必要な
補正情報の収集と補正を従来よりも系統的に実施して、
かかる補正の精度及び安定性を向上させ、又は、位相誤
差分布の影響をそれらの補正以外のアプローチによって
回避し、空間分解能、ゴーストアーチファクト、画像コ
ントラストなどの面で高画質のMR画像を提供すること
である。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1〜9,17記載の発明によれば、被検体の
MR画像を得るための本スキャンの前に、高周波励起パ
ルス及び複数の高周波反転パルスを有しかつその複数の
高周波反転パルスの印加位相を基準位相値に設定したパ
ルスシーケンスの第1のプリスキャン、及び高周波励起
パルス及び複数の高周波反転パルスを有しかつその複数
の高周波反転パルスの内の偶数番目の高周波反転パルス
の印加位相を前記基準位相値に対して180°の位相差
を有する値に設定したパルスシーケンスの第2のプリス
キャンを各別に実施し、前記第1のプリスキャンにより
得た複数のエコー信号から成る第1のエコーデータ群と
前記第2のプリスキャンにより得た複数のエコー信号か
ら成る第2のエコーデータ群とに基づいて前記本スキャ
ンのパルスシーケンスを事前に補正する、ことを特徴と
したMRIパルスシーケンスの自動補正方法である。
【0030】例えば、前記第1、第2のプリスキャンの
パルスシーケンス及び前記本スキャンのパルスシーケン
スはCPMGパルス系列又は位相反転CPパルス系列で
ある。また例えば、前記第1、第2のプリスキャンのパ
ルスシーケンス及び前記本スキャンのパルスシーケンス
はGRASE法又は高速SE法に従うパルス系列であ
る。また例えば、前記第1、第2のプリスキャンのパル
スシーケンスの位相エンコード用傾斜磁場は常に零であ
る。また前記自動補正の処理は、典型的には、前記第1
のエコーデータ群と前記第2のエコーデータ群との対応
する順番のエコーデータ同士で加算又は減算して主エコ
ー成分から成る主エコー集合体とその主エコー成分以外
のエコー成分から成る副エコー集合体とを分離・抽出す
る処理と、前記主エコー集合体及び副エコー集合体の各
集合体の内の奇数番目及び偶数番目のエコーデータのエ
コーピークの位相ずれ及び位置ずれの少なくとも一方を
演算する処理と、この演算値から求めた補正データによ
り前記本スキャンのパルスシーケンスを自動的に補正す
る処理と、を含む。
【0031】また請求項10、11記載の発明によれ
ば、前記第1、第2のプリスキャンのパルスシーケンス
の位相エンコード用傾斜磁場は、前記本スキャンにおけ
るk空間の中心位置を含むデータラインに配置するエコ
ーデータ収集時のショットと同一の位相エンコード用傾
斜磁場の波形であることを特徴とする。
【0032】また請求項12、13記載の発明によれ
ば、前記第1、第2のプリスキャンのパルスシーケンス
の位相エンコード用傾斜磁場は、前記本スキャンにおけ
るk空間上の一部又は全面のエコーデータ収集時のショ
ットと同一の位相エンコード用傾斜磁場の波形であるこ
とを特徴とする。
【0033】さらに請求項14記載の発明によれば、前
記第1、第2のプリスキャンを実施する対象は、前記被
検体とは異なるファントムである。
【0034】さらに請求項15、16記載の発明によれ
ば、その主な特徴は、前記第1、第2のエコーデータ群
とに基づく補正処理は、この第1、第2のエコーデータ
群に基づいてイメージングチャンネルと傾斜磁場コイル
の物理チャンネルとの組み合わせに対して固有の位相誤
差に関連する情報を求める処理と、本スキャン時にはそ
の位相誤差関連の情報と傾斜磁場に関連した撮像条件と
から本スキャンのパルスシーケンスの補正データを求め
る処理とを含むことである。
【0035】本発明の別の側面として、請求項18記載
の発明によれば、高周波励起パルス及び複数の高周波反
転パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの印加
位相を基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1の
スキャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周波反転
パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの内の偶
数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値
に対して180°の位相差を有する値に設定したパルス
シーケンスの第2のスキャンを対象物に各別に実施する
ステップと、前記第1のスキャンにより得た複数のエコ
ー信号から成る第1のエコーデータ群と前記第2のスキ
ャンにより得た複数のエコー信号から成る第2のエコー
データ群とを加算又は減算して主エコー成分の主エコー
集合体とその主エコー成分以外のエコー成分から成る副
エコー集合体とを分離・抽出するステップと、を含むM
Rイメージング方法が提供される。
【0036】本発明のさらに別の側面として、請求項1
9〜27記載の発明によれば、高周波励起パルス及び複
数の高周波反転パルスを有し、その複数の高周波反転パ
ルスの印加位相を基準位相値に設定し、かつk空間デー
タ収集用の位相エンコードを施した撮像用パルスシーケ
ンスの第1のスキャンと、高周波励起パルス及び複数の
高周波反転パルスを有し、その複数の高周波反転パルス
の内の偶数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基
準位相値に対して180°の位相差を有する値に設定
し、かつk空間データ収集用の位相エンコードを施した
撮像用パルスシーケンスの第2のスキャンとを対象物に
各別に実施するステップと、前記第1のスキャンにより
得た複数のエコー信号から成る第1のエコーデータ群と
前記第2のスキャンにより得た複数のエコー信号から成
る第2のエコーデータ群とを加減算して主エコー成分の
集合体からなるk空間データとその主エコー成分以外の
エコー成分の集合体からなるk空間データとを分離・抽
出するステップと、前記2組のk空間データ同士で、k
空間上の複数のエコー配置区画の内の偶数番目又は奇数
番目のエコー配置区画のエコーデータを互いに交換する
ステップと、前記エコーデータ交換後の2組のk空間デ
ータを各別に再構成して2つの実空間画像を作るステッ
プと、前記2つの実空間画像から1つの実空間画像を形
成するステップと、を含むMRイメージング方法が提供
される。
【0037】とくに、請求項22記載の発明に係るMR
イメージング方法では、前記対象物へのプリスキャンと
して、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パルスを
有し、その複数の高周波反転パルスの印加位相を基準位
相値に設定したパルスシーケンスの第1のプリスキャン
と、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パルスを有
し、その複数の前記高周波反転パルスの内の偶数番目の
高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値に対して
180°の位相差を有する値に設定たパルスシーケンス
の第2のプリスキャンとを対象物に各別に実施するステ
ップと、前記第1のスキャンにより得た複数のエコー信
号から成る第1のエコーデータ群と前記第2のスキャン
により得た複数のエコー信号から成る第2のエコーデー
タ群とを加減算して主エコー成分の集合体の振幅値情報
とその主エコー成分以外のエコー成分の集合体の振幅値
情報とを分離・抽出するステップと、前記エコーデータ
の交換ステップと前記2つの実空間画像の再構成ステッ
プとの間で実施するステップであって、前記2組の集合
体の振幅値情報を使って前記エコーデータ交換後の2組
のk空間データの振幅値を補正するステップと、をさら
に含むことを特徴とする。
【0038】さらに本発明の別の側面として、請求項2
8記載の発明によって、被検体のMR画像を得るための
本スキャンの前に、高周波励起パルス及び複数の高周波
反転パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの印
加位相を基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1
のプリスキャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周
波反転パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの
内の偶数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準
位相値に対して180°の位相差を有する値に設定した
パルスシーケンスの第2のプリスキャンを各別に実施す
る手段と、前記第1のプリスキャンにより得た複数のエ
コー信号から成る第1のエコーデータ群と前記第2のプ
リスキャンにより得た複数のエコー信号から成る第2の
エコーデータ群とに基づいて前記本スキャンのパルスシ
ーケンスを事前に補正する手段とを備えたMRI装置が
提供される。
【0039】さらに本発明の別の側面として、請求項2
9記載の発明により、高周波励起パルス及び複数の高周
波反転パルスを有し、その複数の高周波反転パルスの印
加位相を基準位相値に設定し、かつk空間データ収集用
の位相エンコードを施した撮像用パルスシーケンスの第
1のスキャンと、高周波励起パルス及び複数の高周波反
転パルスを有し、その複数の高周波反転パルスの内の偶
数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値
に対して180°の位相差を有する値に設定し、かつk
空間データ収集用の位相エンコードを施した撮像用パル
スシーケンスの第2のスキャンとを対象物に各別に実施
する手段と、前記第1のスキャンにより得た複数のエコ
ー信号から成る第1のエコーデータ群と前記第2のスキ
ャンにより得た複数のエコー信号から成る第2のエコー
データ群とを加減算して主エコー成分の集合体からなる
k空間データとその主エコー成分以外のエコー成分の集
合体からなるk空間データとを分離・抽出する手段と、
前記2組のk空間データ同士で、k空間上の複数のエコ
ー配置区画の内の偶数番目又は奇数番目のエコー配置区
画のエコーデータを互いに交換する手段と、前記エコー
データ交換後の2組のk空間データを各別に再構成して
2つの実空間画像を作る手段と、前記2つの実空間画像
から1つの実空間画像を形成する手段と、を備えたMR
I装置が提供される。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各種の実施の形
態を図面を参照して説明する。最初に、以下に詳述する
実施形態と本発明に係る上記第1〜第4の目的との対応
関係を示しておく。
【0041】第1の実施形態は第1の目的を、第2の実
施形態及びその変形形態は第2の目的を、第3の実施形
態は同じく第2の目的を、第4の実施形態及びその変形
形態は第3の目的を、第5の実施形態は第4の目的を、
それぞれ達成しようとするものである。
【0042】(第1の実施形態)この発明に係る第1の
実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
【0043】この実施形態に係る磁気共鳴イメージング
(MRI)装置の概略構成を図1に示す。このMRI装
置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場に位置情報を付
加するための傾斜磁場部と、選択励起用及びMR信号受
信用の送受信部と、システムコントロール及び画像再構
成を担う制御・演算部とを備えている。
【0044】磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、
この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、撮
影対象としての被検体Pが挿入される円筒状の診断空間
のZ軸方向(長手方向)に静磁場H0 を発生させる。
【0045】傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,
Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、こ
の傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場
電源4と、この電源4を制御する傾斜磁場シーケンサ5
aとを備える。この傾斜磁場シーケンサ5aはコンピュ
ータを備え、装置全体のコントローラ6(コンピュータ
を搭載)からプリスキャン及び本スキャンを実施するた
めのFSE法,GRASE法などの収集シーケンスを指
令する信号を受けると、この指令に応答して図2に示す
処理を実行する。これにより、傾斜磁場シーケンサ5a
は、指令されたシーケンスにしたがってX,Y,Z軸方
向の各傾斜磁場の印加及びその強度を制御し、それらの
傾斜磁場が静磁場H0 に重畳可能になっている。この実
施例では、互いに直交する3軸の内のZ軸方向の傾斜磁
場をスライス用傾斜磁場GS とし、X軸方向のそれを読
出し用傾斜磁場GR とし、さらにY軸方向のそれを位相
エンコード用傾斜磁場GE とする。
【0046】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、この高周波
コイル7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、こ
の送信機8T及び受信機8Rの動作タイミングを制御す
るRFシーケンサ5b(コンピュータを搭載)とを備え
る。RFシーケンサ5bは前記傾斜磁場シーケンサ5a
と共にシーケンサ5を成す。RFシーケンサ5bは傾斜
磁場シーケンサ5aと同期した状態でRFパルスの印加
を指令できる。送信機8T及び受信機8Rは、RFシー
ケンサ5bの制御のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起
させるためのラーモア周波数のRF電流パルスを高周波
(RF)コイル7に供給する一方、高周波コイル7が受
信したMR信号(高周波信号)に各種の信号処理を施し
てエコー信号を形成するようになっている。
【0047】さらに、制御・演算部は、上述したコント
ローラ6のほか、受信機8Rで形成されたデジタル量の
エコー信号を受けるマルチプレクサ11を備える。マル
チプレクサ11はコントローラ6からの制御信号に応答
して、その出力経路をコントローラ側及び再構成ユニッ
ト側との間で択一的に切り換える。さらに、マルチプレ
クサ11の一方の出力側には、フーリエ変換法により画
像再構成を行う再構成ユニット12と、再構成した画像
データを保管する記憶ユニット13と、画像を表示する
表示器14と、入力器15とを備えている。コントロー
ラ6は前述したようにコンピュータを内蔵し、システム
全体の動作内容及び動作タイミングを制御する。
【0048】次に、この実施形態の動作を説明する。な
お、ここでは、パルスシーケンスとしてFSE(高速S
E)法が採用されているとする。
【0049】コントローラ6は図2の処理を実施する。
この処理には2種類のプリスキャンA,Bが含まれてい
る。最初に、コントローラ6はマルチプレクサ11のス
イッチ経路をコントローラ6側に切り換えた状態で、図
3に示すパルスシーケンスのプリスキャンAをシーケン
サ5に実行させ、その結果得られたエコー信号を入力す
る(図2ステップS1)。
【0050】このプリスキャンAでは、最初に、スライ
ス用傾斜磁場パルスGssとともに高周波励起パルスRF
ex(印加位相φ=0°、フリップ角θ=α(ここでは9
0°))が印加される。このτ/2の時間経過後に、ス
ライス用傾斜磁場パルスGssとともに第1番目の高周波
反転パルスRFre1 (印加位相φ=90°、フリップ角
θ=β1(ここでは180°))が印加される。そし
て、最初の高周波励起パルスRFexの印加からτ時間後
に、リード用傾斜磁場パルスGroを印加しながらエコー
信号E(1) 読み出される。以後、第1番目の高周波反転
パルスRFre1 の印加からτ時間毎に第2番目以降の高
周波反転パルスRFre2 ,RFre3 …がスライス用傾斜
磁場パルスGssとともに印加され、エコー信号E(2) ,
E(3) ,…が同様に読み出される。このプリンスキャン
Aでは同図に示すように、位相エンコード用傾斜磁場パ
ルスGpeは常に零となっている。
【0051】このプリンスピンAにおいては、何等かの
原因に因り原子核スピンに位相ずれがある場合、前述と
同様に、最初のエコー信号E(1) 以外のエコー信号E
(2) ,E(3) ,…のそれぞれは、2つのエコー成分、す
なわち主エコー成分Emain(2)(Emain(3) ,…)と副
エコー成分Esub(2)(Esub(3),…)とに分かれる(図
3参照)。そのような位相ずれの原因が無いとき、主エ
コー成分Emain(n) の位相arg{Emain(n)}と副エコー成
分Esub(n)の位相arg{Esub(n)} は等しい(n=2、
3、…)。
【0052】次いでコントローラ6は図4に示す2番目
のプリスピンBをシーケンサ5に実行させ、その結果得
られたエコー信号を入力する(図2ステップS2)。
【0053】このプリスキャンBでも最初に、スライス
用傾斜磁場パルスGssとともに高周波励起パルスRFex
(印加位相φ=0°、フリップ角θ=α(ここでは90
°))が印加される。このτ/2の時間経過後に、スラ
イス用傾斜磁場パルスGssとともに高周波反転パルスR
Fre1 (印加位相φ=90°、フリップ角θ=α(ここ
では180°))が印加される。そして、最初の高周波
励起パルスRFexの印加からτ時間後に、リード用傾斜
磁場パルスGroを印加しながらエコー信号E(1) が読み
出される。以後、第1番目の高周波反転パルスRFre1
の印加からτ時間毎に第2番目以降の高周波反転パルス
RFre2 ,RFre3 ,…がスライス用傾斜磁場パルスG
ssとともに印加され、エコー信号E(2) ,E(3) ,…が
同様に読み出される。
【0054】このプリスキャンBでは、偶数番目の高周
波反転パルスRFre2 ,RFre4 ,…の印加位相φは図
4に記載の如く、奇数番目の高周波反転パルスRFre3
,REre5 ,…のそれをさらに180°だけ回転させ
た値(φ=270°)に設定してある。また、位相エン
コード用傾斜磁場パルスGpeはプリスキャンAと同様に
常に零となっている。
【0055】何等かの原因に因り原子核スピンに位相ず
れがある場合、前述と同様に、最初のエコー信号E(1)
以外のエコー信号E(2) ,E(3) ,…のそれぞれは、2
つのエコー成分、すなわち主エコー成分Emain(2) (E
main(3) ,…)と副エコー成分Esub(2)(Esub(3),
…)とに分かれ(図3参照)、しかも偶数番目の高周波
反転パルスRFre2 ,RFre4 ,…の印加位相φを18
0°だけ余計に回転させているため、副エコー成分Esu
b(2),Esub(3),…の位相arg{Esub(n)} だけがプリン
スキャンA時の対応する位相に対して180°回転す
る。
【0056】この理由を図8を用いて説明する。同図に
示すように、いま、第n番目のエコー信号の位相を
θn ,第n+1番目、第n+2番目の高周波反転パルス
の位相をそれぞれφn+1 、φn+2 とする。第n+2番目
の高周波反転パルスで生じるSE(spin ech
o)成分の位相θn+2,SE、STE(stimulate
decho)成分の位相θn+2,STE は、
【数7】 で表される。
【0057】図3の場合、1以上の全ての整数nに対し
て、φn =90°、θn =90°、θn+2,SE=90°、
θn+2,STE =90°、である。したがって、位相ダイヤ
グラム上の複数のエコー経路の合成であるEmain(n) 、
Esub(n)の位相も等しく、それぞれ90°となる。
【0058】図4の場合は2通りに分けて考える。
【0059】n=2m (mは1以上の整数)のとき。
【0060】
【数8】
【0061】第n番目の主エコー成分Emain(n) からφ
n+1 ,φn+2 に因り生じるSTE成分はEsub(n+2)であ
るから、上記により、n=2以上の全てのnについて図
4における副エコー成分Esub(n)の位相は270°、つ
まり図3の状態から180°反転していることが分か
る。
【0062】図8には隣接する高周波反転パルス間で生
じる、ある限られた数の経路についての位相の対応関係
しか示していないが、前述した図38に示す規則性がエ
コー信号の位相の対応関係にもあるため、プリスキャン
Bの副エコー成分の位相はプリスキャンAのそれに対し
て、180°回転する。
【0063】本実施例では、CPMGパルス系列の印加
位相の組み合わせを基本に変更しているが、これに限定
されるものではなく、プリスキャンA,Bの高周波パル
スの印加位相の組み合わせは、上記(*)式を満たし、
主エコー成分Emain(n) 又は副エコー成分Esub(n)が2
つのプリスキャンで180°の位相差を持つようにする
ならば、どのような位相の組み合わせでもよい。
【0064】再び、図2に戻って説明する。上述のプリ
スキャンの結果、プリスキャンAで得られたエコー信号
をEa(n) 、プリスキャンBで得られたエコー信号をE
b(n) とすると(n=2,3,…)、
【数9】 の関係が成立する。そこで、コントローラ6はプリスキ
ャンA,Bで得られたエコー信号同士の平均化の処理を
行う(図2ステップS3)。つまり、
【数10】{Ea(n) +Eb(n) }/2 、(ここでn=1,2,…)の演算を行う。この平均化
演算の概念を図5(a),(b)および図6の模式図に
示す。これらの図に示すように、2番目以降のエコー信
号E(2) ,E(3) ,…では副エコー成分Esub(2),Esu
b(3),…の位相が2回のプリスキャンA,Bにおいて互
いに180°異なるので適宜相殺され、主エコー成分E
main(n) (n=1,2,…)のみが抽出される。
【0065】なお、図6(b)には、
【数11】{Ea(n) −Eb(n) }/2 の演算を行った場合の、副エコー成分Esub(n)(n=
2,3,…)のみが抽出される様子を模式的に示す。
【0066】さらにコントローラ6は第1、第2番目の
エコー信号に基づいて主エコー成分のピークの純粋な位
相ずれφmain(1) 、φmain(2) および位置ずれpmain
(1) 、pmain(2) を演算する(図2ステップS4)。
【0067】次いで、従来の場合と同様に、
【数12】φmain(1) −φmain(2) および
【数13】pmain(1) −pmain(2) の値に基づいて、本スキャン時における、高周波パルス
RFの印加位相φの補正量Δφ又はスライス用傾斜磁場
パルスGssの補正量ΔGss、およびリード方向傾斜磁場
パルスGroの補正量ΔGroを演算する(同図ステップS
5)。
【0068】最後に、コントローラ6はマルチプレクサ
11のスイッチ経路を再構成ユニット12側に切換え、
シーケンサ5に対して図7に示すパルスシーケンスに基
づく本スキャンを実行させる(図2ステップS6)。
【0069】本スキャンでは同図に記載しているよう
に、上述の補正演算結果を反映させたパルスシーケンス
が用いられる。すなわち、最初にスライス用傾斜磁場パ
ルスGssと共に印加される高周波励起パルスRFexの印
加位相φがφ=Δφの値であるか、または、このスライ
ス用傾斜磁場パルスGssの後に印加する、極性反転した
ディフェイズ防止用のスライス方向傾斜磁場パルスGss
の強度がΔGssだけ補正された値となっている。また同
時に、そのディフェイズ防止用のスライス方向傾斜磁場
パルスGssと並行して印加するリード方向傾斜磁場パル
スGroの強度はΔGroだけ補正された値となっている。
【0070】そして最初の励起からτ/2の時間経過後
には、スライス用傾斜磁場パルスGssと共に最初の高周
波反転パルスRFre1 (印加位相φ=90°、フリップ
角θ=β1(ここでは180°)が印加され、スピンの
位相反転がなされる。次いで、このシーケンス実行毎に
強度(パルス面積)が調整される位相エンコード用傾斜
磁場パルスGpeが印加される。そして、最初の選択励起
からのτ時間の経過に合わせてリード用傾斜磁場パルス
Groが印加され、これと並行して第1番目のエコー信号
E(1) が収集される。
【0071】以下同様に、スライス用傾斜磁場パルスG
ssと共に高周波反転パルスRFre2,RFre3 ,…(印
加位相φ=90°、フリップ角θ=β2,β3,…(こ
こでは180°)が順次印加されるととも、その間に、
スピンの位相反転に伴うエコー信号E(2) ,E(3) ,…
が順次収集される。なお、図7において、各エコー収集
後には、極性反転させた位相エンコード方向傾斜磁場パ
ルスGpeがリワインディングパルスとして印加され、こ
れにより本スキャン時の疑似エコーの発生防止が図られ
る。
【0072】本スキャンにより収集されたエコー信号E
(n)は順次、受信機8Rにて受信処理され、エコーデー
タに変換される。この処理には、エコー信号E(n)の直
交検波やA/D変換も含まれる。エコーデータは再構成
ユニット12にてk(フーリエ)空間を形成するメモリ
上にエンコード量に応じて並べられ、フーリエ変換法に
よりMR画像に再構成される。
【0073】このように本実施形態では、従来の手法で
は除去しきれなかった、第2番目以降のエコー信号の副
エコー成分(第2番目のエコー信号に限って言及する
と、スティミュレーティッドエコーの成分)をほぼ完全
に除去でき、主エコー成分のみを的確に抽出できるの
で、本スキャンのパルスシーケンスに対する補正精度が
格段に向上し、安定した本スキャンを実施できるという
利点がある。
【0074】なお、本実施形態における補正量Δφ、Δ
Gss、ΔGroの算出法は前述したものに限定されること
なく、例えば、前記(1)式から明らかなように、第
1、2番目以外、すなわち第3番目以降の偶数番目、奇
数番目の主エコー成分の位相差およびエコーピーク位置
の差を、かかる補正量Δφ、ΔGss、ΔGroの算出に用
いてもよい。また、プリスキャンで得たエコーデータに
1次元のフーリエ変換をkr方向について施し、読出し
方向の位相分布曲線を得て、その曲線の傾きと切片、つ
まり位相分布曲線の読出し方向の1次成分および0次成
分を求め、この1次成分および0次成分に基づいてエコ
ーピークの位置ずれ、位相ずれを求めるようにしてもよ
い。
【0075】(第2の実施の形態)この発明に係る第2
の実施形態を図9〜図13に基づき説明する。なお、こ
の実施形態を含め、以下の実施形態において上記第1の
実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を用い
てその説明を省略又は簡略化する。
【0076】この実施形態に係るMRI装置は上述した
ものと同一であり、コントローラ6は図9に示す一連の
処理を実行する。
【0077】まず、コントローラ6はマルチプレクサ1
1のスイッチ経路をコントローラ6側に切り換えた状態
で、FSE法に係る2種類のプリスキャンC,Dの実行
を順次、シーケンサ5に指令し、収集されたエコー信号
を入力する(図9ステップS11,S12)。最初のプ
リスキャンCについては図10に、後のプリスキャンD
については図11に、それぞれ、パルスシーケンスを示
す。
【0078】最初のプリスキャンCでは、1つの高周波
励起パルスRFex(印加位相φ=0°、フリップ角θ=
α(ここでは90°))に続いて複数の高周波反転パル
スRFre1 ,RFre2 ,…(印加位相φ=90°、フリ
ップ角θ=β1、β2、…(ここでは180°))が順
次、スライス用傾斜磁場パルスGssと共に印加され、読
出し方向の傾斜磁場パルスGroの印加と共に各エコー信
号Ec(n) が収集される。位相エンコード用傾斜磁場パ
ルスGpeは、本スキャンでのk空間の中心を含むデータ
ラインを収集するときのショットと同じ強度変化に設定
されている。この結果、プリスキャンCにおける高周波
パルスおよび傾斜磁場パルスは、本スキャンでのk空間
の中心を含むデータラインを収集するときのショットと
同じ波形に設定されている(この点は、従来および第1
の実施形態に係るプリスキャンのパルスシーケンスと異
なる)。
【0079】いま、何等かの原因に因り原子核スピンに
位相ずれがあるとすると、前述と同様に、最初のエコー
信号E(1) 以外のエコー信号E(2) ,E(3) ,…のそれ
ぞれは、2つのエコー成分、すなわち主エコー成分Ema
in(2) (Emain(3) ,…)と副エコー成分Esub(2)(E
sub(3),…)とに分かれる(図10参照)。
【0080】後のプリスキャンDも、1つの高周波励起
パルスRFex(印加位相φ=0°、フリップ角θ=α
(ここでは90°))に続いて複数の高周波反転パルス
RFre1 ,RFre2 ,…(印加位相φ=90°又は27
0°、フリップ角θ=β1、β2、…(ここでは180
°))が順次、スライス用傾斜磁場パルスGssと共に印
加され、読出し方向の傾斜磁場パルスGroの印加と共に
各エコー信号Ed(n) が収集される。位相エンコード用
傾斜磁場パルスGpeは、本スキャンでのk空間の中心を
含むデータラインを収集するときのショットと同じ強度
変化に設定されている。この結果、プリスキャンDにお
ける傾斜磁場パルスは、本スキャンでのk空間の中心を
含むデータラインを収集するときのショットと同じ波形
に設定されている(この点は、従来および第1の実施形
態に係るプリスキャンのパルスシーケンスと異なる)。
しかし、高周波パルスに関しては、前述した第1の実施
形態におけるプリスキャンBと同様に、偶数番目の高周
波反転パルスRFre2 ,RFre4 ,…の印加位相をさら
に180°だけ回転させ、φ=270°に設定されてい
る。
【0081】ここでも、何等かの原因に因り原子核スピ
ンに位相ずれがある場合、最初のエコー信号E(1) 以外
のエコー信号E(2) ,E(3) ,…のそれぞれは、2つの
エコー成分、すなわち主エコー成分Emain(2) (Emain
(3) ,…)と副エコー成分Esub(2)(Esub(3),…)と
に分かれ(図11参照)、しかも偶数番目の高周波反転
パルスRFre2 ,RFre4 ,…の印加位相φを180°
だけ余計に回転させているため、偶数番目の副エコー成
分Esub(2),Esub(3),…の位相arg{Esub(n)} だけが
プリンスキャンC時のそれに対して180°回転する。
【0082】いま、プリスキャンCで得られたエコー信
号をEc(n) 、プリスキャンDで得られたエコー信号を
Ed(n) とする。両方のプリスキャンにおいて実効エコ
ー時間に相当する位置、すなわち第neff 番目のエコー
信号E(neff )(図10、11の例では第3番目のエ
コー信号E(3) )を除くエコー信号には位相エンコード
が施されている。そこで、本スキャン時の補正量演算に
使用できるエコー信号は、実効エコー時間に相当する位
置、すなわち第3番目のエコー信号Ec(3)、Ed
(3)のみとなる。
【0083】次いでコントローラ6は、第neff 番目の
エコー信号E(neff )に相当する第3番目のエコー信
号E(3) の主エコー成分Emain(3) 及び副エコー成分E
sub(3)を、
【数14】 に基づく、
【数15】 の演算を行って求める(図9ステップS13)。この演
算により抽出された主エコー成分Emain(3) 及び副エコ
ー成分Esub(3)を図12に示す。本実施形態では第n
eff 番目のエコー信号E(neff )に相当する第3番目
のエコー信号E(3)の内、副エコー信号Esub(3)同士の
位相が180°異なるため、上述のように、主エコー信
号Emain(3) は加算平均により抽出され、副エコー信号
Esub(3)は引算平均により抽出される。
【0084】さらにコントローラ6はこれらのエコーデ
ータに基づいて第3番目のエコー信号E(3) の主エコー
成分のピークの位相ずれφmain(3) 及び位置ずれpmain
(3)ならびに副エコー成分のピークの位相ずれφsub(3)
及び位置ずれpsub(3)を演算する(図9ステップS1
4)。
【0085】次いで、従来手法と同様に、同一番目nの
主エコー成分と副エコー成分の位相差
【数16】φmain(neff )−φsub (neff ) 、および、ピーク位置の差
【数17】pmain(neff )−psub (neff ) の値、すなわち、ここでは、
【数18】 の値に基づいて、本スキャン時における、高周波パルス
RFの印加位相φの補正量Δφ又はスライス用傾斜磁場
パルスGssの補正量ΔGss、およびリード方向傾斜磁場
パルスGroの補正量ΔGroを演算する(同図ステップS
15)。なお、第neff 番目が奇数か偶数かにより上記
補正のための演算結果の極性が反転するので、常に同一
極性となるように減算の順を統一する。
【0086】最後に、コントローラ6はマルチプレクサ
11のスイッチ経路を再構成ユニット12側に切換え、
シーケンサ5に対して図12に示すパルスシーケンスに
基づく本スキャンを実行させる(図9ステップS1
6)。
【0087】本スキャンでは同図に記載しているよう
に、上述の補正演算結果を反映させたパルスシーケンス
が用いられる。すなわち、最初にスライス用傾斜磁場パ
ルスGssと共に印加される高周波励起パルスRFex(フ
リップ角θ=α(ここでは90°)の印加位相φがφ=
Δφの値であるか、または、このスライス用傾斜磁場パ
ルスGssの後に印加する、極性反転したディフェイズ防
止用のスライス方向傾斜磁場パルスGssの強度がΔGss
だけ補正された値となっている。また同時に、そのディ
フェイズ防止用のスライス方向傾斜磁場パルスGssと並
行して印加するリード方向傾斜磁場パルスGroの強度は
ΔGroだけ補正された値となっている。
【0088】以下、前述した図7と同様に、複数の高周
波反転パルスRFre1 ,RFre2 ,…を使って、原子核
スピンの位相反転に伴うエコー信号E(1) ,E(2) ,…
が順次収集される。この本スキャンにより収集されたエ
コー信号E(n)は順次、受信機8Rを介してエコーデー
タとして再構成ユニット12に入力し、フーリエ変換法
によりMR画像に再構成される。
【0089】このように本実施形態によれば、前述した
第1の実施形態における利点に加えて、位相エンコード
方向の傾斜磁場パルスに起因する位相ずれ成分の内、空
間的に一様な位相ずれ成分、つまり0次成分を好適に補
正することができ、本スキャンのパルスシーケンスに対
する補正精度がより一層向上するという利点が得られ
る。
【0090】なお、本実施形態における補正量Δφ、Δ
Gss、ΔGroの算出法は前述したものに限定されること
なく、例えば、プリスキャンで得たエコーデータに1次
元のフーリエ変換をkr方向について施し、読出し方向
の位相分布曲線を得て、その曲線の傾きと切片、つまり
位相分布曲線の読出し方向の1次成分および0次成分を
求め、この1次成分および0次成分に基づいてエコーピ
ークの位置ずれ、位相ずれを求めるようにしてもよい。
【0091】(第2の実施の形態の変形)上記第2の実
施形態の変形形態を図14〜図18に基づき説明する。
この変形形態は、上述したFSE法に代えて、GRAS
E法を適用したものであり、シーケンサ5はコントロー
ラ6からの指令に応答してプリスキャン時及び本スキャ
ン時ともにGRASE法のパルスシーケンスを指令でき
るようになっている。
【0092】コントローラ6は図14に示す一連の処理
を実行する。
【0093】まず、コントローラ6はマルチプレクサ1
1のスイッチ経路をコントローラ6側に切り換えた状態
で、GRASE法に係る2種類のプリスキャンE,Fの
実行を順次、シーケンサ5に指令し、収集されたエコー
信号を入力する(図14ステップS21,S22)。最
初のプリスキャンEについては図15に、後のプリスキ
ャンFについては図16に、パルスシーケンスをそれぞ
れ示す。
【0094】この2種類のプリスキャンE,Fのパルス
シーケンスは、第2の実施形態に係る図10、11のそ
れと同一の1つの高周波励起パルスRFexおよび複数の
高周波反転パルスRFre1 ,RFre2 ,…を夫々使用
し、かつ、高周波反転パルス間において読出し用傾斜磁
場パルスGroを3回極性反転してエコー信号Ee(m,n)、
Ef(m,n)を夫々収集する。このときの位相エンコード用
傾斜磁場パルスGpeは本スキャンでのk空間の中心を含
むデータラインを収集するときのショットと同じ強度変
化に夫々設定されている。
【0095】この両方のプリスキャンE,Fにおいて、
何等かの原因に因り原子核スピンに位相ずれがある場
合、前述と同様に、最初のエコー信号E(1,1) 〜E(1,
3) 以外のエコー信号E(2,1) ,E(2,2) ,(2,3) ,E
(3,1) ,…のそれぞれは、2つのエコー成分、すなわち
主エコー成分Emain(2,1) (Emain(2,2) ,Emain(2,
3),Emain(3,1) ,…)と副エコー成分Esub(2,1)(E
sub(2,2),Esub(2,3),Esub(3,1),…)とに分かれる
(その一例を、エコー信号E(3,2) について図15〜1
7に示す)。しかも、後の方のプリスキャンFでは、偶
数番目の高周波反転パルスRFre2 ,RFre4 ,…の印
加位相φを180°だけ余計に回転させ、φ=270°
としているため、偶数番目の副エコー成分の位相だけが
プリスキャンE時のそれに対して180°回転する。
【0096】いま、プリスキャンEで得られたエコー信
号をEe(n,m)、プリスキャンFで得られたエコー信号を
Ef(n,m)とする。両方のプリスキャンにおいて実効エコ
ー時間に相当する位置、すなわち第neff 番目のエコー
信号E(neff ,m' )(図15、16の例では第3番目
のエコー信号中の信号E(3,2) )を除くエコー信号には
位相エンコードが施されている。そこで、本スキャン時
の補正量演算に使用できるエコー信号は、実効エコー時
間に相当する位置、すなわち第3番目のエコー信号中の
信号E(3,2) のみとなる。
【0097】次いでコントローラ6は、ここではエコー
信号E(3,2) の主エコー成分Emain(3.2) 及び副エコー
成分Esub(3,2)を、
【数19】 の演算を行って求める(図14ステップS23)。この
演算により抽出された主エコー成分Emain(3,2) 及び副
エコー成分Esub(3,2)を図17に示す。
【0098】さらにコントローラ6はこれらのエコーデ
ータに基づいてエコー信号E(3,2)の主エコー成分のピ
ークの位相ずれφmain(3,2) 及び位置ずれpmain(3,2)
ならびに副エコー成分のピークの位相ずれφsub(3,2)及
び位置ずれpsub(3,2)を演算する(図14ステップS2
4)。
【0099】次いで、従来手法と同様に、同一番目nの
主エコー成分と副エコー成分の位相差の値、すなわち、
ここでは、
【数20】 の値に基づいて、本スキャン時における、高周波パルス
RFの印加位相φの補正量Δφ又はスライス用傾斜磁場
パルスGssの補正量ΔGss、およびリード方向傾斜磁場
パルスGroの補正量ΔGroを演算する(同図ステップS
25)。
【0100】最後に、コントローラ6はマルチプレクサ
11のスイッチ経路を再構成ユニット12側に切換え、
シーケンサ5に対して図18に示すパルスシーケンスに
基づく本スキャンを実行させる(図14ステップS2
6)。本スキャンでは同図に記載しているように、最初
にスライス用傾斜磁場パルスGssと共に印加される高周
波励起パルスRFexの印加位相φがφ=Δφの値である
か、または、このスライス用傾斜磁場パルスGssの後に
印加する、極性反転したディフェイズ防止用のスライス
方向傾斜磁場パルスGssの強度がΔGssだけ補正された
値となっている。また同時に、そのディフェイズ防止用
のスライス方向傾斜磁場パルスGssと並行して印加する
リード方向傾斜磁場パルスGroの強度はΔGroだけ補正
された値となっている。
【0101】このように本実施形態によれば、前述した
第1及び第2の実施形態における利点が得られる。さら
に、GRASE法はFSE法とは異なり、位相エンコー
ド用傾斜磁場パルスの波形の形状は高周波反転パルス間
であまり変化させないことから、位相エンコードに拠る
位相誤差の発生パターンが規則的となり、したがって図
18に斜線で示すΔGss、ΔGroの補正によってアーチ
ファクトを効果的に低減させることができる。
【0102】(第3の実施の形態)さらに、第3の実施
形態に係るMRI装置を図19〜図23を参照して説明
する。この実施形態においても2種類のプリスキャン
G,Hを使用するが、そのスキャン時に位相エンコード
量を本スキャンと同様に各エコーに施すようにしたもの
である。ここでは、パルスシーケンスがGRASE法で
ある場合について説明する。
【0103】このMRI装置も前述した各実施形態のも
のと同一の構成であり、コントローラ6は図19に示す
処理を実行する。
【0104】コントローラ6は、マルチプレクサ11の
スイッチ経路をコントローラ6側に切り換え、GRAS
E法に係る2種類のプリスキャンG,Hの実行を順次、
シーケンサ5に指令し、収集されたエコー信号を入力す
る(図19ステップS31,S32)。
【0105】図20に示す最初のプリスキャンG及び図
21に示す次のプリスキャンHは共にこれまでのものと
は異なり、位相エンコード用傾斜磁場パルスGpeを本ス
キャン時と同じように各エコーEg(n,m)又はEh(n,m)に
施す位相エンコード量を各ショット毎に変化させる。こ
の位相エンコードの付与は、k空間上の全面又は一部に
当たる未調整状態の2次元のエコーデータを収集するた
めである。高周波パルスRFex、RFre1,RFre2,…の
印加位相は、前述した第1の実施形態の2種類のプリス
キャンA,Bの場合と同じに変化させる。このため、2
次元のエコーデータは高周波パルスの印加位相の組み合
わせを変えて2組、すなわちEg(n,m)又はEh(n,m)、収
集される。
【0106】上記プリスキャンG,Hでは、一例とし
て、GRASE法の高周波反転パルス数=5、隣接する
高周波反転パルス間のグラジェントエコー数=3とし、
1ショット当たりの合計エコー数=15のパルスシーケ
ンスの場合を示している。図面上には、表示の関係で、
2ショット、画像の位相エンコード方向のマトリクス=
30のときの傾斜磁場波形のみを表してあるが、ショッ
ト数は、実効エコー時間に相当する第neff 番目のエコ
ー信号のみで、画面の位相エンコード方向の1次の位相
変化を安定して測定できるだけのショット数、例えば8
ショット以上(これをk空間上のデータで表現すると、
k空間の中心位置を含むデータラインを中心として、隣
接するエコーデータライン数が8ライン以上)であるこ
とが望ましい。
【0107】いま、何等かの原因に因り原子核スピンに
位相ずれがある場合、最初のエコー信号E(1,m) 以外の
エコー信号E(2,m) ,E(3,m) ,…のそれぞれは、2つ
のエコー成分、すなわち主エコー成分Emain(2,m) (E
main(3,m) ,…)と副エコー成分Esub(2,m)(Esub(3,
m),…)とに分かれる(例えば、図20、21中のエコ
ー信号Eg(3,2)、Eh(3,2)参照)。しかも後の方のプリ
スキャンHでは、偶数番目の高周波反転パルスRFre2
,RFre4 ,…の印加位相φを180°だけ余計に回
転させているため、偶数番目の副エコー成分Esub(2,
m),Esub(4,m),…の位相だけがプリンスキャンG時の
それに対して180°回転する。
【0108】前述した各実施形態のときの同様に、図2
2に示す如く、最初のプリスキャンGで得られた2次元
のエコー信号をEg(n,m)、次のプリスキャンHで得られ
たエコー信号をEh(n,m)とすると、k平面上の2次元の
主エコー成分Emain(n,m) 、2次元の副エコー成分Esu
b(n,m)は、
【数21】 で抽出される。
【0109】このため、両方のプリスキャンにおいて実
効エコー時間に相当する位置、すなわち第neff 番目の
エコー信号E(n,m) を例えばE(3,2) とすると、
【数22】 により主エコー成分Emain(3,2) 及び副エコー成分Esu
b (3,2) が抽出される。(図19ステップS33)。抽
出されたエコー成分Emain(3,2) 、Esub (3,2)を図2
2(c),(d)にそれぞれ例示する。第neff 番目に
相当する2組の2次元エコー信号E(3,2) の内、副エコ
ー信号Esub(3,2)同士の位相が180°異なるため(図
21、22では一方を点線で示す)、上述のように、主
エコー信号Emain(3,2) は加算平均により抽出され、副
エコー信号Esub(3,2)は引算平均により抽出される。
【0110】さらにコントローラ6はこれらのk平面上
の2次元のエコーデータEmain(3,2) 、Esub(3,2)に基
づいて第(3,2) 番目のエコー信号E(3,2) の主エコー成
分のピークの位相ずれφmain(3.2) 及び位置ずれpmain
(3,2) ならびに副エコー成分のピークの位相ずれφsub
(3,2)及び位置ずれpsub(3,2)を演算する(図19ステ
ップS34)。ここで、位置ずれpmain(3,2) 、psub
(3,2)は共に2次元のベクトル量である。
【0111】次いで、前記(1),(2)式に基づいて
同一(3,2) 番目の主エコー成分と副エコー成分の位相差
【数23】φmain(3,2) −φsub(3,2) 、および、ピーク位置ベクトルの差
【数24】pmain(3,2) −psub(3,2) を演算し、この値に基づいて本スキャン時における、高
周波パルスRFの印加位相φの補正量Δφ、スライス用
傾斜磁場パルスGssの補正量ΔGss、リード用傾斜磁場
パルスGroの補正量ΔGro、位相エンコード用傾斜磁場
パルスGpeの補正量ΔGpeをそれぞれ演算する(同図ス
テップS35)。なお、第neff 番目が奇数か偶数かに
より上記補正のための演算結果の極性が反転するので、
常に同一極性となるように減算の順を統一する。
【0112】最後に、コントローラ6はマルチプレクサ
11のスイッチ経路を再構成ユニット12側に切換え、
シーケンサ5に対して図23に示すパルスシーケンスに
基づく本スキャンを実行させる(図19ステップS3
6)。
【0113】本スキャンでは同図に記載しているよう
に、上述の補正演算結果を反映させたパルスシーケンス
が用いられる。すなわち、最初にスライス用傾斜磁場パ
ルスGssと共に印加される高周波励起パルスRFex(フ
リップ角θ=α(ここでは90°)の印加位相φがφ=Δ
φの値であるか、または、このスライス用傾斜磁場パル
スGssの後に印加する、極性反転したディフェイズ防止
用のスライス用傾斜磁場パルスGssの強度がΔGssだけ
補正された値となっている。また同時に、そのディフェ
イズ防止用のスライス方向傾斜磁場パルスGssと並行し
て印加するリード用傾斜磁場パルスGroの強度はΔGro
だけ補正された値で、かつ位相エンコード用傾斜磁場パ
ルスGpeの強度はΔGpeだけ補正された値となってい
る。
【0114】以下、前述した実施形態と同様に、複数の
高周波反転パルスRFre1 ,RFre2 ,…を使って、原
子核スピンの位相反転に伴うエコー信号E(n,m) が順次
収集され、MR画像に再構成される。
【0115】このように本実施形態によれば、第1、第
2の実施形態における利点に加えて、位相エンコード方
向の傾斜磁場パルスに起因する位相ずれ成分の内、位相
エンコード方向に1次の空間分布を持つ成分までをも好
適に補正することができ、本スキャンのパルスシーケン
スに対する補正精度を著しく向上させ、高画質のMR画
像を提供できるという利点が得られる。
【0116】なお、本実施形態における補正量Δφ、Δ
G(ΔGss、ΔGro、ΔGpe)の算出法は前述したもの
に限定されない。例えば、プリスキャンで得た2次元の
エコーデータから一度、2次元画像を再構成し、読出し
方向及び位相エンコード方向の位相分布曲線の傾きと切
片、つまり位相の読出し方向及び位相エンコード方向の
1次成分及び0次成分を求める。そして、この1次成分
および0次成分に基づいてエコーピークの位置ずれ、位
相ずれを求め、本スキャンのシーケンスの補正量Δφ、
ΔGを算出するようにしてもよい。
【0117】また、上記各実施形態は2次元スキャンで
説明してきたが、3次元スキャンやそれ以上の次元のス
キャンについても、ベクトルの次元を増加させることで
同様に補正できる。
【0118】(第4の実施の形態)さらに、第4の実施
形態に係るMRI装置を図24、25に基づき説明す
る。この実施形態は、2種類のプリスキャンを行うこと
は従前と同じであるが、プリスキャンの特質を考慮し、
プリスキャン時にはその特質に合致した撮像対象を使用
するようにしたものである。
【0119】使用するMRI装置は第1の実施形態のも
のと同一の構成であり、コントローラ6は図24及び図
25に示す一連の処理を実行する。図24はプリスキャ
ン時の処理を、図25は本スキャン時の処理をそれぞれ
示している。
【0120】プリスキャンは、傾斜磁場コイルのような
ハードウエアの不完全性に因る主エコー成分と副エコー
成分の位相誤差を測定することが目的である。このた
め、プリスキャン時の被検体(撮像対象)は実際のMR
画像を得る本スキャン時の被検体と同一である必要な無
い。そこで、この実施形態ではプリスキャン時に実際の
被検体の代わりにファントムを使用する。ファントムと
しては、測定精度を確保する必要上、なるべく信号値分
布が一様なものが望ましく、例えばアクリル樹脂容器に
硫酸銅水溶液を満たしたファントムが良い。
【0121】このようなファントムを磁石1の診断用空
間に設置した後、コントローラ6に指令を与えること
で、コントローラ6は図24のプリスキャン時の処理を
開始する。
【0122】コントローラ6はまず、図24のステップ
S41で、2種類のプリスキャンG,Hの撮像条件であ
る分解能及びスライス厚を決定する。プリスキャンG,
Hは前述した第3の実施形態で説明したものと同じで、
GRASE法に係るパルスシーケンスを使用する。次い
でステップS42にて、決定した撮像条件にしたがった
2種類のプリスキャンG,Hを順次実行させる。次いで
ステップS43にて、第3の実施形態のときと同様に演
算処理を行い、第neff 番目(=(n,m) 番目)に相当す
るエコー信号E(n,m) の主エコー成分Emain(n,m) 、副
エコー成分Esub (n,m) を、
【数25】 の式に基づき抽出する。
【0123】さらにステップS44に移行し、主エコー
成分Emain(n,m) 、副エコー成分Esub (n,m) それぞれ
の位相誤差の空間分布の0次、1次の成分φmain(n,m)
、pmain(n,m) 、φsub(n,m)、psub(n,m)を求める。
さらにステップ45で、前記(1),(2)式に基づく
主エコー成分と副エコー成分の位相差、および、ピーク
位置ベクトルの差を演算する。ステップ46では、これ
らの差情報を、プリスキャンの空間分解能、スライス厚
の情報とともに補正用データとして例えば、記憶ユニッ
ト13に格納する。
【0124】本スキャンが指令されると、コントローラ
6は図25の処理を開始する。最初に図25のステップ
S51にて、オペレータから与えられた情報を参照する
などの手法で、本スキャンの撮像条件である分解能、ス
ライス厚を決める。次いでステップS52に移行し、予
めプリスキャン時に記憶した、プリスキャンG,Hの撮
像条件(分解能、スライス厚)並びに主エコー成分と副
エコー成分の位相差およびピーク位置ベクトルの差を補
正用データとして読み出す。
【0125】そして、ステップS53で、読み出して補
正用データに基づいて前述と同様に補正量Δφ、ΔGを
算出する。このとき、本スキャンの撮影条件、画像の各
方向の空間分解能をプリスキャン時のそれらと比較し、
それらの比率に応じて補正量Δφ、ΔGを求めるように
する。さらに、ステップS54にて、補正量Δφ、ΔG
を反映させたパルスシーケンスにより本スキャンの実行
をシーケンサ5に指令する。
【0126】このように理想的な信号値分布のファント
ムを使ってプリスキャンを実施することで、正確度を増
した補正データを得ることができる。プリスキャン時に
撮像対象が動いて、位相誤差の補正データの正確度が下
がることも無く、撮像対象からの信号の変化に影響を受
けることもなく、安定かつ正確な補正データを収集し
て、本スキャンを実施できる。患者にとっては、位相誤
差の補正データを収集するためのプリスキャンが不要に
なるから、本スキャンのみで済み、患者の拘束時間が減
り、診断を受け易くもなる。
【0127】なお、本実施形態において、位相エンコー
ド方向の位相誤差分布が無視できるほど小さい場合、第
1の実施形態におけるプリスキャンA,Bのように位相
エンコードを零としたプリスキャンを行い、位相エンコ
ード方向以外の方向の位相誤差分布だけを測定し、この
位相誤差情報に基づいて補正を実施するようにしてもよ
い。また必要に応じて、第2の実施形態のプリスキャン
C,Dでみられたように、位相エンコード方向の傾斜磁
場に因る0次の位相誤差成分も含めた位相誤差分布の得
るプリスキャンを実施してもよい。
【0128】(第4の実施の形態の変形)上記第4の実
施形態をさらに変形した例を図26、図27に基づき説
明する。この変形形態に係るMRI装置は、傾斜磁場の
各物理チャンネルの位相誤差特性を予め2種類のプリス
キャンG,H(第4の実施形態と同一のプリスキャン)
により収集しておき、本スキャンのときには、断面方
向、分解能、スライス厚などの傾斜磁場に関連した撮影
条件からパルスシーケンスの補正量Δφ、ΔGを算出
し、本スキャンを実施するものである。これにより、後
述するように、本スキャンと同じ断面方向のプリスキャ
ンを実行しなくても任意方向の断面の撮像時におけるシ
ーケンスの補正量Δφ、ΔGを求めることができる。
【0129】コントローラ6は、前述の図24の処理に
代えて、図26、27の処理を実施するとともに、前述
した図25の処理を実施する。
【0130】図26の処理は、プリスキャンを含むもの
で、補正用傾斜磁場係数マトリクスKp,ro、Kp,pe,K
p,ssの各要素(配列αで表示)の算出手順を示す。図2
7の処理は、補正用高周波位相係数ベクトルKφ,ro 、
Kφ,pe 、Kφ,ss の各要素(配列βで表示)の算出手
順を示す。
【0131】また、補正用傾斜磁場係数マトリクスKp,
ro、Kp,pe,Kp,ssの各要素と配列αの各要素との対応
関係は、以下の式(9)により表される。
【0132】
【数26】 補正用高周波位相係数ベクトルKφ,ro 、Kφ,pe 、K
φ,ss の各要素と配列βの各要素との対応関係は、以下
の式(10)により表される。
【0133】
【数27】 補正用傾斜磁場係数マトリクスKp,ro、Kp,pe,Kp,ss
と補正用傾斜磁場ΔGとの対応関係は、以下の式(1
1)により表される。
【0134】
【数28】 補正用高周波位相係数ベクトルKφ,ro 、Kφ,pe 、K
φ,ss と高周波パルスの印加位相の補正量Δφとの対応
関係は、以下の式(12)により表される。
【0135】
【数29】 さらに、撮像断面方向の回転を表すマトリクスRの定義
を式(13)に、補正用傾斜磁場ΔGの各要素を式(1
4)に夫々示す。
【0136】
【数30】
【数31】
【0137】また、M,imgCh をイメージングチャンネ
ル imgCh 方向(パルスシーケンスに関係するRO,PE,SS
の方向)の空間周波数の大きさとし、M, phCh を物理
的なチャンネルphCh 方向(X,Y,Zの傾斜磁場コイ
ルに関係した物理的なチャンネルの方向)の空間周波数
の大きさとすると、それらと撮像断面の方向を示す回転
マトリクスRとは前述した式(13)で結合されている
とする。
【0138】式(9),(11)に示す如く、
【数32】α[ imgCh ][phCh1][phCh2] は、 imgCh をphCh1に対応させると、phCh2方向の1
次の位相分布をどの程度補正するかを示す係数である。
式(11)中のTは補正用傾斜磁場の時間幅であり、同
式中のF,imgCh は添字のイメージングチャンネル img
Ch について、基準とする撮像条件を得るために必要な
強度の傾斜磁場に対する実際のスキャンの傾斜磁場強度
の比であり、同式中のMo, imgCh はその imgCh 方向
の基準とする空間周波数の大きさである。
【0139】また式(10),(12)に示す如く、
【数33】β[ imgCh ][phCh ] は、パルスシーケンスに関係するRO,PE,SSのイメージン
グチャンネル imgCh を物理チャンネルphCh に対応さ
せると、0次の位相分布をどの程度補正させるかを示す
係数である。式(12)中のF,imgCh は式(11)と
同じ値である。
【0140】続いて、コントローラ6によって実施され
る、図26に示す補正用傾斜磁場係数マトリクスの各要
素の算出手順を説明する。まず、マトリクスの内のどの
要素を求めるかを選択する(同図ステップS61)。次
いで、その要素に関係する断面方向を選択する(ステッ
プS62)。マトリクスのある要素を求めるには、撮像
条件をいくつか変え、それぞれの撮像条件におけるスピ
ンの位相ずれ分布を求め、比較する必要がある。
【0141】そこで、収集回数カウント用の変数i=0
に初期設定した後(ステップS63)、目的とするマト
リクス要素が抽出できるように空間分解能、スライス厚
などの撮像条件を決める(ステップS64)。傾斜磁場
コイルあるいはシーケンスの特性上、いくつかのマトリ
クス要素が明らかに零と見做せる場合、収集回数を減ら
すことも可能である。
【0142】次いで、前述した第4の実施形態に係る図
24のプリスキャンG,H(図24のステップS42〜
S44を含む一連の処理)を実施する(図26ステップ
S65)。次いで、プリスキャンにより求めた主エコー
成分及び副エコーせいぶんの位置ずれを示す2次元ベク
トルpmain及びpsub から、それらのピーク位置ベクト
ルの差を、変数i毎に、
【数34】ΔPi =pmain−psub より演算する(ステップS66)。
【0143】次いでコントローラ6はステップS67に
処理を移行させて、撮像条件が残っているかどうかを判
断し、未だ撮像条件があるならば変数iをインクリメン
トし(i=i+1)、ステップS64に戻る。これによ
り、ステップS64〜S66の処理が1回又は複数回実
行され、異なる(又は一つの)撮像条件で上記ピーク位
置ベクトルの差ΔPiが求められる。
【0144】上記ステップS67の判断でNOとなり、
予め定めた撮像条件におけるプリスキャンが全部終了し
たと判断すると、コントローラ6は次いで、撮像条件の
情報とピーク位置ベクトルの差ΔPiとに基づいて対応
するマトリクス要素の補正量
【数35】Δα[ imgCh ][phCh1][phCh2] を決める(ステップS69)。この補正量Δα[ imgC
h ][phCh1][phCh2]を用いて、対応するマトリク
ス要素
【数36】 を求める(ステップS70)。この一連の処理を、ステ
ップS61で予め選択した要素α全てについて実施する
(ステップS71)。
【0145】一方、図27に示す補正用高周波位相係数
ベクトルの各要素も上述の図26の場合と同様の流れで
算出される(図27ステップS81〜91参照)。ステ
ップS81では補正用高周波位相係数ベクトルの求める
要素β[ imgCh ][phCh]が予め選択される。ステ
ップS86では、前述したプリスキャンG,H及びその
後処理演算に基づいて主エコー成分と副エコー成分の位
相差
【数37】Δφi=φmain−φsub が撮像条件語とに演算される。さらにステップS89
で、撮像条件の情報と位相差Δφiとに基づいて対応す
るベクトル要素の補正量
【数38】Δβ[ imgCh ][phCh ] が決められ、ステップS90で、対応するベクトル要素
【数39】 が求められる。
【0146】このように求められた補正用傾斜磁場係数
マトリクス及び補正用高周波位相係数ベクトルは、記憶
ユニット13又は内部メモリに格納される。そして、本
スキャンの際、図25で説明した処理が実行される。つ
まり、本スキャンの撮像条件を決定し(同図ステップS
51)、格納していた補正用傾斜磁場係数マトリクス及
び補正用高周波位相係数ベクトルを読出し(同図ステッ
プS52)、式(11)及び(12)に基づいて印加位
相の補正量Δφ及び傾斜磁場の補正量ΔGが算出される
(ステップS53)。これらの補正量Δφ、ΔGを加味
したパルスシーケンスの本スキャンが実行される(ステ
ップS54)。
【0147】このように処理することで、本スキャンと
同じ断面方向のプリスキャンが不要になり、そのような
プリスキャンを行うことなく、任意方向の断面を撮像
(本スキャン)できる。
【0148】この変形形態に係る撮像手法の特質を従来
技術との対比で詳述する。従来技術の項で述べた米国特
許第5378985号、及び特開平6−54827号公
報の記載手法において補正を行っている要素は、前述の
補正用傾斜磁場係数マトリクスの内、Kp,ro、Kp,ssの
要素、及び補正用高周波位相係数ベクトルの内、Kφ,r
o 、Kφ,ss の要素に相当すると考えてよい。各要素の
分離も明確ではないため、プリスキャンは本スキャンの
直前に実施し、しかも本スキャンと同じ断面方向、空間
分解能、スライス厚に設定する必要があった。
【0149】これに対し、この変形形態では、従来の要
素に加えて、従来では補正不可能であった補正用傾斜磁
場係数マトリクスのKp,peの対角要素、及び補正用高周
波位相係数ベクトルKφ,pe も補正される。この補正さ
れる要素の増加に加えて、本変形形態では、全ての補正
用傾斜磁場係数マトリクスの非対角要素がそれぞれ独立
に測定及び補正できるため、本スキャンとプリスキャン
との撮像断面方向が異なる場合でも補正量が算出され
る。しかも、高周波パルスの位相と傾斜磁場を補正する
ことで、かかるマトリクス及びベクトルのほとんどの要
素が補正される。ゆえに、同一の傾斜磁場コイルのMR
I装置であっても、本変形形態にかかるMRI装置の方
が従来よりも格段に安定した高画質のMR画像を再構成
できる。
【0150】なお、上述した式(11),(12)など
の演算モデルは、傾斜磁場システムの特性に応じて適宜
変更可能なものである。
【0151】(第5の実施の形態)さらに第5の実施形
態の係るMRI装置を図28〜図33に基づいて説明す
る。この実施形態は、従前のものとは異なり、本スキャ
ンにおけるパルスシーケンスの高周波パルスの印加位相
や傾斜磁場の波形を補正することはせずに、2次以上の
高次の位相分布誤差を含む位相誤差を的確に補正したM
R画像を得るようにしたものである。
【0152】MRI装置のハードウエアはこれまでのも
のと同一の構成であり、コントローラ6は図28に示
す、プリスキャン及び本スキャンを組み合わせた一連の
処理を実行する。ここではFSE法を使っている場合を
例示する。
【0153】まず、コントローラ6はマルチプレクサ1
1をコントローラ側に切り換えた状態で、2種類のプリ
スキャンA,Bをシーケンサ5に順次実行させる(同図
ステップS91)。このプリスキャンA,Bは第1の実
施形態で説明したものと同一に設定してある。
【0154】そして、プリスキャンA,Bで得られたエ
コー信号Ea(n)、Eb(n)から前述と同様に、主エコー成
分Emain(n) 、副エコー成分Esub(n)を
【数40】 を抽出するとともに、その絶対値|{Ea(n)+Eb(n)}
/2|、|{Ea(n)−Eb(n)}/2|を演算し、その絶
対値を主エコー成分Emain(n) 、副エコー成分Esub(n)
の振幅情報EPmain、EPsub として設定する(ステッ
プS92;図32参照)。
【0155】次いでコントローラ6は、マルチプレクサ
11を再構成ユニット側に切り換え、2種類の本スキャ
ンI,Jをシーケンサ5に順次実行させる(ステップS
93)。この本スキャンI,Jのパルスシーケンスは図
29、30に示す。これらの図に示すように、高周波パ
ルスの印加位相のパターン以外は通常のFSE法と同一
であり、前述した実施形態のように、高周波パルスの印
加位相や傾斜磁場波形を補正するようにはしていない。
最初の本スキャンIにおける高周波パルスの印加位相パ
ターンは、通常のFSE法のときと同一であるが、続く
本スキャンJにおけるそれは、偶数番目の高周波反転パ
ルスのときに印加位相φを180°だけ余計に回転させ
た値に設定してある。つまり、φ=270°であって、
この印加位相のパターンは例えば前述したプリスキャン
Bのときと同一である。
【0156】次いで、コントローラ6は再構成ユニット
11にステップS94以降の処理を自動的に行うよう指
令する。
【0157】この指令に応答して、再構成ユニット11
は、本スキャンI,Jにより得られるエコーデータEi
(n)、Ej(n)を用いてk空間上の2次元分布の主エコー
成分Emain、副エコー成分Esub を抽出分離する(ステ
ップS94)。この処理は前述してきた手法と同一で、
【数41】 の式にしたがって行われる。分離抽出された主エコー成
分Emain、副エコー成分Esub の模式図を図31、32
に示す。主エコー成分Emainは実線で、副エコー成分E
sub は点線で示してある。
【0158】前記式(1),(2)から明らかなよう
に、主エコー成分Emain、副エコー成分Esub のいずれ
においても、位相の値は、奇数番目においてある値φ
1、偶数番目において別のある値φ2というように2つ
の値φ1、φ2を交互に繰り返す。しかも、主エコー成
分Emainにおける奇数番目のエコー信号の位相値と副エ
コー成分Esub 成分における偶数番目のエコー信号の位
相値は、傾斜磁場の規則性を考慮すると、ほとんど場合
ほぼ同一になる。
【0159】この原理にしたがって、再構成ユニット1
1は図32に示す如く、k空間の中心位置に配置するエ
コー信号が偶数番目のときは奇数番目のエコーデータ
を、反対にそのエコー信号が奇数番目のときは偶数番目
のエコーデータを、主エコー成分Emain、副エコー成分
Esub の各k空間上で、エコーブロック毎にそっくり入
れ替えて新たな主エコー成分Emain′、副エコー成分E
sub ′を作る(ステップS95)。この結果、新たなk
空間上の主エコー成分Emain′、副エコー成分Esub ′
ではエコーブロック毎の位相ずれが殆ど無くなって、図
32に示すようにk空間上の配置データの繋がりがほぼ
完全になる。
【0160】しかし、この段階の主エコー成分Emai
n′、副エコー成分Esub ′は共に、k空間上でエコー
ブロック毎に交互に並んでいるだけであるから、図32
中の振幅値のke方向の変化グラフAmain、Asub に示
すように、エコーブロック毎に振幅値のばらつきが存在
している。
【0161】そこで、再構成ユニット11はコントロー
ラ6から前述したプリスキャンA,Bに基づいて作成し
た振幅情報EPmain、EPsub を入力し、これ振幅補正
データとして、主エコー成分Emain′、副エコー成分E
sub ′の振幅値がk空間全体として一定となるようにエ
コーブロック毎に振幅補正を施す(ステップS96)。
この振幅補正により、さらに新たな2組の主エコー成分
Emain”、副エコー成分Esub ”がk空間上で作成され
る(図32参照)。
【0162】次いで再構成ユニット11は、2組の主エ
コー成分Emain”、副エコー成分Esub ”を個別に2次
元フーリエ変換により再構成し、実時間の2枚のMR画
像MRmain、MRsub を夫々作る(ステップS97)。
いずれにk空間のエコーデータEmain”、Esub ”も位
相ずれが殆ど無いので、調整がずれていても再構成され
た画像MRmain、MRsub にゴーストアーチファクトが
発生することは殆ど回避できる。
【0163】再構成ユニット11はさらに、2枚の画像
の同一位置のピクセル信号の位相を互いに揃える処理を
行う(ステップS98)。この処理としては例えば、2
画像の同一位置のピクセル値(複素データ)をIA (r)
,IB (r) とすると(図33参照)、その位相差Δθ
(r) を、
【数42】Δθ(r) =arg{IB (r)}−arg{IA (r)} を求め、
【数43】IB '(r)=IB (r) ・exp{-jΔθ(r)} の関係を使って、最終画像I(r) をピクセル毎に、
【数44】I(r) ={IA (r) +IB '(r)}/2 として求める。
【0164】あるいは、近似的に
【数45】 ここで(IB (r) /IA (r) )は(IB (r) /I
A (r) )の共役複素数、として最終画像I(r) をピクセ
ル毎に求めてもよい。
【0165】さらに、
【数46】 I(r) ={|IA (r) |+|IB (r) |}/2 として最終画像I(r) をピクセル毎に求めてもよい。
【0166】このように互いに同一ピクセル位置の信号
の位相が揃うと、最後に、両方のMR画像MRmain、M
Rsub をピクセル毎に加算し、1枚の最終画像MR
image を作る(ステップS99)。
【0167】このように本実施形態によれば、撮像には
最低2回の本スキャン分の時間が必要になるものの、高
周波パルスの印加位相や傾斜磁場波形の補正では原理的
に補正不可能な2次以上の高次の位相誤差分布が存在す
る場合でも、そのような高次成分を含む位相誤差分布を
確実に解消することができ、画質劣化の無い、安定した
高画質のMR画像を提供できる。また、プリスキャンの
位相情報を使用しない方法を採用しているから、撮像対
象の動きなどに耐性を持ったMRイメージング法を提供
できる。
【0168】なお、上述した第5の実施形態に係る手法
において、振幅補正は状況により不要の場合があるか
ら、プリスキャンA,Bは必ずしも必須要件ではない。
【0169】また高周波反転パルスのフリップ角を下げ
ることで、主エコー成分と副エコー成分の振幅比を変化
させ、k空間上の振幅のばたつきを抑えることもでき
る。かかるフリップ角低下に拠る変形手法の場合、本ス
キャンのパルスシーケンス自体をプリスキャン情報によ
り補正、変更しないので(第5実施形態でもそうであ
る)、プリスキャンに相当するスキャンよりも本スキャ
ンを時間的に先に収集してもよい。
【0170】さらに、第5の実施形態及びその変形形態
に係る手法は、GRASE法など、CPMGパルス系
列、位相反転CPパルス系列にみられる複数の高周波反
転パルスを用いた撮像法に実施できる。
【0171】ただし、GRASE法の場合、k空間上の
位相エンコード方向に並ぶ複数のエコーブロック(エコ
ー配置区画)の偶数番目又は奇数番目のエコーデータを
単純に変換すればよいという順序性は維持されないこと
がある。その一例を図34に示す。同図に示す2つのk
空間データEmain,Esub はGRASE法であって高周
波反転パルス数が奇数(=NRF=3)、高周波反転パル
ス間のグラジェントエコー数NGE=3でエコーデータE
(NRF,NGE)を各々収集したものである。このように
高周波反転パルス数が奇数のときは、各高周波反転パル
ス間における奇数番目(又は偶数番目)のエコーブロッ
クのエコーデータE(NRF,NGE)を、前述した図28
のステップS25に相当する処理において変換して位相
が揃った2つの新たなk空間データEmain′,Esub ′
を形成すればよい。このように、位相ずれの規則性を利
用しているので、GRASE法のような位相エンコード
波形が各高周波反転パルス間であまり形状的に変化しな
い撮像法ではとくに効果的にアーチファクトを低減させ
ることができる。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のMRIパ
ルスシーケンスの自動補正方法及びMRI装置によれ
ば、複数の高周波反転パルスの印加位相を基準位相値に
設定したパルスシーケンスの第1のプリスキャン、及び
複数の前記高周波反転パルスの内の偶数番目の高周波反
転パルスの印加位相を基準位相値に対して180°の位
相差を有する値に設定したパルスシーケンスの第2のプ
リスキャンを各別に実施し、第1のプリスキャンにより
得た複数のエコー信号から成る第1のエコーデータ群と
第2のプリスキャンにより得た複数のエコー信号から成
る第2のエコーデータ群とに基づいて本スキャンのパル
スシーケンスを事前に補正するため、本スキャンのパル
スシーケンスの補正が、従来とは異なり、十分に分離さ
れた主エコー成分及び副エコー成分に基づいて実施され
ることから、従来よりも高周波反転パルスのフリップ角
の変化に高い耐性を発揮でき、安定したプリスキャンと
なり、強いては補正精度が高く、高品質のMR画像を提
供することができる。
【0173】とくに、上記第1、第2のプリスキャンの
パルスシーケンスの位相エンコード用傾斜磁場は、本ス
キャンにおけるk空間の中心位置を含むデータラインに
配置するエコーデータ収集時のショットと同一の位相エ
ンコード用傾斜磁場の波形とすることで、位相エンコー
ド方向の傾斜磁場に起因する位相ずれ成分の内、空間的
に一様な位相ずれ成分(0次成分)を補正できる。また
上記第1、第2のプリスキャンのパルスシーケンスの位
相エンコード用傾斜磁場は、本スキャンにおけるk空間
上の一部又は全面のエコーデータ収集時のショットと同
一の位相エンコード用傾斜磁場の波形とすることで、位
相エンコード方向の傾斜磁場に起因する位相ずれ成分の
内、位相エンコード方向に1次の空間分布を持つ成分も
補正できる。このように、従来では測定不可能であった
位相エンコード方向の傾斜磁場に起因する位相ずれ成分
を好適に補正でき、補正精度がさらに向上し、高画質の
MR画像を提供できる。
【0174】またとくに、前記第1、第2のプリスキャ
ンを実施する対象を、被検体とは異なるファントムとす
ることで、動きの無い一様なMR信号強度分布を持つ理
想的なファントムを予め用意できるから、被検体内の主
なMR信号源が激しく動くような場合でも、正確な補正
データを得て補正精度を向上させることができる一方、
スキャンの際、被検体に対してプリスキャンを行わなく
ても済むため、被検体の拘束時間が少なくなり、MR診
断の容易化を図ることもできる。
【0175】さらに、本発明に係るMRイメージング方
法及びMRI装置によれば、複数の高周波反転パルスの
印加位相を基準位相値に設定し、かつk空間データ収集
用の位相エンコードを施した撮像用パルスシーケンスの
第1のスキャンと、複数の高周波反転パルスの内の偶数
番目の高周波反転パルスの印加位相を基準位相値に対し
て180°の位相差を有する値に設定し、かつk空間デ
ータ収集用の位相エンコードを施した撮像用パルスシー
ケンスの第2のスキャンとを対象物に各別に実施するス
テップと、第1のスキャンにより得た複数のエコー信号
から成る第1のエコーデータ群と第2のスキャンにより
得た複数のエコー信号から成る第2のエコーデータ群と
を加減算して主エコー成分の集合体からなるk空間デー
タとその主エコー成分以外のエコー成分の集合体からな
るk空間データとを分離・抽出するステップと、2組の
k空間データ同士で、k空間上の複数のエコー配置区画
の内の偶数番目又は奇数番目のエコー配置区画のエコー
データを互いに交換するステップと、エコーデータ交換
後の2組のk空間データを各別に再構成して2つの実空
間画像を作るステップと、2つの実空間画像から1つの
実空間画像を形成するステップと、を含むようにしたの
で、例えば、同じ位相誤差分布を持つ奇数番目の主エコ
ー成分と偶数番目の副エコー成分を用いて画像を再構成
し、一方、同じ位相誤差分布を持つ偶数番目の主エコー
成分と奇数番目の副エコー成分を用いて画像を再構成
し、両方の再構成画像を、例えば位相補正を行って位相
干渉が無いようにした状態で加算することで、最終の実
空間画像を得ることができる。この結果、高周波パルス
の印加位相の補正及び/又は傾斜磁場波形の補正だけで
は原理的に補正不可能であった2次以上の高次の位相誤
差分布が在る場合でも、それらまでも含めたトータルの
位相誤差分布の影響を回避でき、画質劣化が極めて少な
い、安定した高画質のMR画像を提供できる。
【0176】このように、本発明によれば、CPMGパ
ルス系列、位相反転CPパルス系列などの複数の高周波
反転パルスを使うパルスシーケンスを用いた撮像におい
て、必要な補正情報の収集と補正を従来よりも系統的に
実施して、かかる補正の精度及び安定性を向上させ、又
は、それらの補正をせずとも位相誤差分布の影響を回避
し、空間分解能、ゴーストアーチファクト、画像コント
ラストなどの面で高画質のMR画像を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の概略を示
すブロック図。
【図2】第1の実施形態におけるコントローラの処理を
示す概略フローチャート。
【図3】第1の実施形態の一方のプリスキャンAを示す
パルスシーケンス。
【図4】第1の実施形態のもう一方のプリスキャンBを
示すパルスシーケンス。
【図5】主エコー成分の分離抽出を示す説明図。
【図6】主エコー成分、副エコー成分の分離抽出を示す
説明図。
【図7】第1の実施形態における本スキャンのパルスシ
ーケンス。
【図8】副エコー信号の180°の位相回転を説明する
ための図。
【図9】第2の実施形態におけるコントローラの処理を
示す概略フローチャート。
【図10】第2の実施形態の一方のプリスキャンCを示
すパルスシーケンス。
【図11】第2の実施形態のもう一方のプリスキャンD
を示すパルスシーケンス。
【図12】主エコー成分、副エコー成分の分離抽出を示
す説明図。
【図13】第2の実施形態における本スキャンのパルス
シーケンス。
【図14】第2の実施形態の変形形態におけるコントロ
ーラの処理を示す概略フローチャート。
【図15】第2の実施形態の変形形態における一方のプ
リスキャンEを示すパルスシーケンス。
【図16】第2の実施形態の変形形態におけるもう一方
のプリスキャンFを示すパルスシーケンス。
【図17】主エコー成分、副エコー成分の分離抽出を示
す説明図。
【図18】第2の実施形態の変形形態における本スキャ
ンのパルスシーケンス。
【図19】第3の実施形態におけるコントローラの処理
を示す概略フローチャート。
【図20】第3の実施形態の一方のプリスキャンGを示
すパルスシーケンス。
【図21】第3の実施形態のもう一方のプリスキャンH
を示すパルスシーケンス。
【図22】主エコー成分、副エコー成分の分離抽出を示
す説明図。
【図23】第3の実施形態における本スキャンのパルス
シーケンス。
【図24】第4の実施形態におけるコントローラのプリ
スキャン時の処理を示す概略フローチャート。
【図25】第4の実施形態におけるコントローラの本ス
キャン時の処理を示す概略フローチャート。
【図26】第4の実施形態の変形形態におけるプリスキ
ャン時の補正用傾斜磁場係数マトリクスの算出処理を示
す概略フローチャート。
【図27】第4の実施形態の変形形態におけるプリスキ
ャン時の補正用高周波位相係数ベクトルの算出処理を示
す概略フローチャート。
【図28】第5の実施形態における画像取得の処理を示
す概略フローチャート。
【図29】第5の実施形態の一方の本スキャンIを示す
パルスシーケンス。
【図30】第5の実施形態のもう一方の本スキャンJを
示すパルスシーケンス。
【図31】2次元k空間上の主エコー成分、副エコー成
分の分離抽出を示す説明図。
【図32】2つの2次元k空間上の主エコー成分、副エ
コー成分から1つの実空間画像までの生成過程を説明す
る図。
【図33】ピクセル同士の位相合わせを説明するための
図。
【図34】エコーデータの変換を示すその他の例の模式
図。
【図35】従来のFSE法の一例を示すパルスシーケン
ス。
【図36】従来のGRASE法の一例を示すパルスシー
ケンス。
【図37】高周波パルスの印加位相φを説明する模式
図。
【図38】位相分散ダイヤグラムの一例の図。
【図39】従来法の一つに係るプリスキャンのパルスシ
ーケンス。
【図40】従来法の一つに係る本スキャンのパルスシー
ケンス。
【図41】従来法のプリスキャンから本スキャンまでの
処理の概略フローチャート。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3x〜3y 傾斜磁場コイル 5 シーケンサ 6 コントローラ 7 高周波コイル 8T,8R 送信機、受信機 11 マルチプレクサ 12 再構成ユニット 13 記憶ユニット

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体のMR画像を得るための本スキャ
    ンの前に、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パル
    スを有しかつその複数の高周波反転パルスの印加位相を
    基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1のプリス
    キャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周波反転パ
    ルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの内の偶数
    番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値に
    対して180°の位相差を有する値に設定したパルスシ
    ーケンスの第2のプリスキャンを各別に実施し、 前記第1のプリスキャンにより得た複数のエコー信号か
    ら成る第1のエコーデータ群と前記第2のプリスキャン
    により得た複数のエコー信号から成る第2のエコーデー
    タ群とに基づいて前記本スキャンのパルスシーケンスを
    事前に補正する、ことを特徴としたMRIパルスシーケ
    ンスの自動補正方法。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2のプリスキャンのパルス
    シーケンス及び前記本スキャンのパルスシーケンスはC
    PMGパルス系列又は位相反転CPパルス系列である請
    求項1記載の自動補正方法。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2のプリスキャンのパルス
    シーケンス及び前記本スキャンのパルスシーケンスはG
    RASE法又は高速SE法に従うパルス系列である請求
    項1又は2記載の自動補正方法。
  4. 【請求項4】 前記第1、第2のプリスキャンのパルス
    シーケンスの位相エンコード用傾斜磁場は常に零である
    請求項1、2又は3記載の自動補正方法。
  5. 【請求項5】 前記自動補正の処理は、 前記第1のエコーデータ群と前記第2のエコーデータ群
    との対応する順番のエコーデータ同士で加算又は減算し
    て主エコー成分から成る主エコー集合体とその主エコー
    成分以外のエコー成分から成る副エコー集合体とを分離
    ・抽出する処理と、 前記主、副エコー集合体に基づいて求めた補正データに
    より前記本スキャンのパルスシーケンスを自動的に補正
    する処理と、を含む請求項4記載の自動補正方法。
  6. 【請求項6】 前記自動補正の処理は、 前記第1のエコーデータ群と前記第2のエコーデータ群
    との対応する順番のエコーデータ同士で加算又は減算し
    て主エコー成分から成る主エコー集合体とその主エコー
    成分以外のエコー成分から成る副エコー集合体とを分離
    ・抽出する処理と、 前記主エコー集合体及び副エコー集合体の各集合体の内
    の奇数番目及び偶数番目のエコーデータのエコーピーク
    の位相ずれ及び位置ずれの少なくとも一方を演算する処
    理と、 この演算値から求めた補正データにより前記本スキャン
    のパルスシーケンスを自動的に補正する処理と、を含む
    請求請4記載の自動補正方法。
  7. 【請求項7】 前記自動補正の処理は、 前記第1のエコーデータ群と前記第2のエコーデータ群
    との対応する順番のエコーデータ同士で加算又は減算し
    て主エコー成分から成る主エコー集合体とその主エコー
    成分以外のエコー成分から成る副エコー集合体とを分離
    ・抽出する処理と、 前記主エコー集合体及び副エコー集合体の各集合体の内
    の少なくとも一部の0次又は1次の位相分布を比較する
    処理と、 この比較結果に応じて求めた補正データにより前記本ス
    キャンのパルスシーケンスを自動的に補正する処理と、
    を含む請求請4記載の自動補正方法。
  8. 【請求項8】 前記補正データは、前記本スキャンのパ
    ルスシーケンスの高周波励起パルスの印加位相の補正
    値、スライス用傾斜磁場の補正値、リード用傾斜磁場の
    補正値の少なくとも一つである請求項5、6又は7記載
    の自動補正方法。
  9. 【請求項9】 前記補正データは、前記高周波励起パル
    スの印加位相の補正値又は前記スライス用傾斜磁場の補
    正値、及び前記リード様傾斜磁場の補正値である請求項
    8記載の自動補正方法。
  10. 【請求項10】 前記第1、第2のプリスキャンのパル
    スシーケンスの位相エンコード用傾斜磁場は、前記本ス
    キャンにおけるk空間の中心位置を含むデータラインに
    配置するエコーデータ収集時のショットと同一の位相エ
    ンコード用傾斜磁場の波形である請求項1、2又は3記
    載の自動補正方法。
  11. 【請求項11】 前記自動補正の処理は、 前記第1のエコーデータ群及び前記第2のエコーデータ
    群の内の時間軸上の実効エコー時間に相当するエコーデ
    ータ同士で加算又は減算して実効エコー時間相当のエコ
    ーデータに関する主エコー成分から成る主エコー集合体
    とその主エコー成分以外のエコー成分から成る副エコー
    集合体とを分離・抽出する処理と、 前記主エコー集合体と副エコー集合体との実効エコー時
    間相当のエコーデータのエコーピークの位相ずれ及び位
    置ずれの少なくとも一方を演算する処理と、 この演算値から求めた補正用データで前記本スキャンの
    パルスシーケンスを自動的に補正する処理とから成る請
    求請10記載の自動補正方法。
  12. 【請求項12】 前記第1、第2のプリスキャンのパル
    スシーケンスの位相エンコード用傾斜磁場は、前記本ス
    キャンにおけるk空間上の一部又は全面のエコーデータ
    収集時のショットと同一の位相エンコード用傾斜磁場の
    波形である請求項1、2又は3記載の自動補正方法。
  13. 【請求項13】 前記自動補正の処理は、 前記第1のエコーデータ群及び前記第2のエコーデータ
    群のエコーデータ同士で加算又は減算してk空間上の2
    次元の主エコー成分から成る主エコー集合体とその主エ
    コー成分以外のエコー成分から成るk空間上の2次元の
    副エコー集合体とを分離・抽出する処理と、 前記主エコー集合体及び副エコー集合体から所望の前記
    主エコー成分のエコーピークの位相ずれと2次元位置ず
    れベクトル及び所望の前記副エコー成分のエコーピーク
    の位相ずれと2次元位置ずれベクトルの少なくとも一方
    を演算する処理と、 この演算値から求めた補正用データで前記本スキャンの
    パルスシーケンスを自動的に補正する処理とから成る請
    求請12記載の自動補正方法。
  14. 【請求項14】 前記第1、第2のプリスキャンを実施
    する対象は、前記被検体とは異なるファントムである請
    求項1乃至13のいずれか一項記載の自動補正方法。
  15. 【請求項15】 前記第1、第2のエコーデータ群とに
    基づく補正処理は、この第1、第2のエコーデータ群に
    基づいてイメージングチャンネルと傾斜磁場コイルの物
    理チャンネルとの組み合わせに対して固有の位相誤差に
    関連する情報を求める処理と、本スキャン時にはその位
    相誤差関連の情報と傾斜磁場に関連した撮像条件とから
    本スキャンのパルスシーケンスの補正データを求める処
    理とを含む請求項1、2又は3記載の自動補正方法。
  16. 【請求項16】 前記撮像条件は、本スキャン時に指定
    される撮像断面の方向、分解能、及びスライス厚を含む
    請求項15記載の自動補正方法。
  17. 【請求項17】 前記高周波反転パルスの印加位相の基
    準位相値は90°であり、前記高周波反転パルスの18
    0°の位相差を有する印加位相値は270°である請求
    項1ないし16の何れか一項記載の自動補正方法。
  18. 【請求項18】 高周波励起パルス及び複数の高周波反
    転パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの印加
    位相を基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1の
    スキャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周波反転
    パルスを有しかつその複数の前記高周波反転パルスの内
    の偶数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位
    相値に対して180°の位相差を有する値に設定したパ
    ルスシーケンスの第2のスキャンを対象物に各別に実施
    するステップと、 前記第1のスキャンにより得た複数のエコー信号から成
    る第1のエコーデータ群と前記第2のスキャンにより得
    た複数のエコー信号から成る第2のエコーデータ群とを
    加算又は減算して主エコー成分の主エコー集合体とその
    主エコー成分以外のエコー成分から成る副エコー集合体
    とを分離・抽出するステップと、を含むMRイメージン
    グ方法。
  19. 【請求項19】 高周波励起パルス及び複数の高周波反
    転パルスを有し、その複数の高周波反転パルスの印加位
    相を基準位相値に設定し、かつk空間データ収集用の位
    相エンコードを施した撮像用パルスシーケンスの第1の
    スキャンと、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パ
    ルスを有し、その複数の高周波反転パルスの内の偶数番
    目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値に対
    して180°の位相差を有する値に設定し、かつk空間
    データ収集用の位相エンコードを施した撮像用パルスシ
    ーケンスの第2のスキャンとを対象物に各別に実施する
    ステップと、 前記第1のスキャンにより得た複数のエコー信号から成
    る第1のエコーデータ群と前記第2のスキャンにより得
    た複数のエコー信号から成る第2のエコーデータ群とを
    加減算して主エコー成分の集合体からなるk空間データ
    とその主エコー成分以外のエコー成分の集合体からなる
    k空間データとを分離・抽出するステップと、 前記2組のk空間データ同士で、k空間上の複数のエコ
    ー配置区画の内の偶数番目又は奇数番目のエコー配置区
    画のエコーデータを互いに交換するステップと、 前記エコーデータ交換後の2組のk空間データを各別に
    再構成して2つの実空間画像を作るステップと、 前記2つの実空間画像から1つの実空間画像を形成する
    ステップと、を含むMRイメージング方法。
  20. 【請求項20】 前記エコーデータの交換ステップは、
    前記2組のk空間データ同士で、k空間上の複数のエコ
    ー配置区画の内の、一つの高周波反転パルスとその次の
    高周波反転パルスの間で生じるエコー信号を配置する偶
    数番目又は奇数番目のエコー配置区画のエコーデータを
    互いに交換するステップである請求項19記載のMRイ
    メージング方法。
  21. 【請求項21】 前記エコーデータの交換ステップは、
    前記2組のk空間データ同士で、k空間上の位相エンコ
    ード方向に並ぶ複数のエコー配置区画の内の偶数番目又
    は奇数番目のエコー配置区画のエコーデータを互いに交
    換するステップである請求項19記載のMRイメージン
    グ方法。
  22. 【請求項22】 前記対象物へのプリスキャンとして、
    高周波励起パルス及び複数の高周波反転パルスを有し、
    その複数の高周波反転パルスの印加位相を基準位相値に
    設定したパルスシーケンスの第1のプリスキャンと、高
    周波励起パルス及び複数の高周波反転パルスを有し、そ
    の複数の高周波反転パルスの内の偶数番目の高周波反転
    パルスの印加位相を前記基準位相値に対して180°の
    位相差を有する値に設定たパルスシーケンスの第2のプ
    リスキャンとを対象物に各別に実施するステップと、 前記第1のスキャンにより得た複数のエコー信号から成
    る第1のエコーデータ群と前記第2のスキャンにより得
    た複数のエコー信号から成る第2のエコーデータ群とを
    加減算して主エコー成分の集合体の振幅値情報とその主
    エコー成分以外のエコー成分の集合体の振幅値情報とを
    分離・抽出するステップと、 前記エコーデータの交換ステップと前記2つの実空間画
    像の再構成ステップとの間で実施するステップであっ
    て、前記2組の集合体の振幅値情報を使って前記エコー
    データ交換後の2組のk空間データの振幅値を補正する
    ステップと、をさらに含む請求項19、20又は21記
    載のMRイメージング方法。
  23. 【請求項23】 前記2つの実空間画像から1つの実空
    間画像を形成するステップは、その2つの実空間画像上
    の少なくとも一部領域の同一ピクセル位置同士のピクセ
    ル信号の位相をその絶対値を変えずに揃える処理を含む
    請求項19乃至22のいずれか一項に記載のMRイメー
    ジング方法。
  24. 【請求項24】 前記位相を揃える処理は、低空間周波
    数のデータのみの位相分布を利用して位相を補正するこ
    とで行う処理である請求項23記載のMRイメージング
    方法。
  25. 【請求項25】 前記位相を揃える処理は、前記2つの
    実空間画像上の全ての領域の同一ピクセル位置同士のピ
    クセル信号の位相をその絶対値を変えずに揃える処理で
    あり、前記2つの実空間画像から1つの実空間画像を形
    成するステップはさらに、位相を揃えた前記2つの実空
    間画像の同一ピクセル位置のピクセル信号同士を加算す
    る処理を含む請求項23記載のMRイメージング方法。
  26. 【請求項26】 前記2つの実空間画像から1つの実空
    間画像を形成するステップは、この2つの実空間画像の
    各ピクセル位置のピクセル信号の絶対値を各画像別に求
    めて2つの絶対値画像を作る処理と、この2つの絶対値
    画像をピクセル毎に加算して前記1つの実空間画像を形
    成する処理とを含む請求項19、20又は21記載のM
    Rイメージング方法。
  27. 【請求項27】 前記高周波反転パルスの印加位相の基
    準位相値は90°であり、前記高周波反転パルスの18
    0°の位相差を有する印加位相値は270°である請求
    項19ないし26の何れか一項記載のMRイメージング
    方法。
  28. 【請求項28】 被検体のMR画像を得るための本スキ
    ャンの前に、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パ
    ルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの印加位相
    を基準位相値に設定したパルスシーケンスの第1のプリ
    スキャン、及び高周波励起パルス及び複数の高周波反転
    パルスを有しかつその複数の高周波反転パルスの内の偶
    数番目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値
    に対して180°の位相差を有する値に設定したパルス
    シーケンスの第2のプリスキャンを各別に実施する手段
    と、 前記第1のプリスキャンにより得た複数のエコー信号か
    ら成る第1のエコーデータ群と前記第2のプリスキャン
    により得た複数のエコー信号から成る第2のエコーデー
    タ群とに基づいて前記本スキャンのパルスシーケンスを
    事前に補正する手段とを備えたことを特徴としたMRI
    装置。
  29. 【請求項29】 高周波励起パルス及び複数の高周波反
    転パルスを有し、その複数の高周波反転パルスの印加位
    相を基準位相値に設定し、かつk空間データ収集用の位
    相エンコードを施した撮像用パルスシーケンスの第1の
    スキャンと、高周波励起パルス及び複数の高周波反転パ
    ルスを有し、その複数の高周波反転パルスの内の偶数番
    目の高周波反転パルスの印加位相を前記基準位相値に対
    して180°の位相差を有する値に設定し、かつk空間
    データ収集用の位相エンコードを施した撮像用パルスシ
    ーケンスの第2のスキャンとを対象物に各別に実施する
    手段と、 前記第1のスキャンにより得た複数のエコー信号から成
    る第1のエコーデータ群と前記第2のスキャンにより得
    た複数のエコー信号から成る第2のエコーデータ群とを
    加減算して主エコー成分の集合体からなるk空間データ
    とその主エコー成分以外のエコー成分の集合体からなる
    k空間データとを分離・抽出する手段と、 前記2組のk空間データ同士で、k空間上の複数のエコ
    ー配置区画の内の偶数番目又は奇数番目のエコー配置区
    画のエコーデータを互いに交換する手段と、 前記エコーデータ交換後の2組のk空間データを各別に
    再構成して2つの実空間画像を作る手段と、 前記2つの実空間画像から1つの実空間画像を形成する
    手段と、を備えることを特徴としたMRI装置。
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