JP3195230B2 - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP3195230B2
JP3195230B2 JP07077896A JP7077896A JP3195230B2 JP 3195230 B2 JP3195230 B2 JP 3195230B2 JP 07077896 A JP07077896 A JP 07077896A JP 7077896 A JP7077896 A JP 7077896A JP 3195230 B2 JP3195230 B2 JP 3195230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス型液晶表示体の駆動に用いられる駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示体の表示媒体である液
晶の応答速度は、陰極線管(CRT)に使用される蛍光
物質と比べて非常に遅い。このため、液晶表示体を駆動
する場合には、特別の駆動装置が必要とされる。
【0003】その駆動装置としては、時々刻々送られて
くる画像信号をそのまま各画素に与えるのではなく、1
水平期間内に各画素に対応してサンプリングした画像信
号をその水平期間中保持し、次の水平期間の先頭または
その途中の所定の時期に一斉に出力する。そして、その
出力電圧を、各画素電極に充電するために十分な時間だ
け出力し続けるように構成される。この出力し続ける時
間は、例えば1出力時間と称され、一般に1水平期間と
ほぼ等しい時間となる場合が多い。
【0004】ところで、このような駆動を行うために
は、一般に駆動器(ドライバ)と称されるLSIが用い
られている。この駆動器には、上述の画像信号のサンプ
リングと出力とを行うためのデータ駆動器(列駆動器、
データドライバ、ソースドライバまたはコラムドライバ
等とも称される)と、1水平ライン毎に液晶表示体の走
査を行うための走査駆動器(行駆動器またはゲートドラ
イバ等とも称される)とがある。尚、以下の説明では、
特に断らない限り、データ駆動器のことを単に駆動器と
称する。
【0005】図3に、液晶表示体100と、データ駆動
器101および走査駆動器102を含む駆動装置との簡
単な構成を示す。
【0006】液晶表示体100は、表示媒体である液晶
を間に挟んで対向配設された一対の基板の一方に、画素
電極がマトリクス状に配列され、その画素電極の周辺を
通ってデータ電極(データ線または列線とも称される)
O1〜ONと走査電極(走査線、ゲート線または行線と
も称される)L1〜LMとが互いに交差する状態で設け
られている。データ電極と走査電極との交差部近傍にス
イッチング素子として薄膜トランジスタT(1,1)〜
T(M,N)が設けられている。この薄膜トランジスタ
(TFT)は、データ電極、走査電極および画素電極に
接続されており、画素電極を駆動するようになってい
る。他方の基板には、共通電極が形成されている。尚、
液晶表示体100に設けられた四角の枠で示す画素{P
(1,i)、P(1,i+1)、P(j,i)、P
(j,N)など}の下の矢印は、共通電極に接続されて
いることを示している。
【0007】駆動装置は、液晶表示体100の液晶層に
駆動電圧を印加するためのものである。走査駆動器10
2は上記走査電極L1〜LMに接続され、各スイッチン
グ素子をオンオフするための走査信号を走査電極L1〜
LMに供給する。データ駆動器101は上記データ電極
O1〜ONに接続されており、またデータ駆動器101
には階調電圧V0、V2…毎に設けた階調電源回路から
階調電源線路LV0、LV1…を介して階調電圧V0、
V2…が供給される。共通電極駆動回路は上記共通電極
に接続され、共通電極電圧を共通電極に供給する。ま
た、階調電源回路および共通電極駆動回路は、各々制御
回路により制御されている。
【0008】図4は、画像信号がデジタルで与えられる
場合について、図3のi番目のデータ電極Oiの1出力
に対応するデータ駆動器の回路S(i)の構成図を示
す。データ駆動器には、この回路構成と同様の回路S
(1)〜S(N)が、液晶表示体100を構成する全て
のデータ電極O1〜ONに対応して設けられている。
尚、この図4では、画像データが3ビット(D0、D
1、D2)で構成されている場合について示している。
画像データは、0〜7の8つの値を持ち、データ電極に
与えられる電圧(これを以降データ電圧と称す)はV0
〜V7の8レベルの中のいずれかとなる。
【0009】図4の回路S(i)は、画像データの各ビ
ット(D0、D1、D2)毎に設けられたサンプリング
メモリMsmp(i)、保持メモリMH(i)、1個の
復号器DEC(i)、および8種類の階調電圧V0〜V
7が与えられる階調電源入力端子IV0〜IV7とデー
タ電極Oiとの間に設けられたアナログスイッチASW
0〜ASW7から構成されている。アナログスイッチA
SW0〜ASW7には、駆動器内部の階調電源線路LI
V0〜LIV7がそれぞれ接続されると共にその制御端
子には、復号器DECからの出力S0〜S7がそれぞれ
入力される。尚、階調電源線路LIV0〜LIV7は、
駆動器の階調電源入力端子IV0〜IV7を介して外部
の階調電源線路LV0〜LV7に接続されている。ま
た、各回路S(i)(i=1〜N)毎に設けられた上記
階調電源入力端子IV0〜IV7にはそれぞれ前記階調
電圧V0〜V7が与えられる。
【0010】上記回路S(i)は、以下のように動作す
る。
【0011】まず、入力された画像データD0、D1、
D2は第i番目のデータ電極Oiに対応するサンプリン
グパルスTsmp(i)の立ち上がり時点でサンプリン
グメモリMsmp(i)に取り込まれる。このようにし
て全ての回路のサンプリングが終了した後(1水平期間
のサンプリングが終了した後)、所定のタイミングで出
力パルスLSが保持メモリに与えられ、各サンプリング
メモリMsmpに保持されていたデータは保持メモリに
一斉に取り込まれる。この時、i番目のサンプリングメ
モリMsmp(i)に保持されていたデータは保持メモ
リMH(i)に取り込まれる。
【0012】各保持メモリMHに保持されているデータ
は、複号器DECに入力されており、データの値に対応
したアナログスイッチASW0〜ASW7のいずれか1
個が入状態となる。この入状態になったアナログスイッ
チを通って、8種の外部電圧V0〜V7のいずれかが回
路S(i)からの出力O(i)として出力され、液晶表
示体100の対応したデータ電極Oiを駆動する。例え
ば、保持メモリMHに保持されているデータの値が10
進値で2のとき、復号器DECの出力S2が高となり、
アナログスイッチASW2が入状態となって、階調電圧
V2が回路出力となる。
【0013】図5に、このような復号器DECの論理回
路の一例を示す。S0〜S7は各々階調電圧V0〜V1
を選択するスイッチASW0〜ASW7を制御するため
の出力である。この論理回路によって入力端子d0、d
1、d2から入力した3ビットの画像データをデコード
し、その値により制御用出力S0〜S7のいずれか一つ
が出力されて、対応するアナログスイッチASW0〜A
SW7が入状態となる。
【0014】ところで、この時点では、表示すべき走査
電極に対応する走査駆動器102の回路G(j)の出力
が高となっており、その行の全てのスイッチング素子T
(j,i)が入状態となっている。このため、画素電極
は、入状態となったスイッチング素子T(j,i)を介
して、データ駆動器101の各データ電極に対応する回
路S(i)から出力されている電圧で充電され、各デー
タ電極と同一の電圧になる。例えば、図3において、走
査駆動器102のj番目の回路G(j)の出力が高とな
っていれば、対応する走査電極Ljに接続されているス
イッチング素子T(j,1)〜T(j,N)が全て入状
態となる。そして、その走査電極Ljに対応する画素P
(j,1)〜P(j,N)は、データ駆動器101の各
々に対応する回路S(1)〜S(N)からの出力により
充電される。
【0015】ところで、液晶表示体100を駆動する際
には、液晶の劣化を防ぐため液晶に印加される電圧の極
性を一定周期で反転する必要がある。このように極性を
反転して駆動することを液晶表示体の交流駆動と称す
る。この交流駆動は、駆動器101の出力電圧を、共通
電極に対して正負の極性を反転させたものにすることに
より実現される。この場合、1垂直時間毎に駆動器10
1の出力電圧の極性を反転させる垂直反転(フレーム反
転等とも称される)駆動によれば、最も容易に液晶表示
体の交流駆動を実現することができる。
【0016】以下に、垂直反転駆動方式について説明す
る。
【0017】図6および図7は、全画素に階調電源のう
ちの電圧V0を書き込む場合について、垂直反転駆動を
行った場合の波形を示す。尚、以下の説明では、特に断
らない限り、常に全画素に電圧V0を書き込むものとす
る。これらの図において、i、jは図3に対応したもの
であり、S(i)はデータ駆動器101の回路S(i)
の出力を示し、G(j−1)〜G(j+1)は走査駆動
器102の回路G(j)の出力を示し、P(j−1,
1)〜P(j+1,1)は画素の電位を示す。Hsyn
は水平同期信号を示し、LSは図4で説明した駆動器1
01の出力パルスを示す。また、GCKは走査駆動器1
02を動作させるためのクロック信号を示し、その立ち
上がりに同期して出力パルスLSが順次出力される。
【0018】図6において、水平期間Hj内に送られて
きた画像データに対応した電圧は、出力パルスLSjに
より出力される。水平期間Hj+1では、走査駆動器1
02の回路G(j)の出力が高となっており、この期間
中にスイッチング素子T(j,i)を介して画素P
(j,i)がデータ駆動器の回路S(i)の出力電圧
(この例では+V0)にまで充電される。図中、Aの部
分はこの様子を示しており、水平期間Hj+1中に、画
素P(j,i)は、その1つ前のフレームで充電された
電位−V0から+V0まで変化する。その後、走査駆動
器102の回路G(j)の出力が低となってスイッチン
グ素子T(j,i)が切状態になるので、この時の電荷
が画素P(j,i)に保存され、次のフレームでの書き
込み期間(図7のHj+1)まで電位+V0を保った状
態になる。そして、次のフレームの書き込み期間では、
図7のA’に示すように、画素P(j,i)が電位+V
0から−V0まで変化する。
【0019】尚、各行で異なったデータを書き込む(表
示する)場合には、各々正または負の範囲内で対応した
電圧(例えば、V1、V2、・・・、等)が出力される
ことは言うまでもない。
【0020】ところで、垂直反転駆動によれば、あるフ
レーム期間では図6に示したように、Hj−1、Hj、
Hj+1と続く全ての水平期間において駆動器が正極性
の電圧、例えば+V0を出力し、また、次のフレーム期
間では図7に示したように、Hj−1、Hj、Hj+1
の全ての水平期間において駆動器が負極性の電圧、例え
ば−V0を出力している。この場合、駆動器は、1つの
フレーム期間(1つの垂直期間)中、正または負のいず
れか一方の極性の範囲内で電圧を出力する。従って、駆
動器は、1垂直期間の最初の出力(1行目の書き込み)
を除くと、正または負のいずれか一方の範囲内でデータ
電極(データ線)を充電・放電するだけでよい。このた
め、後述する行反転駆動のように、1行毎に正負の電圧
間でデータ電極を充電・放電する場合と比較して、消費
電力が大幅に少なくて済む。このように消費電力が小さ
いということが、垂直反転駆動の優れた点である。
【0021】ここで、垂直反転駆動における、表示体全
体の画素の正負の分布について考える。Hj+1の期間
において、j−1行までの画素はすでに正極性の電位に
書き換えられているが、j+1行以降の画素はその1つ
前のフレームで書き込まれた電位である負極性の電位の
ままである。そして、j行の画素P(j,i)は書き換
えの最中である。従って、1つの垂直期間中、図8
(a)および(b)に示すように、画面内に正極性の電
位の部分と負極性の電位の部分とが分かれて存在して、
その境界は、水平時間毎に1行づつ画面の上から下に移
動していく。このため、正負の極性に対する液晶の透過
率に不均衡が存在すると、表示体に視覚上の不具合が生
じる。
【0022】以下に、液晶の透過率に不均衡が生じる理
由について説明する。
【0023】図9は、垂直反転駆動の場合の複数行中の
1番上の行の画素P(1,i)と最下行の画素p(M,
i)とのみについて、その電位と駆動器の出力との関係
を、垂直同期信号Vsynを基準として示した図であ
る。Hsynは水平同期信号を示し、LSは図4で説明
した駆動器101の出力パルスを示し、Dataは、表
示データを示す。
【0024】ここでは駆動器の出力が正の駆動時限につ
いて説明し、負の駆動時限については同様であるので説
明を省略する。画素P(1,i)に注目すると、画素P
(1,i)が正の電位に充電された後、駆動器はtp
(1)の期間中、正の電位を出力し続けている。つま
り、その期間中、対応するデータ線O(i)の回路S
(i)は正の電位となっている。また、画素P(M,
i)に注目すると、画素P(M,i)が正の電位に充電
されると、駆動器は正の駆動時限を終了し、帰線期間と
略等しいtp(M)の期間後には負の駆動時限に入って
しまい、負の電位を出力し始める。つまり、その時、対
応するデータ線O(i)の回路S(i)は負の電位とな
る。
【0025】ところで、上記液晶表示体のスイッチング
素子としては、一般に薄膜トランジスタ(TFT)等が
用いられており、そのオフ抵抗(Roffと記す)は有
限の値である。つまり、オフ抵抗値が理想状態ではな
く、無限大ではない。従って、スイッチング素子がオフ
状態となっている間も、常に、画素とデータ線との間に
はRoffを通して僅かな漏れ電流が存在している。デ
ータ線の電位が画素と同極性である場合には、画素とデ
ータ線との電位差が小さいので、この漏れ電流は僅かで
あり、しかもその方向は双方向を取ることができる。例
えば、画素の電位の方が高ければ画素からデータ線に電
流が流れ、画素の電位の方が低ければデータ線から画素
へ電流が流れる。しかし、データ線の電位が画素と逆極
性の場合には、同極性の場合に比べて漏れ電流が大き
く、しかも、常に画素が電荷を失う方向に電流が流れ
る。ここで、「電荷を失う」とは、画素が共通電極に対
して正極性の場合には正の電荷を失うことを意味し、負
極性の場合には負の電荷を失うことを意味する。従っ
て、この図9の場合、画素P(M,i)は画素P(1,
i)に対してはるかに多くの電荷を失う事になる。尚、
図9において、S(i)の破線で示した部分は、必須で
はないが、図のように正の駆動時限の後では正の電圧を
出力し続けた方がよく、負の駆動時限の後では負の電圧
を出力し続けた方がよい。
【0026】図10に、このような画素P(M,i)と
画素P(1,i)との電位の変動について、模式的に示
す。この図10は、図9の内、垂直同期信号Vsyn、
画素P(M,i)および画素P(1,i)を取り出して
示したものである。この図のように、垂直反転駆動によ
れば、画素が電荷を失う率が大きく、しかも、その電荷
を失う率が液晶表示体における画素の垂直方向の位置に
よっても異なる。これによる表示の不具合を避けるため
には、電荷を失っても階調の差が生じないような特定の
液晶の電圧−透過率特性の部分で液晶表示体を駆動する
必要がある。
【0027】ところで、液晶表示体の駆動端子から見た
正負の駆動電圧の各々に対して、液晶の透過率特性は種
々の要因により若干異なっている。このため、一般に、
共通電極から見た正負の駆動電圧を異ならせることによ
り、液晶の透過率特性を補正する等の方法が取られてい
る。例えば、図4の駆動器の場合、正負各々の駆動時限
において、階調電圧V0〜V7の共通電極から見た電圧
を多少異ならせて液晶の透過率の差を補正する方法が提
案されている(特開平5−53534号)。
【0028】しかし、液晶表示体自体にも、複数の液晶
表示体間で透過率特性にばらつきがあったり、同一液晶
表示体内でも画素の位置によってばらつきがある。ま
た、上述したように、スイッチング素子の両端の画素と
データ線との電位差が異なるため、スイッチング素子の
オフ期間に生じる漏れ電流による電位の変動が、表示パ
ターン(印加する階調電圧値)によっても異なる。この
ため、液晶の透過率を完全に補正することは困難であ
り、実際には正負の駆動時限に対して幾らかの透過率の
差が存在してしまう。
【0029】ここで、垂直反転駆動の場合について、1
つの行に注目すると、隣接行も同一極性である。従っ
て、隣接行間では正負の駆動電圧に対する透過率特性の
平均化は行われず、フレーム間でのみ行われ、平均化の
周期はフレーム周期の2倍となる。しかもその境界は、
図8に示したように、1行ずつ移動していくので、画像
のむらが生じるのみならず、ちらつき等の不具合が生じ
易い。このため、中間調表示を行うアクティブマトリク
ス型液晶表示体においては、行反転駆動が一般に用いら
れている。
【0030】以下に、行反転駆動について説明する。
【0031】図11および図12は、行反転駆動方式に
おける各部分の電圧波形を示したものである。これらの
図において、同一の部分については、図6および図7と
同じ記号を用いて示している。行反転駆動方式におい
て、垂直反転駆動方式との違いは、駆動器が1出力毎に
正負の極性の異なった電圧を出力することであり、その
結果、行方向の隣接画素が常に逆極性に充電される。
【0032】この行反転駆動によれば、正負の駆動電圧
に対する透過率特性の平均化が上下の隣接画素間でも行
われるので、垂直反転駆動に比べて表示のちらつきが目
立ちにくい。また、1垂直期間内の表示期間中、データ
電極が常に1水平期間毎に反転するため、垂直反転駆動
とは異なって、液晶表示体の全ての画素に対してデータ
電極の電位の条件は同一となる。その結果、画面上の位
置による画素の電荷変動の条件が同一となって、画像の
むらも生じにくい。このため、中間調表示を行うアクテ
ィブマトリクス型液晶表示体においては、行反転駆動が
最も広く用いられている。
【0033】ところで、垂直反転駆動または行反転駆動
に拘らず、駆動器は共通電極に対して正または負の電圧
を出力しなければならない。このため、従来、駆動器の
出力ダイナミックレンジとして最低でも10V程度が必
要とされており、LSIとしては種々の点で不利であ
る。例えば、LSIに10Vのダイナミックレンジを持
たせるためには、LSIチップの膜厚、線間距離等を大
きく取る必要があり、チップ寸法の増大を招いて価格上
昇を持たらすという問題がある。
【0034】そこで、+5V以下の低電圧プロセスの駆
動器でも実質的に同程度のダイナミックレンジが得られ
る方法として、駆動器の駆動と共通電極の交流駆動とを
組み合わせる方法が開発されている。
【0035】以下に、駆動器の駆動と共通電極の交流駆
動とを組み合わせる方法について、説明する。
【0036】図13に、駆動器の出力波形と共通電極の
駆動波形とを示す。図中、V0およびV7は、3ビット
の駆動器において各々0および7を連続して出力する時
の階調電圧の出力波形であり、Vcomは共通電極の駆
動波形である。電圧V0およびV7は、Vcomに同期
して1出力期間毎に反転しており、V0はVcomと正
負逆極性となっている。
【0037】この場合、共通電極から見た画素電圧はV
comと各階調電圧V0およびV7との差の電圧とな
り、図11および図12のP(j−1,i)〜P(j+
1,i)と同一の電圧が得られる。よって、駆動器の出
力のダイナミックレンジを実質的に大きくすることがで
きる。尚、共通電極の交流駆動方法に関しては、岡田久
夫、他「8.4インチ・カラーTFT液晶表示装置とそ
の駆動技術」、信学技報、Vol.92、No.46
7、pp.27〜33に記載されている。
【0038】図14(a)に、液晶表示体のデータ線
(またはデータ電極)を駆動器の負荷としてみた場合の
等価回路を示す。ここで、データ線は、自身の抵抗と対
向する共通電極との間に構成される分布定数回路として
表されている。即ち、駆動器は図14(a)の回路を充
電・放電しなければならない。
【0039】このデータ線の容量成分としては、その
他、絶縁膜を介して走査線と交差する部分に構成される
容量等も存在するが、以下においては、共通電極との間
の容量に注目して説明する。また、実際には、データ線
にはスイッチング素子を介して画素が接続されている
が、画素自体の容量は、例えば0.1pFという値であ
り、これに対してデータ線の容量は、例えば100pF
/本という値である。従って、駆動回路の容量性負荷と
して画素自体の容量は無視できるので、図14(a)で
は表示していない。
【0040】このような分布定数回路を正負の電圧間で
充電・放電する場合、過渡状態における厳密な動作の解
析を行うためには、分布定数回路としての取扱いをしな
ければならない。しかし、過渡期間よりも十分に長い期
間を周期として充電・放電を行う場合、過渡状態が終了
した時点での電荷量を解析するには集中定数として取り
扱っても差し支えない。従って、図14(a)の回路を
図14(b)の回路で置き換えることができる。
【0041】また、図14(b)の回路における抵抗
は、充電・放電に要する時間を決定する要素として働く
が、充電・放電の総電荷量は容量によってのみ決定され
るので、充電・放電する電荷量について考える場合に
は、図14(c)に示すように、抵抗を無視して容量だ
けの等価回路を考えればよい。
【0042】実際の液晶表示体においては、このような
等価回路がデータ線の数だけ存在するので、表示体全体
の負荷としての等価回路は、図14(d)に示すよう
に、図14(c)の回路がデータ線の数だけ共通電極を
共通にして接続された回路と考えられる。
【0043】さらに、1つの走査線上の画素に同一の階
調表示を行う場合について考えると、図14(d)のデ
ータ線側の電極は同一電位となるので、図14(d)は
図14(e)のように表すことができる。以下、この容
量をCpと表す。
【0044】ここで、全画素に渡って電圧V0を書き込
む場合を考えると、上述の共通電極の交流駆動と行反転
駆動とを組み合わせた駆動方法では、図15(a)およ
び図15(b)に示した2つの状態を繰り返すことにな
る。
【0045】即ち、駆動器は、図15(a)の容量Cp
のデータ線側電極に+Qpの電荷が蓄積された状態か
ら、図15(b)の−Qpの電荷が蓄積された状態にな
るまで、電荷を放電し、または負の電荷を充電する。こ
の間に駆動器から移動する電荷の総量は、2×(−Q
p)(但し、Qp=Cp|V0−Vcom|)である。
【0046】一方、共通電極駆動回路は、図15(a)
の容量Cpの共通電極側電極に−Qpの電荷が蓄積され
た状態から、図15(b)の+Qpの電荷が蓄積された
状態になるまで、電荷を充電する。この間に共通電極駆
動回路から移動する電荷の総量は、2×Qpである。
【0047】そして、次の時限では、逆に図15(b)
の状態から図15(a)の状態まで遷移して、駆動器か
ら2×Qpの総電荷が移動し、共通電極駆動回路から2
×(−Qp)の総電荷が移動する。
【0048】尚、駆動器として図4に示したようなデジ
タル駆動器が用いられている場合には、これらのデータ
線側電極の充電・放電に必要な電荷は、駆動器を介して
階調電源回路が負担する。
【0049】このような階調電源回路や共通電極駆動回
路としては、例えば、特開平6−237162号におけ
る「電圧出力回路並びに表示装置の共通電極駆動回路及
び表示装置の信号配線駆動回路」に示されているような
回路を用いる事ができる。この技術は、FET等のスイ
ッチを用いて表示装置の駆動に必要な矩形波出力電源を
作製する方法、並びにその回路を共通電極駆動回路及び
階調電源回路に適用する場合についての回路構成に関す
る技術である。
【0050】また、階調電源回路や共通電極駆動回路と
しては、図16に示すような回路を用いる事もできる。
この回路において、階調電圧V0を出力する階調電源回
路A0が電荷2×Qpをデータ線に移動させる時限で
は、トランジスタTr1が入状態となって高側電源VHi
ghからデータ線に電荷が供給される。その間、共通電極
駆動回路Bは、トランジスタTr4が入状態となって低
側電源VLowから共通電極に2×(−Qp)の電荷を移
動させる。即ち、共通電極から2×Qpの電荷がTr4
を通って低側電源VLowに移動する。従って、これらの
動作によって、高側電源VHighから低側電源VLowに2
×Qpの電荷の移動が生じ、これだけのエネルギーが消
費された事になる。また、階調電圧V0を出力する階調
電源回路A0が電荷2×(−Qp)をデータ線に移動さ
せる時限では、トランジスタTr2を通って低側電源V
Lowとデータ線との間で電荷が移動する。その間、共通
電極駆動回路Bでは、2×Qpの電荷がTr3を通って
高側電源VHighと共通電極との間で移動する。従って、
これらの動作によって、高側電源VHighから低側電源V
Lowに2×Qpの電荷の移動が生じ、これだけのエネル
ギーが消費された事になる。さらに、行反転駆動を行う
場合には、この周期が1水平時間毎に繰り返されるの
で、垂直反転駆動の場合に比べて消費電力が大幅に大き
くなる。このような欠点は、従来、行反転駆動および共
通電極の交流駆動を行う場合の宿命であり、ちらつきの
無い表示品位の高い画像を得るためにはやむを得ない取
引(Trade off)と考えられていたのである。
【0051】この課題を解決すべく、本願出願人は、消
費電力を大幅に低減し、かつ、ちらつきの無い高品位の
画像を得る事ができる駆動装置を提案している(特願平
7−54732号)。
【0052】以下、この技術について説明するが、この
技術は本発明の先願となるものではない。
【0053】図17は、特願平7−54732号の駆動
装置の基本概念を説明するための図である。この駆動装
置は、階調電源回路1と共通電極駆動回路2とを有す
る。階調電源回路1は階調電圧の数だけ存在する同一構
成回路の一つである。階調電源回路1および共通電極駆
動回路2は、矩形波を出力する回路であり、例えば図1
6に示したような回路や特開平6−237162号にお
ける「電圧出力回路並びに表示装置の共通電極駆動回路
及び表示装置の信号配線駆動回路」に示されているよう
な回路を用いる事ができる。
【0054】階調電源回路1および共通電極駆動回路2
の出力側は、図17に示すように、各々スイッチSWv
0およびSWcomを介して液晶表示体と接続されてい
る。上記スイッチSWv0およびSWcomを設けた目
的は、階調電源回路1および共通電極駆動回路2の各々
の出力を液晶表示体から切り離すこと、即ち、ハイイン
ピーダンス状態にすることにある。また、スイッチSW
sは、液晶表示体のデータ電極(データ線)と共通電極
とを電気的に接続する間道回路となっている。尚、階調
電源回路1は、実際には駆動器3を介して液晶表示体
(この場合には蓄電器Cp)に接続されており、階調電
源回路1からの出力は、厳密には駆動器3の階調電源入
力端子に入力されるようになっている。しかし、ここで
は、駆動器3が1つの階調電圧V0を選択している場合
について考えており、階調電源回路1は、駆動器3に備
わった出力回路のアナログスイッチを介して液晶表示体
と接続されているため、図17のように簡略化して示し
ている。
【0055】以下に、図17の駆動装置の動作を説明す
る。尚、各スイッチSWv0、SWcomおよびSWs
は、各々の制御信号CONTv0、CONTcomおよ
びCONTsが高の時に入状態になり、低の時に切状態
となるものとする。
【0056】階調電源回路1の出力電圧V0および共通
電極駆動回路2の出力電圧Vcomの各々の波形を図1
8に示す。スイッチSWv0およびSWcomは、階調
電源回路1および共通電極駆動回路2の出力の正負の極
性の変化点の前後を除いて、入状態になっている。ま
た、階調電源回路1および共通電極駆動回路2の出力の
正負の極性の変化点の前では、制御信号CONTv0お
よびCONTcomが低となって、スイッチSWv0お
よびSWcomは切状態となる。その直後に、制御信号
CONTsが高となって、スイッチSWsが入状態にな
る。
【0057】ここで、図18のの周辺でスイッチSW
sが入状態になった場合を考えると、図19(a)に示
すように、蓄電器Cpのデータ線側電極に充電されてい
た正の電荷(Qc)と共通電極側電極に充電されていた
負の電荷(−Qc)とは、図19(b)に示すように、
スイッチSWsを介して互いに中和され、蓄電器Cpの
電荷が0となる。次に、スイッチSWsが切状態になっ
た後、スイッチSWv0およびSWcomは入状態とな
って、図19(c)に示すように、階調電源回路1が蓄
電器Cpのデータ線側電極に−Qcの電荷を充電し、つ
まり−Qcまで放電し、共通電極駆動回路2は蓄電器C
pの共通電極側電極に+Qcの電荷を充電する。このよ
うに、図19(a)の状態から(c)の状態への遷移の
間に(b)の状態が存在するため、(a)の状態から
(b)の状態への遷移については、電源回路が電荷を負
担する必要がなく、エネルギーを消費せずに遷移を行う
事ができる。この駆動装置によれば、階調電源回路およ
び共通電極駆動回路が負担すべき電荷は、図19(b)
の状態から(c)の状態に遷移させるための電荷Qcの
みであり、従来の駆動方法では2Qcの電荷が必要であ
ったことから考えると、半分の電荷でよい。一方、図1
8の周辺では、上述した図18の周辺の場合と逆
に、図19の(c)の状態から(b)の状態を経て
(a)の状態に遷移するが、必要とされる電荷の削減つ
いては、全く同様の効果が得られる。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】図17に示した駆動装
置において、階調電源回路1は、複数存在するのが普通
である。例えば、図4に示した3ビット駆動器では、階
調電源回路1としてはV0〜V7の8つの階調電圧をそ
れぞれ出力するような構成として設けられる。
【0059】図20に、8つの階調電源回路1A、1
B、1C、1D、1E、1F、1Gおよび1Hが存在す
る駆動装置について示す。この駆動装置において、第1
スイッチ11A、11B、11C、11D、11E、1
1F、11Gおよび11Hは、各階調電源回路と、液晶
表示体の駆動器の階調電源入力端子、即ち液晶表示体の
データ線(データ電極)とを電気的に切り離すためのも
のであり、第2スイッチ12は各階調電源回路と共通電
極とを電気的に切り離すためのものである。これらの第
1スイッチ11A等および第2スイッチ12は、共通の
制御信号CONT1によって制御されている。また、第
3スイッチ13A、13B、13C、13D、13E、
13F、13Gおよび13Hは、液晶表示体の駆動器の
階調電源入力端子、即ち液晶表示体のデータ線(データ
電極)と共通電極駆動端子とを電気的に接続するための
ものである。これらの第3スイッチ13A等は、共通の
制御信号CONT9によって制御されている。
【0060】このように、従来の駆動装置では、各階調
電源回路と液晶表示体のデータ電極とを電気的に切り離
すための第1スイッチと、液晶表示体のデータ電極と共
通電極駆動端子とを電気的に接続するための第3スイッ
チ(間道回路)とを、1個ずつ各々の階調電源回路に対
して設ける必要があった。例えば、図20の駆動回路の
ように階調電源回路が8個ある場合には、切り離し用の
スイッチ8個と接続用のスイッチ8個の計16個のスイ
ッチが必要であった。従って、スイッチが多いことによ
りコストが高くなり、また、スイッチ搭載基板の面積の
増大をもたらすという問題があった。
【0061】本発明は、このような従来技術による課題
を解決するためになされたものであり、消費電力を大幅
に低減し、画像のむらやちらつきが無い高品位の画像を
得ると共に、コストおよび基板面積の低減を図ることが
できる駆動装置を提供することを目的とする。
【0062】
【課題を解決するための手段】本発明の駆動装置は、表
示媒体を間に挟んで対向配設された一対の基板の一方に
マトリクス状に画素電極が設けられ、該画素電極近傍を
通って複数のデータ電極および複数の走査電極が互いに
交差して設けられ、該走査電極、データ電極および画素
電極に接続されてスイッチング素子が設けられ、該一対
の基板の他方に共通電極が設けられたアクティブマトリ
クス型液晶表示体を駆動するものであって、該共通電極
を基準電位に対して交流駆動すると共に該データ電極を
該共通電極の電位に対して正負の極性を反転して駆動す
る駆動装置において、該共通電極に共通電極線路を介し
て交流電圧を供給する共通電極駆動回路と、該共通電極
線路の途中に設けられ、正負の極性の変化時点におい
て、該共通電極と該共通電極駆動回路との間をハイイン
ピーダンス状態にする第1手段と、複数の階調電圧を出
力する階調電源回路と、該階調電源回路から出力された
該階調電圧を出力側に送る階調電源線路と、該階調電源
線路の出力端に設けられ、入状態のとき該データ電極に
電圧を出力するアナログスイッチと、該階調電源線路の
1または2以上の特定のものの途中に設けられ、該変化
時点において、該特定の階調電源線路の途中をハイイン
ピーダンス状態にする第2手段と、該特定の階調電源線
路の該第2手段よりもアナログスイッチ側寄りの位置と
該第1手段との間を結ぶ間道回路の途中に設けられ、変
化時点において、該アナログスイッチ側寄りの位置と該
第1手段との間をローインピーダンス状態にする第3手
段とを備え、該第3手段にて該アナログスイッチ側寄り
の位置と該第1手段との間をローインピーダンス状態に
したとき、そのとき入状態となっているアナログスイッ
チ、特定の階調電源線路のうち該第2手段にて切り離さ
れた線路部分、第3手段がローインピーダンス状態の間
道回路、および共通電極配線のうち該第1手段にて切り
離された線路部分を介して該データ線と該共通電極との
間で電荷を移動させる構成となっているので、そのこと
により上記目的が達成される。
【0063】本発明の駆動装置において、前記共通電極
を、基準電位に対して1水平期間毎に交流駆動する構成
とすることが好ましい。
【0064】以下、本発明の作用について説明する。
【0065】本発明にあっては、共通電極を基準電位に
対して交流駆動すると共に、データ電極を共通電極の電
位に対して正負の極性を反転して駆動しており、駆動器
の出力のダイナミックレンジが実質的に大きくなる。
【0066】正負の極性変化時点において、第2手段に
て特定の階調電源線路の途中をハイインピーダンス状態
にすると、全ての階調電源線路とデータ電極とが電気的
に切り離される。そのとき、第1手段にて共通電極と共
通電極駆動回路との間もハイインピーダンス状態にし、
また、第3手段にてデータ線および共通電極の間で電荷
を移動可能とすると、そのとき入状態となっているアナ
ログスイッチ、特定の階調電源線路のうち該第2手段に
て切り離された線路部分、第3手段がローインピーダン
ス状態の間道回路、および共通電極配線のうち該第1手
段にて切り離された線路部分を介してデータ線および共
通電極の電荷が互いに中和され、消費電力が低減され
る。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0068】図1に、本発明の一実施形態に係る駆動装
置の構成を示す。但し、データ駆動器については、同一
構成で複数備わったうちの一つの回路S(i)の構成を
示す。本実施形態の駆動装置においても、図3と同様に
制御回路、階調電圧V0〜V7毎に備わった階調電源回
路、共通電極駆動回路、および図1の回路S(i)をデ
ータ電極の本数分備えたデータ駆動器からなる。階調電
源回路および共通電極駆動回路は、矩形波を出力する回
路であり、例えば図16に示したような回路や特開平6
−237162号における「電圧出力回路並びに表示装
置の共通電極駆動回路及び表示装置の信号配線駆動回
路」に示されているような回路を用いる事ができる。
【0069】図1の回路S(i)は、図3におけるi番
目のデータ電極Oiの1出力に対応するデータ駆動器の
回路に相当するものである。この回路S(i)の階調電
源入力端子IV0〜IV7には階調電源回路から各々階
調電圧V0〜V7が与えられる。この階調電圧V0〜V
7は各々駆動器内部の階調電源線路LIV0〜LIV7
を介してアナログスイッチASW0〜ASW7に与えら
れ、アナログスイッチのオンのものを通してデータ電極
へ出力される。また、この回路S(i)においても、図
4と同様にサンプリングメモリMsmp(i)、保持メ
モリMH(i)および復号器DEC(i)を備えてい
る。この図1において、図4と同様の機能の部分には同
一の番号を付しており、その部分の説明は、重複を避け
るため割愛する。
【0070】複号器DEC(i)には、保持メモリMH
(i)に保持されている、入力端子d0、d1、d2か
ら入力したデータの他に、制御信号としてCONTsが
入力されている。図1のTは、この制御信号CONTs
の入力用端子である。液晶表示体の共通電極と共通電極
駆動回路との間には、共通電極駆動回路の出力電圧Vc
omを共通電極へ送る共通電極線路LVcomが設けら
れ、この共通電極線路LVcomの途中には、共通電極
駆動回路の切り離し用スイッチSWcomが設けられて
いる。駆動器外部の階調電源線路LV0の途中には、階
調電源線路LV0の切り離し用スイッチとして1個のス
イッチSWv0が設けられており、他の階調電源線路L
V1〜LV7にはスイッチが設けられていない。階調電
源線路LV0のスイッチSWv0より駆動器側の位置と
共通電極線路LVcomのスイッチSWcomより共通
電極側の位置との間には、両者間を接続するための間道
回路として1個のスイッチSWsが設けられており、他
の階調電源線路LV1〜LV7と共通電極線路LVco
mとの間にはスイッチが設けられていない。これらのス
イッチSWcom、SWv0およびSWsは、各々制御
信号CONTcom、CONTv0およびCONTsに
より制御されている。
【0071】以下に、図1の回路の動作を、電圧V0を
書き込む場合について説明する。尚、各スイッチSWv
0、SWcomおよびSWsは、各々の制御信号CON
Tv0、CONTcomおよびCONTsが高の時に入
状態になり、低の時に切状態となるものとする。また、
階調電源回路1の出力電圧V0、共通電極駆動回路2の
出力電圧Vcom、制御信号CONTv0、CONTc
omおよびCONTsの各々の波形は、図18に示した
ものとする。
【0072】図18のの周辺において、階調電源回路
の出力電圧V0および共通電極駆動回路の出力電圧Vc
omの正負の極性の変化点の前では、制御信号CONT
v0およびCONTcomが低となって、図1のスイッ
チSWv0およびSWcomが切状態(ハイインピーダ
ンス状態)となる。従って、この時点でV0を出力する
階調電源回路およびVcomを出力する共通電極駆動回
路はデータ電極および共通電極から切り離されることに
なる。その直後に、制御信号CONTsが高となって、
図1のスイッチSWsが入状態(ローインピーダンス状
態)になる。それと同時に、図1の複号器DEC(i)
の端子Tに制御信号CONTsの高信号が入力される。
この複号器DEC(i)は、その入力端子Tに高信号が
入力されると、他の入力端子d0、d1、d2に入力さ
れているデータの値に拘らず出力S1〜S7が低となっ
て、出力S0のみが高となるように論理設計してある。
図2に、このような復号器DEC(i)の論理回路の一
例を示す。これにより、CONTsが高の時には、アナ
ログスイッチASW0のみが入状態になり、他のアナロ
グスイッチASW1〜ASW7は切状態となって、特定
の階調電源線路LIV0が選択される。従って、データ
電極から共通電極までが、入状態のアナログスイッチA
SW0、階調電源線路LV0のうちスイッチSWv0で
切り離された階調電源線路部分LV0′、階調電源線路
LIV0、スイッチSWsが入状態となった間道回路、
および共通電極線路LVcomのうちスイッチSWco
mで切り離された共通電極線路部分LVcom′により
電気的に接続される。これにより、階調電源回路および
共通電極駆動回路から切り離された状態でデータ電極お
よび共通電極が接続され、各々に充電されていた電荷が
中和される。
【0073】このため、図19(a)に示したように、
蓄電器Cpのデータ線側電極に充電されていた正の電荷
(Qc)と共通電極側電極に充電されていた負の電荷
(−Qc)とが、図19(b)に示すように、スイッチ
SWsを介して互いに中和され、蓄電器Cpの電荷が0
となる。次に、スイッチSWsが切状態になった後、ス
イッチSWv0およびSWcomが入状態となって、図
19(c)に示すように、階調電源回路が蓄電器Cpの
データ線側電極に−Qcの電荷を充電し、つまり−Qc
まで放電し、共通電極駆動回路は蓄電器Cpの共通電極
側電極に+Qcの電荷を充電する。一方、図18のの
周辺においても、上述した図18のの周辺と同様であ
るので、説明を省略する。
【0074】以上のように、本実施形態の駆動装置によ
れば、制御信号CONTsが高の時には、データの値に
拘らずV0を出力する階調用電源回路およびVcomを
出力する共通電極駆動回路がデータ電極および共通電極
から切り離されると共に、階調電源回路V1〜V7もデ
ータ電極から切り離され、共通電極とデータ電極とが電
気的に接続される。このため、8個の階調電圧(V0〜
V7)を入力する駆動器において、液晶表示体の両電極
であるデータ線(データ電極)と共通電極とを電気的に
接続する間道回路を8個ではなく、ただ1個のスイッチ
SWsにより実現し、階調電源V0〜V7をデータ電極
から切り離すためのスイッチも8個ではなく、ただ1個
のスイッチSWv0で実現することができる。間道回路
および切り離し用スイッチの数を少なくすることができ
るので、コストを安くすることができ、スイッチ搭載基
板の面積を小さくすることができる。
【0075】尚、以上の説明では、供給された複数の電
圧のうちからデータの値に対応した一つの電圧を選択し
て出力する構造の駆動器について説明しているが、本発
明自体はこのような構造の駆動器に限定されるものでは
ない。本発明が成立する必要条件は、階調電圧を作製す
るための電圧が少なくとも1つ供給されており、駆動器
がその供給された電圧のうちの少なくとも1つをデータ
電極に供給できる構造となっていればよい。尚、そのよ
うな構造の駆動器としては、たとえば以下の資料に記載
されているものが挙げられる。岡田久夫他、「表示装置
の駆動方法」特公平07−7248号、岡田久夫他、
「表示装置の駆動回路」特公平05−273520号。
【0076】上記説明では、間道回路としての1個のス
イッチSWsを、共通電極線路LVcomと階調電源線
路LV0との間に設けたが、他の階調電源線路LV1〜
LV7と共通電極線路LVcomとの間に設けてもよ
い。例えば、共通電極線路LVcomと階調電源線路L
V1との間や共通電極線路LVcomと階調電源線路L
V7との間に設けても良い。また、複数の階調電源線路
の内の1つだけを切り離したり接続したりするようにし
たが、2つ以上の階調電源線路を対象としてもよい。但
し、その場合には、スイッチ数が多くなる。また、本発
明は、階調電源の数に拘らず適用可能である。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、消費電力を大幅に低減すると共に、ちらつき
やむらの無い高品位の画像を得ることができる。また、
駆動器の出力のダイナミックレンジを実質的に大きくし
てチップ寸法の増大や価格上昇を防ぐことができる。さ
らに、階調電源回路が複数個存在する場合でも、データ
電極と共通電極との間道回路であるスイッチや階調電源
線路の切り離し用スイッチを少なくできるので、コスト
が安く、スイッチ搭載基板の面積が小さい駆動装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置を構成するデータ駆動器に備
わった回路の一つを示す回路構成図である。
【図2】図1のDEC(i)を構成する論理回路の一例
を示す図である。
【図3】液晶表示体と駆動装置との基本構成を示すブロ
ック図である。
【図4】図3のi番目のデータ電極Oiの1出力に対応
するデータ駆動器の回路S(i)の構成を示す図であ
る。
【図5】図4のDEC(i)を構成する従来の論理回路
の一例を示す図である。
【図6】垂直反転駆動において、全画素にV0を書き込
む場合の波形図である。
【図7】垂直反転駆動において、全画素にV0を書き込
む場合の波形図である。
【図8】(a)および(b)は、垂直反転駆動におい
て、正負の極性の境界が移動していくことを説明するた
めの図である。
【図9】垂直反転駆動における画素の電位とデータ線の
電位との関係を説明するための図である。
【図10】垂直反転駆動における画素の電位変動を説明
するための図である。
【図11】行反転駆動における各部の電圧の波形図であ
る。
【図12】行反転駆動における各部の電圧の波形図であ
る。
【図13】共通電極を交流駆動した場合の波形図であ
る。
【図14】(a)〜(e)は、駆動器の負荷として液晶
表示体のデータ線を見た場合の等価回路図である。
【図15】共通電極の交流駆動と行反転駆動とを組み合
わせた場合の電荷の充電・放電を説明するための図であ
り、(a)は正の時限を示し、(b)は負の時限を示
す。
【図16】本発明において用いることができる、階調用
電源回路および共通電極駆動回路の例を示す回路図であ
る。
【図17】消費電力が低減された駆動装置の基本概念を
説明するための図である。
【図18】図17および図1の駆動装置の動作を説明す
るための波形図である。
【図19】図17および図1の駆動装置において、電荷
を充電・放電する際の状態の遷移を説明するための図で
ある。
【図20】従来の駆動装置の例を示す図である。
【符号の説明】
V0〜V7 階調電圧 Vcom 共通電極駆動回路の出力電圧 SWvo 切り離し用スイッチ SWcom 切り離し用スイッチ SWs スイッチ CONTcom、CONTv0、CONTs 制御信号 T 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−216593(JP,A) 特開 平8−251518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/133 575 G02F 1/133 500 G09G 3/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示媒体を間に挟んで対向配設された一
    対の基板の一方にマトリクス状に画素電極が設けられ、
    該画素電極近傍を通って複数のデータ電極および複数の
    走査電極が互いに交差して設けられ、該走査電極、デー
    タ電極および画素電極に接続されてスイッチング素子が
    設けられ、該一対の基板の他方に共通電極が設けられた
    アクティブマトリクス型液晶表示体を駆動するものであ
    って、該共通電極を基準電位に対して交流駆動すると共
    に該データ電極を該共通電極の電位に対して正負の極性
    を反転して駆動する駆動装置において、 該共通電極に共通電極線路を介して交流電圧を供給する
    共通電極駆動回路と、 該共通電極線路の途中に設けられ、正負の極性の変化時
    点において、該共通電極と該共通電極駆動回路との間を
    ハイインピーダンス状態にする第1手段と、 複数の階調電圧を出力する階調電源回路と、 該階調電源回路から出力された該階調電圧を出力側に送
    る階調電源線路と、 該階調電源線路の出力端に設けられ、入状態のとき該デ
    ータ電極に電圧を出力するアナログスイッチと、 該階調電源線路の1または2以上の特定のものの途中に
    設けられ、該変化時点において、該特定の階調電源線路
    の途中をハイインピーダンス状態にする第2手段と、 該特定の階調電源線路の該第2手段よりもアナログスイ
    ッチ側寄りの位置と該第1手段との間を結ぶ間道回路の
    途中に設けられ、変化時点において、該アナログスイッ
    チ側寄りの位置と該第1手段との間をローインピーダン
    ス状態にする第3手段と を備え、該第3手段にて該アナログスイッチ側寄りの位
    置と該第1手段との間をローインピーダンス状態にした
    とき、そのとき入状態となっているアナログスイッチ、
    特定の階調電源線路のうち該第2手段にて切り離された
    線路部分、第3手段がローインピーダンス状態の間道回
    路、および共通電極配線のうち該第1手段にて切り離さ
    れた線路部分を介して該データ線と該共通電極との間で
    電荷を移動させる構成となっている駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記共通電極を、基準電位に対して1水
    平期間毎に交流駆動する請求項1に記載の駆動装置。
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