JPH09117998A - 表面硬度改質板とその製造方法 - Google Patents

表面硬度改質板とその製造方法

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JPH09117998A
JPH09117998A JP7299154A JP29915495A JPH09117998A JP H09117998 A JPH09117998 A JP H09117998A JP 7299154 A JP7299154 A JP 7299154A JP 29915495 A JP29915495 A JP 29915495A JP H09117998 A JPH09117998 A JP H09117998A
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resin
surface hardness
hard coat
thickness
primer layer
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JP7299154A
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Katsumori Hiyoudou
克盛 兵頭
Tamiyuki Wake
民幸 和気
Akira Matsui
明 松井
Morihiro Seko
守宏 世古
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート樹脂基板にハードコート層
を形成した表面硬度改質板において、耐候性や層間剥離
強度などを向上させる。 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂基板1に、プラ
イマー層2を塗布固化したアクリル系樹脂フィルム3を
プライマー層2を介してラミネートし、アクリル系樹脂
フィルム3の表面に紫外線硬化型のフォスファーゼン系
樹脂からなるハードコート層4を塗布により形成する。 【効果】 アクリル系樹脂フィルム3に含まれる紫外線
吸収剤が、ハードコート層4を透した紫外線を吸収して
ポリカーボネート系樹脂基板1の劣化を抑制する。高速
道路や鉄道の騒音を遮る機能を持った透光板としての用
途に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂製の基板の表面硬度をハードコート層によって改善
した表面硬度改質板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面硬度改質板は、窓ガラスや機械カバ
ーや計器カバー、或いは車や電車の騒音を遮る機能を持
った透光板等のように、耐擦傷性が要求される用途で使
用されている。従来、表面硬度改質板としては、ポリカ
ーボネート(PC)基板や塩化ビニル(PVC)基板等
の合成樹脂基板の表面に直接に紫外線硬化剤を含むメラ
ミン、シリコン、アクリルなどの熱硬化型あるいは紫外
線硬化型合成樹脂でなるハードコート層を形成したもの
が知られている。そして、この表面硬度改質板において
は、表面のハードコート層の耐擦傷性によって傷の発生
などが抑制される。
【0003】ところが、合成樹脂基板の表面に直接にハ
ードコート層を形成した上記の表面硬度改質板において
は、太陽光線に含まれる紫外線がハードコート層を透過
して合成樹脂基板を攻撃するため、合成樹脂基板が紫外
線劣化を生じやすく、PC基板の場合でも基板が早期に
黄変するという現象が見られた。
【0004】他方、特公平4−1014号公報には、P
C基板と紫外線硬化型アクリル系ハードコート層との間
に特定配合のアクリル系重合体からなるプライマー層を
介在させることにより、ハードコート層の作用で表面硬
度を向上させた上、プライマー層の作用によってPC基
板とハードコート層との密着性を向上させた表面硬度改
質板についての記載がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特許公報に記載されている表面硬度改質板は、プライマ
ー層がアクリル系重合体の溶液を塗布することにより形
成されている。そのため、プライマー層を余り厚くする
ことができず、透光板等のように屋外使用される過酷な
用途では、紫外線によるPC板の黄変を抑えることがで
きず、この点で十分な満足を与えるものではなかった。
しかも、プライマー層やハードコート層はいずれも塗料
を塗布することによって形成されるので、2回の塗料塗
布工程が必要になり、それだけ製造工程が複雑になって
いた。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ハードコート層などを紫外線が透過してポリカ
ーボネート樹脂基板に達することを抑制し得るような工
夫を講じることによって、ポリカーボネート樹脂基板が
早期に紫外線劣化を起こすおそれのない表面硬度改質板
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する為、
本発明の表面硬度改質板は、ポリカーボネート樹脂基板
の少なくとも片面に、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂
とエポキシ系樹脂とでなるプライマー層が積層一体化さ
れ、このプライマー層の表面に紫外線吸収剤(UVA)
を含みかつゴム変性したアクリル系樹脂フィルムが積層
一体化され、このアクリル系樹脂フィルムの表面に紫外
線硬化型のフォスファーゼン系樹脂からなるハードコー
ト層が積層一体化されてなる、というものである。
【0008】本発明の表面硬度改質板においては、UV
Aを含むアクリル系樹脂がフィルムであるため、UVA
を含むアクリル系樹脂フィルムの厚みを厚くすることが
できるようになって、そのアクリル系樹脂フィルムによ
る紫外線吸収性能を高めることが可能である。そのた
め、ハードコート層を透過した紫外線がそのフィルムに
よって吸収されて紫外線がポリカーボネート樹脂基板を
攻撃することを防ぎ、ポリカーボネート樹脂基板の黄変
が抑制される。
【0009】そして、ポリカーボネート樹脂基板とアク
リル系樹脂フィルムとの間に塩化ビニル樹脂と酢酸ビニ
ル樹脂とエポキシ系樹脂とでなるプライマー層が介在さ
れているので、このプライマー層の働きにより、ポリカ
ーボネート樹脂基板とアクリル系樹脂フィルムとの接合
強度が大きく層間剥離を生じにくい。この層間剥離を防
ぐ作用は、プライマー層が、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニ
ル樹脂とエポキシ系樹脂との共重合体である場合に特に
顕著に発揮される。また、ハードコート層としてフォス
ファーゼン系樹脂を用いているので十分な表面硬度や耐
磨耗性を表面硬度改質板に与える。
【0010】本発明の表面硬度改質板において、ゴム変
性したアクリル系樹脂フィルムが、メチルメタクリレー
トとブチルメタアクリレートとの共重合体であるもの
は、そのフィルムがメチルメタクリレートであるものに
比べて脆性(もろさ)が小さいので、外部からの衝撃を
緩衝する作用を発揮する。そのため、上記の共重合体を
ゴム変性したアクリル系樹脂フィルムとして用いた表面
硬度改質板にあっては、外部からの衝撃がポリカーボネ
ート樹脂基板に直接的に伝わらなくなる。
【0011】アクリル系樹脂フィルムはその厚さが30
〜150μmであることが望ましく、ハードコート層は
その厚さが5〜30μmであることが望ましい。さら
に、プライマー層の厚さは0.1〜1.5μmであるこ
とが望ましい。
【0012】アクリル系樹脂フィルムの厚さが30μm
より薄いと、そのアクリル系樹脂フィルムがUVAを含
んでいるとしても十分な紫外線吸収性能を期待できず、
また、ポリカーボネート樹脂板とハードコート層との熱
伸縮差を吸収できず、逆に150μmより厚いとその厚
みの影響が表面まで及んでクッション的な作用を発揮す
るに至るので、表面硬度を高くすることができなくな
る。そして、30〜150μmであると、十分の紫外線
吸収性能を期待でき、しかもこのフィルムのクッション
作用が表面硬度改質板の表面に及びにくくなって十分に
高い表面硬度が得られる。
【0013】フォスファーゼン系樹脂でなるハードコー
ト層3は、高硬度で、透明性や耐磨耗性にも優れてい
る。その厚みは5〜30μmにすることが好ましい。5
μmより薄いと表面硬度が余り向上せず、更に耐磨耗性
も得にくく、高硬度の表面硬度改質板が得られなくな
る。30μmより厚くしてもそれ以上硬度や耐磨耗性は
あまり向上せず、逆に硬くなりすぎて基板1の曲げや熱
伸縮による撓み等によりクラックが発生しやすくなる。
厚みが5〜30μmであると、十分な表面硬度が得ら
れ、しかも熱伸縮や撓みなどに起因するクラックが生じ
にくい。
【0014】プライマー層の厚さが0.1μmより薄い
と、ポリカーボネート樹脂基板とアクリル系樹脂フィル
ムとの接合強度を十分に大きくすることが困難になり、
1.5μmより厚くすることは、却って接合強度を弱め
ることになる。プライマー層の厚さは0.1〜1.5μ
mが適切である。
【0015】本発明の表面硬度改質板の製造方法は、ポ
リカーボネート樹脂製の基板に、紫外線吸収剤を含むア
クリル系樹脂フィルムと塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹
脂とエポキシ系樹脂とでなるプライマー層との積層体
を、プライマー層を基板側にして積層一体化し、次い
で、紫外線硬化型のフォスファーゼン系樹脂よりなる塗
料を塗布した後、紫外線を照射して塗膜を硬化させハー
ドコート層を形成する、というものである。
【0016】この方法を採用すると、基板成形時にアク
リル系樹脂フィルムを積層することができるので、積層
後の塗布工程がハードコート層の塗布工程だけの1回で
済みようになって容易に表面硬度改質板を製造できるよ
うになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
例を説明する。
【0018】図1は本発明に係る表面硬度改質板Aの実
施例を示す断面図であって、図示のようにこの表面硬度
改質板は、ポリカーボネート樹脂からなる基板1の片方
の表面に、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂とエポキシ
系樹脂とでなるプライマー層2が積層一体化され、この
プライマー層2の表面にUVAを含みかつゴム変性した
アクリル系樹脂フィルム(アクリルフィルムと称す)3
が積層され、このアクリルフィルム3に紫外線硬化型の
フォスファーゼン系樹脂よりなるハードコート層4が積
層一体化されてなる。
【0019】図1の表面硬度改質板Aにおいて、プライ
マー層2はポリカーボネート樹脂基板1とアクリルフィ
ルム3とを接合するために用いられた接着剤として機能
している。
【0020】図1の表面硬度改質板は次の方法で製造さ
れる。すなわち、UVAを含むアクリルフィルム3とプ
ライマー層2との積層体を製作した後、ポリカーボネー
ト樹脂を押出し成形して基板1を製造する際に、プライ
マー層2をポリカーボネート樹脂基板1側にしてアクリ
ルフィルム3をラミネート(積層一体化)する。その
後、紫外線硬化型のフォスファーゼン系樹脂よりなる塗
料をアクリルフィルム3の表面に塗布した後、紫外線を
照射してその塗膜を硬化させハードコート層を形成す
る。
【0021】図1の表面硬度改質板では、ポリカーボネ
ート樹脂基板1の片面側だけに、プライマー層2と、U
VAを含むアクリルフィルム3と、ハードコート層4と
を積層一体化してあるけれども、この点は、図2のよう
にポリカーボネート樹脂基板1の両面側に、プライマー
層2と、UVAを含むアクリルフィルム3と、ハードコ
ート層4とを積層一体化して表裏対称構造にしてもよ
く、透光板のように両面から太陽光を受けるような用途
の場合には、この両面に設けた構造を採用すべきであ
る。
【0022】ポリカーボネート樹脂基板1は、表面硬度
に乏しい熱可塑性樹脂ではあるが耐衝撃性等の機械的強
度や透明性に優れている。ポリカーボネート樹脂基板1
としては種々の厚さ、色相を有するものが使用される
が、高速道路や鉄道などの路肩に立設する透光板として
の用途には厚さが4〜10mmの無色透明の基板を、取
扱性、耐風圧性、防音性、透光性などの観点から好適に
用い得る。
【0023】ハードコート層4としては、紫外線硬化型
のフォスファーゼン系樹脂の硬化塗膜が用いられる。フ
ォスファーゼン系樹脂はフォスファーゼン環に複数の官
能基を結合させたもので、具体的には燐と窒素が2重結
合で結ばれた六員環であるフォスファーゼン環に6つの
メタアクリロイル基を結合した無色透明の化合物を紫外
線や電子線や熱により硬化させたものである。上記した
製造方法を採用する場合には、短時間で硬化する紫外線
硬化型のものが好適に用いることができ、それを用いる
ことによって、生産効率が向上する。この樹脂を用いた
ハードコート層4は高硬度で、透明性や耐磨耗性にも優
れているが、その厚みは5〜30μmでにすることが好
ましい。5μmより薄いと表面硬度が余り向上せず、耐
磨耗性も得にくく、高硬度の改質板が得られなくなる。
30μmより厚くすると、硬度や耐磨耗性は向上する
が、硬くなりすぎて基板1の曲げや熱伸縮による撓み等
によりクラックが発生しやすくなる。
【0024】アクリルフィルム3は透明であっても不透
明であってもよいが、ポリカーボネート樹脂基板1の色
相に対応できて、しかも透光性を有する透明なものを好
ましく用い得る。このアクリルフィルムはベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系等のUVAを含んでおり、
ハードコート層4を通過してきた紫外線を該アクリルフ
ィルム3で吸収遮断してポリカーボネート樹脂の基板1
の表面が紫外線劣化して黄変するのを防止する。アクリ
ルフィルム3は、ゴム系等の改質剤を含有させてゴム変
性することによりある程度の柔軟性(軟らかさ)を持た
せてある。また、ゴム変性したアクリルフィルム3は柔
軟性が高まっているので、プライマー層2を介してポリ
カーボネート樹脂基板1に接合されている場合に、ポリ
カーボネート樹脂基板1との熱伸縮量の差異がその柔軟
性によりうまく吸収されるので好ましい。ゴム変性した
アクリルフィルム3として、メチルメタクリレートとブ
チルメタアクリレートとの共重合体を用いると、アクリ
ルフィルムがメチルメタクリレートであるものに比べて
脆性(もろさ)が小さいので、外部からの衝撃を緩衝す
る作用を発揮する。また、ゴム変性を行うブチルメタア
クリレートもアクリル系であるので、そのことが耐候性
をさらに顕著に高めることに役立つ。そのため、上記の
共重合体をゴム変性したアクリル系樹脂フィルムとして
用いた表面硬度改質板にあっては、外部からの衝撃がポ
リカーボネート樹脂基板に直接的に伝わらなくなり、ポ
リカーボネート樹脂基板1に対する保護層として役立つ
ようになる。
【0025】アクリルフィルム3のUVAの含有量は
0.01〜10重量部が適切であり、0.01重量部よ
り少ないと紫外線吸収能に劣り、10重量部を越えると
フィルムを形成しにくく、コストも高くなり、さらに紫
外線吸収能についてもそれほどの改善が見られない。ア
クリルフィルムの厚さは30〜150μm、好ましくは
50〜100μmであり、アクリル系樹脂の塗料を用い
た塗膜よりかなり厚くなっている。30μmより薄い
と、紫外線吸収性能が劣る上に、ハードコート層4とポ
リカーボネート樹脂基材1との熱伸縮差を十分に吸収で
きなくなるので、30μm以上の厚みにすべきである。
また、150μm以上になるとその厚みの影響が表面ま
で及んでクッション的な作用を発揮するに至るので、表
面硬度を高くすることができなくなる。なお、アクリル
フィルムの代わりにUVAを含む他の樹脂、例えばポリ
カーボネートや塩化ビニル等の熱可塑性樹脂フィルムや
熱可塑性樹脂塗料による塗膜を用いることもできるが、
アクリル樹脂自体の耐候性がこれらの他の樹脂より優れ
ているので好ましく採用される。
【0026】プライマー層の厚さが0.1μmより薄い
と、ポリカーボネート樹脂基板とアクリル系樹脂フィル
ムとの接合強度を十分に大きくすることが困難になり、
1.5μmより厚くすることは、却って接合強度を弱め
ることになる。プライマー層の厚さは0.1〜1.5μ
mが適切である。
【0027】
【実施例】厚さ5mmのポリカーボネート樹脂基板に、
プライマー層を厚さ1.0μmに塗布固化した厚さ50
μmのUVAを含むアクリルフィルムをプライマー層を
介してラミネートし、フォスファーゼン系樹脂塗料(出
光石油化学(株)の出光PPZ)をロールコータにより
塗布後、紫外線を照射して硬化させて10μmの厚さの
ハードコート塗膜にした3層構造の発明品1を得た。
【0028】比較例として、厚さ5mmのポリカーボネ
ート樹脂基板に直接シリコン系ハードコート塗料を塗布
して硬化させることにより得られた厚さ10μmのシリ
コン系ハードコート層を有する2層構造の比較例1を得
た。また、厚さ5mmのポリカーボネート樹脂基板に直
接上記のフォスファーゼン系樹脂塗料を塗布し、厚さ1
0μmのハードコート層を有する2層構造の比較例2を
得た。さらに、厚さ5mmのポリカーボネート樹脂基板
に厚さ1.0μmのプライマー層を介して厚さ50μm
のアクリルフィルムをラミネートした3層構造の比較例
3を得た。また、厚さ5mmのポリカーボネート樹脂基
板を比較例4とした。発明品1と比較例1,4の試験片
について、鉛筆硬度(JIS K 5400)、テーバ
磨耗性(JIS K 6735)、スチールウール磨耗
性、耐候性(JIS K 6735)について試験を行
い、比較例2,3の試験片については鉛筆硬度と耐候性
について試験を行った。その結果を表1に示す。なお、
耐候性については図3に示した。また、図4には発明品
1についてのヘーズ差(曇り度変化)ΔHをハードコー
ト塗膜の厚さ(μm)の関係で表した。
【0029】
【表1】
【0030】表1において、鉛筆硬度はJIS K 5
400にて測定し、テーバ磨耗は東洋精機製作所社製の
ROTARY ABRASION TESTERを用い
てJIS K 6735に従った。耐候性は東洋精機製
作所社製のATRAS Weather−meterに
て暴露した試料を日本電色工業社製のカラーコンピュー
ターΣ90にて測定した黄変度でそれぞれ示してある。
また、スチールウール耐磨耗性は、1平方インチ当り1
kgの荷重を加えた試験片を#0000のスチールウー
ル上で10回往復させた前後のヘイズの差で示してあ
る。
【0031】表1及び図3から判るように、発明品1は
鉛筆硬度がシリコン系のハードコート層に比べてやゝ劣
るものの、比較例2と同等であり、比較例3やポリカー
ボネート樹脂基板のみでなる比較例4に比べると大きく
改善されている。また、図3に示したように耐候性にお
いては比較例1,2,4に比べて優れた性能を有してい
ることが判る。発明品1の鉛筆硬度は、ハードコート層
の厚みを厚くすることにより急激に向上し、必要な硬度
は、厚みを変えることで自由に選択することができるも
のである。また、比較例1,2,4と発明品1や比較例
3とを対比すると、アクリルフィルムが耐候性を改善す
ることに大きく寄与しているということが理解される。
これらのことより、発明品1は硬度と長期耐候性が共に
優れたバランスのよいものであることが判る。このた
め、透光板のように、一日中太陽光に曝されるという過
酷な条件下で使用される表面硬度改質板に適している。
【0032】図4の曲線はテーバ磨耗のテスト前後のヘ
ーズ差ΔHがハードコート塗膜の厚さ(μm)によって
変わることを示している。この曲線は100回転につい
てのものである。この結果より、ハードコート塗膜の厚
さが5μmよりも厚い範囲ではヘーズ差ΔHがほゞ一定
しているのに対し、ハードコート塗膜の厚さが5μmよ
り薄い範囲では、その厚さが少しでも変わるとヘーズ差
ΔHが大きく変化することが判る。したがって、ハード
コート層は、その厚さを5μmより厚くすることが好ま
しいと言える。
【0033】次に、層間剥離については、発明品1のよ
うにプライマー層を用いたものでは、5000時間のサ
ンシャインウェザオメータによる促進暴露によっても層
間剥離を起こさなかった。これに対し、発明品1のもの
からプライマー層を無くした表面硬度改質板について
は、1000時間程度を越える促進暴露によって層間剥
離が認められた。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の表面硬度改質板は、ポリカーボネート樹脂基板の表面
に、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂とエポキシ系樹脂
とでなるプライマー層と、UVAを含むゴム変性したア
クリルフィルムと、紫外線硬化型のフォスファーゼン系
樹脂からなるハードコート層とが積層一体化された構造
であり、アクリルフィルムに含まれるUVAにより、ポ
リカーボネート樹脂基板が紫外線の攻撃から保護され、
優れた耐候性を具備するに至るものである。そして、ア
クリルフィルムの厚さを30〜150μm、ハードコー
ト層の厚さを5〜30μmにしておくと、表面硬度を所
定の硬さにすることができる上、ゴム変性したアクリル
フィルムに、メチルメタクリレートとブチルメタアクリ
レートとの共重合体を用いることによって、ハードコー
ト層のクラック防止作用が顕著に発揮され、耐候性も大
幅に改善される。さらに、プライマー層に、塩化ビニル
樹脂と酢酸ビニル樹脂とエポキシ系樹脂との共重合体を
用いると、ポリカーボネート樹脂基板とアクリルフィル
ムとの接合強度が向上して層間剥離がきわめて起こりに
くくなるという効果がある。
【0035】また、本発明による表面硬度改質板の製造
方法によると、アクリルフィルムをプライマー層を介し
てポリカーボネート樹脂基板にラミネートした後、アク
リルフィルムの表面にフォスファーゼン系樹脂塗料を塗
布して硬化させるので、ラミネートした後の塗布硬化工
程が1回で済み、製造工程を大幅に簡略化することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面硬度改質板の実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の表面硬度改質板の他の実施例を示す断
面図である。
【図3】促進暴露時間と黄変度の関係を示した図表であ
る。
【図4】コートハード層の厚さとヘーズとの関係を示し
た図表である。
【符号の説明】 1 ポリカーボネート樹脂基板 2 プライマー層 3 UVAを含むアクリル樹脂フィルム 4 ハードコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/08 B32B 27/08 27/18 27/18 A 27/30 27/30 A C08J 7/04 CEY C08J 7/04 CEYK CFD CFDK C09D 143/02 PGL C09D 143/02 PGL (72)発明者 世古 守宏 大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキ ロン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂基板の少なくとも
    片面に、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂とエポキシ系
    樹脂とでなるプライマー層が積層一体化され、このプラ
    イマー層の表面に紫外線吸収剤を含みかつゴム変性した
    アクリル系樹脂フィルムが積層一体化され、このアクリ
    ル系樹脂フィルムの表面に紫外線硬化型のフォスファー
    ゼン系樹脂からなるハードコート層が積層一体化されて
    なる表面硬度改質板。
  2. 【請求項2】 ゴム変性したアクリル系樹脂フィルム
    が、メチルメタクリレートとブチルメタアクリレートと
    の共重合体である請求項1に記載の表面硬度改質板。
  3. 【請求項3】 プライマー層が、塩化ビニル樹脂と酢酸
    ビニル樹脂とエポキシ系樹脂との共重合体である請求項
    1または請求項2に記載の表面硬度改質板。
  4. 【請求項4】 アクリル系樹脂フィルムの厚さが30〜
    150μmで、ハードコート層の厚さが5〜30μmで
    ある請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の
    表面硬度改質板。
  5. 【請求項5】 プライマー層の厚さが0.1〜1.5μ
    mである請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のい
    ずれかに記載の表面硬度改質板。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート樹脂製の基板に、紫外
    線吸収剤を含むアクリル系樹脂フィルムと塩化ビニル樹
    脂と酢酸ビニル樹脂とエポキシ系樹脂とでなるプライマ
    ー層との積層体を、プライマー層を基板側にして積層一
    体化し、次いで、紫外線硬化型のフォスファーゼン系樹
    脂よりなる塗料を塗布した後、紫外線を照射して塗膜を
    硬化させハードコート層を形成することを特徴とする表
    面硬度改質板の製造方法。
JP7299154A 1995-10-23 1995-10-23 表面硬度改質板とその製造方法 Pending JPH09117998A (ja)

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