JPH09119415A

JPH09119415A - ターンバックル

Info

Publication number: JPH09119415A
Application number: JP30058095A
Authority: JP
Inventors: Juichi Yasumoto; 重一安本
Original assignee: Maruichi Inc
Current assignee: Maruichi Inc
Priority date: 1995-10-24
Filing date: 1995-10-24
Publication date: 1997-05-06

Abstract

(57)【要約】【課題】製造コストを抑え、生産性および作業性を向上
すること。【解決手段】パイプ状部材の両端内径部に、それぞれね
じ方向の異なる雌ねじ３，３を螺設して形成するターン
バックル１であって、両端部の絞り加工を、パイプ状部
材の長さ方向に沿って３箇所、部分的に行ない、内径部
に複数の突部４…を膨出形成してこれら突部４…に前記
雌ねじ３，３を螺設し、外周面にできる凹溝５…を指係
止用に利用するターンバックル１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パイプ型のター
ンバックルの技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】パイプ型のターンバックルは、図８に示
すような形状に、金属からなるパイプ状部材をプレス加
工して形成されている。すなわち、パイプ状部材の両端
部１１，１１を全体的に丸く絞って中間部よりもその内
径を小さくした後、タッピングして雌ねじ１２を形成し
ている。中間部位は、断面形状を略四角形にして係止部
１３を形成し、スパナ等の工具を用いての緊締が行なえ
るようにしている。

【０００３】しかし、このターンバックルでは、生産に
コストが掛かるとともに、引付ける棒状部材の雄ねじを
螺合するときに、作業が行ないにくいという難点があ
る。

【０００４】すなわち、パイプ状部材の両端部を全体的
に小径に絞り加工するには、絞り負荷が大きいので、こ
の負荷に耐え得るように金型やプレス機を対応させなけ
ればならず、コストアップになるとともに、プレス動作
に時間が掛り生産性があまりよくなかった。

【０００５】また、雄ねじを雌ねじに螺合する場合、こ
れらを近付けるほうが作業しやすいので、一方の手で棒
状部材を保持するとともに、他方の手は指先を可能な限
り両端部に位置させようとする。しかし、両端部には指
先を係止する部位がないので、唯一外形が丸でない中間
部位の係止部に頼ることになるわけであるが、この係止
部は掌の部分に位置することになるため、また係止部が
凸多角形であって積極的な係止は行なえないため、係止
部に充分な回転力を加えることができない。そのうえ、
作業時には手袋をはめているので、なおさらの事であ
る。結局、指先に力を入れて回転しなければならないこ
とになるが、すべったり、特に寒い日には思い通りの動
作が出来なかったりして、作業が困難をきわめることが
あった。

【０００６】

【解決すべき課題及びそのための手段】そこでこの発明
は、雌ねじを螺設するのに必要な絞り加工を部分的に行
なうようにすることで、コストダウンと生産性の向上が
図れるとともに、螺合作業が容易に行なえるようなター
ンバックルの提供を課題とする。

【０００７】そのための手段を説明すると、その構成
は、パイプ状部材の両端内径部に、それぞれねじ方向の
異なる雌ねじを螺設して形成するターンバックルであっ
て、上記パイプ状部材の両端部における雌ねじ螺設範囲
の外周面の部分位置を絞り加工して、内周面に複数の突
部を膨出形成し、これら突部に、前記雌ねじを螺設した
ターンバックルであることを特徴とする。

【０００８】なお、螺合作業を容易にするには、前記突
部を、パイプ状部材の長さ方向に沿って２本または３本
形成して、外周面に指係止用の凹溝ができるようにする
とよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】実施の形態を図面を用いて説明す
ると、ターンバックル１は、金属製のパイプ状部材を、
例えば図１から図５の各図に示すような形状に形成する
と得られる。

【００１０】すなわち、筒状のパイプ状部材の中間部位
には、スパナ等の工具を係止できるように断面形状を略
四角形状にプレス加工して係止部２を形成している。

【００１１】また、両端内径部には、それぞれねじ方向
の異なる雌ねじ３，３を螺設している。この螺設に先だ
って、まず絞り加工を行なう。絞り加工は、図１から図
５のターンバックル１では、外周面の部分位置、すなわ
ち全周を３等分した３箇所を、パイプ状部材の長さ方向
に沿って行なっている。この３箇所の幅は、絞り加工を
しない部分と略同じ幅以上に設定して、指先を良好に係
止できるようにするとよい。このプレス加工により内周
面には３本の突部４…が形成され、外周面には３本の凹
溝５…が形成される。そして、上述の各突部４…に前述
の雌ねじ３，３を、螺刻する。

【００１２】突部４および凹溝５は図７に示したように
２本であるもよい。

【００１３】また、前述の係止部２は、あってもなくて
もよい。ない場合には、棒状部材（図示せず）の雄ねじ
を螺合する場合、係止部２に邪魔されることなく、一方
のみをより長く引張ることができる。

【００１４】

【作用及び効果】すなわち、この発明によると、パイプ
状部材の両端に行なう絞り加工は、部分的であるので、
絞り加工するときの絞り負荷は小さくてすむ。このた
め、製造のための金型やプレス機は大きな負荷に耐える
ものでなくともよいので、従来に比してコストを抑える
ことができる。その上、プレス機が小さいものでもよい
ことから、プレス動作に時間がかからないようにするこ
ともでき、単位時間当りの生産性を向上することもでき
る。また、部分的に絞り加工をすることから、外周面に
は自ずと凹部（凹溝）ができ、指先を係止させる部分と
することができ、螺合作業が容易となる。

【００１５】また、請求項２のように、突部をパイプ状
部材の長さ方向に沿って２本または３本形成した場合に
は、外周面にできる凹溝に指先を良好に係止することが
できる。このため、螺合作業が手袋の上からでも容易に
行なえ、作業性が向上する。しかも、六角や四角などの
凸多角形ではないので積極的な係止が行えるとともに、
突部は２本または３本としているので、指先がちょうど
フィットする凹溝を得られ、作業性の良さは歴然であ
る。

【００１６】その上、凹溝の存在により断面形状におい
てリブ状のものができるので、必要な強度は維持でき
る。

【００１７】さらに、従来では、両端部は当たり前のよ
うに丸く絞るだけであったので、この発明により外観上
の新しさが生まれ、意匠感の向上を図ることができる。

【００１８】さらにまた、両端部の凹溝を利用してレン
チ６（図７参照）等を係止して螺合作業を行なうように
することができ、充分な緊締を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】斜視図。

【図２】平面図。

【図３】正面図。

【図４】側面図。

【図５】図２におけるＡ−Ａ線矢視断面図。

【図６】他の例を示す斜視図。

【図７】一作用状態を示す側面図。

【図８】従来技術の斜視図。

【符号の説明】

１…ターンバックル３，４…雌めじ５…突部６…凹溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】パイプ状部材の両端内径部に、それぞれね
じ方向の異なる雌ねじを螺設して形成するターンバック
ルであって、上記パイプ状部材の両端部における雌ねじ
螺設範囲の外周面の部分位置を絞り加工して、内周面に
複数の突部を膨出形成し、これら突部に、前記雌ねじを
螺設したターンバックル。
【請求項２】前記突部を、パイプ状部材の長さ方向に沿
って２本または３本形成して、外周面に指係止用の凹溝
ができるようにした請求項１記載のターンバックル。