JPH09119034A - バインダー繊維含有紡績糸 - Google Patents

バインダー繊維含有紡績糸

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JPH09119034A
JPH09119034A JP27866595A JP27866595A JPH09119034A JP H09119034 A JPH09119034 A JP H09119034A JP 27866595 A JP27866595 A JP 27866595A JP 27866595 A JP27866595 A JP 27866595A JP H09119034 A JPH09119034 A JP H09119034A
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JP
Japan
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spun yarn
melting point
binder
fiber
dyeing
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JP27866595A
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English (en)
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Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
Katsuyoshi Niikura
勝良 新倉
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色時の寸法安定性が良く、染色前後で風合
変化が少なくて、適度な熱処理により織編物に優れたシ
ャリ感あるいはヒートセット性をもたらすことができる
紡績糸を提供する。 【解決手段】 結晶融点100℃以上のポリエチレンテ
レフタレート・ポリブチレンテレフタレートとポリε−
カプロラクトンとの共重合ポリエステルをバインダー成
分として有し、このバインダー成分を鞘部、ポリエチレ
ンテレフタレートを芯部に配した沸騰水収縮率が3%以
下のバインダー繊維を少なくとも構成繊維として含有し
ている紡績糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色可能であり適
度な熱処理により織編物に優れたシャリ感あるいはヒー
トセット性をもたららすことができ、熱処理時の収縮率
の小さい紡績糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に高融点を有する繊維に低融点繊維
を混合し、熱処理することによって低融点繊維を溶融し
てシャリ感のある紡績糸を製造することはよく知られて
おり、過去に数多くの提案がなされている。
【0003】例えば、融着温度の異なる2種以上の熱可
塑性合成繊維を撚加工しながら融着させる(特公昭46
−14586号)、融点の異なる2種以上の繊維を索伸
しながら一部繊維を熱板で加熱融着させる(特開昭52
−96254号)、低融点繊維の混紡率が3〜15重量
%である無撚紡績糸で融着率が0.4〜0.02重量%
のもの(特開昭50−4000号)、低融点繊維を含む
繊維束に仮撚加熱処理を施し、低融点繊維を融着させた
無撚紡績糸(特開昭48−9052号)、低融点繊維が
5〜20重量%含まれ、かつ高融点繊維に融着している
オープンエンド紡績糸(特開昭54−3444号)、紡
績糸を数本合わせるとき中心に低融点の合繊フィラメン
ト又は紡績糸を入れて熱処理し、芯糸と接する内面にお
いて互いに接着させる(特開昭55−158340
号)、耐熱性を有する合成繊維と、それより50℃程融
点の低い繊維を10〜20%混合した糸からなる布を加
熱処理して接着させる(特開昭54−69202号)等
がある。しかし、これらの従来技術では、融着させたと
きの接着強力が不十分であった。また、従来、主として
用いられるポリエステルバインダー繊維は、ポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート共重合ポリエステル
をバインダー成分とするものである。このポリエステル
は非晶性のポリマーで明確な結晶融点を示さず、ガラス
転移点(約65℃)以上となれば軟化の始まるものであ
る。そのためバインダー繊維の製造時に熱セットするこ
とができず、熱接着する際にバインダー繊維が収縮する
ことになる。それで、バインダー繊維の使用比率の大き
い場合には寸法安定性が悪く、また、バインダー繊維を
含む紡績糸あるいはそれを織編した布帛を染色するとそ
の段階でバインダー繊維が融着しゴワゴワした風合いと
なる。そのため、従来染色後の熱処理により布帛に適当
なシャリ感を与えたり、望みのヒートセットを行うこと
は出来なかった。本発明者らはさきにある程度の高温雰
囲気下で使用したときに軟化することのないポリエステ
ルバインダー繊維を混合した紡績糸を提案した。(特願
平6−26248号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来法で
は、ある程度の高温雰囲気下で使用したときに軟化する
ことのないポリエステルバインダー繊維を混合した紡績
糸を使用したときでも、特にバインダー繊維の使用割合
が高い場合に染色時や加熱接着処理時に紡績糸が収縮し
て寸法安定性が悪くなるという欠点がある。本発明はこ
のような問題を解決しようとするものである。
【0005】すなわち、染色時点では軟化や収縮が起こ
らず、その後の結晶融点以上の温度の熱処理においても
収縮が少なく、溶融して織編物に優れたシャリ感あるい
はヒートセット性を付与し得るバインダー繊維を含有す
る紡績糸を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、結晶融点が100℃以上
であるε−カプロラクトン共重合ポリエステルをバイン
ダー成分として有し、沸騰水収縮率が3%以下のバイン
ダー繊維を含有していることを特徴とするバインダー繊
維含有紡績糸を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の紡績糸の構成要素であるバインダー繊維は、融
点100℃以上のε−カプロラクトン共重合ポリエステ
ルをバインダー成分として持つものである。このような
ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート単位お
よび/またはブチレンテレフタレート単位におおよそ3
モル%以上、80モル%未満のε−カプロラクトン単位
を共重合したもの、あるいはこれにさらにイソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール等を共重合したもの等が挙げられる。ここでこれら
のさらに共重合しうる成分の総和はポリエステルの構成
成分の単位モル数に対し20モル%以下程度が好まし
い。また、ポリエステル中のε−カプロラクトン単位は
他の構成単位とランダム共重合であってもブロック共重
合であってもさしつかえない。
【0008】ε−カプロラクトン単位が3モル%に満た
ない場合、接着強度が不十分で紡績糸が繰り返し変形し
た時に接着部分が外れやすくなる。またε−カプロラク
トン単位が40モル%以上の場合、得られるポリエステ
ルがエラストマー弾性を有するようになり、得られる紡
績糸が独特の極めてソフトな風合いを呈するようにな
る。ε−カプロラクトン単位が80モル%を越える場合
得られるポリエステルの融点が低くなり過ぎ加工工程で
の不具合が生じたり染色時にバインダー繊維が全体的に
融着し、所望の風合いにコントロールできなくなるので
好ましくない。
【0009】このバインダー成分の融点は100℃以上
である必要があり、好ましくは130℃以上である。融
点が100℃未満であると、染色時点で軟化融着し所望
の風合いにコントロールすることが困難となり好ましく
ない。また、融点の上限は、混紡する場合の主体となる
繊維の融点や分解点より20℃以上低くするのが好まし
い。
【0010】バインダー繊維としては、上記のバインダ
ー成分のみからなる単成分繊維および、このバインダー
成分が単繊維の表面の全部または一部を形成している芯
鞘型、サイドバイサイド型、海島型、割繊型等の複合繊
維等が挙げられる。
【0011】これらのうち、芯鞘型で芯がポリエチレン
テレフタレート、鞘がポリエステルバインダー成分の複
合繊維が、接着強力の高さすなわち紡績糸を織編物とし
た時のヒートセット性の良さならびに経済性の観点より
好ましい。
【0012】ポリエステル系バインダー繊維の繊度は特
に限定するものではないが、2〜20デニールが適当で
ある。
【0013】バインダー繊維の沸騰水収縮率は、3%以
下である。沸騰水収縮率が3%を越えるものであると、
本発明の紡績糸の収縮率が大きくなり、これを用いた布
帛の収縮も大きくなってしまう。バインダー繊維の沸騰
水収縮率を小さくするには、製造工程中の延伸工程でバ
インダー成分の結晶融点より低い範囲のなるべく高温で
熱セットすれば良い。これはバインダー繊維の溶融する
成分が明確な結晶融点を示す場合にのみ可能なことであ
り、従来のポリエステルバインダー繊維のように65℃
以上で軟化の始まるようなバインダー繊維では不可能な
ことであった。
【0014】また、本発明の紡績糸は、バインダー繊維
100%からなる紡績糸のほかバインダー成分の融点よ
り高融点あるいは高分解点のその他の繊維を混紡した紡
績糸であっても良い。混紡する場合のその他の繊維とし
ては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊
維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維やレーヨン繊維等
の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、ウール、
木綿、麻等の天然繊維等いずれであってもさしつかえな
い。なかでもポリエステル繊維例えばエチレンテレフタ
レート単位やブチレンブチレンテレフタレート単位ある
いはエチレンナフタレート、特にエチレン−2,6−ナ
フタレート単位を主たる構成成分とするものが好ましい
が、その物性および経済性の面からとりわけポリエチレ
ンテレフタレート繊維が好ましい。なおその特性を損な
わない範囲でイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
ジエチレングリコール等の他の成分が共重合されたポリ
エステルであっても差し支えない。また、ポリエステル
繊維はその断面形態が丸断面であっても異型断面であっ
ても良いし中空であっても非中空でもよい。さらに、そ
の繊度は特に限定されるものでなく、用途による要求特
性により決めればよいが、一般には2〜20デニールの
ものが用いられる。
【0015】本発明に用いるポリエステル系バインダー
繊維の使用割合は、紡績糸全体の5〜100重量%が適
当であるが、用途による要求特性により、変えることが
できる。
【0016】本発明の紡績糸あるいはこれを用いて得ら
れる織編物に、シャリ感あるいはヒートセット性を付与
するための熱処理は、バインダー成分が溶融する温度以
上で耐熱性繊維が顕著に着色または分解する温度以下の
範囲の適宜の温度で行えばよい。
【0017】
【作用】本発明の紡績糸の構成成分であるバインダー繊
維に含まれる低融点ポリエステルバインダー成分は明確
な結晶融点を有しているので、ガラス転移点以上、融点
以下の温度で熱処理(例えば染色)しても軟化、融着す
ることはなく、その後の結晶融点以上の熱処理により紡
績糸あるいは布帛に適当なシャリ感を付与したり、ヒー
トセットすることができる。また、このバインダー繊維
は熱収縮率が低いので、加熱時の紡績糸や織編物の寸法
安定性が良好である。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。
【0019】(1) 相対粘度 フエノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
試料濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。
【0020】(2) 融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を
使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
【0021】(3) 風合 10人のパネラーによる官能試験により、染色前後の布
帛の手触わりの変化を調べた。
【0022】実施例1 エチレンテレフタレート単位/ブチレンテレフタレート
単位(モル比1/1)およびこのアルキレンテレフタレ
ート単位全体とε−カプロラクトン(ε−CL)の総モ
ル数に対しε−CLを20モル%配合して得たバインダ
ー成分としてのランダム共重合ポリエステルチツプ(相
対粘度1.34、融点144℃)と、相対粘度1.38のポ
リエチレンテレフタレート(PET)のチツプを減圧乾
燥した後、通常の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、
ランダム共重合ポリエステルを鞘部に、PETを芯部に
配し、複合比(重量比)を1:1として紡糸孔数265
の紡糸口金を通し紡糸温度を280℃、総吐出量を23
0g/分として複合溶融紡糸した。紡出糸条を冷却した
後引取速度1000m/分で引き取って未延伸繊維糸条
を得た。得られた糸条を集束し、10万デニールのトウ
にして、延伸倍率3.4、延伸温度60℃で延伸し、1
35℃のヒートドラムで熱処理してから、押し込み式ク
リンパを使用して捲縮を付与した後、長さ51mmに切
断して、強度5.4g/d、伸度35%、繊度2.4デ
ニール、沸騰水収縮率0.6%の芯鞘型複合ポリエステ
ル系バインダー繊維を得た。
【0023】得られたバインダー繊維と通常のPET繊
維(強度5.4g/d、伸度42%、繊度2デニール、
切断長51mmを20:80の重量割合で混綿し、梳綿機
に通した後、常法に従って紡績し、20’Sの本発明の
混紡紡績糸を得た。
【0024】得られた紡績糸を経糸103本/インチ、
緯糸87本/インチ、幅90cmの設計で製織し、高圧ビ
ーム染色機を用い分散染料、分散剤によって130℃、
1時間高温染色した。織物の染色前後の幅方向の縮み率
は3.4%であった。この織物に160℃に加熱したア
イロンをかけたところ、きれいに熱セットすることがで
きた。
【0025】比較例1 実施例1において、延伸後の135℃のヒートドラムに
よる熱処理を行わないこと以外は実施例1と同様にし
て、沸騰水収縮率が11.6%のバインダー繊維を得
て、実施例1と同様にして紡績、製織、染色した。織物
の染色前後の幅方向の縮み率が26.5%で、寸法安定
性が良くなく、加工皺の発生の懸念のあるものであっ
た。また、繰り返し生産した時の収縮のばらつきが大き
く、品質が不安定であった。
【0026】実施例2 実施例1において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とε−C
Lの総モル数に対しε−CLを20モル%配合して得た
バインダー成分としてのランダム共重合ポリエステルチ
ツプ(相対粘度1.34、融点182℃)を用い、ヒート
ドラム熱処理を150℃とする以外は、実施例1と同様
にして実施例2の紡績糸を得て、実施例1と同様に製
織、染色を行った。織物の染色前後の幅方向の縮み率は
1.8%であり、寸法安定性は良好であった。さらにこ
の織物に190℃に加熱したアイロンをかけたところ、
きれいに熱セットすることができた。
【0027】実施例3 実施例1において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−CLを2
8モル%配合して得たランダム共重合ポリエステルチツ
プ(相対粘度1.42、融点196℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を160℃とする以外は、実施例1と同様に
して実施例3の紡績糸を得て、実施例1と同様に製織、
染色を行った。織物の染色前後の幅方向の縮み率は1.
0%であり、寸法安定性は良好であった。熱処理温度が
高温にもかかわらずポリエステルバインダー成分が熱分
解した様子は認められなかった。また、この織物に21
0℃に加熱したアイロンをかけたところ、きれいに熱セ
ットすることができた。
【0028】実施例4 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PETとε−CLの総モル数に対しε−
CLを60モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.82、融点183
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を140℃とする以外
は、実施例1と同様にして実施例4の紡績糸を得て、実
施例1と同様に製織、染色を行った。織物の染色前後の
幅方向の縮み率は1.8%であり、寸法安定性は良好で
あった。さらにこの織物に200℃に加熱したアイロン
をかけたところ、きれいに熱セットすることができた。
【0029】実施例5 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTとε−CLの総モル数に対しε−
CLを62モル%配合して得たランダム共重合ポリエス
テルエラストマーチツプ(相対粘度1.95、融点160
℃)を用い、ヒートドラム熱処理を130℃とする以外
は、実施例1と同様にして実施例5の紡績糸を得て、実
施例1と同様に製織、染色を行った。織物の染色前後の
幅方向の縮み率は3.7%であり、寸法安定性は良好で
あった。さらにこの織物に190℃に加熱したアイロン
をかけたところ、きれいに熱セットすることができた。
【0030】実施例6 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを71モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.05、融点133℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を105℃、染色時にキャリヤーを併用し、
染色温度を100℃とする以外は、実施例1と同様にし
て実施例6の紡績糸を得て、実施例1と同様に製織、染
色を行った。織物の染色前後の幅方向の縮み率は4.5
%であったが製造上は問題なく寸法安定性は良好であっ
た。さらにこの織物に160℃に加熱したアイロンをか
けたところ、きれいに熱セットすることができた。
【0031】実施例7 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、PBTに対しε−CLを53モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度2.08、融点180℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を135℃とする以外は、実施例1と同様に
して実施例7の紡績糸を得て、実施例1と同様に製織、
染色を行った。熱処理温度が高温にもかかわらずポリエ
ステルエラストマー成分が熱分解した様子は認められな
かった。また織物の染色前後の幅方向の縮み率は2.2
%であり、寸法安定性は良好であった。この織物に21
0℃に加熱したアイロンをかけたところ、きれいに熱セ
ットすることができた。
【0032】比較例2 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/ブチレン
テレフタレート単位(モル比6/4)28モル%、ε−
CLを72モル%配合して得たポリエステルエラストマ
ーチツプ(相対粘度1.92、融点94℃)を用い、延伸
後135℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて6
0℃のヒ−トドラムで熱処理する条件にて実施した。延
伸ローラー巻きや繊維同志の密着がかなり認められたが
少量のサンプルを得た。これをバインダー繊維として用
いて実施例1と同様に紡績し、比較例の紡績糸を得た。
さらに染色温度を100℃とすること以外は実施例1と
同様に製織,染色を行った。染色前後の幅方向の縮み率
は19%あり、また繰り返し生産したときの収縮率のば
らつきが大きく寸法安定性が悪かった。なお、染色によ
って布帛全体が融着による風合変化をおこしたためアイ
ロンによるヒートセットテストは行わなかった。
【0033】比較例3 実施例1において用いたランダム共重合ポリエステルチ
ツプに替えて、エチレンテレフタレート単位/エチレン
イソフタレート単位(モル比6/4)よりなるポリエス
テルチツプ(相対粘度1.37、DSCによる融点は認め
られず目視による軟化点110℃)を用い、延伸後13
5℃のヒ−トドラムで熱処理することに替えて熱処理を
行うことなく実施した。これをバインダー繊維として用
いて実施例1と同様に紡績し、比較例の紡績糸を得た。
さらに染色温度を100℃とすること以外は実施例1と
同様に製織,染色を行った。染色前後の幅方向の縮み率
は24%あり、また繰り返し生産したときの収縮率のば
らつきが大きく寸法安定性が悪かった。なお、染色によ
って布帛全体が固化したためアイロンによるヒートセッ
トテストは行わなかった。
【0034】実施例8 実施例1において通常のPET繊維の代わりにナイロン
6繊維(繊度2デニール、切断長51mm)を用い、酸性
染料で120℃で染色すること以外は実施例1と同様に
して実施した。この布帛に160℃に加熱したアイロン
をかけたところ、きれいに熱セットすることができた。
【0035】実施例9 実施例1で用いたポリエステルバインダー繊維を38mm
に切断し木綿と重量比1:1になるように混綿し、カー
ド、練条、粗紡、精紡を経て20’sの混合紡績糸を得
た。この紡績糸を経糸103本/インチ、緯糸87本/
インチ、幅90cmの設計で製織し、常法に従って糊抜き
精錬、漂白、シルケット加工を行った。
【0036】この織物を、高圧ビーム染色機を用い分散
染料、分散剤によって130℃、1時間高温染色し、さ
らに還元洗浄後、直接染料により100℃、1時間染色
して青色の織物を得た。この織物に160℃に加熱した
アイロンをかけたところ、きれいに熱セットすることが
できた。
【0037】実施例1〜9および比較例1〜3の場合の
バインダー繊維の沸騰水収縮率、染色前後の織物の幅方
向の縮み率と風合変化の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなごとく、実施例1〜9の
いずれの場合も、染色前後の織物の幅方向の縮み率が小
さく、また織物の風合変化のない良好なものであり、風
合、ヒートセット性共に良好であったが、比較例1〜3
の場合は、沸騰水収縮率が大きいために染色前後の織物
の幅方向の縮み率が大きく、接着成分としてのポリエス
テルバインダー成分の融点が低かったり、非晶性のポリ
エステルである比較例1、2は染色前後の風合変化が著
しいものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の紡績糸は、明確な結晶融点を有
するε−カプロラクトン共重合ポリエステルをバインダ
ー成分としたバインダー繊維を含有しているので、ガラ
ス転移点以上、融点以下の温度で熱処理(例えば染色、
アイロン)しても軟化や融着することがなく、この熱処
理による収縮も小さい。また、この紡績糸やこれを用い
た布帛をバインダー成分の結晶温度以上の温度で熱処理
することにより、繊維間を熱接着して布帛の風合をシャ
リ感のあるものとしたり、糸条の交差点のズレのないも
のとしたりすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融点が100℃以上であるε−カプ
    ロラクトン共重合ポリエステルをバインダー成分として
    有し、沸騰水収縮率が3%以下のバインダー繊維を含有
    していることを特徴とするバインダー繊維含有紡績糸。
JP27866595A 1995-10-26 1995-10-26 バインダー繊維含有紡績糸 Pending JPH09119034A (ja)

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