JPH09120269A - 液晶表示装置用駆動回路、液晶表示装置及び液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶駆動電圧の入力数を増加させることな
く、階調数を増加させる。 【解決手段】 電圧選択回路及び電圧選択回路の出力を
サンプルホールドするコンデンサを複数系統設け、それ
ぞれの系統毎にコンデンサの容量値を異ならしめ、これ
らのコンデンサに蓄えられた電荷を短絡して信号電極駆
動信号を生成することにより、２系統の電圧選択回路の
中間の電圧を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置の
多階調表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、液晶表示装置は、テレビあるいは
パーソナルコンピュータ用ディスプレイ用途として、一
層の多階調化が求められている。以下にアクティブマト
リクス型液晶表示装置を例にあげて、従来の技術を説明
する。

【０００３】アクティブマトリクス型液晶表示装置の基
本構成は、複数の走査電極と信号電極との各交点部分に
画素電極及びこれを駆動するためのスイッチング素子が
マトリクス状に形成された一方の基板と、対向電極が形
成された他方の基板との間に液晶物質を封入した液晶パ
ネル、及び液晶パネルの各電極に駆動電圧を印加するた
めの駆動回路部からなる。

【０００４】この駆動回路部は、複数の信号電極に接続
される信号電極駆動回路と、複数の走査線に接続される
走査電極駆動回路と、共通電極に接続される共通電極駆
動回路とを備えている。

【０００５】そして、各信号電極への液晶駆動電圧の供
給は、アナログ画像信号を入力とし、これを順次サンプ
ルホールドすることにより１水平ライン分の並列画像信
号を得るアナログ方式と、デジタル画像信号を入力と
し、このデジタル画像信号を処理することにより１水平
ライン分の並列画像信号を得るデジタル方式とがある。

【０００６】ここで、多階調デジタル画像信号での表示
が可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置の信号電
極駆動回路について図３を参照して説明する。信号電極
駆動回路３０１は、主としてシフトレジスタとラッチ等
によってなる直並列変換回路３０２、ｎ個のデコーダ３
０３、ｎ個の電圧選択回路３０４とによって構成されて
いる。

【０００７】直並列変換回路３０２にはｍビットよりな
る多階調デジタル画像信号ＤＳと、シフトクロック信号
ＣＰＨと、水平スタート信号ＳＴＨとが入力される。こ
の多階調デジタル画像信号ＤＳはシフトクロック信号Ｃ
ＰＨと水平スタート信号ＳＴＨにより各デコーダ３０３
に同時に出力されるように直並列変換され、ｍビット表
示データとなる。

【０００８】また、各電圧選択回路３０４には、図４に
示すようにフレーム周期の整数倍またはライン周期の整
数倍の期間Ｔ毎に基準電圧Ｖｓｃに対し極性が反転する
液晶駆動電圧Ｖ１，Ｖ２，…，Ｖ（２ｍ）が供給されて
いる。これは、液晶組成物の劣化を防止するため交流駆
動する必要があるためである。

【０００９】ｍビット表示データはデコーダ３０３によ
り復号化され、電圧選択回路３０４内のスイッチをオン
・オフ制御し、液晶駆動電圧の１つを選択して各信号電
極に供給するものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】以上説明したデジタル
構成の信号電極駆動回路では、ｍビットのデジタル画像
信号ＤＳに対して２ｍ個のレベルの異なる液晶駆動電圧
Ｖ１，Ｖ２，…，Ｖ（２ｍ）の一つを選択し出力する必
要がある。

【００１１】このため、液晶表示装置の表示階調数を増
やそうとすると、デジタル画像信号数、液晶駆動電圧数
が増え、さらに、電圧選択回路内のスイッチ数も増える
ことになる。

【００１２】このことは、駆動回路の集積化に際してチ
ップサイズを増大させるとともに、高コスト化を招くと
いった問題を引き起こしてしまう。本発明は上記の課題
に鑑みなされたもので、簡単な構成で多階調表示が可能
な液晶表示装置用駆動回路を提供することを目的とした
ものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の液晶駆動回路
は、デコーダ、電圧選択回路及び電圧選択回路の出力を
サンプルホールドするコンデンサを複数系統設け、それ
ぞれの系統毎にコンデンサの容量値を異ならしめ、これ
らのコンデンサに蓄えられた電荷を短絡して信号電極駆
動信号を生成することにより、２系統の電圧選択回路の
中間の電圧を発生させることができる。このため液晶駆
動電圧を増すことなく、信号電極駆動信号のレベルを増
加させることが可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。図１は本発明の液晶表示装置
用信号線駆動回路の構成を示す図である。この信号線駆
動回路１は、主としてシフトレジスタとラッチなどによ
ってなる直並列変換回路２、ｎ個の第１のデコーダ３、
ｎ個の第２のデコーダ４、ｎ個の第１の電圧選択回路
５、ｎ個の第２の電圧選択回路６、ｎ個の第１のホール
ドコンデンサ７、ｎ個の第２のホールドコンデンサ８、
ｎ個のスイッチ９、ｎ個の電流バッファ１０とによって
構成されている。

【００１５】直並列変換回路２にはｍビットよりなる多
階調デジタル画像信号ＤＳと、シフトクロック信号ＣＰ
Ｈと、水平スタート信号ＳＴＨとが入力される。この多
階調デジタル信号ＤＳはシフトクロック信号ＣＰＨと水
平スタート信号ＳＴＨとにより第１のデコーダ３及び第
２のデコーダ４に同時に出力されるように直並列変換さ
れ、ｍビット表示データとなる。

【００１６】また、第１の電圧選択回路５および第２の
電圧選択回路６にはフレーム周期の整数倍毎またはライ
ン周期の整数倍毎に基準電圧Ｖｓｃに対し極性が反転す
る液晶駆動電圧Ｖ１，Ｖ２，…，Ｖｋが供給されてい
る。

【００１７】ｍビット表示データは第１のデコーダ３に
より復号化され、第１の電圧選択回路５内部のスイッチ
をオン・オフ制御し、液晶駆動電圧Ｖ１，Ｖ２，…，Ｖ
ｋの１つを選択する。選択された液晶駆動電圧は第１の
ホールドコンデンサ７に書き込まれる。

【００１８】さらにｍビット表示データは第２のデコー
ダ４により復号化され、第２の電圧選択回路６内部のス
イッチをオン・オフ制御し、液晶駆動電圧Ｖ１，Ｖ２，
…，Ｖｋの１つを選択する。選択された液晶駆動電圧は
第２のホールドコンデンサ８に書き込まれる。

【００１９】ここで、第１のデコーダ３と第２のデコー
ダ４には同じｍビットの表示データが送られてくるわけ
であるが、これらのデコーダのデコード内容は必ずしも
一致するものではない。

【００２０】第１のホールドコンデンサ７の容量Ｃ１と
第２のホールドコンデンサ８の容量Ｃ２の比は１：ｎ
（ｎ＞１）とする。第１のホールドコンデンサ７と第２
のホールドコンデンサ８に液晶駆動電圧が一定期間書き
込まれた後、第１の電圧選択回路５内のスイッチと第２
の電圧選択回路６内のスイッチをオフし、その後第１の
電圧選択回路５の出力と第２の電圧選択回路６の出力を
短絡するスイッチ９を制御信号Ｓでオンさせる。

【００２１】そのとき第１のホールドコンデンサ７及び
第２のホールドコンデンサ８に保持される電圧を電流バ
ッファ１０で電流増幅して液晶表示部に出力する。電流
バッファ１０は入力インピーダンスが高い回路構成にな
っており、制御信号ＯＥによりその出力が制御されてい
る。

【００２２】図２に各スイッチの制御信号のタイミング
を示す。今かりに第１のホールドコンデンサ７に液晶駆
動電圧Ｖ１が書き込まれたとすると、このコンデンサに
蓄えられた電荷Ｑ１は、Ｑ１＝Ｃ１・Ｖ１となる。

【００２３】同時に、第２のホールドコンデンサ８に液
晶駆動電圧Ｖ２が書き込まれたとすると、このコンデン
サに蓄えられた電荷Ｑ２は、Ｑ２＝Ｃ２・Ｖ２となる。
その後第１の電圧選択回路５内のスイッチと第２の電圧
選択回路６内のスイッチをオフし、これらのコンデンサ
に駆動電圧への充電が完了した後、所定時間おいて第１
の電圧選択回路５の出力と第２の電圧選択回路６の出力
を短絡するスイッチを９をオンさせると、そのときの電
荷Ｑ０は、 Ｑ０＝Ｑ１＋Ｑ２ ＝Ｃ１・Ｖ１＋Ｃ２・Ｖ２ ＝（Ｃ１＋Ｃ２）・Ｖ０ 第１のホールドコンデンサ７及び第２のホールドコンデ
ンサ８に保持される電圧Ｖ０は、 Ｖ０＝（Ｃ１・Ｖ１＋Ｃ２・Ｖ２）／（Ｃ１＋Ｃ２） となり、Ｖ１とＶ２の中間電位となる。

【００２４】また、第１のホールドコンデンサ７に液晶
駆動電圧Ｖ２が書き込まれ、第２のホールドコンデンサ
８に液晶駆動電圧Ｖ１が書き込まれたとすると、電圧Ｖ
０は、 Ｖ０＝（Ｃ１・Ｖ２＋Ｃ２・Ｖ１）／（Ｃ１＋Ｃ２） となり、Ｃ１とＣ２の容量比が異なるので、２つの液晶
駆動電圧Ｖ１とＶ２を合成してさらに２つの階調電圧を
生成することができ、ｋ種類の液晶駆動電圧でｋ２種類
の階調を表示させることができる。このようにして液晶
駆動電圧の入力数を増やすことなく階調数を増やすこと
ができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明の液晶表示装置用駆動回路によれ
ば、入力する液晶駆動電圧の数を増やすことなく、階調
数を増やすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における液晶表示装置用駆動
回路を示すブロック図である。

【図２】図１の駆動回路を制御する各種信号のタイミン
グチャートである。

【図３】従来の液晶表示装置用駆動回路を示すブロック
図である。

【図４】図３の駆動回路を制御する各種信号のタイミン
グチャートである。

【符号の説明】

１…信号線駆動回路 ２…直並列変換回路 ３…第１のデコーダ ４…第２のデコーダ ５…第１の電圧選択回路 ６…第２の電圧選択回路 ７…第１のホールドコンデンサ ８…第２のホールドコンデンサ ９…スイッチ １０…電流バッファ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力されるシリアルな多階調デジタル信
   号を直並列変換して画素表示データを生成する直並列変
   換回路と、 前記画素表示データを復号化し出力する第１及び第２の
   デコーダと、 前記第１のデコーダの出力に応じて液晶駆動電圧を選択
   し出力する第１の電圧選択回路及び前記第２のデコーダ
   の出力に応じて液晶駆動電圧を選択し出力する第２の電
   圧選択回路と、 前記第１の電圧選択回路からの出力を一定期間保持する
   ための第１のホールドコンデンサ及び前記第２の電圧選
   択回路からの出力を一定期間保持するための第２のホー
   ルドコンデンサと、 前記第１のホールドコンデンサ及び第２のホールドコン
   デンサを短絡しそれぞれにチャージされた電圧選択回路
   からの出力を合成して出力するスイッチとを具備し、 前記第１のホールドコンデンサと第２のホールドコンデ
   ンサの容量比が１：ｎ（ｎ＞１）であることを特徴とす
   る液晶表示装置用駆動回路。
2. 【請求項２】 前記第１及び第２のデコーダには、共通
   の画素表示データが与えられることを特徴とする請求項
   １記載の液晶表示装置用駆動回路。
3. 【請求項３】 液晶画素がマトリクス状に配列され、こ
   の液晶画素に画像信号を与えるための複数の信号線を備
   えた液晶パネルと、前記信号線に画像信号を出力する複
   数の駆動回路とを備え、 前記駆動回路は、入力されるシリアルな多階調デジタル
   信号を直並列変換して画素表示データを生成する直並列
   変換回路と、前記画素表示データを復号化し出力する第
   １及び第２のデコーダと、前記第１のデコーダの出力に
   応じて液晶駆動電圧を選択し出力する第１の電圧選択回
   路及び前記第２のデコーダの出力に応じて液晶駆動電圧
   を選択し出力する第２の電圧選択回路と、前記第１の電
   圧選択回路からの出力を一定期間保持するための第１の
   ホールドコンデンサ及び前記第２の電圧選択回路からの
   出力を一定期間保持するための第２のホールドコンデン
   サと、前記第１のホールドコンデンサ及び第２のホール
   ドコンデンサを短絡しそれぞれにチャージされた電圧選
   択回路からの出力を合成して出力するスイッチと、該ス
   イッチの出力を増幅して信号線に出力するバッファを具
   備してなり、 前記第１のホールドコンデンサと第２のホールドコンデ
   ンサの容量比が１：ｎ（ｎ＞１）であることを特徴とす
   る液晶表示装置。
4. 【請求項４】 前記複数の駆動回路における第１のホー
   ルドコンデンサ及び第２のホールドコンデンサを短絡す
   るスイッチには、共通のタイミング信号が入力されるこ
   とを特徴とする請求項３記載の液晶表示装置。
5. 【請求項５】 液晶画素がマトリクス状に配列され、こ
   の液晶画素に画像信号を与えるための複数の信号線を備
   えた液晶パネルと、前記信号線に画像信号を出力する複
   数の駆動回路とを備えた液晶表示装置の駆動方法であっ
   て、 前記駆動回路は、入力されるシリアルな多階調デジタル
   信号を直並列変換して画素表示データを生成する直並列
   変換回路と、前記画素表示データを復号化し出力する第
   １及び第２のデコーダと、前記第１のデコーダの出力に
   応じて液晶駆動電圧を選択し出力する第１の電圧選択回
   路及び前記第２のデコーダの出力に応じて液晶駆動電圧
   を選択し出力する第２の電圧選択回路と、前記第１の電
   圧選択回路からの出力を一定期間保持するための第１の
   ホールドコンデンサ及び前記第２の電圧選択回路からの
   出力を一定期間保持するための第２のホールドコンデン
   サと、前記第１のホールドコンデンサ及び第２のホール
   ドコンデンサを短絡しそれぞれにチャージされた電圧選
   択回路からの出力を合成して出力するスイッチとを具備
   してなり、 前記第１のホールドコンデンサ及び第２のホールドコン
   デンサの短絡は、該ホールドコンデンサに前記電圧選択
   回路からの出力を充電完了し所定時間経過後に行われる
   ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。