JPH09118817A - ポリカーボネート組成物の製法 - Google Patents

ポリカーボネート組成物の製法

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JPH09118817A
JPH09118817A JP18943196A JP18943196A JPH09118817A JP H09118817 A JPH09118817 A JP H09118817A JP 18943196 A JP18943196 A JP 18943196A JP 18943196 A JP18943196 A JP 18943196A JP H09118817 A JPH09118817 A JP H09118817A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、溶融エステル交換法で製造された
溶融状態のポリカーボネートに、添加剤を均一に分散
し、熱安定性に優れたポリカーボネート組成物を効率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 芳香族ジヒロドキシ化合物と炭酸ジエス
テルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネ
ートを、溶融状態のままで押出機の第一供給口に供給し
た後、添加剤の少なくとも一種を他のもしくは同種のポ
リカーボネートと混合して該押出機の第二供給口から供
給して、該ポリカーボネートと混合することを特徴とす
るポリカーボネート組成物の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
組成物の製造方法に関し、詳しくは添加剤が均一に分散
され、熱安定性に優れたポリカーボネート組成物を効率
よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃
性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチック
スとして知られており、多くの分野において幅広く用い
られている。近年、ポリカーボネートの製造方法とし
て、毒性や環境安全性に問題のあるホスゲン法を代替す
るために、溶融エステル交換法による製造方法の研究開
発が活発に行われている。
【0003】溶融エステル交換法によるポリカーボネー
トの製造は、重合反応が終了した時点でポリカーボネー
トが溶融状態にあるため、そのまま造粒出来ることが知
られている(プラスチック材料講座5 ポリカーボネー
ト樹脂、P62−P67、日刊工業新聞社、1969年
発行)が、熱安定剤等の添加剤を添加する具体的な方法
や押出機へのポリカーボネートの供給方法については知
られていない。
【0004】例えば、特開平5−310906号公報や
特公平5−46843号公報では溶融重合時や末期にリン
系熱安定剤を添加する方法が、また特開平4−1036
26号公報では重合後の溶融状態にある間に熱安定剤を
添加する方法が提案されている。しかしながら、前者の
方法では、重合中に安定剤の分解や変性が生じるため着
色が発生したり、重合速度が低下したりする問題を有し
ていた。また、後者の方法では、重合後に熱安定剤を添
加するため、前者のような問題は無いが、2軸押出機で
ポリカーボネートと熱安定剤とを混練したと記載されて
いるのみで、その具体的な方法は全く記載されていな
い。
【0005】一方、ポリカーボネートに用いられている
安定剤特に熱安定剤は、ポリカーボネート100重量部
に対して0.0001〜0.1重量部という非常に少な
い量で使用されているため、均一に溶融混合することが
難しい。ホスゲン法の場合は、塩化メチレン溶媒を含ん
だ粉体状もしくはスラリー状ポリカーボネートに、塩化
メチレンに溶解した熱安定剤を添加した後、通常の方法
で混合及び溶融押出が出来るため、問題はなかった。
【0006】しかしながら、溶融エステル交換法では、
溶融ポリカーボネートを直接造粒できるため、熱安定剤
の供給方法と均一混合が問題となってきた。具体的に
は、熱安定剤が常温で粉体や粒状熱安定剤をそのまま、
直接2軸押出機の第2供給口から添加する場合には、単
位時間当たりの供給量そのものが少なすぎるために、定
量フィーダーの定量性に限界があり、添加量の変動が大
きかった。その結果得られたポリカーボネート組成物を
成形材料として用いた場合に着色が発生しやすいという
問題があった。更に、熱安定剤の単位時間当たりの供給
量が少ない場合は、使用可能なフィーダーがないという
問題があった。また、常温で固体の熱安定剤を加熱溶融
してポンプで押出機等に供給する場合には、熱安定剤の
熱劣化が発生し、得られるポリカーボネートが着色する
問題があった。また、常温で液体の熱安定剤や添加剤を
ポンプで供給する場合にも、添加量が少ない場合には添
加分散ムラが生じて、得られたポリカーボネート組成物
を成形材料として用いた場合に着色が発生しやすいとい
う問題があった。添加剤を塩化メチレン等の溶媒で希釈
・増量して液体注入口から添加した場合には、添加剤の
分散性は向上するものの、得られたポリカーボネート組
成物中に該溶媒が数10〜数1000ppm残存するた
めに、成形材料として用いた場合に着色が発生しやすい
という問題があった。従って、溶融エステル交換法で製
造されたポリカーボネートに、均一に熱安定剤を添加し
て、成形材料として用いる場合に着色の少ない熱安定性
に優れたポリカーボネート組成物を効率よく得る方法は
未だ無いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融エステ
ル交換法で製造された溶融状態のポリカーボネートに、
添加剤を均一に分散し、熱安定性に優れたポリカーボネ
ート組成物を効率よく製造する方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために、溶融状態のポリカーボネート及び添
加剤の添加方法について鋭意研究を重ねた結果、押出機
として2軸押出機を用い、該押出機への熱安定剤の供給
を、他のポリカーボネートで希釈して供給することで、
成形材料として用いた場合の着色の少ない熱安定性に優
れたポリカーボネート組成物が得られるという驚くべき
事実を見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、(1)芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法に
て製造されたポリカーボネートを、溶融状態のままで押
出機の第一供給口に供給した後、添加剤の少なくとも一
種を他のもしくは同種のポリカーボネートと混合して該
押出機の第二供給口から供給して、該ポリカーボネート
と混合することを特徴とするポリカーボネート組成物の
製法、(2)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネー
トが、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ化合物と
ジアリールカーボネートとを反応して得られる重合中間
体を、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下させ
ながら重合させる工程を全部又は一部含むエステル交換
法にて製造されたポリカーボネートであることを特徴と
する上記(1)記載のポリカーボネート組成物の製法、
(3)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとか
らエステル交換法にて製造されたポリカーボネートを溶
融状態のままで、加圧して押出機の第一供給口に供給す
ることを特徴とする上記(1)もしくは(2)記載のポ
リカーボネート組成物の製法、(4)第二供給口から供
給されるポリカーボネートの形態が、短径1mm長径3
mmより小さい粒状及び/または紛状であることを特徴
とする上記(1)もしくは(2)記載のポリカーボネー
ト組成物の製法、(5)第二供給口から供給される他の
ポリカーボネートが、ホスゲン法で製造された粒状及び
/または紛状のポリカーボネートであることを特徴とす
る上記(1)もしくは(2)記載のポリカーボネート組
成物の製法。
【0010】(6)第二供給口から供給されるポリカー
ボネートが、5,000〜(第一供給口から供給される
ポリカーボネートの重量平均分子量)×1.1の範囲の
重量平均分子量を有するポリカーボネートであることを
特徴とする上記(1)もしくは(2)記載のポリカーボ
ネート組成物の製法を提供するものである。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物とは、HO−Ar−OHで示される化合物である(式
中、Arは2価の芳香族基を表す。)。
【0013】芳香族基Arは、好ましくは例えば、−A
1−Y−Ar2−で示される2価の芳香族基である(式
中、Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜
70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表
し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表
す。)。
【0014】2価の芳香族基Ar1、Ar2において、1
つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置
換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フ
ェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド
基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良
い。
【0015】複素環式芳香族基の好ましい具体例として
は、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄
原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。
【0016】2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、
置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェ
ニレン、置換または非置換のピリジレンなどの基を表
す。ここでの置換基は前述のとおりである。
【0017】2価のアルカン基Yは、例えば、下記化学
式で示される有機基である。
【0018】
【化1】
【0019】(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立
に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキ
ル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素
数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜1
1の整数を表し、R5およびR6は、各Xについて個々に
選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6の
アルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2
3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反
応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロ
ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によ
って置換されたものであっても良い。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
化学式で示されるものが挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】(式中、R7、R8は、各々独立に水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびn
は1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれ
ぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4
の場合には各R8はそれぞれ同一でも異なるものであっ
てもよい。) さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1−Z−Ar2
で示されるものであっても良い。
【0022】(式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Z
は単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2−、
−SO−、−COO−、−CON(R1)−などの2価
の基を表す。ただし、R1は前述のとおりである。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
化学式で示されるものが挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】(式中、R7、R8、mおよびnは、前述の
とおりである。) 本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一
種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキ
シ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げ
られる。また、これら芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩
素原子とアルカリ金属またはアルカリ土類金属の含有量
が少ない方が好ましく、出来れば実質的に含有していな
いことが好ましい。
【0025】本発明で用いられる炭酸ジエステルは、下
記化学式で表される。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、Ar3、Ar4はそれぞれ1価の芳
香族基を表す。) Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族
基を表すが、このAr3、Ar4において、1つ以上の水
素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニト
ロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar
3、Ar4は同じものであっても良いし、異なるものであ
っても良い。
【0028】1価の芳香族基Ar3及びAr4の代表例と
しては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリ
ジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上
の置換基で置換されたものでも良い。
【0029】好ましいAr3及びAr4としては、それぞ
れ例えば、下記化学式などが挙げられる。
【0030】
【化5】
【0031】炭酸ジエステルの代表的な例としては、下
記化学式で示される置換または非置換のジフェニルカー
ボネート類を挙げる事ができる。
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R9及びR10は、各々独立に水素
原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜
10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜
5の整数で、pが2以上の場合には、各R9はそれぞれ
異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には、
各R10は、それぞれ異なるものであっても良い。) このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフ
ェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t
−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置
換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカー
ボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジア
リールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好
適である。
【0034】これらの炭酸ジエステル類は単独で用いて
も良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。ま
た、これら炭酸ジエステルは、塩素原子とアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好まし
く、出来れば実質的に含有していないことが好ましい。
【0035】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルの種類や、重合温度そ
の他の重合条件及び得ようとするポリカーボネートの分
子量や末端比率によって異なるが、ジアリールカーボネ
ートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常
0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モ
ル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用い
られる。
【0036】また、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、分岐構造を導入するための芳香族多
価ヒドロキシ化合物を併用してもよいし、ヒドロキシ末
端及び炭酸ジエステルに由来する末端を変換するため
や、分子量調節のために芳香族モノヒドロキシ化合物や
他の炭酸ジエステルを併用してもよい。
【0037】本発明のポリカーボネートの分子量や末端
基は特に限定されない。一般に、重量平均分子量が10
00〜300000の範囲であり、好ましくは5000
〜100000の範囲であり、特に好ましくは1200
0〜80000の範囲にある。
【0038】本発明において、エステル交換法とは、上
記化合物を触媒の存在もしくは非存在下で、減圧下もし
くは/及び不活性ガスフロー下で加熱しながら溶融状態
でエステル交換反応にて重縮合する方法をいい、その重
合方法、装置等には制限はない。例えば、攪拌槽型反応
器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二
軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、
自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤー
に沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板
型反応器等を用い、これらを単独もしくは組み合わせる
ことで容易に製造できる。これらの中で、表面更新型二
軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、
自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤー
に沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板
型反応器が好ましく用いられ、特に自由落下させながら
重合する多孔板型反応器やワイヤーに沿わせて落下させ
ながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器が、着色の
少ないポリカーボネートが得られるため好ましい。エス
テル交換の反応の温度は、通常50〜350℃、好まし
くは100〜300℃の温度の範囲で選ばれ、特に制限
はない。一般に、上記範囲より高い温度では、得られる
ポリカーボネートの着色が大きく且つ熱安定性にも劣る
傾向にある。また、上記範囲より低い温度では、重合反
応が遅く実用的でない。反応圧力は、溶融重合中のポリ
カーボネートのの分子量によっても異なり、数平均分子
量が1000以下の範囲では、50mmHg〜常圧の範
囲が一般に用いられ、数平均分子量が1000〜200
0の範囲では、3mmHg〜80mmHgの範囲が、数
平均分子量が2000以上の範囲では、10mmHg以
下、特に5mmHg以下が用いられる。
【0039】本発明の製法で使用される添加剤はポリカ
ーボネートに用いられるものであればよく、特に限定さ
れない。一般に、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、離
型剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、充填
剤、強化剤、難燃剤、他樹脂やゴム等の重合体等が挙げ
られる。好ましい耐熱安定剤の例としては、リン系安定
剤、フェノール系安定剤、イオウ系安定剤、エポキシ系
安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等が挙げられる。
【0040】リン系安定剤としては、リン酸類、亜リン
酸エステル類、ホスフィン酸エステル類、リン酸エステ
ル類、ホスホン酸エステル類が挙げられる。具体的に
は、例えばリン酸類としては、リン酸、亜リン酸、次亜
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、下記化学式で示され
るホスフィン酸類、
【0041】
【化7】
【0042】下記化学式で示されるホスホン酸類等が挙
げられる。
【0043】
【化8】
【0044】(式中、R11はエチル基、ブチル基、オク
チル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリスリト
ール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、又はトリル基、P−t−ブチ
ルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフェニ
ル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基を示
す。)これらの具体例としては、フェニルホスホン酸が
挙げられる。
【0045】亜リン酸エステル類としては、亜リン酸ト
リエステル、亜リン酸ジエステル、亜リン酸モノエステ
ルが挙げられ、下記化学式で表される。
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】(式中、R12,R13,R14,R15,R16
18,R19,R20,R21,R23は化合物内で同一であっ
ても異なっていても良く、水素、エチル基、ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリ
スリトール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル
基、ナフチル基等のアリール基、又はトリル基、P−t
−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル
基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフ
ェニル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基
を示し、R17,R24はアルキレン、アリレン、又はアリ
ールアルキレンを示す。) これらの具体例としては、例えば亜リン酸トリエステル
では、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニル
ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール
ホスファイト、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプ
ロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル
4メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジステアリル、ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホス
ファイトポリマー、テトラフェニルテトラ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールテトラホスファイトが挙げら
れる。亜リン酸ジエステルの具体例では、ジフェニルハ
イドロゲンホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ハイ
ドロゲンホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ハイドロゲンホスファイト、ジクレジルハイ
ドロゲンホスファイト、(ビス(p−t−ブチルフェニ
ル)ハイドロゲンホスファイト、ビス(p−ヘキシルフ
ェニル)ハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。亜
リン酸モノエステルでは、フェニルジハイドロゲンホス
ファイト、ノニルフェニルジハイドロゲンホスファイ
ト、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジハイドロゲンホ
スファイト等が挙げられる。
【0051】ホスフィン酸エステル類としては、ホスフ
ィン酸ジエステル、ホスフィン酸モノエステルが挙げら
れ、下記化学式で表される。
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】(式中、R25はエチル基、ブチル基、オク
チル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリスリト
ール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、又はトリル基、P−t−ブチ
ルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフェニ
ル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基を示
し、R26,R27,R28,R29,R31,R32は化合物内で
同一であっても異なっていても良く、水素、エチル基、
ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチル
ヘキシル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペ
ンタエリスリトール基、ステアリル基等のアルキル基、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はトリル
基、P−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パ
ラノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等のアルキル
アリール基を示し、R30はアルキレン、アリレン、又は
アリールアルキレンを示す。)このような化合物の具体
的な例としては、4,4’−ビフェニレンジホスフィン
酸テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)が挙
げられる。
【0055】リン酸エステル類としては、リン酸ジエス
テル、リン酸モノエステルが挙げられ、下記化学式で表
される。
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】(式中、R13,R14,R16,R17,R18
19,R21,R23,R24は前述と同一。) リン酸ジエステルの具体例としては、例えばジフェニル
ハイドロゲンホスフェート、ビス(ノニルフェニル)ハ
イドロゲンホスフェート、ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ハイドロゲンホスフェート、ジクレジルハ
イドロゲンホスフェート、(ビス(p−t−ブチルフェ
ニル)ハイドロゲンホスフェート、ビス(p−ヘキシル
フェニル)ハイドロゲンホスフェート等が挙げられる。
リン酸モノエステルの具体例としては、フェニルジハイ
ドロゲンホスフェート、ノニルフェニルジハイドロゲン
ホスフェート、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジハイ
ドロゲンホスフェート等が挙げられる。
【0061】ホスホン酸エステル類としては、ホスホン
酸モノエステルが挙げられ、下記化学式で表される。
【0062】
【化19】
【0063】
【化20】
【0064】(式中、R25,R27,R29,R30,R31
32は前述と同一) フェノール系安定剤は、下記化学式で示される。
【0065】
【化21】
【0066】(式中、R33は水素原子、水酸基、アルコ
キシル基又は置換基を有していてもよい炭化水素残基を
示し、R33は同一でも異なっていても良い。但し、R33
の内少なくとも1つは置換基を有していてもよい炭化水
素残基を示すものとする。) 具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−アニソール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−
メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル
−p−フェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t
−ブチル−p−クレゾール)、4,4’−ブチリデンビ
ス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、テトラキス
[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、4,
4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、
ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスフォネート−ジエチルエステ
ル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸エチル)カルシウム等があげられる。
【0067】イオウ系安定剤としては、式:R36−SO
2−R37で示されるスルフィン酸、式:R36−SO337
(両式中、R36はR11と同一。R37はR12と同一。)で
示されるスルホン酸及びそのエステル類や、下記化学式
等で示されるチオエーテル化合物がある。
【0068】
【化22】
【0069】(式中、R38,R39はC12〜C18のア
ルキル基を示す。) これらの具体的な例としては、例えばベンゼンスルフィ
ン酸、p−トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、
及びこれら酸のメチル、エチル、ブチル、オクチル、フ
ェニルエステルが挙げられる。また、ジラウリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’
−チオジプロピオネート、ジミルスチル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ペンタエリスリトール(β−ラウリル
チオプロピオネート)等が挙げられる。
【0070】エポキシ安定剤としては、例えばエポキシ
大豆油、エポキシ化アマニ油等の油脂類、フェニルグリ
シジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサヒロドフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジ
ル化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、4−(3,4−
エポキシ−5−メチルシクロヘキシル)ブチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキ
シルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル
メチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
ビスエポキシシクロヘキシルアジペート、オクタデシル
−2,2’−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、N−ブチル−2,2’−ジメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
シクロヘキシル−2−メチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロ
ピル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、2−エチルヘキシル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
4,6−ジメチル−2、3−エポキシシクロヘキシル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ
エチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキ
サンカルボキシレート、ジ−n−ブチル−3−t−ブチ
ル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキサン
カルボキシレート、3,4−ジメチル−1,2−エポキ
シシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2−エポキ
シシクロヘキサン、3,−メチル−5−t−ブチル−
1,2−エポキシシクロヘキサン等のエポキシシクロヘ
キサン化合物、ビスエポキシジシクロペンタジエニルエ
ーテル、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエイ
レネポキシド、エポキシ化ポリブタジエン、4,5−エ
ポキシ無水テトラヒロドフタル酸、3−t−ブチル−
4,5−エポキシ無水テトラヒロドフタル酸等が挙げら
れる。
【0071】ヒンダードアミン系安定剤としては、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ビペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ビペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒロドキシベンジル)−2−nブチルマロ
ン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ビ
ペリジル)テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ビペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒロドキシフェニル)ポロピオニルオキシ}
エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒロドキシフェニル)ポロピオニルオキシ}−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,
7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3
−トリアザスピロ{4,5}ウンデカン−2,4−ジオ
ン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン等が挙げられる。
【0072】これら耐熱安定剤は、単独で用いてもよい
し組み合わせて用いてもよい。添加量は特に限定されな
いが、一般にポリカーボネート100重量部に対して
0.0001〜0.5重量部の範囲で用いられる。
【0073】本発明組成物の製法では、前述の方法で製
造したポリカーボネートを、溶融状態のままで押出機の
第一供給口に供給した後、添加剤の少なくとも一種を他
のもしくは同種のポリカーボネートと混合し、該混合物
を該押出機の第二供給口から供給して、該ポリカーボネ
ートと混合することを特徴としている。
【0074】本発明の製法で用いられる押出機は、少な
くとも第一及び第二供給口を有していれば特に制限はさ
れず、単軸、2軸、多軸押出機や、混練機と押出機が連
結した混練押出機等が使用できる。中でも、同方向回転
型の2軸押出機が、添加剤の分散性と吐出能力のバラン
スやセルフクリーニング性が良く好ましい。押出機の長
さは特に限定されないが、第二供給口より添加されるポ
リカーボネートがペレット状、粒状、粉状等の形態で、
未溶融で供給される場合は、該ポリカーボネートを溶解
し、混練混合できるだけの十分な長さが必要である。ま
た、第二供給口は第一供給口より押出機出口側にあれば
よく、その位置関係は特に限定されない。
【0075】エステル交換法で得られたポリカーボネー
トを溶融状態のまま押出機の第一供給口に供給する方法
は特に限定されない。一般に、自由落下やギヤポンプを
用いて押出機の第一供給口例えばホッパー口に供給され
る。好ましくは、ギヤポンプからのラインをフランジ等
で直接第一供給口に接続して、ギヤポンプで加圧して押
出機に供給する方法が、押出機の吐出能力が増大し好ま
しい。
【0076】添加剤とポリカーボネートの混合物を押出
機の第二供給口から供給する方法は、公知の方法が使用
でき、特に限定されない。例えば、重量もしくは容量フ
ィーダーで計量供給された該混合物を第二供給口に未溶
融状態で直接供給する方法や、重量もしくは容量フィー
ダーで計量供給された該混合物を第二供給口に設置した
供給用のフィーダー、たとえばサイドフィーダーを経由
して未溶融状態で供給する方法、又は、該混合物を第二
供給口に接続した押出機によって溶融状態で供給する方
法等が用いられる。
【0077】添加剤を他のもしくは同種のポリカーボネ
ートと混合する方法としては、特に限定されないが、例
えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ターン
ブルミキサー、リボンブレンダー等で均一に混合する方
法がある。該混合物はそのままの形態で、前述の方法で
第二供給口から供給してもよいし、一旦他の押出機で溶
融混合して添加剤マスターバッチペレットとした後、前
述の方法で第二供給口から供給してもよい。また、未溶
融の状態で第二供給口から供給する場合は、添加剤と混
合する際に用いられるポリカーボネートの形態が、ペレ
ット状、粒状、紛状等のものが用いられるが、特に、短
径1mm長径3mmより小さい粒状及び/または紛状が
好ましく用いられる。また、本発明においては、第二供
給口から供給されるポリカーボネートの供給比率が、第
一供給口から供給されるポリカーボネートに比べ少ない
ため、粉体としての供給が容易なホスゲン法で製造され
たポリカーボネートの粉体を用いることも可能である。
しかし、ホスゲン法で得られるポリカーボネート粉体
は、若干の塩素原子を含有しているため、第二供給口か
ら供給されるポリカーボネートと第一供給口から供給さ
れるポリカーボネートの供給比率によっては、塩素原子
含有量の少ないものを用いることが好ましいし、溶媒等
で洗浄して塩素原子含有量を低減して用いることも好ま
しい。最終的に得られる本発明ポリカーボネート組成物
中の塩素含有量が、塩素イオンとして0.5ppm以下
及び塩化メチレンとして1ppm以下になることが好ま
しい。
【0078】第二供給口から供給するポリカーボネート
は、第一供給口から供給されるポリカーボネートと同一
種類でも、異なる種類でもよい。また、その分子量も特
に限定はされない。しかしながら、第二供給口から供給
される他のポリカーボネートの分子量が、5,000〜
(第一供給口から供給されるポリカーボネートの重量平
均分子量)×1.1の範囲にあることが、添加剤の分散
性が向上するので好ましい。また、同種のポリカーボネ
ートを用いる場合は、エステル交換法で得られたポリカ
ーボネートを溶融状態のまま押出機の第一供給口に供給
する前に、少量を分取してペレット化もしくは紛状化し
たポリカーボネートを用いる方法や、製品として得られ
ていたポリカーボネートを分取して用いる方法がある。
【0079】第二供給口から供給される添加剤とポリカ
ーボネートの混合比率、及び第一供給口から供給される
ポリカーボネートに対する比率には特に制限はない。添
加剤の供給量は、第一供給口から供給されるポリカーボ
ネートに対する配合量で決定され、第二供給口から供給
されるポリカーボネートの量は添加剤を効率よく均一に
供給できる量であればよい。一般に、第二供給口から供
給されるポリカーボネートの量は、第一供給口から供給
されるポリカーボネートの量に対して、1/1000〜
1/20の比率にある。
【0080】本発明の方法はで得られる組成物は、添加
剤が均一に分散しており、且つ分散溶媒やその他分散剤
が含有していないために熱安定性に優れており、各種用
途に好適に用いることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】以下実施例にて、本発明を更に詳
細に説明する。
【0082】各項目の評価は、以下の方法で測定した。
【0083】カラー:CIELAB法により試験片厚み
3.2mmで測定し、黄色度をb*値で示した。
【0084】耐熱性:試験片(ASTM1号ダンベル)
を140℃ギヤオーブンに1000時間入れた後の試験
片のカラーの測定を行い、初期値との差△b*を評価し
た。
【0085】ポリカーボネート中の塩素イオンの定量
は、冷凍粉砕したポリカーボネートに水を加え、沸騰水
中で10時間抽出した後、該水をイオンクロマトグラフ
法にて測定した。
【0086】ポリカーボネート中の塩化メチレンの定量
は、冷凍粉砕したポリカーボネートを二硫化炭素に浸
し、超音波抽出した抽出液をガスクロマトグラフ法にて
測定した。
【0087】実施例1 エステル交換法で溶融重合して得られたポリカーボネー
トから、図1に示す装置を用いて、ポリカーボネート組
成物を製造した。
【0088】溶融重合器につながるライン1からエステ
ル交換法で得られた重量平均分子量25,000のポリ
カーボネートを供給し、ギヤポンプ2で20kg/cm
2の圧力に昇圧し、50kg/hrの供給量で同方向回
転型2軸押出機3の第一供給口4に供給した。一方、第
2供給口5からは、添加剤としてのトリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.5重量部と供
給口1から供給されるポリカーボネートと同一のポリカ
ーボネートで直径0.6mm長さ3mmペレット99.
5重量部とをヘンシェルミキサーで事前に十分混合され
た混合物を1.0kg/hrで供給した。ベント口6で
真空ベントしながら溶融押出を実施して、冷却バス7及
びストランドカッター8を経て、ポリカーボネート組成
物を得た。得られた組成物の耐熱性評価後の試験片の着
色△b*は8.2と小さく、着色も均一であった。
【0089】実施例2 供給口2から供給されるポリカーボネートとして、ホス
ゲン法で製造されたポリカーボネート粉体(重量平均分
子量21,000、塩素イオン含有量0.7ppm、塩
化メチレン含有量9ppm)を用いる以外は、実施例1
と同様に実施した。得られた組成物は、塩素イオン含有
量が検出限界以下で、且つ塩化メチレン含有量は0.1
ppmであり、耐熱性評価後の試験片の着色△b*
9.1と小さく、着色も均一であった。
【0090】比較例1 エステル交換法で溶融重合して得られたポリカーボネー
トから、図1に示す装置を用いて、ポリカーボネート組
成物を製造した。
【0091】溶融重合器につながるライン1からエステ
ル交換法で得られた重量平均分子量25,000のポリ
カーボネートを供給し、ギヤポンプ2で10kg/cm
2の圧力に昇圧し、50kg/hrの供給量で同方向回
転型2軸押出機3の第一供給口4に供給した。一方、供
給口2は閉止し、液体注入口9から、添加剤としてトリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトの
4重量%塩化メチレン溶液を120ml/hrで供給し
て、ポリカーボネート組成物を得た。得られた組成物に
は、78ppmの塩化メチレンが残留しており、耐熱性
評価後の試験片の着色は着色も均一であったが、△b*
は17.7と大きかった。
【0092】比較例2 供給口2から供給されるポリカーボネートを用いず、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
のみを5g/hrで供給する以外は、実施例1と同様に
実施した。ただし、このような少量で供給するフィーダ
ーは市販されていないため、手動で間欠供給した。得ら
れた組成物の耐熱性評価後の試験片の着色△b*は2
3.6と大きく、着色もまだらに発生していた。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、溶融エステル交換法で
製造された溶融状態のポリカーボネートに、添加剤を均
一に分散することができ、熱安定性に優れたポリカーボ
ネート組成物を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ポリカーボネート組成物の製法の実施形
態の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 エステル交換法の溶融重合器との接続ライン 2 ギヤポンプ 3 同方向回転型2軸押出機 4 第一供給口 5 第二供給口 6 ベント口 7 冷却バス 8 ストランドカッター 9 液体注入口 10サイドフィーダー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネ
    ートを、溶融状態のままで押出機の第一供給口に供給し
    た後、添加剤の少なくとも一種を他のもしくは同種のポ
    リカーボネートと混合して該押出機の第二供給口から供
    給して、該ポリカーボネートと混合することを特徴とす
    るポリカーボネート組成物の製法。
  2. 【請求項2】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネ
    ートが、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボ
    ネートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ化合物
    とジアリールカーボネートとを反応して得られる重合中
    間体を、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下さ
    せながら重合させる工程を全部又は一部含むエステル交
    換法にて製造されたポリカーボネートであることを特徴
    とする請求項1記載のポリカーボネート組成物の製法。
  3. 【請求項3】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネ
    ートを溶融状態のままで、加圧して押出機の第一供給口
    に供給することを特徴とする請求項1もしくは2記載の
    ポリカーボネート組成物の製法。
  4. 【請求項4】 第二供給口から供給されるポリカーボネ
    ートの形態が、短径1mm長径3mmより小さい粒状及
    び/または紛状であることを特徴とする請求項1もしく
    は2記載のポリカーボネート組成物の製法。
  5. 【請求項5】 第二供給口から供給される他のポリカー
    ボネートが、ホスゲン法で製造された粒状及び/または
    紛状のポリカーボネートであることを特徴とする請求項
    1もしくは2記載のポリカーボネート組成物の製法。
  6. 【請求項6】 第二供給口から供給されるポリカーボネ
    ートが、5,000〜(第一供給口から供給されるポリ
    カーボネートの重量平均分子量)×1.1の範囲の重量
    平均分子量を有するポリカーボネートであることを特徴
    とする請求項1もしくは2記載のポリカーボネート組成
    物の製法。
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