JPH09118368A - 3次元気泡緩衝材およびその製造方法 - Google Patents

3次元気泡緩衝材およびその製造方法

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JPH09118368A
JPH09118368A JP7297482A JP29748295A JPH09118368A JP H09118368 A JPH09118368 A JP H09118368A JP 7297482 A JP7297482 A JP 7297482A JP 29748295 A JP29748295 A JP 29748295A JP H09118368 A JPH09118368 A JP H09118368A
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JP7297482A
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Hajime Kawakami
肇 川上
Masaki Iwasaka
正基 岩坂
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Kawakami Sangyo KK
Original Assignee
Kawakami Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、精密機械などを梱包する際に用いら
れる、緩衝材に関するものである。 【構成】複数枚の多角形の膜より形成され、、内部に密
閉された気体室を有する多面体状気泡を、複数個接合し
て得られる3次元気泡緩衝材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密機械などを梱包す
る際に用いられる、緩衝材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気泡緩衝材は、外力を気体の体積変化に
より膜の引張応力に変換する機能を持った緩衝材として
定義される。気泡緩衝材を使用時の、寸法の自由度の数
から分類すると次のようになる。
【0003】まず、実公平4−9460に開示されてい
るような、セメント袋様(小型のもので有れば、ピロー
包装袋の単体と考えても差し支えない)に空気を注入し
た、全ての方向に寸法の自由度を有さない0次元気泡緩
衝材。エアーダンネージと呼ばれるものや、ブロー成形
で得られる詰め物などがこれに類する。
【0004】つぎに、実公昭40−17596に開示さ
れているような、膜を素材とし筒状にしたものに空気を
送り込みシールして球状にしたものや、特公平4−82
85に開示されているような筒状にした膜に空気を送り
込みシールして三角錘状に連続して成形したものや、さ
らには実開平5−16671や実開平7−26122に
開示されているような、膜の間に空気弁を組み合わせて
シールし、必要に応じて空気を注入して膨らます現地膨
張型のものなど、一方向に寸法の自由度を有する1次元
気泡緩衝材。
【0005】直交2方向に寸法の自由度を有し、この平
面上に気泡が縦横に配置されたものが2次元気泡緩衝材
である。この2次元気泡緩衝材としては、特開昭63−
147629や特公平3−74165、実公平3−53
869においてその製造方法、装置が開示されている、
凹凸加工したフィルムにもう1枚のフィルムを貼り合わ
せて多数の小気泡を有するいわゆる「気泡シート」や、
実開平5−94164に開示されているような2枚のフ
ィルムを縦横にシールして、その2枚のフィルムの間に
空気室を設けたものなどが代表的である。
【0006】しかし直交3方向に寸法の自由度を有する
3次元気泡緩衝材についてはいまだ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、精密機械な
どを梱包する際、現在用いられている緩衝材としては発
泡プラスチック(ビーズ成型品または切り貼り成型品)
が主流である。これら発泡プラスチックには、使用後の
減容化が困難であるという問題があった。減容化容易で
あり、環境負荷の少ない代替緩衝材を提供することが、
本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】これら発泡プラスチックの欠点を解決する
ものとして、3次元気泡緩衝材を発明者らは提案する。
【0010】
【図1】
【0011】図1に、本発明3次元気泡緩衝材の1実施
態様を示す。このように本発明3次元気泡緩衝材10は
複数個の多面体状気泡11から構成される。多面体状気
泡11は、複数個の多角形の膜11によって形成され
る。但し、これらは連続した膜を折り曲げて作ってもよ
いし、切り離された膜を貼り合わせて作っても良い。勿
論、折り曲げと貼り合わせを組み合わせて作っても良
い。本発明3次元気泡緩衝材は、発泡プラスチック同
様、精密機械等の被包装物の形状に合わせて成形するこ
とができる。また、発泡プラスチックのセルに較べる
と、きわめて大きな多面体状気泡の集合体であるため、
使用後市販のカッター等を用いて減容化できる。
【0012】では次に本発明3次元気泡緩衝材の構成の
詳細について開示していく。まず多面体状気泡11の大
きさであるが、各面の代表寸法が10mmから150m
の範囲、特に好ましくは20mmから50mmの範囲が
望ましい。もし、10mmより小さければ、多面体状気
泡11の数が多くなりすぎ減容化の作業の際に支障をき
たすおそれがあるし、150mm以上より大きければ、
多面体状気泡11が1個破袋するごとに、極端に緩衝性
能が低下するおそれがあるためである。但し、被包装物
の寸法、形状によっては、この範囲外の寸法が適当なこ
ともある。
【0013】その多面体状気泡11の形状であるが、そ
れぞれの面が多角形で構成された多面体であればどのよ
うな形状であってもよいが、面の数が増えれば、多面体
状気泡11を製造する工程が複雑になるため好ましくな
い。最小単位が安定した形状となる、という点からは立
方体や直方体等の6面体や、三角柱のような5面体が好
ましいが、生産性の面からは4枚の三角形により構成さ
れた4面体が好ましい。さらに生産性の向上を目的と
し、後述のように、膜をいったん筒状に成形してから筒
の軸方向に交差するようにシールして上記4面体を考え
るならば、4枚の三角形のうち、各2枚ずつが同一形状
であることが好ましい。また、機械化の点から自然な形
という意味で、それぞれ2対の三角形は直角を有する三
角形すなわち直角三角形であることが好ましい。さら
に、後述のようにこれら4面体の多面体状気泡11が複
数個組み合わされて、立方体や直方体等の6面体や、三
角柱のような5面体等の安定した形状を形作るというこ
とを考えるならば、その2対の直角三角形のうち1対は
その辺の比が1:1:√2となる直角二等辺三角形であ
り、もう一対の直角三角形の辺の比が1:√2:√3で
あることが好ましい。
【0014】次に材質であるが、膜材料としては、合成
樹脂、または紙などを用いると良い。合成樹脂の場合
は、ポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)などや、ガスバリヤー性とヒートシール性を両立さ
せるため、ポリエチレン/ナイロンなどの多層フィルム
を用いても良い。また、廃棄等後処理のことを考える
と、PCL(ポリカプロラクトン)、PVA(ポリビニ
ルアルコール)、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生
分解性合成樹脂が好ましい。合成樹脂の多くは、高い透
明性を有するため、これらを膜の素材として用いれば、
発泡プラスチックと異なり、容易に被包装物を確認でき
るという利点を有する。
【0015】また、ポリ乳酸には、ポリL−乳酸、ポリ
D−乳酸があるが、これらを単体で用いてもよいし、混
合して用いてもよい。ポリL−乳酸とポリD−乳酸の混
合体は、それぞれ単体のものよりも、結晶性が低く柔軟
性が高いため、本願発明のような3次元気泡緩衝材に適
している。さらに、ポリ乳酸はガス透過性が低いため、
緩衝材内の空気室の維持の面からも、その使用が好まし
い。
【0016】紙の場合は、使用後マテリアルリサイクル
のルートに乗せることが可能であるばかりか、既にマテ
リアルリサイクルされた材料、すなわち古紙を最初から
用いることもできる。
【0017】さらに、分解性樹脂塗工紙を用いれば、パ
ルパー離解性や土中分解性を保持しながら、ガスバリヤ
ー性とヒートシール性を向上せしめることになる。ここ
で分解性樹脂とは生分解性合成樹脂、水溶性ポリマー、
加水分解性ポリマー、光分解性樹脂等の総称である。生
分解性合成樹脂の例示は既に終えた。水溶性ポリマーと
しては、 ゼラチン、にかわ、寒天、アラビアゴム、カゼイン、
ペクチン、アルギン酸塩、トラガカントゴム他の天然系
ポリマー。 ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸、
ポリイタコン酸、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメ
チルエーテル他の合成系ポリマー。あるいは、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸などホモポリ
マーは作りにくいが、他の成分と共重合して水溶性もし
くは親水性コポリマーをつくるもの。 メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース
(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、可溶性澱粉
他の半合成系ポリマー。 などがある。
【0018】特に合成系ポリマー塗工紙であれば、膜強
度ヒートシール強度ともに充分、またケン化度と変成
度、重合度を選ぶことにより、ある程度耐水性も得られ
る。特に、活性水素基を2個有する有機化合物にエチレ
ンオキサイドを含む、アルキレンオキサイドを付加重合
させたポリアルキレングリコール化合物と2価のカルボ
ン酸、その無水物またはその低級アルキルエステルとを
反応させることにより得られる水溶性高分子を用いた場
合、ヒートシール強度が良好である。次に、マテリアル
リサイクル適性であるが、水溶性ポリマーの一部は製紙
工程に於いて増粘剤として添加されていることからも明
らかなように、紙との相性がきわめてよい。水溶性であ
るから、パルパー(解繊槽)にそのまま投入でき、フロ
ーテーター(清澄槽)で取り除く必要もない。ポリビニ
ルアルコールなどはケン化度と変成度、重合度を選べ
ば、土中での生分解も可能である。ケン化度を高めるこ
とにより、冷水に溶けにくくなることから、ケン化度9
8mol%以下が望ましく、ケン化度80〜95mol
%がさらに望ましい。
【0019】また、アルカリ水溶液に溶けるものや、水
やアルカリ水溶液で分解するものも、広義においてこれ
ら水溶性ポリマーに含まれるものとする。CMCなど
は、水よりさらにアルカリ水溶液に溶け易いし、ポリ乳
酸はアルカリ水溶液に容易に溶けるため、その工程で必
然的にアルカリ水溶液を使用する紙の再生、抄紙の事情
から考えても、その使用が好ましい。
【0020】分解性樹脂の塗工方法には、エマルジョン
塗布、押出しコーティングなどがある。アルキレン基含
有水溶性ポリマーを用いれば、押出しコーティングが容
易である。これら分解性樹脂を単体、あるいは必要に応
じ複数混合して用いてもよいし、場合によっては他の合
成樹脂と混合して用いてもよい。例えば、ポリ乳酸とナ
イロン−6の混合物を用いてもよい。このことは、紙へ
の塗工材料ではなく、膜の素材そのものとして分解性樹
脂を使用する場合も同様である。
【0021】多角形の膜の外側面にゴムラテックス等の
自着性接着剤または再剥離性粘着剤の層を作れば、多面
体状気泡同士を接着ないし粘着させ、3次元気泡緩衝材
とすることができる。また、膜材質に紙を用いた場合の
耐水性も向上される。
【0022】被包装物への粘着を減らすことに重点を置
く場合は自着性接着剤が、外箱との粘着力に重点を置く
場合は再剥離性粘着剤がそれぞれ選好される。
【0023】ゴムラテックスは充分薄く塗工すれば、パ
ルパー(解繊槽)にて粉砕され、そのままエマルジョン
状態で、抄紙工程へ移行しても何等さしつかえない。粉
砕不十分で、大きな膜として残った場合は、フローテー
ター(清澄槽)で取り除くこともできる。また、アラビ
アゴムラテックスであれば、「水溶性ポリマー等」の一
種なのでまったく問題ない。
【0024】
【図2】
【0025】上記のような、多面体気泡11の製造方法
の例としては、図2のAおよびBの例のように、膜を打
ち抜き等の方法で切り出し、この膜の外周部をそれぞれ
シールする製造方法が挙げられる。
【0026】さらに、被包装物と外装の間の空間形状を
鑑みるに、多面体状気泡11の形状は単体、もしくは複
数個組み合わされて直方体に、さらに好ましくは立方体
になるものが理想的である。
【0027】
【図3】
【0028】そこで、発明者らは鋭意研究の末に、図3
に示すような実施態様のものがさらに優れているという
結論に到達した。その気泡の形状について以下に示す。
【0029】図3に示すような2枚の同形の直角三角形
と2枚の同形の直角二等辺三角形によって構成された三
角錘の気泡33と、これとは鏡像対称の関係にある三角
錘の気泡34を考える。この直角二等辺三角形は辺の比
が1:1:√2であり、残る直角三角形の辺の比が1:
√2:√3である。
【0030】
【図4】
【0031】この三角錘の気泡33を2個と三角錘の気
泡34を1個、あるいは三角錘の気泡33を1個と三角
錘の気泡34を2個を、それぞれ対称な形の直角三角形
同士を、拝み合わせるように貼り合わせると、上下の面
が直角二等辺三角形の三角柱32となる。この三角柱3
2を2個組み合わせると、立方体31となる。つまり、
三角錘の気泡33を3個と三角錘の気泡34を3個の計
6個組み合わせることによって、立方体31を作ること
ができる。この立方体31を2次単位とするなら、図4
のような3次元気泡緩衝材を容易に組み立てることがで
きる。
【0032】
【図5】
【0033】図5に三角錘33、34を容易に作り得る
方法の1例を示す。このように本発明3次元気泡緩衝材
11は、膜12を筒状にする背シール42と、その筒を
幅方向にシールする2種のシールの縦方向シール41お
よび横方向シール43により構成されている。この幅方
向にシールする2種のシールの縦方向シール41の傾斜
角θ1および横方向シール43の傾斜角θ2は、発明者
らの研究するところによると、約23゜前後が最適であ
る。
【0034】このようにして得られたものは、図5のご
とく三角錘の気泡33、34が交互に連なったものであ
り、これを、筒の軸方向に交差する2方向にシールした
シール部で切り放す。得られる三角錘の気泡は33の形
状のものと34の形状のものとが同数となる。さらにこ
の時、背シール部42に減容化用のノッチ15を設けれ
ば、後処理も容易となる。これを個々に切り放し、図4
のCのように、三角錘の気泡33、34、を各3個ずつ
組み合わせれば立方体を形作ることが可能である。ま
た、三角錘の気泡33、34を各3個組み合わせて立方
体とする場合、あるいは立方体を組み合わせて任意の3
次元気泡緩衝材とする場合、膜の表面に自着性接着剤ま
たは再剥離性粘着剤を塗布すれば、その組立、分解が自
在となり、再利用も可能となる。無論、三角錘の気泡同
士の組立、接着には、熱融着など他の方法を用いてもか
まわない。
【0035】
【図6】
【0036】図6に、この三角錘の気泡33、34を用
いた別の実施態様を示す。この場合は最小単位として立
方体31ではなく、図3のように三角錘の気泡33を2
個と三角錘の気泡34を1個、あるいは図3のように三
角錘の気泡33を1個と三角錘の気泡34を2個によっ
て構成された三角柱32を最小単位としている。このよ
うに、組み合わせて座りの良い形状であれば、2次単位
を立方体に限定する必要はない。
【0037】
【作用】
1.図1および図4、図6に示すような本発明3次元気
泡緩衝材の構成要素である多面体状気泡11は、図2の
AおよびBに展開図を示したような複数枚の多角形の膜
を貼り合わせることにより形成される。つまり、多面体
状気泡11は気体を膜で密封した構造をしており、加え
られた外力を気体の体積変化により膜の引張応力に変換
する。 2.特に多面体状気泡11の形状を図3に示した三角錘
状の気泡33、34のように、4つの面の三角形が1対
の同形の直角三角形であり、もう1対が同形の直角二等
辺三角形であって、上記1対の直角二等辺三角形の辺の
比が1:1:√2であり、残る直角三角形の辺の比が
1:√2:√3であれば、気泡3個から三角柱を、気泡
6個から立方体を作ることができる。 3.膜表面に自着性接着剤または再剥離性粘着剤を塗布
すれば3次元気泡緩衝材の組立、分解、再組立を容易に
行うことができる。 4.膜の材質として紙を用いる場合、その紙に塗布する
水溶性ポリマーとしてCMCを用いれば、CMCは、水
よりさらにアルカリ水溶液に溶け易いし、ポリ乳酸はア
ルカリ水溶液に容易に溶けるため、一般的にアルカリ雰
囲気にあるパルパーにて離解可能となる。 5.膜の構成要素としてポリ乳酸とナイロン−6の混合
物を用い、使用後これを土中に埋設すれば ポリ乳酸の
加水分解によって生じた乳酸がナイロン−6の分解の触
媒として作用し、ナイロン−6の劣化を促進する。つま
り全体として、生分解性が発現する。また、使用時につ
いて考えるならば、ポリ乳酸とナイロン−6の混合物は
ポリ乳酸単体よりもガスバリヤー性が良好であり、3次
元気泡緩衝材の圧縮クリープ特性を向上せしめる。 6.膜の強度が、発泡プラスチックのセルを構成する膜
の強度よりも強いので、衝撃で破れないために復元力に
富んでいる。
【0038】
【実施例1】上記図6の形状の本発明3次元気泡緩衝材
を、ポリエチレン/6−ナイロン=40μ/10μのフ
ィルムを用いて作った。この3次元気泡緩衝材の寸法は
W=100mm、L=100mm、H=100mmであ
った。
【0039】
【実施例2】上記図6の形状の本発明3次元気泡緩衝材
を、坪量77g/平方メートルのクラフト紙に平均15
ミクロンの分解性樹脂を塗布した塗工紙を用いて作っ
た。分解性樹脂として、ポリカプロラクトンを用いた。
φ40mm、L/D=2.8、CR=4.0の押出機を
用い、マニホールドタイプTダイから押出しコーティン
グした。この3次元気泡緩衝材の寸法はW=100m
m、L=100mm、H=100mmであった。
【0040】
【比較例1】発泡倍率60倍のビーズ発泡の発泡プラス
チックにより作られた、コーナーパッドを使用した。プ
ラスチックはスチロールを用い、形状は図6と略同形状
で、寸法はW=100mm、L=100mm、H=10
0mmであった。
【0041】
【表1】
【0042】
【繰り返し水平落下試験】寸法600mm×500m
m、高さ300mmの段ボール製の外箱に、500mm
×400mm×200mm、重さ5Kgの内容物のダミ
ーを入れ、その隙間に、実施例1、2および比較例1の
緩衝材をそれぞれ8個ずつコーナーパッドとして使用し
て梱包し、40cmの高さから、繰り返し水平落下試験
を行った。そのときのG値、および透明性等その他の項
目を記録した。
【0043】
【試験結果】表1の結果からもわかるように、実施例
1、2の本発明3次元気泡緩衝材は、従来技術の発泡成
型品の比較例1に比べ、良好な成績を示した。特に、比
較例1の発泡成型品が3回目以降の落下においては、コ
ーナーパッドの変形により少しずつG値が増大している
のに比べて、実施例1、2の3次元気泡緩衝材は復元性
に優れているため繰り返し落下によってもほとんど変形
しないため、G値も上昇していない。比較例1の発泡プ
ラスチックのコーナーパッドは、使用後も減容化は不可
能であったが、実施例1、2の本発明3次元気泡緩衝材
は使用後にカッターによって膜を破ることにより、現場
で容易に減容化ができた。また、実施例2の紙製の3次
元気泡緩衝材は、その材質のため、透明性は失われた
が、実施例1、比較例1の合成樹脂性のものに比べ、廃
棄、焼却等の後処理、あるいはリサイクル性は向上し
た。
【0044】
【発明の効果】
1.本発明3次元気泡緩衝材は従来の発泡プラスチック
に較べ、使用後にカッター等により、現場で容易に減容
化することが可能である。多面体状気泡11にノッチを
設けることにより、さらに容易に減容化をすることが可
能となる。 2.本発明3次元気泡緩衝材は膜の素材として透明合成
樹脂を用いた場合、2次元気泡緩衝材と同様に、そして
発泡プラスチックと異なり、被包装物を容易に視認する
ことができる。 3.本発明3次元気泡緩衝材は膜の素材として生分解性
樹脂を用いた場合、使用後の処理として、土中に埋設あ
るいはコンポスト化が可能となる。 4.本発明3次元気泡緩衝材は膜の素材として紙を用い
た場合、マテリアルリサイクルが現実的な意味で可能に
なる。 5.本発明3次元気泡緩衝材は、発泡プラスチック同
様、外装箱と被包装物の間の空間形状に合わせて形作る
ことができる。 6.膜の外側全面または一部に、自着性接着剤または再
剥離性粘着剤を塗工して本発明3次元気泡緩衝材を作れ
ば、製造が容易であり、さらに再利用の際の分解再組立
が可能となる。 7.多面体状気泡の形状が、2対の同形の三角形で構成
された4面体であり、なおかつ、1対の直角二等辺三角
形の辺の比が1:1:√2であり、残る直角三角形の辺
の比が1:√2:√3であれば、鏡像対称の関係にある
2種類の気泡3個ずつを組み合わせることにより立方体
を作ることができる。この立方体を2次単位とすれば原
理的にどんな形状を作ることも可能である。 8.本発明3次元気泡緩衝材は従来の発泡成型品に比べ
て復元性に優れているため、繰り返し落下の耐久性に優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明3次元気泡緩衝材の第1の実施態様を示
す。
【図2】多面体状気泡の製造方法の1例を示す。
【図3】立方体の展開の例を示す。
【図4】本発明3次元気泡緩衝材の別の実施態様を示
す。
【図5】多面体状気泡の製造方法の別の1例を示す。
【図6】本発明3次元気泡緩衝材のさらに別の実施態様
を示す。
【符号の説明】
10 本発明3次元気泡緩衝材 11 多面体状気泡 12 膜 15 ノッチ 33 三角錘状の気泡の一例 34 三角錘状の気泡のもう一例 41 縦方向シール部 42 背シール部 43 横方向シール部 W 3次元気泡緩衝材の幅 L 3次元気泡緩衝材の奥行き H 3次元気泡緩衝材の高さ θ1 縦方向シール41の傾斜角 θ2 横方向シール43の傾斜角

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の多角形の膜より形成され、内部に
    密閉された気体室を有する多面体状気泡を、複数個接合
    して得られる3次元気泡緩衝材。
  2. 【請求項2】上記多面体状気泡が、4枚の三角形の膜よ
    り形成される略4面体であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の3次元気泡緩衝材。
  3. 【請求項3】上記4枚の三角形が4つ同形である場合を
    除き、2対の同形の三角形で構成されたことを特徴とす
    る、特許請求の範囲第2項記載の3次元気泡緩衝材。
  4. 【請求項4】上記2対の三角形が、ともに略直角三角形
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第3項記載の
    3次元気泡緩衝材。
  5. 【請求項5】上記2対の略直角三角形のうち1対が、略
    直角二等辺三角形であることを特徴とする、特許請求の
    範囲第4項記載の3次元気泡緩衝材。
  6. 【請求項6】上記略直角二等辺三角形の辺の比が1:
    1:√2であり、残る直角三角形の辺の比が1:√2:
    √3であることを特徴とする、特許請求の範囲第5項記
    載の3次元気泡緩衝材。
  7. 【請求項7】上記膜が、合成樹脂製フィルムであること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1ないし6項記載の3
    次元気泡緩衝材。
  8. 【請求項8】上記合成樹脂製フィルムが、多層フィルム
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第7項記載の
    3次元気泡緩衝材。
  9. 【請求項9】上記合成樹脂製フィルムが、分解性樹脂フ
    ィルムであることを特徴とする、特許請求の範囲第7項
    記載の3次元気泡緩衝材。
  10. 【請求項10】上記膜が、紙であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項ないし6項記載の3次元気泡緩衝
    材。
  11. 【請求項11】上記紙が、分解性樹脂塗工紙であること
    を特徴とする、特許請求の範囲第10項記載の3次元気
    泡緩衝材。
  12. 【請求項12】上記膜の外側全面または一部に、自着性
    接着剤または再剥離性粘着剤を塗工したことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項ないし第11項記載の3次元気
    泡緩衝材。
  13. 【請求項13】膜を筒状にシールし、これを筒の軸方向
    と交差する方向にシールして得られた多面体状気泡を用
    いることを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第
    12項記載の3次元気泡緩衝材の製造方法。
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