JPH09119939A - 液浸走査型プローブ顕微鏡装置 - Google Patents

液浸走査型プローブ顕微鏡装置

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JPH09119939A
JPH09119939A JP27792495A JP27792495A JPH09119939A JP H09119939 A JPH09119939 A JP H09119939A JP 27792495 A JP27792495 A JP 27792495A JP 27792495 A JP27792495 A JP 27792495A JP H09119939 A JPH09119939 A JP H09119939A
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surfactant
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liquid surface
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JP27792495A
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Norichika Fukushima
徳近 福島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶液中に浸る部材の表面に対する気泡の付着が
少ない液浸走査型プローブ顕微鏡を提供する。 【解決手段】探針20とカンチレバー22と窓部材30
の全体とカンチレバー保持部材24の一部を溶液16に
沈める。その後、マイクロディスペンサー32により溶
液16の液面上に界面活性剤を供給する(A)。次に、
カンチレバー22と探針20が液面上の界面活性剤に触
れない高さまでヘッド36を上昇させる(B)。これに
よりカンチレバー保持部材24と窓部材30には界面活
性剤が付着する。続いて、カンチレバー保持部材24を
再び溶液中に沈める(C)。このとき、カンチレバー保
持部材24と窓部材30に付着した界面活性剤は液面上
の界面活性剤と良くなじむため、これらの表面に気泡は
生じない。最後に、回収手段34を用いて液面上に残る
界面活性剤を吸引する(D)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、試料の走査中
に表面の形状に沿って追従する探針の挙動を検出するこ
とによって、試料の微細な形状を観察する装置であり、
探針を追従させる手段の種別によって、走査型トンネル
顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力
顕微鏡(MFM)などが知られている。
【0003】例えば、原子間力顕微鏡(AFM)では、
試料表面を走査する探針は柔軟なカンチレバーに支持さ
れ、カンチレバーまたは試料は圧電体等の微動素子を有
する微動変位調整装置に支持され、探針と試料の間隔が
調整可能となっている。探針を試料表面に近づけると、
探針先端の原子と試料表面の原子の間に、ファンデルワ
ールス相互作用による引力が働き、さらに原子の相互距
離程度にまで近づけると、今度はパウリの排他律による
斥力が働く。これらの引力と斥力は総称して原子間力と
呼ばれる。原子間力は極めて微弱だが、探針を支持して
いるカンチレバーは、非常に柔軟であるため、探針先端
の原子が原子間力を受けると、その大きさに応じて変位
する。微動変位調整装置は、カンチレバーの変位量を一
定に保つように、探針と試料の間隔をフィードバック制
御する。このフィードバック制御時に圧電体等の微動素
子に印加する電圧は、探針が走査している試料表面の形
状に対応しているので、この印加電圧情報より試料表面
の高さ情報が得られ、これを試料表面上の位置情報と併
せて処理することで試料表面の凹凸像が得られる。
【0004】この走査型プローブ顕微鏡装置を用いて水
溶液中に保存した細胞等の生体試料を観察できれば、電
子顕微鏡のような試料の固定や真空下での観察とは異な
り、生きたままの状態で、試料の形状や、探針に加わる
力の解析による表面の物性の計測などを数nmの分解能
で行なうことが可能となるため、溶液中で使用可能な走
査型プローブ顕微鏡装置の開発が色々と試みられてい
る。
【0005】その代表的な例として米国特許49356
34号に開示されている走査型プローブ顕微鏡を図5と
図6に示す。図5は走査型プローブ顕微鏡の全体の構成
を示す断面図であり、図6(A)は図5の探針保持部を
下から見た図、図6(B)は探針保持部の断面図であ
る。
【0006】図5に示すように、カンチレバー105を
支持する探針保持部材101と、圧電体102上に設け
られた試料台103は、両者の間に配置されたリング状
の部材104に接触しており、これらの部材に囲まれた
空間が水溶液で満たされる。図6に示すように、リング
状の部材104の内側に位置する探針保持部材101の
天井部分には、溶液を送り込むための供給管110と排
出するための排出管111が設けられている。これによ
り、細胞等の生体試料を浸漬し、生きたまま保存するた
めの酸素の供給や溶液の温度調整を可能にしている。図
5に戻り、試料台103上に置かれた試料は圧電体10
2によって移動され、これによりカンチレバー105の
先端に設けられた探針が走査される。走査の間、探針の
変位は、カンチレバー105の上面に光を照射するレー
ザー光源106と、その反射光を受ける受光素子107
とで構成される変位検出系により検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】液浸用走査型プローブ
顕微鏡装置では、測定の際には、上の例の様に所定の空
間に溶液を注入したり、あるいは、探針を備えるカンチ
レバーを試料容器に溜めた溶液の中に沈めたりする。こ
のとき、カンチレバーやカンチレバー保持部材の表面に
気泡が付着することがある。いったん発生してしまった
気泡は取り除くことが難しい。このような気泡は、走査
の障害となり、また同時に使用される顕微鏡観察の障害
となり好ましくない。
【0008】探針とカンチレバーに関しては、親水化処
理を施すことにより、気泡の発生を防止することができ
る。親水化処理は、例えば、窒化シリコン製のカンチレ
バーに対して、酸化プラズマ処理を施したり、紫外線を
照射したりすることにより行なえる。しかし、カンチレ
バー保持部材は一般に金属で作られるため、親水化処理
を施すことができない。
【0009】水溶液中の部材の表面への気泡の付着を防
ぐ方法として、水溶液中に界面活性剤を混入することが
一般に知られているが、観察対象である標本が生体試料
である場合には、水溶液中への界面活性剤の混入は、試
料の保存の都合上好ましくない。
【0010】また、液浸用走査型プローブ顕微鏡装置に
は光てこ方式の変位検出系を用いたものがあり、この場
合、防水の目的で、光学的に透明な防水用窓部材がカン
チレバーと変位検出系との間に配置されるのが一般的で
ある。この防水用窓部材に対しても、溶液を注入する際
や探針を沈める際に、気泡が付着することがあり、この
気泡もやはり取り除くことが難しい。防水用窓に付着し
た気泡は、光てこ方式の変位検出系におけるカンチレバ
ーに向かうレーザー光やカンチレバーからの反射光を散
乱させたりする。これは、変位検出精度の低下の原因と
なり好ましくない。また、同時に使用される光学顕微鏡
による観察にとっても障害となり好ましくない。本発明
の目的は、溶液中に浸る部材の表面に対する気泡の付着
が少ない液浸走査型プローブ顕微鏡を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器に入れた
溶液中に配置された試料を探針を用いて観察する液浸走
査型プローブ顕微鏡において、親水化処理された、先端
に探針を備えたカンチレバーと、カンチレバーを保持す
るカンチレバー保持部材と、カンチレバーおよびカンチ
レバー保持部材を溶液中に浸入待避させる手段と、溶液
の液面上に界面活性剤を供給する手段とを備えており、
試料の観察に先立ち、カンチレバーの全体とカンチレバ
ー保持部材を溶液中に沈め、溶液の液面上に界面活性剤
を供給して液面上に界面活性剤の薄膜を形成し、カンチ
レバーが界面活性剤に触れない範囲でカンチレバー保持
部材をなるべく引き上げ、再びカンチレバー保持部材を
下げることを特徴とする。
【0012】さらに、上記の構成において、カンチレバ
ーの変位を光学的に検出する変位検出系と、変位検出系
を溶液から保護するために変位検出系を収容する筐体と
を備え、筐体は、変位検出系とカンチレバーとの間での
光の往来を許す光学的に透明な窓部材を有し、窓部材は
液面に対して斜めに配置されており、試料の観察に先立
ち、窓部材を溶液中に沈め、溶液の液面上に界面活性剤
を供給して液面上に界面活性剤の薄膜を形成し、窓部材
を引き上げ、再び窓部材を溶液中に沈めることを特徴と
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。 <第一の実施の形態>まず、第一の実施の形態について
図1〜図3を用いて説明する。
【0014】図1(A)に示すように、試料12は容器
14の底部に置かれ、容器14には試料12を浸漬する
ための溶液16が満たされる。容器14は機械式のXY
ステージ18の上に置かれ、探針20に対する試料12
の位置決めを行なうことができる。XYステージ18の
上には、容器14の両側に、溶液16の液面に界面活性
剤を供給する手段であるマイクロディスペンサー32
と、液面に供給された界面活性剤を回収する回収手段3
4とが設けられている。
【0015】図1(B)に示すように、探針20はカン
チレバー22の先端に設けられており、カンチレバー2
2はカンチレバー保持部材24に取り付けられ支持され
る。探針20とカンチレバー22は、材質に窒化シリコ
ンを使用し、10秒間程度の酸化プラズマ処理を施すこ
とによって、接触角10度以下の親水性が達成されてい
る。窒化シリコンの表面の親水処理は紫外線照射によっ
ても得られる。カンチレバー保持部材24は、その断面
形状を図1(C)に示すように、上面24aと下面24
bはV字形状となっている。カンチレバー保持部材24
は、図1(A)に示すように、ヘッド36に着脱可能に
取り付けられていて、カンチレバー22を交換する際の
作業性向上が図られている。また、カンチレバー保持部
材24の先端部のカンチレバー22の近傍に圧電素子を
利用した励磁手段を取り付けて、カンチレバー22を一
定の振幅で振動させながら試料に外力を加えることのな
く測定する、いわゆるACモードのAFM測定を行なっ
てもよい。
【0016】ヘッド36は、カンチレバー22の上方に
位置する部分に光学的に透明な窓部材30が斜めに取り
付けられており、全体は密閉されていて溶液が浸入しな
いようになっている。ヘッド36の内部には、カンチレ
バー22の上面にレーザービームを照射するレーザー光
源26と、カンチレバー22の上面からの反射光を受け
る受光素子28が収容されている。受光素子28は入射
光量に応じた出力を示す複数の受光領域を有しており、
カンチレバー22の変位は受光素子28の受光領域上に
形成される反射光のスポットの位置から求められる。
【0017】ヘッド36は円筒型圧電体38によって支
持されており、円筒型圧電体38は昇降手段40に取り
付けられている。ヘッド36は円筒型圧電体38によっ
てXY走査およびZ位置制御のための水平方向および垂
直方向の移動が可能となっている。また、ヘッド36は
昇降手段40により上下に粗動可能となっており、例え
ば、容器14を交換する際には容器14を出し入れする
ための空間を確保するために上方に待避される。
【0018】以下、図2と図3を用いて、カンチレバー
22およびカンチレバー保持部材24を溶液16に沈め
る手順について説明する。まず、昇降手段40を用いて
ヘッド36を下降させて、図2(A)に示すように、探
針20とカンチレバー22と窓部材30の全体とカンチ
レバー保持部材24の一部を溶液16に沈める。探針2
0とカンチレバー22は親水化処理されているので、こ
れらに気泡が付着することはない。その後、マイクロデ
ィスペンサー32を用いて所定量の界面活性剤を溶液1
6の液面上に供給し、液面に界面活性剤42の単分子膜
44を形成する。供給する界面活性剤42の量は、液面
に単分子膜を形成するのに必要な量であり、容器14の
開口部の面積により決まる。このとき、液面の界面活性
剤の各分子46は、図3(A)に示すように、溶液16
側に親水基46aを、大気側に疎水基46bを向けて液
面に並ぶ。使用する界面活性剤としては例えばステアリ
ン酸バリウムがあげられる。
【0019】次に、昇降手段40を用いて、図2(B)
に示すように、カンチレバー22と探針20が界面活性
剤の単分子膜44に触れない高さまでヘッド36を上昇
させる。このとき、窓部材30の全体とカンチレバー保
持部材24の殆どの部分が大気中に引き上げられる。カ
ンチレバー保持部材24が溶液16から引き上げられる
際、液面上の界面活性剤の分子46は、図3(B)に示
すように、カンチレバー保持部材24の表面に親水基4
6aを向けて付着する。図にはカンチレバー保持部材2
4のみが示されているが同様に窓部材30の表面にも親
水基46aを向けて付着する。この結果、カンチレバー
保持部材24と窓部材30の表面には、疎水基46bが
大気中に向いた界面活性剤の被膜48が形成される。カ
ンチレバー保持部材24の上面と下面は図1(C)に示
したようにV字形状となっているので、上面と下面にも
界面活性剤の被膜48が良好に形成される。このとき、
探針20とカンチレバー22は親水化処理が施されてい
るので、これらの表面には界面活性剤の被膜が形成され
ない様に注意することが肝要である。
【0020】なお、図2に示されるようにカンチレバー
保持部材24は、カンチレバー22の先端部から基端部
方向に徐々に溶液16に浸入するように溶液16の液面
に対して傾斜して構成することが好ましい。このように
構成することにより、カンチレバー22を界面活性剤に
触れさせずにカンチレバー保持部材24を有効に親水化
処理することができる。
【0021】続いて、昇降手段40を用いてヘッド36
を下降させて、図2(C)に示すように、探針20を試
料12の表面近くまで近づける。このとき、カンチレバ
ー保持部材24と窓部材30の表面には外側に疎水基4
6bが向いた界面活性剤の被膜が形成されており、液面
には大気側に疎水基46bを向けた界面活性剤の単分子
膜があるので、カンチレバー保持部材24と窓部材30
が再び溶液中に沈む際に、図3(C)に示すように、液
面上の界面活性剤はカンチレバー保持部材24と窓部材
30の表面の界面活性剤の被膜に良好に付着し、外側に
親水基46aが向いた二層目の界面活性剤の被膜が形成
される。この結果、カンチレバー保持部材24と窓部材
30は表面に気泡が付着することなく溶液中に沈められ
る。
【0022】最後に、図2(D)に示すように、回収手
段34を用いて、液面に接したノズルから液面上に残る
界面活性剤を吸引する。この結果、図3(D)に示すよ
うに、界面活性剤は、カンチレバー保持部材24と窓部
材30および溶液中に浸っている部材の周辺を除いて回
収される。これで、AFM測定の準備が完了する。
【0023】<第二の実施の形態>次に、第二の実施の
形態について図4を用いて説明する。XYステージ18
の上には、二個の圧電体52によってXY方向に移動さ
れる微動ステージ54が設けられており、試料12と溶
液16を入れた容器14は微動ステージ54の上に配置
される。
【0024】走査の際、試料12は微動ステージ54に
よってXY方向に移動される。従って、円筒型圧電体3
8は、ヘッド36をZ方向に移動させるための伸縮動作
を行なうだけで、これをXY方向に移動させるための湾
曲動作は行なわない。
【0025】他の構成および作用は前述の第一の実施の
形態と同じである。この実施の形態では、円筒型圧電体
38はXY方向への移動のための湾曲動作が不要なの
で、その外径を大きくすることが許される。円筒型圧電
体の外径を大きくすることにより、光学顕微鏡用の観察
に有利な開口数の大きな大型のコンデンサレンズ等を内
側に配置することが可能である。
【0026】本発明は、上述の実施の形態に何等限定さ
れるものではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で行な
われる実施は、すべて本発明に含まれる。本明細書には
以下の各項に記した発明が含まれている。
【0027】1. 例えば生理食塩水等の溶液が満たさ
れたシャーレ等の容器内に固定された試料表面を、溶液
中に挿入した探針保持部材に締結された探針によって走
査することにより試料の形状等の情報を得る液浸走査型
プローブ顕微鏡装置において、水に不溶性の界面活性効
果を有する物質(界面活性剤)の単分子膜を、容器に満
たした溶液の液面上に形成し、探針を溶液中に導入する
際にカンチレバー保持部材の表面に界面活性剤自身の吸
着性を利用して被膜を形成することを特徴とする液浸走
査型プローブ顕微鏡装置。
【0028】[効果] 溶液中に導入した探針保持部材
の表面に界面活性剤の分子が、親水基を外側に向けて被
膜を形成することにより、液中に導入される探針保持部
材の表面の気泡の発生を低減できるため、安定した観察
操作が可能な走査型プローブ顕微鏡装置が提供される。
【0029】2. 第1項において、カンチレバー保持
部材の表面に界面活性剤の被膜を形成させる過程で、一
度大気中から溶液中に導入した探針保持部材のみ液面よ
り引き上げ、かかる後、再度、溶液中に導入することに
よって、カンチレバー保持部材表面に親水性の被膜を形
成する動作プロセスを有することを特徴とする液浸走査
型プローブ顕微鏡装置。
【0030】[効果] 探針先端には界面活性剤分子が
付着せず、探針先端への異物の付着を原因とする走査画
像の画質の劣化が防止される。 3. 第1項において、カンチレバー保持部材の断面形
状の上面と下面がV字形状を有することを特徴とする液
浸走査型プローブ顕微鏡装置。
【0031】[効果] カンチレバー保持部材の上面と
下面の断面形状がV字型であるため、溶液の液面上に形
成された界面活性剤の薄膜面を通過する際の保持部材表
面への界面活性剤の被膜形成が容易となり、界面活性剤
による気泡発生の低減効果の優れた走査型プローブ顕微
鏡装置が得られる。
【0032】4. 第1項ないし第3項において、界面
活性剤を溶液の液面上に供給する手段を有することを特
徴とする液浸走査型プローブ顕微鏡装置。 [効果] 界面活性剤の供給手段を備えているので、デ
ィスペンサー等の供給手段を別途に準備する必要がな
く、溶液の液面上に界面活性剤の薄膜を観察操作の都度
容易に形成することができる、操作性に優れた走査型プ
ローブ顕微鏡装置が得られる。
【0033】5. 第1項ないし第4項において、溶液
の液面上の界面活性剤を回収する手段を有することを特
徴とする液浸走査型プローブ顕微鏡装置。 [効果] 界面活性剤の回収手段を備えているので、溶
液の液面上に形成された界面活性剤の薄膜を回収するこ
とができ、観察中の生体試料の保存のために溶液を還流
させる場合には、液面上の界面活性剤が試料に達する可
能性が低減される。また、界面活性剤にステアリン酸バ
リウム等の水に不溶な物質を使用して溶液中への混入を
防止しているため、試料保護性に優れた走査型プローブ
顕微鏡装置が得られる。
【0034】6. 水に不溶性の界面活性効果を有する
物質(界面活性剤)の単分子膜を、容器に満たした溶液
の液面上に形成し、探針を溶液中に導入する際に、カン
チレバーの変位を検出するためにカンチレバー上方に配
される例えば光てこ方式等の変位検出手段の保護の目的
でカンチレバーと変位検出手段の間に配される防水用窓
部材の表面に界面活性剤自身の吸着性を利用して被膜を
形成することを特徴とする液浸走査型プローブ顕微鏡装
置。
【0035】[効果] 溶液中に導入した窓部材の表面
に界面活性剤の分子が、親水基を外側に向けて被膜を形
成することにより、液中に導入される窓部材の表面の気
泡の発生を低減できるため、正確な変位検出が可能な走
査型プローブ顕微鏡装置が提供される。
【0036】7. 第6項において、防水用窓部材の表
面に界面活性剤の被膜を形成させる過程で、一度大気中
から溶液中に導入した探針保持部材のみ液面より引き上
げ、かかる後、再度、溶液中に導入することによって、
防水用窓部材の表面に親水性の被膜を形成する動作プロ
セスを有することを特徴とする液浸走査型プローブ顕微
鏡装置。
【0037】[効果] 窓部材に付着した界面活性剤と
液面上の界面活性剤は良くなじむので、窓部材を再び溶
液中に沈める際、窓部材の表面には気泡が生じない。 8. 第6項において、防水用窓部材が液面に対して傾
斜して配置されていることを特徴とする液浸走査型プロ
ーブ顕微鏡装置。 [効果] 窓部材が液面に対して傾斜しているので、窓
部材に界面活性剤の被膜が良好に形成される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、探針とカンチレバーと
カンチレバー保持部材に対する気泡の付着が少なくなる
ので、良好な走査が行なえるとともに、光学顕微鏡によ
る観察も良好に行なえる。
【0039】また、窓部材に対する気泡の付着が少なく
なるので、正確な変位検出を行なえるようになる。さら
に、界面活性剤は溶液中に混入しないので、生体試料に
悪影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第一の実施形態による液浸走
査型プローブ顕微鏡の構成を示す図、(B)は(A)の
カンチレバー保持部材を拡大して示す図、(C)は
(B)の1C−1C線によるカンチレバー保持部材の断
面図である。
【図2】図1の液浸走査型プローブ顕微鏡における測定
準備の手順を説明するための図である。
【図3】図2の手順に関連して、気泡が生じること無く
カンチレバー保持部材が溶液中に沈められる様子を説明
するための図である。
【図4】本発明の第二の実施形態による液浸走査型プロ
ーブ顕微鏡の構成を示す図である。
【図5】溶液中の試料を観察する走査型プローブ顕微鏡
の全体の構成を示す断面図である。
【図6】(A)は図5の探針保持部を下から見た図、
(B)は探針保持部の断面図である。
【符号の説明】
12…試料、14…容器、16…溶液、20…探針、2
2…カンチレバー、24…カンチレバー保持部材、26
…レーザー光源、28…受光素子、30…窓部材、32
…マイクロディスペンサー、36…ヘッド、40…昇降
手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器に入れた溶液中に配置された試料を探
    針を用いて観察する液浸走査型プローブ顕微鏡におい
    て、 親水化処理された、先端に探針を備えたカンチレバー
    と、 カンチレバーを保持するカンチレバー保持部材と、 カンチレバーおよびカンチレバー保持部材を溶液中に浸
    入待避させる手段と、 溶液の液面上に界面活性剤を供給する手段とを備えてお
    り、 試料の観察に先立ち、 カンチレバーの全体とカンチレバー保持部材を溶液中に
    沈め、 溶液の液面上に界面活性剤を供給して液面上に界面活性
    剤の薄膜を形成し、 カンチレバーが界面活性剤に触れない範囲でカンチレバ
    ー保持部材をなるべく引き上げ、 再びカンチレバー保持部材を下げることを特徴とする液
    浸走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、 カンチレバーの変位を光学的に検出する変位検出系と、 変位検出系を溶液から保護するために変位検出系を収容
    する筐体とを備え、 筐体は、変位検出系とカンチレバーとの間での光の往来
    を許す光学的に透明な窓部材を有し、窓部材は液面に対
    して斜めに配置されており、 試料の観察に先立ち、 窓部材を溶液中に沈め、 溶液の液面上に界面活性剤を供給して液面上に界面活性
    剤の薄膜を形成し、 窓部材を引き上げ、 再び窓部材を溶液中に沈めることを特徴とする液浸走査
    型プローブ顕微鏡。
JP27792495A 1995-10-25 1995-10-25 液浸走査型プローブ顕微鏡装置 Withdrawn JPH09119939A (ja)

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