JPH09119603A - ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法 - Google Patents

ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法

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JPH09119603A
JPH09119603A JP28008895A JP28008895A JPH09119603A JP H09119603 A JPH09119603 A JP H09119603A JP 28008895 A JP28008895 A JP 28008895A JP 28008895 A JP28008895 A JP 28008895A JP H09119603 A JPH09119603 A JP H09119603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボイラ水壁管の腐食疲労のように対象部位や影
響因子が多くて一概に損傷度が評価できない予防保全課
題に対して、ボイラ水壁管全体の損傷度合や余寿命を適
正、かつ定量的な評価が可能な解析診断および予測する
方法を提供する。 【解決手段】ボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価
し、診断もしくは予測する方法であって、次の(数1)
式 aCF=(da/dN)・N+(da/dt)・t………
(数1) 〔式中、(aCF)は腐食疲労亀裂深さ、(da/dN)
は応力振幅から求められる高温水中の疲労亀裂進展速
度、Nはボイラの起動停止回数、(da/dt)は腐食
または孔食進展速度、tはボイラの腐食に関与する時間
を表わす。〕により算出される腐食疲労亀裂深さからボ
イラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価し損傷度合を診断
し予測する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電用ボイラ
の予防保全材料損傷診断予測方法に係り、特にボイラ水
壁管の腐食疲労損傷の評価および予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラを十年以上運転する
と、ボイラ水壁管などの伝熱管内面に腐食疲労による腐
食を伴った線状亀裂が発生することがある。図5
(a)、(b)、(c)に、代表的な腐食疲労による亀
裂の発生状態を示す。なお、図5(a)はボイラ水壁管
(伝熱管)1の内面の腐食疲労亀裂6が進展していく状
態を示し、図5(b)は、図5(a)のA−A断面を示
し、図5(c)は、図5(b)のB部の腐食疲労亀裂6
を拡大した図である。このような腐食疲労亀裂6が進展
していくと、伝熱管内の高温、高圧水の漏洩事故や噴破
事故に繋がることから経年ボイラでは、腐食疲労による
亀裂の進展の解析が重要な課題となっている。特に、火
力発電用ボイラの水壁管には、例えば、図4(a)、
(b)に示すような応力振幅測定用の金属部品4が溶接
によって多数取り付けられている。なお、図4(b)
は、図4(a)のA−A断面を示す。この金属部品4
が、ボイラ水壁管1に直接溶接された部分では、ボイラ
の起動停止時のような大幅な温度変動時に、金属部品4
とボイラ水壁管1との間に温度差が生じ熱応力が発生す
る。この熱応力の発生の繰返しと、腐食作用との組み合
わせにより、金属部品4が直接溶接されたボイラ水壁管
1の内面に腐食疲労による亀裂が発生しやすいことが知
られており、運転時間が十万時間以上、運転年数で十数
年以上の火力発電用ボイラにおいては重大な課題となっ
ている。特に火力発電用ボイラでは、最近の電力需要に
対応するためボイラの起動停止回数が従来より大幅に増
加しており、腐食疲労による亀裂が発生しやすい条件と
なっている。ボイラの水壁管内面の腐食疲労は、熱応力
または歪み振幅の大きさと、それらの繰返し数と繰返し
速度、または歪み速度と腐食環境条件と、使用されてい
る材料の特性の影響を受けることが米国電力研究所(E
PRI)等の調査研究で明らかになっている〔R.W.Pa
tterson et al.:Corrosion Fatigue Boiler Tube Failu
re in Waterwalls and Economizers;EPRI Report TR-10
045('93-12)、J.Stodala et al.:Status of Corrosio
n Fatigue Failure Investigation in Drum Type Utili
ty Boilers;50th Annual Meeting International Water
Conference('89-10)〕。しかしながら、これらをボイ
ラ水壁間内面の腐食疲労の評価、診断および予測に使用
しようとする場合は影響因子が多い上に、応力または歪
み振幅の大きさが金属部品の形状寸法や設置場所の温度
条件の影響を受けることについての考慮はなされておら
ず、検査した箇所のデータを用いて、金属部品の形状寸
法や設置場所が異なる検査していない箇所の損傷や亀裂
深さの程度および余寿命を推定したり予測することがで
きないというのが現状である。また、大型火力発電用ボ
イラの水壁管には、通常20〜30種の多くの種類の金
属部品が多数取付けられており、腐食疲労が生じ得る伝
熱管の部位は、2万から数万箇所にのぼる。このような
非常に多数の部位を、限られた定検期間中に検査するこ
とは困難であり、何らかの手段で推定したり予測せざる
を得ない。また、すでに発生している腐食疲労亀裂が、
今後どのような腐食形状や速度で進展していくかを予測
することも重要な課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、大
型火力発電用ボイラ等の水壁管には腐食疲労を評価する
ために20〜30種類からなる多種類の応力振幅測定用
の金属部品が多数個取り付けられており、対象とする伝
熱管の部位は2万ないし数万箇所にも及んでいる。この
ように非常に多数の伝熱管の部位を、限られた定検期間
中に検査することは実際上困難であり、また、すでに発
生している腐食疲労亀裂が今後どのような形状や速度で
進展していくのかを予測することも重要な課題となって
いる。また、ボイラ水壁間内面の腐食疲労の評価、診断
および予測を行う場合には影響因子が多い上に、応力ま
たは歪み振幅の大きさが金属部品の形状寸法や設置場所
の温度条件の影響を受けることについての考慮はなされ
ておらず、検査した箇所のデータを用いて、検査してい
ない箇所の損傷や亀裂深さの程度および余寿命を推定し
たり予測したりすることは難しいという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における課
題ないしは問題点を解消するものであって、ボイラ水壁
管の腐食疲労のように対象部位や影響因子が多くて一概
に損傷度が評価できない予防保全課題に対して、ボイラ
水壁管全体の損傷度合や余寿命を適正、かつ定量的な評
価が可能な解析診断および予測する方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項1に記
載のように、ボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価
し、診断もしくは予測する方法であって、上記ボイラ水
壁管の腐食疲労亀裂深さを、高温水中での疲労亀裂進展
速度と、ボイラの停止中を含めた腐食または孔食進展速
度との線形加算により求めて、ボイラ水壁管の腐食疲労
損傷度合を評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予
測方法とするものである。このようなボイラ水壁管の診
断予測方法とすることにより、ボイラ水壁管の腐食疲労
のように対象部位や影響因子が多くて一概に損傷度が評
価できない予防保全課題に対して、ボイラ水壁管全体の
損傷度合や余寿命を適正、かつ定量的に評価できる効果
がある。また、本発明は請求項2に記載のように、請求
項1において、ボイラ水壁管の腐食疲労亀裂深さ
(aCF)を、次の(数1)式 aCF=(da/dN)・N+(da/dt)・t………(数1) 〔式中、(da/dN)は応力振幅から求められる高温
水中での疲労亀裂進展速度、Nはボイラの起動停止回
数、(da/dt)は腐食または孔食進展速度、tはボ
イラの腐食に関与する時間(運転時間、運転年数、停止
時間および酸洗時間等)を表わす。〕から算出して、ボ
イラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価するボイラ水壁管
の腐食疲労損傷診断予測方法とするものである。このよ
うに、本発明者らの見出した経験式である(数1)式を
用いることにより、上記請求項1の共通の効果に加え
て、ボイラ水壁管全体の損傷度合や余寿命を適正、かつ
定量的に算出できる効果がある。また、本発明は請求項
3に記載のように、請求項1に記載のボイラ水壁管の腐
食疲労損傷診断予測方法において、ボイラ水壁管を任意
の一定面積ごとに区切って複数の区画を形成し、該区画
を複数のゾーンに分類して番地付けを行うと共に、上記
区画のボイラ水壁管に応力振幅測定用の金属部品を溶接
により装着し、該金属部品の種類とゾーンごとの応力係
数を設定して、上記金属部品を装着した区画のボイラ水
壁管の内面もしくは溶接部の応力振幅を求め、腐食疲労
亀裂深さを算出してボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を
評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法とす
るものである。このようなボイラ水壁管の腐食疲労損傷
診断予測方法とすることにより、上記請求項1の共通の
効果に加えて、ボイラ水壁管の経年劣化寿命を支配する
腐食疲労亀裂損傷について、部分的な検査結果からボイ
ラ全体の損傷度合を迅速に診断、予測できる効果があ
る。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項1
に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法にお
いて、ボイラ水壁管の部分的な腐食疲労亀裂深さの検査
値を用いて、(数1)式から腐食または孔食進展速度
(da/dt)を算出し、この(da/dt)値と、応
力振幅から算出される疲労亀裂進展速度(da/dN)
の値を用いて、未検査のボイラ水壁管部位の腐食疲労亀
裂深さを予測するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測
方法とするものである。このような腐食疲労損傷診断予
測方法とすることにより、上記請求項1の共通の効果に
加えて、(数1)式から、未検査のボイラ水壁管部位の
腐食疲労亀裂深さを容易に診断予測できる効果がある。
また、本発明は請求項5に記載のように、請求項1に記
載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法におい
て、疲労亀裂進展速度(da/dN)および腐食または
孔食進展速度(da/dt)から、ボイラ水壁管に装着
されているそれぞれの金属部品の水壁管部位における将
来の腐食疲労亀裂深さを予測すると共に、許容亀裂深さ
までの残肉厚さの算出から余寿命を求めるボイラ水壁管
の腐食疲労損傷診断予測方法とするものである。このよ
うな腐食疲労損傷診断予測方法とすることにより、上記
請求項1の共通の効果に加えて、ボイラ水壁管の将来の
腐食疲労亀裂深さを迅速、かつ正確に予測できると共
に、許容亀裂深さまでの残肉厚さから余寿命を的確に予
測できる効果がある。また、本発明は請求項6に記載の
ように、請求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷
診断予測方法において、ボイラ水壁管の部分的な腐食疲
労亀裂深さの測定値および応力振幅の解析値に対して、
安全性を高める補正係数を設定し、腐食疲労亀裂深さの
測定値および応力振幅の解析値に応じて、上記補正係数
の加減を行うボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法
とするものである。このように安全性を高める補正係数
を設定することにより、上記請求項1の共通の効果に加
えて、信頼性の高いボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予
測方法とすることができ、安全性の高いボイラの運用を
行うことができる効果がある。また、本発明は請求項7
に記載のように、請求項1ないし請求項5のいずれか1
項に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法
を、少なくとも2種以上組み合わせて用いるボイラ水壁
管の腐食疲労損傷診断予測方法とするものである。この
ようなボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法とする
ことにより、上記請求項1の共通の効果に加えて、ボイ
ラの万全の運用をはかることができる効果がある。
【0006】本発明の基本構成を示す(数1)式は、発
明者らの研究結果に基づく経験式である。図5は、上述
したようにボイラ水壁管内面の腐食疲労亀裂の一例を示
すもので、図2および図3は、本発明者らが実際のボイ
ラ水壁管の検査の結果から得られた腐食疲労亀裂深さ
を、ボイラ運転時間および起動停止回数により整理した
ものである。いずれのパラメータの場合も、正の相関が
あるものの、ばらつきは非常に大きく、これら単独の因
子では評価することはできない。ボイラ水壁管は、通常
JIS−STB410のようなボイラ伝熱管用炭素鋼管
が用いられている。この炭素鋼の高温水中での疲労寿命
は、温度、水中の溶存酸素濃度(DO)、歪み振幅また
は応力振幅、歪み速度または繰返し速度、および材料側
の因子の影響を受けることが分かっている。高温、高溶
存酸素で歪み振幅が大きくなり、歪み速度が遅いほど環
境効果による寿命が低下することが分かっている。ボイ
ラ水壁管に設ける金属部品の溶接部において、起動停止
時に生じる応力の振幅は、金属部品の形状や寸法、およ
び取り付け場所によって異なるが100〜400MPa
の範囲にあるのがほとんどであり、縦弾性係数(E)で
除した歪み振幅は0.05〜0.2%の範囲となる。ボイ
ラ起動停止時の歪み速度は0.0004%/sのオーダ
にあり、こうした歪み速度での高温水中疲労寿命は0.
2%の歪み振幅でも数千回以上となる。このことは、樋
口らの研究〔樋口、坂本:高温純水中における炭素鋼の
低サイクル疲労特性:鉄と鋼、Vol.71、No.
8(’85−8)〕でも明らかにされている。高温水中
での疲労寿命は、250℃、DO=8ppmの加速条件
で求めたものであり、この線図を用いる限り数百回のボ
イラ起動停止で、寿命に相当する腐食疲労亀裂が生じた
事象を高温水中での疲労特性からだけで説明することは
できない。本発明は、こうした考察および、図5に示し
た腐食疲労亀裂の形態から、実際の腐食疲労亀裂が高温
水中疲労とボイラ停止中等での孔食(腐食)の線形加算
で表わし得ることに着目したものである。このことを数
式化すると、上述したように、次の(数1)式のように
なる。 aCF=(da/dN)・N+(da/dt)・t………(数1) 〔式中、aCFは腐食疲労亀裂深さ、(da/dN)は高
温水中での疲労亀裂進展速度、Nはボイラの起動停止回
数、(da/dt)は腐食または孔食進展速度tはボイ
ラの腐食に関与する時間、例えば、運転時間、運転年
数、停止時間、酸洗時間等を表わす。〕 本発明の腐食疲労亀裂の発生および進展モデルは次のよ
うに考えられている。 ボイラの起動停止時の熱応力による管内付着スケール
に割れが発生する。 スケール割れ部に孔食が発生する。 孔食(ピット)下で疲労亀裂が進展する。 腐食と疲労の繰返しによる腐食疲労亀裂が進展する。 (数1)式による高温水中の疲労亀裂進展速度(da/
dN)は、応力または歪み振幅、歪み速度または繰返し
速度、および腐食疲労亀裂深さの関数になるものであ
る。具体的な数式例として、発明者らの調査研究による
と、次の(数2)式のようになる。
【0007】
【数2】
【0008】式中、εaは歪み振幅(=応力振幅/縦弾
性係数=σa/E)、εは歪み速度、a、b、c、d、
eは高温水中の腐食疲労実験から求めた回帰係数または
ベキ数を表わし、具体例として、a=0.85、b=
8、c=−0.5、d=−0.582、e=0.001
(亀裂深さが0mmの時)で示すことができる。 上記
(数2)式を用いれば、任意の歪み振幅(または応力振
幅)、任意の歪み速度、および腐食疲労亀裂深さに対し
て、高温水中での疲労亀裂進展速度を算出したり、設定
することができる。なお、高温水中での疲労亀裂進展速
度の算出について述べたが、本発明においてこれらの式
は、固定的なものではなく、新たな調査研究の結果によ
り更新したり、変更し得る性質のものである。高温水中
の疲労亀裂進展速度を決定する歪みまたは応力振幅等の
応力負荷条件は、応力解析によって求められるものであ
り、一般的には、有限要素法による応力解析結果が使用
される。ボイラの起動停止時の管内流体、伝熱管表面お
よび金属部品の温度測定結果に基づく有限要素法の応力
解析結果は現状では最も精度の高い応力解析法である
が、本発明において特に応力解析法を特定するものでは
ない。単純な金属部品と伝熱管の温度差から算出される
簡易応力振幅値であっても高温水中の疲労亀裂進展速度
を求めることができる。本発明においては、安全性や信
頼性の向上の点から、「応力振幅算出法の信頼度(安
全)係数(以下K2と言う)」を導入する。K2の値は、
調査研究データの蓄積で変更されうる性質のものである
が、本発明においては、次のように設定する。 (1)有限要素法の応力解析の場合…………………K2=1.0〜1.1 (2)簡易応力解析の場合…………………………K2=1.3〜1.5 応力振幅の信頼度係数は、通常は次のようにして用いる
ことができる。例えば、簡易応力解析(K2=1.5)
で、300MPaの応力振幅と算出された場合、300
×1.5=450MPaの応力振幅(ひずみ振幅=応力
振幅/縦弾性係数=450/205800=0.002
2)として、高温水中疲労亀裂進展速度を算出できる。
上述した(数1)式で、腐食疲労亀裂深さを予測した
り、算出する場合に、高温水中の疲労亀裂進展速度(d
a/dN)、起動停止回数(N)、腐食または孔食進展
速度(da/dt)およびボイラの腐食に関与する時間
(t)が分かれば、そのまま計算できるが、腐食または
孔食進展速度は、長年のボイラの運転条件(運転中の水
質条件、停止中の環境条件、脱スケール用酸洗条件等)
に左右され、一概に求められず、またプラント特有の値
になるケースも多い。本発明では、腐食または孔食進展
速度が既知の場合を除いて、部分的な腐食疲労亀裂深さ
の測定結果から上記(数1)式を用いて、腐食または孔
食進展速度を算出し設定することとした。また、腐食疲
労亀裂深さの測定点が複数点ある場合には、重み付けを
考慮した平均的な腐食または孔食進展速度を算出すれば
良い。上述した方法による腐食または孔食進展速度算出
法では、腐食疲労亀裂深さの測定精度が重要となる。そ
こで本発明では、腐食疲労亀裂深さの計測方法に対して
も信頼度(安全)係数(腐食疲労亀裂深さの計測信頼度
係数:K1)を採用することとした。K1もK2と同様、
調査研究データや新たな検査計測法の開発蓄積により変
更される性質のものであるが、本発明では次のように設
定した。 (1)抜管断面観察、統計的評価………………………………K1=1.0 (2)抜管断面観察、代表断面調査での亀裂深さの計測……K1=1.2 (3)超音波または漏洩磁束法等の非破壊検査………………K1=1.5。
【0009】
〔評価ステップ〕
(1)(数2)式より疲労亀裂進展速度(da/dN)
を求める。 (2)(数1)式に、(da/dN)、N、(da/d
t)およびtを代入して、現状の腐食疲労亀裂深さ(a
CFP)を算出する。 〔具体的計算例〕 応力振幅(σa)=267MPa 疲労亀裂進展速度(da/dN)=0.00047mm/回 ボイラの起動停止回数(N)=450回 腐食または孔食進展速度(da/dt)=0.018mm/年 ボイラの腐食に関与する時間(=運転年数)=18.5年 現状の腐食疲労亀裂深さaCFP=(da/dN)・N+(da/dt)・t =0.00047×450+0.018×18.5 =0.545(mm)。
【0010】〈第2の実施の形態〉(数1)式の右項が
既知で、将来の腐食疲労亀裂進深さを予測する方法。 (A)既知項目 (1)応力振幅(σa) (2)ボイラの起動停止回数(N) (3)腐食または孔食進展速度(da/dt) (4)ボイラの腐食に関与する時間(t) (B)予測項目 将来の腐食疲労亀裂進展(aCFF) 〔評価ステップ〕 (1)第1の実施の形態と同様に、(数2)式により疲
労亀裂進展速度(da/dN)を求め、(数1)式によ
り現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP)を算出する。
(2)予測時点までのボイラの起動停止回数(N)およ
びボイラの腐食に関与する時間(t)を、次の(数3)
式に代入し、将来の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を算出
する。 aCFF=aCFP+(da/dN)・N+(da/dt)・t……(数3) (3)(数3)式により、将来の腐食疲労亀裂深さ(a
CFF)を予測する場合、(da/dN)および(da/
dt)が、これまでと同じで一定として算出しても良
く、また亀裂進展に伴って(da/dN)あるいは(d
a/dt)が変化するとして計算しても良い。 〔具体的計算例〕 応力振幅(σa)=267MPa、(da/dN)=0.00047mm/回 ボイラの起動停止回数(N)=450回 腐食または孔食進展速度(da/dt)=0.018mm/年 腐食進展に寄与する時間(=運転年数)=18.5年 現状の腐食疲労亀裂深さaCFP=(da/dN)・N+(da/dt)・t =0.00047×450+0.018×18.5 =0.545(mm) 今後の起動停止回数(N)=40回/年 今後の疲労亀裂進展速度(da/dN)は、応力振幅σa=267MPa、 aCFP=0.545(mm)とすると、 (da/dN)=0.00077mm/回となる。 3年後の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を予測すると、 aCFF=aCFP+(da/dN)・N+(da/dt)・t =0.545+0.00077×40×3+0.018×3 =0.691(mm)。
【0011】〈第3の実施の形態〉腐食または孔食腐食
速度(da/dt)が未知の場合の将来の腐食疲労亀裂
深さを予測する方法。 (A)既知項目 (1)応力振幅(σa) (2)ボイラの起動停止回数(N) (3)ボイラの腐食に関与する時間(t) (4)現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP) (B)予測項目 将来の腐食疲労亀裂深さ(aCFF) 〔評価ステップ〕 (1)第1の実施の形態と同様に、(数2)式により疲
労亀裂進展速度(da/dN)を求め、(数1)式によ
り腐食または孔食腐食速度(da/dt)を算出する。 (2)予測時点までのボイラの起動停止回数(N)およ
びボイラの腐食に関与する時間(t)を、次の(数4)
式に代入し、将来の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を算出
する。 aCFF=aCFP+(da/dN)CF・N+(da/dt)Pit・t……(数4) (3)上述のように、腐食疲労亀裂深さの測定法が抜管
断面観察、統計的評価の場合、そのままaCFP値を用い
ればよいが、代表断面観察、超音波または漏洩磁束法等
の非破壊検査の場合は、計測されたaCFPのそれぞれの
1を乗じて上記(1)の計算を行う。また、応力解析
手法により応力振幅算出法の信頼度係数(K2)を使用
することは上述した通りである。 〔具体的計算例〕 応力振幅(σa)=267MPa、(da/dN)=0.00047mm/回 起動停止回数(N)=450回 腐食進展に寄与する時間(=運転年数)=18.5年 現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP)=0.6(mm)…代表断面観察法による。 aCFPの代表値=0.6×K1=0.6×1.2=0.72(mm) 孔食速度(da/dt)=(aCFP−(da/dN)・N)/t =(0.72−0.00047×450)/18.5 =0.0275mm/年 今後のボイラの起動停止回数(N)=40回/年 今後の疲労亀裂進展速度(da/dN)は、σa=267MPa、aCFP= 0.545を代入し求めると、(da/dN)=0.00077mm/回となる。
【0012】 3年後の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を予測すると、 aCFF=aCFP+(da/dN)・N+(da/dt)・t =0.72+0.00077×40×3+0.0275×3 =0.895(mm)。
【0013】〈第4の実施の形態〉応力振幅値が簡易解
析である場合の将来の腐食疲労亀裂深さを予測する方
法。 (A)既知項目 (1)ボイラの起動停止回数(N) (2)ボイラの腐食に関与する時間(t) (3)現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP) (B)予測項目 応力振幅値(σa)が簡易解析である場合の将来の腐食
疲労亀裂進展(aCFF) 〔評価ステップ〕 (1)第1の実施の形態と同様に、(数2)式により疲
労亀裂進展速度(da/dN)を求め、(数1)式によ
り腐食または孔食進展速度(da/dt)を算出する。 (2)予測時点までのボイラの起動停止回数(N)およ
びボイラの腐食に関与する時間(t)を、次の(数4)
式に代入し、将来の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を算出
する。 aCFF=aCFP+(da/dN)CF・N+(da/dt)Pit・t……(数4) (3)上述のように、腐食疲労亀裂深さの測定法が抜管
断面観察、統計的評価の場合、そのままaCFP値を用い
ればよいが、代表断面観察、超音波または漏洩磁束法等
の非破壊検査の場合は、計測されたaCFPのそれぞれの
1を乗じて上記(1)の計算を行う。また、応力解析
手法により応力振幅算出法の信頼度係数(K2)を使用
する。 〔具体的計算例〕 簡易解析の応力振幅(σa)=267MPa 疲労亀裂進展速度(da/dN)=0.00047mm/回 ボイラの起動停止回数(N)=450回 ボイラの腐食に関与する時間(=運転年数)=18.5年 現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP)=0.6(mm)…代表断面観察法による。 aCFPの代表値=0.6×K1=0.6×1.2=0.72(mm) 腐食または孔食進展速度(da/dt)=(aCFP−(da/dN)・N)/t =(0.72−0.00047×450)/18.5 =0.0275mm/年 今後のボイラの起動停止回数(N)=40回/年 今後の疲労亀裂進展速度(da/dN)は、σa=267×1.4MPa、 aCFP=0.545を代入して求めると、(da/dN)=0.00309mm/ 回となる。 3年後の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を予測する。 aCFF=aCFP+(da/dN)・N+(da/dt)・t =0.72+0.00309×40×3+0.0275×3 =1.174(mm)。
【0014】〈第5の実施の形態〉腐食または孔食進展
速度(da/dt)が未知で、将来の腐食疲労亀裂進展
(aCFF)を予測し、余寿命を算出する。 (A)既知項目 (1)応力振幅(σa) (2)ボイラの起動停止回数(N) (3)ボイラの腐食に関与する時間(t) (4)現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP) (B)予測項目 将来の腐食疲労亀裂進展(aCFF)および残肉厚が設計
必要肉厚以下になるまでの余寿命の算出。 〔評価ステップ〕 (1)第1の実施の形態と同様に、(数2)式により疲
労亀裂進展速度(da/dN)を求め、(数1)式によ
り腐食または孔食進展速度(da/dt)を算出する。 (2)予測時点までのボイラの起動停止回数(N)およ
びボイラの腐食に関与する時間(t)を、次の(数4)
式に代入し、将来の腐食疲労亀裂深さ(aCFF)を算出
する。 aCFF=aCFP+(da/dN)CF・N+(da/dt)Pit・t……(数4) (3)上述のように、腐食疲労亀裂深さの測定法が抜管
断面観察、統計的評価の場合、そのままaCFP値を用い
ればよいが、代表断面観察、超音波または漏洩磁束法等
の非破壊検査の場合は、計測されたaCFPのそれぞれに
1を乗じて、上記(1)の計算を行う。将来の腐食疲
労亀裂深さの計算は、ある任意の時間ステップ(例えば
1年ごと)で実施し、亀裂深さに応じた疲労亀裂進展速
度を用いる。 (4)腐食疲労による寿命は、その系やプラント特有の
取り方があるが、ここでは、残肉厚が設計必要肉厚(t
sr)以下になった時を寿命として計算した。 〔具体的計算例〕 応力振幅(σa)=267MPa 疲労亀裂進展速度(da/dN)=0.00047mm/回 ボイラの起動停止回数(N)=450回 ボイラの腐食に関与する時間(t)(=運転年数)=18.5年 現状の腐食疲労亀裂深さ(aCFP)=0.6(mm)…代表断面観察法による。 aCFPの代表値=0.6×K1=0.6×1.2=0.72 孔食速度(da/dt)=(aCFP−(da/dN)・N)/t =(0.72−0.00047×450)/18.5 =0.0275mm/年 今後のボイラの起動停止回数(N)=40回/年 管の肉厚(t)=4.2(mm) 設計必要肉厚(tsr)=3.0(mm)、許容亀裂深さ=1.2(mm) 腐食疲労亀裂進展予測線図:図1(計算方法は、第3の実施の形態と同じ。) 余寿命:7年。
【0015】
【発明の効果】本発明のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診
断または予測方法を用いることにより、ボイラ水壁管の
経年劣化寿命を支配する腐食疲労亀裂損傷の評価、診断
および腐食進展の予測を確実に行うことが可能となり、
信頼性の高いプラントの運転を実現することができる。
すなわち、本発明は請求項1に記載のように、ボイラ水
壁管の腐食疲労亀裂深さを、高温水中での疲労亀裂進展
速度と、ボイラの停止中を含めた腐食または孔食進展速
度との線形加算により求めて、ボイラ水壁管の腐食疲労
損傷度合を評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予
測方法とするものであり、このようなボイラ水壁管の診
断予測方法とすることにより、ボイラ水壁管の腐食疲労
のように対象部位や影響因子が多くて一概に損傷度が評
価できない予防保全課題に対して、ボイラ水壁管全体の
損傷度合や余寿命を適正、かつ定量的に評価できる効果
がある。また、本発明は請求項2に記載のように、請求
項1において、ボイラ水壁管の腐食疲労亀裂深さ
(aCF)を、次の(数1)式 aCF=(da/dN)・N+(da/dt)・t………(数1) 〔式中、(da/dN)は応力振幅から求められる高温
水中での疲労亀裂進展速度、Nはボイラの起動停止回
数、(da/dt)は腐食または孔食進展速度、tはボ
イラの腐食に関与する時間(運転時間、運転年数、停止
時間および酸洗時間等)を表わす。〕から算出して、ボ
イラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価するボイラ水壁管
の腐食疲労損傷診断予測方法とするものである。このよ
うに、本発明者らの見出した経験式である(数1)式を
用いることにより、上記請求項1の共通の効果に加え
て、ボイラ水壁管全体の損傷度合や余寿命を適正、かつ
定量的に算出できる効果がある。また、本発明は請求項
3に記載のように、請求項1に記載のボイラ水壁管の腐
食疲労損傷診断予測方法において、ボイラ水壁管を任意
の一定面積ごとに区切って複数の区画を形成し、該区画
を複数のゾーンに分類して番地付けを行うと共に、上記
区画のボイラ水壁管に応力振幅測定用の金属部品を溶接
により装着し、該金属部品の種類とゾーンごとの応力係
数を設定して、上記金属部品を装着した区画のボイラ水
壁管の内面もしくは溶接部の応力振幅を求め、腐食疲労
亀裂深さを算出してボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を
評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法とす
るものであり、このようにすることにより、上記請求項
1の共通の効果に加えて、ボイラ水壁管の経年劣化寿命
を支配する腐食疲労亀裂損傷について、部分的な検査結
果からボイラ全体の損傷度合を迅速に診断、予測でき
る。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項1
に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法にお
いて、ボイラ水壁管の部分的な腐食疲労亀裂深さの検査
値を用いて、(数1)式から腐食または孔食進展速度
(da/dt)を算出し、この(da/dt)値と、応
力振幅から算出される疲労亀裂進展速度(da/dN)
の値を用いて、未検査のボイラ水壁管部位の腐食疲労亀
裂深さを予測するボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測
方法とするものであり、このようにすることにより、上
記請求項1の共通の効果に加えて、未検査のボイラ水壁
管部位の腐食疲労亀裂深さを容易に診断し予測すること
ができる。また、本発明は請求項5に記載のように、請
求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方
法において、疲労亀裂進展速度(da/dN)および腐
食または孔食進展速度(da/dt)から、ボイラ水壁
管に装着されているそれぞれの金属部品の水壁管部位に
おける将来の腐食疲労亀裂深さを予測すると共に、許容
亀裂深さまでの残肉厚さの算出から余寿命を求めるボイ
ラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法とするものであ
り、このようにすることにより、上記請求項1の共通の
効果に加えて、ボイラ水壁管の将来の腐食疲労亀裂深さ
を迅速、かつ正確に予測できると共に、許容亀裂深さま
での残肉厚さから余寿命を的確に予測できる。また、本
発明は請求項6に記載のように、請求項1に記載のボイ
ラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法において、ボイラ
水壁管の部分的な腐食疲労亀裂深さの測定値および応力
振幅の解析値に対して、安全性を高める補正係数を設定
し、腐食疲労亀裂深さの測定値および応力振幅の解析値
に応じて、上記補正係数の加減を行うボイラ水壁管の腐
食疲労損傷診断予測方法とするものであり、このように
安全性を高める補正係数を設定することにより、上記請
求項1の共通の効果に加えて、信頼性の高いボイラ水壁
管の腐食疲労損傷診断予測方法とすることができ、安全
性の高いボイラの運用を行うことができる。また、本発
明は請求項7に記載のように、請求項1ないし請求項5
のいずれか1項に記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診
断予測方法を、少なくとも2種以上組み合わせて用いる
ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法とするもので
あり、このようにすることにより、上記請求項1の共通
の効果に加えて、信頼性の高いボイラ水壁管の腐食疲労
損傷診断予測方法を実施することができ、ボイラの万全
の運用をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示したボイラ水壁管の
腐食疲労亀裂進展予測線図。
【図2】本発明の実施の形態で例示したボイラの起動停
止回数と水壁管の腐食疲労亀裂深さとの関係を示すグラ
フ。
【図3】本発明の実施の形態で例示したボイラの運転時
間と水壁管の腐食疲労亀裂深さとの関係を示すグラフ。
【図4】応力振幅測定用の金属部品をボイラ水壁管に溶
接により取り付けた状態を示す模式図。
【図5】ボイラ水壁管内面の腐食疲労亀裂の発生状況を
示す図。
【符号の説明】
1…1…ボイラ水壁管(伝熱管) 2…メンブレンバー 3…フィラープレート 4…金属部品 5…溶接部 6…腐食疲労亀裂 7…シールボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 車地 隆治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価
    し、診断もしくは予測する方法であって、上記ボイラ水
    壁管の腐食疲労亀裂深さを、高温水中での疲労亀裂進展
    速度と、ボイラの停止中を含めた腐食または孔食進展速
    度との線形加算により求めて、ボイラ水壁管の腐食疲労
    損傷度合を評価することを特徴とするボイラ水壁管の腐
    食疲労損傷診断予測方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、ボイラ水壁管の腐食疲
    労亀裂深さ(aCF)を、次の(数1)式 aCF=(da/dN)・N+(da/dt)・t………(数1) 〔式中、(da/dN)は応力振幅から求められる高温
    水中での疲労亀裂進展速度、Nはボイラの起動停止回
    数、(da/dt)は腐食または孔食進展速度、tはボ
    イラの腐食に関与する時間を表わす。〕から算出して、
    ボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価することを特徴
    とするボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労
    損傷診断予測方法において、ボイラ水壁管を任意の一定
    面積ごとに区切って複数の区画を形成し、該区画を複数
    のゾーンに分類して番地付けを行うと共に、上記区画の
    ボイラ水壁管に応力振幅測定用の金属部品を溶接により
    装着し、該金属部品の種類とゾーンごとの応力係数を設
    定して、上記金属部品を装着した区画のボイラ水壁管の
    内面もしくは溶接部の応力振幅を求め、腐食疲労亀裂深
    さを算出してボイラ水壁管の腐食疲労損傷度合を評価す
    ることを特徴とするボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予
    測方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労
    損傷診断予測方法において、ボイラ水壁管の部分的な腐
    食疲労亀裂深さの検査値を用いて、(数1)式から腐食
    または孔食進展速度(da/dt)を算出し、この(d
    a/dt)値と、応力振幅から算出される疲労亀裂進展
    速度(da/dN)の値を用いて、未検査のボイラ水壁
    管部位の腐食疲労亀裂深さを予測することを特徴とする
    ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労
    損傷診断予測方法において、疲労亀裂進展速度(da/
    dN)および腐食または孔食進展速度(da/dt)か
    ら、ボイラ水壁管に装着されているそれぞれの金属部品
    の水壁管部位における将来の腐食疲労亀裂深さを予測す
    ると共に、許容亀裂深さまでの残肉厚さの算出から余寿
    命を求めることを特徴とするボイラ水壁管の腐食疲労損
    傷診断予測方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のボイラ水壁管の腐食疲労
    損傷診断予測方法において、ボイラ水壁管の部分的な腐
    食疲労亀裂深さの測定値および応力振幅の解析値に対し
    て、安全性を高める補正係数を設定し、腐食疲労亀裂深
    さの測定値および応力振幅の解析値に応じて、上記補正
    係数の加減を行うことを特徴とするボイラ水壁管の腐食
    疲労損傷診断予測方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれか1項に
    記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法を、少
    なくとも2種以上組み合わせて用いることを特徴とする
    ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断予測方法。
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