JPH09118854A - 速乾性印刷インキ組成物および印刷法における乾燥速度の増加方法 - Google Patents

速乾性印刷インキ組成物および印刷法における乾燥速度の増加方法

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JPH09118854A
JPH09118854A JP8207652A JP20765296A JPH09118854A JP H09118854 A JPH09118854 A JP H09118854A JP 8207652 A JP8207652 A JP 8207652A JP 20765296 A JP20765296 A JP 20765296A JP H09118854 A JPH09118854 A JP H09118854A
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Caren Ann Puschak
カレン・アン・プースチャク
Anne Margaret Bacho
アン・マーガレット・バチョ
Gary Robert Larson
ゲーリー・ロバート・ラーソン
Matthew Stewart Gebhard
マシュー・ステワート・ゲブハルド
Alvin Charles Lavoie
アルビン・チャールズ・ラボイエ
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Rohm and Haas Co
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Rohm and Haas Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な水性速乾性印刷インキ組成物の提供 【解決手段】 塩基、および(a)ラテックスバインダ
ーとラテックスバインダー固形分の全重量に基づいて0
〜20重量%の多官能性アミンとのブレンド、または
(b)アミン変性ラテックスバインダー、または(c)
前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダ
ーの組み合わせ物、を含み、前記ラテックスバインダー
および前記アミン変性ラテックスバインダーは、アニオ
ン的に安定化されており、そして前記ラテックスバイン
ダーは、前記ラテックスバインダーのpHを、前記ブレ
ンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または
前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、
または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバ
インダーの組み合わせ物の本質的に全部が、脱プロトン
された状態にある点に上げるのに充分な量の前記塩基を
含有している、印刷インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、一般的に、高速印刷法に関し、
更に詳細には、速乾特性を有する印刷インキを利用して
基体上に適用された印刷パターンの乾燥速度を改良する
ことに関する。
【0002】印刷インキは、例えば、所望の黒色または
カラーの印刷パターンを、基体表面、例えば紙、ニュー
スプリント、フィルム、プラスチック厚紙、段ボールお
よび織物の表面に形成させる媒体として、グラフィック
アートの領域において使用されている。また、印刷イン
キは、予め定められた様式で印刷インキを基体表面の選
ばれた領域に移動させることによって、黒色またはカラ
ーの印刷パターン、例えば書籍、芸術作品または図形、
を制作するのに用いられている。適用手段例えば印刷機
は、一般的に、基体表面上のそのように選ばれた領域に
印刷インキの移動を行うのに使用される。
【0003】印刷インキを分類する1つの方法は、基体
表面に印刷インキを施すのに使用される印刷法のタイプ
によってなされる。ある種のタイプの印刷法例えばリソ
グラフィーは、ペーストのようなコンシステンシー(co
nsistency)を有する比較的粘性のあるインキを必要と
するが、他の印刷法例えば輪転グラビア印刷、凸版印刷
およびフレキソ印刷は、比較的流体の速乾インキを必要
とする。
【0004】輪転グラビア印刷法、凸版印刷法およびフ
レキソ印刷法に用いられる速乾性流体インキは、50〜
1000cpsの範囲における粘度を有する印刷インキ
を提供することによって達成される高程度の流動性を特
徴とする。そのような印刷法の高印刷速度に起因して、
印刷インキが乾燥する速度はきわめて重要である。もし
印刷インキが充分に速く乾燥しないならば、それは、印
刷された基体例えば紙の印刷されたシートがいっしょに
スティックする原因となり、また印刷された表面上の印
刷パターンが印刷プロセスの間に損なわれ、それにより
印刷された基体上の印刷パターンが破壊される。特に、
一般的に、速いライン速度において雑誌およびカタログ
を印刷するのに使用される輪転グラビア印刷は、速乾性
印刷インキを必要とする。1分あたり609〜945m
のライン速度が、慣用の輪転グラビア印刷の印刷法にお
いて典型的に使用される。
【0005】輪転グラビア印刷法は凹版印刷法であり、
凹版印刷法においては、印刷インキが、印刷プレート上
に彫刻された円筒形の小さいくぼみのセルから、基体に
移動する。例えば、多色印刷法においては、典型的に
は、4種以下の別のカラーインキ層が、高速度で、典型
的には1秒より少ない速度で、逐次位置している輪転グ
ラビア印刷用シリンダーから基体上に逐次施される。そ
れ故、印刷基体上の印刷パターンの汚損を防ぐために、
次のカラーインキ層が基体上に施される前に、それ以前
に施されたカラーインキ層を充分に乾燥させることが必
要となる。それ故、速乾性の流体印刷インキは、高輪転
グラビア印刷法が使用されるときには、印刷パターンの
そのような汚損を防ぐことがきわめて重要である。
【0006】フレキソ印刷は、一般的に、ゴムまたは感
光性ポリマーの印刷用プレートおよび高印刷速度におい
て印刷基体上に速乾性流体インキを分配するインキ系を
使用する、回転式方法を利用する凸版印刷方法である。
ゴムまたは感光性ポリマーの印刷用プレート上の像領域
は、非印刷領域よりも高くなっており、そして像領域
は、均一なサイズのおよび深さで彫り込まれたセルを有
するスクリーン状のインキ用ローラーであるアニイロッ
クスローラー(Anilox roller)でインキを施される。
輪転グラビア印刷法と同様、フレキソ印刷法は、一般的
に、数種の色を使用して高速度で実施される。それ故、
印刷インキの乾燥速度に関する前述の課題と同じ課題
が、フレキソ印刷法にも存在している。
【0007】凸版印刷は、凸版印刷法の他のタイプであ
り、その印刷法においては、印刷用プレート上の像領域
は、非印刷領域よりも高くなっており、そして像領域
は、ローラーによってインキをつけられ、基体と接触し
て加圧される。輪転グラビア印刷およびフレキソ印刷の
ように、凸版印刷も、高速で数種の色で印刷するのに使
用される。それ故、印刷インキの乾燥速度に関する前述
の課題と同じ課題が、凸版活字印刷にも存在している。
【0008】現在においては、多くの流体印刷インキ
が、蒸発可能なキャリヤーとして、有機溶剤例えばトル
エンを利用することによって所望の速さの乾燥速度を達
成している。そのような有機溶剤の高揮発性に起因し
て、そのようなインキは、典型的に、溶剤の蒸発によっ
て高速度で乾燥する。しかし、作業の安全および環境へ
の配慮から、印刷インキ配合物に使用される揮発性有機
成分(VOC)の大気中への放出が最小にするように印
刷インキ配合物を変えることが、印刷産業に求められて
いる。The Clean Air Actのますます厳しくなった基準
のもとでは、従来の印刷法による高レベルのVOCおよ
び有害な空気汚染物質(hazardous air pollntants(H
AP)の放出は、実質的に減少されなければならない。
更に、最近制定された、Achievable Control Technolog
y(MCAT)の指針には、印刷産業に、より多くの厳
しい溶剤回収の要求または溶剤焼却の要求が課せられて
いる。環境への配慮に加えて、溶剤ベースの印刷インキ
は、極めて可燃性の傾向にある。その結果として、その
ような印刷インキを使用する作業者に火災の危険性を引
き起こす。
【0009】それ故、有機溶剤ベースのインキは、今
は、望ましくないものとみなされており、現在において
は、有用な水性インキ組成物が、有機溶剤ベースの印刷
インキの代替え品としてまだ充分に開発されていないた
めに使用されているのである。特に、現在の水性印刷イ
ンキ技術の低乾燥速度は、結果として、高速印刷法を有
意に減少されたライン速度で操作させる事態を生じてい
る。
【0010】水性インキ組成物は、クリシュナン等(Kr
ishnan et al.)の米国特許第5,098,478号に
開示されている。しかし、この米国特許第5,098,
478号は、水性印刷インキに典型的に伴っている低乾
燥速度の問題には取り組んでいない。本発明は、水性印
刷インキの低乾燥速度の問題を解決した。
【0011】本発明は、塩基、および(a)ラテックス
バインダーと、ラテックスバインダー固形分の全重量に
基づいて0〜20重量%の多官能性アミンとのブレン
ド、または(b)アミン変性ラテックスバインダー、ま
たは(c)前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテック
スバインダーの組み合わせ物、を含み、前記ラテックス
バインダーおよび前記アミン変性ラテックスバインダー
は、アニオン的に安定化されており、そして前記ラテッ
クスバインダーは、前記ラテックスバインダーのpH
を、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に
全部、または前記アミン変性ラテックスバインダーの本
質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性
ラテックスバインダーの組み合わせ物の全部が、脱プロ
トンされた状態(deprotonated state)にある点に、上
げるのに充分な量の前記塩基を含有している、印刷イン
キ組成物、に関する。
【0012】また、本発明は、基体上に施した所望の印
刷パターンの乾燥速度を大きくする方法であって、塩
基、および(a)ラテックスバインダー固形分の全重量
に基づいて、多官能性アミンの0〜20重量%を有する
ラテックスバインダーのブレンド、または(b)アミン
変性ラテックスバインダー、または(c)前記ブレンド
および前記アミン変性ラテックスバインダーの組み合わ
せ物、を含み、前記ラテックスバインダーおよび前記ア
ミン変性ラテックスバインダーは、アニオン的に安定化
されており、そして前記ラテックスバインダーは、前記
ラテックスバインダーのpHを、前記ブレンドの中の前
記多官能性アミンの本質的に全部、または前記アミン変
性ラテックスバインダーの本質的に全部、または前記ブ
レンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダーの組
み合わせ物の全部が、脱プロトンされた状態にある点
に、上げるのに充分な量の前記塩基を含有するインキ組
成物の1以上の層を基体表面上に施し、前記基体表面上
の前記インキ組成物の前記1つ以上の層を乾燥させ、基
体上に所望の印刷パターンを形成させることを含む、前
記方法、に関する。
【0013】本明細書において用いられる用語につい
て、以下に説明する:
【0014】用語「GPC重量平均分子量」は、197
6年にローム アンド ハース カンパニー、フィラデ
ルフィア、ペンシルバニアによって出版された「ポリマ
ーのキャラクタリゼーション」の第1章、第4頁に記載
されている、標準としてポリメチルメタクリレートを使
用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって
測定された重量平均分子量である。
【0015】用語「ガラス転移温度(Tg)」は、示差
走査熱量法によって測定される狭い範囲の温度であり、
その温度の間において、非晶質のポリマーが、比較的硬
く脆いガラム状態から比較的軟らかく粘性のあるゴム状
態に変化する。この方法によってTgを測定するには、
コポノマー試料を乾燥し、120℃に予め加熱し、急速
に−100℃に冷却し、次いでデーターを採取しながら
20℃/分の速度で150℃まで加熱する。Tgは、半
高法(half-height method)を使用して変曲の中心にお
いて測定する。
【0016】用語「ラテックスバインダー」は、「分散
されたポリマー」、「溶解されたポリマー」(この両方
の用語は後述で定義する)、またはそれらの混合物、を
意味する。
【0017】用語「分散されたポリマー」は、水性キャ
リヤー中における重合粒子のコロイド状分散物を意味す
る。
【0018】用語「溶解されたポリマー」には、「水性
ポリマー」、「水希釈性ポリマー(water reducible po
lymer)」またはそれらの混合物が包含される。水溶性
ポリマーは、水に溶解されたポリマーを意味する。水希
釈性ポリマーは、水および水混和性溶剤に溶解されたポ
リマーを意味する。溶解されたポリマーは、その結果と
して、0に等しいムーニー式(Mooney equation)〔1
/lnηrel=1/BC−K/2.5〕のセルフ−クロウ
ディング定数(K)(self-crowding constant(K))を
有することを特徴とするポリマー溶液を生じる。一方、
分散されたポリマーは、1.9に等しい(K)を有す
る。ムーニー式の詳細は、1973年にプレナム プレ
スによって出版され、そしてゴルドンおよびプランによ
って編集された「ノンポリューティング コーティング
ス アンド コーティング プロセス」中のブレンドレ
イ等による「水に分散されたアクリルポリマーおよび水
溶性アクリルポリマーの物理的キャラクタリゼーション
(“Physical Characterization of Water Dispersed a
nd Soluble Acrylic Polymers"by Brenndly et al.,in
“Nonpolluting Coatings and Coating Process"publis
hed by Plenum Press,1973 and edited by Gordon and
Prane)と題する項に開示されている。
【0019】用語「ポリマーの粒子サイズ」は、ブルッ
クヘブン インスッルメント コーポレーション、ホル
ツスビル、ニューヨーク(Brookhaven Instruments Cor
poration,Holtsville,New York)によって供給されてい
るブルックヘブン モデルBI−90 パーティクル
サイザー(Brookhaven Model BI-90 Paticle sizer)を
使用することにより測定されたポリマー粒子の直径を意
味する。なお、前記パーティクル サイザーにおいて
は、ポリマー粒子のサイズを測定するために準−弾性光
散乱技術が使用されている。散乱の強さは粒子サイズの
関数である。直径は重量平均された強度に基づくものが
使用された。この技術は、アメリカンケミカル ソサィ
アティ シンポジューム シリーズ(American Chemica
l Society Symposium series)の1987年版の第3
章、48−61頁においてワイナー等(Weiner et a
l.)により「Uses and Abuses of Photon Crrelation S
pectroscopy in Particle Sizing」という表題で記載さ
れている。粒子の直径を測定するために、アクリルポリ
マー試料の0.1〜0.2gを、蒸留水を用いて全部で
40mlになるように希釈した。その2ml部分をアク
リル製セル中に入れ、次いでそれにふたをした。粒子サ
イズをナノメーターで1000サイクル測定した。この
結果を3回繰り返しその平均を報告した。
【0020】用語「ラテックスバインダー固形分」は、
その乾燥状態におけるラテックスバインダーを意味す
る。
【0021】用語「ライン速度」は、基体が印刷機に供
給される速度を意味し、1分当たりのラインのメートル
として示される。
【0022】用語「汚損(blemish)」は、基体上に印
刷インキから形成された印刷パターンが、汚されまたは
美観がそこなわれることを意味する。
【0023】本発明の好ましい態様の印刷インキ組成物
は、ラテックスバインダーおよび多官能性アミンのブレ
ンドを含む。このブレンドは、ブレンド固形分の全重量
に基づいた重量%で80%〜100%、好ましくは90
%〜99.5%、更に好ましくは95%〜98%のラテ
ックスバインダーを含む。更に、このブレンドは、ブレ
ンド固形分の全重量に基づいた重量%で0%〜20%、
好ましくは0.5%〜10%、更に好ましくは2%〜5
%の多官能性アミンを含む。
【0024】アニオン的に安定化されているラテックス
バインダーは、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜
100℃、更に好ましくは10℃〜70℃、の範囲にお
けるTg、および500〜5,000,000、更に好
ましくは1,000〜1,000,000またはそれ以
上、および最も好ましくは30,000〜500,00
0、の範囲におけるGPC重量平均分子量を有する。
【0025】本発明組成物のラテックスバインダーは、
水性の蒸発可能なキャリヤー中に分散されたポリマー粒
子を有する分散されたポリマーであってもよいし、また
は水性の蒸発可能なキャリヤー中の水溶性ポリマー、水
希釈性ポリマー、並びに水溶性ポリマーおよび水希釈性
ポリマーの混合物、または水性の蒸発可能なキャリヤー
中の分散されたポリマー、水希釈性ポリマーおよび水溶
性ポリマーの混合物のいずれでもよい。所望により、ラ
テックスバインダーには、分散されたポリマーと水溶性
ポリマーまたは水希釈性ポリマーとの混合物を含有させ
てもよい。20〜1000ナノメーター好ましくは30
〜300ナノメーターの範囲における粒子径の粒子を有
する分散されたポリマーの形態におけるラテックスバイ
ンダーが好ましい。水性の蒸発可能なキャリヤーには、
水またはその中に水混和性有機溶媒、例えばメタノー
ル、エタノールおよびグリコールエーテルを溶解させた
水が包含される。水が好ましい。
【0026】ラテックスバインダーは、少なくとも1種
またはそれ以上の次のモノマーから重合される:例え
ば、アクリル酸エステルモノマーまたはメタクリル酸エ
ステルモノマー〔これらには次のモノマーが包含され
る:(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリ
ル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、および(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル〕;酸官能性モノマー、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、および
マレイン酸;イタコン酸モノメチル;フマル酸モノメチ
ル;フマル酸モノブチル;無水マレイン酸;アクリルア
ミドまたは置換アクリルアミド;ジアセトンアクリルア
ミド;メタクリル酸グリシジル;アセトアセチルエチル
メタアクリレート;アクロレインおよびメタアクロレイ
ン;メタクリル酸ジシクロペンタジエニル;ジメチルメ
タ−イソプロペニルベンジルイソシアネート;イソシア
ナイト エチルメタクリレート;スチレンまたは置換ス
チレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニルまたはその
他のビニルエステル;ビニルモノマー、例えば、ハロゲ
ン化ビニル、好ましくは塩化ビニル、ハロゲン化ビニリ
デン、好ましくは塩化ビニリデン、N−ビニルピロリド
ン;アミンモノマー、例えば、N,N’−ジメチル(メ
タ)アクリレート、およびアクリロニトリルまたはメタ
クリロニトリル。
【0027】所望により、ラテッククスバインダーの製
造に利用されるモノマーの少なくとも1種は、酸官能性
モノマーまたはアミノ官能性モノマー、または酸官能性
モノマーまたはアミノ官能性モノマーの組み合わせ物、
であってもよい。
【0028】次のモノマーを包含するモノマー混合物か
ら重合されたラテックスバインダーは、更に好ましい: (1)アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチル (2)アクリル酸ブチルおよびスチレン (3)アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸メ
チル、および (4)アクリル酸2−エチルヘキシルとスチレン。
【0029】好ましくは、これらのモノマー混合物に
は、更に、アクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノ
マーまたはそれらの混合物を含有する。
【0030】本発明に使用されるラテックスバインダー
は、基体に適用されるときは、実質的に熱可塑性コポリ
マーであるかまたは実質的に未架橋コポリマーである。
所望により、モノマー混合物に、コポリマーの重量に基
づいて0.1〜25重量%の範囲における多エチレン性
不飽和モノマーを加えることにより、予め架橋又はゲル
化をコポリマーに導入することができる。典型的な多エ
チレン性不飽和モノマーには、アリルメタクリレート、
ジアリルフタレート、1,4−ブチレングリコールジメ
タクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
トおよびジビニルベンゼンが包含される。しかし、形成
された膜性質を実質的に悪くしないことが重要である。
【0031】本発明のアニオン的に安定化されたラテッ
クスバインダーを製造するのに使用される重合技術は、
当業界においてよく知られている。ラテックスバインダ
ーは、水性溶液重合によリ、または乳化重合により造る
ことができる。乳化重合が好ましい。熱開始法またはレ
ドックス開始法のいずれでも使用できる。アルファーベ
ーターエチレン性不飽和モノマーおよびそれらのエステ
ル、特にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステ
ル、のポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、ロー
ム アンド ハース カンパニーによって出版された
「アクリルモノマーの乳化重合:5月、1966(Emul
sion Polymerization of Acrylic Monomers:May,1966)
に記載されている方法によって造られる。
【0032】重合プロセスは、典型的には、従来の遊離
基開始剤、例えば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオクエ
ート、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸アルカリによ
り、典型的には、全モノマーの重量に基づいて0.05
〜3.0重量%の量において、開始される。前記と同じ
開始剤と、適当な還元剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、
を組み合わせて使用するレドックス系においても、前記
と同様の量で使用することができる。
【0033】連鎖移動剤は、GPCの重量平均分子量5
00〜5,000,000、そして好ましくは1,00
0〜1,000,000、そして更に好ましくは3,0
00〜500,000、を提供するのに有効な量におい
て使用される。生成するラテックスバインダーの分子量
を調節する目的のための適当な連鎖移動剤には、既知の
ハロゲン−有機化合物、例えば四臭化炭素およびジブロ
モジクロロメタン;硫黄含有化合物、例えばアルキルチ
オール(これらには、エタンチオール、ブタンチオール
が包含される)、t−ブチルメルカプトアセテートおよ
びエチルメルカプトアセテート、同様に芳香族チオー
ル;または重合中に遊離基によって容易に引き抜かれる
水素原子を有する種々な他の有機化合物、が包含され
る。追加の適当な連鎖移動剤または成分には、メルカプ
トプロピオン酸ブチル;イソオクチルメルカプトプロピ
オン酸;イソオクチルメルカプトプロピオネート(IO
MP);ブロモホルム;ブロモトリクロロメタン(BT
CM);四塩化炭素;アルキルメルカプタン、例えば1
−ドデカンチオール、第三級−ドデシルメルカプタン、
オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタンおよ
びヘキサデシルメルカプタン;チオグリコール酸アルキ
ル、例えばチオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸
イソオクチル、およびチオグリコール酸ドデシル;チオ
エステル;またはそれらの組み合わせ物、が包含される
がしかしそれらに限定されない。メルカプタン類が好ま
しい。
【0034】分散されたポリマーの形態におけるラテッ
クスバインダーを利用するときは、重合粒子の直径は、
乳化重合プロセスの間に添加される従来の界面活性剤の
量によって調節される。公知の界面活性剤には、アニオ
ン性乳化剤、非イオン性乳化剤、またはそれらの組み合
わせ物、が包含される。典型的なアニオン性乳化剤に
は、脂肪ロジンの塩およびナフテン酸の塩、ナフタレン
スルホン酸とホルムアルデヒドの低分子量の縮合生成
物、カルボン酸系ポリマーおよび適当な親水性−親油性
バランスのコポリマー、アルキル硫酸アルカリまたはア
ルキル硫酸アンモニウム、アルキルスルホン酸、アルキ
ルホスホン酸、脂肪酸、およびオキシエチル化アルキル
フェノールスルフェート、およびオキシエチル化アルキ
ルフェノールホスフェート、が包含される。典型的な非
イオン性乳化剤には、アルキルフェノールエトキシレー
ト、ポリオキシエチレン化アルキルアルコール、アミン
ポリグリコール縮合物、変性ポリエトキシ付加物、長鎖
カルボン酸エステル、変性末端アルキルアリールエーテ
ル、およびアルキルポリエーテルアルコール、が包含さ
れる。界面活性剤の典型的な範囲は、全モノマーの全重
量に基づいて0.1〜6重量%である。
【0035】別法として、ラテックスバインダーには、
種々の幾何学的構造の2つ以上の相を有する多段重合ポ
リマー粒子、例えば、コア/シェル粒子またはコア/シ
ース粒子、コアーを不完全にカプセル化しているシェル
相を有するコア/シェル粒子、複数のコアを有するコア
/シェル粒子、および相互侵入網目構造粒子が包含され
る。これらの場合において、粒子の表面積の過半は少な
くとも1つの外部相によって占められ、そしてラテック
スポリマー粒子の内部は、少なくとも1つの内部相によ
って占められている。多段重合ポリマー粒子の外部相
は、粒子の全重量に基づいて、5〜95%重量%であ
る。しばしば多段重合ポリマー粒子の各段階は、異なっ
たTgを有することが望ましい。これら多段重合ポリマ
ー粒子のGPC重量平均分子量は、500〜5,00
0,000、好ましくは1,000〜1,000,00
0そして更に好ましくは3,000〜500,000の
範囲にある。所望により、例えば米国特許第4,91
6,171号に記載されている多段重合ポリマー粒子組
成物のように、これらの多段重合ポリマー粒子の各段階
は、異なったGPC重量平均分子量を有することができ
る。
【0036】多段重合ポリマー粒子は、組成が異なる少
なくとも2つの段階を、逐次的に重合する従来の乳化重
合法によって造ることができる。そのような方法におい
ては、通常少なくとも2種のポリマー組成物が生成され
る。ある種の環境下においては、ポリマー組成物の1つ
を水溶性にするかまたは水性アルカリ性条件(pH>
7)下にすることが有利である。多段重合ポリマー粒子
の各段階は、ポリマー粒子について前述したモノマー、
連鎖移動剤および界面活性剤と同じモノマ−、連鎖移動
剤および界面活性剤を含むことができる。そのような多
段重合ポリマー粒子を製造するために使用される乳化重
合技術は、当業界においてよく知られており、例えば、
米国特許第4,325,856号、同第4,654,3
97号および第4,814,373号に記載されてい
る。
【0037】水希釈性ポリマーまたは水溶性ポリマーの
形態におけるラテックスバインダーは、もしモノマー混
合物が水溶性であるか、または最もしばしばあるケース
のように、重合用溶剤が水混和性溶剤、例えばイソプロ
パノール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールで
あるならば、水の中で直接製造する事ができる。そのよ
うなケースにおいては、水を、重合混合物中に含ませて
もよく、また重合が完了した後で添加してもよい。その
ようなポリマーは、前述のモノマーを利用して製造する
ことができる。本発明用の水溶性ポリマーを製造するた
めの他の経路は、アンモニアまたは他の塩基の添加によ
りラテックスポリマーを溶解できるように、充分なアク
リル酸またはメタクリル酸またはその他の重合可能な酸
モノマー(通常は10%よりも多い)を有するラテック
スポリマーを製造することである。このタイプの水溶性
ポリマーは、分散されたポリマーとのブレンドとして有
利に使用することができる。
【0038】ラテックスバインダーは、好ましくは、ラ
テックスバインダーに0〜390の範囲における酸価、
好ましくは0.8〜390の範囲における酸価、更に好
ましくは0.8〜200の範囲における酸価を提供する
のに充分な酸官能性ペンダント部分を有する。所望され
る酸価は、ラテックスバインダーを製造するのに利用さ
れる酸官能性モノマーの量を調節することによって達成
される。酸価の所望範囲は、酸官能性モノマー、例え
ば、ホスホエチルメタクリレートモノマーまたはエチレ
ン性不飽和カルボン酸モノマー、例えば、アクリル酸、
フマル酸−モノエチルエステル、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、フマ
ル酸−モノメチルエステル、メチル ハイドロゲン マ
レエート(methyl hydrogen maleate)、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸ナトリウム、メタクリル酸スルホエチル、またはそ
れらの組み合わせ物、を含有するラテックスバインダー
を利用することによって得られる。好ましいエチレン性
不飽和カルボン酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル
酸およびそれらの組み合わせ物から選ばれる。
【0039】ラテックスバインダーと混合するために適
当な多官能性アミンの本質的に全ては、ラテックスバイ
ンダーの水性の蒸発可能なキャリヤーのpHを、9〜1
1の範囲、好ましくは9.5〜10.5の範囲に上げる
ことによって、脱プロトン化された状態に維持される。
水性の蒸発可能なキャリヤーのpHは、塩基、例えばア
ンモニア、水酸化アルカリ金属好ましくは水酸化ナトリ
ウム、モルホリンおよび低級アルキルアミン、例えば2
−メチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノ
ール、N−メチルモルホリンおよびエチレンジアミン、
を加えることによって上げることができる。揮発性塩
基、例えばアンモニアまたは揮発性塩基の混合物、およ
び不揮発性塩基例えば水酸化ナトリウム、が好ましい。
特に、アンモニアが最も好ましい。多官能性アミンの中
のアミノ官能基の脱プロトン化の結果、アミノ官能基の
本質的に全てに電荷がなく、すなわち中和化されてお
り、それ故ラテックスバインダーのコロイド的安定化を
保つ。
【0040】多官能性アミンは、多官能性アミンの全固
形分重量に基づいた重量%で、以下に記載するアミン含
有モノマーの少なくとも1種またはそれ以上のクラスの
20〜100重量%、好ましくは、50〜100重量%
から重合される。
【0041】クラス1:アミノアルキルビニルエーテ
ル、ただしアルキル基は、2〜3個の炭素原子を有する
直鎖または分枝鎖であり、そして窒素原子は、第一級、
第二級、または第三級の窒素原子である。そのような方
法は、米国特許第2,879,178号に記載されてい
る。第三級窒素原子を含有するモノマーが利用されると
きは、残りの水素原子の1個は、アルキル成分が1〜4
個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有している
アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルコキシ
アルキル基によって置換されてもよい。具体的な例に
は、ベータ−アミノエチルビニルエーテル;ベータ−ア
ミノエチルビニルサルファイド;N−モノメチル−ベー
ターアミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;
N−モノエチル−ベーターアミノエチルビニルエーテル
またはサルファイド;N−モノブチル−ベーターアミノ
エチルビニルエーテルまたはサルファイド;およびN−
モノメチル−3−アミノプロピルビニルエーテルまたは
サルファイド、が包含される。
【0042】クラス2:アクリルアミドまたはアクリル
エステル、例えば次の式(II)を含有する前記化合
物:
【0043】
【化1】
【0044】〔式中、Rは、HまたはCH3であり、n
は0または1であり、Xは、OまたはN(H)である。n
が0であるときには、AはO(CH2)x(式中、xは2
〜3である)または(o−アルキレン)y であり〔(o
−アルキレン)y は88〜348の範囲のGPC重量平
均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、同じかま
たは異なっており、エチレンまたはプロピレンであるポ
リ(オキシアルキレン)基である〕;およびn が1であ
るときには、Aは、2〜4個の炭素原子を有するアルキ
レン基であり、R*は、H、メチル、またはエチルであ
り;そしてR0は、H、フェニル、ベンジル、メチルベ
ンジル、シクロヘキシル、または(C1−C6)アルキル
である。〕
【0045】式(II)の化合物の好ましい例として
は、ジメチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリ
レート;ベーターアミノエチルアクリレートまたはメタ
クリレート;N−ベーターアミノエチルアクリルアミド
またはメタクリルアミド;N−(モノメチルアミノエチ
ル)−アクリルアミドまたはメタクリルアミド;N−
(モノ−n−ブチル)−4−アミノブチルアクリレート
またはメタクリレート;メタクリロキシエトキシエチル
アミン;およびアクリロキシプロポキシプロポキシプロ
ピルアミン、が含有される。
【0046】クラス3:N−アクリロキシアルキル−オ
キサゾリジンおよびN−アクリロキシアルキルテトラヒ
ドロ−1,3−オキサジン、および相応する成分(ただ
し、“アルキル”連結基は、アルコキシアルキルおよび
ポリ(アルコキシ−アルキル)によって置換されてい
る)。これらの全ては式(III)に包含されている。
【0047】
【化2】
【0048】〔式中、Rは、HまたはCH3であり;m
は、2〜3の値を有する整数であり;R’は、R2に直
接結合していないときは、水素、フェニル、ベンジル、
および(C1−C12)アルキル基から成る群から選ば
れ;R2は、R’に直接結合していないときは、水素お
よび(C1−C4)アルキル基から成る群から選ばれ;
R’およびR2は、互いに直接に結合しているときは、
式の中の環のそれらが結合されている素原子と共に5〜
6員の炭素環を形成しており、すなわち、R’およびR
2は、互いに結合しているときは、ペンタメチレンおよ
びテトラメチレンから成る群から選ばれ;そしてA’
は、O(Cm2m)−または(O−アルキレン)nであ
り〔(O−アルキレン)nは88〜348の範囲のGP
C重量平均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、
同じかまたは異なっており、エチレンまたはプロピレン
のいずれかであるポリ(オキシアルキレン)基であ
る〕。
【0049】式(III)の化合物は、種々な条件のも
とで、第二級アミンに加水分解できる。この加水分解よ
り、次の式(IV)を有する生成物が造られる:
【0050】
【化3】
【0051】式(III)の化合物は、米国特許第3,
037,006号に記載されている。式(III)の化
合物の好ましい例としては、オキサゾリジニルエチルメ
タクリレート;オキサゾリジニルエチルアクリレート;
3−(ガンマ−メタクリル−オキシプロピル)−テトラ
ヒドロ−1,3−オキサジン;3−(ベーターメタクリ
ルオキシエチル)−2,2−ペンタ−メチレン−オキサ
ゾリジン;3−(ベーターメタクリルオキシエチル−2
−メチル−2−プロピルオキサゾリジン;N−2−(2
−アクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N
−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル−オキサ
ゾリジン;N−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エ
チル−5−メチル−オキサゾリジン;N−2−(2−ア
クリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリ
ジン;3−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチ
ル〕−2,2−ペンタ−メチレン−オキサゾリジン;3
−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル〕−
2,2−ジメチルオキサゾリジン;3−〔2−(メタク
リロキシエトキシ)エチル〕−2−フェニル−オキサゾ
リジン;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、が包
含される。
【0052】クラス4:加水分解によってアミンを容易
に生成するモノマーのポリマーは、また、多官能性アミ
ンの製造に有用である。そのようなモノマーの例には、
アクリロキシ−ケチミンおよびアクリロキシ−アルジミ
ンがあり、例えば次ぎの式(V)および(VI)によっ
て示される:
【0053】
【化4】
【0054】〔式中、Rは、HまたはCH3であり;Q
は、
【0055】
【化5】
【0056】から成る群から選ばれ、R6は、Hまたは
1個のCHR6単位においてはメチルであることができ
る;R5は、(C1−C12)−アルキルおよびシクロヘキ
シル基から成る群から選ばれ;R4は、(C1−C12)−
アルキルおよびシクロヘキシル基から成る群から選ば
れ;R3は、フェニル、ハロフェニル、(C1−C12)−
アルキル、シクロヘキシル、および(C1−C4)アルコ
キシフェニル基から成る群から選ばれ;A”は、アルキ
レン基(C1−C12)であり;A°、BおよびDは、式
−OCH(R7)−CH(R7)−(式中、R7は、H、
CH3、またはC25である)を有する同じかまたは異
なったオキシアルキレン基であり;xは、4〜5の値を
有する整数であり;n°は、1〜200の値を有する整
数であり;n’は、1〜200の値を有する整数であ
り;n”は、1〜200の値を有する整数であり;そし
てn°−1、n’−1およびn”−1の合計は、2〜2
00の値を有する整数である〕。
【0057】式(V)および(VI)の化合物の好まし
い例のある種のものには、2−〔4−(2,6−ジメチ
ルヘプチリジン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;
3−〔2−(4−メチルペンチリデン)−アミノ〕−プ
ロピルメタクリレート;ベーター(ベンジリデンアミ
ノ)−エチルメタクリレート;3−〔2−(4−メチル
ペンチリデン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;2
−〔4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ〕
−エチルアクリレート;12−(シクロペンチリデン−
アミノ)−ドデシルメタクリレート;N−(1,3−ジ
メチルブチリデン)−2−(2−メタクリロキシエトキ
シ)−エチルアミン;N−(ベンジリデン)−メタクリ
ロキシエトキシエチルアミン;N−(1,3−ジメチル
ブチリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)−エ
チルアミン;およびN−(ベンジリデン)−2−(2−
アクリロキシエトキシ)エチルアミン、が包含される。
【0058】式(V)および式(VI)の化合物は、酸
性、中性、またはアルカリ性の水性媒質中において加水
分解し、対応する第一級アミンまたはそれらの塩を生成
する、そのときは、式の基−N=Qは、−NH2および
O=Qとなる。式(V)および式(VI)の化合物は、
米国特許第3,037,969号および同第3,49
7,485号に記載されており、そしてそれらの中に記
載されたすべてのモノマー化合物は、本発明の組成物の
水溶性ポリマー部分に用いられるコポリマーの製造に使
用するこたができる。
【0059】クラス5:少なくとも2個の第一級または
第二級のアミノ基を有する任意の、非ポリマー性の多官
能性アミンを使用することができる。そのようなアミン
には、それぞれ、2〜10個の第一級または第二級のア
ミノ基および2〜100個の炭素原子を有する、脂肪族
アミンおよび脂環式アミンが包含される。好ましい非ポ
リマー性の多官能性アミンには、2〜4個の第一級アミ
ノ基および2〜20個の炭素原子が包含される。これに
関して更に、適当な非ポリマー性の多官能性アミンに
は、ヘキサメチレンジアミン;2−メチルペンタメチレ
ンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;1,3−ジア
ミノペンタン;ドデカンジアミン;1,2−ジアミノシ
クロヘキサン;1,4−ジアミノシクロヘキサン;パラ
−フェニレンジアミン;3−メチルピペリジン;ピペラ
ジン;N−アミノエチルピペラジン;イソホロンジアミ
ン;ビス−ヘキサメチレントリアミン;ジエチレントリ
アミン;エチレンジアミン;ジエチルアミントリアミ
ン;トリエチレンテトラミン;トリス(2−アミノエチ
ル)アミン;エチレンオキサイド−アミン;ポリオキシ
アルキレンアミン、例えばヒューストン、テキサスのテ
キサコ ケミカル カンパニー(Texaco Che
mical Company)によって供給されている
ジェファーミン〔jeffamine(登録商標)〕
D、EDおよびTシリースのポリオキシプロピレンアミ
ン;米国特許第4,120,839号に記載されている
アミン官能性アクリル樹脂;トリメチルヘキサメチレン
ジアミン;およびテトラエチレンペンタミンが包含され
るが、これらには限定されない。また、これら非ポリマ
ー性の多官能性アミンの混合物も使用することができ
る。最も好ましい非ポリマー性の多官能性アミンは、次
式を有するポリオキシプロピレンアミンである:
【0060】
【化6】
【0061】この化合物は、テキサコ ケミカル カン
パニーにより、商標名ジェファーミンD−230として
供給されているポリオキシプロピレンアミンである。一
般的に、多官能性アミンは、当業界において一般的に知
られているように、例えば米国特許第4,119,60
0号に教示されているように、求められる具体的なポリ
マーに応じて、中性、アルカリ性、または酸性のいずれ
かの水性媒質における溶液重合によって得ることができ
る。多官能性アミンには、1種以上のモノエチレン性不
飽和モノマー、例えばメチルアクリレート、アクリルア
ミドおよびメタクリルアミド、の80重量%までを有す
るコポリマーが包含される。また、比較的不溶性のコモ
ノマーの少量を使用して、水溶性の多官能性アミンを得
ることもできる。不溶性ポリマーには、これらのコモノ
マーのより多量を含有させてもよい。そのようなモノマ
ーには、例えば、アクリル酸とC1〜C18アルコールと
のエステルおよびメタクリル酸と1〜18個の炭素原子
を有するアルコール特にC1〜C4アルカノールとのエス
テル;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、置換スチレン、ブタジエン、置
換ブタジエン、エチレン;およびアクリル酸のまたはメ
タクリル酸のニトリルおよびアミド、が包含される。多
官能性アミンを造るのに使用される具体的なコモノマー
は、コポリマーを造るのに使用されるアミン含有モノマ
ーの割合に依存する。
【0062】別法として、ラテックスバインダーの同じ
ポリマーの主鎖の中に酸官能性部分およびアミン官能性
部分の両方を存在させることも可能である。これは、2
段重合法、すなわち、1段においては酸官能性部分を含
み、そして他の段においてはアミン官能性部分を含む重
合法によって達成させることができる。そのようなバイ
ンダーの製造方法は、米国特許第4,760,110号
に記載されている。ラテックスバインダーは、ラテック
スバインダーがポリマー粒子の分散液であるときは、水
性の蒸発可能なキャリヤー中に30〜70%、好ましく
は35〜65%のブレンドを含有しており、またラテッ
クスポリマーが溶解されたポリマーであるときは、水性
の蒸発可能なキャリヤー中に25〜50%、好ましくは
30〜40%のブレンドを含有している。ただし前記の
全ての%は、ラテックスバインダーの全重量に基づいた
重量%である。
【0063】所望により、そして印刷インキ組成物の意
図する用途により、追加の成分を組成物に加えてもよ
い。これらの追加の成分には、増粘剤;レオロジー改良
剤;染料;金属イオン封鎖剤;殺生物剤;分散剤;顔
料、例えば二酸化チタン、有機顔料、カーボンブラッ
ク;エキステンダー、例えば炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカおよびシリケート;凍結防止剤;可塑
剤;接着促進剤;造膜助剤;湿潤剤;ワックス;界面活
性剤;スリップ用添加剤;架橋剤;消泡剤;着色剤;防
腐剤;凍結/融解保護剤;腐食防止剤;アルカリ可溶性
ポリマーまたは水溶性ポリマー、が包含されるが、これ
らに限定されない。
【0064】また、本発明は、基体上に施された所望の
印刷パターンの乾燥速度を増加する方法に関する。本発
明の第1工程は、印刷方法例えば凸版印刷法、フレキソ
印刷法、そして好ましくは輪転グラビア印刷法によっ
て、基体の表面上に本発明の印刷インキ組成物の1つ以
上の層を施すことを含む。施用工程の間に、基体上のイ
ンキ組成物の1つ以上の層が、1つ以上の逐次配列され
た輪転グラビアシリンダーから、または1つ以上の逐次
配列されたフレキソ印刷プレートから、または1つ以上
の逐次配列された凸版印刷プレートから、逐次移され
て、基体上に所望の印刷パターンを形成する。
【0065】本発明方法の次の工程は、基体表面上に施
されたインキ組成物の1つ以上の層を乾燥し、所望の印
刷パターン、例えば印刷された新聞、パンフレットおよ
びビジネスフォーム、を作成することが含まれている。
本発明の印刷インキの速乾性のため、基体上に施された
層は急速に乾燥され、基体上に、汚損抵抗性のある膜を
形成する。本発明のインキ組成物の乾燥速度は、一般的
に、印刷機例えば輪転グラビア印刷プロセスの操作を、
609〜945m/分、好ましくは914m/分のライ
ン速度において操作できる程に充分に速い。その結果、
他の層を、基体上の汚損抵抗性のある膜の上面に、その
上に汚損を生じることなしに、安全に施すことができ
る。所望により、1つ以上の層の乾燥速度は、照射また
は対流的な加熱を利用して促進させることもできる。
【0066】本発明の水性印刷インキ組成物は、一般の
印刷、例えばビジネスフォーム、技術的文献、パンフレ
ット、カタログ、雑誌、クレジットカード、包装材料、
例えばカートン、ボックス、例えば木目模様を有するよ
うな印刷された積層品、T−シャツおよび銀行券の印刷
のために有用である。本発明の印刷用組成物を使用する
ことにより得られた典型的な印刷パターンの厚さは、
0.75〜30μm、好ましくは0.75〜6μmの範
囲である。所望により、本発明の組成物から造られた、
または任意の典型的な市販のオーバープリントワニスか
ら造られた、透明なオーバープリントワニスを更に印刷
パターンの上に施すこともできる。
【0067】試験の手順 以下の試験手順を、実施例に報告されたデータを評価す
るために使用した: 1.乾燥時間の試験 後述の実施例を検査するのに用いた乾燥時間の試験方法
は、室温において有機被膜を乾燥するための標準試験で
あるASTM D1640と同様である。線巻棒(wire
wound rod)#5を使用して孔のない基体(ガラス板)
上に試験用膜を施し、0.005±0.001ミクロン
の湿潤膜厚のフィルムを調製した。ASTMの方法は、
最小の指圧を試験用表面に加えて膜の乾燥を測定するよ
うに変更された。乾燥時間は、ガラス板に印刷インキを
適用してから、指圧によるくぼみが試験用基体上にでき
なくなるまでの経過時間である。
【0068】実施例 ポリマー1〜5の製造 下記のモノマーエマルション用の仕込み表に列挙されて
いるモノマーエマルション1(ME#1)の43.4g
を、脱イオン水(DI水と称する)775.4gおよび
アニオン性界面活性剤の水溶液(ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム−23%活性成分)3.0gを含有す
る5リットルの撹拌されている反応器に加えた。反応器
の内容物を窒素雰囲気下で85℃に加熱した。モノマー
エマルション1を含有するフラスコからのDIすすぎ水
15gを反応器に加え、次いでDI水40gに溶解した
炭酸ナトリウム2.08gを加えた。10分後に、DI
水120gに溶解した過硫酸アンモニウム2.08gと
一緒にモノマーエマルション1の残りを、ゆっくりと、
3時間かけて反応器に加えた。
【0069】 モノマーエマルション1(ME#1)用の仕込み表: DI水 345.60 アニオン性界面活性剤 (23%活性) 12.56 アクリル酸ブチル 744.12 メタクリル酸メチル 641.58
【0070】得られたラテックスバインダーは、固形分
50.1重量%において、ブルックフィールドフィール
ド粘度44cps(No.1スピンドル、回転30RP
Mで測定した)および粒子サイズ184ナノメーターを
有していた。次いで、ポリマー1を造るのに記載した手
順と同じ手順により、それぞれ、以下に示されたモノマ
ーエマルション2〜5(ME#2〜5)を使用してポリ
マー2〜5を造った。
【0071】 モノマーエマルション2(ME#2)用の仕込み表: DI水 345.60 アニオン性界面活性剤(23%活性) 12.56 アクリル酸ブチル 744.12 メタクリル酸メチル 640.19 メタクリル酸 1.39
【0072】得られらたラテックスバインダーは、固形
分49.7重量%において、ブルックフィールド粘度1
41cps(No.1スピンドル、回転30RPMで測
定した)および粒子サイズ162ナノメーターを有して
いた。
【0073】 モノマーエマルション3(ME#3)用の仕込み表: DI水 345.60 アニオン性界面活性剤(23%活性) 12.56 アクリル酸ブチル 739.96 メタクリル酸メチル 638.81 メタクリル酸 6.39
【0074】得られたラテックスバインダーは、固形分
50.0重量%において、ブルックフィールド粘度10
9cps(No.1スピンドル、回転30RPMで測定
した)および粒子サイズ170ナノメーターを有してい
た。
【0075】 モノマーエマルション4(ME#4)用の仕込み表: DI水 345.60 アニオン性界面活性剤(23%活性) 12.56 アクリル酸ブチル 744.12 メタクリル酸メチル 627.72 メタクリル酸 13.85
【0076】得られたラテックスバインダーは、固形分
50.0重量%において、ブルックフィールド粘度68
cps(No.1スピンドル、回転30RPMで測定し
た)および粒子サイズ171ナノメーターを有してい
た。
【0077】 モノマーエマルション5(ME#5)用の仕込み表: DI水 345.60 アニオン性界面活性剤(23%活性) 12.56 アクリル酸ブチル 744.12 メタクリル酸メチル 572.28 メタクリル酸 69.30
【0078】得られたラテックスバインダーは、固形分
50.5重量%において、ブルックフィールド粘度91
cps(No.1スピンドル、回転30RPMで測定し
た)および粒子サイズ161ナノメーターを有してい
た。
【0079】ポリマー1〜5は、ローム アンド ハー
ス カンパニーによって出版された「ポリマーのキャラ
クタリゼーション(The Characterization of Polyme
r)」、出版No.CM−106 9/76 の20頁
に記載されたフォックス式(Fox Equation)を使用して
得られた計算Tg15℃を有していた。
【0080】ポリマー6の製造 2段重合ポリマーであるポリマー6は、下記のポリマー
6用の仕込み表に記載された種々の供給物を反応させる
ことにより造った。反応器仕込み供給物を、窒素ガスシ
ール下で85℃に維持された反応器に加えた。次いで、
供給物Xを反応器に加え、2分後に、供給物A−1を加
えた。反応器の内容物を82℃において30分間維持し
た。その後、乳化された供給物B−1を徐々に加え、次
いですすぎ水#1を加えた。次いで、供給物Eを加え、
反応器の内容物を83℃において30分間保持した。そ
の後、乳化された供給物B−2および供給物A−2を、
反応器内容物を85℃に保持しながら、90分かけて同
時に加えた。すすぎ水#2を加え、反応器内容物を85
℃において2時間保持し、次いで冷却した。この結果と
して得られたラテックスバインダーは、固形分46.2
重量%において、ブルックフィールド粘度1550cp
s(No.2スピンドル、回転12RPMで測定した)
および粒子サイズ105ナノメーターを有していた。
【0081】 ポリマー6用の仕込み表: 反応器仕込み供給物 (g) 脱イオン水 1004.3 重炭酸ナトリウム 2.1 50%供給物C 485.3 供給物A−1 過硫酸アンモニウム 12.8 脱イオン水 25.0 供給物B メタクリル酸ブチル 384.7 スチレン 256.5 アクリル酸エチルヘキシル 145.3 メタクリル酸メチル 42.7 供給物X 供給物B−1(プレ−エマルション) 50.0 供給物C ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 35.3 脱イオン水 936.3 供給物D 界面活性剤1 34.2 註:1:Triton(登録商標)101(ノニルフェノキシポリエトキシエタ ノール、ユニオンカーバイド社によって供給されている) 供給物B−1 アクリル酸 51.3 100%供給物B 829.4 25%供給物C 242.9 50%供給物D 17.1 すすぎ水#1 脱イオン水 50.0 供給物B−2 t−ブチルアミノエチルメタクリレート 68.8 メタクリル酸ヒドロキシエチル 17.1 メタクリル酸ブチル 567.5 スチレン 73.8 アクリル酸エチルヘキシル 145.3 メタクリル酸メチル 42.7 供給物Cの25% 242.9 供給物Dの50% 17.1 すすぎ水#2 脱イオン水 50.0 供給物A−2 過硫酸アンモニウム 6.4 脱イオン水 12.5 供給物E 水酸化アンモニウム 22.0
【0082】ポリマー6の第1段は計算Tg33℃を有
し、そして第2段はTg15℃を有していた。
【0083】ポリアミン1の製造 脱イオンおよび脱酸素した水1500gを含有する5リ
ットルの撹拌された反応器を、窒素雰囲気下で60℃に
加熱した。0.15%FeSO4・7H2O水溶液7gお
よび1%(エチレンジニトリロ)−四酢酸四ナトリウム
水溶液2.0gを反応器に加えた。次いで、下記に列挙
した供給物No.1および2を、反応器に、3時間かけ
て同時に加えた。:
【0084】 供給物No.1 500.0g 2−(3−オキサゾリジニル)エチルメタクリレート (OXEMA) 500.0g 脱イオン水 5.0g 70%第三級ブチルハイドロパーオキサイド水溶液 (TBHP) 供給物No.2 5.0g ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート・H2O (SFS)(脱イオン水14.4mlで希釈されている)
【0085】供給物No.1および2の添加後1時間し
てから、70%TBHP0.65gおよびSFS0.1
5gを脱イオン水5.0gに溶解したものを反応器に加
えた。1時間後に反応器内容物を室温に冷却し、そして
29%水酸化アンモニウム水溶液10.0gを加えて、
全固形分18.6%、pH8.3そしてブルックフィー
ルド粘度21cps(No.1スピンドル、回転60R
PMで測定した)の透明なコハク色の溶液を造った。
【0086】ポリアミン2の製造 脱イオンおよび脱炭素した水1500gを含有する5リ
ットルの撹拌された反応器を、窒素雰囲気下で60℃に
加熱した。0.15%FeSO4・7H2O水溶液7gお
よび1%(エチレンジニトリロ)−四酢酸四ナトリウム
水溶液2gを反応器に加えた。次いで、下記に列挙した
供給物No.3、4および5を、反応器に、3時間かけ
て同時に加えた:
【0087】 供給物No.3 500.0g ジメチルアミノエチルメタクリレート 500.0g 脱イオン水 供給物No.4 5.0g 70%第三級ブチルハイドロパーオキサイド水溶液(T BHP)(脱イオン水14.4mlで希釈されている) 供給物No.5 5.0g ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート・2H2O (SFS)(脱イオン水で14.4mlに希釈されている)
【0088】供給物Nos.3、4および5の添加後1
時間してから、70%TBHPの0.65gおよびSF
S0.15gを脱イオン水5.0gに溶解したものを反
応器に加えた。1時間後に反応器内容物を室温に冷却
し、そして29%水酸化アンモニウム水溶液10.0g
を加えて、全固形分16.9%、pH8.8そしてブル
ックフィールド粘度44cps(No.1スピンドル、
回転60RPMで測定した)の透明なコハク色の溶液を
造った。
【0089】実施例1〜10 実施例1〜10は、下記の標準手順によって造った:ポ
リマー1〜6を15分間絶えず撹拌しながらNH4OH
の7%溶液で予め中和し、そして次の表1に示されてい
る所望のpHおよび固形分%に希釈した。実施例2、
4、6、8および10は、ポリマー1〜6と、ラテック
スバインダー固形分に基づいて2重量%の量で加えられ
たポリアミン−1〔ポリ(2−(3−オキサゾリジニ
ル)エチルメタクリレート)〕とをブレンドすることに
よって造った。次いで、これらの実施例を、ポリアミン
−1を含んでいない実施例1、3、5、7、および9
と、乾燥時間について比較した。「酸重量%」は、ポリ
マーの全重量に基づいて、ポリマーの中で共重合されて
いるメタクリル酸の全重量をいう。
【0090】
【表1】 表1 実施例 使用したポリマー pH 固形分 ポリアミン1 乾燥時間 (酸重量%) 実施例1 ポリマー1 10.02 35.64% なし 110秒 (0%酸) 実施例2 ポリマー1 10.03 36.04% 2.0% 45秒 (0%酸) 実施例3 ポリマー2 10.01 35.63% なし 230秒 (0.1%酸) 実施例4 ポリマー2 10.07 36.34% 2.0% 70秒 (0.1%酸) 実施例5 ポリマー3 9.91 36.30% なし 285秒 (0.5%酸) 実施例6 ポリマー3 9.94 36.21% 2% 70秒 (0.5%酸) 実施例7 ポリマー4 9.99 37.52% なし 250秒 (1.0%酸) 実施例8 ポリマー4 9.98 35.88% 2% 80秒 (1.0%酸) 実施例9 ポリマー5 10.10 35.61% なし 220秒 (5.0%酸) 実施例10 ポリマー5 9.96 36.36% 2% 100秒 (5.0%酸) 比較例A1 37.10% 110秒 註:1:比較例Aは、S.C.Johnson,Racine,Wisconsinに
よって供給されている「Joncryl(登録商標)537」
である。
【0091】この表1から、本発明者が、ポリアミン−
1を有している実施例は、ポリアミン−1を含有してい
ない実施例よりも速い乾燥時間を有していることが解
る。また、ポリマー1〜5の中の酸重量%が増加するに
つれて、乾燥時間もまた増加することが見出された。比
較例Aは、グラフィックアート用に販売されている市販
の水性インキ組成物である。比較例Aの乾燥時間は、全
てポリアミン−1を含有している実施例2、4、6、8
および10の乾燥時間よりも長いことが解る。
【0092】実施例11〜16 実施例11〜16は、ポリアミン−1またはポリアミン
−2〔ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)〕
の量が下記の表2に示されているように変化させた以外
は、実施例1〜10の手順と同じ手順で行った:
【0093】
【表2】 表2 実施例 使用したポリマー pH 固形分 使用した 乾燥時間 ポリアミン 実施例11 ポリマー4 9.99 37.52% なし 250秒 実施例12 ポリマー4 9.99 35.60% 0.5% 150秒 ポリアミン−1 実施例13 ポリマー4 9.98 35.88% 2.0% 80秒 ポリアミン−1 実施例14 ポリマー4 9.96 37.22% 5.0% 70秒 ポリアミン−1 実施例15 ポリマー4 9.98 36.31% 10.0% 240秒 ポリアミン−1 実施例16 ポリマー4 9.99 35.65% 2.0% 150秒 ポリアミン−2
【0094】この表2から、実施例12〜16における
ポリアミン−1の添加により、実施例11と比較したと
きに、乾燥時間が実質的に減少することがわかる。ポリ
アミン−1の量の増加は、最初は乾燥時間の減少を生じ
させるが、多量のポリアミン−1の添加は乾燥時間を増
加させることが観察される。ポリアミン2の使用も乾燥
時間を減少させる。
【0095】実施例17〜22 実施例17〜22のためにには、中和塩基のタイプを下
記の表3に示したように変化させた以外は、実施例1〜
10に使用された手順と同じ手順で行った:
【0096】
【表3】 表3 実施例 使用した 中和用塩基 固形分 ポリアミン−1 乾燥時間 ポリマー 実施例17 ポリマー4 NH4OH 37.52% なし 250秒 pH=9.99 実施例18 ポリマー4 NH4OH 35.88% 2.0% 80秒 pH=9.98 実施例19 ポリマー4 NaOH 37.59% なし 340秒 pH=9.97 実施例20 ポリマー4 NaOH 38.27% 2.0% 190秒 pH=10.01 実施例21 ポリマー4 MEA 38.60% なし 280秒 pH=9.96 実施例22 ポリマー4 MEA 38.62% 2.0% 150秒 pH=9.96
【0097】表3における中和塩基の略字: NH4OH=水酸化アンモニウム(7重量%水溶液) NaOH=水酸化ナトリウム(5重量%水溶液) MEA=2−メチルアミノエタノール(100%)
【0098】この表から、使用された中和用塩基のタイ
プにかかわらず、ポリアミン−1の添加により乾燥時間
が大いに減少することが解る。水に溶解された揮発性塩
基(NH3)の使用により、乾燥時間は最高に減少され
た。
【0099】実施例23および24 実施例23および24は、実施例1〜10に使用された
手順と同じ手順で行った:
【0100】
【表4】 表4 実施例 使用した pH 固形分 ポリアミン−1 乾燥時間 ポリマー 実施例23 ポリマー6 9.67 36.28% なし 200秒 (2.8%酸/3.8%アミン) 実施例7 ポリマー4 9.99 37.52% なし 250秒 (1.0%酸) 実施例9 ポリマー5 10.10 35.61% なし 220秒 (5.0%酸) 実施例24 ポリマー6 9.69 35.04% 2.0% 130秒 (2.8%酸/3.8%アミン)
【0101】この表4から、ポリマーが、1つの段が酸
含有ポリマーであり、他の段階が低分子量のアミン含有
ポリマーである多段ポリマーであるときにも、ポリアミ
ン−1の添加により、乾燥時間が大いに減少することが
解る。更に、1つの段において酸を含み、そして他の段
においてアミンを含むポリマー6が、アミンを含む段を
有しない比較例のポリマー(実施例7および9)よりも
短い乾燥時間(実施例23)を示したことを見出した。
【0102】実施例25および26 実施例7および8に、水性顔料分散液を加え、ベンチト
ップスターラー(bench top stirror)で15分間撹拌
して、下記の表5に記載された実施例25および26を
造った:
【0103】
【表5】 表5 実施例25 実施例26 実施例7 40.0部 実施例8 40.0部 水性顔料分散液1 50.0部 50.0部 水 10.0部 10.0部 註:1:「Liquaflex」(登録商標)Yellow YD-3000は、
Drew Graphics,Cincinati,Ohioから供給されている。 以下の表6は実施例25及び26、並びに比較例として
の市販のインキ組成物Bの乾燥時間を示している。
【0104】
【表6】 表6 実施例 固形分 乾燥時間 実施例25 37.2% 80秒 実施例26 38.0% 55秒 比較例B1 100秒 註:1:比較例B(C−4000)は、グラフィックア
ート産業用に供給されている公知の顔料を含有している
水性印刷インキであり、Sun Chemical SpA,V.Delle Due
Case,2-50127 Firenze,Italyによって供給されてい
る。
【0105】この表6から、ポリアミン−1の(実施例
26)の添加により、ポリマーが顔料分散液を含んでい
るときにも、実施例(実施例25)と比較したときに、
乾燥時間が減少したことが解る。また、実施例26が、
比較例(比較例B)よりも短い乾燥時間を有しているこ
ともわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アン・マーガレット・バチョ アメリカ合衆国ニュージャージー州08075、 デルラン、フォージ・ロード 179 (72)発明者 ゲーリー・ロバート・ラーソン アメリカ合衆国ペンシルバニア州19440、 ハットフィールド、クレアモント・ドライ ブ 2183 (72)発明者 マシュー・ステワート・ゲブハルド アメリカ合衆国ペンシルバニア州18901、 ニュー・ブリテイン、ウッドランド・ドラ イブ 158 (72)発明者 アルビン・チャールズ・ラボイエ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19446、 ランスデイル、アビー・レーン 303

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基、および(a)ラテックスバインダ
    ーとラテックスバインダー固形分の全重量に基づいて0
    〜20重量%の多官能性アミンとのブレンド、または
    (b)アミン変性ラテックスバインダー、または(c)
    前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダ
    ーの組み合わせ物、を含み、前記ラテックスバインダー
    および前記アミン変性ラテックスバインダーは、アニオ
    ン的に安定化されており、そして前記ラテックスバイン
    ダーは、前記ラテックスバインダーのpHを、前記ブレ
    ンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または
    前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、
    または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバ
    インダーの組み合わせ物の本質的に全部が、脱プロトン
    された状態にある点に、上げるのに充分な量の前記塩基
    を含有している、印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記多官能性アミンが、多官能性アミン
    固形分の全重量に基づいて20〜100重量%のアミン
    モノマーから重合されている、請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記アミン変性ラテックスバインダー
    が、アミンモノマーのラテックスバインダー固形分の全
    重量に基づいて0.5〜20重量%のアミンモノマーか
    ら重合されている、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記アミンモノマーが、ジメチルアミノ
    プロピルメタクリルアミド、オキサゾリジノエチルメタ
    クリレート、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンお
    よびジメチルアミノエチルメタクリレートから成る群か
    ら選ばれる、請求項2または3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ラテックスバインダーまたは前記ア
    ミン変性ラテックスバインダーが、0〜390の範囲に
    おける酸価を有している、請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ラテックスバインダーまたは前記ア
    ミン変性ラテックスバインダーが、−20℃〜150℃
    の範囲におけるTgを有している、請求項1に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 揮発性塩基、および(a)ラテックスバ
    インダーと、ラテックスバインダー固形分の全重量に基
    づいて、0〜20重量%の多官能性アミンとのブレンド
    であって、前記ラテックスバインダーが0.8〜390
    の範囲における酸価を有するブレンド、または(b)3
    〜390の範囲における酸価を有するアミン変性ラテッ
    クスバインダー、または(c)前記ブレンドおよび前記
    アミン変性ラテックスバインダーの組み合わせ物、を含
    み、前記ラテックスバインダーおよび前記アミン変性ラ
    テックスバインダーは、アニオン的に安定化されてお
    り、そして前記ラテックスバインダーは、前記ラテック
    スバインダーのpHを、前記ブレンドの中の前記多官能
    性アミンの本質的に全部、または前記アミン変性ラテッ
    クスバインダーの本質的に全部、または前記ブレンドお
    よび前記アミン変性ラテックスバインダーの組み合わせ
    物の本質的に全部が、脱プロトンされた状態にある点に
    上げるのに充分な量の前記揮発性塩基を含有している、
    速乾性印刷インキ。
  8. 【請求項8】 基体上に施した所望の印刷パターンの乾
    燥速度を大きくする方法であって、塩基、および(a)
    ラテックスバインダーとラテックスバインダー固形分の
    全重量に基づいて0〜20重量%の多官能性アミンとの
    ブレンド、または(b)アミン変性ラテックスバインダ
    ー、または(c)前記ブレンドおよび前記アミン変性ラ
    テックスバインダーの組み合わせ物、を含み、前記ラテ
    ックスバインダーおよび前記アミン変性ラテックスバイ
    ンダーは、アニオン的に安定化されており、そして前記
    ラテックスバインダーは、前記ラテックスバインダーの
    pHを、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質
    的に全部、または前記アミン変性ラテックスバインダー
    の本質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン
    変性ラテックスバインダーの組み合わせ物の本質的に全
    部が、脱プロトンされた状態にある点に上げるのに充分
    な量の前記塩基を含有するインキ組成物の1以上の層を
    基体表面上に施し、前記基体表面上の前記インキ組成物
    の前記1以上の層を乾燥させ、基体上に所望の印刷パタ
    ーンを形成させることを含む、前記方法。
  9. 【請求項9】 前記基体上のインキ組成物の1以上の層
    が、1以上の逐次配列された輪転グラビア印刷用シリン
    ダーから、または1以上の逐次配列されたフレキソ印刷
    用プレートから、または1以上の逐次配列された凸版印
    刷用プレートから、逐次移される、請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 揮発性塩基、および(a)ラテックス
    バインダーとラテックスバインダー固形分の全重量に基
    づいて0〜20重量%の多官能性アミンとのブレンド、
    または(b)アミン変性ラテックスバインダー、または
    (c)前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバ
    インダーの組み合わせ物、を含み、前記ラテックスバイ
    ンダーおよび前記アミン変性ラテックスバインダーは、
    アニオン的に安定化されており、そして前記ラテックス
    バインダーは、前記ラテックスバインダーのpHを、前
    記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、
    または前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に
    全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテッ
    クスバインダーの組み合わせ物の本質的に全部が、脱プ
    ロトンされた状態にある点に上げるのに充分な量の前記
    揮発性塩基を含有している、速乾性印刷インキ組成物の
    層を、基体の表面上に施し、前記の層を乾燥して前記基
    体上に汚損抵抗性の膜を形成し、該汚損抵抗性の膜の上
    に、前記印刷インキ組成物の他の層を施し、そして前記
    他の層を乾燥して、前記基体の上に所望の印刷パターン
    を形成させることを含む、基体上に前記所望の印刷パタ
    ーンを印刷する方法。
  11. 【請求項11】 前記層の乾燥を、照射または対流的加
    熱によって更に促進させる、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 基体の上に請求項8または10の方法
    によって形成された所望の印刷パターンを有する基体。
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