JPH09117717A - 合成樹脂製中空体の塗装方法 - Google Patents
合成樹脂製中空体の塗装方法Info
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- JPH09117717A JPH09117717A JP27873295A JP27873295A JPH09117717A JP H09117717 A JPH09117717 A JP H09117717A JP 27873295 A JP27873295 A JP 27873295A JP 27873295 A JP27873295 A JP 27873295A JP H09117717 A JPH09117717 A JP H09117717A
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Abstract
て、きれいな光沢表面を得ることができると同時に、塗
装作業の効率が良く、帯電性が低い塗膜を得ることがで
きる合成樹脂製中空体の塗装方法を提供する。 【解決手段】 ブロー成形した合成樹脂製中空体の表面
に、粒径0.1 〜10μm の導電性粉体を含有する下塗り塗
料を、塗膜表面抵抗が102 〜107 Ωとなるように塗装
し、次いで光沢塗料を塗布する合成樹脂製中空体の塗装
方法であって、下塗り塗料が、該導電性粉体として、導
電性酸化チタン5〜15重量%及び導電性カーボンブラッ
ク3〜12重量%を含むことを特徴とする塗装方法。
Description
成されている中空体、特に機械的強度の大きい合成樹脂
からなる中空体の表面に光沢塗装を施す方法に関するも
のである。
特に機械的強度の大きい合成樹脂製の中空体の表面に
は、ブロー成形時にキャビティ面とバスリンとの間に発
生した空気や離型時のスリ傷により0.1〜1mm程度の凹
凸がある。このためブロー成形した合成樹脂製中空体に
そのまま光沢塗装を施すと、この凹凸が塗装面にはっき
りと表れ、折角光沢塗装したにもかかわらず外表面が見
苦しくなるという欠点があった。このような欠点を解決
するため、特開平第1-194977号公報に開示されているよ
うに、熱可塑性樹脂をブロー成形した中空体の表面に、
粒径0.1 〜10μm の顔料を20〜60重量%含有する下塗り
塗料を塗布して、中空体の表面の凹凸を隠蔽し、次いで
上塗り塗料を塗布する方法が開発された。しかし、この
特開平第1-194977号公報に開示されている方法では、下
塗り塗料は硬化後には中空体の表面に強く密着するのも
のの、塗装時の付着性が悪くて、塗装作業が効率的に行
うことができず、かつ硬化後塗膜が帯電して、中空体の
表面にホコリや塵が付着するという問題があった。
のブロー成形による凹凸を隠蔽して、きれいな光沢表面
を得ることができると同時に、塗装作業の効率が良く、
帯電性が低い塗膜を得ることができる合成樹脂製中空体
の塗装方法を提供することを目的とする。
た結果、特定の導電性粉体を含む下塗り塗料を、所定の
電気抵抗が得られるように塗布し、次いで光沢塗装を行
うことにより前記課題が解決できるという知見を得た。
したがって、本発明は、ブロー成形した合成樹脂製中空
体の表面に、粒径0.1〜10μm の導電性粉体を含有する
下塗り塗料を、塗膜表面抵抗が102 〜107 Ωとなるよう
に塗装し、次いで光沢塗料を塗布する合成樹脂製中空体
の塗装方法であって、下塗り塗料が、該導電性粉体とし
て、導電性酸化チタン5〜15重量%及び導電性カーボン
ブラック3〜12重量%を含むことを特徴とする塗装方法
を提供する。以下、本発明を詳細に説明する。
ロー成形可能な合成樹脂から構成されている中空体、特
に、曲げ弾性率(ASTMD790)が10,000kg/cm2 以上の機械
的強度の大きい熱可塑性樹脂により構成されている中空
体の塗装に適している。本発明で用いるブロー成形可能
な合成樹脂を挙げると、ABS樹脂(アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン)、ポリスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂などがある。本発明ではこれらの合成樹脂を単独
で、又は2種以上組み合わせて、ブロー成形した中空体
を塗装する。本発明により塗装する中空体のブロー成形
は、金型が開いている状態でストローのようなもので中
空状の樹脂を流し込んだ後、金型を閉めると同時に空気
を金型(ピン)から入れることにより行ない、このとき
に金型が合体する部分でバリができる。樹脂が完全に流
れていない時、ガスが出て、このため、このガスが抜け
きらないときに凹凸が生じる。この中空体の例を挙げる
と、エアコンのホース、ボーリングなどのピン、プラス
チックのビン類、ベンチなどがある。
は、導電性粉体として、導電性酸化チタン及び導電性カ
ーボンブラックを含む液体塗料である。本発明では、導
電性酸化チタン及び導電性カーボンブラックを含む導電
性粉体を下塗り塗料に加えることにより、中空体表面の
ブロー成形による凹凸を隠蔽して、きれいな光沢表面を
得ることができると同時に、塗装作業の効率が良く、帯
電性が低い塗膜が得られるという効果がある。本発明の
導電性酸化チタンとは、通常、非導電性である酸化チタ
ン粉体に、特定の処理を施して導電性を付与したもので
ある。例えば、酸化チタン粉末の表面に酸化スズ系の導
電層を形成することにより導電性酸化チタンを得ること
ができ、市販品として三菱マテリアル株式会社の白色導
電性粉末 W-1-Pなどがある。また、本発明では、通常の
導電性カーボンブラックを特に制限なく使用でき、好ま
しい市販品を挙げると、三菱化学の導電性カーボンブラ
ック#3050 及び#3250 などがある。
量%、好ましくは8〜13重量%添加するのが適当であ
る。このように添加量を規定するのは、5重量%よりも
少ないと、塗膜が黒くなり、隠蔽性の少ない上塗り塗料
を塗装したときに、発色しないからであり、15重量%
よりも多いと、コストが高くなり、実用的ではなくなる
からである。また、導電性カーボンブラックは3〜12
重量%、好ましくは5〜10重量%添加するのが適当で
ある。このように添加量を規定するのは、3重量%より
も少ないと、導電性がなくなり、上塗り塗装の静電塗装
が難しくなるからであり、12重量%よりも多いと、塗
料のチキソ性が大きくなり作業性が悪くなるからであ
る。
を含めて顔料を20〜60重量%、好ましくは30〜50重
量%添加するのが適当である。本発明の顔料として、前
記導電性粉体の他、亜鉛華などの導電性粉体、タルク、
カオリン、クレー、酸化チタン、カーボンブラックなど
の顔料を使用することができる。特に、導電性カーボン
ブラック及び導電性酸化チタンと共に、沈降性硫酸バリ
ウムを添加すると、導電性を持ったグレー色の塗膜を得
ることができる。該沈降性硫酸バリウムの添加量は、下
塗り塗料の重量を基準として12〜33重量%、好ましくは
15〜27重量%とするのが適当であ。沈降性硫酸バリ
ウムの添加量を規定するのは、12重量%よりも少ない
と、塗膜が乾燥するときに肉やせし、下地の凹凸をカバ
ーできなくなるからであり、33重量%よりも多いとス
プレー作業性が悪くなり密着性が低下するからである。
また、下塗り塗料に使用する導電性カーボンブラック、
導電性酸化チタン及び他の顔料の粒径を0.1 〜10μm 、
好ましくは0.1〜5μm とするのが適当である。このよ
うに顔料の粒径を規定するのは、0.1μm よりも小さい
とブロー成形した中空体の凹凸を十分に遮蔽できないか
らであり、10μm よりも大きいと顔料粒子が塗膜の外に
出て外観を損うからである。
抗が102 〜107 Ω、好ましくは103〜105 Ωとするのが
適当である。塗膜表面抵抗値をこのように規定するの
は、10 2 Ωよりも小さくすると導電性粉体の多すぎて、
下塗り塗料のスプレー作業性が悪くなり均一な塗膜を得
ることができず、107 Ωよりも大きいと静電塗装による
上塗り塗料の塗布が困難になり一定の膜厚が得られなく
なるからである。下塗り塗料は、バインダーとしてポリ
エステル樹脂、アルキッド樹脂、イソシアネート樹脂、
アクリル樹脂などを用い、さらに、シリコーン系添加
剤、表面調整剤などを加えて調製する。この場合、顔料
全量、樹脂と溶剤の一部を24時間かけてボールミルで
練合して、その後、残りを含めてディスパーで攪拌しな
がら、添加剤などを加えて作成する。この塗料に、主剤
と硬化剤と希釈シンナーを規定の割合で調合して、エア
スプレーガンで塗布し、さらに80℃、30分間焼き付
けを行う。この下塗り塗料が硬化した後、上塗り塗料を
塗装し、80℃で30分間、焼き付ける。なお、上塗り
塗料は、自動車などの外板用の塗膜物性を満たす程度の
塗膜であって、さらに、自動車のボデー色にカラーマッ
チングされたものであれば特に限定はされない。
を進めることができ、中空体表面のブロー成形による凹
凸を隠蔽して、きれいな光沢表面を有し、かつ帯電性が
低い塗膜を得ることができた。
詳細に説明する。なお、実施例中、「部」、「%」は重
量を基準として示す。 (実施例1)導電性カーボンブラック7g、導電性酸化
チタン10g、沈降性硫酸バリウム22g、ポリエステ
ル樹脂35g、エステル系溶剤10g及び芳香族系溶剤
5gを混合し、ボールミルで24時間練合した。その
後、表面調整剤0.5g、芳香族系溶剤5.5gとエス
テル系溶剤5gを添加して、ディスパーでよく攪拌して
実施例1の導電性塗料を調製した。 (実施例2、比較例1〜4)実施例2及び比較例1〜4
の導電性塗料も表1に記載した成分用いて実施例1と同
様の方法で作成した。
化学工業社製商品名) 注2;ケッチェンブラック(日本イーシー社製商品名) 注3;白色導電性粉末W−P(三菱マテリアル社製商品
名) 注4;タイペークR930(石原産業社製商品名) 注5;日本化学工業社製商品名 注6;ソルベッソ100 注7;酢酸ブチル
り塗料を塗装乾燥して、塗膜表面の状態を目視で判定し
た。 2)塗膜表面非抵抗静電塗装性 101 〜1016の範囲で塗膜表面の抵抗値を測定可能な
テスターを用いて測定した。 3)耐スケ色上塗性 隠蔽性の悪い上塗(50μm以上)を塗装したとき、下
地の影響で目標とする色が発色しない場合、耐スケ色上
塗性が悪いときとした。 4)塗装作業性 ワイダー71のエアースプレーガン(霧化圧4Kg、吐
出量150cc/分)で、被塗物表面に吹き付けた時の
塗膜表面の状態を目視評価した。 5)コスト 実施例1のコストを標準として他の配合コストと比較し
た。
Claims (3)
- 【請求項1】 ブロー成形した合成樹脂製中空体の表面
に、粒径0.1 〜10μm の導電性粉体を含有する下塗り塗
料を、塗膜表面抵抗が102 〜107 Ωとなるように塗装
し、次いで光沢塗料を塗布する合成樹脂製中空体の塗装
方法であって、下塗り塗料が、該導電性粉体として、導
電性酸化チタン5〜15重量%及び導電性カーボンブラッ
ク3〜12重量%を含むことを特徴とする塗装方法。 - 【請求項2】 下塗り塗料が、さらに沈降性硫酸バリウ
ムを12〜33重量%含む、請求項1記載の塗装方法。 - 【請求項3】 前記中空体が曲げ弾性率 10,000 kg/cm
2 以上の熱可塑性樹脂から構成されている請求項1又は
2記載の塗装方法。
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---|---|---|---|---|
EP1114712A1 (en) * | 2000-01-05 | 2001-07-11 | Kyoraku Co.,Ltd. | Automotive exterior panel and method for producing the same |
JP2002057485A (ja) * | 2000-06-01 | 2002-02-22 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 電波吸収体組成物 |
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