JPH09118811A - 熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物、および成形品 - Google Patents

熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物、および成形品

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JPH09118811A
JPH09118811A JP29914695A JP29914695A JPH09118811A JP H09118811 A JPH09118811 A JP H09118811A JP 29914695 A JP29914695 A JP 29914695A JP 29914695 A JP29914695 A JP 29914695A JP H09118811 A JPH09118811 A JP H09118811A
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filler
norbornene
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resin
elastomer
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JP29914695A
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Yuuji Koushima
裕二 甲嶋
Hajime Yadokoro
始 谷所
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
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    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
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    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラーと樹脂マトリックスの密着性のよい
ため、機械的強度、耐衝撃性に優れ、線膨張係数が小さ
く、また脆くない熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物、
さらに該組成物の成形することにより表面平滑性に優れ
た成形品を容易に得る。 【解決手段】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂(例えば、
ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物など)
100重量部に対して、不飽和カルボン酸変性エラスト
マー(例えば、無水マレイン酸付加スチレン・エチレン
・ブタジエン・スチレン−ブロック共重合体エラストマ
ー)を0.1〜100重量部、フィラー(例えば、真球
状シリカビーズやガラスファイバー)を0.1〜250
重量部配合して樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラーが添加さ
れた強度、表面平滑性などに優れた樹脂組成物、および
成形品に関し、さらに詳しくは、フィラーと樹脂との密
着性に優れ、強度、表面平滑性などに優れた熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂組成物、および成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、耐熱
性、耐薬品性、電気特性などに優れた特性を有し、医療
用材料、電気部品材料などを始めとして、広い範囲で成
形材料として使用されはじめている。
【0003】しかし、用途によっては、弾性率などの機
械的強度、寸法安定性などが不十分となることがあっ
た。そこで、熱可塑性ノルボルネン系樹脂においても、
剛性、寸法安定性、難燃性、熱伝導性、耐摩耗性向上の
ために無機フィラーを樹脂中に分散させる改質は行われ
ている。最近では、真球状の粒子フィラーを分散させ、
表面精度を保ったまま、硬度などの機械的強度が改良さ
れた組成物を磁気ディスク基板に用いることなどが提案
されている(欧州特許出願公開0669734号公
報)。
【0004】樹脂中にフィラーを分散させて用いる場
合、フィラーと樹脂との濡れ性が不十分であり、フィラ
ーと樹脂の界面部分から亀裂を生じやすく、脆くなると
いう問題があった。例えば、前述の熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂に真球状の粒子フィラーを分散させた組成物の
成形品でも、脆くなる場合があり、破断によってできた
断面を観察すると、フィラーと樹脂マトリックスの間に
間隙が認められる場合があった。
【0005】ポリエチレンやポリプロピレンなどにおい
ては、通常は、フィラー表面をビニル基含有炭化水素基
を有するシラン化合物などで被覆するなどの改質をし
て、フィラーと樹脂との濡れ性を改良して分散させてい
た。
【0006】しかし、そのような表面改質フィラーを製
造するには複雑な工程が必要であり、フィラーを分散さ
せた組成物を多量に用いる場合、非常に多大な労力を必
要としていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、フィラ
ーと樹脂マトリックスの密着性のよい熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂組成物を容易に得ることを目指して、鋭意研
究を重ねた。
【0008】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者らは
不飽和カルボン酸変性エラストマーを添加した熱可塑性
ノルボルネン系樹脂組成物にフィラーを添加すると、容
易にフィラーを均一分散させることができることを見い
出し、本発明を完成させるに到った。かくして本発明に
よれば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、不飽和カルボン
酸変性エラストマー、およびフィラーからなる樹脂組成
物、およびそれを成形した成形品が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)熱可塑性ノルボルネン
系樹脂は、特開平1−168725号公報、特開平1−
190726号公報、特開平3−14882号公報、特
開平3−122137号公報、特開平4−63807号
公報、特開平6−298956号公報などで公知の樹脂
であり、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合
体水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、
ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体など
が挙げられる。
【0010】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号公報、特開平2−276842号
公報、特開平6−80792号公報などで公知の単量体
であって、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アル
キリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非
置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基
等の炭素と水素以外の元素を含有する置換基を有する置
換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノ
ルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5
−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メト
キシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−
ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、
5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘ
キシル−2−ノルボエルネン、5−オクチル−2−ノル
ボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネン等;
ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加し
た単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、
1,4:5,8−ジメタノ−2,3−シクロペンタジエ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−
2,3−シクロペンタジエノ−1,2,3,4,4a,
5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ
アントラセン等; シクロペンタジエンがディールス・
アルダー反応によって多量化した多環構造の単量体、そ
の上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペン
タジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;
シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付
加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,
4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a
−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−2,3−
シクロペンタジエノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレン等; 等が挙げられる。
【0011】本発明においては、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測
定したポリスチレン換算値で、10,000以上、好ま
しくは15,000以上、より好ましくは20,000
以上、200,000以下、好ましくは100,000
以下、より好ましくは50,000以下のものである。
分子量が小さすぎると機械的強度が低く、大きすぎると
成形が困難になる。なお、ノルボルネン系単量体の開環
重合体のように主鎖構造に不飽和結合を有する場合は、
水素添加することにより、主鎖構造を飽和させることが
好ましい。水素添加する場合は、主鎖構造の水素添加率
が、90%以上にすることが好ましく、95%以上にす
ることがより好ましく、99%以上にすることが特に好
ましい。水素添加率が低く、主鎖構造中の不飽和結合が
多いと、耐熱劣化性等に劣り、長期間の安定した使用が
困難となる場合がある。
【0012】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラ
ス転移温度(以下、Tgという)は、110℃以上のも
のが好ましく、120℃以上のものがより好ましく、1
30℃以上のものが特に好ましい。Tgが低すぎると耐
熱性が低下する。
【0013】さらに、用途に応じて熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂には、本発明の効果を失わない範囲で、各種添
加剤を添加してもよい。例えば、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の場合、フェノール系やリン系等の老化防止剤;
フェノール系等の熱劣化防止剤; ベンゾフェノン系
やベンゾトリアゾール系等の紫外線安定剤; アミン系
等の帯電防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、多価
アルコールの部分エステル及び部分エーテル等の滑剤;
ヒンダードアミン系の耐候安定剤; 等の各種添加剤
を添加してもよい。
【0014】(不飽和カルボン酸変性エラストマー)本
発明で用いる不飽和カルボン酸変性エラストマーは、一
般のエラストマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体
を付加したものである。
【0015】用いるエラストマーとしては、乳化重合ま
たは溶液重合したスチレン・ブタジエン・ゴム、ハイス
チレンゴムなどのランダム共重合体、またはこれらの水
素添加物; イソプレンゴム、その水素添加物; クロ
ロプレンゴム、その水素添加物; エチレン・プロピレ
ン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体などの
飽和ポリオレフィンゴム; エチレン・プロピレン・ジ
エン共重合体、α−オレイフィン・ジエン共重合体、イ
ソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエ
ン共重合体などのジエン系共重合体、これらのハロゲン
化物、ジエン系共重合体またはそのハロゲン化物の水素
添加物; アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、そ
の水素添加物; フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン
共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン共重
合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン・四フッ
化エチレン共重合体、プロピレン・四フッ化エチレン共
重合体などのフッ素ゴム; ウレタンゴム、シリコーン
ゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルスル
ホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プ
ロピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの
特殊ゴム; ノルボルネン系単量体とエチレンまたはα
−オレフィンの共重合体、ノルボルネン系単量体とエチ
レンとα−オレフィンの三元共重合体、ノルボルネン系
単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合
体水素添加物などのノルボルネン系ゴム質重合体であっ
て、本発明の樹脂組成物の主成分である熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂と非相溶のもの; スチレン・ブタジエン
・スチレン−ブロック共重合エラストマー、スチレン・
イソプレン・スチレン−ブロック共重合エラストマー、
スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン−ブロック
共重合体などの芳香族ビニル系モノマー・共役ジエンの
ブロック共重合体、これらの水素添加物などのスチレン
系熱可塑性エラストマーをはじめ、ウレタン系熱可塑性
エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、
1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化
ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素系エラストマー
などの熱可塑性エラストマー; などのガラス転移温度
の少なくとも一つが40℃以下であるエラストマーが例
示される。
【0016】これらのエラストマーに付加させる不飽和
カルボン酸またはその誘導体としては、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸、シトラコン酸、シス−4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシ
クロ−[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカル
ボン酸などの不飽和ジカルボン酸; 塩化マレイン酸な
どのハロゲン化不飽和ジカルボン酸; 無水マレイン
酸、無水フマル酸などの無水不飽和ジカルボン酸; マ
レイン酸ジエチル、フマル酸ジエチルなどの不飽和ジカ
ルボン酸エステル; 不飽和ジカルボン酸アミド; 不
飽和ジカルボン酸イミド; 不飽和ジカルボン酸ニトリ
ル; 不飽和ジカルボン酸チオール; アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン
酸、アンゼリン酸などの不飽和モノカルボン酸; メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和
モノカルボン酸エステル; 不飽和モノカルボン酸アミ
ド;不飽和モノカルボン酸イミド; 不飽和モノカルボ
ン酸ニトリル; 不飽和モノカルボン酸チオール; な
どが例示される。これらの中では、使用しやすいこのか
ら、不飽和ジカルボン酸、不飽和モノカルボン酸エステ
ルが好ましく、特にマレイン酸、メタクリル酸メチルが
好ましい。
【0017】不飽和カルボン酸変性エラストマーの製造
方法も特に限定されないが、不飽和カルボン酸変性エラ
ストマーがゲル化したり、溶融粘度が増大したりするこ
とのない製造方法を選択する。容易に行える点で好まし
い方法の例示としては、押出機中、ラジカル開始剤の存
在下でエラストマーと不飽和カルボン酸またはその誘導
体を反応させる方法が挙げられる。
【0018】付加量は、付加前のエラストマー100重
量部に対して、付加量が0.05重量部以上、好ましく
は0.1重量部以上、かつ20重量部以下、好ましくは
10重量部以下にする。付加量が大きすぎても、本発明
の効果がほとんど認められず、製造が困難になるだけで
ある。また、小さすぎると本発明の効果が得られない。
【0019】(フィラー)本発明で用いられるフィラー
は、形状や大きさは特に限定されず、目的に応じて、粒
子状のものでも、繊維状のものでもよい。
【0020】成形性、成形品の表面精度の点からは、粒
子状のフィラーが好ましく、例えば、シリカ、ガラス、
クレイ、石英、カオリン、ウオラストナイト、タルク、
マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、鉄、酸化鉄、
酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カル
シウムなどから成るものものが挙げられる。中でも、シ
リカ、ガラス、石英、アルミナなどが硬さ、樹脂組成物
の機械的物性向上などの点で好ましい。
【0021】フィラーは角を有さない粒子状のものがよ
り好ましく、真球状の粒子が特に好ましい。真球から遠
ざかるほど、溶融粘度が高くなり、成形性が悪くなり、
成形品の表面精度が悪くなる。真球状の粒子としては、
平均粒径が0.01μm以上のものが好ましく、0.0
5μm以上のものがより好ましく、0.1μm以上のも
のが特に好ましい。また、50μm以下のものが好まし
く、10μm以下のものがより好ましく、5μm以下の
ものが特に好ましい。粒径が小さすぎると、溶融流れ性
が悪くなり、凝集も起こり易くなり、成形品の表面精度
が低下する。粒径が大きすぎると成形品の温度変化に対
する寸法精度が悪くなり、また、成形品の表面精度が悪
くなる。さらに、表面精度や物性が均一になる点から、
粒径分布が小さいものが好ましく、平均粒径の1/10
〜5倍の範囲の粒子が、全粒子中の70重量%以上であ
ることが好ましく、80重量%以上であることがより好
ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。
【0022】機械的強度の点からは、繊維状のフィラー
が好ましく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、アスベスト繊維、チタン酸カリウ
ム結晶微細繊維、石英繊維、金属繊維、ポリアミド繊
維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
【0023】本発明に用いる繊維状フィラーは、平均太
さが0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、かつ
100μm以下、好ましくは50μm以下であり、平均
繊維長は、5μm以上、好ましくは10μm以上、かつ
好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下
である。平均太さが細すぎると破断しやすいため機械的
強度が不足することがあり、太すぎると成形が困難にな
り、また、成形品表面精度が低下する。短すぎると機械
的強度に劣り、長すぎると、特に射出成形や押出成形が
困難になるなど、成形性が低する。
【0024】(樹脂組成物)本発明の樹脂組成物は、熱
可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、不飽
和カルボン酸変性エラストマー0.1重量部以上、好ま
しくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、か
つ100重量部以下、好ましくは50重量部以下、より
好ましくは30重量部以下、フィラーを0.1重量部以
上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは10重量
部以上、かつ250重量部以下、好ましくは150重量
部以下、より好ましくは100重量部以下添加する。
【0025】不飽和カルボン酸変性エラストマーの添加
量が多すぎると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の耐熱
性、耐薬品性などの特性が低下する。少なすぎると、機
械的強度が低下し、また均一に分散しにくくなる。フィ
ラーの添加量が多すぎると均一に分散しにくくなり、少
なすぎると機械的強度が低下する。
【0026】本発明の樹脂組成物を得る方法は特に限定
されず、通常は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、不飽和
カルボン酸変性エラストマー、フィラーをそれぞれ所定
量を合わせて、ロール、ブラベンダー、押出機などを用
いて機械的に混合する。
【0027】(成形方法)本発明の樹脂組成物は、周知
の熱可塑性樹脂の成形法、例えば、射出成形法、押出成
形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、熱プレ
ス成形法、カレンダー成形法などによって成形加工する
ことができる。
【0028】(用途)本発明の樹脂組成物は、光学材料
をはじめとして各種成形品として広範な分野において有
用である。例えば、光拡散板などの光学材料; 液体、
粉体、または固体薬品の容器(注射用の液体薬品容器、
アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バ
ッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬
品容器、点眼薬容器など)、サンプリング容器(血液検
査用サンプリング試験管、薬品容器用キャップ、採血
管、検体容器など)、医療器具(注射器など)、医療器
具などの滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ用、コンタ
クトレンズ用など)、実験・分析器具(ビーカー、シャ
ーレ、フラスコ、試験管、遠心管など)、医療用光学部
品(医療検査用プラスチックレンズなど)、配管材料
(医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブなど)、
人工臓器やその部品義(歯床、人工心臓、人造歯根な
ど)などの医療用器材; 処理用または移送用容器(タ
ンク、トレイ、キャリア、ケースなど)、保護材(キャ
リアテープ、セパレーション・フィルムなど)、配管類
(パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポ
ンプなど)、液体用容器類(サンプリング容器、ボト
ル、アンプルバッグなど)の電子部品処理用器材; 被
覆材(電線用、ケーブル用など)、民生用・産業用電子
機器匡体(複写機、コンピューター、プリンター、テレ
ビ、ビデオデッキ、ビデオカメラなど)、構造部材(パ
ラボラアンテナ構造部材、フラットアンテナ構造部材、
レーダードーム構造部材など)などの電気絶縁材料;
一般回路基板(硬質プリント基板、フレキシブルプリン
ト基板、多層プリント配線板など)、高周波回路基板
(衛星通信機器用回路基板など)などの回路基板; 透
明導電性フィルム(液晶基板、光メモリー、面発熱体な
ど)の基材; 半導体封止材(トランジスタ封止材、I
C封止材、LSI封止材、LED封止材など)、電気・
電子部品の封止材(モーター封止材、コンデンサー封止
材、スイッチ封止材、センサー封止材など)の封止材;
ルームミラーなどカバーなど自動車用内装材料; ド
アミラー、フェンダーミラーなど自動車用外装材料;
などが挙げられる。
【0029】(態様)本発明の態様としては、(1)
熱可塑性ノルボルネン系樹脂、不飽和カルボン酸変性エ
ラストマー、およびフィラーからなる樹脂組成物、
(2) 不飽和カルボン酸変性エラストマーが、エラス
トマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体を付加した
ものである(1)記載の樹脂組成物、(3) 不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体が、不飽和ジカルボン酸、そ
の無水物、そのエステルである(2)記載の樹脂組成
物、(4) 不飽和カルボン酸変性エラストマーが、エ
ラストマーに無水マレイン酸を付加したものである
(2)記載の樹脂組成物、(5) フィラーが粒子状フ
ィラーである(1)〜(4)記載の組成物、(6) 粒
子状フィラーが、シリカ、ガラス、石英、またはアルミ
ナ製のものである(5)記載の樹脂組成物、(7) 粒
子状フィラーが、真球状フィラーである(5)〜(6)
記載の樹脂組成物、(8) 粒子状フィラーが、平均粒
径0.01〜50μmのものである(5)〜(7)記載
の樹脂組成物、(9) 粒子状フィラーが、平均粒径の
1/10〜5倍の範囲の粒子が全粒子中の90重量%以
上である(5)〜(8)記載の樹脂組成物、(10)
フィラーが、繊維状フィラーである(1)〜(4)記載
の組成物、(11) 繊維状フィラーが、平均太さが
0.1〜100μmのものである(10)記載の樹脂組
成物、(12) 繊維状フィラーが、平均繊維長が5μ
m〜20mmのものである(10)〜(11)記載の樹
脂組成物、(13) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂10
0重量部に対して、不飽和カルボン酸変性エラストマー
0.1〜100重量部、フィラーを0.1〜250重量
部配合したものである(1)〜(12)記載の樹脂組成
物、(14) (1)〜(13)記載の組成物を成形し
た成形品、などが挙げられる。
【0030】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を詳
細に説明する。
【0031】実施例1 熱可塑性ノルボルネン系樹脂(ZEONEX 480、
日本ゼオン製、分子量28000,ガラス転移温度14
0℃、水素添加率99.7%以上)60重量部に、真球
状シリカビーズ(アドマファインSO−C2、アドマテ
ック製、平均粒径0.5μm、0.05〜25μmのも
のが90重量%以上)を40重量部、無水マレイン酸付
加スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン−ブロッ
ク共重合体エラストマー(旭化成工業製、タフテックM
1913)を5重量部添加し、樹脂温度250℃で二軸
押出機を用いて混練し、本発明の樹脂組成物を得、ペレ
タイザーによってペレット化した。
【0032】このペレットを樹脂温度280℃で射出成
形し、JIS K 7113の1号型試験片を得、引張
強度、引張弾性率、引張破断伸びを測定、同様にJIS
K7110の2号試験片を得、IZOD衝撃値を測定
した。引張強度は530kgf/cm2、引張弾性率は
23500kgf/cm2、引張伸びは12.3%であ
り、ノッチ付IZOD衝撃値5.5kgcm/cmであ
った。また線膨張係数は2.5×10-5cm/cmであ
った。
【0033】破断した試験片断面を走査型電子顕微鏡で
観察したところ、フィラーと樹脂の間に間隙は認められ
なかった。さらに、成形品表面は滑らかであり、原子間
力顕微鏡で観察したところ、高さ0.5μm以上の突起
は認められなかった。
【0034】実施例2 球状シリカビーズの代わりにガラスファイバー(E C
S03I−33G/P、日本電気硝子製、チョップスト
ランド、平均径9μm、長さ3mm)を用いる以外は実
施例1と同様にして、試験片を成形した。
【0035】引張強度は1030kgf/cm2、引張
弾性率は92000kgf/cm2、引張伸びは11.
8%であり、ノッチ付IZOD衝撃値8.5kgcm/
cmであった。また線膨張係数は2.0×10-5cm/
cmであった。破断面ではフィラーと樹脂の間に間隙は
認められず、成形品表面は滑らかであり、高さ5.0μ
m以上の突起は認められなかった。
【0036】比較例1 マレイン化エラストマーを用いない以外は実施例1と同
様にして、試験片を成形した。
【0037】引張強度は670kgf/cm2、引張弾
性率は24500kgf/cm2、引張伸びは3.2%
であり、ノッチ付IZOD衝撃値1.01kgcm/c
mであった。また線膨張係数は2.2×10-5cm/c
mであった。破断面ではフィラーと樹脂の間に間隙があ
り、成形品表面は滑らかであり、高さ0.5μm以上の
突起が15個/cm2認めらた。
【0038】比較例2 マレイン化エラストマーを用いない以外は実施例2と同
様にして、試験片を成形した。
【0039】引張強度は1110kgf/cm2、引張
弾性率は93000kgf/cm2、引張伸びは11.
7%であり、ノッチ付IZOD衝撃値5.2kgcm/
cmであった。また線膨張係数は2.3×10-5cm/
cmであった。破断面ではフィラーと樹脂の間に間隙が
あり、成形品表面は滑らかであり、高さ5.0μm以上
の突起が27個/cm2認められた。
【0040】比較例3 フィラー、マレイン化エラストマーを用いない以外は実
施例2と同様にして、試験片を成形した。
【0041】引張強度は690kgf/cm2、引張弾
性率は19000kgf/cm2、引張伸びは10.3
%であり、ノッチ付IZOD衝撃値1.9kgcm/c
mであった。また線膨張係数は7.0×10-5cm/c
mであった。成形品表面は滑らかであり、高さ0.5μ
m以上の突起は認められなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の組成物は、フィラーと樹脂マト
リックスが密着しており、両者の間に間隙がなく、機械
的強度、耐衝撃性に優れ、線膨張係数が小さく、また脆
くない。さらに、本発明の組成物の成形品表面は表面平
滑性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂、不飽和カ
    ルボン酸変性エラストマー、およびフィラーからなる樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物を成形した成形
    品。
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