JPH09116500A - アナログ信号処理回路 - Google Patents

アナログ信号処理回路

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JPH09116500A
JPH09116500A JP7293773A JP29377395A JPH09116500A JP H09116500 A JPH09116500 A JP H09116500A JP 7293773 A JP7293773 A JP 7293773A JP 29377395 A JP29377395 A JP 29377395A JP H09116500 A JPH09116500 A JP H09116500A
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signal
optical
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JP7293773A
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Ikuo Ogawa
育生 小川
Koji Horikawa
浩二 堀川
Hirotsugu Ogawa
博世 小川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はアナログ光伝送系において位相制
御、変調、増幅等の信号処理を、回路の大型化および3
次相互変調歪みの問題なく実現する高機能かつ高性能な
アナログ信号処理回路を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明はアナログ電気信号を搬送波と少
なくともひとつの側帯波とからなる信号光に変換し、該
信号光を同一の伝送路に送出する光信号発生手段と、該
信号光を処理する信号処理手段と、信号光からアナログ
電気信号を再生する光検出手段とからなるアナログ信号
処理回路において、信号処理手段が、信号光を搬送波と
側帯波とに分離する分波手段と、分波された光周波数成
分に各々所望の処理を施す光波処理手段と、該搬送波成
分と少なくともひとつの側帯波成分とを合波する合波手
段とを有することに特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大容量無線通信や
加入者系光通信等の分野において用いられるアナログ光
伝送等において重要となるアナログ信号処理回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信や加入者系光通信等の分
野において光ファイバの広帯域、低損失性を利用したア
ナログ信号の伝送・分配システムの検討が進んでいる。
特に無線通信においては、大容量化を図るためには高い
周波数帯を使用すること、および無線エリアを小さくす
ることが必須であり、例えば地上では数10から数10
0mのエリアごとに無線基地局を設置し、無線基地局間
の信号の伝送・分配に光ファイバを用いる方式が検討さ
れている。
【0003】また、衛星通信においても、日本の国土全
体を数10〜数100のビームで覆う超マルチビーム化
が検討されており、これを実現する大規模フェーズドア
レーアンテナ用の給電回路を光回路を用いて構成するこ
とが検討されている。無線信号等のアナログ電気信号は
主に直接強度変調−直接検波の方法で光に重畳し、検波
することが検討されており、サブキャリア光伝送方式と
呼ばれている。これは長距離系で用いられるデジタル方
式等と比べて極めて簡単なハードウェア構成でよいこと
が大きな利点である。
【0004】さらにサブキャリア光伝送方式ではひとつ
の光搬送波を複数の無線信号等のサブキャリアで多重変
調して伝送するため、ひとつの搬送波にひとつのベース
バンド信号をのせて、光周波数の領域で搬送波を多重す
る光周波数多重伝送に比べて構成が簡便であるととも
に、必要となる帯域幅が狭く、光増幅器等の帯域に伝送
容量を制限されないという利点がある。
【0005】しかしながら、上記サブキャリア光伝送に
おいては信号の伝送は簡便に行うことができる反面、信
号処理を行うにはいくつかの問題があった。一例として
以下に、位相制御と、変調および増幅における問題につ
いて説明する。
【0006】第一の例として、図9に光に重畳されたア
ナログ電気信号の位相を制御する移相器の例を示す。移
相器は光導波路と光スイッチを縦続多段に接続した遅延
回路によって構成されており、スイッチを用いて光の経
路を切り替えることにより所望の遅延を得る構成であ
る。このような位相制御素子は、複数のアンテナ素子に
位相分布を与えた信号を供給するフェーズドアレー用給
電回路において最も基本的な回路要素となる。しかしな
がら、本構成では光に重畳された電気信号の位相を変化
させるためには、その電気信号の波長程度の長さを有す
る遅延線路が必要となる。例えば2.5GHzのマイク
ロ波信号の位相を360度変化させるためには屈折率n
=1.45の石英ガラス導波路中で約8cmと比較的長
い導波路長を必要とする。また、得られる位相誤差を1
度程度に抑えるためには約200μmの光路長の精度を
必要とする。すなわち、このような遅延回路は精度よく
作製するには集積回路構成が必須となる反面、長い導波
路長を必要とするためひとつの回路が大型になり、複数
回路の大規模な集積化が困難であるという問題があっ
た。
【0007】第二の例として、変調および増幅における
問題について説明する。すなわち、サブキャリア多重光
伝送においては、ひとつの搬送波を複数のサブキャリア
信号で多重変調して伝送することになるが、極めて狭い
帯域内に複数のサブキャリア信号が存在するため、変調
器をはじめ増幅器や伝送路において大きな相互変調歪み
が生じることとなり、特に送信RF信号の帯域内に生じ
る3次相互変調歪みは伝送品質劣化の原因となるととも
に、伝送容量を制限する要因となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の多重変調におけ
る問題は、特に複数の地点からネットワークにアクセス
するマルチアクセス型のサブキャリア光伝送システムの
場合により深刻になる。例えば図10に示すように、同
一の光ファイバを用いて多地点をループ状に結ぶ場合、
上り回線について図10(a)変調器を多段に接続して
多重変調リンクとする構成、図10(b)各地点に光源
を用意する構成、が考えられるが、図10(a)の場合
には簡便な構成であるが多重変調による相互変調歪みが
避けられず、図10(b)の場合には異なる光源間のビ
ート雑音が問題となり光周波数の管理が必要となる問題
があった。
【0009】以上述べたように、従来サブキャリア光伝
送系における信号処理には、以下の問題があった。
(1)位相制御を行うのに電気信号の波長程度の大きさ
を有する回路を必要とする問題があった。(2)多重変
調や多重変調された信号光を一括増幅する際に大きな3
次相互変調歪みを生じる問題があった。
【0010】本発明の目的は、アナログ光伝送系におい
て位相制御、変調、増幅等の信号処理を、回路の大型化
および3次相互変調歪みの問題なく実現する高機能かつ
高性能なアナログ信号処理回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明は強度変調光またはヘテロダイン系を構成
する2光波を光周波数成分に分離することによって、ヘ
テロダイン信号処理を行うアナログ信号処理回路を提案
する。
【0012】すなわち発明は、アナログ電気信号を搬送
波と少なくともひとつの側帯波とからなる信号光に変換
し、該信号光を同一の伝送路に送出する光信号発生手段
と、該信号光を処理する信号処理手段と、前記信号光か
らアナログ電気信号を再生する光検出手段とからなるア
ナログ信号処理回路において、前記信号処理手段が、前
記信号光を搬送波と側帯波とに分離する分波手段と、分
波された光周波数成分に各々所望の処理を施す光波処理
手段と、該搬送波成分と少なくともひとつの側帯波成分
とを合波する合波手段とを有することに特徴がある。
【0013】また前記光波処理手段が、光波の位相を変
化させるための移相手段を含む。前記光波処理手段が、
増幅手段を含む。
【0014】更に前記光波処理手段が、搬送波からアナ
ログ電気信号を搬送波と少なくともひとつの側帯波とか
らなる信号光に変換する手段を含む。
【0015】前記分波手段が周波数分波器を含む。前記
分波手段がマッハツェンダー干渉計を1段又は2段接続
した構成からなる。前記合波手段がY分岐回路で構成し
た。前記光波処理手段が、信号光を搬送波と側帯波とに
分離する分波手段を含む。
【0016】前記光信号発生手段が、搬送波と側帯波と
を各々直交する偏波状態で出力し、かつ少なくとも前記
光信号発生手段から前記分波手段までの伝送路が偏波状
態を保存するとともに、前記分波手段が、直交する偏波
成分を分離する偏波分離器によって構成される。
【0017】また前記光波処理手段が、搬送波と側帯波
を複数の経路に分岐する分岐手段を含むとともに、前記
合波手段が、前記複数の経路に分岐された搬送波の経路
に変調手段と移相手段を、側帯波の経路に増幅手段を各
々設けた構成とした。
【0018】また前記光波処理手段が、上下両側帯波を
用いる多重変調手段を多段に接続し、各段の経路に移相
手段を設けた。
【0019】上述した従来の問題点は強度変調光をその
まま信号処理していることが大きな原因となっている。
すなわち光に重畳された電気信号の位相制御は強度変調
光の包絡線の位相制御に相当するため比較的長い遅延線
路が必要となる。また、強度変調光をさらに多重変調し
たり、多重変調された光を一括して増幅したりすること
によって大きな3次相互変調歪みが生じる結果となって
いる。ところで強度変調光は一般に搬送波成分とその上
下側帯波成分の3つの光周波数成分を有しており、受光
器においてはこれら3光波が自乗検波されることにより
もとの変調信号が検出される。
【0020】本発明は送信電気信号が重畳された強度変
調光を搬送波成分と上下の側帯波成分とからなる光周波
数成分に分波することによってヘテロダイン信号処理系
に変換し、各光周波数成分について所望の光波処理を行
った後、再度分波された光周波数成分を合波することを
特徴としている。
【0021】したがって、光検出手段において得られる
電気信号の位相は、搬送波と側帯波の位相差に相当する
ため、電気信号の位相制御は光波の位相制御に相当する
ことになり小型な移相器を実現できる。
【0022】また、強度変調光に非線形な処理を施す場
合の3次相互変調歪みは搬送波といずれか1波または2
波の側帯波との相互変調によって生じる成分が主たる電
力を占める。したがって変調や増幅等の非線形を有する
信号処理を行う場合にも、搬送波と側帯波とを分離して
各々独立に処理することによって3次相互変調歪みを低
減できる。
【0023】また光波処理手段が変調器を用いた回路を
複数個含む構成でもよい。すなわち、複数個の電気信号
で多重変調する場合には、本発明の強度変調光を光周波
数成分に分波する分波器と、強度変調器が、複数個縦続
に接続されており、常に搬送波のみを取り出して強度変
調を行う構成とすることによって、多数の電気信号でも
同様に3次の非線形歪みを抑圧した多重変調をすること
ができる。
【0024】また前記信号光を搬送波と側帯波とに分離
する分波手段は、周波数分波器を含む構成でも、偏波分
離器を含む構成でもよい。周波数分波器を用いれば、変
調信号が数GHz以上であれば通常の強度変調光を搬送
波と側帯波とに容易に分離できる。しかしながら例えば
MHzのオーダーの電気信号の場合には数MHz離れた
光を分波する周波数分波器を実現するのは困難である。
その場合には偏波分離器を含む構成が有効である。すな
わちあらかじめ搬送波と側帯波とを直交する偏波状態で
伝送しておけば、偏波分離器によって電気信号の周波数
によらずに搬送波と側帯波とを分離できる。
【0025】さらに前記光波処理手段が、搬送波と側帯
波を各々複数の経路に分岐する光分岐手段を含むととも
に、前記合波手段が、前記複数の経路に分岐された搬送
波と側帯波のうち、少なくともひとつの搬送波とひとつ
の側帯波とを合波して出力する合波器を少なくともひと
つ以上有する構成であることも可能である。このような
構成にすれば、ひとつの信号光を複数の出力端子に分岐
して出力すると同時に異なる出力端子に対して異なる信
号処理を施して出力することが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
例を示しており、光波処理手段として増幅器を用いた例
である。すなわち、本実施の形態例は複数(N個)の送
信マイクロ波信号によって強度変調された光を発生する
光信号発生手段と、信号処理手段と、信号光を受光して
マイクロ波信号を再生する光検出手段とからなるアナロ
グ光伝送系を示しており、前記信号処理手段は強度変調
光を搬送波成分と上下側帯波成分とに分離する分波器と
上下の側帯波のうちいずれか一方を増幅する光増幅器
と、増幅された側帯波成分と搬送波成分とを再び合波す
る合波器とを有する構成である。
【0027】本実施の形態例においては、信号光は複数
のマイクロ波信号によって変調したサブキャリア多重変
調光とし、分波器は、マッハツェンダー干渉計を2段接
続した構成とし、第一のマッハツェンダー干渉計で信号
光を搬送波成分と側帯波成分の2つに分波し、第二のマ
ッハツェンダー干渉計で側帯波成分を上下2つの側帯波
成分に分波する構成である。このような構成は、送信マ
イクロ波信号がfGHz帯であれば、第一のマッハツェ
ンダー干渉計は2fGHzの周波数間隔、第二のマッハ
ツェンダー干渉計は4fGHzの周波数間隔をもつ分波
器とすればよい。また合波器も合波損失を避けるために
2fGHzの周波数間隔を有するマッハツェンダー型の
合波器とした。なお分波器の動作を明確にするために、
図中に伝送路中の各段での光周波数成分を周波数軸を横
軸にして併せて示す。
【0028】従来、サブキャリア多重光伝送においては
多重された信号光を一括して増幅すると大きな3次相互
変調歪みを生じる問題があった。しかしながら本実施の
形態例の回路を用いれば、相互変調歪みを十分小さく効
率的に増幅することができる。すなわち、強度変調光の
光周波数成分では搬送波成分が極めて大きい振幅を有す
るため、3次相互変調歪みは、側帯波成分同士の組み合
わせによって生じるものと比べて、搬送波成分とひとつ
またはふたつの側帯波成分の組み合わせによって生じる
ものが主成分となる。したがって搬送波と側帯波を分波
して側帯波成分を増幅する本実施例においては、3次相
互変調歪みの主成分を抑圧し十分小さな歪みで増幅する
ことが可能である。また、側帯波成分のみを十分線形性
を保ったまま効率的に増幅することができる。すなわ
ち、本実施の形態例の光回路では、信号光の中の大部分
のパワーを担いゲインサチュレーションの原因となる搬
送波成分を側帯波成分と分波して側帯波成分を独立に増
幅するため、効率的に側帯波成分を増幅することができ
る。したがって変調器における変調度が相互変調歪みを
生じないように小さく制限されている場合でも、側帯波
成分のみを増幅することによって等価的に大きな変調度
の信号光を生成することができる。
【0029】本実施の形態例のような構成は、送信器と
しても、中継器としても用いることができる。すなわ
ち、例えばマイクロ波信号によってLDを直接変調する
光信号発生手段のすぐ後段に本発明の信号処理手段を設
ければ光送信器として用いることができ、また、光ファ
イバ伝送路の中間点に本発明の信号処理手段を設ければ
光中継器として用いることができる。
【0030】本実施の形態例においては上側帯波成分の
みを増幅しているが、もちろん搬送波成分を増幅しても
よい。またもちろん下側帯波成分も用いてもよい。ただ
し上下側帯波成分を両方とも用いて、再び搬送波と合波
して伝送する場合には搬送波と上側帯波、搬送波と下側
帯波の位相差が等しくなるように移相器を用いて相対的
な位相関係を調整する必要がある。これらはシステムに
応じて適切に設計することによって効率のよいアナログ
伝送系を構築することができる。
【0031】また、本実施の形態例においては分波器と
して、マッハツェンダー干渉計型光周波数分波器を用い
て構成したが、もちろんその他の構成でもよく、例えば
ファブリペロー型光周波数分波器による構成などでもよ
い。また、光周波数分波器でなくてもよい。例えば後述
する第4の実施の形態例に示すように偏波分離器を用い
ることも可能である。その場合にはあらかじめ送信側で
搬送波と側帯波成分など分波したい光周波数成分同士を
直交する偏波状態にしておけばよい。
【0032】図2は本発明の第2の実施の形態例を示し
ており、光波処理手段として強度変調器を用いた例であ
る。本実施の形態例は、光波処理手段として増幅器では
なく、搬送波成分を強度変調する変調器を設けた点と、
合波器をY分岐回路で構成した点が実施の形態例1と異
なる。すなわち本実施の形態例においては信号光を搬送
波成分と側帯波成分に分波し、分波した搬送波成分を新
たなマイクロ波信号によって強度変調し、Y分岐回路で
再び変調された搬送波成分と側帯波成分とを合波する構
成である。第1の実施の形態例と同様に、図中に伝送路
中の各段での光周波数成分を周波数軸を横軸にして併せ
て示す。
【0033】本構成を用いれば、3次相互変調歪みを抑
圧した多重変調を行うことができる。すなわち、複数の
光周波数成分を多重に変調を行うことによって大きな3
次相互変調歪みが生じるのに対して、本構成では搬送波
成分と側帯波成分を分波して、搬送波成分のみに強度変
調を行うため、3次相互変調歪みを十分小さく多重変調
リンクを構成することができる。本構成を用いれば従来
の技術で述べたような複数の地点からアクセスするマル
チアクセス型のネットワーク構成が可能である。
【0034】図3は本発明の第3の実施の形態例を示し
ており、光波処理手段として強度変調器と搬送波成分と
上下側帯波成分を分波する分波器とを複数用いた例であ
る。本実施の形態例は第2の実施の形態例をM個多段に
構成した例であり、同様に3次相互変調歪みを十分小さ
く多重変調が可能である。本構成は、ひとつの搬送波を
多重変調して送信する送信器としても有効である。
【0035】図4は本発明の第4の実施の形態例を示し
ており、光波処理手段として光分岐器と周波数シフタを
用いた光多重変調リンクの例である。本実施例は、信号
光として強度変調光ではなく、基準光と基準光から送信
電気信号の周波数だけ離れた周波数を有する信号光の2
光波からなるヘテロダイン系のリンクであり、図4にお
いては光信号発生手段と信号処理回路構成を詳しく示し
てある。リンクはすべて偏波保持性の光導波路材料で構
成されているとする。
【0036】本実施の形態例の回路動作を説明する。ま
ず、送信器においては光源の出力光(基準光)が2分岐
され一方は光周波数シフタによって送信電気信号の周波
数だけ離れた信号光に変換される。その後、信号光は1
/2波長板を用いて基準光と直交する偏波に変換され基
準光と合波され、送出される。信号処理手段において基
準光と信号光とを分波する分波器は、偏波分離器で構成
されてあり、直交する偏波で伝送された基準光と信号光
とを分離することが可能である。分波された基準光は再
び2分岐され一方は周波数シフタにより第二の送信電気
信号によって第二の信号光に変換され、第二の信号光は
1/2波長板によって直交する偏波に変換される。最後
に再び合波器によって基準光と第一、第2の信号光は合
波され、送出される構成である。
【0037】本構成によれば、基準光は複数の信号光に
対して常に直交する偏波で伝送されることになる。した
がって分波器は偏波分離器を用いればよい利点がある。
すななわち、第2の実施の形態例の多重変調リンクで
は、光周波数分波器の分解能によって送信できる電気信
号の周波数は数GHz以上に制限される問題があり、無
線信号などの高い周波数帯を伝送する場合には有効であ
るが、音声信号など低い周波数帯の場合には単純には適
用できない。しかしながら本実施の形態例のような構成
であれば、偏波によって基準光を分離可能であるため、
送信電気信号の周波数が小さい場合も適用可能である。
【0038】本実施の形態例に示すように、本発明の分
波器は必ずしも光周波数分波器でなくとも搬送波成分と
側帯波成分を分離するものであればよい。また強度変調
光ではなく、基準光と信号光からなるヘテロダイン系の
2光波でもよい。
【0039】図5は本発明の第5の実施の形態例を示し
ており、光波処理手段として光波の位相を変化させる光
移相器を用いた例を示している。光移相器としては、電
気光学効果を用いた光位相シフタ等を用いればよい。
【0040】光の位相を制御することによって最終的に
得られる電気信号の位相を制御できることを以下に簡単
に説明する。まず光の周波数をf、送信電気信号の周波
数をFとすると、搬送波と上下側帯波の電界振幅は、そ
れぞれ
【0041】 搬送波:ψc =Ec cos (2πft+φc) ・・・(1) 上側帯波:ψu =Eu cos (2π(f+F) t+φu) ・・・(2) 下側帯波:ψl =El cos (2π(f−F) t+φl) ・・・(3)
【0042】と表すことができる。ここでEc、Eu、Elは
それぞれ最大振幅であり、φc 、φu、φl は位相であ
る。一般に光の受光器は光強度を電流または電圧に変換
する素子であり、2乗検波となり、本実施例では上側帯
波のみを取り出して位相制御を施した搬送波と合波して
光検出手段に入力しているので、
【0043】 検出器で生じる電気信号:ψe = (ψc +ψu)2 ・・・(4) と書ける。検出される電気信号のうち周波数Fをもつ成
分は、以下のように表せる。
【0044】周波数Fをもつ電気信号成分: ψ=EcEu cos (2πFt+ (φu −φc)) ・・・(5)
【0045】このように搬送波と側帯波の位相差がその
まま得られる電気信号の位相に相当することがわかる。
したがって搬送波あるいは側帯波のうち少なくともいず
れか一方について光波の領域で位相制御を行うことによ
って電気信号の位相を制御できる。
【0046】上述したように本実施の形態例では光波の
位相を制御することにより重畳されている電気信号の位
相を制御できるため、従来用いていた遅延回路と比較し
て回路の大幅な小型化が可能となった。このような処理
は従来2光源を用いたヘテロダイン系などで行われてい
たが、本発明では搬送波と側帯波を分波する分波器を用
いることによって通常の強度変調光も同様に取り扱うこ
とができるようになった。したがって、長い伝送路の途
中に用いる中継器などにも適用可能となった。
【0047】図6は本発明の第6の実施の形態例を示し
ており、上記第1〜第5の実施の形態例とは異なり、搬
送波と上下側帯波とを分波する分波手段を2段ではなく
1段のマッハツェンダー干渉計によって構成しており、
上下側帯波はあえて上下の成分には分離していない。さ
らに光波処理手段においては搬送波の経路に強度変調器
と光移相器を、上下側帯波の経路には光増幅器をそれぞ
れ設けた構成とした。
【0048】本実施の形態例の回路は、第2の実施の形
態例と同様に3次相互変調歪みを抑圧した多重変調を行
う回路として用いることができる。第2の実施の形態例
と異なる第一の点は、第2の実施の形態例では上側帯波
のみしか用いないことによって3dBの損失が生じるの
に対して、本実施の形態例ではこの損失を避けることが
できるという点である。さらに上下側帯波の経路に光増
幅器を設けることによって、大きな3次歪みなく増幅を
行なっている。しかしながら上下側帯波をいったん搬送
波と分離して再度合波する場合には、光の位相調整が必
要となる。すなわち、上記第5の実施の形態例で説明し
たように受光器では2乗検波を行うことになり、上記の
式(4)は上下側帯波に対しては以下のように書き直さ
れる。
【0049】 検出器で生じる電気信号:ψe = (ψc +ψu +ψl)2 ・・・(6)
【0050】検出される電気信号のうち周波数Fをもつ
成分は、以下のように表せる。
【0051】周波数Fをもつ電気信号成分: ψ=Ec{Eu cos (2πFt+( φu −φc ))+El cos (2πFt+( φc −φl ))} ・・・(7)
【0052】式(7)からわかるように搬送波と上下側
帯波の位相が下式を満たすときに得られる電気信号は最
大になり、下式を満たさない場合には最悪電気信号の出
力が得られない結果となる。
【0053】 振幅最大となる位相の条件: (φu −φc)= (φc −φl)・・・(8)
【0054】したがって、本実施の形態例では搬送波の
位相を上下側帯波の位相に対して調整するために、光移
相器を設けた。
【0055】図7は本発明の第7の実施の形態例を示し
ており、第6の実施の形態例に記載の上下両側帯波を用
いる多重変調回路を、多段に接続した構成である。この
ような構成を用いることによって大きな3次歪みなく複
数の電気信号で多重に変調を行なうことができ、側帯波
に対して光増幅器を各々設けているため大きなパワーの
出力ができる。また第6の実施の形態例に述べたように
上下側帯波と搬送波との位相関係を調整するためにすべ
ての経路に光移相器を設けた。
【0056】このように、搬送波と上下側帯波とを分離
する分波手段は、必ずしも側帯波成分をさらに上下の成
分に分離する必要はなく、搬送波と側帯波とが分離され
ればよい。また、本発明の光波処理手段はひとつの機能
に制限されるものではなく、変調器、移相器、増幅器、
分波器あるいは分岐器等のあらゆる光波処理機能を各々
任意の数だけ設けてよい。
【0057】図8は本発明の第8の実施の形態例を示し
ている。本実施の形態例の特徴は、1入力端子に対して
複数の出力端子を設けたことである。すなわち光波処理
手段の中に、搬送波と側帯波を各々複数の経路に分岐す
る分岐手段を設け、搬送波と側帯波の対応するもの同士
を合波して出力する合波器を複数設けた点が前記実施例
とは異なる。
【0058】本実施の形態例の回路の動作を説明する。
送信電気信号によって強度変調された信号光は分波手段
において搬送波と上下側帯波に分波され側帯波は上側の
みが用いられる。光波処理手段は、光増幅器、光分岐器
と光移相器を含み、搬送波と上側帯波は各々増幅された
後、各々8分岐され、さらに搬送波は、その経路に設け
られた光移相器によって経路ごとに位相制御される。一
方上側帯波は概ね等しい長さに設定された経路をそのま
ま通過する。合波手段においては対応するひとつの搬送
波とひとつの上側帯波が合波され光検出手段へと導かれ
る。このように本実施の形態例の回路は、送信電気信号
を複数の端子に所定の振幅・位相分布を与えて出力する
機能を有しており、フェーズドアレー用給電回路として
用いることができる。従来、光回路を用いたフェーズド
アレー用給電回路では、マイクロ波移相器の構成として
遅延線路を用いる構成が検討されているが、この場合に
はマイクロ波の波長程度の長さを必要としたのに対し
て、本実施の形態例では光の波長オーダーのサイズでマ
イクロ波の位相制御が可能となるため、回路の小型化が
可能になる。また、従来のヘテロダイン処理を用いた給
電回路の検討では、基準光と信号光を発生するために2
つの光源を用いる方法や、光周波数シフタを用いる方法
などが検討されているが、本実施の形態例の回路では光
源の直接変調など極めて簡単な方法でヘテロダイン系を
実現することができる利点がある。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は搬送波成
分と側帯波成分とを分離する分波手段を用いてヘテロダ
イン信号処理系を構成し、分波された光周波数成分に対
して独立に所望の光波処理を行うことを特徴とするた
め、以下の効果が得られる。すなわち、(1)通常の強
度変調光においても重畳された電気信号の位相制御を光
波の位相制御におきかえることができるようになったた
め移相器の小型化を図ることができる。また(2)変
調、増幅等の非線形性を有する光波処理においても、必
要な光周波数成分のみ取り出して行えばよいので、3次
相互変調歪みを十分小さく抑えることができる。また情
報をもつ信号成分を取り出して増幅することにより歪み
を抑制した効率的な増幅が可能となるという効果もあ
る。
【0060】したがって本発明を用いることにより、ア
ナログ光伝送系において位相制御、変調、増幅等の信号
処理を、回路の大型化および3次相互変調歪みの問題な
く実現する高機能かつ高性能なアナログ信号処理回路を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態例を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態例を示す図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態例を示す図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態例を示す図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態例を示す図である。
【図9】従来の送信電気信号の位相を制御する移相器の
構成を示す図である。
【図10】従来のアナログ伝送系の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光信号発生手段 1−1 光源 2 光検出手段 2−2 受光器 3 光スイッチ 4 光遅延線路 10 信号処理手段 11 分波手段 11−1 マッハツェンダー干渉計 11−2 周波数分波器 11−3 偏波分離器 12 光波処理手段 12−1 光増幅器 12−2 強度変調器 12−3 光分波器 12−4 光周波数シフタ 12−5 光分岐器 12−6 1/2波長板 12−7 光移相器 13 合波手段 13−1 合波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/18 H04J 14/00 14/04 14/06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ電気信号を搬送波と少なくとも
    ひとつの側帯波とからなる信号光に変換し、該信号光を
    同一の伝送路に送出する光信号発生手段と、該信号光を
    処理する信号処理手段と、前記信号光からアナログ電気
    信号を再生する光検出手段とからなるアナログ信号処理
    回路において、 前記信号処理手段が、 前記信号光を搬送波と側帯波とに分離する分波手段と、 分波された光周波数成分に各々所望の処理を施す光波処
    理手段と、 該搬送波成分と少なくともひとつの側帯波成分とを合波
    する合波手段とを有することを特徴とするアナログ信号
    処理回路。
  2. 【請求項2】 前記光波処理手段が、光波の位相を変化
    させるための移相手段を含む請求項1記載のアナログ信
    号処理回路。
  3. 【請求項3】 前記光波処理手段が、増幅手段を含む請
    求項1又は2記載のアナログ信号処理回路。
  4. 【請求項4】 前記光波処理手段が、搬送波からアナロ
    グ電気信号を搬送波と少なくともひとつの側帯波とから
    なる信号光に変換する手段を含む請求項1から3のいず
    れかに記載のアナログ信号処理回路。
  5. 【請求項5】 前記分波手段が周波数分波器を含む請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のアナログ信号処理回
    路。
  6. 【請求項6】 前記分波手段がマッハツェンダー干渉計
    を1段又は2段接続した構成からなる請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のアナログ信号処理回路。
  7. 【請求項7】 前記合波手段がY分岐回路で構成した請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のアナログ信号処理回
    路。
  8. 【請求項8】 前記光波処理手段が、信号光を搬送波と
    側帯波とに分離する分波手段を含む請求項1〜7のいず
    れか1項に記載のアナログ信号処理回路。
  9. 【請求項9】 前記光信号発生手段が、搬送波と側帯波
    とを各々直交する偏波状態で出力し、かつ少なくとも前
    記光信号発生手段から前記分波手段までの伝送路が偏波
    状態を保存するとともに、 前記分波手段が、直交する偏波成分を分離する偏波分離
    器によって構成される請求項1記載のアナログ信号処理
    回路。
  10. 【請求項10】 前記光波処理手段が、搬送波と側帯波
    を複数の経路に分岐する分岐手段を含むとともに、 前記合波手段が、前記複数の経路に分岐された搬送波の
    経路に変調手段と移相手段を、側帯波の経路に増幅手段
    を各々設けた構成とした請求項1記載のアナログ信号処
    理回路。
  11. 【請求項11】 前記光波処理手段が、上下両側帯波を
    用いる多重変調手段を多段に接続し、各段の経路に移相
    手段を設けた請求項1記載のアナログ信号処理回路。
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