JP2005091028A - ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法 - Google Patents

ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボイラ水壁管の腐食疲労を的確に診断する方法を提供することる。
【解決手段】ボイラ水壁管の運転年数、ボイラの起動停止回数、ボイラ水壁管の化学洗浄周期を含むボイラ水壁管の運転条件とボイラ水壁管の外径、肉厚及び付着金物の大きさを含む形状条件により、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂深さを予測し、腐食疲労き裂深さと運転条件により、ボイラ水壁管の、その後のき裂進展度合いを解析し、ボイラ水壁管の内圧及びボイラ水壁管材料強度から算出されるボイラ水壁管の限界き裂深さを求め、検査計測時の前記腐食疲労き裂進展度合いと前記ボイラ水壁管の限界き裂深さからボイラ水壁管の余寿命を算出し、該算出された余寿命の年数により、ボイラ水壁管の損傷の起こりやすさ指数(DPI)を算定するの腐食疲労損傷診断法。
【解決手段】
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ水壁管の損傷リスク評価法に係り、特にボイラの水壁管で生じうる腐食疲労損傷の危険度(リスク)又は損傷の起こりやすさ(DPI)を高精度に評価診断する方法に関する。
石油化学プラントや火力発電プラントなどの大型設備において、最近はリスクを考慮した保全計画すなわちリスクベースメンテナンス(RBM)法が診断法として使用されるようになってきている。
RBMは、図9に図示すように、損傷確率を査定した装置の損傷の起こり易さ(DPI)を縦軸に、装置に損傷が生じた際の経済的及び人的被害の大きさを査定した影響度合いを横軸にとって、リスクを評価し、前記損傷の起こり易さと前記影響度合いの両方が大きい装置部位や損傷を見出し、保全の優先順位をつけたり、リスク低減法を評価診断する手法であり、プラントの検査や補修などの予防保全計画の最適化が図れ、プラント稼働率の向上や運転、補修コストの低減につながる効果がある。
RBM診断法として、1980年代の原子力プラントの評価を皮切りに、石油化学工業、発電プラント用に開発されており、種々の方法が提案されているが、その中で米国石油協会(American Petroleum Institute:API)の手法(API581:Risk-Based Inspection Base Resource Document , May 2000)は、判定や診断が客観的でデータベースも整備されている。
API581では、プラントにおける(1)全面腐食及び局部腐食(Appendix G)、(2)応力腐食割れ(SCC,Appendix H)、(3)高温での水素侵食(Appendix I)、(4)クリープ損傷(Appendix J)、(5)機械的振動による疲労損傷(Appendix K)、(6)脆性破壊(Appendix L)、(7)ライニング(Appendix M)、(8)外面損傷(Appendix N)が評価できるが、石油化学プラントを主対象としているため、火力発電用ボイラ設備に適用するためには、いくつかの補正や追加が必要である事象もある。
ボイラの水壁管では、図10(a)に示すボイラの水壁管に図10(b)の断面図に示すような管内面からの腐食疲労損傷が生じることがある。この腐食疲労は、クリープ損傷、疲労損傷、腐食及び摩耗による減肉と同様の主要な材料損傷であり、き裂が進展すると水壁管が噴破し、高温高圧水が噴射されるという危険性を有している。そして図10(c)に示すように、一つの因子で整理しようとすると運転年数による整理が最も妥当であるが、それでも腐食疲労き裂深さには相当大きなばらつきがある。
米国石油協会(API)のAPI581「Risk-Based Inspection Base Resource Document 」H1~H30ページ、 May 2000年発行
ボイラ水壁管の腐食疲労は、ボイラ起動時の水壁管と付着金物との温度差による熱応力の発生とその繰返し及び腐食環境との組合せで生じることが明らかにさせているものの、影響因子が多く、また対象部位が多岐にわたることから一概に評価診断できないという問題点を有している。
ボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断は、通常、サンプリングによる管断面検査や超音波探傷(UT)等による非破壊検査で、き裂深さを測定し、各部位の温度測定結果に基づく応力解析により応力振幅を算出し、高温水の水質を考慮した環境の効果を算定して、き裂進展度合いを解析し、内圧などにより管が噴破する限界き裂深さに到達する時点を寿命として算出している。
しかしボイラ水壁管には、腐食疲労の対象となるような起動時に熱応力が生じる部品数は数万箇所あり、種類も数千箇所に及ぶ。これらの膨大な数の対象個所に対し、先に述べたような検査や詳細応力解析は困難である。
またボイラの単なる起動停止回数、運転時間などによる単純系の評価では、有効な診断ができないという問題点がある。
本発明の課題は、ボイラ水壁管の腐食疲労を的確に診断する方法を提供することである。
上記本発明の課題は、ボイラ水壁管の腐食疲労損傷事例を解析し、簡易的な入力可能データから、腐食疲労き裂深さと進展挙動を予測し、噴破限界き裂深さまでの寿命を余寿命として、その大きさから腐食疲労損傷の起こりやすさ(DPI)を算定することによって達成できる。
具体的には下記の方法がある。
(a)腐食疲労き裂深さの検査記録がない場合、ボイラの運転年数、起動停止回数、化学洗浄周期、管及び付着金物の形状や寸法をパラメータにして腐食疲労き裂深さを予測する。
具体的には、腐食疲労疲労き裂深さ(aes:mm)を次式で予測する。
aes=a・Yr・(SS/20)b・(2/Pcc)c・(Rsca)d (1)
ここで Yr:運転年数(年)、SS:平均起動停止回数(回/年)、
Pcc:平均化学洗浄周期(年/回)、Rsca=付着金物と管の断面積比、
a::係数、b,c,d:指数
なお、付着金物とは、図10に示す付着金物と表示した部分であり、炭素鋼や合金鋼などからなるボイラ構造用鋼管は、内部を圧力がかかった流体が流通する耐圧部を形成する耐圧製品である。一方、付着金物は、鋼板や丸鋼や鋳鋼からなるが、それ自体は非圧製品であるものを前記耐圧製品に溶接等で接続されて使用される。また、図10(a)で例えば付着金物の寸法を20×50mm=1000mm2とし、管の寸法を外径25mm×厚さ4mmとし3個の管を金物で固定している場合、管の断面積は264mm2×3=792mm2であるので、従って付着金物と管の断面積比は、792/1000=0.792となる。
(b)腐食疲労き裂深さが分かると、次に腐食疲労き裂進展を次式で算出する。
i+1=ai + da/dN×N + da/dt (2)
ここで、ai+1:i+1年目の腐食疲労き裂深さ(mm)、ai:i年目の腐食疲労き裂深さ、
da/dN:疲労き裂進展速度、N:起動停止回数、
da/dt:孔食又は腐食(酸化)速度(mm/年)
da/dNは、ai(i年目の腐食疲労き裂深さ)、応力振幅(σa:MPa)及び環境条件の関数である。
(c)内圧による噴破漏洩限界き裂深さ(alim)は、後述する(4)式及び(5)式により、管の肉厚(t)、内圧、き裂長さ(2C)、材料の流動応力(σo)及び応力係数(M)の関数で算出し、限界き裂深さ(alim)に達するまでの寿命又は残肉厚が設計必要肉厚(tsr)に達するまでの寿命で腐食疲労損傷の起こりやすさ指数(DPI)を算定する。
(d)腐食疲労き裂の測定データが複数個あり、その分布が統計解析できる場合は、分布解析線とその経時変化より、限界き裂深さに達する損傷確率を計算し、損傷の起りやすさ指数を算定する。
これについては、図7に示す実施例で説明するが、図7の縦軸に表記した累積二重指数関数式を用いて、き裂深さと累積確率指数の回帰式(Y=aX + b)の係数aとbを求め、数値例として累積確率95%の最大値のき裂進展解析を行い、分布の係数(傾き)は一定としてある経時変化後の分布を予測し、限界き裂深さに達する損傷確率を計算したものである。
(e)ボイラ水壁管損傷による影響度合い(CF)は、図5に示すように各項目の係数と入力値の積の和で算出する。
(作用)
前述したようにボイラ水壁管の腐食疲労損傷は影響因子が多く、起動停止回数や運転時間といった関数での一義的な評価が困難である、図10に示したように、一つの因子で整理しようとすると運転年数による整理が最も妥当であるが、それでも腐食疲労き裂深さには相当大きなばらつきがある。腐食疲労き裂深さのばらつきには、ボイラ起動時等の熱応力の大きさ(σa)、起動停止の繰返し数(起動停止回数、N又はSS)、ボイラ水壁管内の水又は蒸気の温度、ボイラ水壁管内の水又は蒸気の溶存酸素濃度、ボイラ水壁管内の水又は蒸気の不純物濃度といった環境条件が影響している。
発明者らは、多くの事例を回帰分析し、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂は、ボイラの運転年数(Yr、年)、平均起動停止回数(SS、回/年)、平均化学洗浄周期(Pcc、年/回)、付着金物と管の断面積比(Rsca)によって予測、算定できることを見出した。
具体的には、腐食疲労疲労き裂深さ(aes:mm)は次式で予測できる。
aes=a・Yr・(SS/20)b・(2/Pcc)c・(Rsca) (1)
(1)式を用いることにより、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂の検査結果がなくても、き裂深さを求めることができる。a,b,c,dは係数又は指数であり、回帰データにより変化し得る数値であるが、一例としてa=0.1,b=0.4,c=1.0,d=0.5で計算できる。
腐食疲労き裂深さが既知の場合は、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂進展は、次式で算出する。
i+1=ai + da/dN×N + da/dt (2)
ここで、ai+1:i+1年目の腐食疲労き裂深さ(mm)、
i:i年目の腐食疲労き裂深さ、
da/dN:疲労き裂進展速度、N:起動停止回数、
da/dt:孔食又は腐食(酸化)速度(mm/年)
なお、da/dNは、ai(i年目の腐食疲労き裂深さ)、応力振幅(σa:MPa)及び環境条件の関数である。
i年目の腐食疲労き裂深さ(ai)は、検査データがない場合は、(1)式により予測して入力するが、検査データがある場合でもその測定されたき裂深さに下記の測定法補正係数を乗じて入力する。
・断面調査の統計解析:1.0
・代表断面調査:1.2
・UT検査:1.3
・X線検査:1.5
高温水中疲労き裂進展速度(da/dN)は、各種文献データを参照し、da/dN (疲労き裂進展速度:mm/回)と応力拡大係数範囲(ΔK:き裂深さ、応力振幅及び形状から算出される)の各所の実験データを参照して求める。なお、ΔKは、応力振幅(σa)、き裂深さ(ai)及び形状の関数であり、各数値が与えられている場合は、公式を用いて算出すればよいが、通常は、応力振幅が不明で、形状指数も簡易には設定できないケースが多い。そのような場合は、下記回帰式で相当応力振幅(σeq)を算出し、計算することもできる。
σeq=(exp(ln(512)+0.095×ln(ai)×exp(-0.0018×SS) (3)
なお、(3)式には水壁管の構造を考慮したΔKの寄与分が数値になっている。
内圧による噴破漏洩する限界き裂深さ(alim)は、軸方向き裂を有する管の不安定延性破壊式((4)式及び(5)式 by Kiefner et al.:ASM-TP536('73))を用いて算出できる。
(P・R)/t=[(1- alim /t)/(1- alim /t・1/M)]σ0 (4)
M=(1+1.61*(C^2/R・t)^0.5 (5)
ここでP:内圧(MPa)、R:平均半径(mm)、t:肉厚(mm)、alim:限界き裂深さ(mm)、2C:き裂長さ(mm)、σ0:流動応力(MPa)、M:応力係数である。
なお、(1)(2)式で求めたき裂長さ(ai )が(4)(5)式で求めたき裂長さ(alim )になった時点を噴破寿命とする。
ここで、用いている腐食疲労き裂深さ(ai)は、信頼度95%を上限の値としているため、限界き裂深さに達した時点での噴破漏洩確率は5%となり(累積確率95%は、限界値以下であるので、限界値以上の確率すなわち噴破漏洩確率は100−95=5%となる。)、工学的な信頼性上適正な値となっており、残余寿命を損傷の起りやすさ指数(DPI)に置き換えることができる。
上記(1)式または(2)式で得られた腐食疲労き裂深さ(aes)または(ai)が(4)式で得られた限界き裂深さ(alim) になるまでの時間を残余寿命とする。そして前記残余寿命から損傷の起こり易さ(DPI値)を求める。
一例として残余寿命による損傷の起こり易さ(DPI値)は、下記で設定した。
残余寿命 DPI
1年未満 → 5,000
1〜4年 → 1,000
5〜10年 → 500
11〜20年 → 100
21年以上 → 10
ボイラ水壁管の噴破漏洩が損傷危険度を表すものであるが、ボイラ等の伝熱管では、管の寸法(外径、肉厚)及び内圧に応じた設計必要肉厚(tsr)が定義されており、腐食疲労き裂が進展して残肉厚が設計必要肉厚になった時点を寿命とすることもある。
本発明での残余寿命は、腐食疲労き裂深さが、噴破漏洩の限界き裂深さになるまでの寿命あるいは残肉厚が設計必要肉厚になるまでの寿命としている。
設計必要肉厚(tsr)は、(6)式で定義される。
tsr=(P×Do)/(200×S+P)+0.005d (6)
ここで、P:内圧(MPa)、Do:管外径(mm)、S:材料の許容応力(MPa)である。
管内面で腐食疲労き裂が発生すると管外面にもき裂がでることがある。外面き裂は、熱疲労支配であり、環境の影響は少なく、形状効果が大きい。管外面の熱疲労との重畳で噴破寿命が低下する場合、DPIに係数を乗じる必要があり、その係数は、形状や部位に依存することになる。
図9に示すRBM診断での横軸になる影響度合い(CF)は、図5に示すように各項目の係数と入力値の積の和で算出する。
本発明によれば、ボイラ水壁管などで発生する腐食疲労損傷を高精度に診断でき、RBMでの損傷の起こりやすさを高精度に判定できる。RBMでのリスクを精度よく判定できると検査や補修などの予防保全計画の最適化が図れ、プラント稼働率の向上や運転、補修コストの低減につながる効果がある。
以下、本発明の具体的実施例を図面をもって説明する。
図1は、本発明になるボイラ水壁管での腐食疲労損傷リスクベース診断法のフローである。損傷の起こりやすさ判定指数(DPI)は、以下のフローで算定される。
(a)腐食疲労に関する過去の検査記録の調査する。過去の検査記録があれば、き裂有無の検査を行い、その結果、き裂がなく、前回検査後4年未満(3年以内)の場合はDPI=1として終了する。検査後4年以降の場合は次のき裂深さの推定を行う。
(b)過去腐食疲労の検査を実施していない場合は、前出(1)式を用い、ボイラの平均起動停止回数、平均化学洗浄周期、運転年数、ボイラ水壁管寸法及び付着金物寸法を入力してき裂深さを推定する。
(c)推定き裂深さ又は測定き裂深さと起動停止回数などの運転条件を(1)、(2)、(3)式に入力し、腐食疲労き裂進展解析を実施する。
(d)(4)、(5)又は(6)式により噴破漏洩限界き裂深さあるいは設計必要肉厚を算出する。
(e)き裂進展解析結果及び限界き裂深さから残余寿命を算定し、残余寿命に応じたDPI値を設定する。
(f)対象部位の形状により、管外面からの熱疲労の起こりやすさを判定し、熱疲労き裂との重畳効果補正係数を算定し、(e)のDPI値を補正してもよい。
すなわち、別途算出された熱疲労のDPIを加算する。
(g)プラント停止期間、発電出力、売電量、補償費、補修費、労災費、環境対策費及び二次被害対策費を含めた項目の係数と入力値の積の総和をボイラ水壁管の応力腐食割れ損傷による影響度合(CF)とする。
すなわち、図5に示すように各項目の係数と入力値の積の和で算出する。
(h)図6に示すように、損傷の起りやすさ指数(DPI)を縦軸に、影響度指数(CF)を横軸にとり、両対数プロットでリスクを評価診断する。
(i)図7に示すように、き裂深さ分布データがある場合は、統計解析とその線図の経時変化解析を行い、限界き裂深さに達する損傷確率を計算し、その確率から前記DPIを査定する。
本発明の診断ロジックは、上記のステップであるが、実際の診断は、既知数を入力することにより一気に計算できる。
図2は、検査記録がない場合の計算例を示す。ボイラプラントの運転年数、起動停止回数、ボイラ水管の管外径、管肉厚、水壁管ピッチ、金物厚さを入力して、腐食疲労き裂深さを予測し、そのき裂深さと起動停止回数などからき裂進展解析を実施し、内圧、流動応力値及び外面減肉速度を追加して限界き裂深さを算出し、き裂進展解析結果と対比させて残余寿命を評価したものである。
図3は、き裂深さが既知の場合の計算例である。図2に対して、き裂深さ測定データを入力して評価した例である。ここでacfは腐食き裂深さの大きさを表す。
図4は、限界き裂深さを残肉厚が設計必要肉厚にした場合の計算例である。
図5は、影響度評価計算の一例である。
図6は、本特許になるボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法で診断した結果例を示す。各部位での危険度(リスク)を定量的に明示することができ、経時変化も表示できる。
図7は、き裂深さの分布データがある場合の解析結果の一例を示す。
応力腐食割れ(SCC)の発生寿命は(7)式で示されるワイプル型累積ハザード式で整理できると言われている。
ln(ln(1/(1−F(t))=m・ln(t)−m・ln(n) (7)
ここで、F(t):ワイブル分布関数(=1−e−(t/n)^m)、
m:形状パラメータ、
n:尺度パラメータ、
t:SCCの発生時間である。
mは、材料、環境及び応力条件の組合せで決まる係数であり、同じ材料、環境条件の場合にmを一定とすることができる。同じ条件での分布関数が求められれば、腐食環境の濃度の影響を尺度パラメータに置き換えて解析することができる。
また上記(7)式をY=aX+b(図7ではy=4.12x−2.14など)の直線式とすれば、mは前記直線回帰式の傾きaであり、−m・ln(n)はY軸の切片に相当する。
図8は、噴破損傷率の経時変化計算結果例を示す。今後の運転年数毎に噴破損傷率が高精度に予測でき、損傷の起こりやすさが算定できる。
本発明は、ボイラ水壁管の損傷リスク評価法が可能となり、ボイラの水壁管に限らず、類似の配管の腐食疲労損傷の危険度(リスク)又は損傷の起こりやすさ(DPI)を高精度に評価診断することができる。
本発明になるボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法のフローである。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 本発明法での診断実施例である。 従来技術になるRBM評価図及び腐食疲労損傷例である。 従来技術になるRBM評価図及び腐食疲労損傷例である。

Claims (7)

  1. ボイラ水壁管の運転年数、ボイラの起動停止回数、ボイラ水壁管の化学洗浄周期を含むボイラ水壁管の運転条件とボイラ水壁管の外径、肉厚及び付着金物の大きさを含む形状条件により、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂深さを予測し、
    該腐食疲労き裂深さと運転条件により、ボイラ水壁管の、その後のき裂進展度合いを解析し、
    ボイラ水壁管の内圧及びボイラ水壁管材料強度から算出されるボイラ水壁管の限界き裂深さを求め、
    検査計測時の前記腐食疲労き裂進展度合いと前記ボイラ水壁管の限界き裂深さからボイラ水壁管の余寿命を算出し、
    該算出された余寿命の年数により、ボイラ水壁管の損傷の起こりやすさ指数(DPI)を算定する
    ことを特徴とするボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法。
  2. 検査計測したボイラ水壁管のき裂深さを前記き裂深さ計測法に応じて予め定められた補正係数で補正し、得られたき裂深さを用いることを特徴とする請求項1記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法。
  3. ボイラ水壁管の寿命とする限界き裂深さを残肉厚が設計必要肉厚となる深さとすることを特徴とする請求項1記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法。
  4. 算出されたボイラ水壁管の損傷の起こりやすさ指数(DPI)に応力集中を考慮した形状指数を乗じことを特徴とする請求項1記載のボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法。
  5. 縦軸に装置の損傷の起こりやすさ、横軸に装置の配管の損傷が生じた場合の影響度合いをとってリスクを評価するRBM(リスクベースメンテナンス)法を用いるボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法において、
    縦軸に請求項1の方法で算出したボイラ水壁管の応力腐食割れ損傷の起こりやすさ指数(DPI)をとり、
    横軸に得られたプラント停止期間、発電出力、売電量、補償費、補修費、労災費、環境対策費及び二次被害対策費を含めた項目の係数と入力値の積の和からなるボイラ水壁管の応力腐食割れ損傷による影響度合(CF)をとって、
    4×4又は5×5のますに分けて得られる、前記損傷の起こりやすさ指数(DPI)と損傷による影響度合(CF)の積の大小でリスクを評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法。
  6. ボイラ水壁管の運転年数、ボイラの起動停止回数、ボイラ水壁管の化学洗浄周期を含むボイラ水壁管の運転条件とボイラ水壁管の外径、肉厚及び付着金物の大きさを含む形状条件により、ボイラ水壁管の腐食疲労き裂深さを予測し、
    該腐食疲労き裂深さと運転条件により、ボイラ水壁管の、その後のき裂進展度合いを解析し、
    ボイラ水壁管の内圧及びボイラ水壁管材料強度から算出されるボイラ水壁管の限界き裂深さを求め、
    ボイラ水壁管のき裂深さ分布解析及びその進展度合いの解析から、限界き裂深さに達するボイラ水壁管の損傷確率により、ボイラ水壁管の損傷の起こりやすさ指数(DPI)を算定する
    ことを特徴とするボイラ水壁管の腐食疲労損傷診断法。
  7. 縦軸に装置の損傷の起こりやすさ、横軸に装置の配管の損傷が生じた場合の影響度合いをとってリスクを評価するRBM(リスクベースメンテナンス)法を用いるボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法において、
    縦軸に請求項6の方法で算出したボイラ水壁管の応力腐食割れ損傷の起こりやすさ指数(DPI)をとり、
    横軸に得られたプラント停止期間、発電出力、売電量、補償費、補修費、労災費、環境対策費及び二次被害対策費を含めた項目の係数と入力値の積の和からなるボイラ水壁管の応力腐食割れ損傷による影響度合(CF)をとって、
    4×4又は5×5のますに分けて得られる、前記損傷の起こりやすさ指数(DPI)と損傷による影響度合(CF)の積の大小でリスクを評価するボイラ水壁管の腐食疲労損傷リスクベース診断法。
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