JPH09118646A - 光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸またはそのエステルの製造方法 - Google Patents

光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸またはそのエステルの製造方法

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JPH09118646A JP8192648A JP19264896A JPH09118646A JP H09118646 A JPH09118646 A JP H09118646A JP 8192648 A JP8192648 A JP 8192648A JP 19264896 A JP19264896 A JP 19264896A JP H09118646 A JPH09118646 A JP H09118646A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸
またはそのエステルの、業的に有用な製造方法を確立す
る。 【解決手段】 光学活性無水アシルオキシコハク酸をル
イス酸の存在下、芳香族化合物と反応させて光学活性2
−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸を製造
し、さらに接触還元により光学活性2−アシルオキシ−
4−アリール酪酸とし、酸またはアルカリ存在下加水分
解を行って光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸
を製造するか、またはこれを酸存在下アルコールと反応
させて光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸エス
テルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗高血圧剤
として知られるエナラプリル、シラザプリルなどの合成
中間体として有用な光学活性2−ヒドロキシ−4−アリ
ール酪酸またはそのエステル、就中、光学活性2−ヒド
ロキシ−4−フェニル酪酸またはそのエステルの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性2−ヒドロキシ−4−フ
ェニル酪酸の製造法としては、例えば、(i)ラセミ体
の2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸を原料とし、アシ
ル化剤の存在下、酵素反応により(R)−体を得る方法
(Agric.Biol.Chem.,55,293
等)、(ii)ラセミ体の2−ヒドロキシ−4−フェニ
ル酪酸を光学活性アミンとの塩とし、ジアステレオマー
の溶解度の差により分割を行う方法(EP 32915
6)、(iii)2−オキソ−4−フェニル酪酸を酵素
反応により不斉還元する方法(J.Biotechno
l.,24,315(1992)等)、(iv)2−オ
キソ−4−フェニル酪酸を不斉水素化する方法(St
d.Surf.Sci.Catal.,78,139
(1993))、(v)D−ホモフェニルアラニンに亜
硝酸を作用させて(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ル酪酸とする方法(US 329156等)、及び(v
i)ベンザルピルビン酸をL−プロリン−水素化ホウ素
ナトリウム複合体を用いて(R)−2−ヒドロキシ−4
−フェニル−3−ブテン酸とした後、これを接触水添し
て(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸とする方
法(特開平4−18050)が知られている。また、光
学活性2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸エステルの製
造法としては、例えば、(vii)ラセミ体の2−ヒド
ロキシ−4−フェニル酪酸エステルを酵素反応により
(S)一体のみ水解して(R)−体のエステルを得る方
法(特開平1−225499等)、(viii)ラセミ
体の2−アシルオキシ−4−フェニル酪酸エステルを酵
素反応により(R)−体のみ脱アシルして(R)−ヒド
ロキシ体を得る方法(特開平1−247100等)、
(ix)2−オキソ−4−フェニル酪酸エステルを酵素
反応により不斉還元する方法(特開平5−328984
等)、(x)ラセミ体の2−ヒドロキシ−4−フェニル
酪酸を光学分割した後、エステル化する方法(J.Ch
em.Soc.,Perkin Trans.1,10
11(1986))、(xi)2−オキソ−4−フェニ
ル酪酸の1−メントールエステルを合成した後、還元す
る方法(Tetrahedron Lett.,423
(1988))、及び(xii)2−オキソ−4−フェ
ニル酪酸エステルを不斉水素化する方法(EP 206
993、EP 564406等)が知られている。
【0003】しかしながら、ラセミ体の2−ヒドロキシ
−4−フェニル酪酸エステルを原料とする(i)、(i
i)、(vii)、(viii)および(x)の方法に
は、原理的に収率が50%を超えないという短所があ
り、2−オキソ−4−フェニル酪酸またはそのエステル
を原料とする(iii)、(iv)、(ix)、(x
i)および(xii)の方法は、2−オキソ−4−フェ
ニル酪酸エステル自体の合成法が煩雑であり、収率も満
足できるものではない。また、D−ホモフェニルアラニ
ンを原料とする(v)の方法は、アミノ酸自体が非天然
型であるためその製造コストが高く、実用的ではない。
さらに、ベンザルピルビン酸を原料とする(vi)の方
法にも、2段階の製法であるため煩雑で、高コストであ
るという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸またはそのエス
テルの、工業的に有利な方法を確立することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討を行った結果、光学活性リンゴ
酸から工業的に容易に製造の可能な光学活性無水アシル
オキシコハク酸を原料とし、これをルイス酸触媒の存在
下芳香族化合物と反応させることにより、光学活性2−
ヒドロキシ−4−アリール酪酸またはそのエステルの有
用な中間体である光学活性2−アシルオキシ−4−オキ
ソ−4−アリール酪酸が容易に得られることを見出し、
さらにこれに対し還元、および脱アシル、エステル化等
の反応を順次行うことにより上記の問題が解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、第1に、下記一般式
(I)で示される光学活性無水アシルオキシコハク酸
を、ルイス酸(触媒)の存在下、置換基を有していても
よい炭素原子数4〜10の芳香族化合物と反応させるこ
とを特徴とする下記一般式(II)で示される光学活性
2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸の製
造方法に関する。
【0007】
【化5】
【0008】ただし、上記一般式(I)中、Rはハロ
ゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜7の直
鎖、分岐鎖もしくは環状脂肪族アシル基、または炭素原
子数7〜11の芳香族アシル基を、そして*は不斉炭素
原子を示す。
【0009】また、上記一般式(II)中、Rはハロ
ゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜7の直
鎖、分岐鎖もしくは環状脂肪族アシル基、または炭素原
子数7〜11の芳香族アシル基を、Rは置換基を有し
ていてもよい炭素原子数4〜10のアリール基を、そし
て*は不斉炭素原子を示す。
【0010】本発明は、第2に、このようにして得るこ
とのできる前記一般式(II)で示される光学活性2−
アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸を、4位
カルボニル基の接触還元反応及びアシル基の脱離反応に
付することを特徴とする下記一般式(III)で示され
る光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸の製造方
法に関する。
【0011】
【化6】
【0012】ただし、上記一般式(III)におけるR
及び*の意味は、それぞれ、前記一般式(II)にお
けると同じである。
【0013】本発明は、第3に、前記一般式(II)で
示される光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−
アリール酪酸を4位カルボニル基の接触還元反応、アシ
ル基の脱離反応、及び置換基を有してもよい炭素原子数
1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキルアルコー
ル、または炭素原子数7〜12のアラルキルアルコール
とのエステル化反応に付すことを特徴とする下記一般式
(IV)で示される光学活性2−ヒドロキシ−4−アリ
ール酪酸エステルの製造方法に関する。
【0014】
【化7】
【0015】ただし、上記一般式(IV)中、R及び
*の意味は、それぞれ、前記一般式(II)におけると
同じであり、またRは置換基を有していてもよい炭素
原子数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基、
または炭素原子数7〜12のアルキル基を示す。
【0016】本発明は、さらに、下記一般式(V)で示
される光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−フ
ェニル酪酸自体に関する。
【0017】
【化8】
【0018】ただし、上記一般式(V)におけるR
び*の意味は、それぞれ、前記一般式(II)における
と同じである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】先ず、本発明の第1に係わる製造方法につ
いて説明する。
【0021】この製造方法は、光学性無水アシルオキシ
コハク酸(I)を、ルイス酸触媒の存在下、置換基を有
していてもよい炭素原子数4〜10の芳香族化合物と反
応させることを特徴とする光学活性2−アシルオキシ−
4−オキソ−4−アリール酪酸(II)の製造方法であ
る。
【0022】この製造方法の原料である光学活性無水ア
シルオキシコハク酸(I)におけるアシル基(R)と
しては、例えば、ハロゲン原子などで置換されていても
よい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖もしくは環状脂肪
族アシル基、及び炭素原子数7〜11の芳香族アシル基
が挙げられ、具体的にはアセチル基、トリフルオロアセ
チル基、ベンゾイル基などを挙げることができる。な
お、工業的には、アセチル基が反応の後処理やコストの
点で有利である。
【0023】なお、光学活性無水アシルオキシコハク酸
(I)は、光学活性リンゴ酸とハロゲン化アシルおよび
/または酸無水物との反応により容易に得ることができ
る。例えば、光学活性無水アセトキシコハク酸は、光学
性活性リンゴ酸に塩化アセチルの存在下に無水酢酸を作
用させて無水物化することにより、容易に合成すること
ができる(J.Org.Chem.,53,1040
(1988))。
【0024】目的物質の光学活性2−アシルオキシ−4
−オキソ−4−アリール酪酸(II)の製造に用いる他
の原料である芳香族化合物は、広義の芳香族化合物であ
って、このようなものとしては、例えば、ベンゼン、ナ
フタレン、フラン、チオフェン、ピロール、インドール
およびそれらの誘導体などを挙げることができるが、例
えば、本発明の最終目的化合物の1つであるエナラプリ
ルの中間体を合成するにはベンゼンを用いればよい。
【0025】触媒のルイス酸としては、例えば、無水塩
化アルミニウム、三塩化ホウ素、四塩化チタンなどを挙
げることができるが、収率の点で無水塩化アルミニウム
の使用が最も有利である。
【0026】自的物質の光学活性2−アシルオキシ−4
−オキソ−4−アリール酪酸(II)の合成を実施する
には、自的物質の合成される限りは、その反応条件には
特別の制限はない。例えば、反応容器に、光学活性無水
アシルオキシコハク酸(I)と、これに対して等モル以
上、好ましくは1〜10倍モルの芳香族化合物を入れ、
溶媒を加えて均一溶液とした後、光学活性無水アシルオ
キシコハク酸に対して1〜10倍モル、好ましくは2〜
5倍モルのルイス酸を加えて攪拌することで行うことが
できる。光学活性無水アシルオキシコハク酸に対する芳
香族化合物の割合が少な過ぎると収率が低下し、多過ぎ
ると問題が生じる。また、光学活性無水アシルオキシコ
ハク酸に対するルイス酸の割合が少な過ぎると収率が低
下し、多過ぎると問題が生じる。
【0027】また、先ず、ルイス酸と溶媒を反応容器に
入れ、ルイス酸の溶液または懸濁液とした後に、光学活
性無水アシルオキシコハク酸と芳香族化合物とを加えて
反応を行うこともできる。この場合の原料及び触媒の使
用割合は上に述べたと全く同じである。
【0028】本反応(Friedel−Crafts反
応の1種)で使用する溶媒には、これが反応に悪影響を
及ぼさず、かつ、原料が反応に必要な程度に溶解し得る
ものであれば特別の制限はなく、例えば、塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、ベンゼン、ニトロベンゼンおよび
これらの混合溶媒などを挙げることができる。これら溶
媒の使用量にも、反応混合液が効率的に攪拌できる量で
あれば特別の制限はなく、例えば、通常、原料である光
学活性無水アシルオキシコハク酸の1重量部に対して1
〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の割合にす
ることができる。
【0029】反応温度も、また、反応が進行しかつ生成
物が分解しない温度であれば、これに特別の制限はない
が、高温になるほど副反応が生じて反応収率が低下する
ため、通常は−70℃〜30℃、好ましくは−40℃〜
0℃である。低温に過ぎると反応が速度が低下する。
【0030】反応溶液に硫酸、塩酸等の鉱酸水溶液を加
え、反応を停止した後、例えば、分層、洗浄、抽出、濃
縮、晶析などを適宜組み合わせる通常の方法で後処理を
行うことにより、目的とする光学活性2−アシルオキシ
−4−オキソ−4−アリール酪酸(II)を容易に単離
することができる。通常、本反応のようなFriede
l−Crafts反応は、後処理段階でアルミニウムに
由来するガム状物質が析出するなどして反応操作が困難
となる場合が多いが、本反応に於いては、ガム状物質の
析出は殆どなく、反応の操作性は非常に良好である。
【0031】本反応に於いては、原料として使用した光
学活性無水アシルオキシコハク酸(I)の立体配置がそ
のまま得られる光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ
−4−アリール酪酸(II)の立体配置となる。前記の
エナラプリル、シラザプリルなどの抗高血圧剤の原料と
しては(R)−リンゴ酸を出発原料とする(R)一体の
2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸が有
用であるが、より安価な(S)−リンゴ酸を出発物質に
進んだ場合も、(R)一体と同様な方法(実施例6参
照)によりエステル化または加水分解を行い2−ヒドロ
キシ体とした後、これを、例えばメシルオキシ基のよう
な脱離基に変換し、さらにアシルオキシアニオンを作用
させることにより立体配置を反転させることが可能であ
り、延いては前記抗高血圧剤の原料とすることができ
る。
【0032】次に、本発明の第2に係わる製造方法につ
いて説明する。この製造方法は、例えば、上に説明した
本発明の第1の製造法によって製造することのできる光
学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪
酸(II)を4位カルボニル基の接触還元反応、引き続
きアシル基の脱離反応に付することを特徴とする光学活
性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸(III)の製造
方法である。
【0033】還元反応は、例えば、反応容器に光学活性
2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸(I
I)を入れ、溶媒を加えてこれを溶媒に溶解した後、触
媒を加えて水素雰囲気下で接触還元を行なう。
【0034】本工程で使用する溶媒は、反応に悪影響を
及ぼさず、かつ、原料が反応に必要な程度に溶解し得る
ものであればこれには特別の制限はないが、例えば、
水、エタノール等の低級アルコール、酢酸などの低級脂
肪酸、酢酸エチルなどの低級エステル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル系溶媒、およびこれらの混合溶媒等
を挙げることができる。また、これらには必要に応じて
塩酸、硫酸などの反応促進剤を加えることもできる。こ
れら溶媒の使用量にも、反応混合液が効率的に撹拌でき
る量であれば特別の制限はないが、例えば、通常、光学
活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸
(II)1重量部に対して1〜100重量部、好ましく
は5〜50重量部の割合とすることができる。
【0035】還元に使用する触媒は、反応を円滑に進め
得るものであれば、これには特別の制限はないが、例え
ば、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金およびニ
ッケルなどを挙げることができる。またこれらの触媒は
炭素などに担持されていてもよく、また、水を含んでい
てもよい。触媒の使用量は、目的の反応を完結できる量
であれば、これにも特別の制限はないが、例えば、通
常、光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリ
ール酪酸(II)100モル当たり0.01〜10モ
ル、好ましくは0.1〜5モルの割合とすることができ
る。
【0036】還元時の水素圧は、反応を円滑に進め得る
程度であれば、これには特別の制限はないが、1〜15
0kgf/cm、好ましくは1〜20kgf/cm
とすることができる。
【0037】反応温度は、反応が進行しかつ生成物が分
解しない温度であれば、これには特別の制限はないが、
例えば、通常−20℃〜120℃、好ましくは0℃〜1
00℃とすることができる。
【0038】還元反応終了後、触媒を濾別などで除去
し、溶媒を溜去などで除去することにより、4位カルボ
ニル基の還元された光学活性2−アシルオキシ−4−ア
リール酪酸を得る。
【0039】次に、この光学活性2−アシルオキシ−4
−アリール酪酸のアシル基の脱離は、例えば、酸、アル
カリなど適当な加水分解剤を使用してアシルオキシ部分
を加水分解してアシル基を除去することで行うことがで
き、このようにして目的の光学活性2−ヒドロキシ−4
−アリール酪酸(III)を得ることができる。
【0040】この加水分解反応は、例えば、上に説明し
た還元反応終了後、触媒及び溶媒を除去して得た残渣
に、水と、必要に応じて、例えば、低級アルコール、ア
セトンまたはジオキサンなどのような水と混合し得る有
機溶剤を加え、さらに酸またはアルカリを加えて加水分
解を行うことでできる。
【0041】加水分解に使用する酸またはアルカリは、
反応を円滑に進め得るものであれば、これには特別の制
限はなく、例えば、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウムおよ
び水酸化カリウムなどを挙げることができる。
【0042】反応終了後、例えば、濃縮、抽出、洗浄な
どを適宜組み合わせる通常の方法で後処理を行なった
後、晶析、蒸留などにより精製することにより、目的と
する光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸(II
I)を容易に単離することができる。
【0043】次に、本発明の第3に係わる製造方法につ
いて説明する。
【0044】この製造方法は、例えば、上に説明した本
発明の第1に係わる製造法によって製造することのでき
る光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−アリール酪
酸(II)を、カルボニル基の接触還元反応、アシル基
の脱離反応及び置換基を有していてもよい炭素原子数1
〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルコール、または炭
素原子数7〜12のアラルキルアルコールとのエステル
化反応に付することを特徴とする光学活性2−ヒドロキ
シ−4−アリール酪酸エステル(IV)の製造方法であ
る。
【0045】還元反応を行うには、例えば、先に説明し
た本発明の第2に係わる製造方法におけると全く同様に
して、光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−ア
リール酪酸(II)から得られた光学活性2−アシルオ
キシ−4−アリール酪酸を通常エステル化に使用する溶
媒、例えばエチルエステルであればエタノールに溶解
し、酸触媒を加え、加熱還流することによりエステル化
を行なうことができる。この条件下では、アシル基はエ
ステル化と同時に加溶媒分解され目的とする光学活性2
−ヒドロキシ−4−アリール酪酸エステル(IV)を得
ることができる。
【0046】溶媒の使用量は、反応混合液が効率的に攪
拌できる量であればこれには特別の制限はがなく、例え
ば、光学活性2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリ
ール酪酸(II)の重量に対して1〜100倍重量、好
ましくは5〜50倍重量とすることができる。
【0047】エステル化に使用する酸触媒にも、これが
反応を円滑に進め得るものであれば特別の制限はなく、
例えば、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸および塩化水素などを挙げることができる。触媒の
使用量も、目的の反応を完結できる量であれば特別の制
限はなく、例えば、通常、光学活性2−アシルオキシ−
4−オキソ−4−アリール酪酸(II)100モル当た
り0.1〜100モル、好ましくは1〜30モルとする
ことができる。
【0048】エステル化反応終了後は、例えば、濃縮、
抽出、洗浄などを適宜組み合わせる通常の方法で後処理
を行なった後、晶析、蒸留などにより精製することによ
り、目的とする光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール
酪酸エステル(IV)を容易に単離することができるこ
とは、その遊離酸(III)の場合と同様である。
【0049】また、還元反応をエステル化に使用する溶
媒中で実施すれば、還元、脱アシル及びエステル化をあ
る程度同時に進行させることができる。
【0050】最後に、本発明の第4に係わる物質自体に
ついて説明する。
【0051】本発明に関する光学活性2−アシルオキシ
−4−オキソ−4−アリール酪酸(II)は、新規化合
物であるが、これらの中でも光学活性2−アシルオキシ
−4−オキソ−アリール酪酸(V)、特に、アリール基
がフェニル基でありおよび/または不斉炭素原子が
(R)一体を与える化合物が、エナラプリルなどの合成
中間体として有用なことは先に説明した通りである。
【0052】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】実施例1:(R)−2−アセトキシ−4−
オキソ−4−フェニル酪酸の合成(R)−無水アセトキ
シコハク酸4.74gおよびベンゼン2.34gを塩化
メチレン50mlに溶解し、−10℃に冷却した。この
溶液に、乾燥アルゴン雰囲気下、50mlの塩化メチレ
ンに懸濁した無水塩化アルミニウム8.00gを液温が
0℃を超えないように、撹拌下、注意しながら加えた。
液温を−3℃〜0℃に保ち22時間撹拌した後、6規定
塩酸50mlを加えて反応を停止した。
【0054】水層を分離し、塩化メチレン層を水50m
lで洗浄した後、塩化メチレンを減圧下溜去した。残渣
に酢酸イソプロピル50mlを加え、分離した水を分層
除去した後、減圧下に酢酸イソプロピルを溜去すること
により、粗(R)−2−アセトキシ−4−オキソ−4−
フェニル酪酸4.74gを淡黄色油状残渣として得た
が、これは、室温に放置すると結晶化した。これをエー
テルから再結晶して白色プリズム状結晶の(R)−2−
アセトキシ−4−オキソ−4−フェニル酪酸を得た。
【0055】[α]20 =−21.1゜ (c=1、
エタノール). H NMR(CDCl、δppm):2.12
(s,3H)、3.55(dd,1H,J=3.9H
z)、3.66(dd,1H,J=7.8)、5.75
(q,1H)、7.48(m,2H)、7.62(m,
1H)、7.96(m,2H). MS(ESI、m/z):237.5(MH+)、25
9.5(H+Na+)、495.4(2M+Na+).
IR(KBr、cm−1):1760、1702、1
688(C=0). mp:118〜121℃。
【0056】実施例2:(S)−2−アセトキシ−4−
オキソ−4−フェニル酪酸の合成 (S)−無水アセトキシコハク酸15.81gおよびベ
ンゼン23.43gを塩化メチレン150mlに溶解
し、−20℃に冷却した。この溶液に、乾燥アルゴン雰
囲気下、無水塩化アルミニウム40.00gを、撹拌
下、温度上昇に注意しながら加えた。液温を−20℃に
保ち6時間撹拌した後、1規定塩酸100mlを温度が
30℃を超えないように注意しながら加えて反応を停止
した。
【0057】析出した全ての固形物が溶解するまで室温
で撹拌した後、水層を分離し、塩化メチレンを減圧下溜
去した。残渣を酢酸イソプロピル150mlに溶解し、
水で洗浄した後、減圧下酢酸イソプロピルを溜去するこ
とにより、粗(S)−2−アセトキシ−4−オキソ−4
−フェニル酪酸19.86gの微黄色固体を得た。これ
をエタノールとt−ブチルメチルエーテルの混合液から
再結晶して白色プリズム状結晶の(S)−2−アセトキ
シ−4−オキソ−4−フェニル酪酸を得た。
【0058】実施例3:(R)−2−アセトキシ−4−
オキソ−4−フェニル酪酸の合成 (R)−無水アセトキシコハク酸47.44gおよびベ
ンゼン35.15gを塩化メチレン450mlに溶解
し、−16℃に冷却した。この溶液に、無水塩化アルミ
ニウム120.00gを、撹拌下、温度上昇に注意しな
がら加えた。液温を−16℃に保ち6時間撹拌した後、
1規定塩酸300mlを温度が20℃を越えないように
注意しながら加えて反応を停止した。
【0059】析出した全ての固形物が溶解するまで室温
で撹拌し、さらに酢酸イソプロピル100mlを加えて
短時間撹拌した後、水層を分離し、有機層を減圧下に濃
縮した。得られたスラリーに酢酸イソプロピル450m
lを加え、全ての結晶が溶解するまで撹拌した後、水で
洗浄した。液量が約300mlになるまで酢酸イソプロ
ピル層を減圧濃縮し、濃縮液と同容量のn−ヘキサンを
加えた後、5℃に冷却下し、この温度で一夜撹拌した。
スラリーを分離、乾燥して(R)−2−アセトキシ−4
−オキソ−4−フェニル酪酸の白色結晶62.70gを
得た。HPLC分析の結果、純度(標品による定量値)
は100.8%、そして光学純度は100%eeであっ
た。
【0060】実施例4:(S)−2−アセトキシ−4−
オキソ−4−フェニル酪酸の合成 (R)−無水アセトキシコハク酸を(S)−無水アセト
キシコハク酸に代えた以外は実施例3におけると全く同
じ操作を行い、(S)−2−アセトキシ−4−オキソ−
4−フェニル酪酸の白色結晶59.53gを得た。HP
LC分析の結果、純度(標品による定量値)は98.5
8%、そして光学純度は100%eeであった。
【0061】実施例5:(R)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸エチルの合成 (R)−2−アセトキシ−4−オキソ−4−フェニル酪
酸60.00gをエタノール380mlに溶解し、硫酸
1.31gおよび5%パラジウム炭素(50%含水)
5.41gを加え、水素雰囲気下、20℃で20時間撹
拌した。パラジウム炭素を濾別後、硫酸をさらに2.6
2g加え、16時間加熱還流を行った。溶媒を減圧溜去
し、再びエタノール380mlを加え、さらに4時間加
熱還流を行った。
【0062】反応終了後、エタノールを減圧溜去して得
た油状残渣に500mlの酢酸イソプロピルを加え、5
%重曹水250ml及び水250mlで順次洗浄した
後、減圧下に濃縮することにより(R)−2−ヒドロキ
シ−4−フェニル酪酸エチルを酢酸イソプロピル溶液と
して得た。HPLC分析の結果、収量は48.02g、
純度(面積百分率)は99.8%、そして光学純度は1
00%eeであった。
【0063】実施例6:(S)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸エチルの合成 (S)−2−アセトキシ−4−オキソ−4−フェニル酪
酸16.40gをエタノール100mlに溶解し、硫酸
0.35gおよび5%パラジウム炭素(50%含水)
1.55gを加え、水素雰囲気下、20℃で40時間撹
拌した。パラジウム炭素を濾別後、硫酸をさらに0.7
1g加え、16時間加熱還流を行った。溶媒を減圧溜去
し、再びエタノール100mlを加え、さらに4時間加
熱還流を行った。
【0064】反応終了後、エタノールを減圧溜去して得
た油状残渣に140mlの酢酸イソプロピルを加え、5
%重曹水70ml及び水70mlで順次洗浄した後、減
圧下に濃縮することにより(S)−2−ヒドロキシ−4
−フェニル酪酸エチルを酢酸イソプロピル溶液として得
た。HPLC分析の結果、収量は13.11g、純度
(面積百分率)は99.2%、そして光学純度は100
%eeであった。
【0065】実施例7:(R)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸の合成 (R)−2−アセトキシ−4−オキソ−4−フェニル酪
酸2.36gを酢酸15mlに溶解し、5%パラジウム
炭素(50%含水)0.21gを加え、水素雰囲気下、
60℃で24時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別後、
溶媒を溜去して得た(R)−2−アセトキシ−4−フェ
ニル酪酸に1規定塩酸30mlを加え、撹拌下に3時
間、加熱還流した。
【0066】反応液を氷浴中で冷却しつつ撹拌すること
により(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸が白
色結晶として析出した。これを濾取し、乾燥後の収量は
1.45g、そして光学純度100%eeであった。
【0067】実施例8:(R)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸エチルの合成 実施例1で得た粗(R)−2−アセトキシ−4−オキソ
−4−フェニル酪酸1.00gを酢酸10mlに溶解
し、5%パラジウム炭素(50%含水)0.36gを加
え、水素雰囲気下、70℃で24時間撹拌した。パラジ
ウム炭素を濾別後、酢酸を減圧下に溜去することにより
残渣として得た(R)−2−アセトキシ−4−フェニル
酪酸を、エタノール25mlに溶解し、触媒として硫酸
4滴を加え、6時間加熱還流を行った後、エタノールを
減圧溜去し、再びエタノール25mlを加え、さらに5
時間加熱還流を行った。
【0068】反応終了後、エタノールを減圧溜去して得
た油状残渣に30mlの酢酸イソプロピルを加え、5%
重曹水25ml、水25ml、で順次洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別
した後、減圧下、酢酸イソプロピルを溜去することによ
り(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸エチルを
含む油状残渣0.83gを得た。これをHPLCで分析
したところ(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸
エチルの含量は64.5%であった。
【0069】実施例9:(R)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸の合成 実施例8と同様に粗(R)−2−アセトキシ−4−オキ
ソ−4−フェニル酪酸1.00gを還元して(R)−2
−アセトキシ−4−フェニル酪酸を得、これに1規定塩
酸15mlを加え、1時間、撹拌下に加熱還流した。
【0070】反応液をHPLCで分析したところ0.5
4gの(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸が生
成していた。反応液を熱時濾過し、少量の不溶物を除い
た後、氷浴中で冷却することにより、(R)−2−ヒド
ロキシ−4−フェニル酪酸が白色結晶として析出した。
これを濾取し、乾燥した後の収量は0.45gであっ
た。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法により、純度の高い光学活
性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸またはそのエステ
ルを、容易かつ非常に高収率に製造することが可能にな
った。従って、本発明の方法は、医薬品等の中間体とし
て有用な化合物である光学活性2−ヒドロキシ−4−ア
リール酪酸またはそのエステルを工業的に製造するため
の極めて有利な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/293 C07C 67/293 67/317 67/317 69/157 69/157 69/732 69/732 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 (72)発明者 中野 敬 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味 の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 井澤 邦輔 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味 の素株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される光学活性無
    水アシルオキシコハク酸を、ルイス酸(触媒)の存在
    下、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜10の芳
    香族化合物と反応させることを特徴とする下記一般式
    (II)で示される光学活性2−アシルオキシ−4−オ
    キソ−4−アリール酪酸の製造方法。 【化1】 ただし、上記一般式(I)中、Rはハロゲン原子で置
    換されていてもよい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖も
    しくは環状脂肪族アシル基、または炭素原子数7〜11
    の芳香族アシル基を、そして*は不斉炭素原子を示す。
    また、上記一般式(II)中、Rはハロゲン原子で置
    換されていてもよい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖も
    しくは環状脂肪族アシル基、または炭素原子数7〜11
    の芳香族アシル基を、Rは置換基を有していても良い
    炭素原子数4〜10のアリール基を、そして*は不斉炭
    素原子を示す。
  2. 【請求項2】 Rがアセチル基である請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 Rがフェニル基である請求項1または
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ルイス酸が無水塩化アルミニウムである
    請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(II)で示される光学活性
    2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸を、
    4位カルボニル基の接触還元反応及びアシル基の脱離反
    応に付することを特徴とする下記一般式(III)で示
    される光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸の製
    造方法。 【化2】 ただし、上記一般式(II)中、Rはハロゲン原子で
    置換されていてもよい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖
    もしくは環状脂肪族アシル基、または炭素原子数7〜1
    1の芳香族アシル基を、Rは置換基を有していてもよ
    い炭素原子数4〜10のアリール基を、そして*は不斉
    炭素原子を示す。また、上記一般式(III)中、R
    は置換基を有していてもよい炭素原子数4〜10のアリ
    ール基を、そして*は不斉炭素原子を示す
  6. 【請求項6】 下記一般式(II)で示される光学活性
    2−アシルオキシ−4−オキソ−4−アリール酪酸を4
    位カルボニル基の接触還元反応、アシル基の脱離反応、
    及び置換基を有してもよい炭素原子数1〜6の直鎖、分
    岐鎖もしくは環状アルキルアルコール、または炭素原子
    数7〜12のアラルキルアルコールとのエステル化反応
    に付すことを特徴とする下記一般式(IV)で示される
    光学活性2−ヒドロキシ−4−アリール酪酸エステルの
    製造方法。 【化3】 ただし、上記一般式(II)中、Rはハロゲン原子で
    置換されていてもよい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖
    もしくは環状脂肪族アシル基、または炭素原子数7〜1
    1の芳香族アシル基を、Rは置換基を有してもよい炭
    素原子数4〜10のアリール基を、そして*は不斉炭素
    原子を示す。また、上記一般式(IV)中、Rは置換
    基を有していてもよい炭素原子数4〜10のアリール基
    を、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜6の直
    鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基、または炭素原子数
    7〜12のアラルキル基を、そして*は不斉炭素原子を
    示す。
  7. 【請求項7】 前記一般式(I)、(II)及び(II
    I)で示される化合物がいずれも(R)一体である請求
    項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記一般式(V)で示される光学活性2
    −アシルオキシ−4−オキソ−4−フェニル酪酸。 【化4】 ただし、上記一般式中、Rはハロゲン原子で置換され
    ていてもよい炭素原子数2〜7の直鎖、分岐鎖もしくは
    環状脂肪族アシル基、または炭素原子数7〜11の芳香
    族アシル基を、そして*は不斉炭素原子を示す。
  9. 【請求項9】 Rがアセチル基である請求項8記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】 (R)一体である請求項8または9
    記載の化合物。
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