JPH09119068A - 溶剤紡糸セルロース系繊維からなる縫製品の製造方法 - Google Patents

溶剤紡糸セルロース系繊維からなる縫製品の製造方法

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JPH09119068A
JPH09119068A JP28013095A JP28013095A JPH09119068A JP H09119068 A JPH09119068 A JP H09119068A JP 28013095 A JP28013095 A JP 28013095A JP 28013095 A JP28013095 A JP 28013095A JP H09119068 A JPH09119068 A JP H09119068A
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JP
Japan
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fabric
sewn product
spun cellulosic
cellulosic fibers
sewn
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JP28013095A
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Hiroshi Namikawa
博 並川
Ichiro Sakabe
一郎 酒部
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯耐久性のあるシルク・ストーンウォッシ
ュ調の風合や乱反射等による視覚感,表面感を有し,し
かも防しわ性,防縮性等の機能面にも優れた縫製品の製
造方法を提供する。 【解決手段】 溶剤紡糸セルロース系繊維からなる布帛
に膨潤状態で摩擦による分繊現象を生ぜしめた後,縫製
品を縫製し,次に,水分率を均一に調節してから架橋性
繊維素反応型樹脂を気相状態で反応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】昨今,衣料用素材としてストーンウォッ
シュと称されるシルク表面の分繊化によるヌメリ感の独
特の風合や視覚感が評価され,ブラウス等の高級婦人商
品として受け入れられている。これらのシルク商品は,
湿潤時に強い繰り返し摩擦を受けることによって繊維の
表面部分が剥離分繊する現象を応用したものである。繊
維側面上より枝分かれ状に分繊化した繊維の直径は,1
〜数μmであり,独特の風合や視覚感,表面感が得られ
る所以はこの分繊化にある。
【0002】このようなシルク・ストーンウォッシュ調
を表現する手段として,ポリエステル等の合成繊維をほ
ぼシルクの分け繊直径と同じ太さにマイクロファイバー
化した繊維に対して起毛等の手段を施すことによって,
フィブリル化と同様な高級感のある外観が得られること
はよく知られている。しかしながら,タンパク質系繊維
であるシルクでは,水洗い,家庭洗濯等が難しいという
取扱い上の問題点があり,また,ポリエステル繊維で
は,吸湿性,吸水性に劣り,衣料素材としてシーズンや
用途が限られる問題があった。
【0003】昨今では,湿潤状態にて膨潤させた溶剤紡
糸セルロース系繊維からなる布帛または縫製品が,強い
繰り返し摩擦を受けることによってシルクと同様な分繊
現象を生じることが知られるようになり,分繊化した生
地での風合および表面感における官能面での特徴が注目
されている。しかしながら,湿潤状態での摩擦や揉み等
により分繊現象を起こすことは,その取扱いにおいて洗
濯等の水洗いを繰り返した場合,分繊現象が進行し続
け,分繊した繊維の発生と脱落を繰り返して官能面での
初期の風合の状態を維持しにくい問題点や,セルロース
系繊維であることから,防しわ性,防縮性等の機能面に
おいても満足した物性を得ることができないという課題
を有していた。
【0004】これら溶剤紡糸セルロース系繊維の縫製品
化後における分繊化の促進を抑え,防しわ性,防縮性,
ウォッシュアンドウェアー性を改善する方法として,特
開平6−146168号に浸漬法による樹脂加工方法が
開示されている。これは,フィブリル化した溶剤紡糸セ
ルロース系繊維に対して,N−メチロール化アミノ系化
合物を浸漬法にて反応せしめる加工方法であり,この樹
脂加工方法によれば,防しわ性,防縮性等の機能性は向
上するが,ストーンウォッシュ調の3次元のフィブリル
化が発現しにくいため,繊維のフィブリル化による官能
面での特徴を表現することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,フィブリル化によるシル
ク・ストーンウォッシュ調の風合や乱反射等の視覚感,
表面感等の官能面において高級感があり,しかも繰り返
し洗濯に対しても,その初期の風合を維持することがで
き,また,防しわ性,防縮性,ウォッシュアンドウェア
ー性等の機能面においても良好な性能を有する溶剤紡糸
されたセルロース系繊維からなる縫製品を得ることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記の目的を
達成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,溶剤紡糸セルロース系繊維からなる布帛
に膨潤状態で摩擦による分繊現象を生じせしめ,次に,
縫製品を縫製し,しかる後に水分率を均一に調節してか
ら架橋性繊維素反応型樹脂を気相状態で反応せしめるこ
とを特徴とするフィブリル化した溶剤紡糸セルロース系
繊維からなる縫製品の製造方法を要旨とするものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
本発明では,まず,溶剤紡糸セルロース系繊維からなる
布帛に膨潤状態で摩擦による分繊現象を生ぜしめる。こ
こで用いる溶剤紡糸セルロース系繊維とは,パルプを原
料に,これを溶解し得る溶剤,例えば,N−メチルモル
ホリン−N−オキシド,ジメチルスルホキシド,N−メ
チルピペリジン−N−オキシド,ジメチルアセトアミド
等に溶解した溶液を乾式又は湿式紡糸法により紡糸する
ことにより製造される繊維のことであり,欧米では,そ
の繊維組成表示を“LYOCELL”として既に認知さ
れている新タイプのセルロース系人造繊維である。この
ようなセルロース系繊維からなる布帛とは,上述の繊維
を所望の繊維長の短繊維にカットした後,公知のリング
紡績法によって紡績を行い,その後,通常の編機や織機
を用いて製編織して得た編物,織物等を意味するもので
ある。
【0008】溶剤紡糸セルロース系繊維からなる布帛を
膨潤状態にするためには,通常の染色加工工程で,布帛
の自重量以上の水に浸漬することにより,分繊化に必要
な膨潤状態を得ることができるが,布帛表面のフィブリ
ル程度を均一に生成するためには,膨潤状態で弛緩,攪
拌,摩擦を長時間繰り返し行うことができるロータリー
型のワッシャーや液流型の染色機を用いて処理するフィ
ブリルの生成を専用とする工程を組み入れることが好ま
しい。前処理や酵素処理等も有効な手段であり,また,
上記処理については,布帛,縫製品ともに可能である。
【0009】次に,本発明では,分繊後の布帛を用いて
ブラウス,ドレスシャツ等所望の縫製品を通常の方法で
縫製する。
【0010】続いて,縫製品の水分率を均一に調節す
る。水分率を均一に調節するには,いかなる手段を用い
てもよいが,通常は,恒温恒湿室に縫製品を24時間以
上放置する方法を用いるとよい。このとき,布帛の水分
率は1〜50%で,かつ水分が布帛に均一に分布してい
なければならない。布帛の水分率が1%以下であると,
次工程で用いるホルムアルデヒドガスが布帛に十分に吸
着しなくなり,逆に50%以上になると,用いる酸触媒
によって布帛が脆化してしまうおそれが出てくるので注
意を要する。また,布帛に水分が均一に分布していない
と,ホルムアルデヒドガスが均一に吸着しなくなるの
で,この点にも注意を要する。
【0011】水分率の調節後,縫製品に繊維素反応型架
橋剤を気相状態で反応せしめる。ここでいう繊維素反応
型架橋剤とは,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド等
に代表されるごとく,繊維素との反応性を有し,セルロ
ース分子間に架橋性を有する有機化合物を意味する。通
常は,経済性の点からホルムアルデヒドを用いて加工を
行う。
【0012】ホルムアルデヒドによる気相加工に際して
は,密閉系の反応室を有し,その内部へホルムアルデヒ
ドガス等を送り込む吹き込み装置,反応のための加熱装
置,被加工物を固定する装置を有してなる気相加工装置
を用いて加工を行う。具体的加工装置としては,ATP
社(American Textile Processing Co.)製の気相加工装
置を用いて加工を行うこともできる。気相加工装置内で
のホルムアルデヒドガス濃度は,1〜20%の範囲が望
ましく,1%以下であると,架橋反応が不十分となり,
20%以上になっても,効果はそれ以上がらなくなる。
【0013】架橋反応に際して用いる触媒は,触媒溶液
もしくは液化している触媒をミスト状に気化させて布帛
に吸着せしめる。触媒の種類に関しては,塩化水素のよ
うな揮発性の低い酸を用いるのが望ましい。触媒濃度に
ついては,ガスで処理する場合,0.1〜3.0%の範囲が
望ましい。ガス濃度が0.1%以下であると,架橋反応が
不十分となり,3.0%以上になっても,それ以上効果が
あがらなくなる。ホルムアルデヒドガスを吸着させた
後,布帛を熱処理して架橋反応を行う。
【0014】
【作用】本発明のごとく,湿潤状態にて膨潤させた溶剤
紡糸セルロース系繊維からなる布帛に摩擦作用を加えて
分繊現象を生ぜしめると,フィブリル化によるシルク・
ストーンウォッシュ調の風合と乱反射等による視覚感,
表面感といった洗濯耐久性のある官能面での特徴が形成
され,このような状態の布帛を用いて縫製品を縫製後,
水分率を均一に調節し,架橋性繊維素反応型樹脂を気相
状態で反応せしめると,これに防しわ性,防縮性,W&
W性等の機能が縫製品に固定され,このような機能面に
も優れた商品を得ることができるようになる。
【0015】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛や縫製品の性能の測
定,評価は,下記の方法で行った。 (1)洗濯収縮率 JIS L−1042により測定した。 (2)ウォッシュアンドウェア性(W&W性) JIS L−0217(103法,ライン乾燥)による
洗濯5回後の試料をJIS L−1072にて評価し
た。
【0016】(3)形態安定性 加工上がりの試料とJIS L−0217(103法,
タンブル乾燥)による繰り返し洗濯5回後の試料にて形
態保持性を肉眼判定し,相対的に次の3段階評価を行っ
た。 ○ : 良 好 △ : やや不良 × : 不 良 (4)風合および外観 加工上がりの試料とJIS L−0217(103法,
タンブル乾燥)による繰り返し洗濯5回後の試料につい
て,フィブリル化によるシルク・ストーンウォッシュ調
の風合および乱反射等による視覚感,表面感を相対的に
次の3段階で評価した。 ○ : 良 好 △ : やや不良 × : 不 良
【0017】実施例1 まず,溶剤紡糸されたセルロース系繊維をカットして,
繊度1.5d , カット長40mmの短繊維を形成し,次に,
常法の紡績方法にて英式綿番手40番手の紡績糸を得
た。この紡績糸を用いて,経糸130本/吋,緯糸70
本/吋の平織物ブロードを製織し,次に,常法にて糊抜
き,精練後,繊維のフィブリル生成が視覚で最も判定し
易い黒色に反応染料で染色し,続いて液流型染色機を用
いて,生地重量:水重量=1:10の条件で80℃に昇
温後,60分間運転することにより,攪拌,揉み摩擦作
用を加えて分繊現象を生じせしめ,以下,タンブル乾燥
機にて乾燥して斑無く均一にフィブリル化したシルクス
トーン調の布帛を得た。
【0018】この布帛を用いてブラウスを縫製後,20
℃,65%RHの環境室に1昼夜放置することにより水
分率を8.0%に調節し,続いて,ホルムアルデヒドガス
による気相加工装置を用いて,下記気相加工条件(処方
1)によりブラウスをホルムアルデヒドガスに1分間曝
し,さらに,120℃にて2分間の熱処理を行って,本
発明方法によるブラウスを得た。 処方1 ホルムアルデヒドガス : 7.0% 亜硫酸ガス(触媒) : 2.0%
【0019】〔比較例1〕上記実施例1において,気相
加工工程を省くほかは,実施例1とまったく同一の方法
により比較例のブラウスを得た。
【0020】〔比較例2〕実施例1で用いた精練,漂白
およびフィブリル化後の生地を被加工布帛として用い,
これを樹脂加工後に縫製する公知の従来法に則して,ま
ず,下記処方2に示す水溶液に浸漬し,マングルで絞液
率100%にて絞液した後,テンターにて110℃で2
分間乾燥し,続いて,160℃で2分間の熱処理を行っ
た。 処方2 Sumitex Resin NS−19 40g/リットル (住友化学工業株式会社製,グリオキザール系樹脂) Sumitex Accelerator X−80 12g/リットル (住友化学工業株式会社製,無機金属塩系触媒)
【0021】次に,この加工布帛を用いて実施例1と同
じブラウスを縫製し,比較用に供した。本発明および比
較用の縫製品の性能を測定,評価し,その結果を合わせ
て表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
るブラウスは,フィブリル化によるシルク・ストーンウ
ォッシュ調の風合および乱反射等による視覚感,表面感
といった初期の特徴を維持しつつ,防しわ性,防縮性,
W&W性等の機能面にも優れていることを確認した。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば,溶剤紡糸されたセ
ルロース系繊維のフィブリル化によるシルク・ストーン
ウォッシュ調の風合および乱反射等による視覚感,表面
感といった初期の官能面での特徴を洗濯等の水洗いに対
しても維持することができ,かつ防しわ性,防縮性,W
&W性といった機能面でのセルロース系繊維の欠点を改
良した縫製品(特に婦人用途等の高級商品)を製造する
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤紡糸セルロース系繊維からなる布帛
    に膨潤状態で摩擦による分繊現象を生じせしめ,次に,
    縫製品を縫製し,しかる後に水分率を均一に調節してか
    ら架橋性繊維素反応型樹脂を気相状態で反応せしめるこ
    とを特徴とするフィブリル化した溶剤紡糸セルロース系
    繊維からなる縫製品の製造方法。
JP28013095A 1995-10-27 1995-10-27 溶剤紡糸セルロース系繊維からなる縫製品の製造方法 Pending JPH09119068A (ja)

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